JP4600614B2 - 新規な不飽和エーテル化合物及び該化合物の製造方法 - Google Patents

新規な不飽和エーテル化合物及び該化合物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な不飽和エーテル化合物、該化合物の製造方法、該化合物を含む組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
さらに詳しくは、皮膚刺激性、臭気性、酸素による重合阻害を解決し、かつ低粘度の新規な不飽和エーテル化合物とその製造方法、並びに新規な不飽和エーテル化合物を含有する組成物の提供及びその組成物を硬化することにより得られる硬化物に関する。
【0003】
【従来の技術】
従来、熱硬化樹脂、あるいは硬化樹脂組成物にはアクリル酸エステルや多官能アクリレート等のアクリル系モノマーが主成分として用いられているものが多い。これらの樹脂、あるいは組成物は、コーティング材料、ペイント材料、光学材料、接着剤など、様々な用途に応用できるため非常に有用である。
【0004】
しかし、これらのアクリル系モノマーには皮膚刺激性や臭気性、さらには酸素による重合阻害等の問題がありその改善が求められている。このような問題点を解決する観点からアクリル系モノマーの代替モノマーとして、近年脂環式プロペニルエーテル化合物が報告されている。
【0005】
このような脂環式プロペニルエーテル化合物の具体例としては、例えば特開平11−140135号公報に示されるトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン骨格を持つプロペニルエーテルを挙げることができる。しかし、このプロペニルエーテルは分子量が大きいために粘度が高く、さらに重合性部位の濃度が低いために硬化物の架橋密度が低く硬度が十分でないという欠点を有する。すなわち、従来用いられているアクリル系モノマーの代替モノマーとしては、十分な硬化性を有してはいないと考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、低皮膚刺激性かつ低毒性であり、酸素による重合阻害の影響が少なく、さらに従来の脂環式プロペニルエーテル化合物に比べて低粘度で、その硬化物の硬度がアクリル系モノマーの代替モノマーとして十分実用可能な新規な脂環式プロペニルエーテル化合物を含む不飽和エーテル化合物、該化合物の製造方法、該化合物を含む組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。特に該化合物を含む組成物はコーティング材料、ペイント材料、光学材料、接着剤など、様々な用途に応用できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来のアクリル系モノマーの代替モノマーとしての脂環式プロペニルエーテル化合物の問題点を克服すべく鋭意研究を行った結果、上記課題を解決するような新規な重合性化合物を見いだし発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明(I)は、一般式(1)、一般式(3)または一般式(4)のいずれかで表されることを特徴とする不飽和エーテル化合物である。
【0009】
一般式(1)
【化10】
Figure 0004600614
一般式(3)
【化11】
Figure 0004600614
【0010】
一般式(4)
【化12】
Figure 0004600614
(一般式(1)、一般式(3)及び一般式(4)において、R1は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表し、R2,R3同一であり、下記に示す構造式(1)又は構造式(2)を表す。)
構造式(1)−CH2−CH=CH2
構造式(2)−CH=CH−CH3
【0011】
また、本発明(II)は、一般式(5)、一般式(7)または一般式(8)のいずれかで表されるジオール化合物をハロゲン化アリルとの反応によってアリル化することを特徴とする、一般式(9)、一般式(11)または一般式(12)のいずれかで表される不飽和エーテル化合物の製造方法である。
【0012】
一般式(5)
【化13】
Figure 0004600614
一般式(7)
【化14】
Figure 0004600614
【0013】
一般式(8)
【化15】
Figure 0004600614
(一般式(5)、一般式(7)及び一般式(8)において、R4は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表す。)
【0014】
一般式(9)
【化16】
Figure 0004600614
一般式(11)
【化17】
Figure 0004600614
【0015】
一般式(12)
【化18】
Figure 0004600614
(一般式(9)、一般式(11)または一般式(12)において、R4は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表し、R5,R6はいずれも下記構造式(1)を表す。)
構造式(1)−CH2−CH=CH2
【0016】
【発明の実施形態】
まず、本発明(I)について説明する。本発明(I)は、一般式(1)〜一般式(4)のいずれかで表されることを特徴とする不飽和エーテル化合物である。
【0017】
一般式(1)
【化19】
Figure 0004600614
一般式(3)
【化20】
Figure 0004600614
【0018】
一般式(4)
【化21】
Figure 0004600614
(一般式(1)〜一般式(4)において、R1は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表し、R2,R3同一であり、下記に示す構造式(1)又は構造式(2)を表す。)
構造式(1)−CH2−CH=CH2
構造式(2)−CH=CH−CH3
【0019】
1は具体的には、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基などが例示できる。これらのうち原料入手の容易さからR1がメチル基または水素が好ましく、この中でもメチル基が特に好ましい。
【0020】
2、R3はそれぞれ独立にアリル基(−CH2−CH=CH2)またはプロペニル基(−CH=CH−CH3)を表す。R2とR3はそれぞれ同一である。
【0021】
一般式(1)〜一般式(4)の化合物の具体例としては、1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン、1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサン、2−エチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン、2−エチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサン、2−n−プロピル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン、2−n−プロピル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサン、
【0022】
2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナン、2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナン、2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネン、2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナン、3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナン、3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−エチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナン、3−エチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナン、
【0023】
3−エチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−エチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−n−プロピル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナン、3−n−プロピル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナン、3−n−プロピル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−n−プロピル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネン等を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0024】
