JP4597427B2 - 品物査定方法、品物査定機能付き販売方法及び品物査定システム - Google Patents

品物査定方法、品物査定機能付き販売方法及び品物査定システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、美術品や骨董品などの品物をコンピュータネットワーク上で査定する品物査定方法、品物査定機能付き販売方法及び品物査定システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インターネットの普及に伴って、インターネット上で商品の売買やオークションなどが行われている。例えば美術品や骨董品などもネットオークションに出されたり、ネット上で販売されたりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、美術品や骨董品などの真の価値は、専門家には分かっても、一般人には分からなかった。そのため、あまり価値のない美術品を高値で購入したり、また価値のある美術品をその価値がわからぬまま買い逃すことがあった。
【0004】
また、一般に市場価値は投資的要素などが絡むため、美術的価値や学術的価値があっても必ずしも価格に比例するものではなかった。例えばコレクタ(収集家)の中には、投資目的で美術品や骨董品を買い集める者もいるが、投資目的でなく美術的価値や学術的価値を重視する者もいる。つまり、コレクタが美術品を収集する価値の基準は人それぞればらばらで、その重視する価値観は、美術商から見た価値(商業的価値)、学術団体から見た価値(学術的価値)、美術館から見た価値(美術的価値)など、各人ばらばらであった。そしてコレクタは自分が重視する観点についての専門家、つまり美術商、学芸員、美術館員などがそれぞれの専門の立場から評価した価値についてはどうなのかという点を情報として知りたかった。しかし、従来は、情報として流れるものは、その美術品が幾らで売買されたとか、希少品なので将来高く売れるかなどの商業ベースの価値に偏った情報が多かった。また、希少性(投資性)、学術性、美術性など種々の観点から総合評価した情報が得られやすかったが、有名な美術品などはなぜ価値があるのか、その理由が学術的または美術的な観点から詳しく説明されるが、さほど名の無い美術品などについてはその価値の指標や根拠がしっかり示された出版物などが少なかった。また、出版物に記載されていない美術品が取引の対象とされることの方が依然多いのが現状である。また、出版物に同じ美術品についてその価値の根拠がしっかり説明されていても、それが本物か贋作かは一般人には見分けることができない。また、一般人であれば見逃してしまう小さな傷一つの有無によって価値が大きく変わったり、また印の有無や紙質、顔料の種類、さらに作者が描いた年代(年齢)によっても価値は大きく異なることがある。
【0005】
一方、学術的に十分価値があっても、絵として取り扱った題材が悪いために美術的価値が低く人気薄で、市場価値が非常に低いものもある。これとは逆に、色彩がよく構図も立派で美術的に十分価値があれば、資料としての学術的価値がさほどなくても、市場人気が高く高い値段で取引されていることもある。
【0006】
また美術品の価値は、国内と海外、さらに海外でも地域によって異なる。例えば国内で査定された美術品の価格が安くても、実は海外においては破格の値段で取引きされる場合もある。すなわち、美術品や骨董品などは、その国々の文化、伝統、流行などに影響されてその価値が決まるため、地域や国によって評価が大きく異なる場合が多い。そのため、海外であれば高く売れた美術品を国内で安く売ってしまったり、逆に海外であれば安く買えた美術品を国内で高く買ってしまったりすることも当然起こり得た。
【0007】
さらに美術品などを購入したい者は、どこに自分の価値に合った美術品があるのか、またネット上などで販売用に画面展示されている多数の美術品の中から、はたして自分の価値観に合い、自分の購入できる価格帯である美術品をどのように探し出すのかが問題であった。例えばめぼしい絵画を見つける度に、その絵画の値段などは値段表示に画面を切換えて確認できるかもしれないが、種々の観点からの価値までは知ることができなかった。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、美術品や骨董品などの品物の価値を、商業的価値、学術的価値及び美術的価値の3つの価値観のうちユーザが重視する1つの観点からユーザの価値に合った査定結果を得ることができるとともに、複数の異なる価値観を重視するユーザにとっては複数の異なる価値観の観点から品物の価値を総合的に評価した総合評価を知ることができる品物査定方法、品物査定機能付き販売方法及び品物査定システムを提供することにある。
【0009】
第2の目的は、美術品や骨董品など多数の品物の中から、ユーザの価値観と希望価格に合った品物をネットワークを通じて探し出すことを可能にすることにある。
【0010】
第3の目的は、美術品や骨董品などネット上で販売されている品物について、ネット取引する前にユーザの価値に合った品物であるかどうかを異なった価値観からその価値を査定することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、美術品又は骨董品に属する品物を、コンピュータネットワークを介して査定する品物査定方法において、端末からのアクセスに応じてコンピュータが査定依頼画面を該端末に表示させる送信をする査定依頼画面表示段階と、前記査定依頼画面が表示された前記端末に査定対象として入力された品物の属性データと、商業的価値評価、学術的価値評価及び美術的価値評価の3つの評価ベースのうち品物の価値を異なる評価ベースから査定するために前記査定依頼画面に選択可能に二以上用意された複数の評価ベースの中から前記端末で選択入力された少なくとも1つの評価ベースが指定された指定データとをコンピュータが前記端末から受け付ける受付段階と、コンピュータは、登録済みの複数の品物について前記複数の評価ベース毎に設定された複数の評価項目毎に評価点データを記憶するデータベースと、査定演算用のプログラムを記憶する記憶手段とを備え、受け付けた前記指定データで指定された評価ベースが1つの場合は、前記データベースから前記品物について当該1つの評価ベースに設定された前記評価項目毎の評価点データを読み出し、読み出した各評価点データを用いて前記記憶手段の査定演算用のプログラムを実行して満点に対する評価点を演算して、当該評価点を前記査定対象の品物の指定された評価ベースでの査定結果として取得し、一方、前記指定データで指定された評価ベースが複数の場合は、複数の評価ベース毎に設定された評価項目毎の評価点データを用いて評価ベース毎に前記記憶手段に記憶された査定演算用のプログラムを実行して指定の評価ベース毎に満点に対する評価点を演算するとともに当該評価ベース毎の評価点を重み付け演算して満点に対する総合評価点を査定結果として取得する査定段階と、コンピュータが前記査定結果の情報を端末に送信して当該端末に当該査定結果を画面表示させる査定結果送信段階とを備えたことを要旨とする。なお、品物とは、美術品(絵画(浮世絵、日本画、洋画等)、彫刻、陶器、刀剣、置物、宝石、アクセサリー)、骨董品(陶器、家具、玩具、楽器、機械製品、小道具、土器、石器)、切手、コイン、著名人の持ち物、著名人直筆の書物や手紙(サイン色紙)などを含む。
【0012】
この発明によれば、利用者(ユーザ)は端末の画面で査定結果を見れば、品物の価値を評価ベースごとに個別に知ることができるので、自分の重視する価値観に合った品物であるかどうかを知ることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の品物査定方法において、
前記受付段階において前記端末に表示される前記査定依頼画面には、記商業的価値評価、学術的価値評価、美術的価値評価の3つ評価ベースが選択可能に用意されていることを要旨とする。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の品物査定方法において、前記端末から前記指定データで指定された前記評価ベースが複数である場合は、前記受付段階において前記コンピュータが前記端末から受信する前記指定データには、前記端末で入力指定された重み付け割合が含まれており、前記査定段階では、前記コンピュータは前記指定データで指定された複数の評価ベース毎に演算した各評価点を、前記指定データで指定された前記重み付け割合に従って重み付け演算して当該品物の総合評価点を求め、前記査定結果送信段階では、コンピュータが前記総合評価情報を端末に送信して当該端末に当該総合評価点を画面表示させることを要旨とする。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の品物査定方法において、前記端末から前記指定データで指定された前記評価ベースが複数である場合は、前記査定段階において、前記コンピュータは前記指定データで指定された複数の評価ベース毎に演算した満点に対する各評価点の査定結果と、当該各査定結果を当該複数の評価ベースの重み付け割合に従って重み付け演算して得た前記品総合評価点の査定結果とを取得し、前記査定結果送信段階では、コンピュータ、前記評価ベース毎の評価点の査定結果と前記総合評価の査定結果とを端末に送信して当該端末に画面表示させることを要旨とする。