JP3324697B2 - 車体上部の衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収材 - Google Patents

車体上部の衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収材

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JP3324697B2
JP3324697B2 JP19788699A JP19788699A JP3324697B2 JP 3324697 B2 JP3324697 B2 JP 3324697B2 JP 19788699 A JP19788699 A JP 19788699A JP 19788699 A JP19788699 A JP 19788699A JP 3324697 B2 JP3324697 B2 JP 3324697B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車の車体上部の
衝撃エネルギ吸収構造及び衝撃エネルギ吸収材に関し、
特に、ピラー、ルーフサイドレール、ヘッダのような車
体の構造部材と、この構造部材の車室内方に間隔をおい
て配置されるピラーガーニッシュ、ルーフライニングの
ような内装材と、前記間隔内に配置される衝撃エネルギ
吸収材とを備える車体上部において衝撃エネルギを吸収
する構造と、この吸収構造に適する衝撃エネルギ吸収材
とに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、特に乗用車の車体の構造部材と
内装材との間の間隔内にエネルギ吸収材を配置し、内装
材から構造部材に向く衝撃荷重が加わったとき、前記エ
ネルギ吸収材を変形させて衝撃荷重が持つ衝撃エネルギ
を吸収させている。通常、前記エネルギ吸収材として格
子状のリブやウレタンパッド、薄い鋼板を断面がハット
状を呈するように折り曲げたものなどが使用されるが、
金属箔の芯材と、この芯材の表裏にそれぞれ重ね合わさ
れた金属以外の材料のシートとからなり、前記芯材と前
記表裏のシートとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形し
て形成された、いわゆるハイブリッドパイプを使用する
こともある(特開平10-29482号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】衝撃荷重が加わる車室
の部位によっては、エネルギ吸収材を配置すべき間隔の
大きさ、つまりエネルギ吸収材の変位のために許容され
る変位距離が小さかったり、比較的余裕があったりする
ことがある。このような場合、前者では荷重の立ち上が
りが急峻となるエネルギ吸収材を使用する必要があるの
に対し、後者では比較的緩やかに荷重が立ち上がるエネ
ルギ吸収材を使用することができる。
【0004】また、車体の構造部材と内装材との間にエ
ネルギ吸収材を配置する場合、内装材の構造部材への取
付部又はその近傍や、アシストグリップの構造部材への
取付部又はその近傍のような特定の部位では、エネルギ
吸収材は他の部分と比べて低い荷重対変位のエネルギ吸
収特性を持つことが好ましい。
【0005】このように、エネルギ吸収材を配置すべき
車体の部位によってエネルギ吸収材に要求される条件が
異なる。前記公報に記載されたハイブリッドパイプはそ
の全長にわたって一定断面形状であり、凸部の外周面最
外部から凹部の内周面最内部に至る径方向の板厚、すな
わち見掛けの板厚が一定である。そのため、車体の部位
毎の要求を満たすには、断面形状、寸法及び見掛けの板
厚の1つ又は複数が異なる複数のハイブリッドパイプを
準備し、それぞれのハイブリッドパイプを適当長さに切
断して各部位に配置する必要があり、複数のハイブリッ
ドパイプの製作や取付け作業が煩雑となる。
【0006】本発明は、エネルギ吸収すべき部位の要求
に応えうるエネルギ吸収材を有する、自動車の車体上部
の衝撃エネルギ吸収構造を提供する。
【0007】本発明はまた、エネルギ吸収すべき部位の
要求に応えうる、衝撃エネルギ吸収材を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】本発明
は、車体の構造部材と、この構造部材の内方に間隔をお
いて配置される内装材と、前記間隔内に配置されるエネ
ルギ吸収材とを備える車体上部において衝撃エネルギを
吸収する構造に関する。前記エネルギ吸収材は、金属箔
の芯材と、この芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされた金
属以外の材料のシートとからなるハイブリッドパイプで
ある。
【0009】1の発明では、前記ハイブリッドパイプ
は、前記芯材と前記表裏のシートとを軸線方向へ連続的
に凹凸状に変形して形成され、かつ、軸線方向で隣り合
わせて位置する2つの凸部間又は凹部間のピッチが軸線
方向において部分的に異なるように形成され、荷重の立
ち上がりが異なる複数のエネルギ吸収特性を有する。
【0010】ハイブリッドパイプは軸線に交差する方向
から圧縮するとき、軸線方向へ伸び、見掛けの板厚が減
少する性質を有する。同一荷重における軸線方向への伸
びはピッチが大きくなるほど大きくなり、見掛けの板厚
の減少量が増えるため、同じ見掛けの板厚であれば、ピ
ッチが大きな部分ではピッチが小さな部分と比べて見掛
けの板厚の減少量が多くなる。
【0011】ハイブリッドパイプの軸線方向にピッチが
異なる部分が存在するため、その部分のピッチがその他
の部分のピッチより大きければ、その部分での荷重の立
ち上がりがその他の部分と比べて緩くなり、逆にその部
分のピッチがその他の部分のピッチより小さければ、そ
の部分での荷重の立ち上がりが他の部分と比べて急峻に
なる。このように、1つのハイブリッドパイプが荷重の
立ち上がりが異なる複数のエネルギ吸収特性を有するた
め、エネルギ吸収すべき部位に応じたハイブリッドパイ
プの配置が可能となり、適切なエネルギ吸収を図ること
ができる。
【0012】断面形状や断面寸法の異なる複数のハイブ
リッドパイプを用いることなく、局部的に最適化したハ
イブリッドパイプを使用するエネルギ吸収構造を得るこ
とができる。また、ハイブリッドパイプは簡単に曲げる
ことができ、軽量であるため、構造部材又は内装材に沿
わせて配置することが容易である。
【0013】別の発明では、前記ハイブリッドパイプ
は、所定ピッチの凹凸部と、この凹凸部のピッチより大
きなピッチの複数の大ピッチ凹凸部とを有する。この場
合、複数の大ピッチ凹凸部は前記ハイブリッドパイプの
軸線方向に所定の間隔をおいて配置される。
【0014】ハイブリッドパイプの所定ピッチの凹凸部
では、大ピッチ凹凸部と比べて軸線方向の伸びが少な
い。そのため、大ピッチ凹凸部に軸線に交差する方向か
ら衝撃荷重が加わったとき、大ピッチ凹凸部が圧縮変形
して軸線方向へ伸びるが、この伸びは所定ピッチの凹凸
部によって抑えられる。その結果、ハイブリッドパイプ
の全体の変形を抑えることとなる。これによって、衝撃
荷重が加わった後、再度別の部位に衝撃荷重が加わるよ
うな事態が起こっても初期性能を維持した状態で十分に
