JP4598170B2 - 刺繍機 - Google Patents

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JP4598170B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば刺繍布等に多色の刺繍柄を形成するのに好適に用いられる刺繍機に関し、特に、針棒および布押えをそれぞれ上死点位置等に保持するための保持機構を備えてなる刺繍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、刺繍データ等に従って刺繍機の主軸等を駆動制御することにより、多数色の上糸(刺繍糸)を用いて布等の刺繍対象物に多数色の刺繍柄を実現するようにした刺繍機は知られている。
【0003】
そして、この種の従来技術による刺繍機は、主軸を回転駆動する駆動源を備えた刺繍機本体と、該刺繍機本体に設けられ前記主軸の回転により駆動される駆動部を有したヘッド部と、該ヘッド部に往復動可能に設けられ該ヘッド部の駆動部により上,下に駆動される複数の針棒と、該各針棒の先端側にそれぞれ取付けられ上糸(刺繍糸)が挿通される複数のミシン針と、該各ミシン針に上糸を供給するため前記各上糸をそれぞれ巻回状態で収納した上糸収納部と、該上糸収納部からミシン針に供給する上糸の送出しと糸締めを行うため各ミシン針に対応して前記ヘッド部に設けられ前記駆動部により上,下に揺動される複数の天秤等とから構成されている。
【0004】
また、刺繍機のヘッド部には、刺繍データに従って複数の天秤と針棒のうちいずれか1つの天秤と針棒を選択的に駆動するための色替え機構と、前記複数の針棒のうち該色替え機構で選択された針棒が主軸の回転に従って駆動されるのを許し、選択されていない針棒を上死点位置等に停止させた状態で保持する針棒保持機構とが設けられている。
【0005】
そして、従来技術による針棒保持機構は、前記各針棒を相対移動可能に支持し前記色替え機構によりヘッド部の左,右方向に各針棒と共に移動される針棒ケースと、該針棒ケースと各針棒との間にそれぞれ設けられ各針棒を個別に上死点位置に付勢する複数の針棒ばねとから構成されている。
【0006】
この場合、前記色替え機構で選択された針棒は、ヘッド部に設けた駆動部の位置に針棒ケースと共に移動され、この駆動部に自動的に係合することにより、主軸の回転に従って上,下に往復動するように駆動される。この間、針棒ばねは、針棒の往復動に伴って圧縮変形され、当該針棒を上死点位置に向けて常に付勢し続けるものである。また、色替え機構で選択されていない残りの各針棒は、それぞれの針棒ばねで付勢されることにより上死点位置に停止したまま保持される。
【0007】
また、刺繍機のヘッド部には、前記各針棒とほぼ平行に延び色替え機構で選択されることにより刺繍対象の布等を刺繍機の基台側に押付ける複数の布押えと、該各布押えのうち色替え機構で選択された布押えが主軸の回転に従って駆動されるのを許し、選択されていない各布押えを上死点位置に保持する布押え保持機構とが設けられている。
【0008】
そして、この場合の布押え保持機構も、前記針棒ケースと各布押えとの間にそれぞれ設けられた布押えばね等からなり、該布押えばねは、それそれの布押えを個別に上死点位置に向けて付勢し続ける構成となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術による針棒保持機構は、針棒ばねを用いてそれぞれの針棒を上死点位置に付勢する構成としているので、色替え機構で選択した針棒をヘッド部の駆動部により主軸の回転に従って上,下に往復動させる間、針棒ばねが針棒の往復動に伴って圧縮変形を繰返すことになる。
【0010】
このため、刺繍機の主軸は、針棒ばねの付勢力に抗して針棒を下死点側に駆動するときに大きな負荷トルクを受け、逆に針棒を上死点側に持上げるときには針棒ばねの付勢力が同方向に作用し、無負荷に近い状態で回転されることになる。これによって、主軸モータは1回転当たりのトルク変動が大きくなり、モータの耐久性、寿命が低下するという問題がある。
【0011】
また、主軸モータのトルク変動により主軸が1回転間に速度変化も生じることになり、このような速度変化によって、刺繍機の振動が増大するばかりでなく、糸切れ等の発生原因になるという問題がある。
【0012】
一方、布押え保持機構についても、布押えばねを用いてそれぞれの布押えを上死点位置に付勢し続ける構成であるため、前記針棒ばねと同様に主軸モータの耐久性、寿命を低下させ、刺繍機の振動、糸切れ等の発生原因になるという問題がある。
【0013】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、針棒保持機構により主軸モータに余分な負荷を与えるのを防止でき、モータの耐久性、寿命を向上できると共に、機械の振動や糸切れの発生を低減することができるようにした刺繍機を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、布押え保持機構により主軸モータに余分な負荷を与えるのを防止でき、これによってもモータの耐久性、寿命を向上させ、振動や糸切れの発生を低減できるようにした刺繍機を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、多色刺繍を行うため複数の針棒がミシン針と共に設けられたヘッド部と、前記複数の針棒のうちいずれか1つの針棒をミシン針と一緒に選択的に駆動するため該ヘッド部に設けられた色替え機構と、前記複数の針棒のうち該色替え機構で選択された針棒が主軸の回転に従って駆動されるのを許し、選択されていない針棒を予め決められた所定位置に停止状態で保持する針棒保持機構とを備えてなる刺繍機に適用される。
【0016】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記針棒保持機構は、前記複数の針棒側にそれぞれ設けられた係合部と、前記ヘッド部側に設けられ該各係合部にそれぞれ係合して前記各針棒を所定位置に係留する針棒側係留手段と、前記ヘッド部側に設けられ前記各針棒のうち前記色替え機構で選択された針棒の係合部と該針棒側係留手段との係合を解除する針棒側係合解除手段とにより構成し、前記ヘッド部には、前記各針棒と平行に延び前記色替え機構で選択されることにより刺繍対象物を刺繍機の基台側に押付ける複数の布押えと、該複数の布押えのうち前記色替え機構で選択された布押えが主軸の回転に従って駆動されるのを許し、選択されていない布押えを予め決められた所定位置に停止状態で保持する布押え保持機構とを設け、前記布押え保持機構は、前記複数の布押え側にそれぞれ設けられた係合部と、前記ヘッド部側に設けられ該各係合部にそれぞれ係合して前記各布押えを所定位置に係留する布押え側係留手段と、前記ヘッド部側に設けられ前記各布押えのうち前記色替え機構で選択された布押えの係合部と該布押え側係留手段との係合を解除する布押え側係合解除手段とにより構成し、前記針棒側係留手段と前記布押え側係留手段とは同一の部材を用いて構成し、前記針棒側係合解除手段と前記布押え側係合解除手段とは単一の係合解除手段として構成したことにある。
【0017】
このように構成することにより、複数の針棒のうち色替え機構で選択された針棒は、針棒側係留手段との係合が前記係合解除手段で解除されるため、主軸の回転に伴って上,下に駆動されるようになり、刺繍布等の刺繍対象物に向けてミシン針を運針させ、色替え機構で選択された上糸による縫製、刺繍作業を行うことができる。また、色替え機構で選択されていない残りの針棒は、それぞれの係合部に前記係留手段が係合することにより、例えば針棒上死点等の所定位置で停止状態に保持される。そして、これらの各針棒のうちいずれか1つの針棒が色替え機構で選択されるときには、選択された針棒と針棒側係留手段との係合が前記係合解除手段により解除されるため、当該針棒を針棒駆動部等によって上,下に駆動することができる。
