JP4595628B2 - 液体吐出装置、及び、液体吐出方法 - Google Patents
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Description
アナログ信号をもとにトランジスタ対を介して第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
パルス信号をもとに他のトランジスタ対及び平滑回路を介して第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、
液体を吐出するための動作を行う素子であって、前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とによる合成駆動信号に基づいて動作する素子と、
を有する液体吐出装置である。
本明細書の記載、及び添付図面の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
このような液体吐出装置によれば、素子を動作させるための合成駆動信号は、第1駆動信号と第2駆動信号を合成することで得られる。ここで、第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部では、第2駆動信号を生成する際に、他のトランジスタ対にスイッチング動作をさせている。ここで、他のトランジスタ対における導通時の抵抗値は、極めて小さい。このため、他のトランジスタ対に大きな電流を流しても、消費電力を小さくすることができる。一方、第1駆動信号の電流は、第2駆動信号の電流では補えない分の量で足りる。このため、その電流量を従来よりも減らすことができる。従って、第1駆動信号生成部の消費電力も低減できる。その結果、各トランジスタ対の消費電力をあわせても、消費電力を低減することができる。
このような液体吐出装置によれば、吐出させる液体に適合したアナログ信号を容易に生成することができる。
このような液体吐出装置によれば、液体の吐出を精度良く行わせることができる。
このような液体吐出装置によれば、回路構成の簡素化が図れる。
このような液体吐出装置によれば、NPN型トランジスタ及びPNP型トランジスタは、第2駆動信号の電位に過不足が生じても、この過不足が解消されるように動作する。これにより、所望の電位波形を有する合成駆動信号を得ることができる。
このような液体吐出装置によれば、第1駆動信号生成部が有するトランジスタ対の消費電力を、極力小さくすることができる。
このような液体吐出装置によれば、アナログ信号の電位波形を近似した電位波形の第2駆動信号を、容易に生成することができる。
このような液体吐出装置によれば、スイッチング動作を効率よく行わせることができる。
このような液体吐出装置によれば、電界効果トランジスタを用いているので、大きな電流にも容易に対応できる。
このような液体吐出装置によれば、簡単な構成で第2駆動信号を生成することができる。
このような液体吐出装置によれば、第2駆動信号における波形の歪みを有効に防止することができる。
すなわち、所定周期毎に更新される電位指定情報に基づき、指定された電位のアナログ信号を生成するアナログ信号生成部、及び、前記アナログ信号がベースに印加され、且つ、相補的に接続されたNPN型トランジスタ及びPNP型トランジスタによって構成されたトランジスタ対を有し、前記アナログ信号をもとに前記トランジスタ対を介して第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、NPN型トランジスタとPNP型トランジスタ若しくは複数の電界効果トランジスタによって構成される他のトランジスタ対、及び、平滑コンデンサと平滑コイルによって構成され、又は、抵抗素子と平滑コンデンサと平滑コイルとによって構成された平滑回路を有し、前記パルス信号をもとに前記他のトランジスタ対及び前記平滑回路を介して、前記アナログ信号の電位波形を近似した電位波形の第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、液体を吐出するための動作を行う素子であって、前記第1駆動信号と前記第2駆動信号とによる合成駆動信号に基づいて動作する素子とを有し、
前記合成駆動信号は、第1駆動信号用の出力信号線と第2駆動信号用の出力信号線とを接続することで得られるものであり、その電位波形が前記アナログ信号の電位波形に揃えられている液体吐出装置を実現することもできる。
このような液体吐出装置によれば、既述のほぼ全ての効果を奏するので、本発明の目的が最も有効に達成される。
<液体吐出装置について>
