JP2005104335A - サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材 - Google Patents

サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2005104335A
JP2005104335A JP2003341352A JP2003341352A JP2005104335A JP 2005104335 A JP2005104335 A JP 2005104335A JP 2003341352 A JP2003341352 A JP 2003341352A JP 2003341352 A JP2003341352 A JP 2003341352A JP 2005104335 A JP2005104335 A JP 2005104335A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bead
hydroforming
width
tube
tube hydroforming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003341352A
Other languages
English (en)
Inventor
Osamu Sonobe
治 園部
Yuji Hashimoto
裕二 橋本
Koji Suzuki
孝司 鈴木
Yoshihiro Ozaki
芳宏 尾崎
Takao Iguchi
貴朗 井口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2003341352A priority Critical patent/JP2005104335A/ja
Publication of JP2005104335A publication Critical patent/JP2005104335A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

【課題】軽量でかつ衝撃により生ずるエネルギをより多く吸収し、又は過度に潰れ過ぎない限度において均等に潰れ、軽量で、しかも成形容易で生産性に優れる利点を併せ持つ、自動車車体の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられるサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を提供する。
【解決手段】サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材1は、車体101の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられる。チューブハイドロフォーミング部材1の長手方向の一部には、該チューブハイドロフォーミング部材1の長手方向に延びるビード6が、該チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、対向する部位を含む少なくとも2つ以上の部位に設けられている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車が何かに衝突した際に、衝撃により生ずるエネルギを吸収するための、自動車車体の前部又は後部のサイドメンバに用いられるサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材に関する。
一般に、図9に示すように、自動車車体101の前部の両サイドには1対のフロントサイドメンバ102が配置され(図中には片サイドしか図示していないが、実際には両サイドにある)、あるいは、自動車車体101の後部の両サイドにも図示しない1対のリアサイドメンバが配置される。自動車車体のフレーム構造部品の中で、これらフロントサイドメンバ102やリアサイドメンバなどのサイドメンバは、自動車の衝突時の衝撃吸収部材として重要な役割を果たす。自動車が何かに衝突した際に、フロントサイドメンバ102あるいはリアサイドメンバが変形して衝撃により生ずるエネルギを吸収し、キャビン内の乗員の生存空間をある程度以上確保する役割を果たすからである。その目的からすると、フロントサイドメンバ102あるいはリアサイドメンバは衝突時に過度に圧縮変形して潰れ過ぎても、左右あるいは上下に蛇腹状に均等に潰れなくても、乗員の生存空間が確保できないことになる。図9の場合を例にとると、前方からの衝突時には、図中矢印で示した衝撃荷重(衝撃により生ずるエネルギ)が、バンパ103を介してフロントサイドメンバ102へと伝達されるわけであるが、フロントサイドメンバ102が過度に潰れ過ぎない限度において均等に潰れれば、衝撃により生ずるエネルギをうまく吸収できる。しかし、フロントサイドメンバ102が潰れ過ぎるか、あるいは均等に潰れないで、そのエネルギをうまく吸収できないと、衝撃荷重(衝撃により生ずるエネルギ)がさらに後方のキャビン104に伝達され、その影響が乗員に及ぶことになる。
