以下、本発明について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、実質的に同様の機能を有する部材には、全図面通して同じ符号を付与して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
図1に示す画像形成装置には、図中に矢印で示した方向へ例えば420mm/sec以上のスピードで回転する感光体1(潜像担持体)が備えられている。そして、この感光体1の周囲には、上流側から順に、接触放電型帯電器21、電位平滑化手段22、露光器3、黒トナー及びカラートナー現像器4a〜4d、一次転写手段51、感光体クリーナ6、並びに除電ランプ7が順次取り付けられており、周知の電子写真プロセスによって白黒又はカラーのトナー像が形成されるようになっている。
また、一次転写位置において感光体1の表面に当接するように配置され、感光体1と略同速で回転する中間体ベルト5が備えられている。そして、一次転写手段51の作用により中間体ベルト5に転写されたトナー像は、二次転写部へ進み、トナーと逆極性のバイアスを印加された二次転写ロール52と二次転写用対向ロール53により形成される電界の作用を受け、フィードロール81、レジストロール82により二次転写位置に送り出された転写材9に転写される。トナー像が転写された転写材9が、搬送ベルト83により定着器10に送られ定着がおこなわれるとともに、中間体ベルト5上に残留したトナーは、中間体クリーナ54より回収されて、次の画像形成の準備が整えられる。
一方、感光体1上に残ったトナーは、感光体クリーナ6に運ばれ、クリーニングブラシ61によってかき乱され感光体1との付着力を軽減された後、クリーニングブレード62の摺動による機械的な掻き取り力を受けて、感光体1の表面より除去される。
次に、感光体1の詳細について説明する。図2〜6図は、電子写真感光体1の断面を示す模式図である。感光層が積層構造のものを図2〜図4に示し、単層構造のものを図5、図6に示している。
図2に示す感光体1においては、導電性支持体14上に下引き層11が設けられ、その上に電荷発生層12及び電荷輸送層13からなる感光層が順次設けられている、図3に示す感光体1においては、さらに、表面に保護層15が設けられている。また、図4に示す感光体1においては、導電性支持体14上に下引き層11が設けられ、その上に電荷輸送層13及び電荷発生層12からなる感光層が順次設けられ、さらに、表面に保護層15が設けられている。なお、図2〜図4に示す感光体1においては、下引き層11は設けても設けなくてもよい。
一方、図5に示す感光体1においては、導電性支持体14上に下引き層11が設けられ、その上に電荷発生能及び電荷輸送能を有する単層型感光層16が設けられている、さらに、図6に示す感光体1においては、表面に保護層15が設けられている。
このような構成の感光体1は、少なくとも表面に電位平滑化層を有する。即ち、図2〜図6に示す感光体1の場合、その最上層に位置する電荷輸送層13、単層型感光層16、或いは保護層15が電位平滑化層に相当する。
この電位平滑化層として機能させるためには、該当する最上層にカロメル電極に対する還元電位が0〜―0.8Vの有機化合物(アクセプター)を添加することが好適である。この有機化合物を添加することで、電位平滑化層として機能させることができ、注入型の電位平滑化手段22により、放電を生じさせることなく、感光体1の帯電電位を平滑化させることが容易にできる。
ここで、還元電位は、通常の方法により測定することができる。すなわち、飽和カロメル電極を参照電極とし、0.1N−(n−Bu)4N+ClO4−塩化メチレン溶液を用い、ポテンシャルスイーパによって作用電極(白金)に印加する電位をスイープし、第一還元波とその還元体が酸化される際の酸化波のピーク値を還元電位とした。
この−0.8〜0eVの還元電位を有する有機化合物は、上記測定法によって測定した。還元電位が−0.8〜0eVであるような有機化合物であれば特に限定されるものではないが、本発明においては下記例示された化合物1又は化合物2が適用される。但し、成膜性や均一性の点から有機溶剤に溶解性を示し、結着樹脂に均一に溶解するものが好ましい。その添加量は結着樹脂に対して0.1〜10重量%であることが好ましく、特には0.5〜5重量%であることが好ましい。
還元電位としては、−0.8〜0eVが好ましいが、より好ましくは−0.4〜−0.8eVである。この還元電位が0eVを超えると正孔輸送剤と電荷移動錯体を形成することにより帯電不良を生じやすく、−0.8eV未満では電位平滑効果が得られにくくなることがある。
このような有機化合物として具体的には、p−ベンゾキノン、アントラキノン等のキノン系化合物、2、4、7−トリニトロフルオレノン等のフルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物等が挙げられる。具体的な化合物を表1に示すが、これに限られるものではない。
導電性支持体14としては、アルミニウムがドラム状、シート状、プレート状等、適宜の形状のものとして使用されるが、これらに限定されるものではない。また、注入阻止、接着性改善、干渉縞防止などの目的で陽極酸化処理や、ベーマイト処理、ホーニング処理などを行ってもよい。
また、所望により基材と感光層の間に形成する下引き層11の構成材料としては、ジルコニウムキレート化合物、ジルコニウムアルコキシド化合物、ジルコニウムカップリング剤などの有機ジルコニウム化合物、チタンキレート化合物、チタンアルコキシド化合物、チタネートカップリング剤などの有機チタン化合物、アルミニウムキレート化合物、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミニウム化合物のほか、アンチモンアルコキシド化合物、ゲルマニウムアルコキシド化合物、インジウムアルコキシド化合物、インジウムキレート化合物、マンガンアルコキシド化合物、マンガンキレート化合物、スズアルコキシド化合物、スズキレート化合物、アルミニウムシリコンアルコキシド化合物、アルミニウムチタンアルコキシド化合物、アルミニウムジルコニウムアルコキシド化合物、などの有機金属化合物、とくに有機ジルコニウム化合物、有機チタニル化合物、有機アルミニウム化合物は残留電位が低く良好な電子写真特性を示すため、好ましく使用される。
また、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス2メトキシエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−2−アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、β−3、4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を含有させて使用することができる。さらに、従来より下引き層11に用いられるポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレノキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリイミド、カゼイン、ゼラチン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノール樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポリウレタン、ポリグルタミン酸、ポリアクリル酸等の公知の結着樹脂を用いることもできる。これらの混合割合は、必要に応じて適宜設定することができる。