また、複数の布押えについても、色替え機構で選択された布押えは、布押え側係留手段との係合が前記係合解除手段で解除されるため、主軸の回転に伴って上,下に駆動されるようになり、ミシン針の運針時に刺繍布等の刺繍対象物を基台側へと押付ける布押え動作を自動的に行うことができる。また、色替え機構で選択されていない残りの布押えは、それぞれの係合部に布押え側係留手段が係合することにより、例えば布押え上死点等の所定位置に停止したままの状態で保持される。さらに、針棒側係留手段と布押え側係留手段とは同一の部材を用いて構成することができ、針棒側係合解除手段と布押え側係合解除手段とは単一の係合解除手段として構成している。これにより、同一の係留手段を用いて針棒と布押えとをそれぞれ上死点等の所定位置に保持でき、単一の係合解除手段を用いて針棒、布押えと前記係留手段との係合解除を行うことができる。
【0018】
また、請求項2の発明によると、ヘッド部は、主軸により駆動される針棒駆動部が設けられたヘッド本体と、該ヘッド本体に対し各針棒および各布押えを相対移動可能に支持し色替え機構により各針棒および各布押えと共に移動される針棒ケースとからなり、前記針棒係留手段と布押え側係留手段とは該針棒ケース側に設け、前記係合解除手段は前記ヘッド本体側に設ける構成としている。
【0019】
これにより、ヘッド部の針棒ケースに設けた針棒側係留手段と布押え側係留手段とは、色替え機構を用いて針棒ケースをヘッド本体に対し、例えば左,右方向に移動するときに針棒ケースと一緒に左,右方向に移動される。そして、ヘッド本体側に設けた係合解除手段は、色替え機構で針棒ケースが針棒側係留手段および布押え側係留手段と共に左,右方向に移動されるに伴い、選択された針棒および布押え前記係留手段との係合を解除するように動作し、当該針棒および布押えがそれぞれの駆動部により上,下動されるのを許すことができる。
【0020】
また、請求項3の発明によると、針棒側係留手段と布押え側係留手段とは、針棒ケースに設けられ複数の針棒と布押えを横切る方向に延びた係合子ホルダと、該係合子ホルダに移動可能に取付けられ前記各針棒の係合部にそれぞれ係脱可能に係合する部位と前記各布押えの係合部にそれぞれ係脱可能に係合する他の部位とを有した複数の係合子と、該各係合子と係合子ホルダとの間に設けられ該各係合子を係合位置に向けて個別に付勢する付勢部材とにより構成し、前記係合解除手段は、前記各係合子のうち色替え機構で選択された針棒に対応する係合子を前記付勢部材に抗して係合解除位置に変位させるガイド部材により構成している。
【0021】
これにより、針棒側係留手段と布押え側係留手段の係合子ホルダは複数の係合子をそれぞれ移動可能に支持でき、各係合子を針棒と布押えとにそれぞれ係合させることによって、これらの針棒と布押えとを所定位置に保持することができる。そして、色替え機構で選択された針棒と布押えについては、対応する係合子がヘッド本体側のガイド手段により付勢部材に抗して変位されるため、これに伴って該係合子と針棒および布押えとの係合を自動的に解除でき、それぞれの駆動部により針棒と布押えとを上,下に駆動することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態による刺繍機を、多頭式刺繍機に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
【0026】
ここで、図1ないし図17は本発明の第1の実施の形態を示している。図中、1は刺繍機本体を構成する基台を示し、該基台1上には、左,右に離間して側枠2,3が立設され、これらの側枠2,3間には左,右方向に延びるヘッド支持体4が固定して設けられている。
【0027】
5,5,…はヘッド支持体4の前部側に設けられた刺繍機のヘッド部で、これらのヘッド部5は基台1上に合計3個設けられ、例えば3頭式のミシンヘッドを構成している。なお、これは1つの例を示すもので、基台1上には3頭以上、例えば15頭に及ぶヘッド部5等が設けられる機種もある。
【0028】
そして、これらのヘッド部5は、図2に示す如くヘッド本体6と、該ヘッド本体6の前面側に設けられ、ヘッド本体6に対して左,右(図1中の矢示A,B方向)に移動可能となった針棒ケース7と、該針棒ケース7上に設けられ、後述の色替え機構11により針棒ケース7と一体に左,右方向に移動される糸調子台8等とにより構成されている。
【0029】
また、針棒ケース7の上部側には、図3ないし図5に示すように左,右に離間した一対の枠体からなる天秤支持枠7A,7Aが設けられ、該各天秤支持枠7Aは後述の各天秤17を左,右両側から挟むことにより各天秤17を外部の障害物等から保護するものである。そして、各天秤支持枠7Aには後述する天秤支持軸18の両端側が嵌合等の手段を用いて取付られている。
【0030】
また、針棒ケース7には、図5に示す如く後述の各針棒19を支持するため、上,下に離間してそれぞれ左,右方向に延びる支持部7B,7Cが設けられている。そして、該支持部7B,7Cには、各針棒19がそれぞれ個別に挿嵌される摺動穴(いずれも図示せず)が左,右方向に一定の間隔(図11に示す間隔Wに対応する)をもって穿設されている。これにより、支持部7B,7Cは各針棒19を上,下方向に摺動可能に支持するものである。
【0031】
一方、各ヘッド部5のヘッド本体6には、図1に示す主軸モータ9により主軸10を介して駆動される後述のセクタギヤ46(天秤駆動部)、針棒駆動部28および布押え駆動部38が設けられ、これらの駆動部により後述の天秤17、針棒19および布押え22がそれぞれ上,下に駆動される。また、ヘッド本体6の前端側には後述のガイドプレート55等が設けられている。
【0032】
11はヘッド本体6の上側に設けられた色替え機構で、該色替え機構11は、図2、図4に示す如くヘッド本体6の上側に配設され、針棒ケース7と糸調子台8とを一体に左,右(図1中の矢示A,B方向)へと移動させることにより、後述の色替え動作を行うものである。
【0033】
なお、色替え機構11は、図1に示す3個のヘッド部5,5,…のうち、例えば最右側に位置するヘッド部5のみに設けられている。そして、各ヘッド部5の針棒ケース7は、後述の連結ロッド57により互いに連結され、これによって各針棒ケース7が図1中の矢示A,B方向へと一体に移動されるものである。
【0034】
12はヘッド支持体4の後側に配設された上糸収納部となる糸立て台で、該糸立て台12には、図2に示すように複数の上糸ボビン12A,12B,12C,…等が設けられ、これらの上糸ボビン12A,12B,12C,…には、例えば赤、青、黄、白、黒色等の複数色の上糸(以下、刺繍糸Sという)等が巻回されている。
【0035】
そして、刺繍作業時には、これらの上糸ボビン12A,12B,12C,…から色替え機構11により選択された刺繍糸Sが、後述の天秤17等を用いて引出され、刺繍布等の刺繍対象物(図示せず)に対する刺繍が行われるものである。
【0036】
13,13,…はヘッド部5の糸調子台8に設けられた糸張り器で、これらの糸張り器13は、図3に示すように糸調子台8の上部側に互いに間隔をもって、例えば合計9個配設されている。14,14,…は各糸張り器13の下側に位置して糸調子台8に設けられた、例えば9個の糸調子を示している。
【0037】
そして、糸立て台12の上糸ボビン12A,12B,12C等から引出された刺繍糸Sは、それぞれ糸張り器13を介して各糸調子14へと導かれ、この糸調子14により天秤17側に向けて低摩擦給糸されるものである。この場合に、糸調子14は、例えば10〜50g程度の張力を刺繍糸Sに与え、後述のミシン針21等により刺繍糸Sがこの張力を越えて引っ張られるときに、天秤17側に向けて刺繍糸Sが給糸されるのを許す構成となっている。