このようなことから、フロントサイドメンバ102等の衝撃吸収用部材には、衝撃により生ずるエネルギを吸収する能力の高い部材あるいは衝撃を受けた際に過度に潰れ過ぎない限度において均等に潰れる部材が望まれ、開発が進められてきた。
例えば、特許文献1には、軽金属により閉断面構造に成形した基本メンバとこの基本メンバ内に嵌合し略同じ長さの補強メンバとで二重構造を形成し、補強メンバの圧縮荷重を受ける少なくとも先端部に圧縮変形促進部を設けた車両のサイドメンバが提案されている。
また、特許文献2には、軽金属材料で形成した自動車の車体フレーム構造であって、軸方向についての塑性変形で衝突時の衝撃吸収を行う部材を中空材で形成し、中空材の中心軸を通る面上に中空材の内面に接続するリブを設けた自動車の車体フレーム構造が提案されている。
さらに、特許文献3には、外周部とその外周部に接続する内側のリブを有するアルミニウム合金の中空押出部材からなり、リブと外周部が接続する部位のコーナーRをリブの厚さの1/2以下としたエネルギ吸収部材が提案されている。
この衝撃吸収用部材において求められる性能としては、圧縮変形して衝撃を吸収する際の全吸収エネルギが可能な限り大きいこと、そして、圧縮変形が進行する際に、圧縮変形して衝撃を吸収する部分(以下、クラッシャブルゾーンと称呼する。)と、衝撃吸収用部材の圧縮変形が進行する際に、剛性を確保して(衝撃により圧縮変形するのを抑制して)、乗員の生存を確保する部分(以下、リジッドゾーンと称呼する。)の両方ができることが要求されているが、このようにすれば、衝撃により生ずるエネルギを吸収する能力が高く、過度に潰れることなく均等に潰れる。
一方、この衝撃吸収用部材(衝撃により生ずるエネルギを吸収する部材)についても、昨今、需要家の技術的要求から、軽量化が指向され、高張力鋼板の採用やチューブハイドロフォーミング部材の採用が試みられつつある。
ところで、金属チューブ内部に液圧をかけ、外部に配置した金型に沿わせるように成形する、チューブハイドロフォーミングという成形方法がある。これによって成形されたチューブハイドロフォーミング部材は、プレスした部材をスポット溶接して組み上げた部材に比較して、溶接のためのフランジがない分、軽量化を図れることと、完全な閉断面構造ゆえ、衝撃により生ずるエネルギを吸収する能力が高く、かつ、成形も容易である、等の利点が多い。
しかしながら、チューブハイドロフォーミング部材は、前述のクラッシャブルゾーンとリジッドゾーンとの造り分けが困難であるという問題を抱えている。
この問題を解決するため、例えば、公知技術として、テイラードチューブをハイドロフォーミング用素材に用いることが知られている。
また、通常の電縫鋼管等を用いてチューブハイドロフォーミングし、その後、補強部材を溶接するという方法も知られている。
さらに、チューブハイドロフォーミング部材のうちの、クラッシャブルゾーンにしたい部位が優先的に圧縮変形するように、同部位の外周領域にわたって、長さ方向に波形になるように成形する方法も知られている。
また、特許文献4には、自動車の前側又は後側に、図9のように、衝突時に加わる衝撃荷重の方向とほぼ直交するように取り付けられるバンパ103用のビームであって、その構造上、図9に示すように、左右に延びる断面凹み形状のビード105を有するものが提案されている。
特開平4−310477号公報 特開平11−208519号公報 特開平11−29064号公報 特開2003−104140号公報
しかしながら、テイラードチューブをハイドロフォーミング用素材に用いる方法では、通常の電縫鋼管等を用いてハイドロフォーミングする方法に比べて明らかにコストアップに繋がってしまうという問題がある。
また、通常の電縫鋼管等を用いてチューブハイドロフォーミングし、その後、補強部材を溶接する方法では、特に、内部に補強部材を溶接する必要がある場合に、チューブハイドロフォーミング部材が完全な閉断面構造であるという利点が逆に邪魔をして、溶接の能率が低下するという問題がある。
さらに、クラッシャブルゾーンが優先的に圧縮変形するように、クラッシャブルゾーンの外周全域にわたって、長手方向に波形に成形する方法は、チューブハイドロフォーミング部材を用いて同じことをしようとすると、ハイドロフォーミング用素材(管)のクラッシャブルゾーンにしたい部位に、ハイドロフォーミングに先立ってその外周全域にわたり、波形の形状を形成しておく必要が生じ、この形状特異部分が、ハイドロフォーミング時の軸押し効果を妨げるため、座屈が生じるなど、所望の形状にうまく成形できない場合が出てくるという問題がある。ハイドロフォーミング後に波形の形状特異部分を形成しようとしても、チューブハイドロフォーミング部材すなわちハイドロフォーミング後の部材の形状はもはや円筒状ではないため、1本1本手作業によらざるを得なくなり、これも著しいコストアップに繋がってしまうという問題がある。
