JP4598923B2 - 光ディスク記録装置とその半導体集積回路 - Google Patents

光ディスク記録装置とその半導体集積回路 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばCD(compact disk)−R(Recordable)、CD−RW(Read/Write)、DVD(Digital Versatile disk)−RAM(Random Access Memory)、DVD−R、DVD−RWなど、複数の種類の光ディスクにデータを記録することが可能な光ディスク記録装置とそれに用いられる半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3乃至図5は、各種光ディスクの構造を概略的に示している。
【0003】
図3(a)は、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RWの光ディスクの表面を概略的に示し、図3(b)は、DVD−RAMの光ディスクの表面を概略的に示している。図4は、これら相変化型の記録再生光ディスクの断面構造を示している。これら光ディスク61の表面にはスパイラル状にグルーブ(溝)62が形成され、このグルーブ62の相互間にランド63が形成されている。これら光ディスクは、グルーブの間隔、記録線速度などが異なるが、基本的には図3(a)(b)に示す構成とされている。
【0004】
また、図5(a)に示すように、CD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RWの光ディスクにおいて、記録信号(ピット)64は、グルーブ62内に記録されている。これに対して、Z-CLV方式のDVD−RAMの場合、図5(b)に示すように、ピットはランド63とグルーブ62の両方に記録されている。このため、記録密度が向上されている。
【0005】
さらに、前記DVD−RAMは、図3(b)に示すように、セクタという約2Kバイトのデータ量毎にヘッダー領域64が設けられており、このヘッダー領域64に光ディスク上のアドレスが記録されている。DVD−RAMの場合、前記ヘッダー領域64は隣接する複数のトラック(グルーブやランド)毎に揃っている。このヘッダー領域64により区切られた複数のトラックの領域(以下、これをゾーンと呼ぶ)内ではCAV(Constant Angular Velocity)で記録することが必要である。光ディスク全面で見た場合、記録容量を上げるためにゾーン毎にCAVの回転数を変化され、ほぼCLV(Constant Linear Velocity)相当の記録密度となっている。これをZ-CLV(Zone-CLV)方式と呼んでいる。
【0006】
上記いずれの光ディスクもトラックを正弦波状にうねらせて、所謂ウォブルが形成されている。一般に、ウォブルは、光ディスク毎に記録するべきデータ量(距離)と決まった比率で形成されている。記録時はウォブルに対応したウォブル信号がピックアップヘッドから抽出され、このウォブル信号が光ディスクの回転制御の基準とされる。ウォブル信号は通常、プッシュプルトラッキングエラー信号などから検出されることが多い。
【0007】
従来、複数の種類の光ディスクを1台の装置で記録再生できるシステムは、殆んど存在していない。しかし、近年、CD−R/RWやDVD−RAM、DVD−R、DVD−RWなど複数の記録再生光ディスクの登場により、これら種々の光ディスクを1台の装置で記録再生することが可能な光ディスク記録再生装置の開発が要望されている。
【0008】
ところが、上記各種光ディスクは、ディスク毎に回転数が異なり、また、記録精度も異なっている。特に、記録時において、各光ディスクは前述のウォブル信号を基準として回転速度が制御される。一般的には、ウォブル信号の周波数が一定となるように光ディスクが回転され、光ディスク上でのレーザービームの線速度が一定に制御される。記録信号は記録クロック信号の周波数を固定し、固定レートで記録される。
【0009】
しかし、上記各種光ディスクについてウォブル信号の周波数を一定として光ディスクを回転させることが難しい。特に、DVD−RAMの場合、ゾーンによって回転数が相違するため、ウォブル信号の周波数を一定として光ディスクを回転させることが難しい。しかも、ディスクサーボは光ディスクの偏芯によって生じるウォブル信号の揺らぎなどもある程度抑える必要がある。したがって、複数の異なる種類の光ディスクに対して、複数の記録速度をサポートすることが困難となる可能性が高い。
【0010】
このように、光ディスクは、その仕様がそれぞれ異なるため、複数種の光ディスクを記録再生可能とするために、ピックアップやディスクモータなどのキーパーツの設計、及びディスクサーボ系の設計が複雑になることが予想される。
【0011】
図6は、従来の光ディスク記録再生装置の構成を示している。図6を参照して、複数の種類の光ディスクを記録再生する場合の問題点について具体的に説明する。
【0012】
先ず、再生系について説明する。光ディスク11からピックアップヘッド12により読み取られた信号は、高周波回路(RF)及びマトリクスアンプ13に供給される。このマトリクスアンプ13は、ピックアップヘッド12から供給される信号に応じてサーボ制御に必要なエラー信号を生成するとともに、情報信号の波形等化などを行ったRF信号(情報信号)、及びウォブルに同期したクロック信号を生成する。