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の品物査定方法において、前記受付段階では、前記品物の価値を地域別評価可能に前記査定依頼画面に予め用意された複数の地域のうち端末で選択入力された地域指定データを含む前記指定データを受け付け、前記データベースには、登録済みの各品物について地域コード別に前記複数の評価ベース毎の各評価項目の評価点データが記憶されており、前記査定段階では、前記地域指定データで指定された地域コードに対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて前記満点に対する評価点を演算することを要旨とする。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の品物査定方法において、前記査定依頼画面送信段階では、品物の単品の価値を査定する単品査定と、品物がシリーズ揃ったときの価値を査定するセット査定との一方または両方を査定方法として指定可能な前記査定依頼画面を、コンピュータが端末からのアクセスに応じて該端末に送信して表示させ、前記受付段階では、単品査定とセット査定のうち一方または両方が端末で指定された査定依頼データを前記属性データと共に受け付け、前記データベースには、登録済みの品物について単品査定時の評価ベース毎の各評価項目の評価点データと、単品査定時の評価点に対するセット販売時における単品の評価点の比を数値で示したセット評価指数とが記憶されており、前記査定段階では、査定依頼データにより指定された査定方法が単品査定である場合には、単品査定に対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて当該品物の単品販売時における前記満点に対する評価点を演算し、一方、前記指定された査定方法がセット査定である場合には、セット査定に対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて当該品物の単品販売時における前記満点に対する評価点を演算するとともに当該評価点に当該品物のセット評価指数を乗算して当該品物のセット販売時における満点に対する評価点を演算し、前記査定結果送信段階では、単品査定とセット査定のうち一方または両方の前記評価点をコンピュータが端末に送信することを要旨とする。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の品物査定方法において、前記品物は美術品であって、コンピューターは、ネット美術館のサイトをコンピュータネットワーク上に提供するとともに、該サイトで展示された美術品を展覧できるように端末からのアクセスに応じて美術品画像データを端末に送信して当該端末に美術品を表示する展覧段階を備え、前記査定依頼画面送信段階では、前記ネット美術館を展覧中の端末からのアクセスに応じて、展覧中の美術品を査定する査定依頼画面を端末に送信し、前査定段階では、前記ネット美術館に展示され端末から査定依頼のあった前記属性データにより特定される美術品を、前記指定データにより指定された評価ベースで査定して前記評価点を演算し前記査定結果送信段階では、前記評価点を端末に送信することを要旨とする。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の品物査定方法において、端末からのアクセスに応じてコンピュータが検索画面を当該端末に表示させる段階と、前記検索画面が表示された端末で検索条件として入力指定された評価ベースと、指定された評価ベースにおける価値のレベルを示す査定条件と、品物の価格帯とを含む検索データを端末からコンピュータが受け付ける検索受付段階と、前記記憶手段には評価点を価格に換算する換算式が記憶されており、コンピュータが前記検索データを基に、データベースに登録された商品について順次に指定された評価ベースの下での評価点を演算するとともに、当該評価点を記憶手段の換算式を用いて価格に換算し、当該評価点が査定条件を満たし、かつ当該価格が指定された価格帯に属する品物をデータベースから検索する検索段階と、コンピュータが品物の検索結果を端末に送信する検索結果送信段階とを更に備えたことを要旨とする。
【0026】
第3の目的を達成するために請求項9に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の品物査定方法における前記査定結果送信段で前記評価点を送信した査定対象の品物、又は請求項8に記載の品物査定方法における前記検索結果送信段階で前記端末に検索結果として送信した品物の注文をコンピュータが受け付ける段更に備えたことを要旨とする。
【0034】
請求項10に記載の発明は、品物査定機能付き販売方法であって、シリーズ揃っていない美術品については不足した美術品をネットワークを介してコンピュータが募集する段階と、端末から前記不足した美術品の譲渡申し出をコンピュータが受け付ける段階と、
前記不足した美術品が譲渡された結果、シリーズ揃った美術品をネットワークを介してコンピュータが販売する段階とを備え、前記販売に際し、該シリーズの揃った美術品の価値を査定するために請求項6〜9のいずれか一項に記載の品物査定方法が用いられることを要旨とする。
【0035】
請求項11に記載の発明は、美術品又は骨董品に属する品物を、コンピュータネットワークを介して査定する品物査定システムにおいて、端末からのアクセスに応じて該端末に画面データを送信して査定依頼画面を表示させる送信手段と、前記査定依頼画面で端末に入力された査定対象の品物と当該品物の属性データと、商業的価値評価、学術的価値評価及び美術的価値評価の3つの評価ベースのうち品物の価値を異なる評価ベースから査定するために前記査定依頼画面に選択可能に二以上用意された複数の評価ベースの中から前記端末で選択入力された少なくとも1つの評価ベース指定する指定データとを端末から受け付ける受付手段と、登録済みの複数の商品について前記複数の評価ベース毎に設定された複数の評価項目毎に評価点データを記憶するデータベースと、前記査定対象の品物について、前記指定データにより指定された評価ベースが1つの場合は、前記データベースから前記品物について前記指定データで指定された1つの評価ベースに設定された前記評価項目毎の評価点データを読み出し、読み出した各評価点データを用いて査定演算用のプログラムを実行して満点に対する評価点を演算して、指定された評価ベースでの前記品物の査定結果を取得し、一方、前記指定データで指定された評価ベースが複数の場合は、複数の評価ベース毎に設定された評価項目毎の評価点データを用いて評価ベース毎の査定演算用のプログラムを実行して指定の評価ベース毎に満点に対する評価点を演算するとともに当該評価ベース毎の評価点を重み付け演算して満点に対する総合評価点を査定結果として取得するとともに、該査定結果を端末に送信する査定手段とを備えたことを要旨とする。
【0036】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の品物査定システムにおいて、前記査定依頼画面は、品物の価値を地域別に評価するその地域を、予め用意された複数の地域の中から選択可能に提供され、前記受付手段は、前記査定依頼画面で品物の価値を評価する地域が選択入力された地域指定データを端末から受け付け、前記データベースには、登録済みの各品物について地域コード別に前記複数の評価ベース毎の各評価項目の評価点データが記憶されており、前記査定手段は、前記地域指定データで指定された地域コードに対応する評価データ毎に各評価項目の評価点データを用いて前記満点に対する評価点を演算することを要旨とする。
【0037】
請求項13に記載の発明は、請求項11又は12に記載の品物査定システムにおいて、
前記査定依頼画面は、品物の単品販売時単品の価値を査定する単品査定と、品物がシリーズ揃ったときの価値を査定するセット査定との一方または両方の査定方法を指定可能に提供され、前記受付手段は、前記単品査定と前記セット査定との一方または両方の査定方法が指定された査定依頼データを前記属性データと共に前記端末から受け付け、前記データベースには、登録済みの品物について単品査定時における評価ベース毎の各評価項目の評価点データと、単品の評価点に対するセット販売時における単品の評価点の比を数値で示したセット評価指数とが記憶されており、前記査定手段は、査定依頼データにより指定された査定方法が単品査定である場合には、単品査定に対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて査定演算用のプログラムを実行して当該品物の単品販売時における前記満点に対する評価点を演算し、一方、前記指定された査定方法がセット査定である場合には、セット査定に対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて査定演算用のプログラムを実行して当該品物の単品販売時における前記満点に対する評価点を演算するとともに当該評価点に当該品物のセット評価指数を乗算して当該品物のセット販売時における満点に対する評価点を演算することを要旨とする。