また、特許文献4に開示された自動車用バンパビームは、チューブハイドロフォーミングにより形成された管状構造の片側に左右に延びるビードを有する構造をしているが、ビードが延びる方向に衝撃を受けた際に、圧縮変形して衝撃を吸収する構造にはなっておらず、本発明の目的とする意味において衝撃により生ずるエネルギを吸収するものではない。
本発明は上述のような種々の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、軽量でかつ衝撃により生ずるエネルギを多く吸収し、又は、過度に潰れ過ぎない限度において均等に潰れ、軽量で、しかも成形容易で生産性に優れる利点も併せ持つ、自動車車体の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられるサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を提供することにある。
上記諸問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係るサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材は、車体の前側又は後側に使用されるサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材であって、該チューブハイドロフォーミング部材の長手方向の一部に、前記チューブハイドロフォーミング部材の長手方向に延びるビードを、該チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、対向する部位を含む少なくとも2つ以上の部位設けたことを特徴としている。
また、本発明のうち請求項2に係るサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材は、請求項1記載の発明において、前記チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、前記ビードの幅が前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの幅方向の幅に対して16%以上、及び前記ビードの深さが前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの深さ方向の幅に対して8%以上、の2つの条件の少なくともどちらか一方を満たすことを特徴としている。
本発明のうち請求項1に係るサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材によれば、チューブハイドロフォーミング部材の長手方向の一部に、前記チューブハイドロフォーミング部材の長手方向に延びるビードを、該チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、対向する部位を含む少なくとも2つ以上の部位設けたので、軽量でかつ衝撃により生ずるエネルギを多く吸収し、又は、過度に潰れ過ぎない限度において均等に潰れ、軽量で、しかも成形容易で生産性に優れる利点を併せ持つ、自動車車体の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられるサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を提供できる。
また、本発明のうち請求項2に係るサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材によれば、請求項1記載の発明において、前記チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、前記ビードの幅が前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの幅方向の幅に対して16%以上、及び前記ビードの深さが前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの深さ方向の幅に対して8%以上、の2つの条件の少なくともどちらか一方を満たすため、衝撃により生ずるエネルギをより多く吸収できる。
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係るサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)の1−1線に沿う断面図である。図2は各ビードの幅及び深さの測定方法を示す説明図である。図3はサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材の変形例の斜視図である。