【0013】
前記エラー信号はサーボ制御回路14に供給される。このサーボ制御回路14はエラー信号に基づき出力信号のゲインや位相を調整する。このサーボ制御回路14の出力信号はドライバー15に供給され、このドライバー15の出力信号により、ピックアップヘッド12を駆動する図示せぬアクチュエータや送りモーター16が制御される。
【0014】
一方、前記マトリクスアンプ13から出力される波形等化されたRF信号は、データスライス回路及び復調回路17に供給される。このデータスライス回路及び復調回路17は情報信号の2値化や同期クロック信号の抽出、同期信号の分離及び情報信号の復調を行う。復調された信号は同期クロック信号と共にエラー訂正回路18に供給される。このエラー訂正回路18は、訂正RAM19を用いて復調された信号のエラーを訂正する。すなわち、データスライス回路及び復調回路17から供給される情報信号はエラー訂正回路18を介して訂正RAM19に記憶される。エラー訂正回路18はこの訂正RAM19に記憶された情報信号を順次読み出してエラー訂正を行う。このエラー訂正回路18の出力信号はデータバッファ回路20を介してデータバッファRAM21に一時記憶される。データバッファ回路20は、ホストコンピュータからの要求に応じてデータバッファRAM21に記憶されたデータをホストコンピュータに出力する。
【0015】
次に、記録系について説明する。前記ホストコンピュータから供給されたデータは、データバッファ回路20を介して前記データバッファRAM21に記憶される。このデータバッファRAM21に記憶されたデータは、データバッファ回路20を介して、パリティ生成回路22に供給される。このパリティ生成回路22はパリティ信号を生成し、データに付加する。このパリティ信号が付加されたデータは、変調回路23で変調され、レーザー駆動回路24にビットストリームからなる記録信号として供給される。このレーザー駆動回路24は記録信号に応じてピックアップヘッド12に設けられた図示せぬ半導体レーザーを駆動し、光ディスクにピットを形成する。
【0016】
前記エラー訂正回路18、データバッファ回路20、及びパリティ生成回路22等は信号処理クロックPLL回路25により生成された信号処理用のクロック信号に応じて動作される。また、前記変調回路23は記録クロックPLL回路26で生成された記録用のクロック信号により動作される。この記録クロックPLL回路26は、後述するシステムコントローラ32から供給される制御信号に応じて制御され、各種光ディスクの定常速度に一致した記録クロック信号を発生する。
【0017】
再生時、光ディスク系の制御は光ディスクモータ27と光ディスクモータドライバ28から得られるFG(Frequency Generating)信号で制御されることが多い。この場合、CAV方式の回転制御が行われる。場合によっては、同期信号の分離等を行っている前記復調回路17からの同期信号(再生同期信号)の周波数を一定にするように、CLV方式で制御されることもある。
【0018】
記録時は、光ディスクに照射されるレーザーパワーを一定に保つ必要がある。このため、CAV方式で制御されることは殆んどない。したがって、記録時は、一般にウォブル信号を使用して光ディスクの回転が制御される。ウォブル信号は、ウォブルPLL回路29において、前記マトリクスアンプ13から供給されるウォブルに同期したクロック信号に基づいて生成される。このようにして生成することにより、光ディスクに傷などが生じていても、安定なウォブル信号を生成することができる。但し、DVD−RAMの場合、前述したようにゾーン毎にCAVで記録することが規格により定められている。このため、ゾーン内では前記FG信号に基づいて、CAVで光ディスクを回転させピットを記録する。
【0019】
前記ウォブルPLL回路29で生成されたウォブル信号(ウォブルクロック信号)、FG信号、及び再生同期信号は、動作モードに応じてスイッチ30により選択され、ディスクモータ制御回路31に供給される。このディスクモータ制御回路31は、スイッチ30から供給される信号と水晶発振器から供給される信号とを比較し、この比較結果に応じてディスクモータドライバ28を制御する。
【0020】
システムコントローラ32は、記録、再生等の動作モードに応じて、前記各種回路を制御する。さらに、システムコントローラ32には、信号処理系やサーボ系から得られる光ディスクの種類を判別するディスク判別信号が供給される。このシステムコントローラ32は、ディスク判別信号に基づいて光ディスクの種類を判別し、光ディスクの種類に応じて、前記記録クロックPLL回路26の基準発振周波数を決定している。この基準発振周波数の値(基準値)は前記記録クロックPLL回路26に供給される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、データ記録時におけるウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率は、規格により定められている。
【0022】
図7は、光ディスクの種類に応じたウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率の例を示している。
