JP4598556B2 - バンパビーム - Google Patents
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Description
次に、本発明の本実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は本実施形態に係るフロントバンパビームを有する車両を示す平面図であり、図2は図1のフロントバンパビームを示す拡大斜視図である。また、図3は多孔体の変形を示すグラフ(a)と、変形の各段階においての多孔体の状態を示す状態図(b)であり、図4は多孔体の特性を示す応力−歪線図である。
図5(a)に示すように、第1移動部44に圧縮荷重を加えると、まず、第1ばね部41の先端と第1移動部44とが所定の摩擦力f1以下で係合している間、第1ばね部41が第1移動部44によって押されて縮んでいくこととなる(一回目の弾性変形;図5(b)参照)。そして、第1ばね部41の先端と第1移動部44との摩擦力がf1を超えると、第1ばね部41の先端に対して第1移動部44が滑るように移動することとなる。なお、このときの第1移動部44の移動は、一回目の塑性変形に相当する(図5(b)参照)。
本実施形態に係るフロントバンパビーム1では、座屈部位における圧縮側を多孔体12とし、かつ、引張側を従来材とすることで、座屈変形によって生じる圧縮荷重のエネルギを多孔体12によって良好に吸収できるとともに、座屈変形によって生じる引張荷重のエネルギを従来材によって従来と同程度の効率で吸収できる。すなわち、このフロントバンパビーム1によれば、エネルギ吸収できる部分が従来に比べて多くなるので、軽量化を図りつつ、エネルギ吸収を効率良く行うことができる。
以下に、第1参考例について説明する。この参考例は本実施形態に係るフロントバンパビーム1を変更したものなので、本実施形態と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。参照する図面において、図8は第1参考例に係るフロントバンパビームを示す斜視図である。
各螺旋繊維61bは、隣り合う2つの直線繊維61aに弛んだ状態で係合するように、2つの直線繊維61aの周囲を囲みつつ、直線繊維61aの長手方向に螺旋状に延びている。そして、各螺旋繊維61bは、係合する2つの直線繊維61aが樹脂材61cの伸び変形に伴って所定距離まで離れることにより、張った状態となると、その後弾塑性変形を行うようになっている。
樹脂材61cは、前記したように編み込まれた繊維体(直線繊維61aおよび螺旋繊維61b)に未硬化の樹脂を含浸した後、樹脂を硬化することによって形成されており、図示するように引張荷重が加わると、所定の弾塑性特性で伸びていくことにより、内部に設けられた各直線繊維61aの間隔を広げ、螺旋繊維61bを突っ張った状態にさせる機能を有している。
そして、このように構成された繊維含有部材61は、引張荷重に対して二段階の弾塑性特性を示すこととなる。
図8に示すように、フロントバンパビーム6に車両前方から衝撃荷重が加わると、上側に配設された繊維含有部材61および多孔体12が上方へ向かって座屈するとともに、下側に配設された繊維含有部材61および多孔体12が下方へ向かって座屈することとなる。このように各繊維含有部材61および各多孔体12が座屈すると、外側に配設された各繊維含有部材61に引張荷重が加わり、内側に配設された各多孔体12に圧縮荷重が加わることとなる。そのため、引張荷重によるエネルギは、各繊維含有部材61が二段階の弾塑性特性で変形することにより効率良く吸収されるとともに、圧縮荷重によるエネルギは、本実施形態で説明したように各多孔体12が二段階の弾塑性特性で変形することにより、効率良く吸収されることとなる。
フロントバンパビーム6の座屈部位の外側に生じる引張荷重によるエネルギが二段階の弾塑性特性を有する繊維含有部材61で効率良く吸収され、かつ、内側に生じる圧縮荷重によるエネルギが二段階の弾塑性特性を有する多孔体12で効率良く吸収されるので、衝撃荷重によるエネルギをフロントバンパビーム6によって効率良く吸収しつつ、フロントバンパビーム6の軽量化を図ることが可能となる。
第1参考例では、引張荷重方向に並んで配設される少なくとも2つの第1部材(直線繊維61a)に対して弛んだ状態で係合する第2部材として、螺旋状となる螺旋繊維61bを採用したが、隣り合う2つの直線繊維61aに弛んで係合するものであればどのようなものであってもよい。例えば、リング状に形成した複数の繊維の内側に、2つの直線繊維61aを通すことによって、各リング状の繊維を各直線繊維61aに弛ませて係合させてもよい。
以下に、第2参考例について説明する。この参考例は第1参考例に係る多孔体および繊維含有部材を利用してフロントサイドフレームを構成したものなので、第1参考例と同様の構成要素については同一符号を付し、その説明を省略する。参照する図面において、図10は、第2参考例に係るフロントサイドフレームを示す斜視図である。