図1に示すサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材(以下、単にハイドロフォーミング部材という)1は、図9に示す車体101の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられるサイドメンバ(図9においてはフロントサイドメンバ102のみが示されている)に使用されるものであって、電縫鋼管等の金属管をチューブハイドロフォーミングして成形されたものである。
ハイドロフォーミング部材1は、上壁部4a,下壁部4b及び左壁部5a,右壁部5bで構成され、左右方向の幅W1 及び上下方向の幅W2 の矩形の閉断面構造をしている。ハイドロフォーミング部材1の4つの角部はR形状に成形されている。そして、ハイドロフォーミング部材1は、長手方向に直線的に延びる形状を有し、自動車が何かに衝突した際に、長手方向に圧縮変形して衝撃により生ずるエネルギを吸収するクラッシャブルゾーン2と、剛性を確保して(衝撃により圧縮変形するのを抑制して)、乗員の安全を確保するリジッドゾーン3とを備えている。
そして、リジッドゾーン3の左右壁部5a,5bには、リジッドゾーン3の一端部(ハイドロフォーミング部材1の一開放端部)からほぼリジッドゾーン3の他端部に至るまで長手方向に延びるビード6がそれぞれ形成されている。左右壁部5a,5bのそれぞれに形成されたビード6は、図1(B)に示したように、図1(A)中のチューブハイドロフォーミング部材1の1−1で示した断面で見て、対向する2つの部位に形成されている。ビード6の形状は、互いに内側に突出する凹形状で形成されているが、互いに外側に突出する凸形状でもよい。また、各ビード6の幅W6 は、図2(a)に示すような場合は、角部から角部まで、図2(b)に示すような場合は、曲率の始端部から終端部までとし、ハイドロフォーミング部材1のビード6が形成される各左右壁部5a,5bの幅(上下方向の幅)W2 に対して16%以上100%以下とするのが好ましい。さらに、各ビード6の深さD6 は、図2(c)に示すようにハイドロフォーミング部材表層からビードを形成している凹部の表層までとし、ハイドロフォーミング部材1のビード6が形成される上下壁部4a,4bの幅W1 に対して8%以上とするのが好ましい。なお、対向するビード6同士が干渉しない限度において、上限はとくに規定するものではない。
このような構成のハイドロフォーミング部材1を自動車車体101の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられるサイドメンバとして使用し、クラッシャブルゾーン2の端部側からハイドロフォーミング部材1の長手方向に衝撃が加わると、クラッシャブルゾーン2が圧縮変形し、リジッドーゾーン3は比較的圧縮変形が小さくなる。これにより、衝撃により生ずるエネルギが吸収されるとともにキャビン内の乗員の生存空間と安全も確保できる。
このように、チューブハイドロフォーミングしたハイドロフォーミング部材1を用いて、リジッドゾーン3にしたい長手方向の部位に、ビード6を形成することにより、リジッドゾーン3の剛性が高くなり、補強部材を溶接しなくても、あるいはクラッシャブルゾーン2を長手方向に波形に成形しなくても、クラッシャブルゾーン2とリジッドゾーン3とを造り分けることができる。これにより、軽量でかつ衝撃により生ずるエネルギを多く吸収し、しかも成形容易で生産性に優れる利点も併せ持つ、自動車車体の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられるサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を提供できる。
ここで、ビード6は、ハイドロフォーミング部材1の前出図1(A)に1−1で示した断面で見て、左右壁部5a,5bの対向する部位に形成されているので、このハイドロフォーミング部材1の長手方向に衝撃が加わった際のリジッドゾーン3の剛性は左右ほぼ均等になる。このため、クラッシャブルゾーン2の圧縮変形は左右ほぼ均等に起こる。
この作用をより確実なものとするためには、各ビード6の幅W6 を、ハイドロフォーミング部材1のビード6が形成される各左右壁部5a,5bの幅W2 に対して16%以上、各ビード6の深さD6 を、ハイドロフォーミング部材1のビード6が形成される上下壁部4a,4bの幅W1 に対して8%以上とするのが好ましい。このようにすれば、クラッシャブルゾーン2とリジッドゾーン3の造り分けも容易にできると共に、これらの値が大きいほど、リジッドゾーン3の見かけ上の剛性が大きくなるため、衝撃により生ずるエネルギをより多く吸収することができる。
各ビード6の幅W6 及び深さD6 が、それぞれビード6が形成される各左右壁部5a,5bの幅W2 、各上下壁部4a,4bの幅W1 に対してそれぞれ16%未満、8%未満であると、クラッシャブルゾーンとリジッドゾーンの造り分けは可能なものの、衝撃により生ずるエネルギを吸収する能力が十分でないため、それぞれ16%以上、8%以上とすることが好ましい。これらはその少なくとも片方の条件を満たせばよい。
