JP4598556B2 - バンパビーム - Google Patents

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Description

本発明は、衝撃のエネルギを吸収するためのバンパビームに関するものである。
衝撃のエネルギを吸収するためのエネルギ吸収構造体においては、その構造体を構成する部材を塑性変形させることによって、衝撃のエネルギを歪エネルギに変換して吸収している。このため、軸方向に荷重が加わることで軸方向に崩壊される長尺状の構造体は、良好に座屈(塑性変形)することができるように、折り畳みやすい板材にて構成されることが一般的であった。また、軸方向に直交する方向に荷重が加わる構造体においても、図15(a)に示すように、衝撃荷重の方向に対して平行となる部分(上壁UWおよび下壁LW)を板状にすることで、図15(b)に示すように、その板状部分を座屈させ、衝撃エネルギを歪エネルギに変換して衝撃を吸収している。
前記したような構造体の材料としては、従来、アルミニウム合金やオーステナイト系ステンレス鋼などが用いられている(特許文献1,2参照)。このような材料では、図16(a)に示すように、引張圧縮試験機により板材の面方向に沿って荷重を加えていくと、最初は、弾性変形で面方向に沿って板材が縮んでいき、ある時点で面直方向に板材が変形、すなわち座屈する。そして、座屈が進行していくと、最大モーメントが加わる部分となる両端部(詳しくは、試験機で把持する部分と把持してない部分との境界付近の部分)X1,X2と中央部X3とに塑性ヒンジ(ヒンジ状に折れ曲がる部分)が生じることによって、板材の各部分X1〜X3が塑性変形して荷重によるエネルギが歪エネルギとして吸収されることとなる。なお、このときの板材の長さ方向における歪エネルギの分布は、図16(b)に示すように、前記した塑性ヒンジが生じる部分X1〜X3の周辺で大となるが、塑性ヒンジ以外の部分Paでは歪エネルギが小(最も小さい値は「0」)となっている。
特開2001−26834号公報(段落0019、図3) 特開2002−20843号公報(段落0036、図1)
しかしながら、従来の材料では、塑性ヒンジ以外の部分Paでは、歪エネルギが小さいので、その部分ではエネルギ吸収は行われていないといった問題があった。また、材料の特性が降伏応力を示さない弾性的な部材であって、前記したような塑性ヒンジが発生しない部材であっても、変形による横たわみは、前記した図16(a)に示す試験と同一の条件で試験すると、コサインカーブ状を示す。そのため、その部材における歪エネルギ分布(詳しくは、部材に対する歪エネルギが生じる部分の割合)は既に図16(b)で示したものと類似することとなり、前記した従来の材料と同様に、エネルギ吸収が行われない部分が多く存在するという問題があった。
そして、前記した問題が生じることによって、所望するエネルギ吸収をその部材で行わせるためには、部材を大型化しなければならず、その分重量が増加するといった問題も生じていた。
そこで、本発明では、軽量化を図りつつ、エネルギ吸収を効率良く行うことができるバンパビームを提供することを目的とする。
前記課題を解決する本発明のうち請求項1に記載の発明は、衝撃荷重を前方から受けたときに、上壁及び下壁が湾曲変形する中空の略四角形状に形成されたバンパビームであって、前記バンパビームは、湾曲変形したときに、その外周側に位置する前記上壁及び下壁で構成された外側層と、その内周側に位置する内側層との2層を含む多層構造となっており、前記内側層は、圧縮荷重に対して二段階の弾塑性特性を示す多孔体で構成され、前記外側層は、引張荷重に対して段階の弾塑性特性を示す引張荷重吸収部材で構成されることを特徴とする
請求項1に記載の発明によれば、中空の略四角形状に形成されたバンパビーム前方から衝撃荷重を加えることによって、バンパビームの上壁及び下壁が湾曲変形(例えば座屈)すると、上壁及び下壁で構成された外側層に引張荷重が加わるとともに、内側に圧縮荷重が加わることとなる。ここで、側層は、圧縮荷重に対して二段階の弾塑性特性を示す多孔体で構成されているので、バンパビームの上壁及び下壁が湾曲変形して、側層に圧縮荷重が加わると、側層が、弾性変形した後、塑性変形することによって圧縮荷重によるエネルギが吸収される。そして、この状態からさらに圧縮荷重が加わると、側層が、再度弾性変形を始め、その後塑性変形することとなる。これにより、圧縮荷重によるエネルギが、側層によってさらに吸収されることとなる。すなわち、このような多孔体で構成された側層を備えたバンパビームによれば、エネルギ吸収できる部分(弾塑性変形する部分)が従来に比べて多くなるので、大型化することなく、エネルギ吸収を良好に行うことができる。
請求項1に記載の発明によれば、エネルギ吸収できる部分が従来に比べて多くなるので、軽量化を図りつつ、エネルギ吸収を効率良く行うことができる。
実施形態〕
