JP2005104335A - サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材1は、車体101の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられる。チューブハイドロフォーミング部材1の長手方向の一部には、該チューブハイドロフォーミング部材1の長手方向に延びるビード6が、該チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、対向する部位を含む少なくとも2つ以上の部位に設けられている。
【選択図】 図1
Description
例えば、特許文献1には、軽金属により閉断面構造に成形した基本メンバとこの基本メンバ内に嵌合し略同じ長さの補強メンバとで二重構造を形成し、補強メンバの圧縮荷重を受ける少なくとも先端部に圧縮変形促進部を設けた車両のサイドメンバが提案されている。
さらに、特許文献3には、外周部とその外周部に接続する内側のリブを有するアルミニウム合金の中空押出部材からなり、リブと外周部が接続する部位のコーナーRをリブの厚さの1/2以下としたエネルギ吸収部材が提案されている。
ところで、金属チューブ内部に液圧をかけ、外部に配置した金型に沿わせるように成形する、チューブハイドロフォーミングという成形方法がある。これによって成形されたチューブハイドロフォーミング部材は、プレスした部材をスポット溶接して組み上げた部材に比較して、溶接のためのフランジがない分、軽量化を図れることと、完全な閉断面構造ゆえ、衝撃により生ずるエネルギを吸収する能力が高く、かつ、成形も容易である、等の利点が多い。
この問題を解決するため、例えば、公知技術として、テイラードチューブをハイドロフォーミング用素材に用いることが知られている。
また、通常の電縫鋼管等を用いてチューブハイドロフォーミングし、その後、補強部材を溶接するという方法も知られている。
また、特許文献4には、自動車の前側又は後側に、図9のように、衝突時に加わる衝撃荷重の方向とほぼ直交するように取り付けられるバンパ103用のビームであって、その構造上、図9に示すように、左右に延びる断面凹み形状のビード105を有するものが提案されている。
また、通常の電縫鋼管等を用いてチューブハイドロフォーミングし、その後、補強部材を溶接する方法では、特に、内部に補強部材を溶接する必要がある場合に、チューブハイドロフォーミング部材が完全な閉断面構造であるという利点が逆に邪魔をして、溶接の能率が低下するという問題がある。
本発明は上述のような種々の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、軽量でかつ衝撃により生ずるエネルギを多く吸収し、又は、過度に潰れ過ぎない限度において均等に潰れ、軽量で、しかも成形容易で生産性に優れる利点も併せ持つ、自動車車体の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられるサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材を提供することにある。
また、本発明のうち請求項2に係るサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材は、請求項1記載の発明において、前記チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、前記ビードの幅が前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの幅方向の幅に対して16%以上、及び前記ビードの深さが前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの深さ方向の幅に対して8%以上、の2つの条件の少なくともどちらか一方を満たすことを特徴としている。
図1に示すサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材(以下、単にハイドロフォーミング部材という)1は、図9に示す車体101の前部の両サイド又は後部の両サイドに用いられるサイドメンバ(図9においてはフロントサイドメンバ102のみが示されている)に使用されるものであって、電縫鋼管等の金属管をチューブハイドロフォーミングして成形されたものである。
この作用をより確実なものとするためには、各ビード6の幅W6 を、ハイドロフォーミング部材1のビード6が形成される各左右壁部5a,5bの幅W2 に対して16%以上、各ビード6の深さD6 を、ハイドロフォーミング部材1のビード6が形成される上下壁部4a,4bの幅W1 に対して8%以上とするのが好ましい。このようにすれば、クラッシャブルゾーン2とリジッドゾーン3の造り分けも容易にできると共に、これらの値が大きいほど、リジッドゾーン3の見かけ上の剛性が大きくなるため、衝撃により生ずるエネルギをより多く吸収することができる。
どちらの条件も満たさないビードを形成すると、わずかではあるが、衝撃により生ずるエネルギを吸収する能力がビードを形成しない場合に比べ、却って低下する傾向がある。ただ、本発明はこのような場合もこれを排除するものではなく、過度に潰れ過ぎない限度において均等に潰れれば、これも発明の範囲内に含む。