下引き層11中には電子輸送性顔料を混合/分散して使用することもできる。電子輸送性顔料としては、特開昭47−30330号公報に記載のペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料、多環キノン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料等の有機顔料、また、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、ハロゲン原子等の電子吸引性の置換基を有するビスアゾ顔料やフタロシアニン顔料等の有機顔料、酸化亜鉛、酸化チタン等の無機顔料が上げられる。これらの顔料の中ではペリレン顔料、ビスベンズイミダゾールペリレン顔料と多環キノン顔料、酸化亜鉛、酸化チタンが、電子移動性が高いので好ましく使用される。
これらの顔料の表面は、分散性、電荷輸送性を制御する目的で上記カップリング剤や、バインダーなどで表面処理しても良い。電子輸送性顔料は多すぎると下引き層11の強度が低下し、塗膜欠陥を生じるため95重量%以下、好ましくは90重量%以下で使用される。
この混合/分散方法は、ボールミル、ロールミル、サンドミル、アトライター、超音波等をもちいる常法が適用される。混合/分散は有機溶剤中で行われるが、有機溶剤としては、有期金属化合物や樹脂を溶解し、また、電子輸送性顔料を混合/分散したときにゲル化や凝集を起こさないものであれば如何なるものでも使用できる。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
下引き層11の厚みは一般的には、0.1〜30μm、好ましくは0.2〜25μmが適当である。また、下引き層11を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。塗布したものを乾燥させて下引き層11を得るが、通常、乾燥は溶剤を蒸発させ、製膜可能な温度で行われる。特に、酸性溶液処理、ベーマイト処理を行った基材は、基材の欠陥隠蔽力が不十分となり易いため、中間層を形成することが好ましい。
電荷発生層12を構成する電荷発生材料としては、ビスアゾ、トリスアゾなどのアゾ顔料、ジブロモアントアントロンなどの縮環芳香族顔料、ペリレン顔料、ピロロピロール顔料、フラトシアニン顔料等既知のもの全て使用することができるが、とくに金属及び無金属フタロシアニン顔料が好ましい。その中でも、特開平5ー263007及び、特開平5ー279591に開示されたヒドロキシガリウムフタロシアニン、特開平5ー98181に開示されたクロロガリウムフタロシアニン、特開平5ー140472及び、特開平5ー140473に開示されたジクロロスズフタロシアニン、特開平4−189873及び、特開平5ー43813開示されたチタニルフタロシアニンが特に好ましい。
結着樹脂としては、広範な絶縁性樹脂から選択することができる、また、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアントラセン、ポリビニルピレン、ポリシランなどの有機光導電性ポリマーから選択することもできる。好ましい結着樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアリレート樹脂(ビスフェノールAとフタル酸の重縮合体等)、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリビニルピリジン樹脂、セルロース樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等の絶縁性樹脂をあげることができるが、これらに限定されるものではない。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
電荷発生材料と結着樹脂の配合比は(重量比)は10:1〜1:10の範囲が好ましい。またこれらを分散させる方法としてはボールミル分散法、アトライター分散法、サンドミル分散法等の通常の方法を用いることができるが、この際、分散によって該の結晶型が変化しない条件が必要とされる。ちなみに本発明で実施した前記の分散法のいずれについても分散前と結晶型が変化していないことが確認されている。さらにこの分散の際、粒子を0.5μm以下、好ましくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下の粒子サイズにすることが有効である。
また、これらの分散に用いる溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。また、本発明で用いる電荷発生層12の厚みは一般的には、0.1〜5μm、好ましくは0.2〜2.0μmが適当である。また、電荷発生層12を設けるときに用いる塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。
電荷輸送層13としては、公知の技術によって形成されたものを使用できる。それらの電荷輸送層13は、電荷輸送材料と結着樹脂を含有して形成されるか、あるいは高分子電荷輸送材を含有して形成される。
電荷輸送材料としては、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合物などの正孔輸送性化合物があげられる。これらの電荷輸送材料は単独又は2種以上混合して用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの電荷輸送材料は単独あるいは2種以上混合して用いることができるが、モビリティーの観点から、以下の構造のものが好ましい。
(式中、R1は、水素原子又はメチル基を示す。また、nは1又は2を意味する。Ar1及びAr2は置換又は未置換のアリール基を示し、置換基としてはロゲン原子、炭素数が1〜5の範囲のアルキル基、炭素数が1〜5の範囲のアルコキシ基、又は炭素数が1〜3の範囲のアルキル基で置換された置換アミノ基を示す。)
(式中R2、R2'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、を表わす。R3、R3'、R4、R4'は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基、あるいは、−C(R5)=C(R6)(R7)を表わし、R5、R6、R7は水素原子、置換又は未置換のアルキル基、置換又は未置換のアリール基を表す。m及びnは0〜2の整数である。)
