JP4599573B2 - 磁性粉末の製法 - Google Patents
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末に関する。
に小さいことが要求される。
らも粒子の大きさが充分に小さいことが要求されている。
定性の向上が望まれている。
平均長軸径が70nm以下のものが開発されている(例えば特許文献1)
現れる傾向がある。
ことを本発明者らは経験した。本発明はこの問題の解決を目的とするものである。
る。
よるのが有利である。
を具備できる。
にある。
有したFeを主成分とする微粒子磁性粉末はアルカリ触媒にも,酸触媒にもなり得る。
SiO2やRa酸化物が表面に存在する場合でも原則的に同様である。
て磁性粉末の酸性点の数をほぼ正当に評価することができることがわかった。
を評価するが,実際の測定は次のようにして行うことができる。
カンタクロム株式会社製の物理・化学吸着量測定装置「商品名ケムベット‐3000」に測定用粉末を装填し,吸着ガスとして高純度のCO2を使用して,試料粉末1gあたりのCO2吸着量(マイクロリットル・μL)を測定する。測定に際しては,この測定装置の操作手順に従って,試料粉末に付着している水分をN2ガスやアルゴンガス等の不活性ガス中で過熱脱水し,また測定経路中に存在する空気を不活性ガスにてパージする。その
後CO2ガスを試料粉末に注入し,CO2吸着量の測定を開始する。
カンタクロム株式会社製の物理・化学吸着量測定装置「商品名ケムベット‐3000」に測定用粉末を装填し,吸着ガスとして高純度のNH3を使用して,試料粉末1gあたりのNH3吸着量(マイクロリットル・μL)を測定する。測定に際しては,この測定装置の操作手順に従って,試料粉末に付着している水分をN2ガスやヘリウムガス等の不活性ガス中で過熱脱水し,また測定経路中に存在する空気を不活性ガスにてパージする。その
後NH3ガスを試料粉末に注入し,NH3吸着量の測定を開始する。
として,塩基性点の数(個/nm2)は次式で算出することができる。
=〔N・Q(μL/g)・G(g/L)・10-24〕/〔P(m2/g )・(CO2の分
子量:44)〕
酸性点の数(個/nm2)
=〔N・R(μL/g)・G(g/L)・10-24〕/〔P(m2/g )・(NH3の分
子量:17)〕
とき,次式で算出できる。
G(g/L)=ρ×(273.15/298.15)
においても,同様の触媒活性を示すことを確認した。
と有機化合物との浸漬熱と有機化合物の縮合反応熱が高いことを意味している。
る。
実際のΔTの評価試験の手順は次のとおりである。25℃の環境下において磁性粉末20gを断熱密閉容器に入れ,ここに,25℃に調整したシクロヘキサノン20gを投入する。その後,スラリー(磁性粉末+シクロヘキサノン)の温度を測定する。スラリーの温度は徐々に上昇し一定値に到達する。このときの温度と初期温度25℃の温度差をΔTと
した。
実際のΔCの評価試験の手順は次のとおりである。磁性粉末20gを容器に入れ,そこにシクロヘキサノン20gを投入し,60℃で5時間保持する。その後,ろ過により固液分離し,大気中で十分予備乾燥させた後,25℃で真空乾燥して揮発分を完全に除去する。この反応前後のCおよびFeの含有量を分析し,C含有率を,C/Fe(at.%)で表し
た場合の,C含有率の増加量(at.%)をΔCとする。
ΔC(at.%)=〔反応後のC/Fe(at.%)〕−〔反応前のC/Fe(at.%)〕
においては,ΔTの値は8.0℃未満であり,またΔCの値は120at.%未満である。
本発明に従う磁性粉末の平均粒径は70nm未満とするが,これは,平均粒径が70nm未満のように微細になると触媒活性の問題が浮上し,この問題を解決しなければ実用上の使用に問題が生ずるからである。すなわち,平均粒径70nm未満の磁性粒子に付随する触媒活性の問題を解決課題とするところに本発明の一つの特徴がある。磁性粉末の粒子の大きさについては,透過型電子顕微鏡(TEM)写真から算出できる。粒子の大きさを粒子体積で言えば1000〜10000nm3のものであるのがよい。粒子体積が1000nm3より小さすぎると,熱揺らぎによるスーパーパラ化(超常磁性発現)が発生したり,分散が困難となる。また10000nm3より大きくても電磁変換特性的に低ノイズ
媒体として不適当となる。
媒活性に影響を与える元素が添加されている場合が多いので,本発明の効果が大きい。
あることもできる。
なる。
非常に高くなるので注意を要する。
ことができる。
体中の酸素の含有量は、粒子全体に対して26wt%以下であるのがよい。
。
数に達しないときは,この処理を複数回実施すればよい。
