この発明は,顧客が興味を持っている書籍のみならず,顧客が興味を持っている書籍中のページまで把握できるようにすることを目的とする。
この発明はまた,書店内で閲覧はされたものの,販売までに至らなかった書籍を特定できるようにすることを目的とする。
この発明はさらに,書店内で閲覧されたものの,販売までに至らなかった書籍のページを特定できるようにすることを目的とする。
この発明による書籍の閲覧状況監視システムは,調査信号を所定時間間隔で発信する送信機,書籍の少なくとも一部のページに貼付されて用いられる無線タグであり,少なくとも上記無線タグが貼付された書籍を特定する書籍識別コードおよび上記無線タグが貼付されたページのページ番号を記憶するメモリ,上記送信機から発信される調査信号を受信する受信手段,上記受信手段によって調査信号を受信したときに,上記無線タグが貼付されたページが開かれているかどうかを検知するセンサ,および上記センサによってページが開かれていることが検知されたときに,少なくとも上記メモリに記憶された書籍識別コードおよびページ番号を含む閲覧中信号を送信する送信手段を備えた無線タグ,ならびに上記無線タグから送信された閲覧中信号を受信するアンテナを備えた処理装置を備えたことを特徴とする。
無線タグは,書籍の少なくとも一部のページに貼付される。もちろん,書籍に含まれる全部のページ,見開きページ,主要な複数のページに貼付することもできる。書籍は,雑誌,単行本,その他の形態の書物を含み,一般には書店において顧客に販売される。
無線タグは,送信機において発信される調査信号の受信をトリガにして動作する。無線タグが貼付された書籍のページが開かれると,ページが開かれたことが無線タグに含まれているセンサによって検知される。センサによって書籍のページが開かれたことが検知されると,メモリに記憶されている書籍識別コードおよびページ番号を含む閲覧中信号が送信される。調査信号は所定時間間隔で発信されるので,書籍のページが継続して開かれている場合には,無線タグからは所定時間間隔で閲覧中信号が送信される。
書籍識別コードは,書籍を1冊ごとに特定するコードである。書籍識別コードには,書籍を1冊ごとに特定するコードに加えて,書籍の種類(同一内容の書籍であること)を特定するコードを含ませておくのが好ましい。たとえば,書籍識別コードを10桁の数値(符号列)によって表し,先頭の2桁を書籍の種類を表すデータとする。同一の種類(内容)の書籍であれば,複数の書籍について先頭の2桁の数値は一致する。3桁目〜10桁目の数値は,同一の種類の書籍であっても書籍のそれぞれについて異なるものとされる。
この発明によると,無線タグが貼付された書籍のページが開かれると,書籍識別コードおよびページ番号を含む閲覧中信号が送信される。無線タグから送信される書籍識別コードおよびページ番号を含む閲覧中信号は,処理装置のアンテナにおいて受信される。処理装置では,閲覧された(閲覧されている)書籍(書籍の種類)を特定することができ,かつ閲覧された(閲覧されている)書籍中のページを特定することができる。顧客が興味を持っている書籍(書籍の種類)のみならず,閲覧されているページについても特定することできるので,顧客の興味を細かく分析することができる。
一実施態様では,上記処理装置は,時刻を計時する時計,ならびに上記閲覧中信号に含まれる書籍識別コードおよびページ番号によって特定される特定書籍の特定ページの閲覧開始時刻および閲覧終了時刻を決定する時刻決定手段を備えている。上記時刻決定手段では,たとえば,上記アンテナからの閲覧中信号が上記処理装置に最初に入力した時刻を閲覧開始時刻とし,閲覧中信号(当然に,閲覧開始時刻の決定に用いられた閲覧中信号と同一データ内容(同一の書籍識別コードおよびページ番号)を持つものである)の上記処理装置への入力が途絶えたときの時刻を閲覧終了時刻とする。
書店内で書籍が閲覧される場合,一旦開かれたページは閲覧を終えると閉じられる(たとえば,次のページの閲覧に進むことを含む)。書籍を購入する場合にも,購入せずに書店を立ち去る場合にも,一旦開かれたページは閉じられる。ページが閉じられると,閲覧中信号の処理装置への入力が途絶えることになる。閲覧中信号は,所定時間間隔で発信される調査信号をトリガとして無線タグから送信されるので,閲覧中信号(書籍IDおよびページ番号が同じもの)が途絶えたことを処理装置において検知することができる。書籍の閲覧開始時刻と閲覧終了時刻が把握されるので,どの程度の時間の間,特定書籍の特定ページが閲覧されていたのかを把握することができる。
さらに好ましい実施態様では,上記処理装置は複数台のアンテナを備え,上記処理装置はさらに,上記複数台のアンテナから得られる同一データ内容の複数の閲覧中信号のそれぞれについて上記時計によって得られる複数の受信時刻と,上記複数台のアンテナのそれぞれの設置位置と,上記閲覧中信号の伝播速度に基づいて,上記無線タグの位置を算出する無線タグ位置算出手段,ならびに上記閲覧中信号に含まれる書籍識別コードおよび閲覧ページ,上記無線タグ位置算出手段によって算出される無線タグの位置,ならびに上記時刻決定手段によって決定される閲覧開始時刻および閲覧終了時刻を含むデータを作成する手段を備えている。
たとえば,無線タグの位置をx,y,zの3次元位置で算出しようとする場合には,少なくとも4台のアンテナを用意すればよい。無線タグの位置(x,y,z)および無線タグによる閲覧中信号の送信時刻tを未知数とし,4台のアンテナのそれぞれの設置位置(3次元位置xi,yi,zi )(i=1,2,3,4)と,4台のアンテナによって受信される閲覧中信号の処理装置における4つの受信時刻ti(i=1,2,3,4)と,閲覧中信号の伝播速度vを既知数として,4つの一次方程式が成立するので,無線タグの位置(x,y,z)および無線タグによる閲覧中信号の送信時刻tの4つの未知数を求めることができる。
好ましくは,上記無線タグ位置算出手段は,複数台のアンテナから得られる同一データ内容の複数の閲覧中信号のそれぞれについて上記時計によって得られる複数の受信時刻を,複数台のアンテナと上記処理装置との間のそれぞれの通信経路長にもとづく補正値によって補正する受信時刻補正手段を含む。複数台のアンテナと処理装置との間のそれぞれの信号経路長に相違があった場合に,信号経路長による受信時刻の誤差を解消することができる。
無線タグの位置,すなわち書籍の閲覧位置を算出することによって,後述するように,書籍の閲覧状況監視システムを活用態様を広げることができる。
この発明は,無線タグの位置(書籍の閲覧位置)を算出する書籍閲覧状況監視システム(装置)を,他のシステム(装置)を組合わせたシステムも提供している。
この発明による人物別書籍閲覧状況監視システムは,閲覧された書籍を特定する書籍識別コード,閲覧されたページのページ番号,閲覧開始時刻,閲覧終了時刻,および店舗内における書籍の閲覧位置を表すデータを含む書籍閲覧データを作成する書籍閲覧状況監視装置,店舗に入店した人物を特定する人物コード,店舗内における上記人物の存在位置を表すデータおよび人物存在時刻を含む人物別位置データを,所定時間間隔で作成する人物監視装置,ならびに上記書籍の閲覧位置を表すデータと上記人物の存在位置を表すデータとが一致し,かつ上記閲覧開始時刻から閲覧終了時刻までの間の時刻に上記人物存在時刻が含まれる,そのような書籍閲覧データおよび人物別位置データを用いて,人物コード,書籍識別コード,ページ番号,閲覧開始時刻,閲覧終了時刻,および書籍の閲覧位置を表すデータを含む人物別書籍閲覧データを作成するデータ処理装置を備えたことを特徴とする。