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は実施形態に係るフロントバンパビームを有する車両を示す平面図であり、図2は図1のフロントバンパビームを示す拡大斜視図である。また、図3は多孔体の変形を示すグラフ(a)と、変形の各段階においての多孔体の状態を示す状態図(b)であり、図4は多孔体の特性を示す応力−歪線図である。
図1に示すように、車両の前部構造は、車両Cの前部に設けられるフロントバンパビーム(エネルギ吸収構造体)1と、車体前後方向に沿う状態で車幅方向に離間して設けられる一対のフロントサイドフレーム2と、フロントバンパビーム1と各フロントサイドフレーム2とを連結するための接続部材3とで主に構成されている。
フロントバンパビーム1は、図2に示すように、アルミニウム合金などの一段階の弾塑性特性を示す従来材で形成されるバンパビーム本体11と、二段階の弾塑性特性を示すマイクロポーラス材料で形成される多孔体(圧縮荷重吸収部材)12とを備えて構成されている。バンパビーム本体11は、従来材を押出成型することによって、湾曲した中空の略四角柱状に形成されており、その上壁11aおよび下壁11bの内側には、それぞれ多孔体12が一体に接合されている。すなわち、多孔体12は、フロントバンパビーム1に衝撃荷重が車両前方から加わった際に、上方へ向かって座屈する上壁11aの下側(圧縮側)と下方へ向かって座屈する下壁11bの上側(圧縮側)に、配設されている。言い換えると、フロントバンパビーム1における座屈部位は、湾曲変形したときに外周側に位置する外側層と、内周側に位置する内側層とによって2層構造となっており、その外側層が従来材で構成されるとともに、内側層が多孔体12で構成されている。
ここで、フロントバンパビーム1は、衝突加重が車両前方から加わることによって衝撃荷重の方向と略平行となる部位(上壁11aと多孔体12、および、下壁11bと多孔体12)が互いに離れる方向へ座屈(湾曲変形)するように設計されている。また、「二段階の弾塑性特性」とは、最初弾性変形で変形しつつ低応力にて降伏し、一定歪だけ塑性変形を行った後に、再び弾性変形して応力が上昇し、再度降伏が現れて塑性変形を行う特性を意味する。
多孔体12は、バンパビーム本体11の上壁11aおよび下壁11bの内面全体に密着する大きさとなる板状部材であり、複数の孔12aが形成されることによって、圧縮荷重のみに対して二段階の弾塑性特性を有している。具体的には、図3(a)および(b)に示すように、多孔体12に圧縮荷重を加えると、まず、多孔体12の一部が弾性変形していく(図のA;一回目の弾性変形)。具体的には、圧縮荷重の方向に直交する方向における断面のうち最小断面(最小断面から所定量だけ断面積が大きくなった断面も含む。)となる部分に大きな応力が発生するので、その部分が主に弾性変形することとなる。
そして、最小断面となる部分の弾性変形が終了すると(多孔体12に加わる圧縮荷重が所定値以上となると)、多孔体12の孔12aが潰され始める、すなわち、最小断面となる部分が塑性変形し始めることとなる(図のB;一回目の塑性変形)。これにより、まず、最小断面となる部分によって、圧縮荷重によるエネルギが吸収される。そして、孔12aが完全に潰された後は、多孔体12のうち最小断面となる部分以外の部分(未変形部)が、再び弾性変形を始め(図のC;二回目の弾性変形)、その後、未変形部が塑性変形することとなる(図のD;二回目の塑性変形)。これにより、圧縮荷重によるエネルギが、未変形部によってさらに吸収されることとなる。すなわち、この多孔体12は、エネルギの吸収が可能な部分が、一回目の弾塑性変形に寄与する部分と、二回目の弾塑性変形に寄与する部分とで構成されるため、一回だけしか弾塑性変形をしない従来材よりもエネルギ吸収できる部分が多くなった構造となっている。
なお、図3(a)においては、荷重と変位の関係で二段階の弾塑性変形を表しているが、これを応力と歪の関係で表した場合には、図4に示すようなグラフとなる。すなわち、多孔体12は、歪(縮み量/最初の長さ)が約5%となった時点で、二回目の弾塑性変形が開始されるように、その発泡率(部材の単位体積に対する孔の割合)が設定されている。なお、本実施形態では、二回目の弾塑性変形を開始させるタイミングを歪が約5%となった時点としたが、本発明はこれに限定されず、多孔体12の発泡率を適宜変えることで任意に変更でき、そのタイミングを歪が約10%以下となった時点に設定すれば、効率良く圧縮荷重によるエネルギを吸収することができるようになっている。
ここで、前記したような二段階の弾塑性特性について、図5および図6を用いて簡単に説明する。参照する図面において、図5は、二段階の弾塑性特性を持つ部材のモデルを示す概念図(a)と、圧縮荷重に対する第1移動部の変位を示すグラフ(b)と、圧縮荷重に対する第2移動部の変位を示すグラフ(c)である。また、図6は、二段階の弾塑性特性を示すグラフであり、弾性率および加工硬化係数等が同じとなるパターンを示すグラフ(a)と、弾性率および加工硬化係数等が異なるパターンを示すグラフ(b)と、弾性域が線形でなく、かつ、一回目の塑性変形から二回目の弾性変形へと急激に切り替わるパターンを示すグラフ(c)と、弾性域が線形でなく、かつ、一回目の塑性変形から二回目の弾性変形へと滑らかに切り替わるパターンを示すグラフ(d)である。