(式中R8は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、置換又は未置換のアリール基、又は、―CH=CH―CH=C(Ar)2を表す。ここでArは、置換又は未置換のアリール基を表す。R9、R10は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数1〜2のアルキル基で置換されたアミノ基、置換又は未置換のアリール基を表す。)
電荷輸送層13に用いる結着樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シリコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂や、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材など高分子電荷輸送材を用いることもできる。これらの結着樹脂は単独あるいは2種以上混合して用いることができる。電荷輸送材料と結着樹脂との配合比(重量比)は10:1〜1:5が好ましい。
また、電荷輸送層13には、高分子電荷輸送材を単独で用いることもできる。高分子電荷輸送材としては、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシランなどの電荷輸送性を有する公知のものを用いることができる。特に、特開平8−176293号公報や特開平8−208820号公報に示されているポリエステル系高分子電荷輸送材は、高い電荷輸送性を有しており、とくに好ましいものである。高分子電荷輸送材はそれだけでも電荷輸送層13として使用可能であるが、上記結着樹脂と混合して成膜してもよい。
電荷輸送層13の厚みは一般的には、5〜50μm、好ましくは10〜30μmが適当である。塗布方法としては、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。さらに電荷輸送層13を設けるときに用いる溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、アセトン、2−ブタノン等のケトン類、塩化メチレン、クロロホルム、塩化エチレン等のハロンゲン化脂肪族炭化水素類、テトラヒドロフラン、エチルエーテル等の環状もしくは直鎖状のエーテル類等の通常の有機溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
なお、画像形成装置(複写機)中で発生するオゾンや酸化性ガス、あるいは光、熱による感光体1の劣化を防止する目的で、感光層中に酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミン、パラフェニレンジアミン、アリールアルカン、ハイドロキノン、スピロクロマン、スピロインダノン及びそれらの誘導体、有機硫黄化合物、有機燐化合物等があげられる。光安定剤の例としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール、ジチオカルバメート、テトラメチルピペリジン等の誘導体があげられる。また、感度の向上、残留電位の低減、繰り返し使用時の疲労低減等を目的として、少なくとも1種の電子受容性物質を含有させることができる。電子受容物質としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、ジブロム無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、o−ジニトロベンゼン、m−ジニトロベンゼン、クロラニル、ジニトロアントラキノン、トリニトロフルオレノン、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、フタル酸等や、下記一般式(I)で示される化合物をあげることができる。これらのうち、フルオレノン系、キノン系やCl、CN、NO2等の電子吸引性置換基を有するベンゼン誘導体が特に好ましい。
保護層15の磨耗、傷などに対する耐性を持たせるため、高強度保護層を設けることもできる。この高強度保護層としては、バインダー樹脂中に導電性微粒子を分散したもの、通常の電荷輸送層13材料にフッ素樹脂、アクリル樹脂などの潤滑性微粒子を分散させたもの、シリコンや、アクリルなどのハードコート剤を使用することができるが、強度、電気特性、画質維持性などの観点から、電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂からなるものが好ましく、このうち特に、一般式(I)で示される化合物が強度、安
定性に優れ好ましい。一般式(I)におけるFは、光キャリア輸送特性を有する構造とし
て、トリアリールアミン系化合物、ベンジジン系化合物、アリールアルカン系化合物、アリール置換エチレン系化合物、スチルベン系化合物、アントラセン系化合物、ヒドラゾン系化合や、及びキノン系化合物、フルオレノン化合物、キサントン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノビニル系化合物、エチレン系化合物などが挙げられる。
一般式(I):G−D−F
ここで、Gは無機ガラス質ネットワークサブグループ、Dは可とう性有機サブユニット、Fは電荷輸送性サブユニットを示す。
一般式(I)におけるG、特に好ましくは反応性を有するSi基は、互いに架橋反応を
起こして3次元的なSi−O−Si結合、すなわち無機ガラス質ネットワークを形成するためのものである。
一般式(I)におけるDとは、電荷輸送性を付与するためのFを、3次元的な無機ガラ
ス質ネットワークに直接結合で結びつけるためのものである。また、堅さの反面もろさも有する無機ガラス質ネットワークに適度な可とう性を付与し、膜としての強度を向上させるという働きもある。
この無機ガラス質ネットワークを構成可能な基とは、一般式(I)で表される化合物を
加水分解した際に生じるシラノール基と結合可能な基を意味し、具体的には、−Si(R1)(3-a)Qaで示される基、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシル基、ヒドロキシ基、ハロゲンなどを意味する。これらのうち、−Si(R1)(3-a)Qaで示される基、エポキシ基、イソシアネート基が有する化合物がより強い機械強度を有するため好ましい。さらに、これらの基を分子内に2つ以上持つものが硬化膜の架橋構造が3次元的になり、より強い機械強度を有するため好ましい。
一般式(I)で示される化合物が、特に下記一般式(II)で表される構造であるものが、電荷輸送性、耐光性、耐放電生成ガス性などに優れ、好ましい。
(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換又は未置換のアリール基を示し、Ar5は置換若しくは未置換のアリール基又はアリーレン基を示し、且つAr1〜Ar5のうち1〜4個は−D−Gで表される結合基と結合可能な結合手を有する。Dは可とう性サブユニット、Gは−Si(R1)(3-a)Qaで示される加水分解性基を有する置換ケイ素基から誘導され、R1は水素、アルキル基、置換あるいは未置換のアリール基、Qは加水分解性基を表わす基、aは1〜3の整数、bは1〜4の整数を表わす。kは0又は1を示す。)