図10に示すように、フロントサイドフレーム2に衝撃荷重を加えることによって、フロントサイドフレーム2が蛇腹状に変形すると、交互に形成された繊維含有部材61および多孔体12によって、適宜蛇腹形状部の各外周部S11,S21に生じた引張荷重によるエネルギが繊維含有部材61で効率良く吸収され、各内周部S12,S22に生じた圧縮荷重によるエネルギが多孔体12で効率良く吸収されることとなる。
第2参考例に係るフロントサイドフレーム2によれば、蛇腹状変形により引張荷重と圧縮荷重が分散して発生した場合であっても、交互に設けた繊維含有部材61と多孔体12とによって、分散した各荷重によるエネルギを効率良く吸収することができる。
図12(a)に示すように、まず、従来材PPの両端部を図示せぬ冶具で固定する。そして、このようにして固定した従来材PPのうちの千鳥状に設定されている各内周相当部S12’,S22’に、ドリルユニットDUに設けられた複数のドリルDによって複数の加工穴Hを開けることにより、各内周相当部S12’,S22’を第2参考例の多孔体12に相当する部位とする。これにより、各内周相当部S12’,S22’を二段階で弾塑性変形させることが可能となる。ここで、前記した製造方法により形成された部位によるエネルギ吸収量の調整は、各加工穴Hの形状、大きさ、数、位置などを適宜調整することで行うことができる。例えば、図に示すように、加工穴Hの形状を有底円筒状にしたり、すり鉢状にすることによって、エネルギ吸収量を適宜調整することができる。
図12(b)に示すように、従来材PPの表裏面に、エッチング用のマスクMをセットする。ここで、マスクMには、加工穴を開ける必要がある部位のみ、すなわち各内周相当部S12’,S22’に相当する部位のみに、孔MHが形成されている。そして、従来材PPの表裏面にマスクMをセットした後、エッチング処理を施すことによって、各内周相当部S12’,S22’に加工穴が形成されることとなる。
そのため、両者を比較すると、繊維含有部材61と多孔体12で構成したフロントバンパビームFBのエネルギ吸収量〔荷重×変位;E1〕が、従来材のみで構成したフロントバンパビームFBのエネルギ吸収量〔E2〕に比べ、飛躍的に大きな値となることが確認された。ここで、エネルギ吸収効率の指標を、エネルギ吸収量〔E1,E2〕を最大荷重〔Fmax〕で除した値で表すと、繊維含有部材61と多孔体12で構成したフロントバンパビームFBでは、その指標〔E1/Fmax〕が大きくなることが分かり、これにより、接続部材3およびフロントサイドフレーム2への衝撃荷重の影響が小さく、エネルギ吸収量が多くなるといったメリットを有することが確認された。また、従来材のみで構成したフロントバンパビームFBでは、その指標〔E2/Fmax〕が小さくなることが分かり、これにより、接続部材3およびフロントサイドフレーム2への衝撃荷重の影響が大きく、エネルギ吸収量が少なくなるということが確認された。
なお、本実施形態と第1参考例を組み合わせた例(多孔体12と繊維含有部材61を組み合わせた例)を挙げたが、本実施形態のような構造や第1参考例のような構造であっても、前記したようなエネルギ吸収量が大きくなるといった効果を同様に有する。
そのため、両者を比較すると、繊維含有部材61と多孔体12で構成した接続部材3のエネルギ吸収量〔荷重×変位;E1〕が、従来材のみで構成した接続部材3のエネルギ吸収量〔E2〕に比べ、飛躍的に大きな値となることが確認された。ここで、エネルギ吸収効率の指標を、エネルギ吸収量〔E1,E2〕を最大荷重〔Fmax〕で除した値で表すと、繊維含有部材61と多孔体12で構成した接続部材3では、その指標〔E1/Fmax〕が大きくなることが分かり、これにより、衝撃荷重のフロントサイドフレーム2への影響が小さく、エネルギ吸収量が多くなるといったメリットを有することが確認された。また、従来材のみで構成した接続部材3では、その指標〔E2/Fmax〕が小さくなることが分かり、これにより、フロントサイドフレーム2への影響が大きく、エネルギ吸収量が少なくなるということが確認された。
11 バンパビーム本体
11a 上壁
11b 下壁
12 多孔体(圧縮荷重吸収部材)
12a 孔
2 フロントサイドフレーム(エネルギ吸収構造体)
3 接続部材
6 フロントバンパビーム(エネルギ吸収構造体)
61 繊維含有部材(引張荷重吸収部材)
61a 直線繊維
61b 螺旋繊維
61c 樹脂材
Claims (1)
- 衝撃荷重を前方から受けたときに、上壁及び下壁が湾曲変形する中空の略四角形状に形成されたバンパビームであって、
前記バンパビームは、湾曲変形したときに、その外周側に位置する前記上壁及び下壁で構成された外側層と、その内周側に位置する内側層との2層を含む多層構造となっており、
前記内側層は、圧縮荷重に対して二段階の弾塑性特性を示す多孔体で構成され、
前記外側層は、引張荷重に対して一段階の弾塑性特性を示す引張荷重吸収部材で構成されることを特徴とするバンパビーム。
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