【0038】
15は糸調子14よりも下側に位置して糸調子台8に設けられた糸ガイドで、該糸ガイド15は、糸調子台8の下端側に沿って左,右方向に延びる板状金具からなり、例えば合計9個の糸挿通孔(図示せず)が左,右に間隔をもって列設されている。そして、糸ガイド15の各糸挿通孔には糸調子14と天秤17との間でそれぞれ刺繍糸Sが1本ずつ挿通されている。
【0039】
16は天秤17よりも下側に位置して針棒ケース7の前面側に設けられた他の糸ガイドで、該糸ガイド16は、針棒ケース7の幅方向(左,右方向)に延びる板状金具からなり、例えば合計9個の糸挿通部16A(図5に1個のみ図示)が糸ガイド15の各糸挿通孔とほぼ同様に列設されている。
【0040】
また、糸ガイド16には、図5に示すように各糸挿通部16Aに対応して糸掛け部16Bが合計9個設けられている。そして、上側の糸ガイド15から導かれる各刺繍糸Sは、糸ガイド16の糸掛け部16Bに挿通した後に、後述する天秤17の糸挿通孔17Cに向けて引き回し、この糸挿通孔17Cから糸ガイド16の糸挿通部16Aを通してミシン針21側へと導かれるものである。
【0041】
17,17,…はヘッド部5の針棒ケース7から前面側に突出して設けられた天秤で、これらの天秤17は、図3ないし図5に示す如く針棒ケース7内に左,右に並行に配置した状態で合計9個配設され、天秤支持軸18により回動可能に支持されている。そして、該天秤支持軸18は両端側が針棒ケース7の各天秤支持枠7Aに嵌合等の手段を用いて取付けられている。
【0042】
また、天秤17の基端側には、図5に示す如く円形の歯車からなる天秤ギヤ17Aと、後述の天秤保持ばね47と係合する係合突起17Bとが設けられている。そして、天秤17は、天秤ギヤ17Aが後述のセクタギヤ46に噛合することにより、主軸10の回転に従って上,下に揺動されるものである。
【0043】
一方、天秤17の先端(突出端)側には糸挿通孔17Cが穿設され、該糸挿通孔17Cには刺繍糸Sが挿通されている。そして、この状態で天秤17は、上死点から下死点へと下向きに駆動されるときに、ミシン針21との間で刺繍糸Sに僅かなたるみを与え、刺繍糸Sをミシン針21側に給糸させる。
【0044】
また、天秤17は上向きに駆動されるときに、ミシン針21により刺繍布等に形成した縫い目(いずれも図示せず)と糸調子14等との間で刺繍糸Sを引っ張り上げるようにして刺繍糸Sに張力を与え、前記縫い目の糸締めと刺繍糸Sの繰り出しとを行うものである。
【0045】
19,19,…は天秤17の下側に位置して針棒ケース7内に設けられた例えば9個の針棒で、これらの針棒19は、図5に示す如く針棒ケース7の支持部7B,7Cにより上,下方向に摺動可能に支持されている。そして、各針棒19は図10ないし図13に示す如く、例えば間隔Wをもって針棒ケース7の左,右方向に離間し互いに平行に延びるように配設されている。
【0046】
また、各針棒19の上部側にはそれぞれ針棒ダキ20が固定して設けられ、各針棒19の下端側にはそれぞれミシン針21が着脱可能に装着されている。そして、これらの針棒19は、色替え機構11により針棒ダキ20が後述する針棒駆動部28の駆動アーム36に係合されたときに、この針棒駆動部28により主軸10の回転に従ってミシン針21と一緒に上,下に往復動するように駆動されるものである。
【0047】
この場合、合計9個の針棒19,19,…は、図11に示すように各針棒ダキと共に一定の間隔Wをもって並置されている。そして、色替え機構11は針棒ケース7を左,右に移動して色替え作業を行うときに、この間隔Wを基準にして針棒ケース7と一緒に各針棒19を矢示A,B方向に平行移動させ、いずれか1つの針棒ダキ20を、図11中に示す中心線O−Oの位置で駆動アーム36と選択的に係合させる。
【0048】
そして、例えば合計9本の針棒19のうちいずれか1本の針棒19が、色替え機構11で選択されると、選択された針棒19のみが針棒駆動部28により上,下に駆動される。また、選択されていない残余の針棒19は、後述の保持装置49(針棒保持機構50)により図5等に例示する上死点位置に保持され、その後に色替え機構11で選択されるまでは、この上死点位置に停止し続けるものである。
【0049】
また、針棒19の下部側には、係合部としての係合凹部19Aが図8、図14に示す如く側面を略コ字形状に切欠くことにより形成され、該係合凹部19Aは後述する針棒保持機構50の一部を構成している。そして、係合凹部19Aは後述のスライドキー53と係合することにより針棒19を所定位置としての上死点位置に位置決めするものである。
【0050】
22,22,…は各針棒19とほぼ平行に延びるように針棒ケース7内に設けられた合計9個の布押えで、該各布押え22は、図5、図9および図10に示すように上端側が後述の布押えダキ23を介して針棒19に相対移動可能に取付けられている。そして、布押え22は針棒19の下部側に沿って上,下方向に平行に延び、その下端側には刺繍対象の布等を刺繍機の基台1側に押付ける布当て具22Aが設けられている。
【0051】
ここで、布押え22の上端側には、全体としてコ字形状をなすように折曲げられた連結部22Bが設けられ、該連結部22Bの底部側は針棒19の外周側に隙間をもって挿通される平板状のばね受部22Cとなっている。そして、布押え22の連結部22Bは、後述する布押えダキ23の係合ピン23Aに掛止めされることにより、布押えダキ23に連動して布押え22全体が上,下に駆動されるものである。
【0052】
また、布押え22の下部側には、図9に示す如く針棒19の係合凹部19Aと対応する位置に、係合部としての係合凹部22Dが形成され、該係合凹部22Dは後述する布押え保持機構51の一部を構成している。そして、係合凹部22Dは、図15に示すように略コ字形状の切欠き凹部として形成され、後述のスライドキー53と係合することにより布押え22を所定位置としての上死点位置に位置決めするものである。
【0053】
23,23,…は各針棒19の外周側に摺動可能に挿嵌して設けられた布押えダキで、該各布押えダキ23は左,右方向に突出する係合ピン23Aを有し、該係合ピン23Aには布押え22の連結部22Bが掛止めされている。そして、これらの布押えダキ23は、色替え機構11により後述する布押え駆動部38の駆動アーム44に係合されたときに、この布押え駆動部38より主軸10の回転に従って布押え22と一緒に上,下に往復動するように駆動されるものである。
【0054】
また、布押えダキ23の下面と布押え22のばね受部22Cとの間には、布押え22を常時下向きに押圧する緩衝ばね24が配設され、該緩衝ばね24は、刺繍作業時に発生する布当て具22A側からの反力を緩衝するものである。
【0055】
即ち、色替え機構11で選択された布押え22は、下端側の布当て具22Aを用いて刺繍対象の布等を刺繍機の基台1上に押付ける。このときに基台1上の刺繍布等は、後述する移動枠58の枠移動に従って水平方向(前,後、左,右)に移動されるため、布の厚さが変化したりすると、布押え22は布当て具22A側から上向きの反力を受ける。
【0056】
そして、緩衝ばね24は布押え22が布押えダキ23に対して上,下に相対変位するのを許し、このような反力を吸収するものである。この場合、これらの布押え22および布押えダキ23についても、針棒19と同様に色替え機構11により選択され、選択された布押えダキ23のみが布押え22と共に上,下に往復動されるものである。また、色替え機構11で選択されていない残余の布押えダキ23は布押え22と一緒に図5に示す如く上死点位置に留まり、色替え機構11で選択されるまでは上死点位置に保持されるものである。
【0057】