本発明(I)の不飽和エーテル化合物は、1H−及び13C−NMRスペクトル、並びにFT−IRスペクトルにより、その構造を同定することが可能である。
【0025】
次に、本発明(II)について説明する。本発明(II)は、一般式(5)〜一般式(8)のいずれかで表されるジオール化合物をアリル化することを特徴とする、一般式(9)〜一般式(12)のいずれかで表される不飽和エーテル化合物の製造方法である。
【0026】
一般式(5)
【化22】
Figure 0004600614
一般式(7)
【化23】
Figure 0004600614
【0027】
一般式(8)
【化24】
Figure 0004600614
(一般式(5)〜一般式(8)において、 4 は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表す。)
【0028】
一般式(9)
【化25】
Figure 0004600614
一般式(11)
【化26】
Figure 0004600614
【0029】
一般式(12)
【化27】
Figure 0004600614
(一般式(9)〜一般式(12)において、R4は水素、炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表し、R5,R6はいずれも下記構造式(1)を表す。)
構造式(1)−CH2−CH=CH2
【0030】
一般式(5)〜一般式(12)におけるR4は具体的には、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、ネオペンチル基などが例示できる。これらのうち原料入手の容易さからR1がメチル基または水素が好ましく、この中でもメチル基が特に好ましい。
【0031】
一般式(5)〜一般式(8)の化合物の具体例としては、1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2−n−プロピル−1,1−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ノルボルナンジメタノール、5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−メチル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、3−エチル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−エチル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール、3−n−プロピル−2,2−ノルボルナンジメタノール、3−n−プロピル−5−ノルボルネン−2,2−ジメタノールを例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0032】
一般式(5)〜一般式(8)で表されるジオール化合物は、従来公知の方法で合成できる。具体的には例えば、J.Org.Chem.,26,4654(1961)で示されているように、ブタジエンまたはシクロペンタジエンと各種不飽和共役アルデヒド化合物とのDiels−Alder反応を行い、飽和のジオール化合物を製造する場合はこの段階で水添し、さらにホルマリンとのCanizzaro反応を行うことにより合成することができる。
【0033】
また、一般式(9)〜一般式(12)で表される化合物の具体例としては、1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン、2−エチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン、2−n−プロピル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナン、2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナン、3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−エチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナン、3−エチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−n−プロピル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナン、3−n−プロピル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネンを例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0034】
一般式(5)〜一般式(8)のジオール化合物のアリル化による一般式(9)〜一般式(12)のいずれかで表される不飽和エーテル化合物の製造は、従来公知のアルコールのアリル化反応により達成できる。具体的には例えば、i)塩基性化合物存在下、ハロゲン化アリルと一般式(5)〜一般式(8)のジオール化合物を反応させる方法、ii)塩基性化合物存在下または塩基性化合物非存在下、各種スルホン酸アリルエステルと一般式(5)〜一般式(8)のジオール化合物を反応させる方法、iii)オキソニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩またはヨードニウム塩と一般式(5)〜一般式(8)のジオール化合物を反応させる方法、iv)アリルアルコールと一般式(5)〜一般式(8)のジオール化合物を反応させる方法、等が例示できる。
【0035】
これらのアリル化の方法の中でも、原料入手の容易さ、反応の効率といった観点から、ハロゲン化アリルと一般式(5)〜一般式(8)のジオール化合物を反応させる方法、又は各種スルホン酸アリルエステルと一般式(5)〜一般式(8)のジオール化合物を反応させる方法がより好ましい。
【0036】
ハロゲン化アリルまたは各種スルホン酸アリルエステルと一般式(5)〜一般式(8)のジオール化合物を塩基性化合物存在下反応させる場合、用いる塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属、金属ナトリウム、金属カリウムなどのアルカリ金属、ナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、酸化亜鉛、酸化バリウム、酸化銀、酸化水銀などの金属酸化物を例示できる。
【0037】
また、ハロゲン化アリルとしては、塩化アリル、臭化アリル、ヨウ化アリルを例示できる。スルホン酸アリルエステルとしてはp−トルエンスルホン酸アリルエステル、ベンゼンスルホン酸アリルエステル、メタンスルホン酸アリルエステルなどを例示できる。いずれもこれらに限定されるわけではない。
【0038】
これらのアリル化反応は、溶媒中で行うこともできる。用いる溶媒としては、アリル化反応に不活性な物であれば特に制限はない。具体的には例えば、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサンなどの炭化水素、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N―メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒を挙げることができる。これらの溶媒から一種又は二種以上を混合して用いることもできる。
【0039】
またさらにアリル化反応の際に塩基性化合物として水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ金属を用いる場合には、水に溶解して用いてもよい。しかしこの場合は用いる溶媒等の条件によっては二層分離することがある。これを解決するために系を均一にし反応を加速させる目的で相関移動触媒を用いることもできる。用いる相間移動触媒としては、テトラブチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリドなどの四級アンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムクロリドなどのホスホニウム塩、15−クラウン−5、18−クラウン−6などのクラウンエーテルなどを挙げることができる。
【0040】
ハロゲン化アリルを用いた製造方法においては、一般式(5)〜一般式(8)のジオール化合物に対してハロゲン化アリル及び塩基性化合物は当量以上用いることが好ましい。具体的には好ましくはジオール化合物1モルに対してハロゲン化アリルは2モル〜20モル、より好ましくは2モル〜10モルであり、塩基性化合物は2モル〜20モル、より好ましくは2モル〜10モルを用いて行うことが望ましい。
