JPH0939273A - 階調印字制御装置 - Google Patents

階調印字制御装置

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JPH0939273A
JPH0939273A JP7193066A JP19306695A JPH0939273A JP H0939273 A JPH0939273 A JP H0939273A JP 7193066 A JP7193066 A JP 7193066A JP 19306695 A JP19306695 A JP 19306695A JP H0939273 A JPH0939273 A JP H0939273A
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JP
Japan
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ink
control
gradation
temperature
signal
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Application number
JP7193066A
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English (en)
Inventor
Hajime Shiraishi
肇 白石
Nobusuke Satou
伸祐 佐藤
Takuma Takasu
卓磨 鷹巣
Koji Matsuo
幸治 松尾
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境温度変化や連続印字時の印字ヘッドの蓄
熱によるインク温度変化の影響をほとんど受けずに連続
階調印字を可能にする階調印字制御装置を提供すること
を目的とする。 【構成】 インク室11の電極14、15に電圧を印加
してインクを加熱沸騰させインクを吐出させるインク吐
出装置において、電極14、15にインクが吐出するた
めの加熱パルス信号を与える吐出制御回路20と、イン
クが吐出しない程度の予備加熱パルス信号を与える予備
加熱制御回路21と、インク温度を検知する温度センサ
27と、吐出制御回路20と予備加熱制御回路21に制
御信号を与えるコントロールブロック19を備え、コン
トロールブロック19が温度センサ27の検知信号とイ
ンクの吐出量を可変し得る階調印字データを受け取り、
吐出制御回路20、予備加熱制御回路21に制御信号を
与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェットプリン
タの印字ヘッドの階調印字制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンタは、記録
時の静粛性、高速記録が可能、カラー化が容易といった
点から家庭用、オフィス用コンピュータの出力用プリン
タとして広く利用されるようになってきた。このような
インクジェットプリンタはインクを小滴化し飛翔させ、
記録紙に付着させて記録を行うもので、小滴の発生法や
飛翔方向の制御法によってコンティニアス方式とオンデ
マンド方式に大別される。
【0003】コンティニアス方式は、例えば米国特許第
3060429号公報に開示されている方式であって、
インクの小滴化を静電吸引的に行い、発生した小滴を記
録信号に応じて電界制御し、記録紙上に小滴を選択的に
付着させて記録を行うものであり、小滴の発生に高電圧
を要し、マルチノズル化が困難であるので高速記録には
不適である。
【0004】オンデマンド方式は、例えば米国特許第3
4747120号公報に開示されている方式で、小滴を
吐出するノズル孔を有する記録ヘッドに付設されている
ピエゾ振動素子に電気的な記録信号を付加し、この電気
記録信号をピエゾ振動素子の機械的振動に変え、機械的
振動に従って前記ノズル孔より小滴を吐出させて記録紙
に付着させることで記録を行うものであり、オンデマン
ドでインクをノズル孔より吐出して記録を行うため、コ
ンティニアス方式のように吐出飛翔する小滴の中、画像
の記録に要さなかった小滴を回収することが不要である
ため、シンプルな構成が可能である。しかしながら記録
ヘッドの加工の困難さや、ピエゾ振動素子の小型化が極
めて困難でマルチノズル化が難しく、ピエゾ素子の機械
振動という機械的エネルギーで小滴の飛翔を行うので高
速記録に向かないこと、等の欠点を有する。
【0005】また特公昭61−59911号公報,特公
昭62−11035号公報,特公昭61−59914号
公報には発熱抵抗体により沸騰を生起させ液滴を飛翔さ
せる方式の記録法が開示されている。
【0006】オンデマンド方式の他の例として米国特許
第3179042号公報に開示されている方式はピエゾ
振動素子等の手段による機械的振動エネルギーを利用す
る代わりに熱エネルギーを利用するものである。この方
式は機械的振動エネルギーを利用する方式と比較しエネ
ルギー変換効率が高い、マルチノズル化が容易であると
いった特徴がある。
【0007】次にその吐出原理について説明する。図8
は従来のインク吐出装置の断面図である。図8において
1は導電性インク、2は導電性インク1で満たされたイ
ンク室、3は導電性インク1を収容するインクタンク、
4、5は導電性インク液面以下に配置された一対の電
極、6は電源、7は電源6のスイッチ、8は導電性イン
クを吐出するノズル、9は記録紙、10はノズル8から
吐出されるインク滴である。
【0008】一対の電極4、5に電圧を印加すると、導
電性インク1に電流が流れ、そのジュール熱で電極4、
5の先端間の導電性インク1の一部が気化する。更にそ
の気化された導電性インク1の蒸気はノズル8から記録
紙9にインク滴10を吐出させるのに十分な圧力を発生