25,26はヘッド部5の左,右方向に延びた針棒ケース7用のスライドガイドで、該スライドガイド25,26は、図4、図5に示すようにヘッド本体6と針棒ケース7との間に上,下に離間して配設され、色替え機構11による色替え動作時に針棒ケース7がヘッド本体6に対して左,右方向へと円滑に摺動変位するのを補償するものである。
【0058】
27はスライドガイド25,26間に位置して針棒ケース7の背面側に設けられた廻止めプレートで、該廻止めプレート27は、図5に示す如くヘッド本体6を前側から覆うように配設され、スライドガイド25,26間を上,下方向に延びている。そして、廻止めプレート27は針棒ケース7の一部を構成し、色替え機構11による色替え動作時にヘッド本体6に対して左,右方向へと摺動変位するものである。
【0059】
また、廻止めプレート27には、図6、図7に示す如く上,下方向に延びる長穴からなるガイド穴27A,27A,…が、一定の間隔W(図11に示す針棒19の間隔Wに対応する)をもって互いに平行に延びるように形成されている。そして、これらのガイド穴27A内には針棒ダキ20と布押えダキ23とが上,下にスライド可能に挿入され、これによって針棒19と布押え22とは廻止め状態に保持されるものである。なお、図10および図13では廻止めプレート27を省略して示している。
【0060】
28はヘッド本体6内に設けられた針棒駆動部で、該針棒駆動部28は、図8に示す如く主軸10に対して偏心した状態に固定され、該主軸10と一体に回転する円形のカム板29と、該カム板29の外周側にベアリング30等を介して相対回転可能に設けられ、主軸10の回転をカム板29と共に上,下運動に変換するカムレバー31と、後述の揺動レバー33および駆動アーム36等とにより構成されている。
【0061】
そして、カムレバー31は、内周側にカム板29がベアリング30を介して挿嵌された円形のリング部31Aと、該リング部31Aから下向きに突出した突出部31Bとからなり、該突出部31Bの先端側には、揺動レバー33がピン32を介して回動可能に連結されている。
【0062】
33は基端側がヘッド本体6に支軸34を介して揺動可能に連結された揺動レバーで、該揺動レバー33は、長さ方向中間部がピン32を介してカムレバー31に連結され、先端側が後述の駆動アーム36にリンク35を介して回動可能に連結されている。
【0063】
そして、揺動レバー33は、カム板29が主軸10と一体に回転するときに、カムレバー31がカム板29に対しベアリング30を介して上,下動されることにより、図8中に実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間を支軸34を中心として上,下に揺動されるものである。
【0064】
36はヘッド本体6の前部側に支持軸37を介して上,下動可能に設けられた針棒19側の駆動アームで、該駆動アーム36は揺動レバー33にリンク35を介して連結され、揺動レバー33が上,下に揺動されるときに、これに追従して図8中に実線で示す位置(上死点位置)と二点鎖線で示す位置(下死点位置)との間を支持軸37に沿って上,下に駆動されるものである。
【0065】
また、駆動アーム36には、針棒ダキ20に係脱可能に係合する掴み部36Aが設けられている。そして、前述の如く色替え機構11で選択された針棒19の針棒ダキ20は、駆動アーム36の掴み部36Aに図8に示す如く係合し、駆動アーム36が図8中に実線で示す位置に移動されるときに針棒19を上死点位置に変位させる。
【0066】
また、駆動アーム36が図8中に二点鎖線で示す位置に移動されるときには、針棒19が針棒ダキ20と共に下死点位置へと駆動されるものである。なお、駆動アーム36は、図11中に示す中心線O−Oの位置に配置され、この位置で針棒ダキ20と係合するものである。
【0067】
38はヘッド本体6内に設けられた布押え駆動部で、該布押え駆動部38は、図9に示す如く主軸10に嵌合して固定され、該主軸10と一体に回転する回転板としてのカム板39と、後述の揺動レバー40および駆動アーム44等とにより構成されている。
【0068】
また、カム板39の表面側には、主軸10の周囲を略楕円形状をなして延び該主軸10の中心に対して偏心したカム溝39Aが形成され、該カム溝39Aには後述のカムフォロア42が係合している。そして、カムフォロア42がカム溝39Aに沿って転動することにより、カム板39の回転は揺動レバー40の上,下動に変換されるものである。
【0069】
40は基端側がヘッド本体6に支軸41を介して揺動可能に設けられた揺動レバーで、該揺動レバー40の長さ方向中間部にはカム板39のカム溝39A側に向けて突出する突出部40Aが設けられ、該突出部40Aには、カム板39のカム溝39A内に転動可能に挿嵌されるカムフォロア42が取付けられている。
【0070】
そして、揺動レバー40は、カム溝39A内を転動するカムフォロア42に追従して図9中に実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間を、支軸41を中心として上,下に揺動される。また、揺動レバー40の先端側には後述の駆動アーム44がリンク43を介して回動可能に連結されている。
【0071】
44はヘッド本体6の前部側に支持軸45を介して上,下動可能に設けられた布押え22側の駆動アームで、該駆動アーム44は揺動レバー40にリンク43を介して連結され、揺動レバー40が上,下に揺動されるときに、これに追従して図9中に実線で示す位置と二点鎖線で示す位置との間を支持軸45に沿って上,下に駆動されるものである。
【0072】
また、駆動アーム44には、布押えダキ23に係脱可能に係合する掴み部44Aが設けられている。そして、前述の如く色替え機構11で選択された布押えダキ23は、駆動アーム44の掴み部44Aに図9に示す如く係合し、駆動アーム44が図9中に実線で示す位置に移動されるときに布押え22を上死点位置に持上げる。
【0073】
また、駆動アーム44が図9中に二点鎖線で示す位置に移動されるときには、布押え22が布押えダキ23と一緒に下死点位置へと駆動されるものである。なお、図9に示す布押え駆動部38側の支持軸45は、図11、図12に示すように針棒駆動部28側の支持軸37と平行に配設され、駆動アーム36,44は共に支持軸37,45に対して摺動可能に取付けられている。
【0074】
46は天秤駆動部を構成するセクタギヤで、該セクタギヤ46は、図5に示すように天秤17の天秤ギヤ17Aと噛合し、前述の如く色替え機構11で選択された天秤17を主軸10の回転に従って上,下に揺動させるものである。
【0075】
47は天秤保持機構を構成する天秤保持ばねで、該天秤保持ばね47は、図5に示すように各天秤17の係合突起17B側に向けて櫛歯状に延び、該係合突起17Bを下向きに押圧(付勢)することにより、天秤17を所定位置としての上死点位置に停止状態で保持するものである。
【0076】
48はヘッド本体6の上面側に固定して設けられた係合解除金具で、該係合解除金具48は、例えば鋼板等の金属板を山形状に折曲げることにより形成されている。そして、係合解除金具48は、天秤保持ばね47に下面側から当接し、色替え機構11で選択された天秤17と天秤保持ばね47との係合を解除することにより、この天秤17がセクタギヤ46で駆動されるのを許すものである。
【0077】
49は針棒保持機構50と布押え保持機構51とを兼用した保持装置で、該保持装置49は、該保持装置49は、図3、図5に示す如く針棒ケース7の前面側下端に固定して設けられた係合子ホルダとしてのホルダ枠52と、図16に示すように該ホルダ枠52にそれぞれ変位可能に設けられた後述の各スライドキー53,53,…と、後述のスプリング54、ガイドプレート55等とにより構成されている。
【0078】