また、反応温度は0℃〜200℃、好ましくは20℃〜150℃の範囲で行うことが望ましい。0℃以下では反応が遅くなり、200℃以上ではジオール化合物が変質する可能性がある。
さらに、反応時間は10分〜48時間であり、通常30分〜24時間で終了する。
【0041】
スルホン酸エステルを用いる製造方法に関しては、一般式(5)〜一般式(8)で示されるジオール化合物に対してスルホン酸エステル及び塩基性化合物は当量以上用いることが好ましい。具体的には好ましくはジオール化合物1モルに対してスルホン酸エステルを2モル〜20モル、より好ましくは2モル〜10モルであり、塩基性化合物は0モル〜20モル、好ましくは0モル〜10モル用いる。
反応温度は0℃〜200℃、好ましくは、20℃〜150℃の範囲で行うことが望ましい。0℃以下では反応が遅くなり、200℃以上ではジオール化合物が変質する可能性がある。
さらに反応時間は10分〜48時間であり、通常30分〜24時間で終了する。
【0042】
一般式(5)〜一般式(8)で示されるジオール化合物のジアリルエーテル化反応は、おそらく2つのアルコール部位において順次進行するものと考えられる。すなわち、ジオール化合物の2つのアルコール部位のうち、任意の片方のみがアリル化されたモノアリル化合物を中間体として経て一般式(9)〜一般式(12)のいずれかで表される不飽和エーテル化合物を形成するものと考えられる。現在のところ、この推定のジアリルエーテル化反応メカニズムの確証はなく、もちろんこれに限定されるわけではないことは言うまでもない。
【0043】
次に本発明(III)について説明する。本発明(III)は一般式(9)〜一般式(12)のいずれかで表される不飽和エーテル化合物を異性化することを特徴とする一般式(13)〜一般式(16)のいずれかで表される不飽和エーテル化合物の製造方法である。
【0044】
一般式(9)
【化28】
Figure 0004600614
一般式(11)
【化29】
Figure 0004600614
【0045】
一般式(12)
【化30】
Figure 0004600614
(一般式(9)〜一般式(12)において、 4 は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表し、5,R6はいずれも下記構造式(1)を表す。)
構造式(1)−CH2−CH=CH2
【0046】
一般式(13)
【化31】
Figure 0004600614
一般式(15)
【化32】
Figure 0004600614
【0047】
一般式(16)
【化33】
Figure 0004600614
(一般式(13)〜一般式(16)において、 4 は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表し、7,R8は構造式(2)である。)
構造式(2)−CH=CH−CH3
【0048】
一般式(13)〜一般式(16)のいずれかで表される不飽和エーテル化合物の具体例としては、1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサン、2−メチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサン、2−エチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサン、2−n−プロピル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサン、2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナン、2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナン、3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−エチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナン、3−エチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネン、3−n−プロピル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナン、3−n−プロピル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネンを例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0049】
本発明(III)の異性化については通常触媒(異性化触媒)を用いるのが好ましい。この際、用いることのできる異性化触媒としては例えば、アルカリ化合物や周期律表第8族元素化合物などを用いることが可能である。
アルカリ化合物の具体例としては、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、カリウム−t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属といったアルカリ化合物が挙げられる。
【0050】
また、周期律表第8族元素化合物としては、周期律表第8族元素の単体、塩化物、塩またはホスフィン、ニトリル、カルボニル、アルケンを配位子とした錯体、またはこれらををシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、活性炭、金属酸化物等の担体に担持したものを用いることができ、これらは、一種または二種を以上組み合わせてもよい。
【0051】
具体的には、パラジウム−シリカ、パラジウム−アルミナ、パラジウム−シリカアルミナ、パラジウム−カーボン、ルテニウム−シリカ、ルテニウム−アルミナ、ルテニウム−シリカアルミナ、ルテニウム−カーボン、ロジウム−シリカ、ロジウム−アルミナ、ロジウム−シリカアルミナ、ロジウム−カーボン、白金−シリカ、白金−アルミナ、白金−シリカアルミナ、白金−カーボン、イリジウム−シリカ、イリジウム−アルミナ、イリジウム−シリカアルミナ、イリジウム−カーボンなどの金属担持物、
【0052】
塩化ルテニウム、塩化パラジウム、塩化ロジウム、塩化白金などの金属塩化物、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カルボニルクロロヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、カルボニルジヒドリドトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどのルテニウム錯体、
【0053】
ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリアルキルホスフィン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、ジクロロ(1,3−ノルボルナジエン)パラジウムなどのパラジウム錯体、
【0054】
クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウム塩化物、ヒドリドテトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウムなどのロジウム錯体、
【0055】
クロロトリス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、トリクロロトリス(トリエチルホスフィン)イリジウム、クロロカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)イリジウムなどのイリジウム錯体、
【0056】
ビス(ベンゾニトリル)ジクロロ白金、ジクロロビス(アセトニトリル)白金、ジクロロビス(トリブチルホスフィン)白金、ヒドリドクロロビス(トリエチルホスフィン)白金、ヨードトリアルキル白金などの白金錯体が挙げられる。
【0057】
これらの触媒は一種または二種以上を組み合わせて用いることができる。さらに、上記の塩化物、錯体を一種または二種以上を担体に担持し触媒として用いることもできる。
上記の元素を担体に担持させた触媒の中では、パラジウムを含む触媒の活性が高く、特にパラジウム−アルミナ、パラジウム−カーボンなどが好ましい。また、金属錯体の中ではルテニウムを含む錯体の活性が高く、特にジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムが好ましい。
【0058】
これら異性化触媒は一般式(9)〜(12)のジアリルエーテル化合物に対して、0.01質量%〜30質量%、好ましくは0.05質量%〜10質量%、より好ましくは0.1質量%〜5質量%の量で用いられる。反応温度は30℃〜250℃、好ましくは100℃〜200℃の範囲である。30℃以下では反応が遅くなり、250℃を越えると副反応を起こす恐れがある。
この異性化反応は、窒素雰囲気下など、不活性ガス雰囲気中で行うことも可能である。
【0059】