一般式(I)(一般式(II))で表される化合物は、膜の成膜性、可とう性を調整するなどの目的から、他のカップリング剤、フッ素化合物と混合して用いても良い。このような化合物として、各種シランカップリング剤、及び市販のシリコン系ハードコート剤を用いることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、等を用いることができる。市販のハードコート剤としては、KP−85、X−40−9740、X−40−2239(以上、信越シリコーン社製)、及びAY42−440、AY42−441、AY49−208(以上、東レダウコーニング社製)、などを用いることができる。
一般式(I)(一般式(II))で表される化合物は、撥水製などの付与のために、(トリデカフルオロ−1、1、2、2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシラン、(3、3、3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、3−(ヘプタフルオロイソプロポキシ)プロピルトリエトキシシラン、1H、1H、2H、2H−パーフルオロアルキルトリエトキシシラン、1H、1H、2H、2H−パーフルオロデシルトリエトキシシラン、1H、1H、2H、2H−パーフルオロオクチルトリエトシキシラン、などの含フッ素化合物と混合して用いてもよい。シランカップリング剤は任意の量で使用できるが、含フッ素化合物の量は、フッ素を含まない化合物に対して重量で0.25以下とすることが望ましい。これを越えると、架橋膜の成膜性に問題が生じる場合がある。また、膜の強度を向上させるために、−Si(R1)(3-a)Qaで示される加水分解性基を有する置換ケイ素基を2個以上有している化合物を同時に用いることがより好ましい。
これらのコーティング液の調整は、無溶媒で行うか、必要に応じてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類等が使用できるが、好ましくは沸点が100℃以下のものであり、任意に混合しての使用もできる。溶剤量は任意に設定できるが、少なすぎると一般式(I)で示される化合物が析出しや
すくなるため、一般式(I)で示される化合物1部に対し0.5〜30部、好ましくは、
1〜20部で使用される。反応温度及び時間は原料の種類によっても異なるが、通常、0〜100℃、好ましくは10〜70℃、特に好ましくは、150〜50℃の温度で行うことが好ましい。反応時間に特に制限はないが、反応時間が長くなるとゲル化を生じ易くなるため、10分から100時間の範囲で行うことが好ましい。
さらに、硬化触媒としては、以下の様なものをあげることができる。塩酸、酢酸、リン酸、硫酸などのプロトン酸、アンモニア、トリエチルアミン等の塩基、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、オクエ酸第一錫等の有機錫化合物、テトラ−n−ブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン化合物、アルミニウムトリブトキシド、アルミニウムトリアセチルアセトナートなどの有機アルミニウム化合物、有機カルボン酸の鉄塩、マンガン塩、コバルト塩、亜鉛塩、ジルコニウム塩等が挙げられるが、保存安定性の点で金属化合物が好ましく、さらに、金属のアセチルアセトナート、あるいは、アセチルアセテートが好ましく、特にアルミニウムトリアセチルアセトナートが好ましい。
硬化触媒の使用量は任意に設定できるが、保存安定性、特性、強度などの点で加水分解性ケイ素置換基を含有する材料の合計量に対して0.1〜20wt%が好ましく、0.3〜10wt%がより好ましい。硬化温度は、任意に設定できるが、所望の強度を得るためには60℃以上、より好ましくは80℃以上に設定される。硬化時間は、必要に応じて任意に設定できるが、10分〜5時間が好ましい。また、硬化反応を行った後、高湿度状態に保ち、特性の安定化を図ることも有効である。さらに、用途によっては、ヘキサメチルジシラザンや、トリメチルクロロシランなどを用いて表面処理を行い、疎水化することもできる。
電子写真感光体1の表面架橋硬化膜には、帯電器21で発生するオゾン等の酸化性ガスによる劣化を防止する目的で、酸化防止剤を添加することが好ましい。感光体1表面の機械的強度を高め、感光体1が長寿命になると、感光体1が酸化性ガスに長い時間接触することになるため、従来より強い酸化耐性が要求される。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系あるいはヒンダードアミン系が望ましく、有機イオウ系酸化防止剤、フォスファイト系酸化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系酸化防止剤、チオウレア系酸化防止剤、ベンズイミダゾール系酸化防止剤、などの公知の酸化防止剤を用いてもよい。酸化防止剤の添加量としては20重量%以下が望ましく、10重量%以下がさらに望ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、2、6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2、5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N、N’−ヘキサメチレンビス(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナマイド、3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフォスフォネート−ジエチルエステル、2、4−ビス[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2、6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4、4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2、5−ジ−t−アミルヒドロキノン、2−t−ブチル−6−(3−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、4、4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、などが挙げられる。
また、放電ガス耐性、機械強度、耐傷性、粒子分散性、粘度コントロール、トルク低減、磨耗量コントロール、ポットライフの延長などの目的でアルコールに溶解する樹脂を加えることもできる。アルコール系溶剤に可溶な樹脂としては、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ブチラールの一部がホルマールやアセトアセタール等で変性された部分アセタール化ポリビニルアセタール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂(たとえば積水化学社製エスレックB、Kなど)、ポリアミド樹脂、セルロ−ス樹脂、フェノール樹脂などがあげられる。特に、電気特性上ポリビニルアセタール樹脂が好ましい。上記樹脂の分子量は2000−100000が好ましく、5000−50000がさらに好ましい。分子量は2000より小さいと所望の効果が得られなくなり、100000より大きいと溶解度が低くなり添加量が限られてしまったり、塗布時に製膜不良の原因になったりする。添加量は1〜40%が好ましく、さらに好ましくは1〜30%であり、5〜20%が最も好ましい。1%よりも少ない場合は所望の効果が得られにくくなり、40%よりも多くなると高温高湿下での画像ボケが発生しやすくなる。