この発明による人物別書籍閲覧状況監視システムは,書籍閲覧状況監視装置,人物監視装置およびデータ処理装置を含んでいる。
書籍閲覧状況監視装置は,上述した無線タグの位置(書籍の閲覧位置)を算出する書籍閲覧状況監視システムによって実現される。
人物監視装置としては,特開2003−256843号公報に記載されている計測システムを利用することができる。特開2003−256843号公報に記載されている計測システムでは,店舗内をビデオ撮影し,撮影によって得られた動画中から動きのある画像部分を検出し,動きのある画像部分を人物であると認定して人物コードを付与する。人物コードが付与された画像部分を追跡処理することによって,時刻(人物存在時刻)を含む上記人物の存在位置(たとえば,x,yの二次元位置)が所定時間間隔で取得される。店舗に入店した顧客のそれぞれに,線通信可能なICカードを持たせ,ICカードから発信される信号を,複数台の受信装置によって受信することによりICカードの位置,すなわちICカードを持っている人物の位置を算出するようにしてもよい。
いずれにしても,人物監視装置は,店舗に入店した人物を特定する人物コード,店舗内における上記人物の存在位置を表すデータおよび人物存在時刻を含む人物別位置データを,所定時間間隔で作成する。
データ処理装置は,書籍閲覧状況監視装置によって作成される書籍閲覧データ,および人物監視装置によって作成される人物別位置データのうち,書籍の閲覧位置を表すデータと上記人物の存在位置を表すデータとが一致し,かつ上記閲覧開始時刻から閲覧終了時刻までの間の時刻に上記人物存在時刻が含まれる,そのような書籍閲覧データおよび人物別位置データを用いて,人物コード,書籍識別コード,ページ番号,閲覧開始時刻,閲覧終了時刻,および書籍の閲覧位置を表すデータを含む人物別書籍閲覧データを作成する。書籍の閲覧位置を表すデータと上記人物の存在位置を表すデータとが一致し,かつ上記閲覧開始時刻から閲覧終了時刻までの間の時刻に上記人物存在時刻が含まれる,そのような書籍閲覧データおよび人物別位置データは,同一人物による書籍の閲覧行動によって作成されたものであると考えられるからである。
この発明によると,人物ごとの書籍の閲覧行動を把握することができる。
この発明は,上述した書籍閲覧状況監視装置および人物監視装置を利用した他のシステムも提供している。この発明による書籍情報統合システムは,閲覧された書籍を特定する書籍識別コード,閲覧されたページを特定するページ番号,閲覧開始時刻,閲覧終了時刻,および店舗内における書籍の閲覧位置を表すデータを含む書籍閲覧データを作成する書籍閲覧状況監視装置,店舗に入店した人物を特定する人物コード,店舗内における人物の存在位置を表すデータおよび人物存在時刻を含む人物別位置データを作成する人物監視装置,販売された書籍の書籍識別コード,販売時刻およびレジスタの店舗内における設置位置を表すデータを含む書籍販売管理データを作成する書籍販売管理装置,上記書籍の閲覧位置を表すデータと上記人物の存在位置を表すデータとが一致し,かつ上記閲覧開始時刻から閲覧終了時刻までの間の時刻に上記人物存在時刻が含まれる,そのような書籍閲覧データおよび人物別位置データを用いて,人物コード,書籍識別コード,ページ番号,閲覧開始時刻,閲覧終了時刻,および書籍の閲覧位置を表すデータを含む人物別書籍閲覧データを作成する第1のデータ処理装置,上記人物の存在位置を表すデータと上記レジスタの設置位置を表すデータが一致し,かつ上記人物存在時刻と上記販売時刻が一致する,そのような人物別位置データおよび書籍販売管理データを用いて,人物コードおよび販売された書籍識別コードを含む人物別書籍販売データを作成する第2のデータ処理装置,ならびに上記第1のデータ処理装置によって作成された人物別書籍閲覧データと,上記第2のデータ処理装置によって作成された人物別書籍販売データとを用いて,人物コード,販売された書籍識別コード,閲覧されたものの販売までに至らなかった書籍の書籍識別コード,および閲覧されたものの販売までに至らなかった書籍において閲覧されたページ番号を含む人物別書籍購入状況データを作成する第3のデータ処理装置を備えたことを特徴とする。
第1のデータ処理装置については,上述した人物別書籍閲覧状況監視システムと同様に,書籍閲覧状況監視装置によって作成される閲覧された書籍を特定する書籍識別コード,閲覧されたページのページ番号,閲覧開始時刻,閲覧終了時刻,および店舗内における書籍の閲覧位置を表すデータを含む書籍閲覧データと,人物監視装置によって所定時間間隔で作成される店舗に入店した人物を特定する人物コード,店舗内における上記人物の存在位置を表すデータおよび人物存在時刻を含む人物別位置データとに基づいて,人物コード,書籍識別コード,ページ番号,閲覧開始時刻,閲覧終了時刻,および書籍の閲覧位置を表すデータを含む人物別書籍閲覧データを作成する。
第2のデータ処理装置は,人物監視装置によって作成される人物別位置データと,書籍販売管理装置によって作成される書籍販売管理データとに基づいて,人物別書籍販売データを作成する。人物監視装置によって作成される人物別位置データは,店舗に入店した人物を特定する人物コード,店舗内における人物の存在位置を表すデータおよび人物存在時刻を含む。書籍販売管理装置によって作成される書籍販売管理データは,販売された書籍の書籍識別コード,販売時刻およびレジスタの店舗内における設置位置を表すデータを含む。人物監視装置によって作成される人物別位置データおよび書籍販売管理装置によって作成される書籍販売管理データのうち,上記人物の存在位置を表すデータと上記レジスタの設置位置を表すデータが一致し,かつ上記人物存在時刻と上記販売時刻が一致する,そのような人物別位置データおよび書籍販売管理データは,同一人物による書籍の購入行動によって作成されたものであると考えられる。第2のデータ処理装置は,人物監視装置によって作成される人物別位置データおよび書籍販売管理装置によって作成される書籍販売管理データのうち,上記人物の存在位置を表すデータと上記レジスタの設置位置を表すデータが一致し,かつ上記人物存在時刻と上記販売時刻が一致する,そのような人物別位置データおよび書籍販売管理データを用いて,人物コードおよび販売された書籍識別コードを含む人物別書籍販売データを作成する。
上記第1のデータ処理装置によって作成される人物別書籍閲覧データは,人物ごとの書籍の閲覧状況を示すデータを含む。第2のデータ処理装置によって作成される人物書籍販売データは,人物ごとの書籍の購入状況を示すデータを含む。第1のデータ処理装置によって作成される人物別書籍閲覧データと,第2のデータ処理装置によって作成される人物別書籍販売データとによって,特定の人物について,人物コード,販売された書籍識別コード,閲覧されたものの販売までに至らなかった書籍の書籍識別コード,および閲覧されたものの販売までに至らなかった書籍において閲覧されたページ番号を含む人物別書籍購入状況データを作成することをができる。第3のデータ処理装置によってこの人物別書籍購入状況データが作成される。
この発明によると,人物別書籍購入状況データによって,販売に至った書籍(または書籍の種類)のみならず,閲覧されたものの販売にまでは至らなかった書籍(または書籍の種類)を特定することができる。書籍の販売実績のみならず,顧客の興味の程度に関する情報を得ることができ,販売需要が高いことが見込まれる書籍(書籍種類)を迅速に特定することができるので,先手を打った対応をとることができる。また,閲覧されたものの販売にまでは至らなかった書籍(書籍種類)のページ番号も特定されるので,特に出版社等の書籍の製作サイドに,顧客の求める誌面作り有効な情報を提供することができる。