するまで膨張する。スイッチ7により電圧を印加するこ
とで、導電性インク1を吐出するノズル孔を選び記録紙
9に所望の文字を形成できるようしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記従来
の構成では、環境温度変化や、印字周波数によるインク
室内の熱蓄積の影響で、沸騰気泡が大きく変化するた
め、インク吐出量が大きくばらついたり、最悪の場合吐
出しないこともあり、印字性能を著しく低下させてい
た。従ってインク吐出量を精度よくコントロールして階
調印字をしようとしても沸騰気泡のばらつきが大きすぎ
て制御が非常に難しいという問題点があった。
【0010】そこで本発明は、環境温度変化や連続印字
時の印字ヘッドの蓄熱によるインク温度変化の影響をほ
とんど受けずに連続階調印字を可能にする階調印字制御
装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このために本発明の階調
印字制御装置は、インク室と、このインク室のインクを
加熱沸騰させその圧力でインクを吐出させる加熱手段を
備え、加熱手段にインクが吐出するための加熱パルス信
号を与える第1の駆動手段と、インクが吐出しない程度
の予備加熱パルス信号を与える第2の駆動手段と、環境
温度を検知する温度検知手段と、第1の駆動手段と第2
の駆動手段に制御信号を与えるコントロール手段とを設
け、コントロール手段が温度検知手段の検知信号とイン
クの吐出量を可変する階調印字データを受け取り、加熱
パルス信号の条件と予備加熱パルス信号の条件を設定
し、第1の駆動手段と第2の駆動手段に制御信号を与え
るようにした。
【0012】またコントロール手段が、第1の駆動手段
と第2の駆動手段に制御信号を与えるとともに、加熱手
段への印加電圧を変化させる制御信号を与える。またコ
ントロール手段が、第1の駆動手段と第2の駆動手段に
制御信号を与えるとともに、吐出のための加熱手段とは
別個のインクを予備加熱する手段を制御する制御信号を
与えるようにした。
【0013】
【作用】以上の構成により、環境温度が変化した場合
や、印字周期が大きく変化した場合でも、インクを吐出
するためのインク加熱手段周辺の温度を一定に保つこと
ができ、階調印字のそれぞれの階調レベルに合った所望
の大きさの沸騰気泡を生成することができる。このこと
は所望の階調印字レベルに合った印字ドット径を常に精
度よく生成できるということであり、階調印字装置とし
ての印字品質レベルを飛躍的に向上させることができ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。まず、本
発明で実施できる好ましい態様について詳細に説明す
る。
【0015】(記録原理)インクジェット記録ヘッドは
記録液を抵抗加熱ヒーター等の熱発生源で加熱し、沸騰
させその沸騰気泡の膨張力により記録液をノズル等の方
向制御機構から吐出させ紙面上に印字させる方法、導電
材料を添加した記録液に電気エネルギーを与え記録液の
自己発熱より生じた沸騰気泡の膨張力により記録液をノ
ズル等の方向制御機構から吐出させ紙面上に印字させる
方法等多数の動作原理が提案され、実用化されている。
これらの動作原理を実現させるための能動素子装置の構
造も様々な方法、構造、及び工法が提案されている。印
字品質の向上に伴いより高解像度の印字パターンが要求
されているため、前記能動素子装置の殆どが薄膜技術に
より形成されている。
【0016】(ヘッド構成材料)前記能動素子装置の構
成材料としては、特性、寿命、信頼性、製造コスト等を
考慮して様々な材料が使用されている。
【0017】(基板)基板の材料としては、ガラス、セ
ラミック等の絶縁材料、半導体、表面を高抵抗材料で被
覆した金属、金属合金、絶縁物、半導体が使用できる。
ガラス基板としては、カリ石灰ガラス、ソーダ石灰ガラ
ス、硼珪酸ガラス、クラウンガラス、亜鉛クラウンガラ
ス、ソーダカリガラス、バリウム硼珪酸ガラス、96%
珪酸ガラス、99.5%珪酸ガラス、燐酸ガラス、低融
点ガラス、リチウム珪酸ガラス、亜鉛アルミ珪酸ガラ
ス、珪酸ジルコニウムガラス等が使用できる。セラミッ
ク基板としては、酸化アルミニュウム(アルミナ)、酸
化チタン(チタニア)、MgO・SiO2(ステアタイ
ト)2MgO・SiO2(ホルステライト)、BeO
(ベリリア)、MgO・Al23(スピネル)等が使用
できる。半導体基板としては、シリコン、炭化シリコ
ン、ダイアモンド、ゲルマニウム等が使用できる。
【0018】(電極)電極材料としては、Ti族金属
(Ti,Zr,Hf)、白金族金属(Pt,Ru,R
h,Pd,Os,Ir)、高融点金属(W,Ta,M
o)、その他V,Cr,Fe,Co,Ni,Nb,A
u,Ag,Al等の単金属又はこれらの合金(Ni−F
e,NiCr,TiCr等)が使用できる。またこれら
の酸化物(酸化チタン、酸化ハフニウム、酸化錫、酸化
インジウム等)、窒化物(窒化チタン、窒化クロム
等)、炭化物(炭化チタン、炭化タングステン等)、硼
化物も使用できる。
【0019】(絶縁層)絶縁層としては、絶縁性の有機
物(耐熱性のポリイミド樹脂、アクリル樹脂などのフォ
トレジスト等)又は絶縁層の無機物が使用できる。
【0020】(流路・ノズル)流路、ノズル材料として
は、ポリイミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレー
トシート等のポリマー、ガラス、セラミック等の絶縁材
料、半導体、又は表面を高抵抗材料で被覆した金属、金
属合金、絶縁物、半導体が使用できる。
【0021】(フォトリソ等構成)上記の材料を用いて
ヘッドを作成する方法の例を述べる。ガラス、あるいは
シリコン等のセラミクスからなる非導電性の基板上にT
i,Au,Pt等の導電性金属膜を蒸着法やスパッタ法
などの物理成膜法あるいは鍍金法等により積層する。こ