更に、電子写真感光体1表面の耐汚染物付着性、潤滑性を改善するために、各種微粒子を添加することもできる。それらは、単独で用いることもできるが、併用してもよい。微粒子の一例として、ケイ素含有微粒子を挙げることができる。ケイ素含有微粒子とは、構成元素にケイ素を含む微粒子であり、具体的には、コロイダルシリカ及びシリコーン微粒子等が挙げられる。ケイ素含有微粒子として用いられるコロイダルシリカは、平均粒子径1〜100nm、好ましくは10〜30の酸性もしくはアルカリ性の水分散液、あるいはアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒中に分散させたものから選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。最表面層中のコロイダルシリカの固形分含有量は、特に限定されるものではないが、製膜性、電気特性、強度の面から最表面層の全固形分中の0.1〜50重量%の範囲、好ましくは0.1〜30重量%の範囲で用いられる。
ケイ素含有微粒子として用いられるシリコーン微粒子は、球状で、平均粒子径1〜500nm、好ましくは10〜100nmの、シリコーン樹脂粒子、シリコーンゴム粒子、シリコーン表面処理シリカ粒子から選ばれ、一般に市販されているものを使用することができる。シリコーン微粒子は、化学的に不活性で、樹脂への分散性に優れる小径粒子であり、さらに十分な特性を得るために必要とされる含有量が低いため、架橋反応を阻害することなく、電子写真感光体1の表面性状を改善することができる。即ち、強固な架橋構造中に均一に取り込まれた状態で、電子写真感光体1表面の潤滑性、撥水性を向上させ、長期間にわたって良好な耐摩耗性、耐汚染物付着性を維持することができる。本発明の電子写真感光体1における最表面層中のシリコーン微粒子の含有量は、最表面層の全固形分中の0.1〜30重量%の範囲であり、好ましくは0.5〜10重量%の範囲である。
また、その他の微粒子としては、4弗化エチレン、3弗化エチレン、6弗化プロピレン、弗化ビニル、弗化ビニリデン等のフッ素系微粒子や"第8回ポリマー材料フォーラム講演予稿集 p89"に示される様な、前記フッ素樹脂と水酸基を有するモノマーを共重合させた樹脂からなる微粒子、ZnO−Al2O3、SnO2−Sb2O3、In2O3−SnO2、ZnO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−Al2O3、FeO−TiO2、TiO2、SnO2、In2O3、ZnO、MgO等の半導電性金属酸化物をあげることができる。
また、同様な目的でシリコーンオイル等のオイルを添加することもできる。シリコンオイルとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、フェニルメチルシロキサン等のシリコンオイル、アミノ変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、カルボキシル変性ポリシロキサン、カルビノール変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサン等の反応性シリコンオイル、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状ジメチルシクロシロキサン類、1、3、5−トリメチル−1、3、5−トリフェニルシクロトリシロキサン、1、3、5、7−テトラメチル−1、3、5、7−テトラフェニルシクロテトラシロキサン、1、3、5、7、9−ペンタメチル−1、3、5、7、9−ペンタフェニルシクロペンタシロキサン等の環状メチルフェニルシクロシロキサン類、ヘキサフェニルシクロトリシロキサン等の環状フェニルシクロシロキサン類、3−(3、3、3−トリフルオロプロピル)メチルシクロトリシロキサン等のフッ素含有シクロシロキサン類、メチルヒドロシロキサン混合物、ペンタメチルシクロペンタシロキサン、フェニルヒドロシクロシロキサンなどのヒドロシリル基含有シクロシロキサン類、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサンなどのビニル基含有シクロシロキサン類等の環状のシロキサン等をあげることができる。
電荷輸送性を有し、架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、優れた機械強度を有する上に光電特性も十分であるため、これをそのまま積層型感光体1の電荷輸送層13として用いることもできる。その場合、ブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、スプレーコーティング法、浸漬コーティング法、ビードコーティング法、エアーナイフコーティング法、カーテンコーティング法等の通常の方法を用いることができる。ただし、1回の塗布により必要な膜厚が得られない場合、複数回重ね塗布することにより必要な膜厚を得ることができる。複数回の重ね塗布を行なう場合、加熱処理は塗布の度に行なっても良いし、複数回重ね塗布した後でも良い。
単層型感光層16は、前記電荷発生物質と結着樹脂を含有して形成される。結着樹脂としては、前記電荷発生層12及び電荷輸送層13に用いられる結着樹脂と同様のものを用いることができる。単層型感光層16中の電荷発生物質の含有量は、10から85重量%程度、好ましくは20から50重量%とする。単層型感光層16には、光電特性を改善する等の目的で電荷輸送物質や高分子電荷輸送物質を添加してもよい。その添加量は5〜50重量%とすることが好ましい。また、一般式(I)で示される化合物を加えてもよい。
塗布に用いる溶剤や塗布方法は、上記と同様のものを用いることができる。膜厚は5〜50μm程度が好ましく、10〜40μmとするのがさらに好ましい。
次に、帯電器21について説明する。上記画像形成装置に用いる接触放電型帯電器21としては、微小空隙放電により感光体1を帯電させるものである。
接触放電型帯電器21としては、図7に示すように、例えば、金属性の芯金211に導電弾性層212、半導電抵抗層213、表面層214をこの順に積層した外径10〜20mmの帯電ロールを使用することができる。この帯電ロールは交番電流を印加することにより感光体1を帯電させるものである。
導電弾性層212としては、ウレタン、EPDM(エチレンプロピレン共重合体)、シリコーン、クロロプレン、エピクロルヒドリンなどのゴム材又は、それらを発泡させたスポンジ材に、CB(カーボンブラック)、金属酸化物などの導電材を含有させて導電性を持たせた、厚さ2mm〜10mmのものを用いることができる。