実施するのが好ましい。
を用いて表面処理することである。
ができる。
の割合を表わすことになる。
R’Si(Y)3
R’はビニル基,エポキシ基,スチリル基,メタクリル基,アミノ基,メルカプト基,クロロプロピル基等の有機官能グループを表し,YはSiに結合している加水分解性のアルコキシ基もしくはアルキル基を示す。シランカップリング剤の作用としては,親水性の磁性粉末の表面とY側が強固に結び付き,有機官能基が塗料の樹脂と結び付き,磁性粉末−シランカップリング剤−樹脂の強固な結び付きができる。R’は,上記いずれでもよいが,好ましくは,エポキシ基,アミノ基,メタクリル基であり,さらに好ましくは,アミノ基,メタクリル基があげられ,メタクリル基が最も望ましい。ただしR’については,磁性層を形成するのに使用される樹脂の種類に応じて選択するのが実際的である。Y基としては,メトキシ基,エトキシ基などのいずれでもよく,好ましくは,メトキシ基があげられる。またその反応性を制御するためには,Y基部分をアルキル基に変更し,反応性を低下した使い方をすることができる。シランカップリング剤の量は,適用する磁性粉末の比
表面積(BET値)に応じて決めるのがよい。
且つ前掲のΔCは120at.%未満となる。
m2以下に調整されていると,前掲のΔCは120at.%未満になる。
しては,下記に示した方法によった。
(1)磁性塗料の作成
磁性粉末0.500gを秤量し,ポット(内径45mm,深さ13mm)へ入れる。蓋を開けた状態で10分間放置する。次に,ビヒクル〔塩ビ系樹脂MR−110(22wt%),シクロヘキサノン(38.7wt%),アセチルアセトン(0.3wt%),ステアリン酸nブチル(0.3wt%),メチルエチルケトン(MEK)(38.7wt%)の混合溶液〕をマイクロピペットで0.700mL採取し,これを前記のポットに添加する。すぐにスチールボール(2φ)30g,ナイロンボール(8φ)10個をポットへ加え,蓋を閉じ10分間静置する。その後,このポットを遠心ボールミル(FRITSCH P−6)にセットし,ゆっくりと回転数を上げ600rpmにあわせ,60分間分散を行う。遠心式ボールミルが停止した後,ポットを取り出し,マイクロピペットを使用し,あらかじめMEKとトルエンを1:1で混合しておいた調整液を1.8mL添加する。再度,遠心式ボールミルにポットをセットし,600rpmで5分間分散し,分散を終了する。これで
磁性塗料が作成される。
前記の分散を終了したあと,ポットの蓋を開けナイロンボールを取り除き,塗料をスチールボールごとアプリケータ(55μm)へ入れ,支持フィルム(東レ株式会社製のポリエチレンフィルム:商品名15C−B500:膜厚15μm)に対して塗布を行う。塗布後,5.5kGの配向器のコイル中心にすばやく置き,磁場配向させその後乾燥させる。
これにより磁気テープが作成される。
・磁気特性の測定:得られたテープについて日商岩井株式会社製のVSM(振動試料型磁
力測定器Model1660)を用いて,その保磁力Hcx,SFD等の測定を行う。
・テープの表面平滑性(光沢度)の測定:日本電色工業株式会社製の光沢度計(グロスメータ)を用いて,テープ表面の光沢度を測定する。測定条件として入射角を60度とし,また屈折率が可視波長範囲全域にわたって一定値1.567のガラス表面において,規定
された入射角θでの光沢度を基準(100%)として測定する。
前記の分散を終了したあと,ポットの蓋を開けナイロンボールを取り除き,塗料をスチールボールごとアプリケータ(55μm)へ入れ,ガラス板(縦:4cm,横:15cm,厚さ:1mm)上に塗布を行う。塗布後5.5kGの配向器のコイル中心にすばやく置
き磁場配向させ,その後乾燥させて耐久性評価のための測定用基板を作成する。
試料を塗布させたガラス基板を新東科学株式会社製の鋼球摺動測定機(HEIDON−14DR)に固定し,10mmφの鋼球に荷重5gを加えて摺動させる。その際,移動速度を2,320mm/min(38.7mm/sec)として580回走行させた後,鋼球の摺動面の様子(ガラス基板まで貫通しているかどうか)を観察し,100倍の光学電
子顕微鏡で傷の幅を測定する。
オキシ水酸化鉄を出発材料として脱水,焼成し,これを水素雰囲気下で加熱還元して得られた平均長軸長が61nm,Al含有量がAl/Feの原子百分率で11.6at.%,Y(イットリウム)含有量がY/Fe(表1ではRa/Feと記す)の原子百分率で9.6at.%,Co(コバルト)含有量がCo/Feの原子百分率で24.1at.%,Si(ケイ素)含有量がSi/Feの原子百分率で0.1at.%以下の針状金属強磁性粉末を供試材として,以下の処理を実施した。ただし,前記の水素雰囲気下での加熱還元は,加熱温度440℃で1段目の還元を行ない,その後,550℃で2段目の還元を行うという2段還元方