【0038】
請求項14に記載の発明は、請求項11〜13のいずれか一項に記載の品物査定システムにおいて、前記品物は美術品であって、ネット美術館のサイトをコンピュータネットワーク上に提供するとともに、該サイトで展示された美術品を展覧できるように端末からのアクセスに応じて美術品画像データを端末に送信する展覧手段を備え、前記送信手段は、前記ネット美術館を展覧中の端末からのアクセスに応じて、画像データを端末に送信して展覧中の美術品の価値を査定する査定依頼画面を端末に表示し、前記受付手段は、前記査定依頼画面が表示された前記端末から入力された美術品の属性データと、当該端末から入力指定された前記指定データを受け付け、前記査定手段は、前記ネット美術館に展示され端末から査定依頼のあった美術品を前記指定データにより指定された評価ベース毎に個別に査定し、その査定結果を端末に送信することを要旨とする。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜図12に基づいて説明する。
図1は、美術品査定システムを備えた美術品販売システムを示す。サーバシステム1は、コンピュータネットワークを通じて美術品を提供(販売、借出し)するとともに、端末からユーザが指定した美術品を査定評価する。美術品販売方法には、美術品のネット販売とネットオークションの二通り用意されている。サーバシステム1は、美術品に関するホームページ(サイト)を提供する。サーバシステム1は、美術商の端末2、学芸団体の端末3、美術館の端末4およびユーザ(顧客)の端末5と、コンピュータネットワークとしてのインターネット6を介して接続されている。端末2〜4には、パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという)が挙げられ、端末5にはパソコン7やインターネット通信対応(例えばiモード対応)の携帯電話8が挙げられる。例えば携帯電話8はパケット通信接続局9を介してインターネット6に接続されている。
【0040】
サーバシステム1は、サーバ(サーバコンピュータ)10と、表示装置11、キーボードやマウス等の入力装置12およびデータベース13,14を備えている。サーバ10のハードディスクには、品物としての美術品を展示する展示サイト(ネット美術館)、美術品を査定する査定サイト、販売サイトおよび検索サイトなどのコンテンツの提供に必要な各種プログラムや各種データが記憶されている。
【0041】
データベース13には、美術品の画像データ、美術品を査定および検索などするために必要な各種データが格納されている。本実施形態では、美術品を、「商業的価値」、「学術的価値」、「美術的価値」の異なる3つの側面から鑑定・評価した情報(評価データ)をデータベース化している。美術品の商業的価値評価は「美術商」、学術的価値評価は「学術団体」、美術的価値評価は「美術館」がそれぞれ担当する。例えば実物鑑定、電子メール、FAX、手紙での情報のやりとりによる鑑定を採用する。またデータベース14には、金融商品、販売、取引、ネットオークションなどに関するデータが格納されている。なお、サーバ10は、Webサーバとアプリケーションサーバとに分けて構成してもよい。
【0042】
図2は、この実施形態における美術品ビジネスモデルである。本実施形態では、美術品の購入資金を集めるために美術品オーナーファンド20を採用し、インターネット6を介して出資者21を募り、出資された資金を使って専門家22が美術品を購入し、美術品の運用により得た利益を出資者21に返還する。
【0043】
美術品オーナーファンド20とは、美術品を証券化してその美術品証券を多数の出資者に販売する金融商品である。インターネット6を介して1口X円でトータルY円募集する。インターネット6を介して出資者21に美術品証券を販売して得た資金を元手に美術品の専門家が、価値のある美術品を購入する。そして、美術品一括収蔵23において、購入した全ての美術品は一括収蔵される。本実施形態では、美術品として「浮世絵」を対象とする。もちろん、絵画(洋画、日本画等)、置物(彫刻、陶器、ガラス器、宝飾品、刀剣等)などを対象とすることもできる。その他、対象の品物としては、骨董品などが挙げられる。どれもプレミアムのつく品物である。
【0044】
サーバシステム1は、ネット美術館24のサイトを持ち、収蔵した美術品はインターネット6を介してネット美術館24で写真画像で展示される。端末5からネット美術館24にアクセスすることで、端末5の画面で美術品(浮世絵)を見ることができる。また、サーバシステム1は、ネット美術館24で展覧された美術品の版権25A、美術品の一括販売25B、美術品の貸出し25C、グッズ(浮世絵を付した商品)販売25Dを行うとともに、展覧入場料25Eでも収益を上げる。こうして収蔵した美術品を巧く運用する。購入からA年経過した美術品はネットオークション26に出品される。そしてネットオークション26で現金化されると、出資者分配27において、その現金から手数料を差し引いた残りの金額が出資者21に分配される。もちろん、ネット美術館24には美術品オーナーファンド関連物以外にも、販売・貸出し目的の美術品(浮世絵)、単に鑑賞用の美術品(浮世絵)も展示されている。また、ネットオークション26では、ユーザが出品した美術品も扱われ、出品された美術品は予め専門家により査定・評価される。
【0045】
本実施形態では、ネット美術館24に展示された美術品と、ネットオークション26に出品された美術品について、その美術品の価値を見極めたいユーザは端末5から査定を依頼することができる。本実施形態では、美術品を商業ベース、学術ベース、美術ベースの3つの評価ベースの下でそれぞれの価値基準に従って査定する。各ベースの専門家である美術商、学芸員、美術館の専門家にそれぞれの立場からそれぞれの価値基準の下で、美術品の価値を鑑定・評価してもらい、3つの評価ベースごとに得られた評価データをデータベース13に登録している。そして、ユーザが端末5に表示された査定依頼画面において指定した美術品は、データベース13を基に3つの評価ベースごとに査定される。
【0046】
図3は、サーバシステムの機能構成図を示す。
サーバシステム1は、通信部31、制御部32、査定処理部33、時間競り演算部34、相場演算部35、データベース13,14を備えている。
【0047】
データベース13は、美術品データ記憶部36、美術商評価データ記憶部37、学芸員評価データ記憶部38、美術館評価データ記憶部39および市場評価データ記憶部40を備えている。
【0048】
データベース14は、ファンドデータ記憶部41、販売・貸出データ記憶部42、時間競りデータ記憶部43、相場データ記憶部44を備えている。
美術品データ記憶部36には、美術品の属性データが記憶されている。属性データとは、美術品の作品コード、分類コード、写真画像データ、名称(タイトル)、作者名、サイズ、年代などである。属性データ以外に、購入時期、購入価格、購入責任者、最低販売価格、経過年数、版権設定の有無、オークションの有無、評価コードなどのデータも記憶されている。
【0049】
美術商評価データ記憶部37には、作品コード別に、美術商が鑑定・評価した評価データが記憶されている。世界中の美術商が商業上の立場から評価し、国内・海外の複数人の美術商が評価した評価データが、地域別(国別)、美術商別にそれぞれ記憶されている。
【0050】
学芸員評価データ記憶部38には、作品コード別に、学芸員等が鑑定・評価した評価データが記憶されている。世界中の学芸員、学者、研究家が学術的な立場から鑑定・評価し、国内・海外の複数人の学芸員等が鑑定・評価した評価データは、地域別(国別)、学芸団体・学術団体別にそれぞれ記憶されている。
【0051】
美術館評価データ記憶部39には、作品コード別に、美術館員が評価した評価データが記憶されている。世界中の美術館(ルーブル美術館、メトロポリタン美術館等の国立美術館、私設美術館など)からその美術館を代表する美術館員が美術的な立場から鑑定・評価し、国内・海外の複数人の美術館員の評価データは、地域別、美術館別にそれぞれ記憶されている。なお、美術館員に限らず、美術的価値を判断できる美術研究家でもよい。
【0052】
市場評価データ記憶部40には、美術商やオークションにおいて、実際にその美術品がいくらの値段で取引または落札されたか、実際の流通価格データが記憶されている。
【0053】
ファンドデータ記憶部41には、美術品ファンド毎に、ファンドコード、販売口数、1口の金額、出資者データ、総出資額(口数)、現在利回りなどの美術品ファンドに関するデータが記憶されている。
【0054】
販売・貸出データ記憶部42には、美術品毎に、美術品の販売データ、版権データ、貸出データ、借手情報、グッズの種類、画像データ、販売数、販売金額、ネット美術館の展覧収益データ、展覧者数などのデータが記憶されている。
【0055】