導電弾性層212は、その電気抵抗が103〜106Ωとなるように導電剤の量を調整したものを用いることが好適である。ここで、電気抵抗は、図8に示すように、芯金211に導電弾性層212のみを形成したロール215を板金216上に配置し、芯金211両端にそれぞれ350gの導電性のおもり218を乗せ、板金216に対しロール215を押し付けた状態で、芯金211と板金216の間に50Vの電圧を印加したときの抵抗である。なお、図中、219は、おもり218のガイド部材を示す。
半導電抵抗層213としては、ウレタン、EPDM、シリコーン、クロロプレン、エピクロルヒドリンなどのゴム材に、4級アンモニウム塩などの有機電解質を含有させ、抵抗を半導電性に制御した、厚さ0.1〜3mmのものや、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ETFE(エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体)、PA(ポリアミド)などの樹脂にCBを分散させて抵抗を半導電性に制御した厚さ30〜100μmのものを用いることができる。
半導電抵抗層213として内部の導電弾性層212と同種のものを使う場合などは、二層押し出しにより一体に成型することが可能である。また、半導電抵抗層213として半導電樹脂チューブを使用する場合など、予め成型しておいた導電弾性層212に液状導電性接着剤を塗布し、その上に前記樹脂チューブを被服させても良い。また、PVdFやPFAなどのフッ素系樹脂チューブを用いる場合、予めチューブの内面を苛性ソーダなどでエッチング処理すると内部の導電弾性層212との接着強度が上がり、使用時のチューブの浮きを防止することができる。
半導電抵抗層213は、電気抵抗が106〜108Ωとなるように、導電剤の含有量を調整したものを用いることが好適である。ここで、電気抵抗は、図8に示すように、芯金211に導電弾性層212及び半導電抵抗層213を順次形成したロール215を板金216上に配置し、芯金211両端にそれぞれ350gのおもり218を乗せ、板金216に対しロール215を押し付けた状態で、芯金211と板金の間に100Vの電圧を印加したときの抵抗である。なお、図中、219は、おもり218のガイド部材を示す。
表面層214としては、例えば、エムラロン(日本アチソン(株))、ルミフロン(旭硝子(株))、ゼッフル(ダイキン工業(株))などのフッ素樹脂や、AQナイロン(東レ(株))などのナイロン樹脂、コータックス(東レ(株))などのアクリル系樹脂などの塗料にCB、金属酸化物などの導電剤を分散させた導電性コート剤を用いて、厚さ5〜50μmのコート層を用いることができる。
表面層214は、その電気抵抗(表面抵抗)が105〜109Ω/□になるように導電剤の含有量を調整したものを用いることが好適である。ここで、この電気抵抗は、図9に示すように、芯金211に導電弾性層212、半導電抵抗層213及び表面層214を順次形成したロール215の外周面に、2つの電極217を銀ペースト或いはカーボンペーストなどで形成し、当該2つの電極217間に100Vを印加したときの見かけ抵抗Rを求め、下記式により算出した表面抵抗率ρSである。
式:ρS=R×(2πr/L):ここで、Rは見かけ抵抗 (Ω)、rはロール半径 (mm)、Lは電極間距離(mm)を示す。
また、上記画像形成装置に用いる電位平滑化手段22としては、導電性を有し、感光体1と良好な接触状態を保つ部材が望ましく、例えば導電性ゴムロールや、導電性磁気ブラシ、導電性ブラシなどを用いることが可能である。感光体1と電位平滑化手段22の電極として作用する部分の接触回数が多い方が良好な注入性が選られるので、感光体1との間に周速差を設けることが可能な導電性ブラシや導電性磁気ブラシを用いるのがより望ましい。中でも、導電性ブラシの場合、構成が簡素にでき、コストアップ、装置の大型化を防止できるので、さらに望ましい。
電位平滑化手段22として導電性ブラシを用いた場合について、図10を用いて説明する。図10に示すように、電位平滑化手段22としては、保持部材221上に導電性を有する帯状パイル織物222を設けた導電性ブラシを用いることができる。帯状パイル織物222は幅5〜20mmで、導電性を有するパイル繊維223を基布224に織り込んで形成されており、基布224の裏面と保持部材221の間には導電性接着材225が塗布されて、パイル繊維223が基布224から抜けるのを防止するとともに、パイル繊維223と保持部材221の剥がれ防止、ならびに保持部材221とパイル繊維223間の電気的導通確保の役割をしている。
パイル繊維223としては、導電性繊維である、SA−7(東レ(株)製:単糸デニール6.25)や、ベルトロン(カネボウ合繊(株):単糸デニール10)などを80000〜120000本/inch2の密度で織ったものを用いることができる。また、パイル長としては、1〜10mmが好適であり、パイル長が3mm以下の場合、電位平滑化手段22を感光体1に均一に接触させるために1mm程度パイルを感光体1に食込ませた状態で使用すると、感光体1への接触圧力が強くなり、経時で感光体1表面に筋状の浅い傷が発生するため、パイル長3mm以上のものを用いることがよい。
また、パイル繊維223は、その繊維抵抗率が105〜109Ωcmのものを用いことが好ましく、より好ましくは繊維抵抗率が106〜108Ωcmのものであり、さらに好ましくは繊維抵抗率が106.5〜107.5Ωcmのものである。この抵抗率が105Ωcmより低いものを用いると、感光体1の微小な欠陥などに対して火花放電を起こし、感光体1を破壊してしまうのことがあり、抵抗率が109Ωcmより高いものを用いると、著しく帯電性が悪くなることがあるため、抵抗率は上記範囲が好適である。
ここで、パイル繊維223の繊維抵抗率は、図11に示すように、導電性ブラシ(電位平滑化手段22)を準備し、パイル繊維223先端に所望の大きさ(パイル長さ(長手方向の長さ)w1(mm)×パイル幅w2)に押付けて、パイル繊維223両端間に50Vの電圧を印加したときの見掛け抵抗Rを求め、下記式により算出される原糸抵抗率ρv(Ωcm)である。
式:ρv=R×[w1×w2×(N×103/25.42)×S/L]
ここで、Sはフィラメント断面積(cm2)、Lはパイル長(cm)、Nは密度(kフィラメント/inch2)、w1は測定幅(電極のパイル長手方向長さ:mm)、w2はパイル幅(電極幅:mm)、Rは見掛け抵抗値(Ω)を示す。
その他の部材については、公知の構成とすることができる。なお、感光体1の表面層、及び各種部材には、フッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液を塗布、あるいは浸漬処理こともできる。この場合、さらなるトルク低減が図れるとともに転写効率の向上も図れるため好ましい。
上記各種部材を処理するフッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液について説明する。
