JP4600584B1 - 固着具と冶具と固着具の固定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、冶具10上に板金6が置かれ、板金6の下孔7を通して固着具1の本体2が冶具10の穴11に挿入され、大径部3の外径が板金6の下孔7より大きいので大径部3が板金6上に置かれた状態となり、図示しないハンマーにより固着具1の大径部3が板金6の下孔7に圧入される。その際、固着具1の大径部3の外側周面に設けられたローレット状の凹凸条の凸部が板金6の下孔7の内周部分に喰込み、凹部に板金6の肉が喰込んで互いに噛合った状態となり、さらに凸部が喰込んで下方に喰いちぎられた下孔7の内周部分が冶具10に設けられた孔12により固着具1の小径部4に喰込む状態で押え付けられて固定される。
【選択図】図4
Description
このような固着具が薄板の予め設けられた孔に圧入されて充分な強度で固定されるよう、固着具に設けられる突出部(実際に薄板に圧入される部分)の外側周面にローレット状その他の凹凸を設けて薄板に圧入する方法が提案されている(例えば特許文献1)。
この発明の目的は、板金の板厚が0.8mm未満であっても固着具を固定することのできる固着具と冶具と固着具の固定方法を提供することである。
また、本発明は、薄板の板金に設けられた当該板金の表裏に突起がない下孔に圧入して固定される固着具と冶具であって、上記固着具は、円柱状の本体の外側周面上の基端側に前記本体の外径より大きく上記下孔よりも所定値大きい外径で上記板金の板厚と同じ長さで外側周面に多数の凹凸条を有する大径部と、この大径部と前記本体との間に前記本体より小さい外径で前記大径部の長さより短い小径部とを有し、上記冶具は、上記板金が置かれる面に上記固着具の本体が挿入される穴が設けられ、この穴の入口が上記冶具の穴の軸線より当該穴の外方に斜めの向きに凸である円弧形状に形成され、上記冶具に上記板金が置かれ、上記固着具の本体が上記板金に設けられた下孔を通して上記冶具の穴に挿入された状態で上記固着具の大径部が上記板金に圧入されて固定されるようにしたものである。
また、本発明は、薄板の板金に設けられた当該板金の表裏に突起がない下孔に圧入して固定される固着具の固定方法であって、上記固着具は、円柱状の本体の外側周面上の基端側に前記本体の外径より大きく上記下孔よりも所定値大きい外径で上記板金の板厚と同じ長さで外側周面に多数の凹凸条を有する大径部と、この大径部と前記本体との間に前記本体より小さい外径で前記大径部の長さより短い小径部とを有し、上記固着具の本体が挿入される穴を有し、この穴の入口が上記冶具の板金が置かれる面から所定の深さで上記冶具の穴の直径より大きい段付穴で形成されている冶具を用いて、この冶具上に上記板金が置かれ、上記固着具の本体が上記板金に設けられた下孔を通して上記冶具の穴に挿入された状態で上記固着具の大径部が上記板金に圧入されて固定されるようにしたものである。
また、本発明は、薄板の板金に設けられた当該板金の表裏に突起がない下孔に圧入して固定される固着具の固定方法であって、上記固着具は、円柱状の本体の外側周面上の基端側に前記本体の外径より大きく上記下孔よりも所定値大きい外径で上記板金の板厚と同じ長さで外側周面に多数の凹凸条を有する大径部と、この大径部と前記本体との間に前記本体より小さい外径で前記大径部の長さより短い小径部とを有し、上記固着具の本体が挿入される穴を有し、この穴の入口が上記冶具の穴の軸線より当該穴の外方に斜めの向きに凸である円弧形状に形成されている冶具を用いて、この冶具上に上記板金が置かれ、上記固着具の本体が上記 板金に設けられた下孔を通して上記冶具の穴に挿入された状態で上記固着具の大径部が上記板金に圧入されて固定されるようにしたものである。
図1は、この発明に係るインサートと呼ばれる固着具1を示す片側断面図である。すなわち、この固着具1は、短い円柱状の本体2の基端側に、その外径より少し大径の大径部3および少し小径の小径部4が一体且つ同一中心軸上に設けられている。また、本体2の基端側から他端側に貫通した雌ねじ5が設けられている。
大径部3は、後述する板金の内で固定される板厚と同程度の高さ(長さあるいは幅)に作られており、大径部3の外側周面にはローレット状の凹凸条が設けられている。なお、大径部の外径および凹凸条の形状は、圧入する板金の材質等に応じて変えられる。
また、小径部4の高さ(長さあるいは幅)は、大径部3の高さより低く(長さが短いあるいは幅が狭い)設計されている。
本実施形態における板金6の材質はステンレス鋼であり、固着具1の材質は同じくステンレス鋼であるが窒化処理して表面が硬化されている。従って、固着具1は板金6より硬いものとなっている。
例えば、固着具1の寸法は、全長(基端面から他端面まで)が1.80mm、大径部3の外径が3.00mmで高さが0.30mm、小径部4の外径が2.10mmで高さが0.20mm、本体2の外径が2.60mmで高さが1.30mmで切削加工されている。板金6の寸法は、板厚が0.30mm、下孔7の孔径が2.65mmである。
なお、固着具1の大径部3の外径は、板金6の下孔7に圧入後の固定強度を最適とするため予め試験を行って所定値を決定している。
また、固着具1は、本実施形態ではステンレス鋼を用いているが、板金(軟鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等)の材質に対応して炭素鋼、黄銅、軟鋼、アルミニウム、亜鉛等の金属を用いても良い。