時間競りデータ記憶部43には、オークションデータが記憶されている。この実施形態では、時間オークションが採用されている。時間オークションとは、出品者の提示した金額条件を満たすだけではなく出品者の提示した取引時間条件を最も満たした者が落札するオークション方法である。例えば出品者は希望する金額以上を提示した者には、それが入札者の中で最高額の提示者でなくても、取引時期条件が最も早い入金時期であれば、最も早く入金できる相手に落札するものである。取引時期条件の立て方により複数の方式がある。例えば美術品の所有時期をできるだけ先延ばしにしたいので(例えば貸し出し中などの理由)、指定日までの間でなるべく遅い時期に品物を引き渡せば済む方式も用意されている。時間オークションの詳しい内容については後述する。また、時間競りデータ記憶部43には、時間オークションに関するデータや入札データが管理されている。なお、時間オークション以外に通常オークションを併存させることもできる。
【0056】
相場データ記憶部44には、美術品証券の相場データが記憶されている。この実施形態のシステム1は、美術品証券を取引する取引サイトも提供しており、その取引サイトで取引される証券の相場を見ることができるようになっており、この相場の表示に相場データは使用される。相場データには、証券の種類、証券の現在取引金額、出来高などのデータが記憶されている。この相場データを基に図11に示すような証券相場チャート48が作成される。証券相場チャート48が表示される図11の画面50において、ユーザは売買金額などを入力して証券取引を行う。なお、各部31〜35は、サーバ(コンピュータ)10とそのハードディスク等の記憶手段に記憶されたプログラムデータ等により構成される。
【0057】
図4は、データベース13,14に記憶されたデータ51の一例を示す。これは、美術商評価データ記憶部37に記憶されたデータ51を例示したもので、作品コード51A、地域コード51B、美術商コード51C、評価点データ51D、セット(シリーズ)評価指数51Eなどの項目からなる。図示はされていないが詳細な評価内容が記載されたコメントデータもある。地域コードとは、国内と海外、さらに海外の各地域(国や地方)を区別するもので、美術品の価値の異なる地域別に分けて管理されている。美術商コードは美術商を区別するコードである。評価点データには、各評価項目X1,X2,…,Xn ごとの評価点が管理される。この例では3段階評価としているが、5段階、10段階評価などとしてもよい。セット評価指数とは、ばら売りのときの単品の価値に対し、美術品をシリーズ揃えてセット販売(シリーズ売り)するときの単品の価値の比を数値で示したものである。単品の評価点から決まる価値にセット評価指数を掛けると、セット販売時の単品価値が求まる。同図と同様のデータが、学芸員評価データ記憶部38および美術館評価データ記憶部39にも記憶されている。但し、評価項目はそれぞれ異なる。
【0058】
図5は、美術品評価査定システムの画面を示す。この画面55は査定依頼画面に相当し、ネット美術館のサイト内に置かれている。端末5に表示された画面55には複数の美術品(浮世絵)の写真画像56が一覧表示される。この画面55において、査定して欲しい画像56をマウスで選択し、選択OKボタン57を選択する。これにより画像56を特定するデータ(属性データ)がサーバ10に送信される。この場合の属性データは、作品コードを特定できるもので足りる。サーバ10は、ユーザが査定依頼目的で指定した美術品を認知するとともに、評価基準設定画面を端末5に表示させるためのデータを送信する。
【0059】
すると、端末5には図6に示す評価基準設定画面60が表示される。この画面60も査定依頼画面に相当する。サーバ10のハードディスクにはこの評価基準設定画面60をはじめ、各種画面を生成するための画面用プログラムデータ等が記憶されており、サーバ10(制御部32)は端末5からのアクセスなどに応じて必要な画面データを生成して端末5に送信する。
【0060】
この画面60には、質的評価の内容、評価ベース、所有者プレミアム評価の主に3つが表示されている。質的評価は、質的評価の評価項目を示したもので、品質と、品質評価基準指標とからなる。美術品が「浮世絵」であるこの例では、品質は、上級、中級、下級の3段階に分かれる。品質評価基準指標には、紙質、色目、印、サイン、保存状態、汚れ、虫食い、しわ、破損、プレミア状況、年代考証などが挙げられる。
【0061】
評価ベースには、海外評価、国内評価、美術商評価、学芸員評価、美術館評価、市場評価が用意され、これらのチェックボックス61〜66の中から希望する評価ベースを選択する。なお、美術商評価、学芸員評価、美術館評価の3つが、請求項という評価ベースに相当する。
【0062】
海外評価においては、地域指定ボタン67が用意されており、このボタン67を選択すると、地域指定画面68が表示される。この画面68には、地域選択部69が用意され、例えばアメリカ、イギリス、フランス、…などの海外の国あるいは地方をチェックボックスで選択できる。この画面68には、美術商指定ボタン71、学術団体指定ボタン72、美術館指定ボタン73が用意されている。ボタン71を選択すると、選択された地域(国等)における美術商の一覧が表示されるので、その一覧の中から希望する美術商を選択する。また、ボタン72を選択すると、選択された地域における学術団体の一覧が表示されるので、その一覧の中から希望する学術団体を選択する。さらにボタン73を選択すると、選択された地域における美術館の一覧が表示されるので、その一覧の中から希望する美術館を選択する。国内においても多数の美術商、学術団体、美術館が登録されており、図示しないボタン選択により、一覧表の中から同様に指定することが可能となっている。
【0063】
評価ベースである、美術商評価、学芸員評価、美術館評価の3つには、査定の際に重視する割合を指定するための入力欄63A,64A,65Aが用意されている。入力欄63A〜65Cには合計100%になるように数値(%)を記入する。学術的価値を重視するユーザであれば、例えば美術商評価20%、学芸員評価60%、美術館評価20%のように入力する。特に入力が無いときには、均等割合またはデフォルト値が設定される。
【0064】
所有者プレミアム評価には、a)皇室、王室、貴族、華族、b)著名人、公職権威者、c)有名人(芸能人、鑑定士、評論家、学術学芸員含む)、d)一般が用意されている。この画面60において、チェックボックス61〜66や入力欄63A〜65Aに査定依頼内容の希望を入力後、OKボタン74を選択すると、この画面60,68で入力指定された指定データがサーバ10に送られる。サーバ10はこの指定データを基に査定プログラムを実行する。つまり査定処理部33が処理を行う。なお、本実施形態における指定データの中には、地域を指定した地域指定データも含まれる。
【0065】
サーバ10が受け付けた指定データは、制御部32から査定処理部33に渡され、査定処理部33は指定データを基に査定処理を実行する。査定処理部33は、データベース13の各記憶部36〜40に格納されたデータから指定データの指定内容に合致するデータを読出すとともに、そのうち一部の数値データ(評価ベースごとに用意された評価項目の点数データ等(図4参照))に対して所定の演算処理を施して必要な査定結果(評価点等)を求め、その査定結果データを所定の表示形式で表示可能なデータとして端末5に返送する。
【0066】
図7は、評価査定結果表示画面である。この画面75には、査定依頼された美術品に対する査定依頼内容に応じた査定結果が表示される。上段に作品名76A、作品番号76Aが表示され、その下側に質的評価が評価項目毎の表示欄77A,77Bに3段階評価で表示される。品質は表示欄77Aに、上級、中級、下級の3段階で評価される。品質評価指数は、色目、印、サイン、保存状態、汚れ、虫食い、しわ、破損、プレミア状況、年代考証などの各評価項目毎の表示欄77Bに、3段階評価の数値(点数)で示される。
【0067】
また、画面75の下段には、美術商評価、学芸員評価、美術館評価、海外評価、国内評価、市場評価、総合評価が、各表示欄78A〜78Gに100点満点の点数評価で表示される。所有者プレミアム評価はその表示欄78Hに5段階評価数値で表示され、所有者の表示欄78Iには、その所有者が、a)皇室、王室、貴族、華族、b)著名人、公職権威者、c)有名人(芸能人、鑑定士、評論家、学術学芸員含む)、d)一般のうちいずれに属するかがその記号で示されるとともに、本人が許可している場合に限り名前(芸名、氏名など)が示される。また、総合評価点は、美術商評価、学芸員評価、美術館評価の各点数を、図6の画面60で設定した重視する割合(%)の比率(設定なしのときは例えばデフォルト値)に応じて所定のプログラムの基で算出された値である。
【0068】
この画面75には、コメントボタン79A、評価詳細ボタン79B、価格変換ボタン79Cが用意されている。コメントボタン79Aを選択すると、詳細な評価内容を説明する文章が表示される。また評価詳細ボタン79Bを選択すると、先の画面60,68等で一覧の中から選んだ国内・海外の地域別に、一覧の中から選んだ美術商、学芸員、美術館の個別の評価内容が詳しく表示される。さらに価格変換ボタン79Cを選択すると、評価点数が所定のプログラム(換算計算式)の基で価格に変換されて目安となる価格帯が表示される。