エネルギ吸収できる。
【0015】ハイブリッドパイプの軸線に交差する方向
の荷重が加わるとき、所定ピッチの凹凸部と大ピッチ凹
凸部とは、圧縮変形してエネルギ吸収するが、ハイブリ
ッドパイプの軸線方向の荷重が加わるとき、ハイブリッ
ドパイプは大ピッチ凹凸部で折れ曲がるようになり、荷
重に対して極めて低い荷重対変位のエネルギ吸収特性を
呈する。これは、荷重の向きによりエネルギ吸収量が異
なることであり、いわゆる指向性を持たせることができ
る。
【0016】さらに別の発明は、金属箔の芯材と、この
芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料の
シートとからなるハイブリッドパイプによって作られる
衝撃エネルギ吸収材に関する。前記ハイブリッドパイプ
は、前記芯材と前記表裏のシートとを軸線方向へ連続的
に凹凸状に変形して形成され、かつ、軸線方向で隣り合
わせて位置する2つの凸部間又は凹部間のピッチが軸線
方向において部分的に異なるように形成され、荷重の立
ち上がりが異なる複数のエネルギ吸収特性を有する。
【0017】ハイブリッドパイプによって作られた衝撃
エネルギ吸収材を、例えば構造部材と内装材とを備える
車体上部において、前記構造部材と前記内装材との間に
配置することによってエネルギ吸収すべき部位に適し
た、複数のエネルギ吸収特性を有する衝撃エネルギ吸収
構造を得ることができる。
【0018】さらに別の発明では、前記ハイブリッドパ
イプは、前記芯材と前記表裏のシートとを軸線方向へ連
続的に凹凸状に変形して形成され、かつ、見掛けの板厚
が軸線方向において部分的に異なるように形成され、荷
重の立ち上がりが異なる複数のエネルギ吸収特性を有す
る。
【0019】前述したように、ハイブリッドパイプは軸
線に交差する方向から圧縮するとき、軸線方向へ伸び、
見掛けの板厚が減少する性質を有する。同じピッチであ
れば、見掛けの板厚が小さな部分では見掛けの板厚が大
きな部分と比べて見掛けの板厚の減少割合が大きくな
る。
【0020】ハイブリッドパイプの軸線方向に見掛けの
板厚が異なる部分が存在するため、その部分の見掛けの
板厚がその他の部分の見掛けの板厚より大きければ、そ
の部分での荷重の立ち上がりがその他の部分と比べて急
峻となり、逆にその部分の見掛けの板厚がその他の部分
の見掛けの板厚より小さければ、その部分での荷重の立
ち上がりがその他の部分と比べて緩やかになる。このよ
うに、1つのハイブリッドパイプが複数のエネルギ吸収
特性を有するため、エネルギ吸収すべき部位に応じたハ
イブリッドパイプの配置が可能となり、適切なエネルギ
吸収を図ることができる。
【0021】断面形状や断面寸法の異なる複数のハイブ
リッドパイプを用いることなく、局部的に最適化したハ
イブリッドパイプを使用するエネルギ吸収構造を得るこ
とができる。また、ハイブリッドパイプは簡単に曲げる
ことができ、軽量であるため、構造部材又は内装材に沿
わせて配置することが容易である。
【0022】さらに別の発明では、前記ハイブリッドパ
イプは、所定見掛けの板厚の凹凸部と、この凹凸部の見
掛けの板厚より小さな見掛けの板厚の板厚減少部とを有
する。この板厚減少部は、一定断面に形成したハイブリ
ッドパイプを外周側から圧縮して断面を縮小したもので
ある。
【0023】ハイブリッドパイプの軸線に交差する方向
から衝撃荷重が加わるとき、板厚減少部ではその荷重の
立ち上がりがその他の部分と比べて緩やかになる。した
がって、板厚減少部が例えば内装材の取付部にくるよう
にエネルギ吸収材を配置して使用する。
【0024】ハイブリッドパイプは軸線に交差する方向
から荷重を加えると、軸線方向へ伸びる性質を有する。
そのため、圧縮変形により断面を縮小した断面縮小部で
は、軸線方向の伸び変形が生じ、見掛けの板厚が減少し
ている。荷重対変位のエネルギ吸収特性は、見掛けの板
厚が大きいほど急峻な立ち上がりとなるため、見掛けの
板厚が減少したことにより低い荷重対変位のエネルギ吸
収特性が得られる。
【0025】予め一定断面形状に成形したハイブリッド
パイプを圧縮成形して部分的に断面を縮小するだけで所
望のエネルギ吸収特性を持つハイブリッドパイプを作る
ことができるため、その製作が容易である。また、圧縮
して断面を縮小する割合を変えることにより、荷重対変
位のエネルギ吸収特性を調整することができる。また、
ハイブリッドパイプが四角形断面を有する場合、対向す
る2つの面を圧縮変形して断面を縮小することにより、
指向性のあるハイブリッドパイプを得ることができる。
【0026】さらに別の発明では、前記ハイブリッドパ
イプは、所定見掛けの板厚の凹凸部と、この凹凸部の見
掛けの板厚より小さな見掛けの板厚の板厚減少部とを有
する。この板厚減少部は、一定断面に形成したハイブリ
ッドパイプを内周側から部分的に拡張して断面を拡大し
たものである。
【0027】前述のように、ハイブリッドパイプは軸線
に交差する方向から荷重を加えると、軸線方向へ伸びる
性質を有するため、拡張変形により部分的に断面を拡大
した断面拡大部では、軸線方向の伸び変形が生じ、見掛
けの板厚が減少している。その結果、断面を縮小したの
と同様な作用及び効果が得られる。
【0028】さらに別の発明では、前記ハイブリッドパ
イプは、軸線方向に交差する径方向の寸法が所定である
所定見掛けの板厚の凹凸部と、この凹凸部の見掛けの板
厚より小さな見掛けの板厚の板厚減少部とを有する。こ
の板厚減少部は、前記凹凸部の径方向の寸法より小さな
径方向の寸法を有する。
【0029】ハイブリッドパイプの成形時に凹凸部と、
小寸法の板厚減少部とを得るものであるところ、板厚減
少部の見掛けの板厚を選定することによって、ハイブリ
ッドパイプのその他の部分と比べた板厚減少部の荷重対
変位のエネルギ吸収特性ばかりでなく、小寸法の板厚減
少部それ自体の荷重対変位のエネルギ吸収特性を調整す
ることができ、調整幅を大幅に拡大できる。
【0030】さらに別の発明では、前記ハイブリッドパ
イプは、前記芯材と前記表裏のシートとを軸線方向へ連
続的に凹凸状に変形して形成された所定見掛けの板厚の
凹凸部と、凹凸状の変形がなく板厚が前記凹凸部の見掛
けの板厚より小さな平坦状の板厚減少部とを有し、荷重
の立ち上がりが異なる複数のエネルギ吸収特性を有す
る。
【0031】平坦状の板厚減少部は、軸線に交差する方
向の衝撃荷重が加わると圧縮変形するが、軸線方向の伸
びは実質的に生じない。加えて、凹凸のない平坦状であ
るから、凹凸部の見掛けの板厚と比べると板厚が最も小
さく、部分的に最も低い荷重対変位のエネルギ吸収特性
を持つハイブリッドパイプを得ることができる。
【0032】さらに別の発明では、前記板厚減少部は、
前記内装材を経て衝撃荷重が加わったとき、大きな反力
荷重を発生させる車体の構造部材の部位又はその近傍に
配置されている。
【0033】ピラーガーニッシュ又はルーフライニング
のような内装材の構造部材への取付部やアシストグリッ
プの取付部など、又はこれらの近傍では、取付のための
座を設けたり、クリップ又はボルトのような連結手段を
差し込んだりしてあるため、内装材のその他の部分と比
べて剛性が大きくなっている。衝撃荷重が内装材を介し
てハイブリッドパイプに加わるとき、内装材及びハイブ