の金属膜を積層した基板をフォトリソグラフィ法により
電極パターンを形成し、電極以外の部分をイオンミリン
グまたはケミカルエッチングにより除去する。
【0022】インク室に露出していない電極と基板上に
有機高分子あるいはセラミクス等の絶縁膜を塗布または
蒸着法やスパッタ法により形成する。この絶縁膜と電極
を積層した基板上にエキシマレーザ加工機により形成さ
れたノズル孔を有する樹脂シートとノズル孔の中心が2
つの電極の中心と一致するように接着剤で接着する。絶
縁膜に使用する有機高分子はポリイミド、ポリアミドイ
ミド、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フッ
素樹脂、アクリル樹脂、及びシリコン樹脂等が挙げられ
るがポリイミド等の耐熱性高分子がとくに好ましい。ま
た、ゾルゲル法に用いられる金属アルコキシドを使用し
ても良い。
【0023】さらに及びまたは、SiO2,Al23
TiO2等の金属酸化物を蒸着法やスパッタ法にて形成
する。樹脂シートとしてはポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフド、
ポリエーテルケトン等の耐熱性エンジニアリングプラス
チックが使用できるが耐インク性、レーザ加工性を考慮
するとポリイミド、ポリエーテルスルホンが好ましい。
接着剤としてはエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、トリア
ジン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン
樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性樹脂が使用できる。かとう
性を付与するためにニトリルゴム、シリコンゴム、ナイ
ロン、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂を添加するこ
ともできる。また、SiO2,Al23,TiO2等の金
属酸化物の微粉を充填材として添加してもよく、また接
着性を向上するためにカップリング剤を適量添加しても
良い。耐インク性、耐熱性を考慮するとエポキシ樹脂、
及びまたはポリイミド樹脂が好ましい。接着剤は所定の
膜厚を得る濃度に有機溶剤で希釈し、あらかじめ樹脂シ
ートに塗布した後、加熱により溶剤を揮発させ接着剤層
を形成する。
【0024】エキシマレーザを接着剤面側から入射し、
樹脂シートにノズル孔を形成する。エキシマレーザ加工
時に接着剤表面にポリイミド等の耐熱性プラスチックフ
ィルムを保護シートとして貼り付けて加工すると、高温
の加工くずが接着剤に直接接触しないので接着性が低下
しない。ノズル孔を有する樹脂シートと基板の接着はラ
バー加圧法等により行う。接着温度は接着剤の硬化温度
に応じて適宜行う。加圧力は接着剤が浮いたり、しみだ
さない最適荷重で行う。
【0025】(インク組成)本発明で使用できる記録液
は水溶性、油溶性どちらでも良い。臭い、安全性を考慮
すると水溶性の方が好ましい。インクには、染料、湿潤
材としてのアルコール類、グリコール類等の水可溶性有
機溶媒、界面活性剤、あるいはこれらの混合物を添加す
るのがにじみ、乾燥速度、沸騰状態の調節、電極寿命、
ノズル目詰まり等にとって好ましい。さらに防腐剤も使
用される。具体的にはトリケップス社「インクジェット
記録技術」、p177に記載のもの、太田徳也、日経エ
レクトロニクス、No.303,1982.11.8
号、同、電子写真学会誌、vol.24、354(19
85),大渡章夫、「第4回ノンインパクトプリンティ
ング技術シンポジウム論文集」、電子写真学会、93
(1987)、平沢伸一、「同」89(1987)、沢
木健二,繊維と工業,vol.47,212,(199
1)、特開昭63−1579号公報等に記載のある素材
を使用することができる。
【0026】次に本発明に使用できる記録液の構成の具
体例を述べる。色材(染料;アゾ染料、酸性染料、塩基
性染料、直接染料、顔料;カーボンブラック、アゾレー
キ顔料、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ
顔料、フタロシアニン顔料、ベリレン顔料、ベリノン顔
料、アトラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジ
ン顔料、チオインジコ顔料、イソインドリノン顔料、キ
ノフタロン顔料、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レー
キ、ニトロ顔料、アニリンブラック、蛍光顔料、酸化チ
タン、酸化鉄等)、溶媒(水等)、溶剤(エチルアルコ
ール、メチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec
−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イ
ソブチルアルコール、n−ペンタノール、ジエチレング
リコール等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル
類等)、乾燥防止剤(グリセリン、尿素、ソルビタン、
ソルビトール、イノシトール、キレート剤等)、粘度調
整剤(グリセリン等)、表面張力調整剤(ジエアノール
アミン、トリエタノールアミン、アニオン系界面活性
剤、ノニオン系界面活性剤)、pH調整剤(水酸化カリ
ウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、ジエ
アノールアミン等)、分散剤(蛋白質類、天然ゴム類、
セルロース誘導体、天然高分子、非イオン性高分子、陰
イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤等)、発泡剤