液体吐出装置には、印刷装置、カラーフィルタ製造装置、ディスプレイ製造装置、半導体製造装置、及びDNAチップ製造装置など、様々な種類があり、全てについて説明することは困難である。そこで、本明細書では、印刷装置としてのプリンタ、及び、このプリンタを有する印刷システムを例に挙げて説明する。なお、印刷システムとは、印刷装置と、この印刷装置の動作を制御する印刷制御装置とを少なくとも有するシステムのことであり、液体吐出装置と吐出制御装置とを有する液体吐出システムの一形態に相当する。
<全体構成について>
まず、印刷装置を印刷システムとともに説明する。ここで、図1は、印刷システム100の構成を説明する図である。例示した印刷システム100は、印刷装置としてのプリンタ1と、印刷制御装置としてのコンピュータ110とを含んでいる。具体的には、この印刷システム100は、プリンタ1と、コンピュータ110と、表示装置120と、入力装置130と、記録再生装置140とを有している。プリンタ1は、用紙、布、フィルム等の媒体に画像を印刷する。なお、この媒体は、液体が吐出される対象となる対象物に相当する。また、以下の説明では、代表的な媒体である用紙S(図3Aを参照。)を例に挙げて説明する。コンピュータ110は、プリンタ1と通信可能に接続されている。そして、プリンタ1に画像を印刷させるため、コンピュータ110は、その画像に応じた印刷データをプリンタ1に出力する。このコンピュータ110には、アプリケーションプログラムやプリンタドライバ等のコンピュータプログラムがインストールされている。表示装置120は、ディスプレイを有している。この表示装置120は、例えば、コンピュータプログラムのユーザーインタフェースを表示するためのものである。入力装置130は、例えば、キーボード131やマウス132である。記録再生装置140は、例えば、フレキシブルディスクドライブ装置141やCD−ROMドライブ装置142である。
<コンピュータ110の構成について>
図2は、コンピュータ110、及びプリンタ1の構成を説明するブロック図である。まず、コンピュータ110の構成について簡単に説明する。このコンピュータ110は、前述した記録再生装置140と、ホスト側コントローラ111とを有している。記録再生装置140は、ホスト側コントローラ111と通信可能に接続されており、例えばコンピュータ110の筐体に取り付けられている。ホスト側コントローラ111は、コンピュータ110における各種の制御を行うものであり、前述した表示装置120や入力装置130も通信可能に接続されている。このホスト側コントローラ111は、インタフェース部112と、CPU113と、メモリ114とを有する。インタフェース部112は、プリンタ1との間に介在し、データの受け渡しを行う。CPU113は、コンピュータ110の全体的な制御を行うための演算処理装置である。メモリ114は、CPU113が使用するコンピュータプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM、ROM、磁気ディスク装置等によって構成される。このメモリ114に格納されるコンピュータプログラムとしては、前述したアプリケーションプログラムやプリンタドライバがある。そして、CPU113は、メモリ114に格納されているコンピュータプログラムに従って各種の制御を行う。
<プリンタ1の構成について>
次に、プリンタ1の構成について説明する。ここで、図3Aは、本実施形態のプリンタ1の構成を示す図である。図3Bは、本実施形態のプリンタ1の構成を説明する側面図である。なお、以下の説明では、図2も参照する。このプリンタ1は、図2に示すように、用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40、駆動信号生成回路50、検出器群60、及び、プリンタ側コントローラ70を有する。そして、駆動信号生成回路50とプリンタ側コントローラ70は共通のコントローラ基板CTRに実装されている。また、ヘッドユニット40は、ヘッド制御部HCと、ヘッド41とを有している。このプリンタ1では、プリンタ側コントローラ70によって制御対象部、すなわち用紙搬送機構20、キャリッジ移動機構30、ヘッドユニット40(ヘッド制御部HC,ヘッド41)、及び駆動信号生成回路50が制御される。すなわち、プリンタ側コントローラ70は、コンピュータ110から受け取った印刷データに基づいて制御対象部を制御し、用紙Sに画像を印刷させる。このとき、検出器群60の各検出器は、プリンタ1内の各部の状態を検出しており、検出結果をプリンタ側コントローラ70に出力する。各検出器からの検出結果を受けたプリンタ側コントローラ70は、その検出結果に基づいて制御対象部を制御する。