フッ素系樹脂としては、テトラフルオロエチレンのホモポリマー又はテトラフルオロエチレンとオレフィン、含フッ素オレフィン、パーフルオロオレフィン、フルオロアルキルビニルエーテルなどとのコポリマー、フッ化ビニリデンのホモポリマー又はフッ化ビニリデンとオレフィン、含フッ素オレフィン、パーフルオロオレフィン、フルオロアルキルビニルエーテルなどとのコポリマー、クロロトリフルオロエチレンのホモポリマー又はクロロトリフルオロエチレンとオレフィン、含フッ素オレフィン、パーフルオロオレフィン、フルオロアルキルビニルエーテルなどとのコポリマーなどが挙げられ、特に、テトラフルオロエチレンのホモポリマー又はコポリマーが好ましく、また、テトラフルオロエチレンのホモポリマーと各種コポリマーを重量比で95:5〜10:90で混合して用いることも好ましい。
フッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂は、水性分散液として用いられるが、この水性分散液にはさらにワックス及び/又はシリコーンや、パーフルオロポリエーテルなどの潤滑性オイルを含有させることもできる。ワックス及び/又はシリコーンを含有させることにより、フッ素系樹脂がブレード内部に浸透することを促進するため好ましい。ここで、ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペロトラタムなど、シリコーンとしては、シリコーンオイル、シリコーングリス、オイルコンパウンド、シリコーンワニスなどが挙げられる。
フッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液には、必要によって、フッ素系あるいはその他ノニオン系、カチオン系、アニオン系又は両性界面活性剤、pH調整剤、溶剤、多価アルコール、柔軟剤、粘度調整剤、光安定剤、酸化防止剤などを混合することもできる。
浸透層の形成は、ブレード部材をフッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液中に浸漬することにより行うことができるが、フッ素系樹脂のブレード部材内部への浸透を促進するために、減圧下で行うこともできる。この際の圧力としては、0.9気圧以下、好ましくは、0.8気圧以下、より好ましくは0.7気圧以下にて処理する。また、水性分散液を40℃以上、好ましくは50℃以上に加熱することが浸透の促進に効果的である。さらに、0.1気圧以上、好ましくは、0.2気圧以上、より好ましくは0.3気圧以上にて処理することも効果的であり、減圧、加圧、加熱処理を組み合わせることも効果的である。
また、スプレーや、塗布法によりブレード部材に付着させたのち、40℃以上、好ましくは50℃以上に加熱し、浸透層を形成することもできる。
フッ素系樹脂を必須成分とする改質樹脂の水性分散液を付着させた後、加熱乾燥を行う前、あるいは行った後にふき取り、あるいは洗浄を行うこともできる。
以上、説明した本実施形態に係る画像形成装置では、上流側に配置された接触放電型帯電器21通過後の感光体1に電位ムラがあっても、感光体1の表面に電位平滑化層が設けられているため、下流側に設けた注入型の電位平滑化手段22により、放電を行うことなく平滑化することができる。このため、例えば、AC帯電方式の接触放電型帯電器21の周波数を低く抑えることができ、大容量の高圧電源を用いることなく例えば300mm/secを越えるような高速領域でも良好な帯電性が得られる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。なお、以下、特に断りがない限り、「部」は「重量部」を意味する。
[実施例1]
−実施例の感光体1−
JIS A3003合金よりなる直径84mm長さの引き抜き管を用意し、センタレス研磨装置により研磨し、表面粗さをRz=0.6μmとした。洗浄工程としてこのシリンダ−を脱脂処理、2wt%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理、中和処理、更に純水洗浄を順に行った。次に、陽極酸化処理工程として10wt%硫酸溶液によりシリンダ−表面に陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm2)を形成した。水洗後、1wt%酢酸ニッケル溶液80℃に20分間浸漬して封孔処理を行った。更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、アルミニウムシリンダ−表面に7μmの陽極酸化膜を形成した。
このアルミニウム基材上にX線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、7.4°、16.6°、25.5°、28.3°に強い回折ピークを持つクロロガリウムフタロシアニンの1部をポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1部、及び酢酸n−ブチル100部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカーで1時間処理して分散した後、得られた塗布液を前記下引き層11上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層12を形成した。
下記構造のベンジジン化合物2部、高分子化合物(粘度平均分子量39、000)3部、表1の化合物1:0.05部をクロロベンゼン20部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層12上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行なって膜厚20μmの電荷輸送層13を形成した。これを実施例1の感光体1とする。
−比較例1〜2の感光体1−
比較例1、2として、実施例1の化合物1(表1参照)を、それぞれ下記構造で示す比較化合物8、比較化合物9に代えた以外は実施例1と同様に感光体1を作製した。これを、比較例1、2の感光体1とした。
−接触放電型帯電器21−
接触放電型帯電器21としては、直径8mmのSUS303(ステンレス合金)製芯金211に導電弾性層212、半導電抵抗層213、表面層214をこの順に積層したロールを使用した。導電弾性層212としてはEPDMにCB(カーボンブラック)を含有させた厚さ2.5mmのゴム層を用いた。また、その電気抵抗が4〜4.5LogΩの範囲になるようにCBの量を調整した(測定法は図8参照)。
半導電抵抗層213としては、エピクロルヒドリンに導電剤として4級アンモニウム塩を含有させた厚さ0.5mmのゴム層を用いた。また、その電気抵抗が5.2〜5.3LogΩの範囲になるように導電剤の量を調整した(測定法は図8参照)。
表面層214としては、ナイロン樹脂にCBを分散させた導電性塗料を使い、ディップ法によって20〜22μmのコート層を形成した。また、その表面抵抗率が8〜8.5LogΩ/□になるようにCBの量を調整した(測定法は図9参照)。
−電位平滑化手段−
電位平滑化手段としては、単糸デニールが6.25、単糸抵抗率(測定法は図11参照)が106Ωcmの導電性繊維SA−7を、厚さ2mmの基布に対して、96000本/inch2の密度で幅6mmに形成し、シャーリングによりパイル長5mmに調整したものを用いた。