また、各ビード6は、リジッドゾーン3にしたい部位の長手方向に該リジッドゾーン3にしたい部位の一端部(図1(A)の例でいうハイドロフォーミング部材1の一方の開放端部)からほぼ他端部に至るまで延びるようにすればよく、ハイドロフォーミング部材1のもう一方の開放端部まで延びている必要はない。
本発明例1の場合はビードの幅W6 が30mmでハイドロフォーミング部材の上下方向の幅W2 73.5mmに対して40%であり、かつ、ビードの深さD6 が15mmでハイドロフォーミング部材の左右方向の幅W1 73.5mmに対して20%であり、請求項2に規定したビード幅及びビード深さの両条件を満たし、請求項1の要件のみならず、請求項2の要件をも満たしている。
本発明例3の場合はビードの幅W6 が12mmでハイドロフォーミング部材の上下方向の幅W2 73.5mmに対して16%であり、ビードの深さD6 が5mmでハイドロフォーミング部材の左右方向の幅W1 73.5mmに対して7%であり、請求項2に規定し たビードの深さの条件の方を満たしていないが、ビードの幅の条件の方を満たしているため、請求項2の要件を満たしていると言える。
本発明例5の場合はビードの幅W6 が10mmでハイドロフォーミング部材の上下方向の幅W2 73.5mmに対して13%であり、ビードの深さD6 が5mmでハイドロフォーミング部材の左右方向の幅W1 73.5mmに対して7%であり、請求項2に規定したビードの幅及び深さの両条件のいずれも満たしていないため、請求項1の要件だけを満たしていると言える。
また、図4に示すハイドロフォーミング部材11を比較例2とした。ハイドロフォーミング部材11は、電縫鋼管等の金属管をチューブハイドロフォーミングして成形されるものであり、上下壁部14a,14b及び左右壁部15a,15bで構成され、左右方向の幅W11及び上下方向の幅W21の矩形の閉断面構造をしており、長手方向に直線的に延びる形状をしている。但し、図1(A)、(B)に示す本発明例1のハイドロフォーミング部材1と異なり、ビードは形成されていない。試験片の各寸法は、左右方向の幅W11を73.5mm、上下方向の幅W21を73.5mm、角部のRを10mm、板厚tを2mm、長さl11を450mmとした。
表1に試験結果である吸収エネルギ及び潰れずに残った部分の長さを示す。
また、少なくとも2つ以上のビードを形成した請求項1の要件を満たす本発明例1〜5のハイドロフォーミング部材の吸収エネルギは、本発明例1の場合が31402J、本発明例2の場合が29641J、本発明例3の場合が29635J、本発明例4の場合が29630J、本発明例5の場合が29599Jであり、いずれも比較例3のハット形部材の吸収エネルギ22310Jよりも高くなっている。
2 クラッシャブルゾーン
3 リジッドゾーン
4a 上壁部
4b 下壁部
5a 左壁部
5b 右壁部
6 ビード
11 サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材
12 クラッシャブルゾーン
13 リジッドゾーン
14a 上壁部
14b 下壁部
15a 左壁部
15b 右壁部
21 ハット形部材
22a 頂壁部
22b,22c 側壁部
22d,22e フランジ部
23 底壁部
Claims (2)
- 車体の前側又は後側に使用されるサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材であって、
該チューブハイドロフォーミング部材の長手方向の一部に、前記チューブハイドロフォーミング部材の長手方向に延びるビードを、該チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、対向する部位を含む少なくとも2つ以上の部位設けたことを特徴とするサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材。 - 前記チューブハイドロフォーミング部材の断面で見て、前記ビードの幅が前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの幅方向の幅に対して16%以上、及び前記ビードの深さが前記ビードが形成される部位の前記チューブハイドロフォーミング部材の前記ビードの深さ方向の幅に対して8%以上、の2つの条件の少なくともどちらか一方を満たすことを特徴とする請求項1記載のサイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材。
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JP2003341352A JP2005104335A (ja) | 2003-09-30 | 2003-09-30 | サイドメンバ用チューブハイドロフォーミング部材 |
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2003
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