用紙搬送機構20は、媒体を搬送させる媒体搬送部に相当する。この用紙搬送機構20は、媒体としての用紙Sを印刷可能な位置に送り込んだり、この用紙Sを搬送方向に所定の搬送量で搬送させたりするものである。この搬送方向は、次に説明するキャリッジ移動方向と交差する方向である。そして、図3A及び図3Bに示すように、用紙搬送機構20は、給紙ローラ21と、搬送モータ22と、搬送ローラ23と、プラテン24と、排紙ローラ25とを有する。給紙ローラ21は、紙挿入口に挿入された用紙Sをプリンタ1内に自動的に送るためのローラであり、この例ではD形の断面形状をしている。搬送モータ22は、用紙Sを搬送方向に搬送させるためのモータであり、その動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。搬送ローラ23は、給紙ローラ21によって送られてきた用紙Sを、印刷可能な領域まで搬送するためのローラである。プラテン24は、用紙Sを裏面側から支持するための部材である。排紙ローラ25は、印刷が終了した用紙Sを搬送するためのローラである。
キャリッジ移動機構30は、ヘッドユニット40が取り付けられたキャリッジCRをキャリッジ移動方向に移動させるためのものである。キャリッジ移動方向には、一側から他側への移動方向と、他側から一側への移動方向が含まれている。なお、ヘッドユニット40はヘッド41を有する。このため、キャリッジ移動方向は、ヘッド41が移動するヘッド移動方向(所定方向)に相当する。また、キャリッジ移動機構30は、ヘッド41を所定方向に移動させるヘッド移動部に相当する。このキャリッジ移動機構30は、キャリッジモータ31と、ガイド軸32と、タイミングベルト33と、駆動プーリー34と、従動プーリー35とを有する。キャリッジモータ31は、キャリッジCRを移動させるための駆動源に相当する。このキャリッジモータ31の動作は、プリンタ側コントローラ70によって制御される。そして、キャリッジモータ31の回転軸には、駆動プーリー34が取り付けられている。この駆動プーリー34は、キャリッジ移動方向の一端側に配置されている。駆動プーリー34とは反対側のキャリッジ移動方向の他端側には、従動プーリー35が配置されている。タイミングベルト33は、キャリッジCRに接続されているとともに、駆動プーリー34と従動プーリー35とに架け渡されている。ガイド軸32は、キャリッジCRを移動可能な状態で支持する。このガイド軸32は、キャリッジ移動方向に沿って取り付けられている。従って、キャリッジモータ31が動作すると、キャリッジCRはこのガイド軸32に沿ってキャリッジ移動方向に移動する。これに伴い、ヘッド41もヘッド移動方向に移動する。
ヘッドユニット40は、インクを用紙Sに向けて吐出させるためのものである。このヘッドユニット40は、ヘッド41とヘッド制御部HCとを有している。ここで、図4Aは、ヘッド41の構造を説明するための断面図である。図4Bは、ヘッド41の一部を拡大して示す断面図である。なお、便宜上、ここではヘッド41について説明し、ヘッド制御部HCについては後で説明することにする。
ヘッド41は、ケース411と、流路ユニット412と、ピエゾ素子ユニット413とを有する。ケース411は、ピエゾ素子ユニット413を収容するための収容室411aが内部に形成されたブロック状の部材である。ピエゾ素子ユニット413は、ノズル列毎に取り付けられる。例示したヘッド41は4つのノズル列(図示せず)を有している。このため、ケース411には4つの収容室411aが設けられており、4つのピエゾ素子ユニット413が各収容室411aに収容されている。
駆動信号生成回路50は、ピエゾ素子PZTの動作(変形状態)を定めるための合成駆動信号COMを生成するものであり、合成駆動信号生成部に相当する。この駆動信号生成回路50に関し、ここでは、生成される合成駆動信号COMについて説明することとし、構成等の詳細については後で説明する。ここで、図5は、駆動信号生成回路50によって生成される合成駆動信号COMを説明する図である。
次に、ヘッド制御部HCについて説明する。ここで、図6は、ヘッド制御部HCの構成を説明するためのブロック図である。ヘッド制御部HCは、第1シフトレジスタ81Aと、第2シフトレジスタ81Bと、第1ラッチ回路82Aと、第2ラッチ回路82Bと、デコーダ83と、制御ロジック84と、ヘッド側スイッチ85とを有する。そして、制御ロジック84を除いた各部、すなわち、第1シフトレジスタ81A、第2シフトレジスタ81B、第1ラッチ回路82A、第2ラッチ回路82B、デコーダ83、ヘッド側スイッチ85は、それぞれピエゾ素子PZT毎、つまりノズルNz毎に設けられる。