リッドパイプの変形による反力荷重が発生するところ、
前記取付部やその近傍では剛性が大きくなった分大きな
反力荷重を発生することとなる。この発明によれば、大
きな反力荷重が発生する部位にハイブリッドパイプの板
厚減少部を配置したため、ハイブリッドパイプの全長に
わたって実質的に均一の反力荷重を発生させることがで
きる。
【0034】さらに別の発明では、前記板厚減少部は複
数設けられ、前記ハイブリッドパイプの軸線方向に所定
の間隔をおいて配置されている。
【0035】ハイブリッドパイプの板厚減少部では、軸
線方向の伸びが少ないか、又は実質的に伸びが生じな
い。そのため、ハイブリッドパイプの板厚減少部以外の
部位に軸線に交差する方向から衝撃荷重が加わったと
き、この部位が圧縮変形して軸線方向へ伸びるが、この
伸びは板厚減少部によって抑えられる。その結果、ハイ
ブリッドパイプの全体の変形を抑えることとなる。これ
によって、衝撃荷重が加わった後、再度別の部位に衝撃
荷重が加わるような事態が起こっても初期性能を維持し
た状態で十分にエネルギ吸収できる。
【0036】板厚減少部の軸線方向の長さを適当に選定
することにより、軸線に交差する方向から加わる衝撃荷
重に対して、所定の荷重対変位のエネルギ吸収特性を発
現させることができるが、軸線方向の荷重がハイブリッ
ドパイプに加わるとき、ハイブリッドパイプは板厚減少
部で折れるため、軸線方向の荷重に対しては実質的にエ
ネルギ吸収機能を果たさない。このように、ハイブリッ
ドパイプにいわば指向性を持たせることができる。
【0037】さらに別の発明は、金属箔の芯材と、この
芯材の表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料の
シートとからなるハイブリッドパイプによって作られた
衝撃エネルギ吸収材に関する。前記ハイブリッドパイプ
は、前記芯材と前記表裏のシートとを軸線方向へ連続的
に凹凸状に変形して形成され、かつ、見掛けの板厚が軸
線方向において部分的に異なるように形成され、荷重の
立ち上がりが異なる複数のエネルギ吸収特性を有する。
【0038】ハイブリッドパイプによって作られた衝撃
エネルギ吸収材を、例えば構造部材と内装材とを備える
車体上部において、前記構造部材と前記内装材との間に
配置すると、ハイブリッドパイプが荷重の立ち上がりが
異なる複数のエネルギ吸収特性を有することから、エネ
ルギ吸収すべき部位に適した衝撃エネルギ吸収構造を得
ることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】衝撃エネルギ吸収構造は、断面状
態の図28を参照すると、車体の構造部材40と、構造
部材40の内方に間隔をおいて配置される内装材(ピラ
ーガーニッシュ)42と、前記間隔内に配置されるエネ
ルギ吸収材44とを備える車体上部において衝撃エネル
ギを吸収するものである。図28の実施例では、構造部
材40はインナパネル46と、アウタパネル48と、補
強パネル50とを備え、各パネルのフランジを重ね合わ
せて接合し、閉じ断面構造に形成したフロントピラーで
ある。
【0040】衝撃エネルギ吸収構造は、断面状態の図2
9を参照すると、車体の構造部材52と、構造部材52
の内方に間隔をおいて配置される内装材(ルーフライニ
ング)54と、前記間隔内に配置されるエネルギ吸収材
56とを備える車体上部において衝撃エネルギを吸収す
るものである。図29の実施例では、構造部材52はイ
ンナパネル58と、アウタパネル60とを備え、各パネ
ルのフランジを重ね合わせて接合し、閉じ構造に形成し
たルーフサイドレールである。
【0041】衝撃エネルギ吸収構造は、図30から明ら
かであるように、構造部材がセンタピラー61、クォー
タピラー63、フロントヘッダ65又はリヤヘッダ67
である場合にも、構造部材の内方に配置される内装材と
の間の間隔内にエネルギ吸収材を配置して実施できる。
すなわち、センタピラー61、クォータピラー63、フ
ロントヘッダ65及びリヤヘッダ67にそれぞれ対応す
るエネルギ吸収材62,64,66,68を配置して実
施できる。この場合、エネルギ吸収材は、図28のエネ
ルギ吸収材44又は図29のエネルギ吸収材56のよう
に、それが配置される部位によって適当な形状及び寸法
とすることができる。以下には、エネルギ吸収材の形状
や寸法とは関係なく、典型的なエネルギ吸収材について
本発明を説明する。
【0042】断面状態の図1と、斜視状態の図2とに示
したエネルギ吸収材70は、金属箔の芯材72と、この
芯材72の表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材
料のシート74とからなるハイブリッドパイプである。
金属箔の芯材72とシート74とは接着剤によって固着
される。ハイブリッドパイプ70は、芯材72と表裏の
シート74とを軸線方向へ連続的に凹部76と凸部78
とを持つように変形して形成されている。さらに、ハイ
ブリッドパイプ70は、軸線方向で隣り合わせて位置す
る2つの凸部間又は凹部間のピッチP1,P2が軸線方向
において部分的に異なるように形成されている。
【0043】図示の実施例では、芯材72は硬質のアル
ミニウム箔であり、シート74はクラフト紙である。ア
ルミニウム箔は、板厚が0.05mm以上で幅が30mm以上と
し、クラフト紙は、板厚が0.2mm以上で幅が30mm以上と
する。芯材72はステンレス箔、マグネシウム合金箔と
することもでき、シート74は樹脂とすることもでき
る。図2では、凹凸状の変形はらせん状となっている。
これに代えて、1つの凹部76が周方向で連なり、この
1つの凹部76に隣り合わせてそれぞれ独立した2つの
凸部78が周方向で連なる、いわゆる波状(蛇腹状)と
することもできる。
【0044】図1及び図2に示したハイブリッドパイプ
70は、所定ピッチP1の凹凸部80と、この凹凸部8
0のピッチP1より大きなピッチP2の大ピッチ凹凸部8
1とを有し、大ピッチ凹凸部81がハイブリッドパイプ
70の中間部に配置されている。ハイブリッドパイプ7
0は、逆のピッチ、すなわち中間部に配置される凹凸部
のピッチP2がその他の部分のピッチP1より小さくなる
ように形成することもできる。ハイブリッドパイプ70
の凸部78の外周面最外部から凹部76の内周面最内部
に至る径方向の距離、すなわち見掛けの板厚tは、凹凸
部80と大ピッチ凹凸部81とで同じである。
【0045】ハイブリッドパイプは、さらに、その端部
のピッチがその他の部分のピッチとは異なるように形成
することができる。斜視状態の図3に示しハイブリッド
パイプ90は、所定ピッチの凹凸部92と、この凹凸部
92のピッチより大きなピッチの複数の大ピッチ凹凸部
93とを有し、大ピッチ凹凸部93がハイブリッドパイ
プ90の軸線方向に所定の間隔をおいて配置されてい
る。
【0046】ハイブリッドパイプ70,90は、芯材7
2と表裏のシート74とをスピンドルに巻き付けて円筒
体を形成し、この円筒体を型ローラ間に通して所定のピ
ッチの凹凸を形成し、その後、必要に応じて図示のよう
な角筒にして製品とされる。そこで、円筒体を型ローラ
間に通す際、ピッチの異なる型ローラを使用することに