(イソプロピルアルコール、多価アルコール)、酸化防
止剤(ビタミンC、亜硫酸ナトリウム、ハイドロキノ
ン、ピラゾリドン、ヒドラジン等)、防腐剤(アルコー
ル、ホルマリン、オマシンナトリウム等)等がある。
【0027】本発明には導電性のインクを使用すること
が特に好ましい。導電性インクについてはUS4,53
6,776(特開昭59−129274号公報)に「染
料の水性混合物から成る選択的なインクジェット印刷機
のためのインクにおいて、この混合物が、1cm当り1
5ないし50オームの比抵抗をインクに与えるような量
の加水分解塩から成ることを特徴とするインク」が開示
されている。特開平5−179182号公報(DIC)
に「水と着色剤を含有するインクジェット記録用水性イ
ンク組成物において、アルカノールアミンまたはエチレ
ンオキシド付加物及びまたはプロピレンオキシド付加物
と、ハロゲン化水素からなる塩を含有することを特徴と
するインク」が開示されている。また特公平2−578
5号公報には無機塩類について具体的な記載がある。本
発明にて用いられる導電性付与剤としてはリチウム(L
i)等からなるアルカリ金属化合物塩、硫酸アンモニウ
ム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等の
無機塩類、及び有機塩類どちらでも良いが4級有機アン
モニウム塩の誘導体が好ましく使用できる。化合物の具
体的な例としては、モノエタノールアミン硫酸塩、ジエ
タノールアミン硫酸塩、トリエタノールアミン硫酸塩、
モノエタノールアミン硝酸塩、ジエタノールアミン硝酸
塩、トリエタノールアミン硝酸塩、モノエタノールアミ
ンリン酸塩、ジエタノールアミンリン酸塩、トリエタノ
ールアミンリン酸塩、ジメタノールアミン硫酸塩、トリ
メタノールアミン硫酸塩、ジエチルアミン硫酸塩、トリ
エチルアミン硫酸塩、ジメチルアミン硫酸塩、トリメチ
ルアミン硫酸塩、モノプロピルアミン硫酸塩、ジプロピ
ルアミン硫酸塩、トリプロピルアミン硫酸塩、フェニル
アミン硫酸塩、ジフェニルアミン硫酸塩、ジメチレンア
ミン硫酸塩、トリメチレンアミン硫酸塩、ジエチレンア
ミン硫酸塩、トリエチレンアミン硫酸塩、ジプロピレン
アミン硫酸塩、トリプロピレンアミン硫酸塩、ピリジン
硫酸塩、ピロール硫酸塩等を挙げることができる。
【0028】湿潤剤は、水より沸点の高いものであり、
ノズル先端の乾燥を防止するために用いられる。湿潤剤
としては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレ
ングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を
含むアルキレングリコール、例えばエチレングリコール
エチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテ
ル、ジエチレングリコールエチルエーテル等のジエチレ
ングリコールの低級アルキルエーテル、グリセリン等が
挙げられる。多価アルコールは0.1〜10重量%、好
ましくは0.5〜3.0重量%含有される。多価アルコ
ールが0.5重量%未満になるにつれ、インク乾燥によ
るノズル先端が目詰まり傾向となるのが認められ、多価
アルコールが3.0重量%を越えるにつれ、インク比抵
抗が上昇する傾向となるのが認められ、それぞれ好まし
くないことがわかった。
【0029】溶剤は、水、及び、水と混合しうる有機溶
剤が挙げられる。有機溶剤としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、等のアルキルアルコール、アセト
ン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトアルコー
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテ
ル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ンブリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコー
ル類、水溶性高分子化合物等が挙げられる。溶剤として
用いられている水は、30〜80重量%、好ましくは5
0〜70重量%含有される。水が50重量%未満になる
につれ、紙への浸透性が向上する傾向が認められ、水が
70重量%を越えるにつれ、紙への浸透性が低下する傾
向が認められ、それぞれ好ましくないことがわかった。
【0030】インクジェット用インクには、さらに、液
物性を調整するため、界面活性剤、pH調整剤、粘度調
整剤、等を添加する場合がある。
【0031】表面張力調整剤はインクジェット用インク
の速乾性を上げるために添加すると同時にインクジェッ
ト用インクの蒸発も防止し、調整剤としては、水溶性有
機溶媒、界面活性剤を用いるのが好ましい。水溶性有機
溶媒は、上記溶剤の中より選択されも良い。界面活性剤
は界面活性剤として具体的には、脂肪酸塩類、高級アル
コール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩
類、脂肪アルコールリン酸エステル塩類、二塩基性脂肪
酸エステルのスルホン塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩
類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合の
ナフタリンスルホン酸塩類、アルキルピリジウム塩、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニールエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル
類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類
を挙げることができる。
【0032】pH調整剤としては、調合されるインクジ
ェット用インクに悪影響を及ぼさずに、所望のpH値に
調整できるものであればよいが、具体的には、低級アル
カノールアミン、アルカリ金属水酸化物の1価の水酸化
物、水酸化アンモニウム等が挙げられる。
【0033】粘度調整剤は、インクジェット用インクの
粘度を調整するものであり、具体的には、ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチ
ルセルロース、水溶性アクリル樹脂、ポリビニルピロリ
ドン、アラビアゴムスターチ等が挙げられる。
【0034】更に、印刷用紙に付着する場合のインクの
被膜の強度を補強するために、アルキッド樹脂、アクリ
ル樹脂、アクリルアミド樹脂、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン等の樹脂重合体が添加されても良
い。また、カビ防止剤を添加するのが長期保存時の信頼
性確保の点で有利である。
【0035】(インク物性)本発明において用いられる
インクジェット用インクの比抵抗は25℃において、8
〜50Ω・cm、好ましくは15〜25Ω・cmであ
る。比抵抗が8Ω・cm未満になるにつれ、インクジェ
ット用インクの導電性付与剤の含有量が多くなるので染
料の溶解安定性が低下しノズルの目詰まり性が悪化する
傾向が認められ、比抵抗が50Ω・cmを越えるにつ
れ、導電性化合物の含有量が少なくなるので、電極に印
加する電圧の交流周波数を低くすると、基板上の化学反
応を防止することができなくなり、電極が溶解されたり
吐出安定性が悪化する傾向が認められ、それぞれ好まし
くないことがわかった。粘度は10cp以下、好ましく
は5cp以下である。粘度が5cpを越えるにつれ、イ
ンク滴のノズル孔からの吐出に不都合が生じる傾向にあ
るのが認められ、好ましくないことがわかった。表面張
力は28〜55dyne/cm、好ましくは30〜45
dyne/cmである。表面張力が30dyne/cm
未満になるにつれ、印字の細線にじみが悪化し、印字濃
度が低下する傾向があることが認められ、表面張力が、
45dyne/cmを越えるにつれ、色重ね印字の色に
じみ性が低下する傾向にあることが認められ、それぞれ
好ましくないことがわかった。pHは6〜10、好まし
くは7〜9である。pHが6未満になるにつれ、染料の
溶解安定性が低下する傾向にあるのが認められ、pHが
10を越えるにつれ、染料の退色が発生する傾向にある
のが認められ、それぞれ好ましくないことがわかった。
【0036】(目詰まり防止機構)インクジェット記録
装置におけるインクは、一般的に揮発性が高い水やアル
コールを成分として構成されているために、記録ヘッド
の吐出口(ノズル)内にインクがたまったまま該吐出口
が大気に曝されると該吐出口から水分等が蒸発してイン
クが乾燥し、インクの固着が発生して吐出不能になるこ
とがある。また、吐出可能な場合でも、上記水分等の蒸
発により増粘したインクが吐出口付近に付着することに
より、インクの吐出方向が乱され、印字品質が劣化する
ことがある。
【0037】その対策として、非印字時にホームポジシ
ョン等のある固定された位置に記録ヘッドを移動させ、
ゴム等の弾性部材により吐出口を大気と遮断するキャッ
ピング手段や、インク吐出素子を駆動させ所定のインク
受容体に記録に直接関わらないインクの吐出を行わせる
予備吐出、インク吐出口面と接触するゴム等の弾性部材
を設け、両者を相対移動させてインク吐出口近傍に付着
したインク、塵等の異物を拭きとるワイピング手段、イ
ンク供給系を加圧したり、あるいはインク吐出口から吸
引するなどの方法でインクに所定の圧力を作用させてイ
ンクを強制的に排出するパージ手段を設けることが望ま
しい。
【0038】(カートリッジ)本発明に使用されるイン
クカートリッジは、インクを吐出する記録ヘッドと、記
録ヘッドに供給するインクを貯留するインクタンクが一
体に構成された一体型でも、前記記録ヘッドと前記イン
クタンクが着脱自在に構成された分離型でも良い。イン
クタンクから記録ヘッドまでのインク流路間には、吐出
に悪影響を与えるインク内の異物や気泡をトラップする
ためにフィルターを設けることが望ましい。フィルター
は10ミクロン程度のろ過粒度を有するようにステンレ
ス等の金属を立体的に編んだものが信頼性面で有利であ
る。
【0039】印字品質を向上させるための条件として、
インク吐出口に静的な負圧をかけておくことの重要性が
かねてから知られている。負圧をかけることによってイ
ンク吐出口部分の液面が負メニスカスとなり、インクを
内部に引き込み、着弾精度の向上、余分液滴(エキスト
ラドット)の減少等を防ぐことができる。インク吐出口
の負圧を発生させるために、インクタンク内にポリウレ
タンフォームで構成されたスポンジを充填させたり、イ
ンクタンク内外にバネ部材を設ける等の負圧発生手段を
配設することが望ましい。
【0040】(装置)本発明が使用される記録装置は、
1個または複数の記録ヘッドをキャリッジに搭載し、被
記録材の前面を主走査方向に往復移動しながら記録ヘッ
ドよりインクを吐出し、被記録材は副走査方向に所定の
量だけ送られることで記録を行う所謂、シリアル型記録
装置でも、記録ヘッドが被記録材の主走査方向全幅にわ
たって設けられ、被記録材が副走査方向に所定の量だけ
送られることで記録を行う所謂、ライン型記録装置でも
どちらでも良い。
【0041】また、1個または複数の記録ヘッドをキャ
リッジに搭載し、被記録材の前面を主走査方向、および
副走査方向に移動しながら記録ヘッドよりインクを吐出
し、記録する所謂プロッタ型記録装置でも良い。