また、これらの反応は溶媒中で行うこともできる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサンなどのエーテル類、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコールなどのアルコール類などが挙げられる。
【0060】
また、異性化反応時に、重合反応が生じるのを防止するために、重合禁止剤を用いることもできる。重合禁止剤の具体例としては、p−ベンゾキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノンなどのキノン類、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2、5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール類、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルトなどの金属塩などが挙げられる。
異性化して得られた一般式(13)〜一般式(16)のいずれかで表される不飽和エーテル化合物はそのまま使用することもできるが、場合によっては、蒸留などの方法により精製して使用してもよい。
【0061】
本発明(IV)は、本発明(I)の不飽和エーテル化合物の少なくとも一種以上を含むことを特徴とする重合性組成物である。この重合性組成物には必要に応じて種々の重合開始剤、重合性モノマー、光重合増感剤、染料、顔料、可塑剤、無機充填材、溶剤などを混合することにより、本発明(IV)の重合性組成物を得ることができる。
本発明の重合性組成物は重合開始剤を含有してもよい。重合開始剤としては、熱ラジカル重合開始剤、光ラジカル重合開始剤、熱カチオン重合開始剤、光カチオン重合開始剤などのラジカル重合、カチオン重合を起こすものであれば特に制限はない。また、重合開始剤は、重合性組成物としてあらかじめ混合してもよいし、重合の直前に添加してもよい。
【0062】
熱ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド類、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、デカノイルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシドなどのジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2、2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペートなどのアルキルパーオキシエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーオキシカーボネートなどが挙げられる。これらの重合開始剤は1種類または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
【0063】
紫外線、電子線、放射線照射による重合で用いる光ラジカル重合開始剤の具体例としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパン、1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン、1,2−ヒドロオキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのアセトフェノンまたはその誘導体、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−トリメチルシリルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィドなどのベンゾフェノンまたはその誘導体、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインまたはその誘導体、メチルフェニルグリオキシレート、ベンゾインジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらの重合開始剤は一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0064】
熱カチオン重合で用いる重合開始剤の具体例としては、例えば、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化スズなどが挙げられる。これらの重合開始剤は一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0065】
光カチオン重合で用いる重合開始剤の具体例としては、アリールジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールホスホニウム塩、ピリジニウム塩、キノリニウム塩などのイオン性重合開始剤、2−ニトロベンジルエステル、イミノスルホナート、1−オキソ−2−ジアゾナフトキノン−4−スルホナート誘導体、N−ヒドロキシイミド=スルホナート、トリ(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン誘導体などのスルホン酸を発生する非イオン性重合開始剤、カルボン酸−o−ニトロベンジルエステル、1−オキソ−2−ジアゾナフトキノン−5−アリールスルホナートなどのカルボン酸を発生する非イオン性重合開始剤、トリアリールリン酸エステル誘導体などのリン酸を発生する非イオン性重合開始剤が挙げられる。これらの重合開始剤は一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0066】
これらの重合開始剤の使用量は、本発明(IV)の重合性組成物に含まれる本発明(I)の不飽和エーテル化合物の総和に対して0.01質量%〜50質量%、好ましくは0.05質量%〜30質量%、より好ましくは0.1質量%〜20質量%の範囲である。
さらに本発明(VI)の重合性組成物は本発明(I)の不飽和エーテル化合物以外の他の重合性モノマーを含有してもよい。
【0067】
用いる重合性モノマーについては一般に重合性モノマーとして用いられているもので特に制限はない。具体的には例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、ブタジエンなどの鎖状オレフィン類、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロペンタジエンなどのシクロオレフィン類、スチレン、ジビニルベンゼンなどのビニル置換芳香族炭化水素、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸類、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、クロトン酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸エステルなどの不飽和カルボン酸エステル、アリルアルコール、クロチルアルコールなどの不飽和アルコール、アクロレイン、メタクロレイン、クロトンアルデヒドなどの不飽和アルデヒド類、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、ビスマレイミドなどのマレイミド類、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、アクリロニトリルなどが挙げられる。
【0068】
好ましくはビニルエーテル類、不飽和カルボン酸類、不飽和カルボン酸エステル、マレイミド類、ビニル置換芳香族炭化水素である。これらの重合性モノマーは一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0069】
本発明(VI)の重合性組成物は光重合増感剤を含有してもよい。用いる光重合増感剤としては、一般的に用いられているものであれば特に制限はない。具体的には例えば、光ラジカル重合増感剤としては、チオピリリウム塩、メロシアニン、キノリン、スチルキノリン、アリールケトン類、芳香族ケトン類、ケトクマリン類などが挙げられ、光カチオン重合増感剤としては、ペリレン、ピレン、アントラセン、コロネン、フェノチアジンなどが挙げられる。これらの光重合増感剤は一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0070】
さらに、本発明(VI)の重合性組成物は染料を含有してもよい。染料としては、一般的に用いられているものであれば特に制限はない。具体的には例えば、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、ジフェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、ポリメチン(シアニン)染料、キノリン染料、フタロシアニン染料、酸化染料などが挙げられる。これらの染料は一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0071】