よってピッチを部分的に変えることができる。また、ハ
イブリッドパイプは軸線方向の延性が大きいため、一定
ピッチのものとして作られた製品を部分的に軸線方向へ
伸ばして塑性変形させ、これによってピッチを部分的に
変えることもできる。
【0047】本発明に係る衝撃エネルギ吸収材は、再び
図1を参照すると、金属箔の芯材72と、芯材72の表
裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシート7
4とかなるハイブリッドパイプ70によって作られる。
ハイブリッドパイプ70は、芯材72と表裏のシート7
4とを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、
かつ、軸線方向で隣り合わせて位置する2つの凸部78
間又は凹部76間のピッチが軸線方向において部分的に
異なるように形成される。ピッチを部分的に異ならせる
には前述したようにする。
【0048】ピッチPを変えて実験を繰り返したとこ
ろ、荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性の図4に示すよ
うに、ハイブリッドパイプ94,96,98,100の
ピッチが94<96<98<100の順で大きくなるに
従い、荷重Fの立ち上がりは94>96>98>100
の順で緩くなり、変位Sは94<96<98<100の
順で大きくなることが判明した。したがって、ハイブリ
ッドパイプ70,90の軸線方向において部分的にピッ
チを変えることは、軸線方向の各部分のエネルギ吸収特
性を変える結果となる。
【0049】ハイブリッドパイプ70は、例えばルーフ
サイドレールとフロントピラーとの交差部に配置するこ
とができる。この交差部では内装材となす間隔が狭いた
め、荷重の立ち上がりが急で、変位の小さなエネルギ吸
収特性を持つハイブリッドパイプ70を配置することが
好ましく、そのためには、前記交差部に対応する部分の
ピッチをその他の部分のピッチよりも小さくしたハイブ
リッドパイプを使用する。
【0050】ハイブリッドパイプのピッチPを変えるこ
とにより荷重Fの立ち上がりと、変位Sの大きさとを変
えることができるのは、次の理由による。断面状態の図
5を参照すると、ハイブリッドパイプの変形前の見掛け
の板厚tは、製品完成時に製品ごとに所定の値となって
いる。いま、軸線方向Aに交差する方向、図示では直交
する方向Bに向く衝撃荷重が加わるとき、ハイブリッド
パイプの軸線方向の延性が大きいため、ハイブリッドパ
イプは軸線方向へ伸ばされ、同図(b)の状態となる。
この状態では見掛けの板厚t′が製品完成時、つまり変
形前の見掛けの板厚tより薄くなっている。すなわち、
ハイブリッドパイプの実板厚dは同じであるにも拘わら
ず、ハイブリッドパイプが軸線方向へ伸びた結果、見掛
けの板厚t′が薄くなり、同時に、変形前のピッチPが
見掛けのピッチP′のように大きくなっている。ハイブ
リッドパイプに限らず、一般にパイプの強度は、板厚が
厚いほど高くなるが、ハイブリッドパイプの場合にその
強度に影響を及ぼすのは見掛けの板厚である。そして、
変形前のピッチPが大きいほど見掛けのピッチP′が大
きくなり、見掛けのピッチP′が大きくなるほど見掛け
の板厚t′が薄くなり、荷重の立ち上がりが緩くなる。
荷重と変位とによって与えられるエネルギ吸収特性図の
面積は、仕事つまりエネルギ吸収量であるから、荷重の
立ち上がりが緩くなると変位が大きくなる。
【0051】模式的な図6に示すように、板厚がt、一
辺の長さがLの正方形の金属の押し出し管と、製品完成
時つまり変形前の見掛けの板厚がt、一辺の長さがLの
正方形のハイブリッドパイプとについて実験をしたとこ
ろ、ハイブリッドパイプ102では、軸線に直交する方
向の荷重Fによって見掛けの板厚がtから次第に減少
し、完全に圧縮された状態104aでは見掛けの板厚t
より薄い実板厚dとなるため、ハイブリッドパイプとし
てつぶれ残りは2dである(同図の(b))。これに対
して、押し出し管104では、荷重Fによって板厚tが
変わらないため、完全に圧縮された状態104aではつ
ぶれ残りは2tである(同図の(c))。
【0052】荷重対変位のエネルギ吸収特性を示す図7
を参照すると、ハイブリッドパイプ102では最高荷重
0に達するまで荷重は直線的に立ち上がり、最高荷重
に達した後、変位につれて荷重は減少し、最大変位(L
−2d)に達する(同図の(a))。これに対して、押
し出し管104では最高荷重F0に達するまで荷重は直
線的に立ち上がり、最高荷重に達した後、変位が大きく
なっても荷重はほとんど変わらず、最大変位(L−2
t)に達する(同図の(b))。図7から明らかである
ように、ハイブリッドパイプ102では最大荷重に達し
た後、変位につれて荷重が減少するが、押し出し管10
4では荷重はほぼ一定である。さらに、ハイブリッドパ
イプ102では最大変位が押し出し管104の最大変位
より大きい。したがって、ハイブリッドパイプ102で
は平均荷重を減らすことができる。
【0053】ハイブリッドパイプ70を、図1及び図2
に示した形態とは逆に、中間の部分81のピッチがその
他の部分80のピッチより小さくなるように形成し、こ
のハイブリッドパイプを、ピッチの小さい中間の部分8
1が、例えばフロントピラーとルーフサイドレールとの
交差部にくるように車体に配置する。
【0054】内装材を経てハイブリッドパイプ70の軸
線に交差する方向から衝撃荷重が加わり、中間の部分8
1を圧縮するとき、中間の部分81は軸線方向へ伸び、
見掛けの板厚が減少する。このとき、中間の部分81の
ピッチはその他の部分80のピッチより小さいため、見
掛けの板厚が減少する程度がその他の部分80と比べて
小さく、荷重の立ち上がりの急なエネルギ吸収特性が得
られる。その結果、内装材との間の間隔が小さなフロン
トピラーとルーフサイドレールとの交差部において十分
なエネルギ吸収を図ることができる。一方、ハイブリッ
ドパイプ70のその他の部分80では、ピッチが中間の
部分81のピッチより大きため、ここに衝撃荷重が加わ
ると見掛けの板厚が減少する程度が大きくなり、荷重の
立ち上がりが緩やかなエネルギ吸収特性となるが、その
他の部分80では中間の部分81より大きい変位量を確
保できることから、十分なエネルギ吸収を図ることがで
きる。
【0055】軸線方向の伸びが異なるピッチ部を複数設
けることにより、軸線方向に硬度が異なる配列が可能と
なり、ハイブリッドパイプ70に所要のエネルギ吸収特
性を持たせることができる。
【0056】断面状態の図8に示したハイブリッドパイ
プ110は、金属箔の芯材72と、芯材72の表裏にそ
れぞれ重ね合わされ、芯材72に接着された金属以外の
材料のシート74とからなる。ハイブリッドパイプ11
0は、芯材72と表裏のシート74とを軸線方向へ連続
的に凹部76と凸部78とを持つように変形して形成さ
れており、この点ではハイブリッドパイプ70と同じで
ある。ハイブリッドパイプ110は、凸部78の外周面
最外部112から凹部の内周面最内部114に至る径方
向の距離である見掛けの板厚が軸線方向において部分的
に異なるように形成されている。
【0057】図8に示した実施例では、ハイブリッドパ
イプ110は所定見掛けの板厚t2の凹凸部116と、