どちらの条件も満たさないビードを形成すると、わずかではあるが、衝撃により生ずるエネルギを吸収する能力がビードを形成しない場合に比べ、却って低下する傾向がある。ただ、本発明はこのような場合もこれを排除するものではなく、過度に潰れ過ぎない限度において均等に潰れれば、これも発明の範囲内に含む。
また、ハイドロフォーミング部材1は、閉断面構造であれば、断面形状は矩形に限らず、円形、楕円形、あるいは多角形等であってもよい。また、ビード6を形成する位置は、断面で見て、対向する部位を含む少なくとも2つ以上の部位にあればよい。これらの意味からすると、図1(C)に示すように対向する部位の他にもう1つビード6がある場合や、図1(D)に示すように対向する部位が2ペアある場合、あるいは図1(E)に示すように、対向する部位が3つとかそれ以上ある場合でももちろんよい。図1(B)の例では、断面で見て、対向する部位に2つのビード6を形成するようにしてあれば、必ずしも左右壁部5a,5bに形成する必要はなく、上下壁部4a,4bに形成してもよい。ハイドロフォーミング部材1の断面形状が円形、楕円形、あるいは多角形等の場合でも、ビード6を形成する部位は、断面で見て、対向する部位を含む2つ以上の部位にあればよい。図1(E)の例では、壁部の幅W1 、W2 は、図中に示したように定義され、ビードの幅W6 、深さD6 の比率はそれぞれW2 、W1 に対してのそれとする。図中ではW2 =W3 の場合を示すが、W2 ≠W3 の場合、W2 、W3 のうちの長い方をW2 と置き換えて、その比率とする。また、三角形以上の多角形の場合、W1 がその長さに相当する辺に隣接する2つの辺の長さをW2 、W3 と見做して同様にする。
このように、2つ以上のビード6をリジッドゾーン3に形成することにより、衝撃により生ずるエネルギを多く吸収でき、クラッシャブルゾーン2がより均等に圧縮変形するようになり、リジッドゾーン3の圧縮変形を抑制して乗員の生存空間と安全をより確実に確保することができるようになる。
また、各ビード6は、リジッドゾーン3にしたい部位の長手方向に該リジッドゾーン3にしたい部位の一端部(図1(A)の例でいうハイドロフォーミング部材1の一方の開放端部)からほぼ他端部に至るまで延びるようにすればよく、ハイドロフォーミング部材1のもう一方の開放端部まで延びている必要はない。
また、図3(A)に示すように、ハイドロフォーミング部材1は、長手方向に湾曲して延びる形状を有するものであってもよい。あるいは、図3(B)に示すように、ビード6は、ハイドロフォーミング部材1の開放端部にかからないものであってもよい。これらのような場合でも、ハイドロフォーミング部材1のリジッドゾーン3に、長手方向に延びるビード6が、断面で見て、対向する部位を含んで少なくとも2つ以上の部位に形成されるようにする。
試験片として、本発明例に該当する図1(A)、(B)に示す形状のハイドロフォーミング部材1と、比較例に該当する図4に示す形状のサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材11と、比較例に該当する図5に示すハット形の断面形状を有するハット形材21とを用意し、高速圧潰試験機にかけて時速50km/ hの速度でクラッシャブルゾーン側を長手方向に250mm潰したところ、それぞれ図6、図7及び図8に示すように変形した。そして、その際の吸収エネルギ及び潰れずに残った部分の長さを測定した。
本発明例に該当する図1(A)、(B)に示す形状のハイドロフォーミング部材1としては、左右方向の幅W1 を73.5mm、上下方向の幅W2 を73.5mm、板厚tを2mm、角部のRを10mm、長さl1 を450mm、ビードの長さl6 を150mmに固定し、ビードの幅W6 及び深さD6 を表1に示すように変化させて試験を行なった(本発明例1〜5)。
本発明例1の場合はビードの幅W6 が30mmでハイドロフォーミング部材の上下方向の幅W2 73.5mmに対して40%であり、かつ、ビードの深さD6 が15mmでハイドロフォーミング部材の左右方向の幅W1 73.5mmに対して20%であり、請求項2に規定したビード幅及びビード深さの両条件を満たし、請求項1の要件のみならず、請求項2の要件をも満たしている。
本発明例2の場合はビードの幅W6 が12mmでハイドロフォーミング部材の上下方向の幅W2 73.5mmに対して16%であり、かつ、ビードの深さD6 が6mmでハイドロフォーミング部材の左右方向の幅W1 73.5mmに対して8%であり、請求項2に規定したビード幅及びビード深さの両条件を満たし、請求項1の要件のみならず、請求項2の要件をも満たしている。
本発明例3の場合はビードの幅W6 が12mmでハイドロフォーミング部材の上下方向の幅W2 73.5mmに対して16%であり、ビードの深さD6 が5mmでハイドロフォーミング部材の左右方向の幅W1 73.5mmに対して7%であり、請求項2に規定し たビードの深さの条件の方を満たしていないが、ビードの幅の条件の方を満たしているため、請求項2の要件を満たしていると言える。