本発明(VI)の重合性組成物は顔料を含有してもよい。用いる顔料としては一般的に用いられているものであれば特に制限はない。具体的には例えば、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、銅フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料などの有機顔料、クロム酸塩、フェロシアン化合物、金属酸化物、硫化物セレン化合物、金属塩類(硫酸塩、ケイ酸塩、炭酸塩、リン酸塩)、金属粉末、カーボンブラックなどの無機顔料が挙げられる。これら顔料の混合比率は本発明(VI)の重合性組成物に対して通常は0.5質量%〜10質量%、好ましくは1質量%〜5質量%である。これらの顔料は一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0072】
本発明(VI)の重合性組成物は可塑剤を含有してもよい。用いる可塑剤としては一般的に用いられているものであれば特に制限はない。具体的には例えば、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジイソデシルなどのフタル酸エステル類、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸−2−エチルヘキシルなどの脂肪族2塩基酸エステル、トリメリット酸トリ−2−エチルヘキシシル、トリメリット酸トリオクチルなどのトリメリット酸エステル、リン酸トリ−2−エチルヘキシシル、リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジルなどのリン酸エステル、オレイン酸ブチルなどの脂肪酸エステルなどが挙げられる。これら可塑剤の混合比率は本発明(VI)の重合性組成物に対して1質量%〜30質量%、好ましくは3質量%〜20質量%である。これらの可塑剤は一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0073】
本発明(VI)の重合性組成物は無機充填材を含有してもよい。用いる無機充填材としては一般的に用いられているものであれば特に制限はない。具体的には例えば、炭酸カルシウム、アルミナ、シリカ、硫酸カルシウムなどを挙げることができる。無機充填材の混合比率は本発明(VI)の重合性組成物に対して5質量%〜100質量%、好ましくは10質量%〜70質量%である。これらの無機充填材は一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0074】
本発明(VI)の重合性組成物は用途、使用目的によっては溶剤を含有してもよい。用いる溶剤としては一般に用いられているものであれば特に制限はない。具体的には例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレンなどを挙げることができる。これらの溶剤は一種、または二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0075】
最後に本発明(V)について説明する。
本発明(V)は、本発明(IV)の重合性組成物を硬化することにより得られる硬化物である。すなわち、本発明(IV)の重合性組成物をラジカル重合、カチオン重合、光カチオン重合などをさせることにより本発明(V)の硬化物を得ることができる。
具体的には、重合開始剤としてラジカル重合開始剤を用いれば、熱や紫外線、電子線、放射線などを照射することによりラジカル重合硬化物を得ることができる。光カチオン重合開始剤を用いれば、紫外線、電子線、放射線などの照射により光カチオン重合硬化物を得ることができる。カチオン重合開始剤を用いればカチオン重合硬化物を得ることができる。
【0076】
光ラジカル重合、光カチオン重合の際の光硬化の光源としては、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、重水素ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、蛍光灯、He−Cdレーザーなどを用いることができる。これらの光源のうち、高圧水銀灯が硬化に際して好ましい。
光ラジカル重合、光カチオン重合の際に用いる光の波長及び照射量は、用いた重合開始剤により異なるが好ましくは200nm〜750nm、より好ましくは200nm〜450nmであり、光の照射量は通常10mJ/cm2〜1000mJ/cm2、好ましくは100mJ/cm2〜500mJ/cm2である。
【0077】
熱ラジカル重合の反応温度は好ましくは50℃〜300℃、より好ましくは100℃〜250℃の範囲である。50℃以下では硬化が進行しにくく、300℃以上では重合性組成物および硬化物が変質する恐れがある。
カチオン重合の反応温度は好ましくは0℃〜300℃、より好ましくは20℃〜200℃である。0℃以下では硬化が進行しにくく、300℃以上では重合性組成物および硬化物が変質する恐れがある。
【0078】
【実施例】
以下に実施例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
各種分析条件
1. 1 H−NMR、 13 C−NMR測定条件
日本電子製JNM−EX400型(400MHz)スペクトロメータ使用。
溶媒 CDCl3、内標 TMS(テトラメチルシラン)
2.FT−IR測定条件
Perkin−Elmer製SpectrumGXスペクトロメータ使用。KBr液膜法。
3.GC分析条件
島津製作所製ガスクロマトグラフGC−7A使用キャリアー:He、1ml/min、スプリット比1/50検出器:FIDカラム:GLサイエンス社製NEUTRABOND−1(0.25mmφ×60m、膜厚1.5μm)
カラム温度:150℃(10min)→32℃/min→200℃(30min)
インジェクション温度:280℃注入量:0.2μl
【0079】
実施例1:1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンの合成
120mlオートクレーブ(SUS316製、攪拌機付き、耐圧20MPa)中に1,1−シクロヘキサンジメタノール14.42g(0.1mol)、48%水酸化ナトリウム水溶液66.67g(0.8mol)、塩化アリル45.9g(0.6mol)、及びテトラブチルアンモニウムクロリド2.8gを仕込み、蓋をして窒素ガスを導入、脱圧(0.5MPa×4回)を繰り返すことにより窒素置換し、最後に窒素圧を0.20MPaかけたまま内容を密閉した。その後、撹拌しながら内温を90℃まで昇温し、そのまま90℃で6時間反応を実施した。内圧は0.31MPaまで上昇し、6時間後には0.28MPaまで低下した。
【0080】
内温を室温まで冷却後、内容物約0.4mlを取り出しアセトンで5mlに希釈して分析サンプルを調製した。このサンプルのGC分析をしたところ、原料1,1−シクロヘキサンジメタノールのピークは確認されなかったことから、この原料の転化率が100%であることを確認した。また、GCチャートで17.7分から25.4分の間にみられる各生成物のピーク面積の合計のうち、主生成物である1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンに相当する23.5分のピークの面積の占める割合から算出した選択率は99%であった。
【0081】
反応により生成した塩を50mlの水に溶解させた後、有機物をヘキサン200mlで抽出した。分液後、有機層を50mlの水で2回洗浄し、有機層を約20gの乾燥剤(無水硫酸ナトリウム)で乾燥させた。得られた有機層を濾過し、乾燥剤をヘキサン20mlで洗浄後、ロータリーエバポレーターで溶媒、原料及び低沸生成物を減圧留去した。このようにして得られた粗生成物22.3gを減圧蒸留し、沸点88℃(0.27kPa)の無色透明な留分18.3gを得た。
【0082】
得られた留分のFT−IR、1H−及び,13C−NMRスペクトルは以下の通りであり、1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンであると同定された。
FT−IRスペクトル:吸収極大cm-1 3080,3015,2930,2853(νC−H)、1647(νC=C)、1143,1094(νC−O)、987,922(=CHδ)
1H−NMR:ケミカルシフトppm 1.41(10H,cy−H)
3.31(4H,cy−CH2O)、3.94−3.96(4H,−O−CH2−C=)、5.12−5.28,5.84−5.94(−CH=CH2
13C−NMR:ケミカルシフトppm 21.5,26.3,30.1,38.5(C(cy))、72.1(cy−CH2−O)、73.5(O−CH2−)、115.9,135.4(−CH=CH2
【0083】
実施例2:2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンの合成