図1は,書籍情報統合システムの全体的構成を示すブロック図である。図2(A) 〜図5(D) は,書籍情報統合システムにおいて作成,入力または準備されるデータ(データテーブル)のそれぞれを示すものである。
図1を参照して,書籍情報統合システムは,書籍閲覧状況監視システム10,人物行動監視システム20,POSシステム30およびデータ統合システム40の4つのシステムを統合することによって構成される。まず,これらの4つのシステムを概略的に説明するとともに,これらの4つのシステムにおいて作成,入力または準備されるデータ(データテーブル)について説明する。
(1)書籍閲覧状況監視システム10
書籍閲覧状況監視システム10は,書店に置かれた複数の書籍のそれぞれについて,その書籍が閲覧されているかどうかを監視するシステムである。
書籍閲覧状況監視システム10は,書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11(図2(A))を作成する。書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11の作成に,図2(B)に示す前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12,図3(A) に示す受信中信号データテーブル13,および図3(B)に示すアンテナ情報データテーブル14が用いられる。
図2(A) を参照して,書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11は,「書籍ID」,「閲覧ページ」,「閲覧位置(x座標)」,「閲覧位置(y座標)」,「閲覧開始時刻」および「閲覧終了時刻」に関するデータを含む。図2(A) に示す行方向のデータ(レコード)のそれぞれが,書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11を構成するデータ(書籍別およびページ別閲覧状況データという)の一単位である。このことは,後述する他のデータテーブルについても同様である。
「書籍ID」は,書店に置かれた書籍のそれぞれに付与されているIDである。同一種類の書籍(同一内容の書籍)であっても,書籍IDは1冊ごとに異なるものとされる。「閲覧ページ」は,書籍IDによって特定される書籍のいずれのページが閲覧されている(閲覧されていたか)を表す。
「閲覧位置(x座標)」および「閲覧位置(y座標)」は,書籍の閲覧が,書店内のどの位置で行われている(行われていたか)を表す。x,yの2次元座標によって,書店内における位置が特定される。
「閲覧開始時刻」および「閲覧終了時刻」は,上述の「閲覧ページ」の閲覧が開始された時刻および終了された時刻をそれぞれ表す。
図2(B) を参照して,前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12は,「書籍ID」,「閲覧ページ」,「閲覧開始時刻」および「閲覧中フラグ」に関するデータを含む。
「閲覧中フラグ」は,上述した閲覧開始時刻に閲覧が開始された特定書籍の特定ページが,現在(前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12の更新処理時。詳細は後述する。)においても閲覧されているかどうかを表す。閲覧されている状況のときに,閲覧中フラグが立てられる。
図3(A) を参照して,受信中信号データテーブル13は,「書籍ID」,「閲覧ページ」,「ポート番号」および「処理装置の受信時刻(経過時間)」に関するデータを含む。
「ポート番号」は,書籍閲覧状況監視システムを構成する処理装置(後述する)に備えられるインプット/アウトプット・ユニット(以下,I/Oユニットという)のポート(ケーブル(信号線)の差込み口)の番号である。この実施例では,書籍が閲覧中であることを示すデータ(閲覧中信号)は,4台のアンテナを介して,書籍閲覧状況監視システムを構成する処理装置に入力する。4台のアンテナは,ケーブルを介して処理装置に設けられたI/Oユニットの4つのポートに接続されている。処理装置において受付けられた閲覧中信号の受付口(ポート番号)が,ポート番号欄に格納される。
「処理装置の受信時刻(経過時間)」は,4台のアンテナのそれぞれにおいて受信された閲覧中信号が,処理装置に到達した時刻(書店が開店して,時計を刻み始めてからの経過時間)である。
図3(B) を参照して,アンテナ情報データテーブル14は,アンテナの設置位置に関する情報と,補正値に関する情報を含む。後述するように,書籍閲覧状況監視システム10では,店舗内における書籍の閲覧位置が算出される。この書籍の閲覧位置の算出において,店舗内に設けられた上述した4つのアンテナの位置が利用される。アンテナ情報データテーブル14には,店舗内に設けられた4つのアンテナの設置位置が,3次元位置情報(X座標,Y座標およびZ座標)で記憶されている。
4台のアンテナは,店舗内において互いに離れた箇所に設置される。4台のアンテナと,4台のアンテナによって得られるデータを処理する処理装置(後述する)との通信経路長(ケーブル長)は,アンテナごとに異なるものになる。通信経路長の相違によるデータ処理の誤差を吸収するための値が補正値(単位:ps)である。補正値を用いた処理の詳細は後述する。
(2)人物行動監視システム20
人物行動監視システム20は,人物別店内移動データテーブル21(図4(A) )を作成する。人物別店内移動データテーブル21は,人物ID,時刻,x座標およびy座標に関するデータを含んでいる。
「人物ID」は,書店に入店した顧客ごとに割り当てられる識別符号である。「時刻」によって表される時刻における顧客の書店内における存在位置が,「x座標」および「y座標」によって表される。
人物行動監視システム20は,書店に入店した人物ごとにその人物を特定するID(人物ID)を割当て,画像処理によってその人物の書店内における移動データ(人物別店内移動データテーブル21)を作成する。人物行動監視システム20による人物別店内移動データテーブル21の作成処理の詳細は後述する。
(3)POSシステム30
POS(Point Of Sales)システム30は,顧客が書籍を購入するとき(書店が書籍を販売するとき)に用いられるシステムであり,POSデータテーブル31(図4(B) )を作成する。POSデータテーブル31は,レジ・ナンバ,時刻,性別,年齢層,購入書籍ID等を含む。
「レジ・ナンバ」は,POSシステム30に含まれる書店内に配置されたレジスタ(金銭登録機)ごとに付与される番号である。レジ・ナンバによって特定されるレジスタにおいて書籍が販売されると(書籍代金の徴収,書籍の顧客への引渡し,釣り銭の引渡しなどが行われると),POSデータテーブル31にデータが格納される。
次に説明するデータ統合システム40には,POSシステム30に含まれるレジスタの書店内における設置位置に関するデータが記憶されている。レジスタの設置位置に関するデータを記憶したものがレジ位置データテーブル41(図3(C) )である。レジ位置データテーブル41には,レジスタを特定するレジ・ナンバと,書店内におけるレジスタの配置位置を表すx座標およびy座標を含む。
POSデータテーブル31に,レジ・ナンバと関連づけて,レジ位置データテーブル41のデータ内容を含ませるようにしてもよい。
(4)データ統合システム40