図5(a)に示すように、モデル4は、並列に配列される2つのばね部41,42(以下、「第1ばね部41」、「第2ばね部42」ともいう。)と、2つのばね部41,42の基端部を結合させる結合部43と、第1ばね部41の先端に所定の摩擦力f1以下で係合しているときに第1ばね部41の先端とともに移動して第1ばね部41を変形させる第1移動部44と、第2ばね部42の先端に所定の摩擦力f2以下で係合しているときに第2ばね部42の先端とともに移動して第2ばね部42を変形させる第2移動部45とで構成される。なお、ばね部41,42は、それぞれ所定のばね定数k1,k2となるとともに、第1移動部44は、第2移動部45に形成された圧縮用係合部45aまたは引張用係合部45bに係合することで、第2移動部45と一体に移動するようになっている。
次に、このモデル4の作用について説明する。
図5(a)に示すように、第1移動部44に圧縮荷重を加えると、まず、第1ばね部41の先端と第1移動部44とが所定の摩擦力f1以下で係合している間、第1ばね部41が第1移動部44によって押されて縮んでいくこととなる(一回目の弾性変形;図5(b)参照)。そして、第1ばね部41の先端と第1移動部44との摩擦力がf1を超えると、第1ばね部41の先端に対して第1移動部44が滑るように移動することとなる。なお、このときの第1移動部44の移動は、一回目の塑性変形に相当する(図5(b)参照)。
そして、第1移動部44が中立位置(圧縮荷重を加える前の位置)から所定距離x1だけ移動すると、第1移動部44と第2移動部45の圧縮用係合部45aとが係合して、第2移動部45が第1移動部44とともに移動することとなる。そして、このように第2移動部45の移動が開始されると、第2ばね部42の先端と第2移動部45とが所定の摩擦力f2以下で係合している間、第2ばね部42が第2移動部45によって押されて縮んでいくこととなる(二回目の弾性変形;図5(c)参照)。その後、第2ばね部42の先端と第2移動部45との摩擦力がf2を超えると、第2ばね部42の先端に対して第2移動部45が滑るように移動して、二回目の塑性変形が開始されることとなる(図5(c)参照)。
なお、図5(b)では、第1移動部44のみに着目したときの圧縮荷重に対する第1移動部44の移動量(変位)を示し、図5(c)では、第2移動部45のみに着目したときの圧縮荷重に対する第2移動部45の移動量を示しているが、これらを合わせることによって、図6(a)に示すように、モデル4の特性(二段階の弾塑性特性)が現れることとなる。ちなみに、二段階の弾塑性特性としては、図6(a)に示すような、各弾性域における弾性率や各塑性域における加工硬化係数等が同じとなる(各弾性域または各塑性域における傾きが同じとなる)パターンや、図6(b)に示すような、各弾性率や各加工硬化係数等が異なるパターンや、図6(c)に示すような、弾性域が線形でなく、かつ、一回目の塑性変形から二回目の弾性変形へと急激に切り替わるパターンや、図6(d)に示すような、弾性域が線形でなく、かつ、一回目の塑性変形から二回目の弾性変形へと滑らかに切り替わるパターンなど様々なパターンがある。
なお、モデル4に引張荷重を加えたときの作用は、圧縮荷重を加えたときの作用と略同じになる。すなわち、第1移動部44に引張荷重を加えると、まず、第1ばね部41が伸び(一回目の弾性変形)、その後第1ばね部41の先端に対して第1移動部44が滑るように移動する(一回目の塑性変形)。そして、第1移動部44と第2移動部45とが係合すると、第2ばね部42が伸び(二回目の弾性変形)、その後第2ばね部42の先端に対して第2移動部45が滑るように移動する(二回目の塑性変形)。
次に、フロントバンパビーム1の座屈部位(上壁11aと多孔体12または下壁11bと多孔体12)の変形について図7を参照して説明する。参照する図面において、図7は、実施形態に係るフロントバンパビームの座屈部位の変形を示すグラフ(a)と、変形の各段階においての座屈部位の状態を示す状態図(b)と、図7(b)に示すX部の拡大図(c)である。なお、以下においては、上壁11aと多孔体12で構成される座屈部位のみの変形を説明し、下壁11bと多孔体12で構成される座屈部位については同様であるため、その説明を省略することとする。
図7(a)〜(c)に示すように、座屈部位に圧縮荷重を加えると、まず、多孔体12の一部(最小断面となる部分)と上壁11aとが弾性変形していく(図のA’;一回目の弾性変形)。そして、多孔体12および上壁11aに加わる圧縮荷重が所定値以上となると、多孔体12の孔12aが潰され始め、多孔体12および上壁11aが座屈変形していく。これによって、多孔体12には圧縮荷重が加わり、上壁11aには引張荷重が加わることとなって、多孔体12の一部や上壁11aの屈曲部が、圧縮方向または引張方向へそれぞれ塑性変形することとなる(図のB’;一回目の塑性変形)。そして、このように多孔体12の一部および上壁11aの屈曲部が塑性変形することによって、まず、多孔体12の一部によって、圧縮荷重によるエネルギが吸収され、かつ、上壁11aの屈曲部によって、引張荷重によるエネルギが吸収される。