本発明例4の場合はビードの幅W6 が10mmでハイドロフォーミング部材の上下方向の幅W2 73.5mmに対して13%であり、ビードの深さD6 が6mmでハイドロフォーミング部材の左右方向の幅W1 73.5mmに対して8%であり、請求項2に規定したビード幅の条件を満たしていないが、ビードの深さの条件の方を満たしているため、請求項2の要件を満たしていると言える。
本発明例5の場合はビードの幅W6 が10mmでハイドロフォーミング部材の上下方向の幅W2 73.5mmに対して13%であり、ビードの深さD6 が5mmでハイドロフォーミング部材の左右方向の幅W1 73.5mmに対して7%であり、請求項2に規定したビードの幅及び深さの両条件のいずれも満たしていないため、請求項1の要件だけを満たしていると言える。
次に、比較例の方であるが、図1(A)、(B)に示す形状の本発明例1のハイドロフォーミング部材1に対して、1つのビード6のみを壁部に形成した点だけが相違するものを比較例1とした。
また、図4に示すハイドロフォーミング部材11を比較例2とした。ハイドロフォーミング部材11は、電縫鋼管等の金属管をチューブハイドロフォーミングして成形されるものであり、上下壁部14a,14b及び左右壁部15a,15bで構成され、左右方向の幅W11及び上下方向の幅W21の矩形の閉断面構造をしており、長手方向に直線的に延びる形状をしている。但し、図1(A)、(B)に示す本発明例1のハイドロフォーミング部材1と異なり、ビードは形成されていない。試験片の各寸法は、左右方向の幅W11を73.5mm、上下方向の幅W21を73.5mm、角部のRを10mm、板厚tを2mm、長さl11を450mmとした。
さらに、図5に示すハット形部材21を比較例3とした。ハット形部材21は、長手方向に延びる頂壁部22aと、頂壁部22aの両側部からR形状の角部を介して下に延びる1対の側壁部22b、22cと、側壁部22b、22cのそれぞれからR形状の角部を介して外方に延びるフランジ部22d、22eとを備えた断面ハット形の本体と、この本体のフランジ部22d、22eの下面にスポット溶接により接合された底壁部23とを備えて構成されている。底壁部23を除いた本体の側はプレス成形により成形される。試験片の各寸法は、頂壁部22aの幅W21を73.5mm,フランジ部22d、22eの幅W22d 、W22e を13mm、頂壁部22aの両側部の角部のR1 を6mm、側壁部22b、22cの下端部のR2 を6mm、側壁部22b、22cの上下方向の幅W22を73.5mm、本体の板厚t22を2mm、底壁部23の板厚t23を0.8mm、長さl21を450mmとした。
表1に試験結果である吸収エネルギ及び潰れずに残った部分の長さを示す。
Figure 2005104335
表1からわかるように、少なくとも2つ以上のビードを形成した請求項1の要件を満たす本発明例1〜5のハイドロフォーミング部材の重量は、1.7kgであり、比較例3のハット形部材の重量1.8kgに比べて軽量化が図れている。
また、少なくとも2つ以上のビードを形成した請求項1の要件を満たす本発明例1〜5のハイドロフォーミング部材の吸収エネルギは、本発明例1の場合が31402J、本発明例2の場合が29641J、本発明例3の場合が29635J、本発明例4の場合が29630J、本発明例5の場合が29599Jであり、いずれも比較例3のハット形部材の吸収エネルギ22310Jよりも高くなっている。
また、請求項2の要件も満たす本発明例1〜4のハイドロフォーミング部材の吸収エネルギは、29630J以上であり、ビードを1つ形成した比較例1のハイドロフォーミング部材の吸収エネルギ29186J、ビードを形成しない比較例2のハイドロフォーミング部材の吸収エネルギ29630Jと同等かあるいは大きくなっている。
更に、少なくとも2つ以上のビードを形成した請求項1の要件を満たす本発明例1〜5のハイドロフォーミング部材における潰れずに残った部分の長さは、本発明例1の場合が開放端部側から見て左134mm、右138mm、本発明例2の場合が左129mm、右128mm、本発明例3の場合が左127mm、右132mm、本発明例4の場合が左128mm、右107mm、本発明例5の場合が左125mm、右100mmであり、いずれも、比較例1の場合の左53mm、右99mm、比較例2の場合の左77mm、右75mm、比較例3の場合の左3mm、右5mmよりもはるかに長い。本発明例5は、ビードを形成しない比較例2に比べ、わずかに吸収エネルギが小さいが、比較例1に比べ、潰れずに残った部分の長さやその左右の差はずっと小さい。以上のことから、本発明例1〜5はどれも、乗員の安全をより確実に確保でき、衝突安全性に優れていると言える。