【0042】次に本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の一実施例の階調印字制御装置の構
成図である。図1において11は導電性のインクで満た
されたインク室、12はインクタンク、13はノズル、
14、15は電極、16は通電電流、17は電源であ
る。18はパルス電圧印加手段であり、トランジスタQ
1,Q2,Q3,Q4から構成されている。19はコン
トロールブロック、20は吐出制御回路、21は予備加
熱制御回路、22は交流パルス発生器、23はOR回
路、24、25はAND回路である。また26は電源制
御回路、27はインク温度を検知する温度センサ、28
は温度検知回路、29はインクを予備加熱するためのヒ
ータ、30はヒータ制御回路である。以上のように構成
された階調印字制御装置について詳細にその動作を説明
する。
【0043】今トランジスタQ1,Q2のベースに入力
されるパルス信号iがハイレベル、トランジスタQ3,
Q4のベースに入力されるパルス信号jがローレベルで
ある時、Q1はOFF、Q2はON、Q3はON、Q4
はOFF状態となり、電極15には電源17の電圧が印
加され、電極14はグランドレベルになるので通電電流
16が矢印の方向に流れる。同様にパルス信号iがロー
レベル、パルス信号jがハイレベルである時、Q1はO
N、Q2はOFF、Q3はOFF、Q4はON状態とな
り、電極14には電源17の電圧が印加され、電極15
はグランドレベルになるので通電電流16が矢印と逆の
方向に流れる。このように電極周辺の導電性のインクを
吐出させる時はパルス信号i及びjの論理を一定期間交
互に繰り返し、電極14と電極15の間に交流電流をな
がすことにより、電極周辺の導電性のインクを沸騰さ
せ、その沸騰気泡の圧力によってノズル13よりインク
を吐出させる。交流電流を流すことの最大のメリットは
電極の電気分解を防ぎ、電極の寿命を維持できることで
ある。
【0044】こういった熱を利用したインク吐出方式
は、環境温度や印字の履歴によりインクの温度が変化す
るため、インクの温度を一定にする必要がある。
【0045】第1の方法は、インクをヒータによって加
熱する方式である。図1においてインクを予備加熱する
ためのヒータ29をインクタンク12の中に設け、イン
ク温度を温度センサ27で検出し、温度検知回路28の
出力信号aをコントロールブロック19に入力し、適当
な補正を行い、ヒータ制御信号bをヒータ制御回路30
に出力し、ヒータ29にフィードバックしながらインク
温度一定制御をすることができる。しかしながらこの方
法では環境温度補正は可能だが、印字の履歴による補正
は吐出ノズルのごく近傍でのインク温度一定制御を行わ
ない限り精度のよい制御は難しい。従って階調印字を行
う時はこの方法では不十分である。
【0046】第2の方法はこの問題を改善する方法とし
て、本発明で実施される方式で、環境温度補正をヒータ
で行い、印字履歴補正を吐出用の電極に予備加熱信号を
加えることによって行うことにより、階調印字を精度よ
く実現できる方式である。
【0047】交流パルス信号発生器22の出力c及びd
は数100kHz〜数MHz、デューティが50%以下
の高周波で互いに180゜位相がずれている。これらの
信号c及びdはトランジスタQ1〜Q4をスイッチング
する基本パルスであり、OR回路23からのイネーブル
信号gによって有効になる。吐出制御回路20はインク
吐出時の制御を行う回路であり、その出力信号eはイン
ク吐出時においてOR回路23にハイレベルで入力され
イネーブル信号gをハイレベルにし、前記高周波信号i
及びjを有効にする。予備加熱制御回路21はインク非
吐出時のインク予備加熱の制御をする回路であり、その
出力信号fはインク非吐出時においてOR回路23にハ
イレベルで入力されイネーブル信号gをハイレベルに
し、前記高周波信号i及びjをイネーブルにする。
【0048】図2は本発明の一実施例のインク温度−イ
ンク比抵抗特性を示したグラフである。このグラフから
わかるように、インク温度が下がるとインク比抵抗が下
がる。つまりインクに電流が流れやすくなることがわか
る。
【0049】図3は本発明の一実施例の電極部インク温
度変化を示したグラフである。今、仮に、時間0でイン
ク温度が20゜C、インク温度70゜Cまでプリヒート
する。時間5Tで連続印字を開始すると、印字電力/ド
ット=P1、吐出通電時間=t1、予備加熱通電時間=
t2、吐出周期=Tの時、印字エネルギー/ドット=P
1*t1=E1=奪われるエネルギー/T期間、で設計
すれば、Aで示すように常にインク温度は70°Cに保
たれる。
【0050】しかし間欠印字であればグラフのように5
Tから9Tまで印字がなければ、Bで示すようにエネル
ギーを投入することがなくインク温度が徐々に降下し、
沸騰しにくくなると共にインクに電流が流れにくくな
り、10Tで印字ができなくなる。
【0051】本発明ではインク非吐出期間にダミー印字
を行い、インク保温エネルギー/ドット=P1*t2=
E2=奪われるエネルギー/T期間、のエネルギーをイ
ンクに与えることによりインクを常に一定の温度に保
ち、安定吐出が達成できる。尚、E1−E2=加熱され
たインクがヘッド外に吐出される分だけのエネルギー損
失の差となる為にt2はt1よりかなり短い時間にな
る。
【0052】本発明においてヘッドを多階調で印字する
場合の制御方法を説明する。図4は本発明の一実施例の
ドット径の階調制御を示すグラフである。図4(a)に
おいて横軸は加熱時間、縦軸は印加電力およびドット径
を決定する気泡体積である。ヘッドに0.4Wの電力を
与えると沸騰開始までの加熱時間は7μsとなりE1=
0.4×7=2.8μJのエネルギーが与えられる。そ
の時の気泡はB1のように成長し最大気泡体積は200
plとなる。
【0053】同様にヘッドに0.23Wの電力を与える
と沸騰開始までの加熱時間は22μsとなりE2=0.