【0069】
図8は、美術品検索画面を示す。この美術品検索画面80は、ユーザの価値観に合致しかつユーザの希望する価格帯にある美術品を、探し出すときに使用される。画面80には、検索範囲を、「美術館内」、「国内」、「海外」のうちから選択指定するチェックボックス81、82,83が用意されている。「海外」については地域指定ボタン84により地域指定(例えば国指定)をすることが可能である。また評価ベースを「美術商評価」「学芸員評価」「美術館評価」のうちから少なくとも1つ選択指定するためのチェックボックス85が用意されている。各評価ベースには、価値の高低レベルを指定するスライド設定部86が用意され、スライド設定部86のボタンをスライドさせることで価値の高・中・低のレベルを指定する。また、各評価レベル毎に詳細ボタン87が設けられ、ボタン87を選択すると詳細設定画面88が表示される。同図の画面88は、評価ベース「学芸員評価」を選択したときの例であり、詳細設定画面88には、学芸員の評価事項である品質の各項目「上級」「中級」「下級」の選択、紙質、色目、印、保存状態、汚れ、… などのランクを3段階で指定できる例えばチェックボックス89、90が用意されている。
【0070】
また画面80には、価格帯の入力欄91が用意されている。ユーザは自分の希望する価格帯を入力欄91に入力して設定する。また画面80には、検索ボタン92が用意されており、検索ボタン92が操作されると、ユーザが画面80上で設定指定した検索条件での検索処理が実行される。この検索処理は、制御部32が司る。
【0071】
図9は、美術品検索画面80を用いてユーザにより行われる、ユーザの価値観および価格帯に合った美術品を探し出す検索処理のフローチャートを示す。なお、このフローチャートは制御部32を構成するマイコンが実行する処理を必ずしも示してはおらず、一部は説明の都合上ユーザが行う手順を示すものとなっている。このユーザの入力操作(手順)に呼応してマイコンは所定動作(プログラム)を実行する。
【0072】
ステップ(以下、単に「S」と記す)10では、美術品の検索範囲を入力指定する。検索範囲を「美術館内」「国内」「海外」のうちから1つ選択する。この場合、海外であるときは、国または地方などの地域指定をすることができる。
【0073】
S20では、ユーザが美術品に対して重視する評価ベース(価値)を入力する。例えば美術商価値、学術的価値、美術的価値の各チェックボックス85のうちから少なくとも1つを指定する。
【0074】
S30では、評価レベル毎に価値のレベルを指定する。
S40では、希望する価格帯を入力する。
S50では、検索実行されたか否かを判断する。
【0075】
検索実行を受け付けると、S50に進む。
S60では、検索処理を実行する。
美術商価値、学術的価値、美術的価値の3つの側面の価値を知るためのデータは、各データ記憶部37,38,39に記憶されている。サーバ(コンピュータ)10は、選択された価値基準に対応するデータ記憶部に記憶されたデータからその側面からの価値を数値として求める。そして、その数値がユーザが希望するレベルに合致する美術品コードを、サーバは検索することになる。また、サーバ10は、価値評価の面から検索された美術品コードについて、市場評価データ記憶部40に記憶されたデータを基に美術品の市場価格または販売価格を検索する。そしてその中からユーザが希望する価格帯と合致する美術品コードを絞り込む。
【0076】
S70では、検索結果を表示する。すなわちユーザの希望に合致した美術品コードが決定すると、次にサーバ10は、その美術品コードを基に美術品データ記憶部36から検索された美術品の写真画像を取り出し、所定の画面形式データとして、依頼元の端末5にインターネット6を介して送信する。
【0077】
この結果、依頼者の端末5の画面には、そのユーザが指定した価値ベースおよび価格のものが一覧として画面に表示される。例えば投資目的で美術品を購入したいユーザは美術商価値を重視する。一方、市場人気や投資に興味はなく歴史性や文献性など学術的に価値の高い美術品を所望するユーザは学術的価値を重視する。また、投資や学術に興味はなく色彩や作風など美術面に価値を置くユーザは美術的価値を重視する。それぞれの価値に応じて所望する美術品を探し出すことができる。もちろん、ユーザは美術品購入目的ではなく、単に自分の価値観に合った美術品がが見たい美術品がどこに収蔵されているかを探し出す目的で、この検索を利用することもできる。
【0078】
図10は、美術品評価査定システムの概略の流れを示す。
美術品評価査定システムは、収蔵されている美術品の価値を、美術商の観点からの評価基準、学芸員の観点からの評価基準、美術館の観点からの評価基準でもって評価する。専門家が買い取った美術品を評価する評価項目は予め決まっており、美術商評価の項目数「K」、学芸員評価の項目数「M」、美術館評価の項目数「N」である。
【0079】
(1) ユーザが査定を希望する美術品は、この評価項目についての評価データを基に査定評価される。
(2) 収蔵されてからA年未満の美術品は、販売、版権の販売、貸し出しなどにより運用される。このとき、ユーザは、購入や借り入れするに際し、美術品を査定システムを利用して査定(評価)し、その査定結果を見て条件に適えば購入や借り入れを決める。
【0080】
(3) そして、収蔵されてからA年を経過した美術品は、オークションにかけられる。このとき、ユーザはオークションに出品された美術品を入札するに際し、美術品を査定システムを利用して査定(評価)し、その査定結果を見て条件に適えば入札する。
【0081】
本実施形態のオークションは、入札者の提示した価格のみによって落札が決まる方式ではなく、出品者が提示した希望の取引時期条件に最も合った取引時間を提示した入札者が価格に優先して落札される方式である時間オークションを採用する。時間オークションには、取引時期条件の態様に応じた複数方式があるが、その詳細については後述する。時間オークションで取引が成立することで、美術品は売却され、その代金は美術品オーナーファンドの出資者に分配される。
【0082】
(4) 一方、オークションで売れ残った美術品は、その価値について再評価される。この再評価は、美術品にその価値を高める何か他の価値があるかもしれないことを期待し、最初の評価項目になかった別の評価項目から評価することで行われる。よって、評価項目数がk、m、nずつ増え、美術商評価の項目数「K+k」、学芸員評価の項目数「M+m」、美術館評価の項目数「N+n」となる。そして、各データ記憶部37,38,39に記憶された評価データにこの再評価データが追加される。
【0083】
このため、再評価によって例えば学術的な新発見があれば、その美術品の学術的価値が高まることになる。そして、その美術品は再評価後、再度、時間オークションにかけられる。
【0084】
(5) 学術的価値を重視する者は、再びオークションに出品された美術品を査定(再評価)してみると、今度は新しい価値の発見により学術的価値が高い美術品であったことを知るため、一度は売れ残った美術品が再評価後の時間オークションでいい値で落札されることになる。このように美術品評価査定システムでは、売れ残った美術品について価値創出(価値発見)のプロセスを踏む。
【0085】
(6) 再評価後に再度売れ残った美術品については、美術館に適切な値段で引き取られる。このときの値段は当初の目標販売価格より安いものの、専門家が評価して購入した価値の保証された美術品なので、妥当な値段で引き取られる。
【0086】
サーバ10には、時間オークションサイトが置かれ、ネットワーク6を通じてユーザは端末5からブラウザソフトを用いて画面上に時間オークションサイトの画面を表示させる。ユーザは、この画面で必要なデータを入力することで時間オークションへの美術品の売買依頼(出品依頼または買取依頼)またはオークションへの入札が可能である。
【0087】
時間オークション画面(図示せず)では、取引時期条件を設定するために予め用意された6つの時間スライド方式の中から1つを選択できるようになっている。時間スライド方式には、売り手と買い手別にそれぞれ「期日前倒し方式」、「期日遅延方式」、「期日接近方式」が用意されており、「期日接近方式」では「期日前」と「期日後」のいずれかが選択可能である。
【0088】
図11は、売り手と買い手別に用意された4種類の時間スライド方式の競り内容を説明するものである。ここでは、美術品オーナファンドの資金で購入した美術品を時間オークションにかける場合を例に説明する。この場合、オークションへの出品を依頼する立場になる売り手(依頼者)である美術品評価査定システム(美術品オーナーファンド)の運営会社が、取引時期条件を設定することになる。
【0089】
同図(a)の「期日前倒し方式」は、依頼者が指定した期日以前でできるだけ早い取引日を提示した者(入札者)が優先的に落札する方式である。指定期日以前の取引日を提示した入札者A,B,Cのうち最も早い取引日を提示したCが落札する。
【0090】
同図(b)の「期日遅延方式」は、依頼者が指定した期日以後でできるだけ遅い取引日を提示した者が優先的に落札する方式である。指定期日以後の取引日を提示した入札者A,B,Cのうち最も遅い取引日を提示したCが落札する。