【0023】
上記のように、光ディスクの回転速度は、光ディスクによって異なっている。このように、種々の回転速度により動作される光ディスクに対応して正しくデータを記録するためには、ウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率が上記規格で定められた一定の比率である必要がある。
【0024】
しかし、シーク後など光ディスクの回転が過渡的に定常回転数になっていない場合、ウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率が変動する。この比率が変動している状態では、データが正しく記録されない。したがって、この状態で記録された光ディスクは、他の記録再生装置により再生することが困難となる。
【0025】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、記録時に光ディスクの回転が変動した場合においても、正確にデータを記録することが可能な光ディスク記録装置とその半導体集積回路を提供しようとするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ディスク記録装置は、光ディスクのウォブルに同期したウォブルクロック信号を生成するウォブルPLL回路と、水晶発振器の出力信号に基づいて記録用の記録クロック信号を生成する記録クロック生成回路と、前記ウォブルPLL回路から供給される前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック生成回路から出力される前記記録クロック信号が供給され、前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック信号の周波数の比率を計測し、この計測結果と光ディスクの種類に応じた前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック信号の周波数の比率に対応する基準値との誤差分を前記記録クロック生成回路に供給するウォブルクロック計測回路とを具備し、前記記録クロック生成回路は、前記ウォブルクロック計測回路より供給される誤差分がゼロになるように前記記録クロック信号の発振周波数を制御することを特徴とする。
【0027】
本発明の半導体集積回路は、光ディスクのウォブルに同期したウォブルクロック信号を生成するウォブルPLL回路と、水晶発振器の出力信号に基づいて記録用の記録クロック信号を生成する記録クロック生成回路と、前記ウォブルPLL回路から供給される前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック生成回路から出力される前記記録クロック信号が供給され、前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック信号の周波数の比率を計測し、この計測結果と光ディスクの種類に応じた前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック信号の周波数の比率に対応する基準値との誤差分を前記記録クロック生成回路に供給するウォブルクロック計測回路とを具備し、前記記録クロック生成回路は、前記ウォブルクロック計測回路より供給される誤差分がゼロになるように前記記録クロック信号の発振周波数を制御することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0029】
図1は、本発明に係る光ディスク記録再生装置の実施例を示すものであり、図6と同一部分には同一符号を付し説明は省略する。なお、図1において、ICは1つの半導体集積回路に内蔵される要素を示しており、ローパスフィルタ34は、半導体集積回路に内蔵することも、外付けとすることも可能である。
【0030】
この実施例の特徴は、データの記録時に記録クロック信号の周波数をウォブルクロック信号に応じて変化させている。この制御を行うため、図1に示すようにウォブルクロック計測回路33とローパスフィルタ34を設けている。
【0031】
すなわち、ウォブルPLL回路29から出力されたウォブルクロック信号は、ウォブルクロック計測回路33に供給される。さらに、このウォブルクロック計測回路33には、記録クロックPLL回路26から記録クロック信号が供給されている。このウォブルクロック計測回路33は、記録クロック信号に基づいてウォブルクロック信号を計数し、ウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率が規格で決められた比率になっているかどうかを計測する。このウォブルクロック計測回路33の出力信号はローパスフィルタ34に供給される。このローパスフィルタ34は、僅かな計測誤差から発生するノイズ成分などを除去すると共に、定常誤差を少なくするためにウォブルクロック計測回路33から供給される信号を十分に積分し、記録クロックPLL回路26ヘ供給する。
【0032】
記録クロックPLL回路26は、ローパスフィルタ34からフィードバックされた信号に応じて発振周波数が変化され、ウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率が本来の比率になるように記録クロック信号の周波数が制御される。