そして、孔12aが完全に潰された後は、多孔体12の未変形部(最小断面となる部分以外の部分)が、弾性変形を始め(図のC’;二回目の弾性変形)、その後、前記した未変形部が塑性変形することとなる(図のD’;二回目の塑性変形)。これにより、圧縮荷重によるエネルギが、未変形部によってさらに吸収されることとなる。
以上によれば、実施形態において、次のような効果を得ることができる。
実施形態に係るフロントバンパビーム1では、座屈部位における圧縮側を多孔体12とし、かつ、引張側を従来材とすることで、座屈変形によって生じる圧縮荷重のエネルギを多孔体12によって良好に吸収できるとともに、座屈変形によって生じる引張荷重のエネルギを従来材によって従来と同程度の効率で吸収できる。すなわち、このフロントバンパビーム1によれば、エネルギ吸収できる部分が従来に比べて多くなるので、軽量化を図りつつ、エネルギ吸収を効率良く行うことができる。
〔第1参考例
以下に、第1参考例について説明する。この参考例実施形態に係るフロントバンパビーム1を変更したものなので、実施形態と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。参照する図面において、図8は第1参考例に係るフロントバンパビームを示す斜視図である。
図8に示すように、フロントバンパビーム6は、車両前後方向に直交する板状に形成される2つの従来材PPおよび車両上下方向に直交する板状に形成される2つの繊維含有部材61(引張荷重吸収部材)からなるバンパビーム本体62と、実施形態と同様の多孔体12とを備えて構成されている。ここで、バンパビーム本体62の形状や、バンパビーム本体62に対する多孔体12の配置は、実施形態と同様であるので、その説明を省略することとする。また、第1参考例においては、フロントバンパビーム6における座屈部位は、湾曲変形したときに外周側に位置する外側層と、内周側に位置する内側層とによって2層構造となっており、その外側層が繊維含有部材61で構成されるとともに、内側層が多孔体12で構成されている。
繊維含有部材61は、車両前方から加わる衝撃荷重の方向(詳しくは、座屈時の引張荷重の方向)に並んで配設される複数の直線繊維(第1部材)61aと、隣り合う2つの直線繊維61aに巻き付くように配設される複数の螺旋繊維(第2部材)61bと、これらの直線繊維61aおよび螺旋繊維61bの周囲に一体に形成される樹脂材(第3部材)61cとを備えて構成されている。
各直線繊維61aは、それぞれ引張荷重の方向に対して略直交する方向に略直線状に延びており、互いに所定の間隔を空けた状態で、かつ、平行となるように配設されている。
各螺旋繊維61bは、隣り合う2つの直線繊維61aに弛んだ状態で係合するように、2つの直線繊維61aの周囲を囲みつつ、直線繊維61aの長手方向に螺旋状に延びている。そして、各螺旋繊維61bは、係合する2つの直線繊維61aが樹脂材61cの伸び変形に伴って所定距離まで離れることにより、張った状態となると、その後弾塑性変形を行うようになっている。
樹脂材61cは、前記したように編み込まれた繊維体(直線繊維61aおよび螺旋繊維61b)に未硬化の樹脂を含浸した後、樹脂を硬化することによって形成されており、図示するように引張荷重が加わると、所定の弾塑性特性で伸びていくことにより、内部に設けられた各直線繊維61aの間隔を広げ、螺旋繊維61bを突っ張った状態にさせる機能を有している。
そして、このように構成された繊維含有部材61は、引張荷重に対して二段階の弾塑性特性を示すこととなる。
次に、繊維含有部材61の変形について図9を参照して説明する。参照する図面において、図9は繊維含有部材の変形を示すグラフ(a)と、変形の各段階においての繊維含有部材の状態を示す状態図(b)である。
図9に示すように、繊維含有部材61に引張荷重を加えると、まず、樹脂材61cが弾性変形していき(図のA”;一回目の弾性変形)、その後塑性変形することとなる(図のB”;一回目の塑性変形)。これにより、まず、樹脂材61cによって、引張荷重によるエネルギが吸収される。また、このような弾塑性変形を経て樹脂材61cが伸びていくのに伴って、各直線繊維61aが互いに離れていくと、今まで弛んだ状態で各一対の直線繊維61aに係合していた螺旋繊維61bが徐々に張られていくこととなる。そして、この螺旋繊維61bが完全に張られた後は、この螺旋繊維61bが弾性変形を始め(図のC”;二回目の弾性変形)、その後塑性変形することとなる(図のD”;二回目の塑性変形)。これにより、引張荷重によるエネルギが、螺旋繊維61bによってさらに吸収されることとなる。
