JPH0957969A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH0957969A
JPH0957969A JP22180995A JP22180995A JPH0957969A JP H0957969 A JPH0957969 A JP H0957969A JP 22180995 A JP22180995 A JP 22180995A JP 22180995 A JP22180995 A JP 22180995A JP H0957969 A JPH0957969 A JP H0957969A
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JP
Japan
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ink
bubble
nozzle
pressure chamber
control signal
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Application number
JP22180995A
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English (en)
Inventor
幸典 ▲濱▼福
Yukinori Hamafuku
Hideaki Horio
英明 堀尾
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0957969A publication Critical patent/JPH0957969A/ja
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力室内でのバブルの体積を制御して、ノズ
ルから噴射されたインク滴の量を積極的に制御する。 【解決手段】 圧力室27の内部の上下面には、それぞれ
磁極33a,33bが信号電極25a,25bを挾むように設けられ
ている。信号電極25a,25bへの電圧印加時に誘導コイル
34に制御信号を送ることにより、磁極33a,33b間に磁界
36が発生する。この磁界36により、インクを介し電流経
路30に沿って流れる電流には、流れる方向と直角に磁気
力が作用して電流経路30が移動する。磁界36の強さに応
じて自己発熱するインクの範囲が広くなることにより、
発生するバブルの体積も大きくなる。従って、バブル制
御信号発生装置35から誘導コイル34に送る制御信号(電
流)を制御することにより、制御信号に応じてバブルの
体積が変化する。バブル体積の変化に応じてノズル22か
ら噴射されるインク滴の量も変化するため、制御信号に
より記録紙29に形成されるドットの大きさを任意に変化
させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノズルから噴射された
インクを、記録紙に付着させることにより印字を行うイ
ンクジェットプリンタにおけるインクジェットヘッドに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェットプリンタは、記録
時の静粛性が優れ、高速記録が可能であり、しかもカラ
ー化が容易であるといった利点から家庭用、オフィス用
コンピュータの出力用プリンタとして広く利用されるよ
うになってきた。このようなインクジェットプリンタ
は、インクジェットヘッドからインクを小滴化して飛翔
させ、このインクを記録紙に付着させて記録を行うもの
で、小滴の発生法や飛翔方向の制御法によってコンティ
ニアス方式とオンデマンド方式とに大別される。
【0003】コンティニアス方式は、例えば米国特許第
3060429号明細書に開示されている方式であって、イン
クの小滴化を静電吸引的に行い、発生した小滴を記録信
号に応じて電解制御し、記録紙上に小滴を選択的に付着
させて記録を行うものであり、インク小滴の発生に高電
圧を要し、マルチノズル化が困難であるので高速記録に
は不適である。
【0004】オンデマンド方式は、例えば米国特許第34
747120号明細書に開示されている方式で、小滴を吐出す
るノズル孔を有する記録ヘッドに付設されているピエゾ
振動素子に、電気的な記録信号を付加し、この電気記録
信号をピエゾ振動素子によって機械的振動に変え、機械
的振動の運動エネルギーによって前記ノズル孔より小滴
を吐出させて記録紙に付着させることで記録を行うた
め、コンティニアス方式のように吐出飛翔する小滴の中