【0033】
システムコントローラ32は、信号処理系やサーボ系から得られる光ディスク判別信号に基づいて光ディスクの種類を判別するとともに、光ディスクの種類に応じた記録クロックPLL回路26の基準発振周波数、及びウォブルクロック計測回路33の基準値(光ディスク毎の記録クロック信号とウォブルクロック信号との周波数の比率)を決定する。
【0034】
上記構成において、記録時にディスクサーボの精度が低下し、光ディスクの回転精度が悪化した場合においても記録クロック信号を光ディスクの回転変動に追従させることができる。したがって、ウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率を略一定に保持することができ、正しい記録状態が保たれる。
【0035】
図2は、図1に示すウォブルクロック計測回路33、ローパスフィルタ34及び記録クロックPLL回路26の構成例を示している。
【0036】
ウォブルクロック計測回路33は、分周器41、カウンタ回路42、レジスタ43、ウォブルカウント数レジスタ44、減算器45により構成されている。前記ウォブルPLL回路29から供給されるウォブルクロック信号CKは、分周器41に供給される。この分周器41により1/Nに分周されたウォブルクロック信号はカウンタ回路42及びレジスタ43に供給される。前記カウンタ回路42には、前記記録クロックPLL回路26の後述するVCO(Voltage controlled Oscillator)53から出力される記録クロック信号が供給されている。このカウンタ回路42は分周器41から供給されるウォブルクロック信号の周期が記録クロック信号の何個分であるかをカウントする。すなわち、カウンタ回路42は、前記分周器41から供給されるウォブルクロック信号の例えば1周期の期間に記録クロック信号をカウントする。また、前記分周器41は、ウォブルクロック信号CKの周期を拡大しており、ウォブルクロック信号CKを記録クロック信号で計測する際に、計数精度を上げる目的で用いられている。カウンタ回路42のカウント値は、前記分周器41から出力されるウォブルクロック信号に応じて、毎周期にレジスタ43にラッチされる。このレジスタ43にラッチされたカウント値は、理想的には規格で定められた比率に対応した値となる。しかし、例えばシーク後等において、光ディスクの回転速度が変動している期間は正規の比率から変動している。このレジスタ43の値は減算器45に供給される。
【0037】
一方、ウォブルカウント数レジスタ44には、例えばシステムコントローラ32から供給される光ディスクの種類に応じたウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率に対応する基準値がラッチされる。このウォブルカウント数レジスタ44にラッチされた基準値は前記減算器45に供給される。この減算器45はレジスタ43から供給されるカウント値とウォブルカウント数レジスタ44から供給される基準値の差を求める。前記レジスタ43から供給されるカウント値が規格に定められた比率に対応する場合、これらカウント値と基準値の誤差分はゼロとなる。この誤差分は、ローパスフィルタ34に供給される。
【0038】
前記ローパスフィルタ34は、加算器46、レジスタ47、及び分周補正レジスタ48により構成されている。前記減算器45から出力される誤差分は加算器46に供給される。この加算器46には前記レジスタ47の出力信号が供給される。このレジスタ47には加算器46の出力信号が供給される。このため、加算器46の動作に応じて高域周波数成分の変動が除去されるとともに、定常ずれを減少するために積分される。この加算器46の演算結果は分周補正レジスタ48にラッチされる。この分周補正レジスタ48にラッチされた高域周波数成分が除去された誤差分は、記録クロックPLL回路26に供給される。
【0039】
記録クロックPLL回路26は、主としてプログラマブルカウンタ51とVCO53、及び位相比較器とチャージポンプで構成されるブロック52、さらに記録クロック信号を生成するための基準となる水晶発振器55の出力信号を分周する分周器54により構成されている。
【0040】
さらに、この記録クロックPLL回路26は、分周設定レジスタ49と、加算器50を有している。この分周設定レジスタ49には、システムコントローラ32から供給される光ディスクの種類に応じた基準値がラッチされる。この分周設定レジスタ49にラッチされた基準値と前記分周補正レジスタ48から出力される誤差分は加算器50に供給され、この加算器50においてこれらが加算される。このようにして、加算器50により、記録クロック信号の発振周波数が決定される。この加算器50の出力信号はプログラマブルカウンタ51にセットされる。記録クロックPLL回路26は、前記プログラムカウンタ51にセットされた発振周波数に応じて動作し、記録クロック信号を発生する。
【0041】
ここで、例えば前記ウォブルクロック信号の周波数と記録クロックの周波数との比率が、規格で定められた比率からずれている場合、前述した誤差分がゼロ以外の値となる。この値がローパスフィルタ34により積分され、ローパスフィルタ34内の分周補正レジスタ48の値がゼロ以外の値とされる。このため、分周補正レジスタ48の誤差分がゼロとなるよう、記録クロックPLL回路26が動作され、記録クロック信号の周波数が調整される。