データ統合システム40は,上述した書籍閲覧状況監視システム10,人物行動監視システム20およびPOSシステム30において作成,入力または準備されたデータを用いて,人物別書籍閲覧状況データテーブル42(図5(A) ),人物別書籍購入データテーブル43(図5(B) ),人物別書籍購入状況データテーブル44(図4(C) )および書籍種類別統計データテーブル45(図5(D) )を作成する。また,上述したように,データ統合システム40は,レジ位置データテーブル41(図4(C) )を記憶した記憶装置を含む。
図1を参照して,人物別書籍閲覧状況データテーブル42(図5(A) )は,書籍閲覧状況監視システム10によって作成された書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11(図2(A) )と,人物行動監視システム20によって作成された人物別店内移動データテーブル21(図4(A) )とを組み合わせて作成されるものであり,人物ID,書籍ID,閲覧ページ,閲覧開始時刻および閲覧終了時刻を含む。
上述したように,書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11(図2(A) )には,特定書籍の特定ページが閲覧されている(されていた)時刻(閲覧開始時刻および閲覧終了時刻)とその位置を表すデータが格納される。人物別店内移動データテーブル21(図4(A) )には,ある時刻における特定人物の存在位置を表すデータが格納される。書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11中のデータ(レコード)および人物別店内移動データテーブル21中のデータ(レコード)の両方において,同一の位置データ(x座標およびy座標)であって,人物別店内移動データにおける時刻が,書籍別およびページ別閲覧状況データにおける閲覧開始時刻から閲覧開始時刻までの間の時刻であれば,その書籍別およびページ別閲覧状況データと人物別店内移動データとは同一人物の行動(閲覧行動)によって作成されたものであると言える。このように,人物別書籍閲覧状況データテーブル42に格納されるデータは,同一人物の行動(閲覧行動)によって作成された書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11中のデータと人物別店内移動データテーブル21中のデータとを,時刻データおよび位置データに基づいて検索し,検索した書籍別およびページ別閲覧状況データと人物別店内移動データを用いて作成される。
図1を参照して,人物別書籍購入データテーブル43(図5(B) )は,人物行動監視システム20によって作成された人物別店内移動データテーブル21(図4(A) )と,POSシステム30によって作成されたPOSデータテーブル31(図4(B) )と,データ統合システム40に記憶されているレジ位置データテーブル41(図4(C) )とを用いて作成されるものであり,人物ID,書籍ID1,書籍ID2等を含む。
人物別店内移動データテーブル21(図4(A) )によって特定人物の特定時刻における存在位置が把握される。また,POSデータテーブル31(図4(B) )によって書籍の購入時刻が把握される。さらに,レジ位置データテーブル41(図4(C) )によって顧客による書籍の購入(書店による書籍の販売)に用いられたレジスタの位置が把握される。人物別店内移動データテーブル21中のデータによって把握される特定人物の特定時刻における存在位置が,レジ位置データテーブル41中のデータによって特定されるレジスタの位置と一致し,かつ人物別店内移動データによって把握される時刻とPOSデータにおける書籍の販売時刻とが一致すれば,その人物別店内移動データによって特定される人物が,POSデータによって特定される書籍を購入したものであると言える。人物別書籍購入データテーブル43は,このように,同一人物の行動(書籍の購入行動)によって作成された人物別店内移動データテーブル21中のデータおよびPOSデータテーブル31中のデータを,時刻データ,人物の存在位置を表すデータおよびレジ位置のデータに基づいて検索し,検索した人物別店内移動データおよびPOSデータを用いて作成される。
図1を参照して,人物別書籍購入状況データテーブル44(図5(C) )は,上述した人物別書籍閲覧状況データテーブル42(図5(A) )のデータと,人物別書籍購入データテーブル43(図5(B) )のデータとを組み合わせて作成されるものであり,人物ID,購入書籍ID,非購入閲覧書籍IDおよび非購入書籍閲覧ページを含む。
人物別書籍閲覧状況データテーブル42中のデータ(図5(A) )によって,特定人物の書籍の閲覧状況(閲覧されたページを含む)が把握される。人物別書籍購入データテーブル43中のデータ(図5(B) )によって,特定人物の書籍の購入事実が把握される。このため,人物別書籍閲覧状況データによって特定される閲覧された書籍のうち,人物別書籍購入データによって特定される購入された書籍を除けば,閲覧されたものの,購入にまで至らなかった書籍(非購入閲覧書籍)が把握される。また,人物別書籍閲覧状況データによって非購入閲覧書籍における閲覧ページも把握される。人物別書籍購入状況データテーブル44中のデータは,人物別書籍閲覧状況データ(図5(A) )と人物別書籍購入データ(図5(B) )に基づいて作成され,閲覧されたものの,購入にまでは至らなかった書籍を特定するデータ(非購入閲覧書籍ID),非購入閲覧書籍において閲覧されたページを特定するデータ(非購入書籍閲覧ページ)が格納される。
書籍種類別統計データテーブル45(図5(D) )は,所定期間(たとえば,1営業日)ごとに作成されるものであり,上述した人物別書籍閲覧状況データテーブル42中のデータ(図5(A))および人物別書籍購入データテーブル43中のデータ(図5(B))に基づいて作成される。書籍種類別統計データテーブル45は,書籍種類ID,平均閲覧時間,閲覧頻度,購入/閲覧率等を含む。
「書籍種類ID」とは,書籍の種類を表すIDである。上述した書籍IDが書籍1冊ごと付与されるのに対し,「書籍種類ID」は書籍の種類ごとに付与されるIDである。同一種類の書籍(同一内容の書籍)であれば同一のIDになる。
書籍種類IDと書籍IDとは一つの符号列(ID)に含ませることができる。図6を参照して,たとえば,6桁の数値を書籍IDとし,先頭から2桁の数値を書籍種類IDとすればよい。同一種類の書籍(同一内容の書籍)であれば,6桁の符号列のうち先頭から2桁目の符号列は同一になる。3桁目から6桁目については,同一種類の書籍(同一内容の書籍)であっても,書籍のそれぞれについて1冊ごとに異なる符号列となる。もちろん,書籍種類IDとしてISBN番号を用い,このISBN番号に書籍IDを付加するようにしてもよい。
「平均閲覧時間」は,特定の書籍種類についての1営業日における1回の閲覧時間であり,人物別書籍閲覧状況データテーブル42(図5(A) )に基づいて作成される。書籍ID中に含まれる書籍種類IDをキーにして,書籍種類ごとに人物別書籍閲覧状況データを抽出し,抽出された人物別書籍閲覧状況データにおける閲覧開始時刻から閲覧終了時刻までの時間を加算して,加算時間を人物別書籍閲覧状況データの抽出数で除算することによって,平均閲覧時間が算出される。
「閲覧頻度」は,特定の書籍種類についての1営業日における1時間あたりの閲覧回数であり,人物別書籍閲覧状況データテーブル42(図5(A) )に基づいて作成される。上述した人物別書籍閲覧状況データの抽出数(特定の書籍種類の書籍についての1営業日における閲覧回数)を,書店の営業時間で除算することによって,閲覧頻度が算出される。