この凹凸部の見掛けの板厚より小さな見掛けの板厚t1
の板厚減少部117とを有する。板厚をハイブリッドパ
イプ110の軸線方向で部分的に異ならせるには、前述
の型ローラを変更することによって行うことができる。
この場合、見掛けの板厚の大きい部分と見掛けの板厚の
小さい部分とのピッチは軸線方向において一定である。
【0058】製品完成時の見掛けの板厚、つまり変形前
の見掛けの板厚t2が見掛けの板厚t1よりも厚いこと
は、軸線に交差する方向の衝撃荷重に対する強度が大き
いことであるから、ハイブリッドパイプ110の凹凸部
116では、板厚減少部117よりも荷重の立ち上がり
の急なエネルギ吸収特性を得ることができる。すなわ
ち、荷重対変位のエネルギ吸収特性を示す図9を参照す
ると、ハイブリッドパイプ118,120,122,1
24において板厚が124<122<120<118の
順で大きくなると、荷重の立ち上がりが124<122
<120<118の順で急となり、変位が118<12
0<122<124の順で大きくなっている。
【0059】ハイブリッドパイプ110の場合にも、板
厚の厚い部分が前記交差部に位置するようにハイブリッ
ドパイプ110を配置することによってハイブリッドパ
イプ70と同様な作用及び効果が得られる。
【0060】斜視状態の図10に示すハイブリッドパイ
プ130は、見掛けの板厚が部分的に小さい板厚減少部
132を中間部に有するが、板厚減少部132は一定断
面に形成したハイブリッドパイプ130を外周側から圧
縮変形して断面を縮小した断面縮小部である。すなわ
ち、ハイブリッドパイプ130の中間部132を除く部
分134はハイブリッドパイプを形成したままの凹凸部
であって一定断面に保ち、中間部を部分的に圧縮変形し
て断面縮小部132としてある。断面縮小部132は、
ハイブリッドパイプの外周側からプレス成形したり、ハ
ンマーリング加工したりして圧縮変形させることによっ
て作ることができる。図10に示した実施例では、断面
縮小部132は中間部にあるが、断面縮小部132は端
部を含むその他の部分134に設けることもでき、また
複数の断面縮小部132を軸線方向に間隔をおいて設け
ることもできる。
【0061】断面状態の図11に示すように、断面縮小
部132は、圧縮変形することにより、成形したままの
部分134と比べて全体の断面積が小さくなり、かつ、
見掛けの板厚t3が成形したままの、つまり圧縮変形前
の見掛けの板厚t0より小さくなっている。断面縮小部
132の断面積が小さくなっているのは、断面を縮小し
たのであるから当然の結果であるが、見掛けの板厚が小
さくなるのは次の理由による。
【0062】再び図5を参照すると、ハイブリッドパイ
プの軸線方向Aで隣り合って位置する凸部78間のピッ
チPと、見掛けの板厚tとは、ハイブリッドパイプを成
形したときのものである。ここで、見掛けの板厚tはハ
イブリッドパイプに凹部76と凸部78とを付加した結
果、実際の板厚dとは異なっている。いま、軸線方向A
に交差する方向Bに荷重を加えると、同図の(b)に示
すように、ハイブリッドパイプは軸線方向Aに伸びる性
質があるため、ピッチがPより大きいP′となる。そし
て、ピッチの変動につれて見掛けの板厚が変動し、tよ
りも薄いt′となる。しかし、実際の板厚dは実質的に
変わらない。ピッチと見掛けの板厚とは、ハイブリッド
パイプを圧縮変形させる量が多くなるほど、大きく変動
する。
【0063】荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性を示す
図12を参照すると、ハイブリッドパイプ130を成形
したままの部分134は所定のエネルギ吸収特性を呈す
る。これに対して、断面縮小部132では荷重Fの立ち
上がりが緩く、荷重のピーク値Fmaxが小さく、変位S
も少ない。荷重Fの立ち上がりやピーク値は見掛けの板
厚に依存し、見掛けの板厚は圧縮量によって定まるた
め、断面縮小部132に持たせるべきエネルギ吸収特性
に応じて断面縮小部132の圧縮量を変えてエネルギ吸
収特性を調整できる。なお、図12は衝撃吸収が可能な
エネルギ量を示している。
【0064】図10に示した実施例では、断面縮小部1
32は四角形のハイブリッドパイプ130の4つの面全
てを均等に圧縮変形させることにより得られた。斜視状
態の図13に示した実施例では、ハイブリッドパイプ1
40は対向する2つの面を外側から圧縮して断面縮小部
142としている。このように形成すると、C方向の荷
重に対してハイブリッドパイプ140は断面縮小部が存
在しない部分144と同じエネルギ吸収特性を呈する
が、D方向の荷重に対して見掛けの板厚が減少したエネ
ルギ吸収特性を呈することとなり、いわゆる指向性を持
たせることができる。
【0065】図10及び図13に示した実施例では、ハ
イブリッドパイプを外周側から圧縮して断面縮小部を形
成し、見掛けの板厚が小さくなった板厚減少部を得た
が、これとは逆に、一定断面に形成したハイブリッドパ
イプを内周側から部分的に拡張して断面を拡大した拡大
断面部を形成し、これを板厚減少部とすることもでき
る。例えば、図10を参考として説明すると、部分13
2を一定断面に保ち、部分134を拡大断面部とする形
態である。ハイブリッドパイプを内周側から部分的に拡
張するには、成形したハイブリッドパイプの断面より大
きな断面を有する型内にハイブリッドパイプの部分13
4を配置してこの部分134の内側に、例えばゴムのよ
うな弾性体によって形成した袋体を差し込み、この袋体
に加圧流体を導くようにする。
【0066】斜視状態の図14と、断面状態の図15と
に示したハイブリッドパイプ150は、芯材と表裏のシ
ートとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され
た凹凸部152と、凹凸状の変形がなく、板厚が凹凸部
102の変形前の見掛けの板厚t0、つまり形成された
ままの見掛けの板厚より小さい平坦状の板厚減少部15
4とを有する。板厚減少部154の板厚はハイブリッド
パイプ150の実際の板厚dである。
【0067】ハイブリッドパイプは、例えば芯材と表裏
のシートとをスピンドルに巻き付けて円筒体を形成し、
この円筒体を型ローラ間に通して所定のピッチの凹凸を
形成し、その後、必要に応じて図示のような角筒にして
製品とされる。そこで、ハイブリッドパイプ150を形
成するには、凹凸部152は型ローラ間で確実に凹凸を
付け、板厚減少部154は型ローラを作動させることな
く、又は型ローラを逃がして、芯材と表裏のシートとか
ら円筒体に形成し、その後必要に応じて角筒とする。
【0068】軸線方向Aに交差する方向Bから荷重が加
わるとき、凹凸部152では軸線方向の伸びが生じて見
掛けの板厚が減少するが、板厚減少部154では軸線方
向の伸びが生ぜず、板厚は実質的に減少しない。一定の
衝撃エネルギを吸収させたとした場合の荷重F対変位S
のエネルギ吸収特性は、図16に示すように、凹凸部1
52では荷重の立ち上がりが急峻となって荷重のピーク
値Fmax1に達するが、板厚減少部154では荷重の立ち
上がりが緩やかで荷重のピーク値Fmax2に達するとこ
ろ、このピーク値Fmax2は凹凸部152のピーク値F