【0091】
同図(c)の「期日前接近方式」は、依頼者が指定した期日以前でできるだけ指定期日に近い取引日を提示した者が優先的に落札する方式である。指定期日以前の取引日を提示した入札者A,B,Cのうち最も遅い取引日を提示したCが落札する。
【0092】
同図(d)の「期日後接近方式」は、依頼者が指定した期日以後でできるだけ指定期日に近い取引日を提示した者が優先的に落札する方式である。指定期日以前の取引日を提示した入札者A,B,Cのうち最も遅い取引日を提示したCが落札する。なお、いずれの時間競り方式の場合も、最も優先される取引日に落札人数枠を超える人数の入札者が競合した場合(例えば同図に示すように落札枠一人のところに優先される取引日に2人の入札者C,Dが競合した場合)は、後述する所定のルールを基に落札者を絞り込むようになっている。
【0093】
「支払」の取引日を、入金日(口座)、銀行振込日、現金発送日、集金日、電子マネー支払日、分割初回支払日、頭金支払日などの複数の項目のうちのどれにするかを選択する。また「商品引渡」の入力欄では取引日を、入荷日、商品発送日、譲渡証発行日、権利証書移転日、契約日、名義書替日などの複数の項目のうちのどれにするかを選択する。これら各項目については、図示はしないが取引日を基準とした時期、例えば取引日から何日目、取引日から何日以内(何週間以内)などの設定も可能である。依頼者である売り手または買い手は、支払や商品引渡について各人の事情に応じた希望する具体的内容や詳細期日(期間)を設定し、特に入金や入荷の希望期日があるときなどはこのような取引日を競りの対象とすることで依頼者にとって有利な取引日を提示してくれる取引相手を探し出す。これが時間オークションシステムの主要なメリットの1つである。従って、時間オークションを採用することで、美術品を早期に売却できたり、展覧や貸し出しのためにしばらく所持していたいときには、その引渡し日をなるべく先延ばしすることもできる。
【0094】
一方、美術品証券は、インターネット6を介して取引され、美術品証券の価格が決定される。サーバ10は端末5からのアクセスに応じて端末5に図12に示す画面50を提供する。この画面50では、美術品証券の値上がり・値下がりをチャート48で見ることができ、新規な美術品の価値が発見されて美術品の価値が上がるとその情報により美術品証券が高騰するなどする。サーバ10は美術品証券取引の仲介サーバとしても機能している。またサーバ10が管理する美術品証券取引では、美術品証券を買い取る権利または売り出す権利を売買するオプション取引も行われる。
【0095】
以上詳述したようにこの実施形態によれば以下の効果が得られる。
(1)商業的価値評価、学術的価値評価、美術的価値評価の3つの評価ベースを用意し、ユーザは自分の価値に合った観点から美術品を査定でき、その査定結果を基にその美術品が自分の価値に合致したものであるかどうかを知ることができる。よって、商業ベース主導の情報に左右されず、自分の価値に合致した美術品を安心して購入などすることができる。
【0096】
(2)査定結果として総合評価点が知らされるので、各専門家の価値判断を総合するとどの程度に評価される美術品であるかを知ることができる。また、総合評価するときに、3つの評価ベースに重み付け(%)を設定することができるので、自分の価値観に基づく総合評価点が何点になるかを知ることができる。
【0097】
(3)地域指定ボタン67を操作することなどにより、査定する地域を指定することができるので、国内と海外の各地域など美術品の価値観に地域差があっても、その美術品の地域別の評価を知ることができる。よって、例えば海外で安く買える美術品を国内で割高な値段で買ってしまう損な買物を防ぐことができる。
【0098】
(4)所有者プレミアム評価も知らされるので、所有者プレミアムがある美術品についてはそのことを考慮して価値判断することができる。また、前の所有者が信頼の置ける人であれば、安心してその美術品を購入することができる。
【0099】
(5)コメントボタン79Aを操作すれば各評価ベースごとにコメントを表示できるので、評価点の具体的な根拠を、各専門家のコメント文章として読むことができる。
【0100】
(6)価格変換ボタン79Cを操作すれば、各評価ベースごとの評価点を価格に換算できるので、各評価ベースごとのおおまかな価格評価を知ることができる。そのため、自分の価値と照らし合わせて幾らの値段までであれば購入する価値があるかどうかの見極めをすることができる。
【0101】
(7)美術品の質的評価が複数の評価項目ごとに点数化されて表示されることにより、質的評価を項目レベルで詳細に知ることができる。
(8)ネット美術館に収蔵された美術品の中からユーザが自分の価値に合った美術品を探し出すときには、重視する評価ベースと価格帯を指定してデータベースを検索できるので、自分の価値に合ったしかも希望する価格帯の美術品を簡単に探し出すことができる。
【0102】
(9)時間オークションを採用したので、依頼者各人の事情に応じた希望にかなう取引時期を実現できる。
なお、実施形態は前記に限定されず、例えば次の態様で実施してもよい。
【0103】
・ 前記実施形態では、美術品ファンド会社が自社で保有する美術品をオークションにかける方法を採用したが、これに対し、ユーザが出品した美術品や骨董品などの品物をオークションにかけるオークション仲介会社であって、このような顧客が保有する美術品などをオークションにかけるときに入札者が、その美術品などの査定をするために美術品査定システムを提供するものであってもよい。
【0104】
・ 仲介業者が自分で仕入れた美術品などをオークションに出すときの品物の適正(正当)な価値を提示するために顧客がその評価を知るために評価システムを顧客に提供することに限定されない。例えばネットオークションの出品者に対しその出品者が出した品物の適正な価値を入札者に知ってもらうためにその価値を評価することに利用されてももちろんよい。
・ 評価ベースは3つ用意することに限定されない。商業的価値評価、学術的価値評価、美術的価値評価のうち少なくとも2つを含めばよい。商業的価値評価と学術的価値評価でもよい。この場合、商業的価値と学術的価値を個別に査定してもらえる。学術的価値評価と美術的価値評価でもよい。この場合、学術的価値と美術的価値を個別に査定してもらえる。商業的価値評価と美術的価値評価でもよい。この場合、商業的価値と美術的価値を個別に査定してもらえる。
【0105】
また上記のように2つの異なる評価ベースが用意された中から、ユーザがどちらか一方を選択できるようになっており、一方の側面からの価値のみ品物を査定できるようにしてもよい。
【0106】
・ 査定結果の端末への送信データは、画面表示用の画像データに限らず、音声で査定結果を端末に報告する音声データであってもよい。もちろん、画像データと音声データの組合せでもよい。
【0107】
・ 時間オークションの方法は前記実施形態の方法に限定されない。他の取引時間条件を設定してもよい。
・ オークションの形式は時間オークションに限定されない。指定された期間で一番高価格を提示したものに落札させる方式を採用することができる。また、サーバが落札者を決定する方法に限定されず、例えばサーバは、入札者から提示された情報をそのまま、あるいはに落札候補上位者の情報を、出品者に提示して、出品者自身が取引相手になる落札者を決定する方法を採用してもよい。
【0108】
・ 単純に美術品査定評価システムを査定の目的だけで実施することもできる。すなわち、美術品の査定サービスをネット上で行うネット査定システムである。
【0109】
・ 前記実施形態では、査定依頼画面で評価ベースを3つのうちから少なくとも1つ選択できるようにしたが、評価ベースは予め決められていてユーザによる選択はできず、複数の評価ベース毎の査定結果が表示される方法でもよい。
【0110】
・ 評価ベースは、商業的価値評価、学術的価値評価、美術的価値評価に限定されない。美術品や骨董品の種類によっては別の側面からの価値の見方があれば、その見方による価値評価を評価ベースに採用することもできる。
【0111】
・ 検索された品物の検索件数を品物毎に集計する段階と、その品物の集計値を品物の人気度として端末に送信して画面表示させる段階とを備えた品物査定方法を採用する。また、他の品物査定方法として、検索された品物の検索件数を品物毎に集計する段階と、その品物の集計値を品物の人気度として扱いその人気度を査定結果を出すときの評価ベースの1つとして該品物の査定評価に加える段階と、その人気度が加味された査定結果を端末に送信して画面表示させる段階とを備えた品物査定方法を採用する。
【0112】
・ オークションで売れ残った美術品については、再評価せずそのまま美術館に引き取ってもらってもよい。
・美術品は、浮世絵に限定されない。洋画、油絵、水墨画などの絵画全般を扱ってもよい。さらに絵画に限らず、宝飾品、刀剣、陶器、置物などの美術品であれば足りる。さらに骨董品でもよい。さらに切手、コインなどの一般にプレミアム価値のでるといわれる品物であれば足りる。
【0113】