次に、ヘッド制御部HCによる合成駆動信号COMの印加制御について説明する。ここで、図7は、合成駆動信号COMの印加制御を説明するためのタイミングチャートである。なお、以下の説明では、図6も参照する。このプリンタ1において、画素データSIは2ビットで構成されており、その内容はノズルNz毎(ピエゾ素子PZT毎)に定められる。この画素データSIは、転送用のクロックCLKに同期してヘッド制御部HCへ送られる。そして、画素データSIの上位ビット群は各第1シフトレジスタ81Aにセットされ、下位ビット群は各第2シフトレジスタ81Bにセットされる。第1シフトレジスタ81Aには第1ラッチ回路82Aが接続され、第2シフトレジスタ81Bには第2ラッチ回路82Bが接続されている。ここで、プリンタ側コントローラ70からのラッチ信号LATがHレベルになると、各第1ラッチ回路82Aは対応する画素データSIの上位ビットをラッチし、各第2ラッチ回路82Bは画素データSIの下位ビットをラッチする。第1ラッチ回路82A及び第2ラッチ回路82Bでラッチされた画素データSI(上位ビットと下位ビットの組)はそれぞれ、デコーダ83に入力される。
検出器群60は、プリンタ1の状況を監視するためのものである。図3A,図3Bに示すように、この検出器群60には、リニア式エンコーダ61、ロータリー式エンコーダ62、紙検出器63、及び紙幅検出器64が含まれている。リニア式エンコーダ61は、キャリッジCRのキャリッジ移動方向の位置を検出するためのものである。ロータリー式エンコーダ62は、搬送ローラ23の回転量を検出するためのものである。紙検出器63は、印刷される用紙Sを検出するためのものである。紙幅検出器64は、印刷される用紙Sの幅を検出するためのものである。
プリンタ側コントローラ70は、プリンタ1が有する各部を制御するものである。例えば、プリンタ側コントローラ70は、所定の搬送量で用紙Sを搬送させる動作と、キャリッジCR(ヘッド41)を移動させながら断続的にインクを吐出させる動作とを交互に行わせることで、用紙Sに画像を印刷させている。このため、プリンタ側コントローラ70は、搬送モータ22の回転量を制御することによって用紙Sの搬送を制御する。また、プリンタ側コントローラ70は、キャリッジモータ31の回転を制御することによってキャリッジCRの移動を制御する。さらに、画素データSIをヘッド制御部HCへ出力することで、インクを吐出させるための制御を行う。加えて、プリンタ側コントローラ70は、合成駆動信号COM用の生成情報としてのDAC値(電位指定情報,後述する。)を駆動信号生成回路50へ出力する制御も行っている。
<駆動信号生成回路50の特徴について>
前述した構成を有するプリンタ1では、消費電力をできるだけ小さくすることが求められている。これは、消費電力が小さくなることによって、電源容量が小さくでき装置の小型化や発熱の低減が図れること等の利点があるからである。特に、駆動信号生成回路50では、複数のピエゾ素子PZTを40V以上の高い電圧で動作させるので大きな電力を消費する。このため省電力化が強く求められている。
以下、駆動信号生成回路50の構成について説明する。図8に示すように、第1駆動信号生成回路50AはDAC回路51と電流増幅回路52とを有しており、第2駆動信号生成回路50Bはパルス信号生成回路53と平滑回路54とを有している。そして、第1駆動信号COMAの電位波形はアナログ信号ANGの電位波形に揃えられ、第2駆動信号COMBの電位波形はアナログ信号ANGを近似した電位波形とされている。以下、各部について詳細に説明する。
DAC回路51は、所定周期毎に更新されるDAC値(電位指定情報に相当する。)に基づき、指定された電位のアナログ信号ANGを生成するものである。すなわち、このDAC回路51は、アナログ信号生成部に相当する。DAC値は、例えば、出力電位を10ビットのデジタル値で表した情報であり、プリンタ側コントローラ70のCPU72から出力される。このため、CPU72は、アナログ信号ANGの電圧に対応するDAC値を求め、求めたDAC値をクロックCLKで規定される更新周期τ(所定周期に相当する。)毎にDAC回路51へ出力する。なお、クロックCLKは例えば24MHzとされる。この場合、更新周期τは41.7nsとなる。そして、DAC回路51で生成されたアナログ信号ANGは、電流増幅回路52にて電流が増幅されることにより、第1駆動信号COMAとなる。