max1より小さい。凹凸部152はピーク値に達した後、
変位が大きくなるにつれて発生荷重が緩やかに下降して
いるが、板厚減少部154はほぼピーク値を保ってい
る。これは、凹凸部152では見掛けの板厚が次第に減
少するのに対し、板厚減少部154では板厚が実質的に
変わらないことによる。一方、一定の衝撃エネルギを吸
収するの必要な変位についてみると、ハイブリッドパイ
プ150の荷重方向の長さをLとするとき、板厚減少部
154の実際の板厚はdであるから、板厚減少部154
では(L−2d)の最大変位をする。これに対して、凹
凸部152の見掛けの板厚t0が変わらないものとする
と、凹凸部152では(L−2t0)の最大変位をする。
もっとも、ハイブリッドパイプ150は軸線方向に伸び
を生ずるため、伸び許容量を変えることにより、凹凸部
152の最大変位を破線で示したように板厚減少部15
4の最大変位に近づけることができる。
【0069】斜視状態の図17と、断面状態の図18と
に示したハイブリッドパイプ160は、板厚減少部16
2と、その他の凹凸部164とを有する。板厚減少部1
62は、凸部78の外周面最外部から凹部76の内周面
最内部に至る径方向の距離である見掛けの板厚t4が凹
凸部164の見掛けの板厚t0より小さく、かつ、外径
2が凹凸部164の外径D1より小さい小寸法凹凸部で
ある。ハイブリッドパイプ160は、凹凸部164の見
掛けの板厚t0によって所定のエネルギ吸収特性が得ら
れるように定めたものである。
【0070】軸線方向Aに交差する方向Bから荷重が加
わるとき、板厚減少部162と凹凸部164とはそれぞ
れ軸線方向へ伸び、見掛けの板厚が減少する。このとき
の荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性は、図19に示す
ように、凹凸部164では荷重の立ち上がりが急峻とな
って荷重のピーク値Fmax1に達するが、板厚減少部16
2では荷重の立ち上がりが緩やかで荷重のピーク値F
max2に達し、このピーク値は凹凸部164のピーク値F
max1より小さい。板厚減少部162と凹凸部164とは
ピーク値に達した後、変位が大きくなるにつれて発生荷
重が緩やかに下降している。そして最大変位は、板厚減
少部162の方がその他の凹凸部164の最大変位より
大きい。
【0071】ハイブリッドパイプ150の平坦状の板厚
減少部154(図14及び図15)では、板厚が実質的
に変わらないため、図19に示したように、所定のエネ
ルギ吸収特性を呈する凹凸部164と比べてピーク値間
の差が大きく、また変位によって発生する荷重間の差も
大きい。これに対して、ハイブリッドパイプ160の板
厚減少部162と凹凸部164とは近似した立ち上がり
傾向と、近似した下降傾向とを呈している。これは、ハ
イブリッドパイプに板厚減少部を設けて荷重対変位のエ
ネルギ吸収特性を調整しようとする場合、ハイブリッド
パイプ160による方が、ハイブリッドパイプ150に
よるよりも調整しやすいことを示している。
【0072】ハイブリッドパイプ110,130,14
0,150,160それぞれの板厚減少部117,13
2,142,154,162は、内装材から衝撃荷重が
加わったとき、大きな反力荷重を発生させる車体の構造
部材の部位又はその近傍に配置することができる。例え
ば、次に示す板厚減少部として使用できる。
【0073】背面からの斜視状態を示す図20と、斜視
状態を示す図21とを参照すると、ピラーガーニッシュ
170にはこのピラーガーニッシュ170をピラーに取
り付けるための取付部171が設けられている。そのた
め、取付部171又はその近傍に衝撃荷重が加わるとき
発生する反力荷重が、取付部171から離れた部分17
2に衝撃荷重が加わるとき発生する反力荷重と比べて高
くなる。すなわち、エネルギ吸収材174とピラーガー
ニッシュ170の取付部171とを加え合わせた反力荷
重が発生するところ、エネルギ吸収特性が実質的に同じ
であるハイブリッドパイプを使用した場合、取付部17
1又はその近傍では大きな反力荷重が発生する。
【0074】荷重F対変位Sのエネルギ吸収特性を示す
図22及び図23を参照すると、取付部171にあるハ
イブリッドパイプ171aでは高いピーク荷重Fpを発
生しているのに対し、取付部から離れた部分172にあ
るハイブリッドパイプ172aではピーク荷重が低い。
そのため、取付部171とこれから離れた部分172と
に同じエネルギ吸収特性のハイブリッドパイプを配置す
ると、取付部171又はこの近傍において高いピーク荷
重Fpを受けることとなる。これに対して、取付部17
1又はその近傍に板厚減少部175を配置すると、荷重
F対変位Sのエネルギ吸収特性は図23の171bとな
り、取付部から離れた部分172にあるハイブリッドパ
イプのエネルギ吸収特性172aと実質的に同じエネル
ギ吸収特性を持たせることができる。
【0075】板厚減少部はまた、大きな反力荷重を発生
させる部位の他、図24のような中間部に、又は複数の
板厚減少部を軸線方向へ間隔をおいて設けることができ
る。斜視状態の図24に示したハイブリッドパイプ18
0は、所定荷重を発生させるべき部分182と、この部
分182の中間部に設けた板厚減少部184とを有す
る。ここで、中間部とはハイブリッドパイプ180の中
央部であってもよく、中央部から離れた部分であっても
よい。一方、斜視状態の図25に示したハイブリッドパ
イプ190は、所定荷重を発生させるべき部分192
と、複数の板厚減少部194とからなり、板厚減少部1
94はハイブリッドパイプ190の軸線方向に所定の間
隔をおいて配置されている。この場合、複数の板厚減少
部194は同じ長さである必要はない。ハイブリッドパ
イプ180,190は、それぞれフロントピラー及びル
ーフサイドレールに対応して配置される特定の形状に形
成されているが、既に述べたように、ハイブリッドパイ
プはそれが配置される場所に応じて適切な形状に加工さ
れるため、その形状自体にはエネルギ吸収特性上の意味
はない。また、図24及び図25では板厚減少部18
4,194は図10に示した板厚減少部132の形態で
あるが、これに代えて、図13の板厚減少部142、図
14の板厚減少部154又は図17の板厚減少部162
を使用することもできる。
【0076】模式的に示した図26を参照して、断面を
縮小した板厚減少部132を中間部に有するハイブリッ
ドパイプ130(同図の(a))と、平坦状の板厚減少
部154を中間部に有するハイブリッドパイプ150
(同図の(b))と、小寸法凹凸部を板厚減少部162
とし、これを中間部に有するハイブリッドパイプ160
(同図の(c))と、板厚減少部を持たないハイブリッ
ドパイプ200(同図の(d))との作用を説明する。
【0077】板厚減少部を有するハイブリッドパイプ1
30,150,160は、板厚減少部を拘束しないよう
に構造部材又は内装材に取り付けると、軸線に交差する
方向から加わる衝撃荷重に対して既に説明したように変
形してエネルギ吸収する。一方、軸線方向の荷重Pが加
わると、ハイブリッドパイプ130,150,160
は、各図の下側に示したように板厚減少部132,15
4,162で折れ曲がる。ひとたび、ハイブリッドパイ
プ130,150,160が板厚減少部で折れ曲がる