ここで、ホルダ枠52は、図16に示す如く細長い四角形状をなす枠体として形成され、針棒ケース7の幅寸法にほぼ対応する長さを有している。そして、ホルダ枠52は、各針棒19を横切るように針棒ケース7の左,右方向に延び、合計9個の摺動穴52A,52A,…が間隔Wをもって形成された支持板部52Bと、該支持板部52Bの前側に突出して設けられ細長い略コ字形状をなしたばね受枠としての受け板部52Cとにより構成されている。
【0079】
そして、ホルダ枠52は、各スライドキー53、スプリング54と共に針棒保持機構50および布押え保持機構51の係留手段を構成している。また、ホルダ枠52は、針棒ケース7と一体に図16中の矢示A,B方向に間隔Wを基準として移動されるものである。
【0080】
53,53,…はホルダ枠52にそれぞれ摺動変位可能に保持された係合子としてのスライドキーで、これらのスライドキー53は、ホルダ枠52の各摺動穴52Aに挿嵌され、基端側の頭部53Aがホルダ枠52の支持板部52Bと受け板部52Cとの間に抜止め状態に保持されている。
【0081】
また、各スライドキー53は、針棒ケース7から下向きに突出する針棒19と布押え22との下端側部位に対して前,後方向で交差するように互いに平行に延び、その先端側は後述するガイドプレート55の表面側に当接する当接部53Bとなっている。
【0082】
また、スライドキー53の長さ方向中間部には、針棒19の係合凹部19Aに係脱可能に係合する係合突起53Cが横方向(図16中の矢示A方向)に突出して設けられ、該係合突起53Cと当接部53Bとの間には、布押え22の係合凹部22Dに係脱可能に係合する他の係合突起53Dが矢示A方向に突出して設けられている。
【0083】
そして、各スライドキー53は、各針棒19の間隔Wに対応する間隔をもってホルダ枠52に変位可能に取付けられ、それぞれの係合突起53C,53Dが針棒19と布押え22との係合凹部19A,22Dに対して側方からスライドするように係合、または係合解除されるものである。
【0084】
この場合、スライドキー53の係合突起53Cは、ホルダ枠52、針棒19の係合凹部19A等と共に針棒保持機構50の係留手段を構成している。また、スライドキー53の係合突起53Dは、ホルダ枠52、布押え22の係合凹部22D等と共に布押え保持機構51の係留手段を構成している。
【0085】
54,54,…は各スライドキー53をガイドプレート55側に向けて付勢する付勢部材としてのスプリングで、これらのスプリング54はホルダ枠52の受け板部52Cとスライドキー53の頭部53Aとの間に圧縮状態で配設されている。そして、スプリング54は、スライドキー53の係合突起53C,53Dが針棒19と布押え22との係合凹部19A,22Dに係合する係合位置へと各スライドキー53を個別に付勢するものである。
【0086】
55はヘッド本体6の前面側に設けられたガイド部材としてのガイドプレートで、該ガイドプレート55は、各スライドキー53と対向する下端側がヘッド本体6の左,右方向に延びるガイド面55Aとなり、該ガイド面55Aの途中部位は、図16に示すように台形状に突出するガイド突部55Bとなっている。
【0087】
ここで、ガイド突部55Bは、図16に示す中心線O−Oにほぼ対応した位置に配設され、各スライドキー53のうち中心線O−Oに近接したスライドキー53をスプリング54に抗して係合解除位置に変位させる係合解除手段を構成している。
【0088】
即ち、ガイドプレート55のガイド突部55Bには、ホルダ枠52に保持された各スライドキー53のうち、色替え機構11で選択された針棒19、布押え22と対応するスライドキー53の当接部53Bが乗上げるように摺接する。
【0089】
これにより、ガイド突部55Bは、スライドキー53をスプリング54に抗してホルダ枠52側に押戻し、中心線O−O上に位置する針棒19と布押え22との係合凹部19A,22Dからスライドキー53の係合突起53C,53Dを共に離脱させ、スライドキー53と針棒19、布押え22との係合を自動的に解除するものである。
【0090】
56は図5に示す如くホルダ枠52に上側から取付けられた糸ガイドで、該糸ガイド56にも、上側の糸ガイド16と同様に合計9個の糸挿通部が設けられ、糸ガイド16から導かれる各刺繍糸Sをそれぞれのミシン針21側へと個別に案内するものである。また、糸ガイド56はホルダ枠52を上側から覆うカバーも兼用している。
【0091】
57,57は図1に示す如く各ヘッド部5の針棒ケース7間に設けられた連結ロッドで、これらの連結ロッド57は、各針棒ケース7を左,右方向で連結し、色替え機構11による色替え動作時に、例えば3個の針棒ケース7を図1中の矢示A,B方向へと一体に移動させるものである。
【0092】
58は図1、図2に示すように各ヘッド部5の下側に位置して刺繍機の基台1上に配設された刺繍枠等の移動枠で、該移動枠58は、例えば合計3個のヘッド部5の下側で刺繍布(図示せず)等を展張状態で保持し、この刺繍布と共に基台1上を前,後、左,右へと水平方向に枠移動されるものである。
【0093】
そして、このように移動枠58が枠移動されるときには、これにほぼ連動して各ヘッド部5側のミシン針21が上,下に運針されることにより、刺繍布等には刺繍データに対応した刺繍柄がヘッド部5毎に実現されるものである。
【0094】
59,59,…は図1に示す如く移動枠58の下側に位置して基台1に設けられた下糸用の回転釜で、該各回転釜59内には下糸ボビン(図示せず)等が装着されている。そして、各回転釜59は各ヘッド部5の下側位置、例えば図16に示す中心線O−Oと対応する位置に配置されるものである。
【0095】
本実施の形態による多頭式刺繍機は上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0096】
まず、主軸モータ9により主軸10を回転させ、ヘッド部5の針棒駆動部28と共に、布押え駆動部38を作動させると、色替え機構11により選択された針棒19の針棒ダキ20が針棒駆動部28の駆動アーム36に係合し、これによって針棒19はミシン針21と共に上,下に駆動され、該ミシン針21を刺繍布に対して運針させる。
【0097】
また、色替え機構11により選択された布押え22についても、布押えダキ23が布押え駆動部38の駆動アーム44と係合し、この駆動アーム44が主軸10の回転に従って上,下に駆動されることにより上死点位置と下死点位置との間で繰返し上,下動される。
【0098】
そして、色替え機構11で選択された所望色の刺繍糸Sは、天秤17の上,下動により図2に示す糸立て台12上の上糸ボビン12A,12B,12C,…のいずれか1つから糸張り器13、糸調子14等を介してミシン針21側に供給される。
【0099】
この間、刺繍糸Sはミシン針21の運針動作に伴って移動枠58側の刺繍布に縫付けられ、ミシン針21が刺繍布に縫い目を形成する毎に、刺繍糸Sがミシン針21側へと給糸され、刺繍データに基づいた刺繍柄が形成される。そして、布押え22は下端側の布当て具22Aで刺繍布を刺繍機の基台1側に押付けることにより、ミシン針21の運針動作時に刺繍布の動き、または姿勢等を安定した状態に保つものである。
【0100】
ここで、色替え機構11による各針棒19、布押え22の選択動作について説明すると、図11に示すように選択された針棒19の針棒ダキ20が中心線O−Oの位置で針棒駆動部28の駆動アーム36と係合し、この駆動アーム36によって針棒19は針棒ダキ20と一緒に駆動される。
【0101】
また、色替え機構11により選択された布押え22についても、布押えダキ23が布押え駆動部38の駆動アーム44と係合し、この駆動アーム44により上死点位置と下死点位置との間で繰返し駆動される。
【0102】