電流増幅回路52は、DAC回路51で生成されたアナログ信号ANGの電流を増幅することで、第1駆動信号COMAを生成するものである。すなわち、アナログ信号ANGの電流は複数のピエゾ素子PZTを同時に動作させるには不十分な量となっているため、電流増幅回路52は、アナログ信号ANGの電流を増幅する。また、この電流増幅回路52は、第1駆動信号COMAと第2駆動信号COMBの合成駆動信号COMの電位を、アナログ信号ANGの電位に揃えるための電位調整部としても機能する。この点については後で説明する。
パルス信号生成回路53は、パルス幅変調されたパルス信号(増幅後パルス信号PWS´,後述する。)を生成するものである。図10に示すように、このパルス信号生成回路53は、PWM回路531と、スイッチング回路532とを有している。PWM回路531は、CPU72からのPWM制御信号に基づいてパルス信号PWSを出力する。このパルス信号PWSは、矩形状であってグランド電位と最大電位(例えば42V)との間で電位を変化させている。そして、このパルス信号PWSは、第2駆動信号COMBの電位に応じてパルス幅変調されている。なお、第2駆動信号COMBの電位とパルス信号PWSのパルス幅との関係については、後で説明する。そして、PWM回路531で生成されたパルス信号PWSは、スイッチング回路532へ出力される。
平滑回路54は、パルス信号生成回路53で生成された増幅後パルス信号PWS´を平滑化するためのものである。例示した平滑回路54は、平滑コンデンサ541と平滑コイル542とを有しており、いわゆるコンデンサインプット型の平滑回路として構成されている。すなわち、平滑コイル542は、スイッチング回路532の出力端と第2駆動信号COMBの出力信号線CdBとの間に直列に接続されている。また、平滑コンデンサ541は、その一端が、スイッチング回路532の出力端と平滑コイル542の間に接続され、他端が接地されている。このような構成の平滑回路54は、入力された増幅後パルス信号PWS´のデューティ(つまり、パルス信号PWSのデューティ)に応じた電位の第2駆動信号COMBを生成して出力する。
次に、第2駆動信号生成回路50Bにて生成される第2駆動信号COMBについて説明する。ここで、図12Aは、第2駆動信号COMBの第2波形部SS2に対応する部分を生成するための制御を説明する図である。図12Bは、生成された第2駆動信号COMBを説明する図である。なお、図12Aに記載されたパルス信号PWSは、単位周期におけるデューティを示している。
前述したように、第1駆動信号生成回路50Aにて生成された第1駆動信号COMAと、第2駆動信号生成回路50Bにて生成された第2駆動信号COMBは合成され、ピエゾ素子PZTに印加される合成駆動信号COMとなる。第1駆動信号COMAと第2駆動信号COMBの合成は、第1駆動信号COMAの出力信号線CdAと第2駆動信号COMBの出力信号線CdBとを接続することで行われる。従って、第1駆動信号COMAの出力信号線CdA、第2駆動信号COMBの出力信号線CdB、及び、合成駆動信号COMの出力信号線CdCは、結果的に同電位となる。前述したように、電流増幅回路52を構成するトランジスタ対(NPN型トランジスタQ1,PNP型トランジスタQ2)は、出力信号線CdAの電位をアナログ信号ANGの電位に揃えるべく動作をする。ここで、第2駆動信号COMBは、アナログ信号ANGを近似した電位波形となっている。すなわち、第2駆動信号COMBの電位は、アナログ信号ANGの電位に対して高低のずれがある。このため、NPN型トランジスタQ1,PNP型トランジスタQ2は、この電位のずれを吸収するようにも動作する。以下、この点について説明する。
次に、印刷動作について説明する。ここで、図14は、印刷動作を説明するためのフローチャートである。アプリケーションプログラム上で印刷命令が行われると、ホスト側コントローラ111は、印刷対象となる画像データに対して各種の処理を行い、印刷データを生成する。この印刷データはプリンタ1で受信され、プリンタ側コントローラ70に出力される。印刷データを受信したプリンタ側コントローラ70は、この印刷データとメモリ73に記憶されたコンピュータプログラムとに基づいて印刷動作を行う。従って、このコンピュータプログラムは、印刷動作を実行させるためのコードを有する。
前述した第1実施形態において、スイッチング回路532は、PNP型トランジスタQ3とNPN型トランジスタQ4によって構成されていた。また、平滑回路54は、平滑コンデンサ541と平滑コイル542によって構成されていた。しかし、この構成に限定されるものではない。図15は、スイッチング回路532及び平滑回路54に変更が加えられた第2実施形態を説明する図である。この第2実施形態では、一対の電界効果トランジスタF1,F2によってスイッチング回路532´を構成している点、及び、抵抗素子543と平滑コンデンサ541と平滑コイル542とによって平滑回路54´を構成している点に特徴を有している。