から画像の記録に要さなかった小滴を回収することが不
要であるため、シンプルな構成が可能である。しかし、
記録ヘッドの加工の困難さや、ピエゾ振動素子の振動と
いう機械的な運動エネルギーで小滴の飛翔を行うので高
速記録に向かないこと等の欠点を有する。
【0005】また特公昭61−59911号公報、特公昭62−1
1035号公報、特公昭61−59914号公報には発熱抵抗体に
より沸騰を生起させて小滴を飛翔させる方式が記載され
ている。
【0006】オンデマンド方式の他の例として米国特許
第3179042号明細書に開示されている方式はピエゾ振動
素子等の手段による機械的振動エネルギーを利用する代
わりに熱エネルギーを利用することが記載されている。
この方式には、機械的振動エネルギーを利用する方式と
比較してエネルギー変換効率が高い、マルチノズル化が
容易であるといった特徴がある。
【0007】以下に、このバブルジェット方式のインク
ジェットヘッドについて説明する。
【0008】図7は従来のインクジェットヘッドにおけ
るインク噴射部の部分断面図である。図7において、1
は導電性のインク、2はインク1の噴射口であるノズ
ル、3はノズル2を有するノズルプレート、4はノズル
プレート3に対向する絶縁体である基板、5aおよび5b
は基板4のノズルプレート3との対向面にパターン形成
され、かつ、相互間に所定の間隔を持つバブル発生用の
信号電極、6はノズルプレート3と基板4とによって挾
持された絶縁部材、7はノズルプレート3、基板4およ
び絶縁部材6によって構成された圧力室、8は信号電極
5aおよび5bに電圧を印加する信号発生部、9は印字が
行われる用紙である記録紙である。
【0009】図8は、図7に示すA−A´切断線におけ
るインク噴射部の断面図である。図8において、12は圧
力室7にインク1を補給するためのインク流路である。
【0010】図7および図8に示すように、インク1の
充満した圧力室7内部において、基板4上に設けられた
一対の信号電極5aおよび5bに信号発生部8によって電
圧が加えられると、信号電極5aおよび5b間に電位差が
発生し、導電性のインク1を介して電流経路10に沿って
電流が流れる。流れた電流は電流集中部11に集中し、ジ
ュール損失により電流集中部11のインク1が自己発熱し
て温度が高まりついには沸騰が始まり、インク1の自己
発熱の総量に応じた体積のバブル(図示せず)が発生す
る。このバブルによって圧力室7内のインク1の圧力が
急激に高められ、この圧力を解放しようとする力によっ
て、ノズル2からインク1がインク滴として噴射され
る。噴射されたインク1は、ノズルプレート3との対向
位置に用意された記録紙9に付着してドットを形成す
る。沸騰が開始した時点で信号発生部8は信号電極5a
および5bへの電圧印加を停止する。噴射によって消費
されたインク1は、信号発生部8が次の信号電極5aお
よび5bへの電圧印加を行う前に、インク流路12から補
給が行われる。
【0011】以上の一連の動作を繰り返すことによっ
て、信号発生部8からの信号に応じたインク1がインク
滴として記録紙9に対して噴射され、記録紙9上に連続
的にドット形成が行われる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来の構成では、信号電極5aおよび5bへの電
圧印加によって発生するバブルの体積を制御する手段を
持たないため、バブルの発生によりノズル2から噴射さ
れるインク滴の量を積極的に制御することができず、記
録紙9上に形成されるドットの大きさを変化させること
ができないという問題を有していた。
【0013】本発明は、上記課題を解決するものであ
り、圧力室内でのバブルの体積を制御して、ノズルから
噴射されるインク滴の量を積極的に制御することが可能
なインクジェットヘッドを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明のインクジェットヘッドは、インクを充満した
圧力室にバブル発生用の一対の信号電極を有する構成に
おいて、前記一対の信号電極を挾むように一対の磁極を
配した構成とする。
【0015】
【作用】この構成により、一対の磁極間に発生する磁界
の強さを制御することにより、一対の信号電極間に流れ
る電流の経路を変化させ、バブルの体積を変化させるこ
とができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の第1実施例について図面を用
いて説明する。図1は本発明のインクジェットヘッドの