このとき、針棒19と布押え22とを上死点位置に保持するための保持装置49は、図16に示す如く中心線O−Oに接近したスライドキー53がガイドプレート55のガイド突部55Bに乗上げて、スプリング54を圧縮変形させるようにホルダ枠52側へと摺動変位する。
【0103】
これにより、スライドキー53の係合突起53C,53Dは、中心線O−O上に位置する針棒19と布押え22の係合凹部19A,22Dから共に離脱し、スライドキー53と針棒19、布押え22との係合が解除されるので、この針棒19と布押え22とは主軸10の回転に従って上,下動するように駆動される。
【0104】
また、色替え機構11で選択されていない残りの各針棒19、各布押え22については、保持装置49のスライドキー53により上死点位置に停止した状態で保持される。この場合、選択されていない針棒19、布押え22は、図14ないし図16に示すように下端側の係合凹部19A,22Dがスライドキー53に係合し、これらのスライドキー53によってそれぞれの上死点位置に停止状態で保持される。
【0105】
次に、この状態で次なる刺繍糸Sを選択するために色替え機構11を作動し、例えば図10、図11、図16中の矢示A方向に針棒ケース7を各針棒19、布押え22と一緒に移動させると、このときの移動量が針棒19、布押え22の間隔Wに対応した移動量に達する前の段階では、図12に示す如く、前回選択した針棒19の針棒ダキ20と次なる針棒19の針棒ダキ20との中間位置に針棒駆動部28の駆動アーム36が置かれる。
【0106】
また、保持装置49の各スライドキー53については、図17に示す如く前回選択した針棒19、布押え22側のスライドキー53と次なる針棒19、布押え22側のスライドキー53との中間位置にガイドプレート55のガイド突部55Bが置かれ、前回までスライドキー53との係合が解除されていた針棒19、布押え22は、対応するスライドキー53(図17中の中心線O−O上に位置するスライドキー53)がスプリング54でガイドプレート55側に付勢され、係合突起53C,53Dが係合凹部19A,22Dに係合し始める。
【0107】
そして、前記移動量が針棒19、布押え22の間隔Wに対応した移動量に達した段階では、図13に示す如く針棒駆動部28の駆動アーム36が次なる針棒19の針棒ダキ20に係合し、布押え駆動部38の駆動アーム44は次なる布押え22の布押えダキ23と係合するようになる。
【0108】
これにより、色替え機構11で新しく選択された針棒19、布押え22に対応する保持装置49のスライドキー53は、図13に示す如く先端側の当接部53Bがガイドプレート55のガイド突部55Bに乗上げて前側へと押戻され、針棒19と布押え22とに対する係合が解除されるので、この針棒19と布押え22とは主軸10の回転に従って上,下動するように駆動される。
【0109】
また、このときに色替え機構11で選択されていない他の各針棒19、布押え22は、それぞれのスライドキー53と係合凹部19A,22Dを介して係合することにより、それぞれ上死点位置に保持され、次なる色替え動作(選択動作)までこの上死点位置で待機する。
【0110】
かくして、本実施の形態によれば、刺繍機の各ヘッド部5を、主軸10により駆動される針棒駆動部28、布押え駆動部38が設けられたヘッド本体6と、該ヘッド本体6に対し各針棒19、布押え22を相対移動可能に支持し、色替え機構11により各針棒19、布押え22と共に左,右方向へと移動される針棒ケース7等とから構成している。
【0111】
そして、該針棒ケース7の下端側には保持装置49のホルダ枠52を固定して設けると共に、該ホルダ枠52には各針棒19、各布押え22と交差する前,後方向に延びる各スライドキー53を互いに摺動変位可能に取付け、該各スライドキー53と針棒19、布押え22との係合を解除するためのガイド突部55Bを有したガイドプレート55は、ヘッド本体6の前面側にボルト等で固定して設ける構成としている。
【0112】
これにより、ホルダ枠52、各スライドキー53、スプリング54およびガイドプレート55等からなる保持装置49を用いて、色替え機構11で選択されていない複数の針棒19と布押え22とをそれぞれの上死点位置に保持でき、従来技術で用いている針棒ばね、布押えばね等を不要にすることができる。
【0113】
また、ヘッド部5の針棒ケース7に設けた保持装置49のホルダ枠52、各スライドキー53等は、色替え機構11を用いて針棒ケース7をヘッド本体6に対して左,右方向に移動するときに針棒ケース7と一緒に左,右方向に移動するので、保持装置49を針棒ケース7から左,右方向に張出して設ける必要がなくなり、保持装置49等を針棒ケース7(ヘッド部5)と対応する寸法でコンパクトに形成することができる。
【0114】
従って、本実施の形態によれば、針棒19用と布押え22用とを兼ねた保持装置49を採用することにより、従来技術のように針棒ばね、布押えばねを用いる必要がなくなるので、主軸モータ9に余分な負荷を与えるのを防止でき、主軸モータ9の耐久性、寿命を向上することができる。
【0115】
また、主軸10の回転に速度変化等が発生するのを良好に抑えることができ、これによって刺繍機の振動を確実に低減できると共に、糸切れ等の発生を低減でき、当該刺繍機の運転性、信頼性を向上させることができる。
【0116】
また、複数の針棒19、布押え22および保持装置49のホルダ枠52、各スライドキー53等を針棒ケース7に組付けた状態で、この針棒ケース7の組立体をヘッド本体6側に取付けることができ、この状態で各針棒19、布押え22等は予め上死点位置に保持されるので、取付け作業が容易となり、メンテナンス性も高めることができる。
【0117】
さらに、保持装置49のホルダ枠52、各スライドキー53等がヘッド部5から左,右方向に張出すことはないので、各ヘッド部5間の間隔を狭めて刺繍機全体を小型化でき、コンパクトに形成することができる。
【0118】
次に、図18ないし図20は本発明の第2の実施の形態を示し、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0119】
しかし、本実施の形態の特徴は、図19、図20に示す如く針棒61に係合部としての係合突起61Aを設け、布押え62にも係合部としての係合突起62Aを設けると共に、保持装置63の係合子となる各スライドキー64には、図18に示す如く頭部64Aと当接部64Bとの間に位置して前記係合突起61A,62Aに係脱可能に係合する係合凹部64C,64Dを設ける構成としたことにある。
【0120】
ここで、針棒61、布押え62は係合突起61A,62Aを除いて、第1の実施の形態で述べた針棒19、布押え22と同様に構成されている。また、保持装置63についてもスライドキー64の係合凹部64C,64Dを除いて、第1の実施の形態で述べた保持装置49と同様に構成されている。
【0121】
かくして、このように構成される本実施の形態にあっても、前記第1の実施の形態とほぼ同様に各スライドキー64を用いて針棒61と布押え62とをそれぞれの上死点位置に保持できる。そして、色替え機構11で選択された針棒61と布押え62とについては、スライドキー64との係合をガイドプレート55のガイド突部55B等で解除でき、この針棒61と布押え62とが主軸10の回転に追従して円滑に上,下動されるのを補償できる。
【0122】
次に、図21および図22は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、ストッカを用いて針棒と布押えとを所定の上死点位置等に保持する構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前記第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0123】