なお,人物別書籍閲覧状況データテーブル42中のデータは,書籍に含まれるページが閲覧されるたびに作成されるので,抽出された人物別書籍閲覧状況データのうち,同一人物による同一書籍の閲覧によって作成された複数の人物別書籍閲覧状況データについては,その複数の人物別書籍閲覧状況データを一つの抽出数(閲覧回数)としてカウントしてもよい。これにより,ページがめくられた場合のそれぞれが閲覧回数として扱われず,書籍が顧客の手に取られると(書籍が開かれる必要はある),それが閲覧回数となる。
「購入/閲覧率」は,特定の書籍種類について,1営業日における販売数を,1営業日における閲覧回数で除算した値であり,人物別書籍閲覧状況データテーブル42(図5(A) )および人物別書籍購入データテーブル43(図5(B) )に基づいて作成される。
このように,書籍情報統合システムでは,書籍ごとおよび書籍種類ごとに,購入(販売)状況を管理することができるとともに,閲覧されたものの購入(販売)には至らなかった書籍および書籍種類をも管理することができる。閲覧頻度が高い書籍種類は,顧客に興味を持たれている書籍種類であると言え,このような書籍種類を正確に把握することができる。書籍情報統合システムでは,書籍の販売実績のみならず,顧客の興味の程度に関する情報を得ることができ,販売需要が高いことが見込まれる書籍種類を迅速に特定することができるので,先手を打った対応をとることができる。
また,書籍情報統合システムでは,書籍のページごとの閲覧状況も管理することができるので,書籍全体のうちのどの部分に顧客の興味が大きいかについても把握することができる。特に出版社等の書籍の製作サイドに,顧客の求める誌面作り有効な情報を提供することができる。
以下,書籍情報統合システムを構成する書籍閲覧状況監視システム10,人物行動監視システム20,POSシステム30およびデータ統合システム40のそれぞれを詳細に説明する。
図7は,書籍情報統合システムを導入した書店内を示すものである。
書店には,書籍閲覧状況監視システム10を構成する装置,人物行動監視システム20を構成する装置,およびPOSシステム30を構成する装置が配置される。
書籍閲覧状況監視システム10を構成する装置として,書店には,1台の送信機51と,4台のアンテナ52a〜52dが設けられている。送信機51が書店のほぼ中央の天井に設置されている。4台のアンテナ52a〜52dは書店の4隅の天井に設置されている。
人物行動監視システム20を構成する装置として,書店には,5台のビデオ・カメラ61が設けられている。
POSシステム30を構成する装置として,書店には,2台のレジスタ71が設けられている。
(1)書籍閲覧状況監視システム10
図8は書籍閲覧状況監視システム10の構成を示すブロック図である。図9は送信機51の電気的構成を示すブロック図を,図10はICタグ53の電気的構成を示すブロック図をそれぞれ示している。
書籍閲覧状況監視システム10は,上述した1台の送信機51および4台のアンテナ52a〜52dを含む。書籍閲覧状況監視システム10はさらに,書籍に貼付されるICタグ53a,53b・・・,および処理装置50を含む。
ICタグ53a,53b・・・は,図11に示すように,書店に並べられる書籍の見開きページごとに貼付される(複数のICタグ53a,53b・・・のそれぞれについて区別を要しない場合には,ICタグを符号53で示す)。
処理装置50は,書店の店舗とは別の部屋に設置される(もちろん,店舗内であってもよい)。
送信機51(図9)は,調査信号発生回路51A,送信回路51Bおよびアンテナ51Cによって構成される。
調査信号発生回路51Aは,調査信号を所定時間tごと(たとえば,1秒ごと)に発生する回路である。調査信号発生回路51Aにおいて発生した調査信号は,送信回路51Bおよびアンテナ51Cを介して外部に送信され,後述するように,ICタグ53によって受信される。
ICタグ53は無線通信が可能なものであり,上述のように,書店に並べられる書籍の見開きページのそれぞれに貼付される。すなわち,書店内には,多数のICタグ53が存在する。
多数のICタグ53のそれぞれは,いずれも共通のハードウエア構成を持つ。図10を参照して,ICタグ53はコンピュータ53Aを含む。コンピュータ53AによってICタグ53の動作が全体的に統括制御される。コンピュータ53Aには,書籍ID(書籍種類IDを内在する書籍ID)およびページ番号が記録されたメモリ53B,外光を検知し,検知した外光の光量が所定値以上のときに信号(受光信号)を発生する光センサ53C,データの送受信のための送受信回路53Dが接続され,送受信回路53Dにアンテナ53Eが接続されている。ICタグ53のコンピュータ53Aは,光センサ53Cが発生する受光信号が入力することにより,書籍(ICタグ53が貼付されたページ)が閲覧中であることを検知する。
書店に設置された4台のアンテナ52a〜52dは,ケーブルによって処理装置50に接続されている(図8参照)。アンテナ52a〜52dのそれぞれからのびるケーブルは,処理装置50のI/Oユニット54に接続されている。I/Oユニット54は4つのポート(ケーブルの差込み口)を備え,各ポートにはポート番号1〜4が割り当てられている。4台のアンテナ52a〜52dのいずれからのデータであるのかが,ポート番号によって処理装置50において認識される。
処理装置50は,上述したI/Oユニット54のほか,コンピュータ,メモリ,通信装置,時計,ハードディスク等を含むコンピュータ・システムである(図8においては,処理装置50を構成するハードウエアとして,I/Oユニット54とメモリ57と時計58のみが明示的に示されている)。処理装置50は次の2つの処理機能を提供する。
(i)閲覧状況監視機能55
閲覧状況監視機能55は,上述した前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12(図2(B) ),および受信中信号データテーブル13(図3(A) )を作成し(これらのデータテーブルにレコードを格納等する。以下同じ。),かつ閲覧されている書籍の店舗内における位置(書籍閲覧位置)を計算する機能を提供する。書籍閲覧位置の計算に,アンテナ情報データテーブル14(図3(B) )が用いられる。
(ii)閲覧終了状況監視機能56
閲覧終了状況監視機能56は,書籍の閲覧が終了されたこと(ページがめくられたことを含む)を監視し,閲覧終了の判断に伴って上述した書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11(図2(A)参照)を作成する機能を提供する。
閲覧状況監視機能55および閲覧終了状況監視機能56は,処理装置50におけるプログラミング処理によってこれらの機能が達成される。すなわち,処理装置50のハードディスク等には閲覧状況監視機能55および閲覧終了状況監視機能56を処理装置50に実行させるためのプログラム(およびデータ)が記憶されており,このプログラム(1つのプログラムであっても,2つ以上のプログラムであってもよい)が実行されることによって,処理装置50において閲覧状況監視機能55および閲覧終了状況監視機能56がそれぞれ実行される。閲覧状況監視機能55による処理および閲覧終了状況監視機能56による処理の詳細は後述する。