実施例におけるバブル噴射部の部分断面図、図2は、図
1に示すB−B´切断線におけるインク噴射部の断面図
である。図3は本施例のインクジェットヘッドにおける
磁極による効果の説明図である。図1または図2におい
て、21は導電性のインク、22はインク21の噴射口である
ノズル、23はノズル22を有するノズルプレート、24はノ
ズルプレート23に対向する絶縁体である基板、25aおよ
び25bは基板24のノズルプレート23との対向面上にパタ
ーン形成されたバブル発生用の信号電極、26はノズルプ
レート23と基板24とによって挾持された絶縁部材、27は
ノズルプレート23,基板24および絶縁部材26によって構
成された圧力室、28は信号電極25aおよび25bに電圧を印
加する信号発生部、29は印字が行われる用紙である記録
紙、32は圧力室27にインク21を補給するためのインク流
路、33aおよび33bは信号電極25aおよび25bを挾むように
圧力室27の上下面にそれぞれ配置された磁極、34は磁極
33aおよび33bの間に磁界を発生させる誘導コイル、35は
誘導コイル34に送る制御信号を発生するバブル制御信号
発生装置である。
【0017】上記構成のインクジェットヘッドにおい
て、まず、ノズル22からインク滴を噴射する動作につい
て説明する。図1および図2に示すように、インク21の
充満した圧力室27内部において、基板24に設けられた一
対の信号電極25aおよび25bに信号発生部28から電圧が印
加されると、ある抵抗率を有するインク21を介し、電流
経路30に沿って電流が流れ、I2×R(I:電流値、R:
インク21の抵抗値)で表される電流のジュール損失によ
って、電流経路30の電流集中部31におけるインク21が自
己発熱し、ついには沸騰が始まり、バブル(図示せず)が
発生する。発生したバブルが膨張することによって、圧
力室27のインク21の圧力が急激に高まり、この圧力を解
放しようとする力によってインク21はノズル22からイン
ク滴となって噴射され、記録紙29に付着してドットを形
成する。
【0018】記録紙29に付着するドット径を100〜150μ
mにするためには30〜100pl(pl:1×10~12リットル)
のインク滴を8〜16m/sで噴射する必要がある。そのた
めには、ノズル22の口径は20〜60μm、ノズル22の長さ
は30〜60μs、ノズル22のテーパーは0°から30°、圧
力室27の容積は100〜250pl、圧力室27内で発生するバ
ブルの体積は80〜200plが適当である。
【0019】信号電極25aおよび25b間に電圧を印加して
いるときに誘導コイル34に制御信号を送ると、磁極33a
および33b間に磁界36が発生する。図3に示すように、
この磁界36により、インク21を介し電流経路30に沿って
流れる電流には流れる方向と直角にF=IB(I:電流
値、B:磁界36の磁束密度)で表される磁気力Fが働く
ため、この磁気力Fの作用によって電流経路30が移動す
る。信号電極25aおよび25b間に印加する電圧を交流(本
実施例では0.1〜5MHz)とすると、信号電極25aおよび
25b間の電圧の正負が変わる度に電流経路30の移動方向
が逆転して、磁界36の強さに応じて自己発熱するインク
21の範囲が広くなることにより、発生するバブルの体積
も大きくなる。従って、バブル制御信号発生装置35から
誘導コイル34に送る制御信号(電流)を制御することによ
り、制御信号に応じてバブルの体積が変化する。バブル
体積の変化に応じてノズル22から噴射されるインク滴の
量も変化するため、制御信号により記録紙29に形成され
るドットの大きさを任意に変化させることができる。
【0020】信号発生部28は、インク21の沸騰が開始し
た時点で信号電極25aおよび25bへの電圧印加を停止す
る。ノズル22からのインク21の噴射によって消費された
インク21は、信号発生部28が次の電圧の印加を開始する
前にインク流路32から圧力室27に補給される。
【0021】本実施例のインク21は水溶性,油溶性どち
らでもよいが、臭い、安全性を考慮した場合には水溶性
のものが好ましい。インクには、染料,湿潤材としての
アルコール類,グリコール類等の水可溶性有機溶媒、界
面活性剤、あるいはこれらの混合物を添加することによ
り、にじみ,乾燥速度,沸騰状態の調節,電極寿命,ノ
ズル目詰まり等にとって好ましい影響を与える。
【0022】さらに、防腐剤も添加され、具体的には、 ・トリケップス社「インクジェット記録技術」、p177 ・太田徳也、日経エレクトロニクス、No.303,1982.11.