本発明の一実施形態に係るサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)の1−1線に沿う断面図である。(C)、(D)、(E)は本発明の別の実施形態である。 各ビードの幅及び深さの測定方法を示す説明図である。 サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材の変形例の斜視図である。 比較例として示したサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)の2−2線に沿う断面図である。 比較例として示したハット形部材を示し、(A)は斜視図、(B)は(A)の3−3線に沿う断面図である。 図1(A)、(B)に示すサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を高速圧潰試験機にかけて時速50km/ hの速度でクラッシャブルゾーン側を長手方向に250mm潰した際の潰れ状況を示す図である。 図4に示すサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を高速圧潰試験機にかけて時速50km/ hの速度で長手方向に250mm潰した際の潰れ状況を示す図である。 図5に示すハット形部材を高速圧潰試験機にかけて時速50km/ hの速度で長手方向に250mm潰した際の潰れ状況を示す図である。 自動車車体の前部のフレーム構造の概略図である。 従来技術に係る自動車用バンパビームの構造の概略図である。
符号の説明
1 サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材(ハイドロフォーミング部材)
2 クラッシャブルゾーン
3 リジッドゾーン
4a 上壁部
4b 下壁部
5a 左壁部
5b 右壁部
6 ビード
11 サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材
12 クラッシャブルゾーン
13 リジッドゾーン
14a 上壁部
14b 下壁部
15a 左壁部
15b 右壁部
21 ハット形部材
22a 頂壁部
22b,22c 側壁部
22d,22e フランジ部
23 底壁部

Claims (2)

  1. 車体の前側又は後側に使用されるサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材であって、
    該チューブハイドロフォーミング部材の長手方向の一部に、前記チューブハイドロフォーミング部材の長手方向に延びるビードを、該チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、対向する部位を含む少なくとも2つ以上の部位設けたことを特徴とするサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材。
  2. 前記チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、前記ビードの幅が前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの幅方向の幅に対して16%以上、及び前記ビードの深さが前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの深さ方向の幅に対して8%以上、の2つの条件の少なくともどちらか一方を満たすことを特徴とする請求項1記載のサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材。
JP2003341352A 2003-09-30 2003-09-30 サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材 Pending JP2005104335A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003341352A JP2005104335A (ja) 2003-09-30 2003-09-30 サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003341352A JP2005104335A (ja) 2003-09-30 2003-09-30 サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005104335A true JP2005104335A (ja) 2005-04-21

Family

ID=34535975

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003341352A Pending JP2005104335A (ja) 2003-09-30 2003-09-30 サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005104335A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2915451A1 (fr) * 2007-04-26 2008-10-31 Vallourec Vitry Prolonge avec appui perfectionne.