23×22=5.06μJのエネルギーが与えられ、そ
の時の気泡はB2のように成長し最大気泡体積は400
plとなる。このように印加電力により沸騰開始までの
時間が決まり、それによりインクの加熱される体積が変
化し、加熱される体積が大きいほど最大成長気泡体積が
大きくなる。つまりゆっくり加熱すればより大きな気泡
を形成することができる。沸騰が始まれば気泡により電
極間の電流が遮断されるので電圧を直後に切るように制
御しても最大成長気泡体積に影響はない。また電力の与
え方は図4(b)のように電圧値を変化させて小さな気
泡や大きな気泡を発生させてもよいが、図4(c),図
4(d)のように電圧値は一定でデューティを変化させ
ても気泡体積を制御できる。なお図4(c)はデューテ
ィ95%で小さな気泡を発生させる場合、また図4
(d)はデューティ70%で大きな気泡を発生させる場
合である。このようにして気泡体積を変化させドット径
の階調制御ができる。
【0054】図5は本発明の一実施例の動作を説明する
タイミングチャートである。図5(a)は吐出パルスデ
ューティを可変することにより階調印字を行うタイミン
グチャートである。温度検知回路出力信号aは電圧信号
で、コントロールブロック19に入力され、比較電圧V
refをスレッショルドレベルとして比較され、ヒータ
をオン、オフするヒータ制御信号bに変換される。即
ち、インク温度があるレベル以下であればヒータをオン
に、インク温度があるレベル以上であればヒータをオフ
にする制御を行う。温度センサ27は環境温度を検知し
てもよいが、インク温度の方が好ましい。このヒータオ
ンオフ制御は印字を行わない待機期間中に行われ、環境
温度補正を主として行う。
【0055】印字期間においては、印字が連続して行わ
れる場合と間欠的に行う場合で電極付近の蓄熱の状態が
異なる、いわゆる熱履歴の影響が支配的である。吐出制
御回路出力信号eは、インク吐出期間において階調レベ
ルに応じて100%オン、70%オン、50%オン等、
交流パルスc及びdを有効にするパルス信号である。1
00%オンの時はt1期間インクを加熱し、最も小さい
ドット径を形成する。デューティ比が小さくなるにつれ
てドット径は大きくなる。
【0056】予備加熱制御回路出力信号fはインク非吐
出期間において、インクを吐出しない程度の予備加熱を
行う。t1に対しかなり短い期間t2の間交流パルスc
及びdを有効にするパルス信号である。OR回路出力で
あるイネーブル信号gはe、fの合成信号である。c及
びdは互いに位相が180度ずれた交流パルス信号で、
インク非吐出期間及びインク吐出期間においてインクを
加熱する。
【0057】図5(b)は電圧を可変することにより階
調印字を行うタイミングチャートである。インク吐出期
間において、吐出制御回路出力信号e及び電源制御回路
出力hが階調レベルに応じて最適に設定される。電源制
御回路出力信号hは例えばアナログ電圧信号で電源17
に対しV1,V2,V3のように可変電圧レベルで入力
され、増幅された電源電圧が電源17よりパルス電圧印
加手段18に入力される。インク非吐出期間においては
図5(a)と同様である。
【0058】図6は本発明の一実施例の吐出制御のタイ
ミングチャートである。簡単の為印字ヘッドは4ノズル
とする。各ノズル毎に4ビットの階調値を割り当てた階
調パラレルデータkがコントロールブロック19に入力
されると、コントロールブロック19はシリアルクロッ
クm1、階調シリアルデータm2を吐出制御回路20に
対して出力する。シリアルクロックm1はノズル1個分
を周期とするクロックである。階調シリアルデータm2
はこのシリアルクロックに同期しており16段階の階調
情報を含んでいる。最初のノズル1の区間では階調数1
4のデータでシリアルクロック1周期を4等分したタイ
ミングにおいて16進数の14にあたる1110のシリ
アル信号が割り当てられる。以下ノズル2においては1
6進数の12にあたる1100が、ノズル3においては
16進数の10にあたる1010が、ノズル4において
は16進数の8にあたる1000が割り当てられる。
【0059】吐出制御回路20はシリアルデータm2の
ノズル1〜4の階調数14、12、10、8に対応した
階調パラレルデータe1’、e2’、e3’、e4’に
変換される。これらの階調パラレルデータe1’〜e
4’は階調数に応じてハイレベルの長さTonが決定さ
れる。またe1’〜e2’のそれぞれのハイレベルから
ローレベルの切り替わりタイミングToffは同タイミ
ングにしている。Toffのタイミングは図4(a)に
見られるように気泡の成長開始タイミングに等しく、こ
のことは紙に吐出液滴が到達するタイミングを合わせる
ことを意味する。液滴サイズの設計値によっては階調数
により液滴スピードが変化するような場合もあるので、
階調数に合わせてToffのタイミングを個々に合わせ
ることもできる。階調パラレルデータe1’〜e4’は
図5(b)の電圧を可変する事で階調印字を行う場合は
そのまま吐出制御信号e1〜e4として出力される。デ
ューティを可変する事で階調印字を行う場合、e1’〜
e4’はTonの長さに応じて更にe1〜e4に変換さ