【0042】
上記実施例によれば、データの記録時にウォブルクロック信号の周波数に応じて記録クロック信号の周波数を変化させている。このため、光ディスクの回転速度が変動した場合においてもウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率を略一定に保持することができる。したがって、光ディスクの種類に対応して確実にデータを記録することができ、複数種の光ディスクを1台の装置で記録再生することが可能となる。
【0043】
しかも、光ディスクの回転速度に影響を受けることなく、データを記録することができるため、ディスクサーボの応答速度を高速化する必要がない。したがって、ディスクサーボ系の設計が容易となり、ローコストな光ディスクモータを使用して高精度の記録を実現できる。
【0044】
また、シーク後など光ディスクの回転が定常値でない場合においても、ウォブルクロック信号と記録クロック信号の周波数の比率を保証することができる。このため、ディスクサーボの制御により、光ディスクの回転が完全に定常状態となる前に記録を開始することが可能となる。したがって、従来に比べて記録時間を短縮することができる。
【0045】
さらに、記録クロックPLL回路26は、水晶発振器55の出力信号に基づいて記録クロック信号を生成し、この記録クロック信号をウォブルクロック信号に従って補正している。このため、例えばウォブルクロック信号に基づいて記録クロック信号を発生する場合に比べてジッターを抑制することができる。
【0046】
尚、上記実施例の場合、ウォブルクロック信号の周波数と記録クロック信号の周波数の比率は、光ディスクが如何なる回転数であっても略一定に保たれる。このため、本発明の装置により、CAV方式の記録システムを構築することも可能である。
【0047】
また、上記実施例において、ウォブルクロック計測回路33の出力信号はローパスフィルタ34を介して記録クロックPLL回路26の加算器50に供給した。しかし、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
【0048】
例えばウォブルクロック計測回路33のウォブルカウント数レジスタ44、減算器45、ローパスフィルタ34、記録クロックPLL回路26における分周設定レジスタ49、及び加算器50の機能をハードウェア又はソフトウェアによりシステムコントローラ32に付加してもよい。
【0049】
この場合、ウォブルクロック計測回路33のレジスタ43にラッチされたカウント値はシステムコントローラ32に供給される。このシステムコントローラ32において、前記カウント値は例えばウォブルクロック信号と記録クロック信号の比率に相当する基準値とともに減算器に供給され、この減算器においてこれらの値が減算される。この減算器の出力信号は必要に応じてローパスフィルタ等により、高域周波数成分が除去された後、光ディスクの種類に応じた基準値とともに例えば加算器に供給される。この加算器においてこれらの信号が加算され、記録クロック信号の発振周波数が決定される。この決定された発振周波数はシステムコントローラ32から記録クロックPLL回路26のプログラマブルカウンタ51に供給される。このような構成としても、上記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0050】
その他、本発明の要旨を変えない範囲において種々変形実施可能なことは勿論である。
【0051】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、記録時に光ディスクの回転が変動した場合においても、正確にデータを記録することが可能な光ディスク記録装置とその半導体集積回路を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成図。
【図2】図1の要部を具体的に示す構成図。
【図3】図3(a)はCD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RWの光ディスクの表面を概略的に示す平面図、図3(b)はDVD−RAMの光ディスクの表面を概略的に示す平面図。
【図4】相変化型の記録再生光ディスクの構造を示す断面図。
【図5】図5(a)はCD−R、CD−RW、DVD−R、DVD−RWのトラックを概略的に示す構成図、図5(b)はDVD−RAMのトラックを概略的に示す構成図。
【図6】従来の光ディスク記録再生装置の一例を示す構成図。
【図7】光ディスクの種類に対応した記録クロックとウォブルクロックの関係を示す図。
【符号の説明】
11…光ディスク、
12…ピックアップヘッド、
13…マトリクスアンプ、
26…記録クロックPLL回路、
29…ウォブルPLL回路、
32…システムコントローラ、
33…ウォブルクロック計測回路、
34…ローパスフィルタ、
41…分周器、
42…カウンタ回路、
45…減算器、
50…加算器。

Claims (7)

  1. 光ディスクのウォブルに同期したウォブルクロック信号を生成するウォブルPLL回路と、
    水晶発振器の出力信号に基づいて記録用の記録クロック信号を生成する記録クロック生成回路と、