なお、本参考例では、二回目の弾塑性変形を開始させるタイミングは、各直線繊維61a間の距離や、螺旋繊維61bの弛み量や、樹脂材61cの弾塑性特性などを適宜変えることで、歪が約10%以下(図4参照)となった時点に設定することができる。
続いて、第1参考例に係るフロントバンパビーム6のエネルギ吸収作用について図8を参照して説明する。
図8に示すように、フロントバンパビーム6に車両前方から衝撃荷重が加わると、上側に配設された繊維含有部材61および多孔体12が上方へ向かって座屈するとともに、下側に配設された繊維含有部材61および多孔体12が下方へ向かって座屈することとなる。このように各繊維含有部材61および各多孔体12が座屈すると、外側に配設された各繊維含有部材61に引張荷重が加わり、内側に配設された各多孔体12に圧縮荷重が加わることとなる。そのため、引張荷重によるエネルギは、各繊維含有部材61が二段階の弾塑性特性で変形することにより効率良く吸収されるとともに、圧縮荷重によるエネルギは、実施形態で説明したように各多孔体12が二段階の弾塑性特性で変形することにより、効率良く吸収されることとなる。
以上によれば、第1参考例において、次のような効果を得ることができる。
フロントバンパビーム6の座屈部位の外側に生じる引張荷重によるエネルギが二段階の弾塑性特性を有する繊維含有部材61で効率良く吸収され、かつ、内側に生じる圧縮荷重によるエネルギが二段階の弾塑性特性を有する多孔体12で効率良く吸収されるので、衝撃荷重によるエネルギをフロントバンパビーム6によって効率良く吸収しつつ、フロントバンパビーム6の軽量化を図ることが可能となる。
なお、第1参考例では、フロントバンパビーム6の座屈部位を繊維含有部材61と多孔体12とで構成したが、例えば座屈部位の内側層を従来材で構成してもよい。この場合は、座屈部位の外側に生じる引張荷重によるエネルギは、前記したように繊維含有部材61が二段階で弾塑性変形することで効率良く吸収され、座屈部位の内側に生じる圧縮荷重によるエネルギは、従来材が一段階で弾塑性変形することで従来と同程度の効率で吸収される。そのため、このように構成した場合でも、従来に比べて、フロントバンパビームの軽量化やそのエネルギ吸収効率の向上を図ることができる。
1参考例では、直線繊維61aおよび螺旋繊維61bの周囲を固める第3部材として、樹脂材61cを採用したが、例えばアルミニウムなどの金属材を採用してもよい。
1参考例では、引張荷重方向に並んで配設される少なくとも2つの第1部材(直線繊維61a)に対して弛んだ状態で係合する第2部材として、螺旋状となる螺旋繊維61bを採用したが、隣り合う2つの直線繊維61aに弛んで係合するものであればどのようなものであってもよい。例えば、リング状に形成した複数の繊維の内側に、2つの直線繊維61aを通すことによって、各リング状の繊維を各直線繊維61aに弛ませて係合させてもよい。
〔第2参考例
以下に、第2参考例について説明する。この参考例は第1参考例に係る多孔体および繊維含有部材を利用してフロントサイドフレームを構成したものなので、第1参考例と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。参照する図面において、図10は、第2参考例に係るフロントサイドフレームを示す斜視図である。
図10に示すように、フロントサイドフレーム2は、断面視略コ字状に形成されて車両前後方向に延びる第1フレーム21と、第1フレーム21の開口端に接合される略板状(詳しくは、開口端に接合されるフランジ部を含めると略コ字状)の第2フレーム22とによって、中空の略四角柱状に形成されている。なお、このフロントサイドフレーム2は、衝撃荷重が車両前方から加わったときに、蛇腹状に変形するように設計されている。ここで、蛇腹形状とは、上側に突出するように湾曲変形した凸型湾曲部S1と、下側に凹むように湾曲変形した凹型湾曲部S2とが、衝撃荷重の方向に沿って交互に並んだ形状のことをいう。そして、本参考例における蛇腹形状は、設計によって、所定の衝撃荷重が加わったときには同じ形状となるように再現可能となっている。
第1フレーム21および第2フレーム22は、前記した繊維含有部材(外側層)61と多孔体(内側層)12とで構成されている。そして、これらの繊維含有部材61と多孔体12は、蛇腹状変形により形成される複数の湾曲部S1,S2の外周側と内周側にそれぞれ位置するように交互に形成される。ここで、凸型湾曲部S1の外周側とは、凸型湾曲部S1が突出する方向を外側としたときに、中立線NLよりも外側となる部分S11(以下、「凸側外周部S11」ともいう。)をいい、凸型湾曲部S1の内周側とは、中立線NLよりも内側となる部分S12(以下、「凸側内周部S12」ともいう。)をいう。また、凹型湾曲部S2の外周側とは、凹型湾曲部S2が凹む方向を外側としたときに、中立線NLよりも外側となる部分S21(以下、「凹側外周部S21」ともいう。)をいい、凹型湾曲部S2の内周側とは、中立線NLよりも内側となる部分S22(以下、「凹側内周部S22」ともいう。)をいう。