8号 ・太田徳也、電子写真学会誌、vol.24,354(1985) ・大渡章夫、「第4回ノンインパクトプリティング技術
シンポジウム論文集」、電子写真学会、93(1987) ・平沢伸一、「第4回ノンインパクトプリティング技術
シンポジウム論文集」、89(1987) ・沢木健二、繊維と工業、vol.47,212(1991) ・特開昭63−1579号公報 等に記載のある素材を防腐剤として使用することができ
る。
【0023】次に本実施例に使用できるインクの構成の
具体例を述べる。本実施例のインクは、 ・色材(染料;アゾ染料,酸性染料,塩基性染料,直接
染料、顔料;カーボンブラック,アゾレーキ顔料,不溶
性アゾ顔料,縮合アゾ顔料,キレートアゾ顔料,フタロ
シアニン顔料,ベリレン顔料,ベリノン顔料,アトラキ
ノン顔料,キナクリドン顔料,ジオキサジン顔料,チオ
インジコ顔料,イソインドリノン顔料,キノフタロン顔
料,塩基性染料型レーキ,酸性染料型レーキ,ニトロ顔
料,アニリンブラック,螢光顔料,酸化チタン,酸化鉄
等) ・溶媒(水等) ・溶剤(エチルアルコール,メチルアルコール,n−プ
ロピルアルコール,イソプロピルアルコール,n−ブチ
ルアルコール,sec−ブチルアルコール,tert−
ブチルアルコール,イソブチルアルコール,n−ペンタ
ノール,ジエチレングリコール等の多価アルコールの低
級ジアルキルエーテル類等) ・乾燥防止剤(グリセリン,尿素,ソルビタン,ソルビ
トール,イノシトール,キレート剤等) ・粘度調整剤(グリセリン等) ・表面張力調整剤(ジエアノールアミン,トリエタノー
ルアミン,アニオン系界面活性剤,ノニオン系界面活性
剤) ・pH調整剤(水酸化カリウム(KOH),水酸化ナトリ
ウム(NaOH),ジエアノールアミン等) ・分散剤(蛋白質類,天然ゴム類,セルロース誘導体,
天然高分子,非イオン性高分子,陰イオン界面活性剤,
非イオン界面活性剤等) ・発泡剤(イソプロピルアルコール,多価アルコール) ・酸化防止剤(ビタミンC,亜硫酸ナトリウム,ハイド
ロキノン,ピラゾリドン,ヒドラジン等) ・防腐剤(アルコール,ホルマリン,オマシンナトリウ
ム等)等によって構成される。
【0024】また、インク21には導電性が必要である。
このような導電性インクについては、、例えば米国特許
第4536776号明細書(特開昭59−129274号公報)に「染料
の水性混合物からなる選択的なインクジェット印刷機の
ためのインクにおいて、この混合物が1cmあたり15ない
し50Ωの比抵抗をインクに与えるような量の加水分解塩
からなることを特徴とするインク」が開示され、特開平
5−179182号公報(DIC)に「水と着色剤を含有するイ
ンクジェット記録用水性インク組成物において、アルカ
ノールアミンまたはエチレンオキシド付加物およびまた
はプロピレンオキシド付加物と、ハロゲン化水素からな
る塩を含有することを特徴とするインク」が開示され、
特公平2−5785号公報には無機塩類について具体的な記
載がある。
【0025】本実施例にインク21に用いられる導電性付
与剤としては、リチウム(Li)等からなるアルカリ金属
化合物塩、また硫酸アンモニウム,塩化リチウム,塩化
ナトリウム,塩化カリウム等の無機塩類又は有機塩類の
いずれかでもよいが、4級有機アンモニウム塩の誘導体
が好ましく使用できる。化合物塩の具体的な例として
は、モノエタノールアミン硫酸塩,ジエタノールアミン
硫酸塩,トリエタノールアミン硫酸塩,モノエタノール
アミン硝酸塩,ジエタノールアミン硝酸塩,トリエタノ
ールアミン硝酸塩,モノエタノールアミンリン酸塩,ジ
エタノールアミンリン酸塩,トリエタノールアミンリン
酸塩,ジメタノールアミン硫酸塩,トリメタノールアミ
ン硫酸塩,ジエチルアミン硫酸塩,トリエチルアミン硫
酸塩,ジメチルアミン硫酸塩,トリメチルアミン硫酸
塩,モノプロピルアミン硫酸塩,ジプロピルアミン硫酸
塩,トリプロピルアミン硫酸塩,フェニルアミン硫酸
塩,ジフェニルアミン硫酸塩,ジメチレンアミン硫酸
塩,トリメチレンアミン硫酸塩,ジエチレンアミン硫酸
塩,トリエチレンアミン硫酸塩,ジプロピレンアミン硫
酸塩,トリプロピレンアミン硫酸塩,ピリジン硫酸塩,
ピロール硫酸塩等を挙げることができる。
【0026】湿潤剤は、水より沸点の高い物質であって
ノズル先端の乾燥を防止するために用いられる。湿潤剤
としては、具体的には、ポリエチレングリコール,ポリ
プロピレングリコール,ブチレングリコール,ヘキシレ
ングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を
含むアルキレングリコール、例えばエチレングリコール
エチルエーテル,ジエチレングリコールメチルエーテ
ル,ジエチレングリコールエチルエーテル等のジエチレ
ングリコールの低級アルキルエーテル、グリセリン等が
挙げられる。
【0027】また、インク21には、多価アルコールが0.