さらに穴11の入口部には、詳しくは後述するが板金6の下孔7に固着具1を圧入した際、固着具1の大径部3の凹凸条の凸部が下孔7の内周部分に喰込んだときの当該内周部分を押え付ける受け部として段付穴12が形成されている。
本実施形態の穴11は、例えば直径2.65mmで深さ2.00mmの寸法であり、段付穴12は、例えば直径3.05mmで深さ0.2mmの寸法である。
図4に示すように、まず、冶具10の面a上に板金6を置き、板金6の下孔7を通して固着具1の本体2が冶具10の穴11に挿入されて置かれる。この際、固着具1の大径部3の外径が板金6の下孔7より大きいので、大径部3が板金6上に置かれた形になる。
図5は、圧入動作が終了して板金6に固着具1が固定された状態を示すもので、固着具1の大径部3のローレット状の凹凸条の凹部が板金6の肉に互いに噛合い、大径部3のローレット状の凹凸条の凸部により下孔7の内周部分が小径部4に喰込み、さらに冶具10の段付穴12に押え付けられた状態で固定されている。
なお、本発明者は、特願2009−114962号において冶具の穴の入口部に面取り部を形成した出願をしているが、板金の材質と下孔の直径、固着具の材質と外径等により、面取り形状だけが効果を得るものでないことを発見した。本実施形態では多くの試作品の中から面取りよりも固着強度と仕上がり状態の良かったものを開示している。
従って、穴11の入口部に設けられる受け部、つまり、板金6の下孔7に固着具1を圧入した際に固着具1の大径部3の凹凸条の凸部が下孔7の内周部分に喰込んだときの当該内周部分を押え付ける受け部は、本実施形態のように形成された段付穴、先願のような面取り、図6に示すような断面が湾曲した形状(冶具の穴の軸線より当該穴の外方に斜めの向きに凸である円弧形状)等に形成されたものであっても良く、要は板金の下孔の内周部分の受け部として固着具が当該板金に必要な強度を持って固定できれば良い。
2 本体
3 大径部
4 小径部
5 雌ねじ
6 板金
7 下孔
10 冶具
11 穴
12 段付穴
Claims (4)
- 薄板の板金に設けられた当該板金の表裏に突起がない下孔に圧入して固定される固着具と冶具であって、
上記固着具は、円柱状の本体の外側周面上の基端側に前記本体の外径より大きく上記下孔よりも所定値大きい外径で上記板金の板厚と同じ長さで外側周面に多数の凹凸条を有する大径部と、この大径部と前記本体との間に前記本体より小さい外径で前記大径部の長さより短い小径部とを有し、
上記冶具は、上記板金が置かれる面に上記固着具の本体が挿入される穴が設けられ、この穴の入口が上記冶具の板金が置かれる面から所定の深さで上記冶具の穴の直径より大きい段付穴で形成され、
上記冶具に上記板金が置かれ、上記固着具の本体が上記板金に設けられた下孔を通して上記冶具の穴に挿入された状態で上記固着具の大径部が上記板金に圧入されて固定されることを特徴とする固着具と冶具。 - 薄板の板金に設けられた当該板金の表裏に突起がない下孔に圧入して固定される固着具と冶具であって、
上記固着具は、円柱状の本体の外側周面上の基端側に前記本体の外径より大きく上記下孔よりも所定値大きい外径で上記板金の板厚と同じ長さで外側周面に多数の凹凸条を有する大径部と、この大径部と前記本体との間に前記本体より小さい外径で前記大径部の長さより短い小径部とを有し、
上記冶具は、上記板金が置かれる面に上記固着具の本体が挿入される穴が設け られ、この穴の入口が上記冶具の穴の軸線より当該穴の外方に斜めの向きに凸である円弧形状に形成され、
上記冶具に上記板金が置かれ、上記固着具の本体が上記板金に設けられた下孔を通して上記冶具の穴に挿入された状態で上記固着具の大径部が上記板金に圧入されて固定されることを特徴とする固着具と冶具。 - 薄板の板金に設けられた当該板金の表裏に突起がない下孔に圧入して固定される固着具の固定方法であって、
上記固着具は、円柱状の本体の外側周面上の基端側に前記本体の外径より大きく上記下孔よりも所定値大きい外径で上記板金の板厚と同じ長さで外側周面に多数の凹凸条を有する大径部と、この大径部と前記本体との間に前記本体より小さい外径で前記大径部の長さより短い小径部とを有し、
上記固着具の本体が挿入される穴を有し、この穴の入口が上記冶具の板金が置かれる面から所定の深さで上記冶具の穴の直径より大きい段付穴で形成されている冶具を用いて、この冶具上に上記板金が置かれ、上記固着具の本体が上記板金に設けられた下孔を通して上記冶具の穴に挿入された状態で上記固着具の大径部が上記板金に圧入されて固定されることを特徴とする固着具の固定方法。 - 薄板の板金に設けられた当該板金の表裏に突起がない下孔に圧入して固定される固着具の固定方法であって、
上記固着具は、円柱状の本体の外側周面上の基端側に前記本体の外径より大きく上記下孔よりも所定値大きい外径で上記板金の板厚と同じ長さで外側周面に多数の凹凸条を有する大径部と、この大径部と前記本体との間に前記本体より小さい外径で前記大径部の長さより短い小径部とを有し、
上記固着具の本体が挿入される穴を有し、この穴の入口が上記冶具の穴の軸線より当該穴の外方に斜めの向きに凸である円弧形状に形成されている冶具を用いて、この冶具上に上記板金が置かれ、上記固着具の本体が上記板金に設けられた下孔を通して上記冶具の穴に挿入された状態で上記固着具の大径部が上記板金に圧入されて固定されることを特徴とする固着具の固定方法。
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