図12は,送信機51,ICタグ53およびアンテナ52a〜52dのそれぞれの処理の流れを示すフローチャートである。図13および図14は,上述した閲覧状況監視機能55の処理の流れを示すフローチャートである。図15は,閲覧終了状況監視機能56の処理の流れを示すフローチャートである。
書店内に設置された送信機51は,上述したように,所定時間間隔(たとえば,1秒ごと)に調査信号(時刻データ,「0」および「1」の繰返しデータなど)を発生し,発生した調査信号を外部に送信する(ステップ81)。
送信機51から送信された調査信号は,書店内に並べられている書籍の各ページに貼付されている多数のICタグ53a,53b・・のそれぞれにおいて受信される(ステップ82)。
ICタグ53は,調査信号を受信すると,ICタグ53に含まれている光センサ53Cから受光信号が出力されているかどうかを判断する(ステップ83)。上述したように,光センサ53Cは,所定値以上の光量の光を受光しているときに受光信号を連続(継続)発生する。
光センサ53Cが所定値以上の光量の光を受光していない場合,光センサ53Cからの受光信号の出力はない(ステップ83でNO)。ICタグ53が貼付されたページは閉じられており,したがって顧客によってそのページが閲覧されていない状況である。この場合にはICタグ53は特段の処理を行わない。
光センサ53Cが所定値以上の光量の光を受光している場合(ステップ83でYES ),すなわち,ICタグ53が貼付された書籍のページが開かれており,顧客によってそのページが閲覧されている状況である場合,光センサ53Cは受光信号を発生する。光センサ53Cにおいて発生した受光信号はコンピュータ53Aに入力する。受光信号の入力を受けたコンピュータ53Aは,送受信回路53Dおよびアンテナ53Eを介して,閲覧中信号を,アンテナ52a〜52dに向けて送信する。閲覧中信号は,ICタグ53のメモリ53Bに記憶されている書籍IDおよびページ番号,ならびに送信機51から送信された調査信号を含む(ステップ84)。
ICタグ53から送信された閲覧中信号は,書店内に設置された4台のアンテナ52a〜52dのそれぞれにおいて受信される(ステップ85)。4台のアンテナ52a〜52dのそれぞれによって受信された閲覧中信号(書籍ID,ページ番号および調査信号)は,アンテナ52a〜52dのそれぞれに接続されたケーブルを介して処理装置50に送られる(ステップ86)。アンテナ52a〜52dと処理装置50との間の通信は無線通信であってもよい。
上述したように,アンテナ52a〜52dのそれぞれからのびるケーブルは,処理装置50のI/Oユニット54の4つのポートのそれぞれに接続されている(図8参照)。アンテナ52a〜52dによって受信された閲覧中信号は,I/Oユニット54の4つのポート(ポート番号1〜4)から処理装置50に入力する。
次に説明するように,閲覧状況監視機能55は,アンテナ52a〜52dからの閲覧中信号の送信(I/Oユニット54における閲覧中信号の受信)に応じて動作する。他方,閲覧終了状況監視機能56は,所定時間間隔(上述した送信機51における調査信号の発生時間間隔と同じ時間間隔であることが望ましい)で常時動作する。閲覧状況監視機能55が動作している場合,閲覧状況監視機能55(図13および図14)と閲覧終了状況監視機能56(図15)は交互に処理される。
閲覧状況監視機能55の処理を説明する。図13を参照して,閲覧状況監視機能55は,アンテナ52a〜52dから送信される閲覧中信号の受信を待機している(ステップ91)。アンテナ52a〜52dのいずれかからの閲覧中信号が受信されると,閲覧状況監視機能55の処理が進行する(ステップ91でYES)。
書籍に貼付されたICタグ53と4台のアンテナ52a〜52dとの間の距離は一般にはそれぞれ異なり,またアンテナ52a〜52dと処理装置50との間の経路長(ケーブルの長さ)もそれぞれ異なる。このため,一のICタグ53から送信された閲覧中信号が,4台のアンテナ52a〜52dのそれぞれにおいて受信され,4つの閲覧中信号が処理装置50のI/Oユニット54に到達するまでの時間(時刻)は,4台のアンテナ52a〜52dのそれぞれについて(4つの閲覧中信号のそれぞれについて)異なる。すなわち,I/Oユニット54には,4台のアンテナ52a〜52dからの4つの閲覧中信号が順に到達する。閲覧状況監視機能55の処理は,4台のアンテナ52a〜52dのそれぞれから送信される4つの閲覧中信号が,処理装置50(I/Oユニット54)において受信されるたびに行われる。
一のアンテナ(たとえば,アンテナ52aとする)からの閲覧中信号がI/Oユニット54(ポート番号1とする)に到達する(ステップ91でYES )。ポート番号の認識(4台のアンテナ52a〜52dのうちのいずれのアンテナからの閲覧中信号であるかの認識と同じ)の後(ステップ92),I/Oユニット54の4つのポート(ポート番号1〜4)のすべてに,ICタグ53からの閲覧中信号(書籍IDおよびページ番号が共通するもの)が到達したかどうかが判断される(ステップ93)。この判断に,上述した受信中信号データテーブル13(図3(A))が用いられる。
4つのポートのすべてに閲覧中信号が未だ受信されていない場合(ステップ93でNO),受信中信号データテーブル13(図3(A) )に新たなレコードが作成される。作成された新たなレコードには,閲覧中信号に含まれている書籍IDおよび閲覧ページが格納され,かつ閲覧中信号を受信したI/Oユニット54のポート番号が格納される。また,処理装置50(I/Oユニット54)において閲覧中信号が受信された時刻(書店が開店してからの経過時間)が時計58から取得され,この時刻(経過時間)が,作成されたレコードに格納される(ステップ95)。
4つのアンテナ52a〜52dのすべてからの閲覧中信号が,処理装置50のI/Oユニット54に到達すると(受信中信号データテーブル13に,同一閲覧中信号に基づく3つのレコードが存在する状態で4つ目の閲覧中信号が受信されると)(ステップ93でYES ),書籍閲覧位置計算処理が行われる(ステップ94,図14)。
図14を参照して,受信中信号データテーブル13に格納されている書籍IDおよび閲覧ページが共通する3つの受信中信号データが読出される。3つの受信中信号データのそれぞれに含まれる3つの閲覧中信号の受信時刻と,4つ目の閲覧中信号の受信時刻(時計58から得られる時刻)が取得される(ステップ101)。
上述したように,4つのアンテナ52a〜52dと処理装置50(I/Oユニット54)との間に敷設された4本のケーブルのケーブル長が相違する。ケーブル長の相違による受信時刻の誤差をなくす処理が行われる。
アンテナ情報データテーブル14(図3(B) )には,アンテナごとに補正値が格納されている。この補正値がアンテナ情報データテーブル14から読み出される(ステップ102 )。
読み出されたアンテナごとの補正値が,対応するアンテナの受信時刻(経過時間)から減算される。これにより,ケーブル長による受信時刻の誤差が解消される。すなわち,各アンテナ52a〜52dのそれぞれにおける閲覧中信号の受信時刻が,処理装置50において求められる(ステップ103 )。
上述したように,一般には,ICタグ53と4台のアンテナ52a〜52dとのそれぞれの距離は異なるので,各アンテナ52a〜52dにおける閲覧中信号の受信時刻(上述した誤差補正された受信時刻;アンテナ受信時刻)は,一般には,4台のアンテナ52a〜52dのそれぞれについて異なる(信号の伝播時間の相違)。