(評価)
このようにしてなる感光体1、帯電器21、及び電位平滑化手段22を用いて、本実施例の効果を確認した結果について説明する。評価にあたっては、富士ゼロックス(株)製DocuCentre1010の感光体1と帯電器21を、本実施例に記載したものに置き換えて評価を行った。特に記載がない構成要素については、前記DocuCentre1010をそのまま用いた。
DocuCentre1010の帯電器21を前述の接触放電型帯電器21と平滑化手段に置き換える際には、DocuCentre1010本来の帯電器21取り付け位置の周方向中心を挟んで、上流側に前記接触放電型帯電器21、下流側に前記平滑化手段を設置し、両者の中心間距離を22mm離して設置した。
また、接触放電型体電器は、圧縮バネにより芯金211両端をそれぞれ300gの一定荷重で感光体1に押圧されるように設置し、平滑化手段はその両端に設けられた間隙規制手段により、ブラシの周方向中心部が感光体1に1.2mm食い込んだ位置になるように設けられている。
まず、実施例1の感光体1と比較例1及び2の感光体1を用い、平滑化手段を付けずに接触放電型帯電器21だけを取り付けて、帯電ムラ(リップル)の評価を行った。接触放電型帯電器21に印加する電圧としては、比較例、実施例ともDC=−550Vにピーク間電圧=1.8kV、周波数=1kHzのAC電圧を重畳した電圧を印加した。このとき、接触放電型帯電器21通過跡の感光体1電位を、DocuCentre1010に内蔵された表面電位計で測定したところ、比較例、実施例とも520〜525V程度であり、顕著な差は認められなかった。
上記のようにして帯電した感光体1の未露光部を、DC=−500Vにピーク間電圧1.2kV、周波数9kHz、Duty0.6の矩形波を重畳した電圧でバイアス現像しカブリ画像を採取したところ、実施例、比較例の両方でプロセス方向に0.44mmピッチで発生する濃度ムラ(リップル)が確認された。
なお、前記表面電位計は8×8mmの測定面に対する平均電位を測定するものであるため、上記のような微小ピッチには追従できず、帯電電位ムラとしては測定できなかった。
次に、接触放電型帯電器21の下流側に前述の平滑化手段を取り付け、先と同様に未露光部に対してバイアス現像を行い、カブリ画像による帯電ムラの評価を行った。このとき、接触放電型帯電器21と現像には先と同様の電圧を印加し、平滑化手段22には500〜1000VのDC電圧を印加した。
このときの、実施例1と比較例1及び2の、平滑化手段通過後の感光体1電位と、画像サンプル中の0.44mmピッチの濃度ムラ発生状況を表2に示す。なお、表中、(*)0.44ピッチ濃度ムラの評価基準は、○:未発生、△:軽微に発生、×:発生、−:評価できず、である。以下同様である。
表2よりわかるとおり、実施例1の感光体1の場合、平滑化手段の印加電圧に伴い、平滑化手段通過後感光体1電位の上昇が認められた。また、600〜700Vの電圧印加時には、先に発生した0.44mmピッチの濃度ムラが認められなくなった。
実施例1の場合では、800V以上印加すると、平滑化手段通過後感光体1電位が650V以上になり、感光体1バイアス現像量によるカブリトナー量が少なくなり、ムラの確認ができなかった。そこで、確認のために、平滑化手段に800V印加し、現像のDCバイアスを600Vにしてカブリ画像を採取したが、サンプル中に0.44mmピッチの濃度ムラは認められなかった。
これに対して、比較例1の感光体1の場合、0.44mmピッチの濃度ムラは確認できないものの、平滑化手段通過後感光体1電位が400V程度と低くなっていた、また平滑化手段印加電圧を上げても、帯電電位がほとんど変化しなかった。これは、比較例1の感光体1の場合、化合物9と電荷輸送層13中の正孔輸送剤が電荷錯体を形成してしまったためと考えられる。
また、比較例2の感光体1の場合、上記の範囲で印加電圧を変えても、平滑化手段通過後の感光体1電位がほとんど変化しておらず、また画像サンプル中の濃度ムラもほとんど変化しなかった。また、比較例2の場合に、1000V以上の電圧を印加してみたところ、平滑化手段通過後感光体1電位の上昇が認められたが、カブリ画像中に白点や白筋状のムラが多数発生し、0.44mmピッチ濃度ムラの確認ができなかった。
本実施例において、上述したような効果が得られる理由については、以下のように考えている。
接触放電型帯電器21をはずし、本実施例の平滑化手段22だけを使って実施例1と比較例1との感光体1の帯電性を確認したところ、図12に示すように比較例1の感光体1では、500V以下の電圧では全く帯電せず、600Vから帯電し始めており、放電によって帯電していることがわかる。
したがって、比較例1の感光体1の場合、接触放電型帯電器21で520V程度に帯電した感光体1に対して、1000V以下の電圧を印加しても感光体1電位は影響受けることがなかったと考えられる。また1000V以上の電圧を印加した場合、放電による帯電が始まるが、放電で過剰帯電した部分が白点状に抜けたと考えられる。
これに対して、本実施例1の感光体1では、放電開始電圧以下の100V程度の電位差から帯電が始まるため、接触放電型帯電器21で略520Vに帯電した感光体1に対して、600〜700V程度の電圧を印加すると、接触放電型帯電器21の帯電で生じたリップルのうち電位の低い部分に対して帯電が行われ、平滑化されたと考えている
また、本実施例1の感光体1において、放電開始電圧以下の電位差から帯電が始まる理由としては、電荷輸送層13に導入された化合物1の電子受容性が高いため、平滑化手段から電荷輸送層13表面付近の化合物1へ電子が注入されるためと考えている。
[実施例2及び参考例3]
−実施例2、参考例3の感光体1−
実施例1の感光体1における化合物1を、それぞれ化合物2及び3に代えた以外は実施例1と同様に感光体1を作製した。これを実施例2、参考例3の感光体1とした。この感光体1を用い、実施例1と同様にして評価を行ったところ表3の結果が得られた。
表3よりわかるとおり、実施例2及び3の感光体1においても、平滑化手段へ600〜700Vの電圧を印加するといずれも0.44mmピッチの帯電ムラ発生を抑制することができた。
[実施例4]
加えるアクセプター(化合物1)の量を表4に示したように代えた以外は、実施例1と同様に感光体1を作製した。これを実施例4(実施例4−1〜4−3)の感光体1とした。この感光体1を用い、実施例1と同様に評価を行ったところ表5の結果が得られた。
表5よりわかるとおり、化合物1の量を増やすと、平滑化手段印加電圧と通過後帯電電位が近づき、より低い電圧で0.44mmピッチ濃度ムラが改善され、良好な帯電性が得られることがわかった。
このように、本実施例から、上流側に配置されたAC帯電方式の接触放電型帯電器21通過後の感光体1に200V程度のリップルがあっても、感光体1に電位平滑化層を設けているので、下流側の注入型電位平滑化手段22により、放電賞を生じさせることなく、感光体1の帯電電位を平滑化できることがわかる。また、AC帯電方式の接触放電型帯電器21の周波数を低く抑えることができ、大容量の高圧電源を用いることなく300mm/secを越えるような高速領域でも良好な帯電性が得られることがわかる。