図中、71は刺繍機のヘッド部で、該ヘッド部71は、第1の実施の形態で述べたヘッド部5とほぼ同様に構成され、ヘッド本体72と、該ヘッド本体72の前面側に設けられ、ヘッド本体72に対し左,右(図21中の矢示A,B方向)に移動可能となった針棒ケース73と、該針棒ケース73上に設けられ、色替え機構11により針棒ケース73と一体に左,右方向に移動される糸調子台74等とにより構成されている。
【0124】
また、針棒ケース73の上部側には、左,右に離間した一対の枠体からなる天秤支持枠73A,73Aが設けられ、該天秤支持枠73Aの下側には、図22に示す如く各針棒19等を上,下動可能に支持するため、上,下に離間してそれぞれ左,右方向に延びる支持部73B,73Cが設けられている。
【0125】
一方、各ヘッド部71のヘッド本体72には、図1に例示した主軸モータ9により主軸10を介して駆動される天秤駆動部、針軸駆動部および布押え駆動部(いずれも図示せず)等が設けられ、これらの駆動部により天秤17、針棒19および布押え22がそれぞれ上,下に駆動されるものである。なお、これらの駆動部は、第1の実施の形態で述べた針棒駆動部28、布押え駆動部38等とほぼ同様に構成されている。
【0126】
75,76はそれぞれ糸ガイドを示し、これらの糸ガイド75,76は、第1の実施の形態で述べた糸ガイド15,16とほぼ同様に構成されているものの、本実施の形態にあっては、天秤17、針棒19、ミシン針21および布押え22等がそれぞれ15本設けられているため、これに対応して糸挿通孔等が15個設けられている。
【0127】
77は各針棒19の上部側にそれぞれ固定して設けられ針棒ダキ(1個のみ図示)で、これらの針棒ダキ77は第1の実施の形態で述べた針棒ダキ20とほぼ同様に構成され、前記針棒駆動部に係合されたときに、この針棒駆動部により主軸10の回転に従って針棒19、ミシン針21と一緒に上,下に往復動するように駆動される。
【0128】
そして、本実施の形態にあっては、各針棒19の針棒ダキ77が後述の針棒ガイド81に係合することにより、針棒19を上死点位置に保持する針棒保持機構を構成し、この針棒ダキ77は、針棒19に設けた係合部を兼用しているものである。
【0129】
78は各布押え22の上端側にそれぞれ設けられ布押えダキ(1個のみ図示)で、これらの布押えダキ78は第1の実施の形態で述べた布押えダキ23とほぼ同様に構成され、前記布押え駆動部に係合されたときに、この布押え駆動部により主軸10の回転に従って上,下に往復動するように駆動される。
【0130】
そして、本実施の形態にあっては、各布押え22の布押えダキ78が後述の布押えガイド82に係合することにより、布押え22を上死点位置に保持する布押え保持機構を構成し、この布押えダキ78は、布押え22に設けた係合部を兼用しているものである。
【0131】
79は針棒ケース73の支持部73B,73C間に設けられ、上,下方向に延びたガイドロッドで、該ガイドロッド79は、針棒ダキ77と布押えダキ78とをそれぞれ上,下に摺動可能に支持すると共に、該針棒ダキ77と布押えダキ78とを廻止め状態に保持しているものである。
【0132】
80は針棒19用および布押え22用のストッカを構成するストッカプレートで、該ストッカプレート80は、ヘッド部71のヘッド本体72と針棒ケース73との間に位置し、ヘッド本体72の前面側に固定して設けられている。そして、ストッカプレート80には、上,下に離間してそれぞれ針棒ケース73の左,右方向に延びる針棒ガイド81と布押えガイド82とが設けられている。
【0133】
ここで、ストッカプレート80は、図21に示すように針棒ガイド81、布押えガイド82と共に針棒ケース73から左,右方向(矢示A,B方向)張り出す長さをもって形成されている。そして、針棒ガイド81は、各針棒19の針棒ダキ77と図22に示す如く係合することにより、針棒19を上死点位置に保持する針棒保持機構の係留手段を構成している。
【0134】
また、布押えガイド82は、各布押え22の布押えダキ78と図22に示す如く係合することにより、布押え22を上死点位置に保持する布押え保持機構の係留手段を構成している。そして、布押えガイド82の長さ方向中間部には、係合解除手段となる切欠き(図示せず)が形成されている。
【0135】
この場合、例えば合計15本の布押え22のうちいずれか1本の布押え22が色替え機構11で選択されると、選択された布押え22の布押えダキ78が前記切欠きにより布押えガイド82との係合が解除され、この布押え22のみが前記布押え駆動部により上,下に駆動される。
【0136】
また、色替え機構11で選択されていない残余の布押え22は、布押えダキ78が布押えガイド82に係合し続けることにより上死点位置に保持され、その後に色替え機構11で選択されるまでは、この上死点位置に停止し続けることになる。
【0137】
一方、針棒ガイド81の長さ方向中間部にも、係合解除手段となる切欠き(図示せず)が形成されている。そして、この場合も複数の針棒19のうちいずれか1本の針棒19が色替え機構11で選択されると、選択された針棒19の針棒ダキ77が前記切欠きにより針棒ガイド81との係合が解除され、この針棒19のみが前記針棒駆動部により上,下に駆動される。
【0138】
また、色替え機構11で選択されていない残余の針棒19は、針棒ダキ77が針棒ガイド81に係合し続けることにより上死点位置に保持され、その後に色替え機構11で選択されるまでは、この上死点位置に停止し続けることになる。
【0139】
かくして、このように構成される本実施の形態でも、前記第1の実施の形態と同様に針棒ケース7が色替え機構11により、ヘッド本体6に対して左,右方向に移動されるときに、ストッカプレート80に設けた針棒ガイド81と布押えガイド82とを用いて、各針棒19と各布押え22とを選択的にそれぞれの上死点位置に保持でき、従来技術で用いている針棒ばね、布押えばねを不要にすることができる。
【0140】
なお、前記第1の実施の形態では、刺繍機の基台1上に合計3個のヘッド部5を設けた場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えば単一のヘッド部5を有する単頭式の刺繍機に適用してもよく、ヘッド部5を2個または4個以上備えた多頭式刺繍機に適用してもよい。そして、この点は第2,第3の実施の形態についても同様である。
【0141】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1に記載の発明によれば、針棒保持機構を、針棒側にそれぞれ設けた係合部と、該各係合部にそれぞれ係合し各針棒を所定位置に係留する針棒側係留手段と、前記各針棒のうち色替え機構で選択された針棒の係合部と該針棒側係留手段との係合を解除する針棒側係合解除手段とにより構成し、ヘッド部には、前記各針棒と平行に延び前記色替え機構で選択されることにより刺繍対象物を刺繍機の基台側に押付ける複数の布押えと、該複数の布押えのうち前記色替え機構で選択された布押えが主軸の回転に従って駆動されるのを許し、選択されていない布押えを予め決められた所定位置に停止状態で保持する布押え保持機構とを設け、前記布押え保持機構は、前記複数の布押え側にそれぞれ設けられた係合部と、前記ヘッド部側に設けられ該各係合部にそれぞれ係合して前記各布押えを所定位置に係留する布押え側係留手段と、前記ヘッド部側に設けられ前記各布押えのうち前記色替え機構で選択された布押えの係合部と該布押え側係留手段との係合を解除する布押え側係合解除手段とにより構成し、前記針棒側係留手段と前記布押え側係留手段とは同一の部材を用いて構成し、前記針棒側係合解除手段と前記布押え側係合解除手段とは単一の係合解除手段として構成したので、従来技術のように針棒ばね、布押えばねを用いる必要がなくなり、刺繍機の主軸モータに余分な負荷を与えるのを防止でき、モータの耐久性、寿命を向上することができる。また、主軸の回転速度が変化するのを良好に抑えることができ、これによって刺繍機の振動を確実に低減できると共に、糸切れ等の発生を低減でき、当該刺繍機の運転性、信頼性を高めることができる。さらに、同一の部材からなる針棒側係留手段と前記布押え側係留手段とを用いて針棒と布押えとをそれぞれ上死点等の所定位置に保持でき、単一の係合解除手段を用いて針棒、布押えと前記係留手段との係合解除を行うことができる。