120mlオートクレーブ(SUS316製、攪拌機付き、耐圧20MPa)中に2−メチル−1,1−シクロヘキサンジメタノール15.82g(0.1mol)、48%水酸化ナトリウム水溶液66.67g(0.8mol)、塩化アリル45.9g(0.6mol)、及びテトラブチルアンモニウムクロリド2.8gを仕込み、蓋をして窒素ガスを導入、脱圧(0.5MPa×4回)を繰り返すことにより窒素置換し、最後に窒素圧を0.20MPaかけたまま内容を密閉した。その後、撹拌しながら内温を90℃まで昇温し、そのまま90℃で6時間反応を実施した。内圧は0.31MPaまで上昇し、6時間後には0.28MPaまで低下した。
【0084】
内温を室温まで冷却後、内容物約0.4mlを取り出しアセトンで5mlに希釈して分析サンプルを調製した。このサンプルのGC分析をしたところ、原料2−1,1−シクロヘキサンジメタノールのピークは確認されなかったことから、この原料の転化率が100%であることを確認した。また、GCチャートで17.5分から25.2分の間にみられる各生成物のピーク面積の合計のうち、主生成物である2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンに相当する25.2分のピークの面積の占める割合から算出した選択率は92%であった。
その後、実施例1と同様な分離操作を行い、23.0gの粗生成物が得られた。この粗生成物を減圧蒸留し、沸点106℃(0.34kPa)の無色透明な留分16.8gを得た。
【0085】
得られた留分のFT−IR、1H−及び,13C−NMRスペクトルは以下の通りであり、この生成物は2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンであると同定された。
FT−IRスペクトル:吸収極大cm-1 3080,3015,2930,2860(νC−H)、1647(νC=C)、1143,1096(νC−O)、993,921(=CHδ)
1H−NMR:ケミカルシフトppm 0.88d(3H,cy−CH3)、1.22−1.75(9H,cy−H)、3.26−3.47(4H,cy−CH2O−)、3.91−3.97(4H,−O−CH2−C=)、5.12−5.29,5.83−5.95(−CH=CH2
13C−NMR:ケミカルシフトppm 16.0(−CH3)、21.7,25.0,29.2,30.6,33.7,41.1(C(cy))、70.3,74.3(cy−CH2−O)、72.3(O−CH2−)、116.0,135.5(−CH=CH2
【0086】
実施例3:3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナンの合成
120mlオートクレーブ(SUS316製、攪拌機付き、耐圧20MPa)中に3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノール17.03g(0.1mol)、48%水酸化ナトリウム水溶液66.67g(0.8mol)、塩化アリル45.9g(0.6mol)、及びテトラブチルアンモニウムクロリド2.8gを仕込み、蓋をして窒素ガスを導入、脱圧(0.5MPa×4回)を繰り返すことにより窒素置換し、最後に窒素圧を0.20MPaかけたまま内容を密閉した。その後、撹拌しながら内温を90℃まで昇温し、そのまま90℃で6時間反応を実施した。内圧は0.33MPaまで上昇し、6時間後には0.30MPaまで低下した。
【0087】
内温を室温まで冷却後、内容物約0.4mlを取り出しアセトンで5mlに希釈して分析サンプルを調製した。このサンプルのGC分析をしたところ、原料である3−メチル−2,2−ノルボルナンジメタノールのピークは確認されなかったことから、この原料の転化率が100%であることを確認した。また、GCチャートで17.6分から27.9分の間にみられる各生成物のピーク面積の合計のうち、主生成物である3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナンに相当する27.7分のピークの面積の占める割合から算出した選択率は91%であった。
その後、実施例1と同様な分離操作を行い、24.0gの粗生成物が得られた。この粗生成物を減圧蒸留し、沸点108℃(0.47kPa)の無色透明な留分17.0gを得た。
【0088】
得られた留分のFT−IR、1H−及び,13C−NMRスペクトルは以下の通りであり、3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナンであると同定された。
FT−IRスペクトル:吸収極大cm-1 3081,3016,2930,2861(νC−H)、1647(νC=C)、1143,1096(νC−O)、993,921(=CHδ)
1H−NMR:ケミカルシフトppm 0.93d(3H,−CH3)、1.04−1.79,2.06(9H,norbornane
ring−H)、3.27−3.43(4H,cy−CH2O−)、3.92−3.97(4H,−O−CH2−C=)、5.10−5.28,5.85−5.94(−CH=CH2
13C−NMR:ケミカルシフトppm 15.7(−CH3)、24.0,29.3,35.1,42.3,45.1,48.5(C(norbornane))、70.6,72.0,72.1,73.2(−CH2−O−)、115.8.115.9,135.5(−CH=CH2
【0089】
実施例4:2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネンの合成
120mlオートクレーブ(SUS316製、攪拌機付き、耐圧20MPa)中に5−ノルボルネン−2,2−ジメタノール15.42g(0.1mol)、48%水酸化ナトリウム水溶液66.67g(0.8mol)、塩化アリル45.9g(0.6mol)、及びテトラブチルアンモニウムクロリド2.8gを仕込み、蓋をして窒素ガスを導入、脱圧(0.5MPa×4回)を繰り返すことにより窒素置換し、最後に窒素圧を0.20MPaかけたまま内容を密閉した。その後、撹拌しながら内温を90℃まで昇温し、そのまま90℃で6時間反応を実施した。内圧は0.30MPaまで上昇し、6時間後には0.28MPaまで低下した。
【0090】
内温を室温まで冷却後、内容物約0.4mlを取り出しアセトンで5mlに希釈して分析サンプルを調製した。このサンプルのGC分析をしたところ、原料である5−ノルボルネン−2,2−ジメタノールのピークは確認されなかったことから、この原料の転化率が100%であることを確認した。また、GCチャートで17.6分から25.4分の間にみられる各生成物のピーク面積の合計のうち、主生成物である2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネンに相当する24.8分のピークの面積の占める割合から算出した選択率は98%であった。
その後、実施例1と同様な分離操作を行い、23.2gの粗生成物が得られた。この粗生成物を減圧蒸留し、沸点113℃(0.67kPa)の無色透明な留分18.8gを得た。
【0091】
得られた留分のFT−IR、1H−及び,13C−NMRスペクトルは以下の通りであり、2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネンであると同定された。
FT−IRスペクトル:吸収極大cm-1 3062,2970,2869(νC−H)、1647(νC=C)、1145,1097(νC−O)、990,922,719(=CHδ)
1H−NMR:ケミカルシフトppm 0.74−0.77,1.36−1.39,1.51−1.55,2.67,.78(6H,norborneneCsp3−H)、3.11d,3.26d,3.44d,3.61d(4H,norbornene−CH2O−)、3.89−3.91,3.99−4.01(4H,−O−CH2−C=)、5.11−5.30,5.83−5.96(−CH=CH2)、6.03−6.12(norbornene−CH=CH−)
13C−NMR:ケミカルシフトppm 33.1,42.3,46.2,47.2,47.6(norborneneCsp3))、72.0,72.2,73.0,74.3(−CH2−O)、116.1,116.3,135.0,135.3,135.4,136.9(−CH=CH2,−CH=CH−)
【0092】
実施例5:1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンの異性化による1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンの合成
誘導撹拌子を入れた20mのナス型フラスコにジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム19mg(0.02mmol)を仕込み、内容を窒素置換した後に実施例1で調製した1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン4.38g(0.02mol)をシリンジを用いて添加した。
このフラスコを予め加熱しておいた120℃のオイルバスに浸け、撹拌させながら反応を行った。
【0093】