と、板厚減少部をはさんで左右に位置する部分は、エネ
ルギ吸収のために必要な変形をすることなく、相互に接
近する傾向を呈し、荷重Pに対して極めて低い荷重対変
位のエネルギ吸収特性を呈する。これは、荷重の加わる
方向によってエネルギ吸収特性を大幅に異ならせ、指向
性を持たせることができることを意味する。これに対し
て、板厚減少部を持たないハイブリッドパイプ200で
は、軸線方向の荷重Pが加わったときその全体が円弧状
に湾曲し、同時に軸線方向に圧縮変形する。そして、軸
線方向の圧縮変形によってエネルギ吸収が行われるた
め、ハイブリッドパイプ200の荷重の加わる方向の違
いによるエネルギ吸収特性の違いは、図26の(a)な
いし(c)と比べて少ない。
【0078】ハイブリッドパイプ190の場合、模式的
に示した図27の(a)ように、球状の衝撃体210か
ら軸線に交差する方向の荷重が加わると、荷重が加わっ
た部分196をはさんで両側に位置する板厚減少部19
4の伸びが少ないため、その部分196と両側に位置す
る板厚減少部194とが同図の下側に示すように衝撃体
210の湾曲面とほぼ同じように湾曲して圧縮変形する
が、その他の部分はほとんど変形しない。その結果、軸
線に交差する方向の荷重が部分196から離れた別の部
分に再び加わるような事態が起こっても、その別の部分
において意図した荷重対変位のエネルギ吸収特性を発現
できる。これに対して、板厚減少部を持たないハイブリ
ッドパイプ200では、同図の(b)に示すように、衝
撃体210によってハイブリッドパイプ200が伸び、
ハイブリッドパイプ200の全体が湾曲して圧縮変形す
る。その結果、荷重が加わった部分202と比べて例え
ば端部分204では、確保できる変位量が変動するた
め、意図した荷重対変位のエネルギ吸収特性は得られな
い。
【0079】本発明に係る衝撃エネルギ吸収材は、再び
図8と、図10と、図13と、図14及び図15と、図
17及び図18と、図20及び図21と、図24と、図
25とを参照すると、金属箔の芯材72と、芯材72の
表裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシート
74とからなるハイブリッドパイプ110,130,1
40,150,160,174,180,190によっ
て作られる。ハイブリッドパイプは、軸線方向へ連続的
に凹凸状に変形して形成され、かつ、例えば図8に示す
ように、見掛けの板厚が軸線方向において部分的に異な
るように形成されている。衝撃エネルギ吸収材は、例え
ば構造部材と、内装材とを有する車体上部において構造
部材と内装材との間に配置され、衝撃エネルギ吸収構造
を形成する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプの実施例の要部を示す
拡大断面図で、ハイブリッドパイプの軸線方向に沿って
切断したものである。
【図2】 本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプの実施例を示す斜視図
である。
【図3】 本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプの別の実施例を示す斜
視図である。
【図4】 荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図5】本発明の作用及び効果を説明する断面図で、
(a)は変形前を、(b)は変形後を示している。
【図6】 ハイブリッドパイプの作用効果を押し出し管
と比較するための模式図で、(a)は断面形状を、(b)
はハイブリッドパイプの変形の様子を、(c)は押し出
し管の変形の様子を示している。
【図7】 荷重対変位のエネルギ吸収特性図で、(a)
はハイブリッドパイプを、(b)は押し出し管を示して
いる。
【図8】 本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収構
造に使用するハイブリッドパイプの別の実施例の要部を
示す拡大断面図で、ハイブリッドパイプの軸線方向に沿
って切断したものである。
【図9】 荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図10】 本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収
構造に使用するハイブリッドパイプのさらに別の実施例
を示す斜視図である。
【図11】 図10に示したハイブリッドパイプの断面
図で、(a)は図10の11a-11a線で切断したも
の、(b)は図11の11b-11b線で切断したもの
である。
【図12】 荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図13】 本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収
構造に使用するハイブリッドパイプのさらに別の実施例
を示す斜視図である。
【図14】 本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収
構造に使用するハイブリッドパイプのさらに別の実施例
を示す斜視図である。
【図15】 図14の15−15線で切断した拡大縦断
面図である。
【図16】 荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図17】 本発明に係る車体上部の衝撃エネルギ吸収
構造に使用するハイブリッドパイプのさらに別の実施例
を示す斜視図である。
【図18】 図17の18−18線に沿って切断した拡
大縦断面図である。
【図19】 荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図20】 ハイブリッドパイプを取り付けたピラーガ
ーニッシュの背面から見た斜視図である。
【図21】 図20に示したハイブリッドパイプの一部
を示す斜視図である。
【図22】 荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図23】 荷重対変位のエネルギ吸収特性図である。
【図24】 フロントピラー用のハイブリッドパイプを
示す斜視図である。
【図25】 ルーフサイドレール用のハイブリッドパイ
プを示す斜視図である。
【図26】 中間部に板厚減少部を配置したハイブリッ
ドパイプ(a)ないし(c)の作用及び効果を、板厚減
少部を持たないハイブリッドパイプ(d)と比較して示
す模式図で、各図において上側は変形前を、下側は変形
後を示している。
【図27】 複数の板厚減少部を軸線方向に間隔をおい
て配置したハイブリッドパイプ(a)の作用及び効果
を、板厚減少部を持たないハイブリッドパイプ(b)と
比較して示す模式図で、各図において上側は変形前を、
下側は変形後を示している。
【図28】 本発明に係る衝撃エネルギ吸収構造を実施
できる車体上部の拡大断面図で、図30の28−28線
に沿って切断したものである。
【図29】 本発明に係る衝撃エネルギ吸収構造を実施
できる車体上部の拡大断面図で、図30の29−29線
に沿って切断したものである。
【図30】 本発明に係る衝撃エネルギ吸収構造を実施