    前記ウォブルPLL回路から供給される前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック生成回路から出力される前記記録クロック信号が供給され、前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック信号の周波数の比率を計測し、この計測結果と光ディスクの種類に応じた前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック信号の周波数の比率に対応する基準値との誤差分を前記記録クロック生成回路に供給するウォブルクロック計測回路とを具備し、
    前記記録クロック生成回路は、前記ウォブルクロック計測回路より供給される誤差分がゼロになるように前記記録クロック信号の発振周波数を制御することを特徴とする光ディスク記録装置。
  2. 光ディスクのウォブルに同期したウォブルクロック信号を生成するウォブルPLL回路と、
    水晶発振器の出力信号に基づいて記録用の記録クロック信号を生成する記録クロック生成回路と、
    前記ウォブルPLL回路から供給される前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック生成回路から出力される前記記録クロック信号が供給され、前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック信号の周波数の比率を計測し、この計測結果と光ディスクの種類に応じた前記ウォブルクロック信号と前記記録クロック信号の周波数の比率に対応する基準値との誤差分を前記記録クロック生成回路に供給するウォブルクロック計測回路とを具備し、
    前記記録クロック生成回路は、前記ウォブルクロック計測回路より供給される誤差分がゼロになるように前記記録クロック信号の発振周波数を制御することを特徴とする半導体集積回路。
  3. 前記ウォブルクロック計測回路と前記記録クロック生成回路の相互間に設けられ、前記ウォブルクロック計測回路の出力を積分するフィルタ回路をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の光ディスク記録装置。
  4. 前記ウォブルクロック計測回路は、前記ウォブルクロック信号の1周期と実質的に比例した期間内における前記記録クロック信号の数をカウントするカウンタ回路と、
    前記ウォブルクロック信号と記録クロック信号の所望の周波数比と対応する基準値をラッチする第1のレジスタと、
    前記第1のレジスタにラッチされた基準値と前記カウンタ回路から供給されるカウント値の誤差分を演算する演算回路と
    を具備することを特徴とする請求項3記載の光ディスク記録装置。
  5. 前記フィルタ回路は、第1、第2の入力端、及び出力端を有し、前記第1の入力端に前記演算回路から出力される誤差分が供給される第1の加算器と、
    入力端が前記第1の加算器の前記出力端に接続され、出力端が前記第1の加算器の前記第2の入力端に接続された第2のレジスタと、
    前記第1の加算器の出力端に接続され、第1の加算器の出力信号をラッチする第3のレジスタと
    を具備することを特徴とする請求項4記載の光ディスク記録装置。
  6. 前記記録クロック生成回路は、前記記録クロック信号の所望の発振周波数に応じた基準値をラッチする第4のレジスタと、
    第1、第2の入力端、及び出力端を有し、前記第1の入力端に前記第4のレジスタから出力される前記基準値が供給され、前記第2の入力端に前記第3のレジスタから供給されるフィルタ回路の出力信号が供給され、これら出力信号と基準値とを加算し、記録クロック信号の発振周波数を決定する第2の加算器と、
    前記第2の加算器の出力信号がセットされるプログラマブルカウンタを有し、このプログラマブルカウンタにセットされた信号に応じて前記記録クロック信号を生成するPLL回路と
    を具備することを特徴とする請求項5記載の光ディスク記録装置。
  7. 前記ウォブルクロック計測回路は、
    前記ウォブルクロック信号の1周期と実質的に比例した期間内における前記記録クロック信号の数をカウントするカウンタ回路と、
    前記ウォブルクロック信号と記録クロック信号の所望の周波数比と対応する基準値をラッチする第1のレジスタと、
    前記第1のレジスタにラッチされた基準値と前記カウンタ回路から供給されるカウント値の誤差分を演算する演算回路とを具備し、
    記記録クロック生成回路は、前記記録クロック信号の所望の発振周波数に応じた基準値をラッチする第2のレジスタと、
    第1、第2の入力端、及び出力端を有し、前記第1の入力端に前記第2のレジスタから出力される前記基準値が供給され、前記第2の入力端に前記演算回路で求められた誤差分に基づく信号が供給され、これら誤差分に基づく信号と基準値とを加算し、記録クロック信号の発振周波数を決定する第1の加算器と、
    前記第1の加算器の出力信号がセットされるプログラマブルカウンタを有し、このプログラマブルカウンタにセットされた信号に応じて前記記録クロック信号を生成するPLL回路と
    を具備することを特徴とする請求項2記載の半導体集積回路。
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