そして、前記した記載を踏まえて、第1フレーム21および第2フレーム22の構造をもう一度説明すると、衝撃荷重が加わった後に凸型湾曲部S1となる部分S1’においては、その凸側外周部S11に相当する部位S11’が繊維含有部材61で構成されるとともに、凸側内周部S12に相当する部位S12’が多孔体12で構成されている。また、衝突荷重が加わった後に凹型湾曲部S2となる部分S2’においては、その凹側外周部S21に相当する部位S21’が繊維含有部材61で構成されるとともに、凹側内周部S22に相当する部位S22’が多孔体12で構成されている。
次に、第2参考例に係るフロントサイドフレーム2のエネルギ吸収作用について図10を参照して説明する。
図10に示すように、フロントサイドフレーム2に衝撃荷重を加えることによって、フロントサイドフレーム2が蛇腹状に変形すると、交互に形成された繊維含有部材61および多孔体12によって、適宜蛇腹形状部の各外周部S11,S21に生じた引張荷重によるエネルギが繊維含有部材61で効率良く吸収され、各内周部S12,S22に生じた圧縮荷重によるエネルギが多孔体12で効率良く吸収されることとなる。
以上によれば、第2参考例において、次のような効果を得ることができる。
2参考例に係るフロントサイドフレーム2によれば、蛇腹状変形により引張荷重と圧縮荷重が分散して発生した場合であっても、交互に設けた繊維含有部材61と多孔体12とによって、分散した各荷重によるエネルギを効率良く吸収することができる。
なお、第2参考例では、蛇腹状形状部の各外周部S11,S21に相当する部位S11’,S21’(以下、「外周相当部S11’,S21’」ともいう。)を繊維含有部材61で構成し、蛇腹状形状部の各内周部S12,S22に相当する部位S12’,S22’(以下、「内周相当部S12’,S22’」ともいう。)を多孔体12で構成したが、例えば、図11(a)に示すように、各外周相当部S11’,S21’を、繊維含有部材61で構成し、各内周相当部S12’,S22’を、従来材PPで構成したり、また、図11(b)に示すように、各外周相当部S11’,S21’を、従来材PPで構成し、各内周相当部S12’,S22’を、多孔体12で構成してもよい。これによれば、引張荷重によるエネルギと圧縮荷重によるエネルギのいずれか一方が、二段階の弾塑性特性を有する部材(61,12)によって効率良く吸収されるとともに、他方が従来材PPによって従来と同程度の効率で吸収されるので、全範囲が従来材PPで構成される部品に比べ、エネルギ吸収効率を向上させることができる。
なお、図11(b)で示すように、各外周相当部S11’,S21’を従来材PPとし、各内周相当部S12’,S22’を、圧縮荷重に対して二段階の弾塑性特性を有する部材(図では多孔体12)とする場合は、その部品を次のような機械的な方法や化学的な方法で製造できる。
<機械的加工法>
図12(a)に示すように、まず、従来材PPの両端部を図示せぬ冶具で固定する。そして、このようにして固定した従来材PPのうちの千鳥状に設定されている各内周相当部S12’,S22’に、ドリルユニットDUに設けられた複数のドリルDによって複数の加工穴Hを開けることにより、各内周相当部S12’,S22’を第2参考例の多孔体12に相当する部位とする。これにより、各内周相当部S12’,S22’を二段階で弾塑性変形させることが可能となる。ここで、前記した製造方法により形成された部位によるエネルギ吸収量の調整は、各加工穴Hの形状、大きさ、数、位置などを適宜調整することで行うことができる。例えば、図に示すように、加工穴Hの形状を有底円筒状にしたり、すり鉢状にすることによって、エネルギ吸収量を適宜調整することができる。
なお、この製造方法に使用する製造装置は、例えば、ドリルユニットDUを、各内周相当部S12’,S22’の数と同数だけ設けることで、前記した冶具と複数のドリルユニットDUのみで構成することができる。また、例えば、一組の内周相当部S12’,S22’のみに対応するように従来材PPの表裏側に1つずつずらして設けた一組のドリルユニットDUと、この一組のドリルユニットDUによる加工が終わる度に、従来材PPを所定量だけ(未加工となる次の内周相当部S12’,S22’が各ドリルユニットDUの位置に来るまで)移動させる搬送装置(前記した冶具含む)とで、製造装置を構成することもできる。さらに、複数の加工穴Hは、ドリルDによる成形に限らず、例えばプレス加工により形成してもよい。
<化学的加工法>
図12(b)に示すように、従来材PPの表裏面に、エッチング用のマスクMをセットする。ここで、マスクMには、加工穴を開ける必要がある部位のみ、すなわち各内周相当部S12’,S22’に相当する部位のみに、孔MHが形成されている。そして、従来材PPの表裏面にマスクMをセットした後、エッチング処理を施すことによって、各内周相当部S12’,S22’に加工穴が形成されることとなる。