上記実施形態等から把握できる請求項以外の技術的思想を以下に記載する。
(1)請求項9において、前記地域別評価の選択は、海外の地域別と国内とを区別して評価の地域を指定できるように用意されている。
【0114】
(2)請求項17〜19のいずれか一項において、前記品物の注文とは、品物の買取注文または品物の使用権買取注文である。
(3)美術品や骨董品、切手、コインなどの付加価値のつく品物の商業的側面からの価値を査定する第1の査定手段と、前記品物の学術的側面からの価値を査定する第2の査定手段と、前記品物の美術的側面からの価値を査定する第3の査定手段と、端末から指定された品物と、前記第1、第2及び第3の査定手段のうちから少なくとも1つを選択したことを受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた品物について、その指定された査定手段が査定処理を実行し、該品物についての査定結果をネットワークを介して端末に送り画面表示させる応答手段とを備えたことを特徴とする品物査定システム。
【0115】
(4)請求項1〜15のいずれか一項に記載の品物査定方法において、検索された品物の検索件数を品物毎に集計する段階と、前記品物の集計値を品物の人気度として端末に送信して画面表示させる段階とを備えたことを特徴とする。
【0116】
(5)請求項1〜15のいずれか一項に記載の品物査定方法において、検索された品物の検索件数を品物毎に集計する段階と、前記品物の集計値を品物の人気度として扱いその人気度を査定結果を出すときの評価ベースの1つとして該品物の査定評価に加える段階と、前記人気度が加味された査定結果を端末に送信して画面表示させる段階とを備えたことを特徴とする。
【0117】
(6)請求項1〜15のいずれか一項に記載の品物査定方法において、前記査定段階では、予め用意された複数の評価ベースについて各々の評価項目毎に品物を評価して得た評価データを含むデータベースを用いて品物を査定することを特徴とする。
【0118】
【発明の効果】
以上詳述したように請求項1〜14に記載の発明によれば、美術品や骨董品などの品物について、商業的価値、学術的価値及び美術的価値の3つの価値観のうちユーザが重視する1つの観点からユーザの価値に合った査結果を知ることができるとともに、複数の異なる価値観を重視するユーザにとっては複数の異なる価値観の観点から品物の価値を総合的に評価した総合評価を知ることができる
【0119】
請求項8に記載の発明によれば、さらに美術品や骨董品など多数の品物の中から、種々ある価値観のうちユーザの価値に合った品物を探し出すことができる。
請求項9又は10に記載の発明によれば、美術品や骨董品などネット上で販売されている品物について、ネット取引する前にユーザの価値に合った品物であるかどうかを異なった価値観から査定評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態における美術品査定システムの概略構成図。
【図2】 美術品ビジネスモデルを示す概略図。
【図3】 美術品査定システムの機能構成図。
【図4】 データベースのデータ図。
【図5】 査定する品物を選択するための画面図。
【図6】 評価基準設定画面図。
【図7】 評価査定結果表示画面図。
【図8】 美術品検索画面図。
【図9】 美術品検索の処理手順を示すフローチャート。
【図10】 美術品評価査定システムの流れを示すブロック図。
【図11】 時間オークションの説明図で、(a)は期日前倒し方式、(b)は期日遅延方式、(c)は期日前接近方式、(d)は期日後接近方式である。
【図12】 美術品取引平均指数のチャートが表示された画面図。
【符号の説明】
1…品物査定システムとしてのサーバシステム、5…端末、6…コンピュータネットワークとしてのインターネット、10…品物査定システムを構成するサーバ、13,14…品物査定システムを構成するデータベース、24…ネット美術館、31…送信手段、受付手段を構成する通信部、32…送信手段、受付手段、査定手段及び展覧手段を構成する制御部、37〜39…査定手段を構成する評価データ記憶部、13…展覧手段としての美術品データ記憶部、60…査定依頼画面としての評価基準設定画面、68…査定依頼画面としての海外評価地域選択画面、75…評価査定結果表示画面、80…美術品検索画面。

Claims (14)

  1. 美術品又は骨董品に属する品物を、コンピュータネットワークを介して査定する品物査定方法において、
    端末からのアクセスに応じてコンピュータが査定依頼画面を該端末に表示させる送信をする査定依頼画面表示段階と
    記査定依頼画面が表示された前記端末に査定対象として入力された品物の属性データと、商業的価値評価、学術的価値評価及び美術的価値評価の3つの評価ベースのうち品物の価値を異なる評価ベースから査定するために前記査定依頼画面に選択可能に二以上用意された複数の評価ベースの中から前記端末で選択入力された少なくとも1つの評価ベースが指定された指定データとをコンピュータが前記端末から受け付ける受付段階と、
    コンピュータは、登録済みの複数の品物について前記複数の評価ベース毎に設定された複数の評価項目毎に評価点データを記憶するデータベースと、査定演算用のプログラムを記憶する記憶手段とを備え、受け付けた前記指定データで指定された評価ベースが1つの場合は、前記データベースから前記品物について当該1つの評価ベースに設定された前記評価項目毎の評価点データを読み出し、読み出した各評価点データを用いて前記記憶手段の査定演算用のプログラムを実行して満点に対する評価点を演算して、当該評価点を前記査定対象の品物の指定された評価ベースでの査定結果として取得し、一方、前記指定データで指定された評価ベースが複数の場合は、複数の評価ベース毎に設定された評価項目毎の評価点データを用いて評価ベース毎に前記記憶手段に記憶された査定演算用のプログラムを実行して指定の評価ベース毎に満点に対する評価点を演算するとともに当該評価ベース毎の評価点を重み付け演算して満点に対する総合評価点を査定結果として取得する査定段階と、
    コンピュータが前記査定結果の情報を端末に送信して当該端末に当該査定結果を画面表示させる査定結果送信段階と
    を備えたことを特徴とする品物査定方法。
  2. 請求項1に記載の品物査定方法において、
    前記受付段階において前記端末に表示される前記査定依頼画面には、記商業的価値評価、学術的価値評価、美術的価値評価の3つ評価ベースが選択可能に用意されていることを特徴とする品物査定方法。
  3. 請求項1又は2に記載の品物査定方法において、
    前記端末から前記指定データで指定された前記評価ベースが複数である場合は、前記受付段階において前記コンピュータが前記端末から受信する前記指定データには、前記端末で入力指定された重み付け割合が含まれており、
    前記査定段階では、前記コンピュータは前記指定データで指定された複数の評価ベース毎に演算した各評価点を、前記指定データで指定された前記重み付け割合に従って重み付け演算して当該品物の総合評価点を求め、
    前記査定結果送信段階では、コンピュータが前記総合評価情報を端末に送信して当該端末に当該総合評価点を画面表示させることを特徴とする品物査定方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の品物査定方法において、
    前記端末から前記指定データで指定された前記評価ベースが複数である場合は、前記査定段階において、前記コンピュータは前記指定データで指定された複数の評価ベース毎に演算した満点に対する各評価点の査定結果と、当該各査定結果を当該複数の評価ベースの重み付け割合に従って重み付け演算して得た前記品総合評価点の査定結果とを取得し、
    前記査定結果送信段階では、コンピュータ、前記評価ベース毎の評価点の査定結果と前記総合評価の査定結果とを端末に送信して当該端末に画面表示させることを特徴とする品物査定方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の品物査定方法において、
    前記受付段階では、前記品物の価値を地域別評価可能に前記査定依頼画面に予め用意された複数の地域のうち端末で選択入力された地域指定データを含む前記指定データを受け付け、
    前記データベースには、登録済みの各品物について地域コード別に前記複数の評価ベース毎の各評価項目の評価点データが記憶されており、
    前記査定段階では、前記地域指定データで指定された地域コードに対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて前記満点に対する評価点を演算することを特徴とする品物査定方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の品物査定方法において、
    前記査定依頼画面送信段階では、品物の単品の価値を査定する単品査定と、品物がシリーズ揃ったときの価値を査定するセット査定との一方または両方を査定方法として指定可能な前記査定依頼画面を、コンピュータが端末からのアクセスに応じて該端末に送信して表示させ、