上記の実施形態は、主としてプリンタ1を有する印刷システム100について記載されているが、その中には液体吐出装置及び液体吐出システムの開示も含まれている。また、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
前述した実施形態では、第1駆動信号COMAの出力信号線CdAと第2駆動信号COMBの出力信号線CdBとを接続することで合成駆動信号COMを生成していたが、合成用の回路を設けてもよい。そして、前述した各実施形態のように、第1駆動信号COMA用の出力信号線と第2駆動信号COMB用の出力信号線とを接続することで合成駆動信号COMを生成した場合には、回路構成の簡素化が図れる。
前述した各実施形態では、パルス幅変調されたパルス信号PWSを用いていたが、パルス周波数変調(PFM)されたパルス信号PWSを用いてもよい。また、PWM回路531に代えて、1ビットのデジタル信号を出力可能なデジタル信号出力部を設けてもよい。
前述した各実施形態の平滑回路54,54´はあくまで例示であり、他の構成の平滑回路を用いてもよい。例えば、平滑コイルの一端と他端のそれぞれに平滑コンデンサを接続したいわゆるπ型の平滑回路であってもよい。
前述の実施形態では、液体を吐出するための動作を行う素子としてピエゾ素子PZTを例示したが、他の素子であってもよい。例えば、発熱素子や静電アクチュエータ用いてもよい。
前述の実施形態は、プリンタ1の実施形態であったので、液体状の染料インクや顔料インクをノズルNzから吐出させていた。しかし、ノズルNzから吐出させる液体は、液体状であればインクに限られるものではない。その用途に応じた液体を吐出させればよい。
また、前述の実施形態では、プリンタ1が説明されていたが、これに限られるものではない。例えば、カラーフィルタ製造装置、染色装置、微細加工装置、半導体製造装置、表面加工装置、三次元造形機、液体気化装置、有機EL製造装置(特に高分子EL製造装置)、ディスプレイ製造装置、成膜装置、DNAチップ製造装置などのインクジェット技術を応用した各種の液体吐出装置に、本実施形態と同様の技術を適用しても良い。また、これらの方法や製造方法も応用範囲の範疇である。
23 搬送ローラ,24 プラテン,25 排紙ローラ,
30 キャリッジ移動機構,31 キャリッジモータ,32 ガイド軸,
33 タイミングベルト,34 駆動プーリー,35 従動プーリー,
40 ヘッドユニット,41 ヘッド,411 ケース,411a 収容室,
412 流路ユニット,412a 流路形成板,412b 弾性板,
412c ノズルプレート,412d 圧力室,412e ノズル連通口,
412f 共通インク室,412g インク供給路,412h 支持枠,
412i 弾性膜,412j アイランド部,413 ピエゾ素子ユニット,
413a ピエゾ素子群,413b 接着用基板,
50 駆動信号生成回路,50A 第1駆動信号生成回路,
51 DAC回路,52 電流増幅回路,50B 第2駆動信号生成回路,
53 パルス信号生成回路,531 PWM回路,532 スイッチング回路,
532´ スイッチング回路,54 平滑回路,54´ 平滑回路,
541 平滑コンデンサ,542 平滑コイル,543 抵抗素子,
60 検出器群,61 リニア式エンコーダ,
62 ロータリー式エンコーダ,63 紙検出器,64 紙幅検出器,
70 プリンタ側コントローラ,71 インタフェース部,72 CPU,
73 メモリ,74 制御ユニット,81A 第1シフトレジスタ,
81B 第2シフトレジスタ,82A 第1ラッチ回路,
82B 第2ラッチ回路,83 デコーダ,84 制御ロジック,
85 ヘッド側スイッチ,100 印刷システム,110 コンピュータ,
111 ホスト側コントローラ,112 インタフェース部,
113 CPU,114 メモリ,120 表示装置,130 入力装置,
131 キーボード,132 マウス,140 記録再生装置,
141 フレキシブルディスクドライブ装置,
142 CD−ROMドライブ装置,S 用紙,CLK クロック,
SI 画素データ,LAT ラッチ信号,CH チェンジ信号,
CTR コントローラ基板,HC ヘッド制御部,CR キャリッジ,
PZT ピエゾ素子,Nz ノズル,
COMA 第1駆動信号,COMB 第2駆動信号,COM 合成駆動信号,
SS1 第1波形部,SS2 第2波形部,SS3 第3波形部,