できる車体上部の斜視図である。
【符号の説明】
70,90,110,130,140,150 ハイブ
リッドパイプ 160,174,180,190 ハイブリッドパイプ 72 芯材 74 シート 76 凹部 78 凸部 81 大ピッチ凹凸部 117,132,142 板厚減少部(断面縮小部) 154 板厚減少部(平坦状の減少部) 162 板厚減少部(小寸法凹凸部) 175,184,194 板厚減少部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−29482(JP,A) 特開 平10−35378(JP,A) 特開 平9−207576(JP,A) 特開 平8−188174(JP,A) 特開 平9−277954(JP,A) 特開 平2−175452(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 21/02 - 21/04 B62D 25/04 - 25/08 B60R 13/02

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体の構造部材と、この構造部材の内方
    に間隔をおいて配置される内装材と、前記間隔内に配置
    されるエネルギ吸収材とを備える車体上部において衝撃
    エネルギを吸収する構造であって、 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表
    裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートと
    からなるハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、
    かつ、軸線方向で隣り合わせて位置する2つの凸部間又
    は凹部間のピッチが軸線方向において部分的に異なるよ
    うに形成され、荷重の立ち上がりが異なる複数のエネル
    ギ吸収特性を有する、車体上部の衝撃エネルギ吸収構
    造。
  2. 【請求項2】 前記ハイブリッドパイプは、所定ピッチ
    の凹凸部と、この凹凸部のピッチより大きなピッチの複
    数の大ピッチ凹凸部とを有し、これら大ピッチ凹凸部が
    前記ハイブリッドパイプの軸線方向に所定の間隔をおい
    て配置された、請求項1に記載の車体上部の衝撃エネル
    ギ吸収構造。
  3. 【請求項3】 金属箔の芯材と、この芯材の表裏にそれ
    ぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートとからなる
    ハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、
    かつ、軸線方向で隣り合わせて位置する2つの凸部間又
    は凹部間のピッチが軸線方向において部分的に異なるよ
    うに形成され、荷重の立ち上がりが異なる複数のエネル
    ギ吸収特性を有する、衝撃エネルギ吸収材。
  4. 【請求項4】 車体の構造部材と、この構造部材の内方
    に間隔をおいて配置される内装材と、前記間隔内に配置
    されるエネルギ吸収材とを備える車体上部において衝撃
    エネルギを吸収する構造であって、 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表
    裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートと
    からなるハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、
    かつ、見掛けの板厚が軸線方向において部分的に異なる
    ように形成され、荷重の立ち上がりが異なる複数のエネ
    ルギ吸収特性を有する、車体上部の衝撃エネルギ吸収構
    造。
  5. 【請求項5】 前記ハイブリッドパイプは、所定見掛け
    の板厚の凹凸部と、この凹凸部の見掛けの板厚より小さ
    な見掛けの板厚の板厚減少部であって一定断面に形成し
    たハイブリッドパイプを外周側から圧縮して断面を縮小
    した板厚減少部とを有する、請求項4に記載の車体上部
    の衝撃エネルギ吸収構造。
  6. 【請求項6】 前記ハイブリッドパイプは、所定見掛け
    の板厚の凹凸部と、この凹凸部の見掛けの板厚より小さ
    な見掛けの板厚の板厚減少部であって一定断面に形成し
    たハイブリッドパイプを内周側から拡張して断面を拡大
    した板厚減少部とを有する、請求項4に記載の車体上部
    の衝撃エネルギ吸収構造。
  7. 【請求項7】 前記ハイブリッドパイプは、軸線方向に
    交差する径方向の寸法が所定である所定見掛けの板厚の
    凹凸部と、この凹凸部の見掛けの板厚より小さな見掛け
    の板厚の板厚減少部であって前記凹凸部の径方向の寸法
    より小さな径方向の寸法を有する板厚減少部とを有す
    る、請求項4に記載の車体上部の衝撃エネルギ吸収構
    造。
  8. 【請求項8】 車体の構造部材と、この構造部材の内方
    に間隔をおいて配置される内装材と、前記間隔内に配置
    されるエネルギ吸収材とを備える車体上部において衝撃
    エネルギを吸収する構造であって、 前記エネルギ吸収材は、金属箔の芯材と、この芯材の表
    裏にそれぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートと
    からなるハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成された
    所定見掛けの板厚の凹凸部と、凹凸状の変形がなく板厚
    が前記凹凸部の見掛けの板厚より小さな平坦状の板厚減
    少部とを有し、荷重の立ち上がりが異なる複数のエネル
    ギ吸収特性を有する、車体上部の衝撃エネルギ吸収構
    造。
  9. 【請求項9】 前記板厚減少部は、前記内装材を経て衝
    撃荷重が加わったとき、大きな反力荷重を発生させる車
    体の構造部材の部位又はその近傍に配置される、請求項
    5ないし8のいずれかに記載の車体上部の衝撃エネルギ
    吸収構造。
  10. 【請求項10】 前記板厚減少部は複数設けられ、前記
    ハイブリッドパイプの軸線方向に所定の間隔をおいて配
    置された、請求項5ないし8のいずれかに記載の車体上
    部の衝撃エネルギ吸収構造。
  11. 【請求項11】金属箔の芯材と、この芯材の表裏にそれ
    ぞれ重ね合わされた金属以外の材料のシートとからなる
    ハイブリッドパイプであり、 このハイブリッドパイプは、前記芯材と前記表裏のシー
    トとを軸線方向へ連続的に凹凸状に変形して形成され、
    かつ、見掛けの板厚が軸線方向において部分的に異なる
    ように形成され、荷重の立ち上がりが異なる複数のエネ
    ルギ吸収特性を有する、衝撃エネルギ吸収材。
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