    前記受付段階では、単品査定とセット査定のうち一方または両方が端末で指定された査定依頼データを前記属性データと共に受け付け、
    前記データベースには、登録済みの品物について単品査定時の評価ベース毎の各評価項目の評価点データと、単品査定時の評価点に対するセット販売時における単品の評価点の比を数値で示したセット評価指数とが記憶されており、
    前記査定段階では、査定依頼データにより指定された査定方法が単品査定である場合には、単品査定に対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて当該品物の単品販売時における前記満点に対する評価点を演算し、一方、前記指定された査定方法がセット査定である場合には、セット査定に対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて当該品物の単品販売時における前記満点に対する評価点を演算するとともに当該評価点に当該品物のセット評価指数を乗算して当該品物のセット販売時における満点に対する評価点を演算し、
    前記査定結果送信段階では、単品査定とセット査定のうち一方または両方の前記評価点をコンピュータが端末に送信することを特徴とする品物査定方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の品物査定方法において、
    前記品物は美術品であって、
    コンピューターは、ネット美術館のサイトをコンピュータネットワーク上に提供するとともに、該サイトで展示された美術品を展覧できるように端末からのアクセスに応じて美術品画像データを端末に送信して当該端末に美術品を表示する展覧段階を備え、
    前記査定依頼画面送信段階では、前記ネット美術館を展覧中の端末からのアクセスに応じて、展覧中の美術品を査定する査定依頼画面を端末に送信し、
    査定段階では、前記ネット美術館に展示され端末から査定依頼のあった前記属性データにより特定される美術品を、前記指定データにより指定された評価ベースで査定して前記評価点を演算し
    前記査定結果送信段階では、前記評価点を端末に送信することを特徴とする品物査定方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の品物査定方法において、
    端末からのアクセスに応じてコンピュータが検索画面を当該端末に表示させる段階と、
    前記検索画面が表示された端末で検索条件として入力指定された評価ベースと、指定された評価ベースにおける価値のレベルを示す査定条件と、品物の価格帯とを含む検索データを端末からコンピュータが受け付ける検索受付段階と、
    前記記憶手段には評価点を価格に換算する換算式が記憶されており、
    コンピュータが前記検索データを基に、データベースに登録された商品について順次に指定された評価ベースの下での評価点を演算するとともに、当該評価点を記憶手段の換算式を用いて価格に換算し、当該評価点が査定条件を満たし、かつ当該価格が指定された価格帯に属する品物をデータベースから検索する検索段階と、
    コンピュータが品物の検索結果を端末に送信する検索結果送信段階
    を更に備えたことを特徴とする品物査定方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の品物査定方法における前記査定結果送信段で前記評価点を送信した査定対象の品物、又は請求項8に記載の品物査定方法における前記検索結果送信段階で前記端末に検索結果として送信した品物の注文をコンピュータが受け付ける段更に備えたことを特徴とする品物査定機能付き販売方法。
  10. シリーズ揃っていない美術品については不足した美術品をネットワークを介してコンピュータが募集する段階と、
    端末から前記不足した美術品の譲渡申し出をコンピュータが受け付ける段階と、
    前記不足した美術品が譲渡された結果、シリーズ揃った美術品をネットワークを介してコンピュータが販売する段階とを備え、
    前記販売に際し、該シリーズの揃った美術品の価値を査定するために請求項6〜9のいずれか一項に記載の品物査定方法が用いられることを特徴とする品物査定機能付き販売方法。
  11. 美術品又は骨董品に属する品物を、コンピュータネットワークを介して査定する品物査定システムにおいて、
    端末からのアクセスに応じて該端末に画面データを送信して査定依頼画面を表示させる送信手段と、
    前記査定依頼画面で端末に入力された査定対象の品物と当該品物の属性データと、商業的価値評価、学術的価値評価及び美術的価値評価の3つの評価ベースのうち品物の価値を異なる評価ベースから査定するために前記査定依頼画面に選択可能に二以上用意された複数の評価ベースの中から前記端末で選択入力された少なくとも1つの評価ベース指定する指定データとを端末から受け付ける受付手段と、
    登録済みの複数の商品について前記複数の評価ベース毎に設定された複数の評価項目毎に評価点データを記憶するデータベースと、
    前記査定対象の品物について、前記指定データにより指定された評価ベースが1つの場合は、前記データベースから前記品物について前記指定データで指定された1つの評価ベースに設定された前記評価項目毎の評価点データを読み出し、読み出した各評価点データを用いて査定演算用のプログラムを実行して満点に対する評価点を演算して、指定された評価ベースでの前記品物の査定結果を取得し、一方、前記指定データで指定された評価ベースが複数の場合は、複数の評価ベース毎に設定された評価項目毎の評価点データを用いて評価ベース毎の査定演算用のプログラムを実行して指定の評価ベース毎に満点に対する評価点を演算するとともに当該評価ベース毎の評価点を重み付け演算して満点に対する総合評価点を査定結果として取得するとともに、該査定結果を端末に送信する査定手段と
    を備えたことを特徴とする品物査定システム。
  12. 請求項11に記載の品物査定システムにおいて、
    前記査定依頼画面は、品物の価値を地域別に評価するその地域を、予め用意された複数の地域の中から選択可能に提供され、
    前記受付手段は、前記査定依頼画面で品物の価値を評価する地域が選択入力された地域指定データを端末から受け付け、
    前記データベースには、登録済みの各品物について地域コード別に前記複数の評価ベース毎の各評価項目の評価点データが記憶されており、
    前記査定手段は、前記地域指定データで指定された地域コードに対応する評価データ毎に各評価項目の評価点データを用いて前記満点に対する評価点を演算することを特徴とする品物査定システム。
  13. 請求項11又は12に記載の品物査定システムにおいて、
    前記査定依頼画面は、品物の単品販売時単品の価値を査定する単品査定と、品物がシリーズ揃ったときの価値を査定するセット査定との一方または両方の査定方法を指定可能に提供され、
    前記受付手段は、前記単品査定と前記セット査定との一方または両方の査定方法が指定された査定依頼データを前記属性データと共に前記端末から受け付け、
    前記データベースには、登録済みの品物について単品査定時における評価ベース毎の各評価項目の評価点データと、単品の評価点に対するセット販売時における単品の評価点の比を数値で示したセット評価指数とが記憶されており、
    前記査定手段は、査定依頼データにより指定された査定方法が単品査定である場合には、単品査定に対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて査定演算用のプログラムを実行して当該品物の単品販売時における前記満点に対する評価点を演算し、一方、前記指定された査定方法がセット査定である場合には、セット査定に対応する評価ベース毎の各評価項目の評価点データを用いて査定演算用のプログラムを実行して当該品物の単品販売時における前記満点に対する評価点を演算するとともに当該評価点に当該品物のセット評価指数を乗算して当該品物のセット販売時における満点に対する評価点を演算することを特徴とする品物査定システム。
  14. 請求項11〜13のいずれか一項に記載の品物査定システムにおいて、
    前記品物は美術品であって、
    ネット美術館のサイトをコンピュータネットワーク上に提供するとともに、該サイトで展示された美術品を展覧できるように端末からのアクセスに応じて美術品画像データを端末に送信する展覧手段を備え、
    前記送信手段は、前記ネット美術館を展覧中の端末からのアクセスに応じて、画像データを端末に送信して展覧中の美術品の価値を査定する査定依頼画面を端末に表示し
    前記受付手段は、前記査定依頼画面が表示された前記端末から入力された美術品の属性データと、当該端末から入力指定された前記指定データを受け付け、
    前記査定手段は、前記ネット美術館に展示され端末から査定依頼のあった美術品を前記指定データにより指定された評価ベース毎に個別に査定し、その査定結果を端末に送信することを特徴とする品物査定システム。
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