6時間後、反応液の約0.2mlをサンプリングしアセトンで3mlに希釈してGC分析用サンプルを調製した。このサンプルのGC分析を行った結果、基質の1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンのピークが消失していることから、基質の転化率がほぼ100%であることを確認した。また、20.8分から25.9分にみられる各生成物のピーク面積の合計のうち、主生成物である1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンの24.3、25.0、25.9の3種の異性体の面積の占める割合が98.9%、中間体である1−アリルオキシメチル−1−(1−プロペニルオキシ)シクロヘキサンの23.9、24.7分のピークの占める割合が1.1%であり、基質のアリル基の約99.5%がプロペニル基へ異性化していることがわかった。
この反応液を取り出し、ガラスチューブオーブンを用いて生成物を減圧下に蒸留し、触媒より分離した。これにより3.8gの無色透明の生成物を単離した。
【0094】
単離した化合物のFT−IRスペクトル、1H−,及び13C−NMRは以下の通りであり、1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンであることを確認した。
FT−IRスペクトル:吸収極大cm-1 3042,2932,2863(νC−H)、1668,1660(νC=C)、1184,1125,1092(νC−O)、992,930,723(=CHδ)
1H−NMR:ケミカルシフトppm 1.43(10H,cy−H)、1.52−1.58 (6H,=C−CH3)、3.50−3.63(4H,cy−CH2O)、4.28−4.33(Z−),4.71−4.78(E−)(2H,−O−CH=C−)、5.92−5.96(Z−),6.20−6.25(E−)(2H,−O−C=CH−)
13C−NMR:ケミカルシフトppm 9.1,12.5(−CH3)、21.4,26.2,29.6,37.9−39.1(C(cy))、71.8−75.2(cy−CH2−O)、97.7−100.0(O−CH=)、146.6−147.2(−CH=H−CH3
【0095】
実施例6:2−メチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンの合成
誘導撹拌子を入れた20mのナス型フラスコにジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム19mg(0.02mmol)を仕込み、内容を窒素置換した後に実施例2で調製した2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサン4.77g(0.02mol)をシリンジを用いて添加した。
このフラスコを予め加熱しておいた120℃のオイルバスに浸け、撹拌しながら反応を行った。
【0096】
2時間後、反応液の約0.2mlをサンプリングしアセトンで3mlに希釈してGC分析用サンプルを調製した。このサンプルのGC分析を行った結果、基質の2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンのピークが消失していることから、基質の転化率がほぼ100%であることを確認した。また、22.7分から28.2分にみられる各生成物のピーク面積の合計のうち、主生成物である2−メチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンの26.6、27.2、27.4、28.2の4種の異性体の面積の占める割合が98.7%、中間体である2−メチル−1−アリルオキシメチル−1−(1−プロペニルオキシ)シクロヘキサンの24.6、26.0、26.8分のピークの占める割合が1.1%であり、基質のアリル基の約99.4%がプロペニル基へ異性化していることがわかった。
この反応液を取り出し、ガラスチューブオーブンを用いて生成物を減圧下に蒸留し、触媒より分離した。これにより4.0gの無色透明の生成物が得られた。
【0097】
得られた生成物のFT−IR、1H−及び,13C−NMRスペクトルは以下の通りであり、2−メチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンであると同定された。
FT−IRスペクトル:吸収極大cm-1 3042,2931,2863(νC−H)、1668,1659(νC=C)、1184,1125,1095(νC−O)、979,929,723(=CHδ)
1H−NMR:ケミカルシフトppm 0.87−0.95(3H,cy−CH3)、1.26−1.74(9H+6H,cy−H,−C=C−CH3)、3.48−3.78(4H,cy−CH2O)、4.29−4.34(Z−),4.70−4.79(E−)(2H,−O−CH=C−)、5.90−5.97(Z−),6.21−6.26(E−)(2H,−O−C=CH−)
13C−NMR:ケミカルシフトppm 9.1−9.2,12.4,15.7−16.0(−CH3)、21.4,24.6,28.6−28.7,30.4,33.4−33.8,40.3−41.5(C(cy))、68.4−75.7(cy−CH2−O)、97.6−100.3(O−CH=)、146.3−147.2(−CH=H−CH3
【0098】
実施例7:3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナンの合成
誘導撹拌子を入れた20mのナス型フラスコにジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム19mg(0.02mmol)を仕込み、内容を窒素置換した後に実施例3で調製した3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナン5.01g(0.02mol)をシリンジを用いて添加した。
このフラスコを予め加熱しておいた120℃のオイルバスに浸け、撹拌しながら反応を行った。
【0099】
10時間後、反応液の約0.2mlをサンプリングしアセトンで3mlに希釈してGC分析用サンプルを調製した。このサンプルのGC分析を行った結果、基質の3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナンのピークが消失していることから、基質の転化率がほぼ100%であることを確認した。また、25.2分から31.4分にみられる各生成物のピーク面積の合計のうち、主生成物である3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナンの29.2、29.9、30.1、31.0分の4種の異性体の面積の占める割合が98.8%、中間体である3−メチル−2−アリルオキシメチル−2−(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナンの28.6分のピークの占める割合が1.2%であり、基質のアリル基の約99.4%がプロペニル基へ異性化していることがわかった。
この反応液を取り出し、ガラスチューブオーブンを用いて生成物を減圧下に蒸留し、触媒より分離した。これにより4.4gの無色透明の生成物が得られた。
【0100】
得られた留分のFT−IR、1H−及び,13C−NMRスペクトルは以下の通りであり、3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナンであると同定された。
FT−IRスペクトル:吸収極大cm-1 3042,2955,2883(νC−H)、1668,1659(νC=C)、1183,1130,1096(νC−O)、976,930,723(=CHδ)
1H−NMR:ケミカルシフトppm 0.92−0.97(3H,norbornane−CH3)、1.08−2.14(9H+6H,norbornane−H,−O−C=C−CH3)、3.45−3.78(4H,norbornane−CH2−O−)、4.27−4.34(Z−),4.70−4.77(E−)(2H,−O−CH=C−)、5.89−5.97(Z−),6.19−6.25(E−)(2H,−O−C=CH−)
13C−NMR:ケミカルシフトppm 9.2−9.3,12.6,15.5−15.7(−CH3)、23.9,29.3,35.0,42.0,44.9−45.2,47.8−48.9(C(norbornane))、68.9−74.7(cy−CH2−O)、97.6−100.4(O−CH=)、146.3−147.2(−CH=H−CH3
【0101】
実施例8:2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネンの合成
誘導撹拌子を入れた20mlのナス型フラスコにジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム19mg(0.02mmol)を仕込み、内容を窒素置換した後に実施例3で調製した2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネン4.69g(0.02mol)をシリンジを用いて添加した。
このフラスコを予め加熱しておいた120℃のオイルバスに浸け、撹拌しながら反応を行った。
【0102】