【0142】
また、請求項2に記載の発明は、ヘッド部をヘッド本体と針棒ケースとにより構成し、針棒係留手段と布押え側係留手段とは該針棒ケース側に設け、前記係合解除手段は前記ヘッド本体側に設ける構成としているので、針棒係留手段と布押え側係留手段とが針棒ケースから左,右方向に張出すのを防止でき、例えば多頭式刺繍機において各ヘッド部間の間隔を狭めて全体を小型化でき、コンパクトに形成することができる。
【0143】
また、請求項3に記載の発明は、針棒側係留手段と布押え側係留手段とを、係合子ホルダ、複数の係合子および付勢部材により構成し、係合解除手段は、各係合子のうち色替え機構で選択された針棒に対応する係合子を付勢部材に抗して係合解除位置に変位させるガイド部材により構成しているので、係合子ホルダ、各係合子および付勢部材等を針棒ケースに組付けた状態で、この針棒ケースの組立体をヘッド本体側に容易に取付けることができる。そして、この状態で各針棒等は予め上死点位置に保持されるので、針棒ケース等の取付け作業を容易に行うことができると共に、メンテナンス性も高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による多頭式刺繍機を示す正面図である。
【図2】刺繍機の一部を破断して示す図1の右側面図である。
【図3】図1中のヘッド部を拡大して示す正面図である。
【図4】ヘッド部を図3中の矢示IV−IV方向から示す一部破断の側面図である。
【図5】図4中の針棒ケース等を拡大して示す縦断面図である。
【図6】図5中の廻止めプレートを前側からみた正面図である。
【図7】廻止めプレートを図6中の矢示VII−VII方向からみた断面図である。
【図8】ヘッド本体に設けた針棒駆動部を示す部分断面図である。
【図9】ヘッド本体に設けた布押え駆動部を示す部分断面図である。
【図10】3本の針棒と共に針棒ダキ、布押えおよび布押えダキ等を示す斜視図である。
【図11】針棒駆動部の駆動アームと各針棒ダキとを図10中の矢示XI−XI方向から示す断面図である。
【図12】針棒駆動部の駆動アームと各針棒ダキとの係合関係を変える状態を示す図11とほぼ同様位置での断面図である。
【図13】図10とは異なる針棒が色替えのために選択された状態を示す斜視図である。
【図14】図10中の針棒とスライドキーとの係合部位を拡大して示す断面図である。
【図15】図10中の布押えとスライドキーとの係合部位を拡大して示す断面図である。
【図16】針棒および布押えの保持装置を図5中の矢示XVI-XVI方向から拡大して示す断面図である。
【図17】針棒および布押えの保持装置を色替え途中の状態で示す図16とほぼ同様位置での断面図である。
【図18】第2の実施の形態による針棒および布押えの保持装置を示す断面図である。
【図19】図18中の針棒とスライドキーとの係合部位を拡大して示す断面図である。
【図20】図18中の布押えとスライドキーとの係合部位を拡大して示す断面図である。
【図21】第3の実施の形態による刺繍機のヘッド部を示す正面図である。
【図22】ヘッド部を図21中の矢示XXII−XXII方向から示す一部破断の側面図である。
【符号の説明】
1 基台
2,3 側枠
4 ヘッド支持体
5,71 ヘッド部
6,72 ヘッド本体
7,73 針棒ケース
8,74 糸調子台
10 主軸
11 色替え機構
17 天秤
19,61 針棒
19A 係合凹部(係合部)
20 針棒ダキ
21 ミシン針
22,62 布押え
22D 係合凹部(係合部)
23 布押えダキ
28 針棒駆動部
36 駆動アーム
38 布押え駆動部
44 駆動アーム
49,63 保持装置
50 針棒保持機構
51 布押え保持機構
52 ホルダ枠(係合子ホルダ)
53,64 スライドキー(係合子)
53C 係合突起(針棒側の係留手段)
53D 係合突起(布押え側の係留手段)
54 スプリング(付勢部材)
55 ガイドプレート(係合解除手段)
55B ガイド突部
61A,62A 係合突起(係合部)
64C,64D 係合凹部(係留手段)
77 針棒ダキ(係合部)
78 布押えダキ(係合部)
80 ストッカプレート
81 針棒ガイド(針棒側の係留手段)
82 布押えガイド(布押え側の係留手段)
S 刺繍糸(上糸)

Claims (3)

  1. 多色刺繍を行うため複数の針棒がミシン針と共に設けられたヘッド部と、前記複数の針棒のうちいずれか1つの針棒をミシン針と一緒に選択的に駆動するため該ヘッド部に設けられた色替え機構と、前記複数の針棒のうち該色替え機構で選択された針棒が主軸の回転に従って駆動されるのを許し、選択されていない針棒を予め決められた所定位置に停止状態で保持する針棒保持機構とを備えてなる刺繍機において、
    前記針棒保持機構は、前記複数の針棒側にそれぞれ設けられた係合部と、前記ヘッド側に設けられ該各係合部にそれぞれ係合して前記各針棒を所定位置に係留する針棒側係留手段と、前記ヘッド側に設けられ前記各針棒のうち前記色替え機構で選択された針棒の係合部と該係留手段との係合を解除する針棒側係合解除手段とにより構成し
    前記ヘッド部には、前記各針棒と平行に延び前記色替え機構で選択されることにより刺繍対象物を刺繍機の基台側に押付ける複数の布押えと、該複数の布押えのうち前記色替え機構で選択された布押えが主軸の回転に従って駆動されるのを許し、選択されていない布押えを予め決められた所定位置に停止状態で保持する布押え保持機構とを設け、
    前記布押え保持機構は、前記複数の布押え側にそれぞれ設けられた係合部と、前記ヘッド部側に設けられ該各係合部にそれぞれ係合して前記各布押えを所定位置に係留する布押え側係留手段と、前記ヘッド部側に設けられ前記各布押えのうち前記色替え機構で選択された布押えの係合部と該布押え側係留手段との係合を解除する布押え側係合解除手段とにより構成し、
    前記針棒側係留手段と前記布押え側係留手段とは同一の部材を用いて構成し、
    前記針棒側係合解除手段と前記布押え側係合解除手段とは単一の係合解除手段として構成したことを特徴とする刺繍機。
  2. 前記ヘッド部は、前記主軸により駆動される針棒駆動部が設けられたヘッド本体と、該ヘッド本体に対し前記各針棒および各布押えを相対移動可能に支持し前記色替え機構により各針棒および各布押えと共に移動される針棒ケースとからなり、前記針棒係留手段と前記布押え側係留手段とは該針棒ケース側に設け、前記係合解除手段は前記ヘッド本体側に設ける構成としてなる請求項1に記載の刺繍機。
  3. 前記針棒側係留手段と前記布押え側係留手段とは、前記針棒ケースに設けられ前記複数の針棒と布押えを横切る方向に延びた係合子ホルダと、該係合子ホルダに移動可能に取付けられ前記各針棒の係合部にそれぞれ係脱可能に係合する部位と前記各布押えの係合部にそれぞれ係脱可能に係合する他の部位とを有した複数の係合子と、該各係合子と係合子ホルダとの間に設けられ該各係合子を係合位置に向けて個別に付勢する付勢部材とにより構成し
    記係合解除手段は、前記各係合子のうち前記色替え機構で選択された針棒に対応する係合子を前記付勢部材に抗して係合解除位置に変位させるガイド部材により構成してなる請求項2に記載の刺繍機。
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