れ、かつそのデューティは65%、70%、75%、8
0%に設定される。こうすることによりそれぞれの階調
数に応じた吐出制御信号e1〜e4がパルス電圧印加手
段18を駆動する高周波信号i及びjを有効にし、階調
数に応じたドット径を得ることができる。
【0060】インク温度を一定にしながら階調印字を行
う第3の方法は、ヒータを使用せずに環境温度補正及び
印字履歴補正を行う方式である。この場合予備加熱制御
回路21の出力信号fの周期Tまたはオン期間t2をイ
ンク温度に従って可変することによって達成される。
【0061】図7は本発明の一実施例の予備加熱制御の
タイミングチャートである。コントロールブロック19
に温度検知回路28の出力信号aが入力されると、コン
トロールブロック19は温度補正データn1、n2、n
3を出力する。n1〜n2は例えば5〜15℃で00、
15〜25℃で01、25〜35℃で10、35〜45
℃で11の値を取る2ビットの温度補正データで、n3
はインク非吐出期間の時ハイレベルになる信号である。
n1〜n3が予備加熱制御回路21に入力されると、イ
ンク非吐出期間において、温度補正データに応じて5〜
15℃では周期T2、オン期間t3、15〜25℃では
周期T2、オン期間t3、t4交互(t3>t4)、2
5〜35℃では周期T2、オン期間t4、35〜45℃
では周期T3(T3>T2)、オン期間t4というよう
に変換され予備加熱制御回路21の出力信号fが出力さ
れる。つまりインクが低温の時は高いエネルギーで、イ
ンクが高温の時は低いエネルギーで予備加熱制御を行
う。このことにより吐出直前においては電極周辺のイン
クは常に一定のインク温度が保たれる。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、環境温度
が変化した場合や、印字周期が大きく変化した場合で
も、加熱手段の周辺の温度を一定に保つことができ、階
調印字のそれぞれの階調レベルに合った所望の大きさの
沸騰気泡を生成することができる。このことは所望の階
調印字レベルに合った印字ドット径を常に精度よく生成
できるということであり、階調印字装置としての印字品
質レベルを飛躍的に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の階調印字制御装置の構成図
【図2】本発明の一実施例のインク温度−インク比抵抗
特性を示したグラフ
【図3】本発明の一実施例の電極部インク温度変化を示
したグラフ
【図4】本発明の一実施例のドット径の階調制御を示す
グラフ
【図5】本発明の一実施例の動作を説明するタイミング
チャート
【図6】本発明の一実施例の吐出制御のタイミングチャ
ート
【図7】本発明の一実施例の予備加熱制御のタイミング
チャート
【図8】従来のインク吐出装置の断面図
【符号の説明】
11 インク室 12 インクタンク 13 ノズル 14、15 電極 18 パルス電圧印加手段 19 コントロールブロック 20 吐出制御回路 21 予備加熱制御回路 22 交流パルス発生器 26 電源制御回路 27 温度センサ 28 温度検知回路 29 ヒータ 30 ヒータ制御回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 幸治 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク室と、このインク室のインクを加熱
    沸騰させその圧力でインクを吐出させる加熱手段を備
    え、前記加熱手段にインクが吐出するための加熱パルス
    信号を与える第1の駆動手段と、インクが吐出しない程
    度の予備加熱パルス信号を与える第2の駆動手段と、環
    境温度を検知する温度検知手段と、前記第1の駆動手段
    と前記第2の駆動手段に制御信号を与えるコントロール
    手段とを設け、前記コントロール手段が前記温度検知手
    段の検知信号とインクの吐出量を可変する階調印字デー
    タを受け取り、前記加熱パルス信号の条件と前記予備加
    熱パルス信号の条件を設定し、前記第1の駆動手段と前
    記第2の駆動手段に制御信号を与えるようにしたことを
    特徴とする階調印字制御装置。
  2. 【請求項2】前記コントロール手段が、前記第1の駆動
    手段と前記第2の駆動手段に制御信号を与えるととも
    に、前記加熱手段への印加電圧を変化させる制御信号を
    与えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の階調
    印字制御装置。
  3. 【請求項3】前記コントロール手段が、前記第1の駆動
    手段と前記第2の駆動手段に制御信号を与えるととも
    に、前記吐出のための加熱手段とは別個のインクを予備
    加熱する手段を制御する制御信号を与えるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の階調印字制御装
    置。
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