6時間後、反応液の約0.2mlをサンプリングしアセトンで3mlに希釈してGC分析用サンプルを調製した。このサンプルのGC分析を行った結果、基質の2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネンのピークが消失していることから、基質の転化率がほぼ100%であることを確認した。また、21.8分から27.3分にみられる各生成物のピーク面積の合計のうち、主生成物である2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネンの25.6、26.3、27.3分の3種の異性体の面積の占める割合が98.9%、中間体である2−アリルオキシメチル−2−(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネンの25.1、25.9分のピークの占める割合が1.2%であり、基質のアリル基の約99.4%がプロペニル基へ異性化していることがわかった。
この反応液を取り出し、ガラスチューブオーブンを用いて生成物を減圧下に蒸留し、触媒より分離した。これにより3.8gの無色透明の生成物が得られた。
【0103】
得られた留分のFT−IR、1H−及び,13C−NMRスペクトルは以下の通りであり、2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネンであると同定された。
FT−IRスペクトル:吸収極大cm-1 3042,2956,2883(νC−H)、1668,1659(νC=C)、1183,1130,1096(νC−O)、976,930,723(=CHδ)
1H−NMR:ケミカルシフトppm 0.77−0.83,1.41−1.59,2.72,2.82(11H+6H,norborneneCsp3−H,−C=C−CH3)、3.28−3.93(4H,norbornene−CH2−O−)、4.29−4.36(Z−),4.65−4.79(E−)(2H,−O−CH=C−)、5.86−6.28(E−)(2H,−O−C=CH−)
13C−NMR:ケミカルシフトppm 9.2−9.3,12.6(−CH3)、32.6−32.9,42.4,46.0−46.1,47.1−48.2(C(norborneneCsp3))、71.4,72.7,74.4,75.7(norbornene−CH2−O−)、99.6−100.3(O−CH=)、134.7,137.3(norbornene−CH=CH−)、146.2−147.1(−CH=H−CH3
【0104】
【発明の効果】
本発明により新規な不飽和エーテル化合物、該化合物の製造方法、該化合物を含む組成物及びその硬化物が提供できる。この新規な不飽和エーテル化合物は皮膚刺激性及び臭気、酸素による重合阻害が低い等の面で従来のアクリル系モノマーより優れ、かつ低粘度で硬化物の架橋密度が高く十分な硬度を持つ硬化物を与えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
図面は、実施例1〜実施例8で合成した不飽和エーテル化合物の1H−NMR、13C−NMR、及びFT−IRのチャートである。
【図1】1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンの1H−NMRチャート
【図2】1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンの13C−NMRチャート
【図3】1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンのFT−IRチャート
【図4】2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンの1H−NMRチャート
【図5】2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンの13C−NMRチャート
【図6】2−メチル−1,1−ビス(アリルオキシメチル)シクロヘキサンのFT−IRチャート
【図7】3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナンの1H−NMRチャート
【図8】3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナンの13C−NMRチャート
【図9】3−メチル−2,2−ビス(アリルオキシメチル)ノルボルナンのFT−IRチャート
【図10】2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネンの1H−NMRチャート
【図11】2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネンの13C−NMRチャート
【図12】2,2−ビス(アリルオキシメチル)−5−ノルボルネンのFT−IRチャート
【図13】1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンの1H−NMRチャート
【図14】1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンの13C−NMRチャート
【図15】1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンのFT−IRチャート
【図16】2−メチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンの1H−NMRチャート
【図17】2−メチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンの13C−NMRチャート
【図18】2−メチル−1,1−ビス(1−プロペニルオキシメチル)シクロヘキサンのFT−IRチャート
【図19】3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナンの1H−NMRチャート
【図20】3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナンの13C−NMRチャート
【図21】3−メチル−2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)ノルボルナンのFT−IRチャート
【図22】2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネンの1H−NMRチャート
【図23】2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネンの13C−NMRチャート
【図24】2,2−ビス(1−プロペニルオキシメチル)−5−ノルボルネンのFT−IRチャート

Claims (4)

  1. 一般式(1)、一般式(3)または一般式(4)のいずれかで表されることを特徴とする不飽和エーテル化合物。
    一般式(1)
    Figure 0004600614
    一般式(3)
    Figure 0004600614
    一般式(4)
    Figure 0004600614
    (一般式(1)、一般式(3)及び一般式(4)において、R1は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表し、R2,R3同一であり、下記に示す構造式(1)又は構造式(2)を表す。)
    構造式(1)−CH2−CH=CH2
    構造式(2)−CH=CH−CH3
  2. 1が水素またはメチル基であることを特徴とする請求項1記載の不飽和エーテル化合物。
  3. 1がメチル基であることを特徴とする請求項1記載の不飽和エーテル化合物。
  4. 一般式(5)、一般式(7)または一般式(8)のいずれかで表されるジオール化合物をハロゲン化アリルとの反応によってアリル化することを特徴とする一般式(9)、一般式(11)または一般式(12)のいずれかで表される不飽和エーテル化合物の製造方法。
    一般式(5)
    Figure 0004600614

    一般式(7)
    Figure 0004600614

    一般式(8)
    Figure 0004600614

    (一般式(5)、一般式(7)及び一般式(8)において、R 4 は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表す。)
    一般式(9)
    Figure 0004600614

    一般式(11)
    Figure 0004600614

    一般式(12)
    Figure 0004600614

    (一般式(9)、一般式(11)または一般式(12)において、R 4 は水素または炭素数1〜炭素数6のアルキル基から選ばれたいずれか一種を表し、R 5 ,R 6 はいずれも下記構造式(1)を表す。)
    構造式(1)−CH 2 −CH=CH 2
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