式を採用した。
行った。
表1に示した。
平均長軸径が45nm,Al/Feが12.2at.%,Y/Feが9.5at.%,Co/Feが23.8at.%である以外は実施例1と同じ針状金属強磁性粉末について,実施例1と同じ条件で,二段還元−徐酸化処理−不活性雰囲気下での低温熱処理−徐酸化処理−湿水
素雰囲気下での高温熱処理−徐酸化処理を施した。
示した。
オキシ水酸化鉄を出発材料として脱水,焼成し,これを水素雰囲気下で加熱還元して得られた平均長軸長が45nm,Al/Feが11.3at.%,Y/Feが9.6at.%,Co/Feが23.7at.%の針状金属強磁性粉末を供試材として以下の処理を実施した。ただし,前記の水素雰囲気下での加熱還元は,加熱温度440℃で1段目の還元を,次に55
0℃で2段目の還元を行う2段還元方式とした。
た。
示した。
平均長軸径が33nm,Al/Feが26at.%,Y/Feが16.1at.%,Co/Feが23.7at.%である以外は実施例3と同じ針状金属強磁性粉末について,実施例3と同じ条件で,二段還元−シランカップリング処理を実施した。ただし,カップリング剤の投入量は,処理後の磁性粉末のSi量を測定したときにSi/Feで4.6at.%となる量と
した。
示した。
Y/Feを9.5から19.1at.%に変更した以外は(その他の成分について再現上若干のバラツキはあるが許容範囲である),実施例2を繰り返した。得られた針状金属強磁性粉末の塩基性点は1.09個/nm2,酸性点は0.57個/nm2であった。また,
この磁性粉末の諸特性を実施例1と同様に測定し,それらの結果を表1に示した。
シランカップリング処理を行わなかった以外は,実施例4を繰り返した。ただし,二段還元のあと,その針状金属強磁性粉末を酸化雰囲気下で80℃で徐酸化処理し,次いでN2雰囲気中において180℃で30分間の熱処理を行った後,再び80℃で徐酸化して,
表面酸化を防止した。
示した。
還元工程を450℃の1段で実施した以外は,実施例1と同様にして針状金属強磁性粉末を得た。この磁性粉末を酸化雰囲気下で80℃で徐酸化処理し,次いでN2雰囲気中において180℃で30分間の熱処理を行った後,再び80℃で徐酸化して,表面酸化を防止した。ただし,実施例1のように高温での湿水素雰囲気下での熱処理は行わなかった。
示した。
75個/nm2以下である実施例1〜4の磁性粉末は,いずれもΔTが8.0℃以下でΔ
Cが120at.%以下となり,テープの表面平滑性と耐久性が共に非常に良好である。
塩基性点が1.05個/nm2と多い比較例1の磁性粉末は,ΔCが150at.%と高くな
り,テープの表面平滑性が劣り且つ耐久性が悪い。
0.53個/nm2(比較例3)ではあるが,酸性点がいずれも0.87個/nm2と高い比較例2と3の磁性粉末は,ΔTおよびΔCとも高くなって,表面平滑性が劣り且つ耐
久性が劣る。
(1) 実施例1のように還元処理後の磁性粉末を熱処理(実施例1では350℃×30分)すると,塩基性点・酸性点を本発明で規定する値にまで少なくすることができるが,この
熱処理を省略した比較例3のものでは酸性点が多くなっている。
(2) 比較例1ではYの含有量がY/Fe=19.1at.%と高く,この点だけが実施例2のものと条件が異なるのであるが,比較例1のようにRaの含有量が多くなると,粒子表面のRaの酸化物が多くなり,その結果,塩基性点・酸性点の数も多くなり,本発明で規定
する要件を満たさなくなることがある。
(3) 実施例3のようにシランカップリング処理を行うと,行わない比較例3のものに比べ
て塩基性点・酸性点の数を少なくできる。
Claims (1)
- Ra(RaはYを含む希土類元素の少なくとも1種を表す)の酸化物をRa/Feの原子百分率で10at.%未満含有するとともに、Al、Siの少なくとも1種の酸化物を表層部に有するFeを主成分とする粒子からなる磁性粉末であって、平均粒径が70nm未満、塩基性点が0.85個/nm2以下で且つ酸性点が0.75個/nm2以下の磁性粉末の製法であって、Raの酸化物をRa/Feの原子百分率で10at.%未満含有するとともに、Al、Siの少なくとも1種の酸化物を表層部に有するFeを主成分とする粒子からなる磁性粉末であって平均粒径が70nm未満の磁性粉末を、少なくとも水素と水蒸気の存在下にて180〜400℃の温度で熱処理したあと徐酸化処理することからなる製法。
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