SS4 第4波形部,PS1〜PS4 駆動パルス,
q0〜q3 選択データ,
SW スイッチ制御信号,LAT ラッチ信号,CH チェンジ信号
Q1 NPN型トランジスタ,Q2 PNP型トランジスタ,
Q3 PNP型トランジスタ,Q4 NPN型トランジスタ,
CdA 第1駆動信号の出力信号線,CdB 第2駆動信号の出力信号線,
CdC 合成駆動信号の出力信号線,PWS パルス信号,
PWS´ 増幅後パルス信号,ANG アナログ信号,
LOA 負荷,OT 出力端子
Claims (12)
- 相補的に接続されたトランジスタによって構成されたトランジスタ対からなり、電位調整部として機能する電流増幅回路を介してアナログ信号をもとに第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
相補的に接続されたトランジスタによって構成され、スイッチング回路としての機能を有する他のトランジスタ対及び平滑回路を介して、パルス信号をもとに第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、
液体を吐出するための動作を行う素子であって、第1駆動用信号の出力信号線と第2駆動用の出力信号線とを接続することで得られる合成駆動信号に基づいて動作する素子と、
を有する液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記第1駆動信号生成部は、
所定周期毎に更新される電位指定情報に基づき、指定された電位のアナログ信号を生成するアナログ信号生成部を有する液体吐出装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の液体吐出装置であって、
前記合成駆動信号は、
その電位波形が前記アナログ信号の電位波形に揃えられている液体吐出装置。 - 請求項1から請求項3の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記合成駆動信号は、
第1駆動信号用の出力信号線と第2駆動信号用の出力信号線とを接続することで得られる液体吐出装置。 - 請求項1から請求項4の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記トランジスタ対は、
前記アナログ信号がベースに印加され、且つ、相補的に接続されたNPN型トランジスタ及びPNP型トランジスタによって構成されている液体吐出装置。 - 請求項1から請求項5の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記第2駆動信号生成部は、
前記アナログ信号の電位波形を近似した電位波形の第2駆動信号を生成する液体吐出装置。 - 請求項6に記載の液体吐出装置であって、
前記第2駆動信号生成部は、
パルス幅変調されたパルス信号をもとに前記第2駆動信号を生成する液体吐出装置。 - 請求項1から請求項7の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記他のトランジスタ対は、
NPN型トランジスタとPNP型トランジスタによって構成されている液体吐出装置。 - 請求項1から請求項7の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記他のトランジスタ対は、
複数の電界効果トランジスタによって構成されている液体吐出装置。 - 請求項1から請求項9の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記平滑回路は、
平滑コンデンサと平滑コイルによって構成されている液体吐出装置。 - 請求項1から請求項9の何れかに記載の液体吐出装置であって、
前記平滑回路は、
抵抗素子と平滑コンデンサと平滑コイルとによって構成されている液体吐出装置。 - 相補的に接続されたトランジスタによって構成されたトランジスタ対からなり、電位調整部として機能する電流増幅回路を介してアナログ信号をもとに第1駆動信号を生成するステップと、
相補的に接続されたトランジスタによって構成され、スイッチング回路としての機能を有する他のトランジスタ対及び平滑回路を介して、パルス信号をもとに第2駆動信号を生成するステップと、
液体を吐出するための動作を行う素子に、第1駆動用信号の出力信号線と第2駆動用の出力信号線とを接続することで得られる合成駆動信号を印加して、液体を吐出させるステップと、
を有する液体吐出方法。
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