実施形態では、外側層と内側層のみからなる2層構造について説明したが、本発明はこれに限定されず、前記したような外側層および内側層を含むものであれば、3層以上の構造であってもよい。
以下に、フロントバンパビームを、実施形態の多孔体12と第1参考例の繊維含有部材61とで構成した場合の効果について、図13を参照して説明する。参照する図面において、図13は、車両の前部構造を側方から見た状態を示す側面図(a)と、繊維含有部材および多孔体で構成したフロントバンパビームによるエネルギ吸収量と、従来材で構成したフロントバンパビームによるエネルギ吸収量を比較したグラフ(b)である。
図13(a)に示すように、実験条件は、衝撃荷重が車両前方から加わった際において、フロントバンパビームFBのみが潰れるものとし、接続部材3とフロントサイドフレーム2は潰れないものとする。また、フロントバンパビームFBとしては、実施形態の多孔体12を内側層とし、第1参考例の繊維含有部材61を外側層として構成されるものと、従来材のみで構成されるものを用意しておく。
そして、前記した条件で実験を行うと、繊維含有部材61と多孔体12で構成したフロントバンパビームFBによるエネルギ吸収量と、従来材のみで構成したフロントバンパビームFBによるエネルギ吸収量は、図13(b)のグラフに示されるような結果となった。すなわち、繊維含有部材61と多孔体12で構成したフロントバンパビームFBでは、最初弾性変形することでフロントバンパビームFBに加わる荷重が急激に上がっていき、その後塑性変形することで荷重が急激に下がっていくことが確認された。そして、フロントバンパビームFBが再び弾性変形(二回目の弾性変形)することで、荷重が一回目の弾性変形のときよりも緩やかに上がっていき、最大荷重〔Fmax〕となったときに、二回目の塑性変形が始まって荷重が一回目の塑性変形のときよりも緩やかに下がっていくことが確認された。
これに対し、従来材のみで構成したフロントバンパビームFBでは、一段階しか弾塑性変形しないので、弾性変形して荷重が急激に上がっていき、最大荷重〔Fmax〕まで上がった後、塑性変形することによって荷重が急激に下がっていくことが確認された。
そのため、両者を比較すると、繊維含有部材61と多孔体12で構成したフロントバンパビームFBのエネルギ吸収量〔荷重×変位;E1〕が、従来材のみで構成したフロントバンパビームFBのエネルギ吸収量〔E2〕に比べ、飛躍的に大きな値となることが確認された。ここで、エネルギ吸収効率の指標を、エネルギ吸収量〔E1,E2〕を最大荷重〔Fmax〕で除した値で表すと、繊維含有部材61と多孔体12で構成したフロントバンパビームFBでは、その指標〔E1/Fmax〕が大きくなることが分かり、これにより、接続部材3およびフロントサイドフレーム2への衝撃荷重の影響が小さく、エネルギ吸収量が多くなるといったメリットを有することが確認された。また、従来材のみで構成したフロントバンパビームFBでは、その指標〔E2/Fmax〕が小さくなることが分かり、これにより、接続部材3およびフロントサイドフレーム2への衝撃荷重の影響が大きく、エネルギ吸収量が少なくなるということが確認された。
なお、本実施形態と第1参考例を組み合わせた例(多孔体12と繊維含有部材61を組み合わせた例)を挙げたが、実施形態のような構造や第1参考例のような構造であっても、前記したようなエネルギ吸収量が大きくなるといった効果を同様に有する。
以下に、接続部材3を、蛇腹状変形させるべく、第2参考例のように繊維含有部材61と多孔体12とを千鳥状に配設して構成した場合の効果について、図14を参照して説明する。参照する図面において、図14は、車両の前部構造を側方から見た状態を示す側面図(a)と、繊維含有部材および多孔体で構成した接続部材によるエネルギ吸収量と、従来材で構成した接続部材によるエネルギ吸収量を比較したグラフ(b)である。
図14(a)に示すように、実験条件は、衝撃荷重が車両前方から加わった際において、フロントバンパビームFBが潰れた後に接続部材3が潰れるものとし、フロントサイドフレーム2は潰れないものとする。また、接続部材3としては、第2参考例のように繊維含有部材61と多孔体12とを千鳥状に配設して構成されるものと、従来材のみで構成されるものを用意しておく。
そして、前記した条件で実験を行うと、繊維含有部材61と多孔体12で構成した接続部材3によるエネルギ吸収量と、従来材のみで構成した接続部材3によるエネルギ吸収量は、図14(b)のグラフに示されるような結果となった。すなわち、繊維含有部材61と多孔体12で構成した接続部材3では、最初弾性変形することで接続部材3に加わる荷重が急激に上がっていき、その後塑性変形することで荷重が急激に下がっていくことが確認された。そして、接続部材3が再び弾性変形(二回目の弾性変形)することで、荷重が一回目の弾性変形のときよりも緩やかに上がっていき、最大荷重〔Fmax〕となったときに、二回目の塑性変形が始まる。その後は、繰り返し蛇腹変形するが、板材が、衝撃に対して再度荷重上昇する特性を備えているため、荷重の変動が小さく圧壊変形が進んでいく。