JP2008284931A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Nippon Steel Corp 金属製中空柱状部材及びその製造方法
JP2009168115A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Toyota Motor Corp 衝撃吸収部材
JP2010089576A (ja) * 2008-10-06 2010-04-22 Nissan Motor Co Ltd 車体メンバ構造
JP2020082858A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 三菱自動車工業株式会社 サイドメンバユニット
CN115257931A (zh) * 2022-07-14 2022-11-01 一汽奔腾轿车有限公司 一种电动车副车架集成式十字型内高压成形吸能盒结构

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2915451A1 (fr) * 2007-04-26 2008-10-31 Vallourec Vitry Prolonge avec appui perfectionne.
WO2008145863A3 (fr) * 2007-04-26 2009-02-19 Arcelormittal Tubular Products Prolonge avec appui perfectionné
US8262151B2 (en) 2007-04-26 2012-09-11 Arcelormittal Tubular Products Vitry Extension with improved support
JP2008284931A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Nippon Steel Corp 金属製中空柱状部材及びその製造方法
JP2009168115A (ja) * 2008-01-15 2009-07-30 Toyota Motor Corp 衝撃吸収部材
JP2010089576A (ja) * 2008-10-06 2010-04-22 Nissan Motor Co Ltd 車体メンバ構造
JP2020082858A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 三菱自動車工業株式会社 サイドメンバユニット
JP7161142B2 (ja) 2018-11-19 2022-10-26 三菱自動車工業株式会社 サイドメンバユニット
CN115257931A (zh) * 2022-07-14 2022-11-01 一汽奔腾轿车有限公司 一种电动车副车架集成式十字型内高压成形吸能盒结构
CN115257931B (zh) * 2022-07-14 2024-05-10 一汽奔腾轿车有限公司 一种电动车副车架集成式十字型内高压成形吸能盒结构

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3912422B2 (ja) クラッシュボックス
US7677617B2 (en) Efficient joint for vehicle energy-absorbing device
WO2016148057A1 (ja) 車体構造
JP5168023B2 (ja) バンパーリインフォースメントおよびその製造方法
JP4648047B2 (ja) 自動車パネル構造体
JP2006527338A (ja) 塑性変形により特定の衝撃を吸収する働きをする車両構造要素
JP6176468B2 (ja) 自動車の車体構造
JP5177397B2 (ja) バンパー構造体
JP2012521922A (ja) 側面衝撃保護用の変形可能クロスカービーム
JP2006232042A (ja) 車両の前部構造
WO2020085381A1 (ja) 自動車骨格部材および電気自動車
JP2008155749A (ja) 衝撃吸収部材及びその製造方法
JP6540591B2 (ja) 車体側部構造
JP5235007B2 (ja) クラッシュボックス
WO2013168378A1 (ja) 自動車ドア補強部材
JP2008094309A (ja) 車両用車枠の衝撃吸収構造
JP5106073B2 (ja) 自動車用バンパー補強材
JP4834353B2 (ja) 車両用エネルギ吸収ビーム及び車両用ドア構造
JP2006248461A (ja) 自動車パネル構造体
KR102558628B1 (ko) 차량용 구조 부재
JP2005104335A (ja) サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材
JP5056643B2 (ja) バンパーリインフォースメントおよびその製造方法
JP7376835B2 (ja) 自動車車体の構造部材
JP6565291B2 (ja) 衝撃吸収部材、車体および衝撃吸収方法
JP5237252B2 (ja) 自動車のバンパー構造体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20060920

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090312

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20090324

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20090522

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090721