次に行われる3次元位置計算処理(ステップ104 )では,この信号の伝播時間の相違を用いて,閲覧中信号を送信したICタグ53の書店内における位置,すなわち,閲覧されている書籍の書店内における位置を計算する。3次元位置計算処理(ステップ104 )では,次に示す連立方程式を解くことによって,ICタグ53の3次元位置(x,y,z)を計算する。
式1に示す連立方程式において,ti(i=1,2,3,4)は,4台のアンテナ52a〜52dのそれぞれにおいて閲覧中信号を受信した受信時刻(上述したケーブル長に基づく誤差を補正したもの)である。xi,yi,zi(i=1,2,3,4)は,4台のアンテナ52a〜52dの書店内における設置位置であり,アンテナ情報データテーブル14に格納されている。vは,ICタグ53から送信され,アンテナ52a〜52dにおいて受信される閲覧中信号の伝播速度である。
式1において,未知数は,閲覧中信号を送信したICタグ53の3次元位置(x,y,z)と,ICタグ53が4台のアンテナ52a〜52dに閲覧中信号を送信した時刻tである。4つの連立方程式を解くことによって,ICタグ53の3次元位置(x,y,z)と,ICタグ53が閲覧中信号を送信した時刻tが求められる。
計算されたICタグ53の3次元位置(x,y,z)およびICタグ53が閲覧中信号を送信した時刻tのうち,ICタグ53のx座標およびy座標を表すデータが,書籍IDおよびページ番号とともに処理装置50のメモリ57に一時的に保存される(ステップ105 )。また,3次元位置の計算に用いられた受信中信号データテーブル13中の3つの受信中信号データが,受信中信号データテーブル13から削除される(ステップ106)。
図13に戻って,ICタグ53の3次元位置の算出(ICタグ53のx座標およびy座標のメモリ57への記憶)を終えると,時計58から現在時刻(経過時間)が取得される(ステップ96)。その後,前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12(図2(B) )に,処理装置50において受信された閲覧中信号(4つの閲覧中信号のうちのいずれであってもよい)に含まれる書籍IDおよび閲覧ページと同じ書籍IDおよび閲覧ページを含むレコードが存在するかどうかが判断される(ステップ97)。
閲覧中信号に含まれる書籍IDおよび閲覧ページと同じ書籍IDおよび閲覧ページを含むレコードが,前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12に存在しない場合には(ステップ97でNO),前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12に新たなレコードが作成される。作成された新たなレコードに,上述した現在時刻(ステップ96で取得された時刻:図2(B) では,時刻は書店が開店してからの経過時間ではなく,24時間の時刻表記としている。もちろん,書店が開店してからの経過時間であってもよい)が,閲覧開始時刻欄に格納され,かつ閲覧中信号に含まれる書籍IDおよび閲覧ページが格納される。また,作成された新たなレコードに,閲覧中フラグが立てられる(ステップ99,図2(B)参照)。
閲覧中信号に含まれる書籍IDおよび閲覧ページと同じ書籍IDおよび閲覧ページを含むレコードが,前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12に存在する場合,次の説明によって明らかになるが,そのレコードにおいて閲覧中フラグは常にクリアされている。閲覧中フラグが立てられる(ステップ97でYES,ステップ98)。
上述したように,図13および図14に示す閲覧状況監視機能55による処理と,図15に示す閲覧終了状況監視機能56による処理は,交互に実行される(なお,4つの閲覧中信号の受信のたびに4回の閲覧状況監視機能55の処理が行われるが,4つの閲覧中信号が受信され,閲覧中フラグが立てられるまでの処理(ステップ94〜ステップ98または99までの処理)が行われた場合を,閲覧状況監視機能55の処理の一単位とする)。
閲覧終了状況監視機能56の処理(図15)を説明する。閲覧終了状況監視機能56の処理は,上述したように,閲覧中信号の処理装置50における受信とは無関係に,所定時間間隔(調査信号の発生時間間隔と同じ時間間隔)で行われる。
閲覧終了状況監視機能56では,前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12(図2(B) )が参照され,この前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12に格納されているすべてのレコードに対して次の処理が行われる(ステップ111,ステップ114)。
前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12に格納されているレコードは,閲覧中フラグ欄を含む。この閲覧中フラグ欄には,上述したように,閲覧状況監視機能55の処理において,閲覧中フラグが立てられる(図13のステップ98,99)。
前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12に格納されているレコードのそれぞれについて,閲覧中フラグ欄にフラグが立っているかどうかが判断される(ステップ112)。
閲覧中フラグが立っている場合(ステップ112でYES),閲覧終了状況監視機能56の処理タイミングの直前に実行された閲覧状況監視機能55の処理タイミングでは,特定書籍(書籍IDで特定される)の特定ページ(ページ番号で特定される)の閲覧が継続している(閲覧を開始した状況を含む)ことがわかる。
閲覧中フラグが立っているレコードについては,ステップ115 の処理はスキップされ,閲覧中フラグをクリアする処理が行われる(ステップ116)。
閲覧終了状況監視機能56の処理タイミングの直後に実行される閲覧状況監視機能55の処理タイミングにおいても,継続してその特定書籍の特定ページの閲覧が継続して続いている場合には,上述した閲覧状況監視機能55(図13および図14)の処理が再び行われる。すなわち,4つのアンテナ52a〜52dから4つの閲覧中信号が得られ(図13のステップ93でYES ),閲覧されているページに貼付されているICタグ53の3次元位置が計算され,x座標およびy座標がメモリ57に記憶される(図14)。前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12に格納されているレコード(閲覧中信号に含まれる書籍IDおよびページ番号を持つレコード)に閲覧フラグが立てられる(図13のステップ97でYES ,ステップ98)。
書籍の閲覧が終わった(ページがめくられた場合を含む)状況を考える。この場合,閲覧中信号の送信(閉じられたページについての閲覧中信号の送信)がなくなる。このため,閲覧終了状況監視機能56の処理が行われ,その直後に閲覧状況監視機能55の処理が行われ,さらにその直後に行われる閲覧終了状況監視機能56の処理では,閉じられたページについての前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12中のレコードには,閲覧中フラグは立っていない。前回の閲覧終了状況監視機能56の処理において,閲覧中フラグはクリアされるからである(ステップ116)。