これに対し、従来材のみで構成した接続部材3では、一段階しか弾塑性変形しないので、弾性変形して荷重が急激に上がっていき、最大荷重〔Fmax〕まで上がった後、塑性変形することによって荷重が急激に下がっていく。その後は、繰り返し蛇腹変形するが、板材が、衝撃に対して急激に荷重が下降する特性を備えているため、荷重の変動が大きく圧壊変形が進んでいく。
そのため、両者を比較すると、繊維含有部材61と多孔体12で構成した接続部材3のエネルギ吸収量〔荷重×変位;E1〕が、従来材のみで構成した接続部材3のエネルギ吸収量〔E2〕に比べ、飛躍的に大きな値となることが確認された。ここで、エネルギ吸収効率の指標を、エネルギ吸収量〔E1,E2〕を最大荷重〔Fmax〕で除した値で表すと、繊維含有部材61と多孔体12で構成した接続部材3では、その指標〔E1/Fmax〕が大きくなることが分かり、これにより、衝撃荷重のフロントサイドフレーム2への影響が小さく、エネルギ吸収量が多くなるといったメリットを有することが確認された。また、従来材のみで構成した接続部材3では、その指標〔E2/Fmax〕が小さくなることが分かり、これにより、フロントサイドフレーム2への影響が大きく、エネルギ吸収量が少なくなるということが確認された。
実施形態に係るフロントバンパビームを有する車両を示す平面図であ る。 図1のフロントバンパビームを示す拡大斜視図である。 多孔体の変形を示すグラフ(a)と、変形の各段階においての多孔体の状態を示す状態図(b)である。 多孔体の特性を示す応力−歪線図である。 二段階の弾塑性特性を持つ部材のモデルを示す概念図(a)と、圧縮荷重に対する第1移動部の変位を示すグラフ(b)と、圧縮荷重に対する第2移動部の変位を示すグラフ(c)である。 二段階の弾塑性特性を示すグラフであり、弾性率および加工硬化係数等が同じとなるパターンを示すグラフ(a)と、弾性率および加工硬化係数等が異なるパターンを示すグラフ(b)と、弾性域が線形でなく、かつ、一回目の塑性変形から二回目の弾性変形へと急激に切り替わるパターンを示すグラフ(c)と、弾性域が線形でなく、かつ、一回目の塑性変形から二回目の弾性変形へと滑らかに切り替わるパターンを示すグラフ(d)である。 実施形態に係るフロントバンパビームの座屈部位の変形を示すグラフ(a)と、変形の各段階においての座屈部位の状態を示す状態図(b)と、図7(b)に示すX部の拡大図(c)である。 1参考例に係るフロントバンパビームを示す斜視図である。 繊維含有部材の変形を示すグラフ(a)と、変形の各段階においての繊維含有部材の状態を示す状態図(b)である。 2参考例に係るフロントサイドフレームを示す斜視図である。 フロントサイドフレームの他の参考例を示す図であり、座屈変形部位の引張荷重が加わる部位のみを繊維含有部材で構成した参考例を示す説明図(a)と、座屈変形部位の圧縮荷重が加わる部位のみを多孔体で構成した参考例を示す説明図(b)である。 従来材の各内周相当部に、加工穴を機械的に開ける方法を示す説明図(a)と、化学的に開ける方法を示す説明図(b)である。 車両の前部構造を側方から見た状態を示す側面図(a)と、繊維含有部材および多孔体で構成したフロントバンパビームによるエネルギ吸収量と、従来材で構成したフロントバンパビームによるエネルギ吸収量を比較したグラフ(b)である。 車両の前部構造を側方から見た状態を示す側面図(a)と、繊維含有部材および多孔体で構成した接続部材によるエネルギ吸収量と、従来材で構成した接続部材によるエネルギ吸収量を比較したグラフ(b)である。 軸方向に直交する方向に荷重が加わる従来の構造体を示す斜視図(a)と、図15(a)のY−Y断面図(b)である。 引張圧縮試験機によって従来材の試験片に圧縮荷重を加えた状態を示す正面図(a)と、圧縮荷重が加えられた従来材の歪エネルギの分布を示すグラフ(b)である。
符号の説明
1 フロントバンパビーム(エネルギ吸収構造体)
11 バンパビーム本体
11a 上壁
11b 下壁
12 多孔体(圧縮荷重吸収部材)
12a 孔
2 フロントサイドフレーム(エネルギ吸収構造体)
3 接続部材
6 フロントバンパビーム(エネルギ吸収構造体)
61 繊維含有部材(引張荷重吸収部材)
61a 直線繊維
61b 螺旋繊維
61c 樹脂材

Claims (1)

  1. 衝撃荷重を前方から受けたときに、上壁及び下壁が湾曲変形する中空の略四角形状に形成されたバンパビームであって、
    前記バンパビームは、湾曲変形したときに、その外周側に位置する前記上壁及び下壁で構成された外側層と、その内周側に位置する内側層との2層を含む多層構造となっており、
    前記内側層は、圧縮荷重に対して二段階の弾塑性特性を示す多孔体で構成され、
    前記外側層は、引張荷重に対して段階の弾塑性特性を示す引張荷重吸収部材で構成されることを特徴とするバンパビーム
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