閲覧中フラグが立っていない場合(ステップ112 でNO),書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11(図2(A) )にレコードが作成される。作成された書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11中のレコードに,閲覧中フラグが立っていない前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12(図2(B) )中のレコードのデータ(書籍ID,ページ番号および閲覧開始時刻)が格納され,かつ現在時刻が閲覧終了時刻欄に格納される。さらに,作成された書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11のレコードには,メモリ57に記憶されているx座標およびy座標も格納される(ステップ113 )。書籍ID,閲覧ページ,閲覧位置(x座標),閲覧位置(y座標),閲覧開始時刻および閲覧開始時刻が格納された書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11(図2(A) )のレコードが完成する。
閲覧中フラグが立っていないレコードは,前時刻閲覧中ページ一覧データテーブル12から削除される(ステップ115)。
(2)人物行動監視システム20
図16は,人物行動監視システム20の電気的構成を示すブロック図である。
人物行動監視システム20は,5台のビデオ・カメラ61と,画像処理装置62とによって構成される。画像処理装置62は,人物抽出回路63,人物追跡回路64,データ処理回路65および記憶装置66を含む。データ処理回路65には時計67が接続されている。
人物行動監視システム20については,特開2003−256843号公報に記載のものを利用することができる。5台のビデオ・カメラ61によって撮像された動画像データは,画像処理装置62に与えられる。5台のビデオ・カメラ61から得られる動画像データは同期して出力され,画像処理装置62においては一つの動画像データとして取り扱われる。
5台のビデオ・カメラ61によって得られた動画像データは,画像処理装置62の人物抽出回路63に与えられる。人物抽出回路63は,背景差分法によって,動画像データによって表される動画像中に含まれる動きのある画像部分を特定し,特定された画像部分を人物として抽出する。人物抽出回路63によって抽出された人物(人物画像)には,人物を特定するための人物IDが付与される。
人物抽出回路63によって抽出された特定の人物画像データは,人物追跡回路64によって追跡処理される。人物追跡回路64はテンプレートマッチング等によって人物画像部分を追跡する。
人物追跡回路64から,特定人物の書店内における動きを表すデータ,すなわち,人物IDと,人物IDによって特定される人物の書店内における存在位置(x座標,y座標)を表すデータが,所定時間間隔で出力される。人物追跡回路64から出力されたデータは,データ処理回路65に入力する。データ処理回路65は,人物追跡回路64から出力された人物ID,x座標およびy座標を表すデータに,時計67によって得られる時刻データを付加して,人物別店内移動データテーブル21(図4(A) )のデータを作成し,記憶装置66に記憶する。
(3)POSシステム30
図17は,POSシステム30のハードウエア構成を示すブロック図である。POSシステム30は,複数台のレジスタ(金銭登録機)71を含む。レジスタ71には金額,顧客の年齢層(10代,20代,30代など),顧客の性別(男性または女性)等を入力するための操作キー,書籍の各ページに貼付されているICタグ53のメモリ53Bに記憶されている書籍IDを読出す読出装置,書籍金額,書籍ID,入金金額,釣り銭金額等を表示するための表示装置,時計等が設けられている。
顧客が書籍を購入する場合,顧客は,書店におけるレジスタ71の設置位置に,書籍を持って移動する。店員が書籍を上記読出装置に近づけると,書籍に設けられているICタグ53のメモリ53Bに記憶されている書籍IDが読出装置によって読出される。店員は顧客から金銭を受取り,受け取った金銭額を操作キーを用いて入力する。このとき,顧客の風貌に基づいて,顧客の年齢層,顧客の性別等を操作キーを用いて入力する。店員は,書籍を顧客に渡すとともに,必要に応じて,釣り銭を渡す。
レジスタ71は,入力された書籍ID,入金金額,釣り銭金額,顧客の年齢層,顧客の性別等を,レジスタ71を特定するレジ・ナンバおよび時刻データ(レジスタ71には,時計(図示略)が設けられている)とともに,コンピュータ72に送信する。レジスタ71からコンピュータ72に送信されるデータがPOSデータテーブル31(図4(B) )のデータである。
コンピュータ72は,レジスタ72からPOSデータ31を受取ると,コンピュータ72に接続された記憶装置73に記憶させる。このように書籍が販売される度に,記憶装置73にはPOSデータが蓄積される。
(4)データ統合システム
データ統合システム40は,CPU,メモリ,ハードディスク,通信装置,入力装置,表示装置等を含むコンピュータ・システムである(ハードウエア構成についての図示は省略する)。
データ統合システム40は,書籍閲覧状況監視システム10において作成された書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11,人物行動監視システム20において作成された人物別店内移動データテーブル21,POSシステム30によって得られたPOSデータテーブル31,データ統合システム40の記憶装置に記憶されているレジ位置データテーブル41を用いて,上述したように,人物別書籍閲覧状況データテーブル42(図5(A) ),人物別書籍購入データテーブル43(図5(B)),人物別書籍購入状況データテーブル44(図5(C))および書籍種類別統計データテーブル45(図5(D) )を作成する。書籍別およびページ別閲覧状況データテーブル11,人物別店内移動データテーブル21およびPOSデータテーブル31は,書籍閲覧状況監視システム10,人物行動監視システム20およびPOSシステム30から1日に一回(たとえば,閉店時),または1日に複数回(たとえば,所定時刻),データ統合システム40に,通信回線を通して送信される。
上述した実施例において,人物行動監視システム20は,5台のカメラ61によって得られた動画像データを解析処理することによって,書店に入店した顧客の書店内における移動データを作成して人物別店内移動データテーブル21(図4(A) )を作成している。動画像データの解析処理に代えて,書店に入店した顧客に,入店時にICカードを持たせ,ICカードから連続的に発信される信号を受信することによって,人物別店内移動データテーブル21を作成するようにしてもよい。もちろん,顧客に渡されるICカードは,ICカードごとに異なるカードIDを記憶しており,ICカードから発信される信号にはカードIDが付加される。ICカードは,書店から退店する際に,書店によって回収される。
また,書籍の見開きページごとに貼付されるICタグ53は,光センサ53Cに入射する光の光量を,特定書籍の特定ページの閲覧状況を検知するための物理量として用いているが,その他の物理量を検知するセンサを,ICタグ53に設けるようにしてもよい。たとえば,圧力センサ(書籍が閉じられているときには圧力が高く,書籍が開かれると圧力が低くなることを利用する),音センサ(書籍が閉じられているときには入力音量が小さく,書籍が開かれると入力音量が大きくなることを利用する),その他の物理量センサを利用することもできる。また,隣接するICタグ間の距離の検出し,隣接するICタグ間の距離が閾値以上になった場合に閲覧中信号を送信するようにしてもよい。