1〜10重量%、好ましくは0.5〜3.0重量%含有される。
多価アルコールが0.5重量%より減少するとともに、イ
ンク乾燥によるノズル先端が目詰まり傾向となるのが認
められ、逆に、多価アルコールが3.0重量%より増加す
るとともに、インク比抵抗が上昇する傾向となるのが認
められ、それぞれ好ましくないことが明らかになった。
【0028】溶剤は、水および水と混合しうる有機溶剤
が挙げられる。有機溶剤としては、メチルアルコール,
エチルアルコール,n−プロピルアルコール,イソプロ
ピルアルコール等のアルキルアルコール、アセトン,ジ
アセトンアルコール等のケトン又はケトアルコール、ジ
メチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド等のアミド
類、テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類、
エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリ
コールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類、
水溶性高分子化合物等が挙げられる。インク21には、溶
剤として用いられている水が30〜80重量%、好ましくは
50〜70重量%含有される。水が50重量%より減少すると
ともに、紙への浸透性が向上する傾向が認められ、水が
70重量%より増加するとともに、紙への浸透性が低下す
る傾向が認められ、それぞれ好ましくないことが明らか
になった。
【0029】インクジェット用インクには、更に液物性
を調整するため、界面活性剤、pH調整剤、粘度超製材
等を添加する場合がある。
【0030】表面張力調整剤は、インクジェット用イン
クの速乾性を上げるために添加すると同時にインクの蒸
発も防止し、このような表面張力調整剤としては、水溶
性有機溶媒、界面活性剤を用いるのが好ましい。水溶性
有機溶媒は、上記溶剤中より選択することが可能であ
る。
【0031】界面活性剤は、具体的には、脂肪酸塩類,
高級アルコール硫酸エステル塩類,液体脂肪油硫酸エス
テル塩類,脂肪アルコールリン酸エステル塩類,二塩基
性脂肪酸エステルのスルホン塩類、脂肪酸アミドスルホ
ン酸塩類,アルキルアリルスルホン酸塩類,ホルマリン
縮合のナフタリンスルホン酸塩類,アルキルピリジウム
塩,ポリオキシエチレンアルキルエーテル類,ポリオキ
シエチレンアルキルフェニールエーテル類,ポリオキシ
エチレンアルキルエステル類,ソルビタンアルキルエス
テル類,ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステ
ル類を挙げることができる。
【0032】pH調整剤は、調合されるインクジェット
用インクに悪影響を及ぼさずに、所望のpH値に調整で
きるものであれば良いが、具体的には、低級アルカノー
ルアミン,アルカリ金属水酸化物の1価の水酸化物、水
酸化アンモニウム等が挙げられる。
【0033】粘度調整剤は、インクジェット用インクの
粘度を調整するものであり、具体的には、ポリビニルア
ルコール,ヒドロキシプロピルセルロース,カルボキシ
メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース,メチ
ルセルロース,水溶性アクリル樹脂,ポリビニルピロリ
ドン,アラビアゴムスターチ等が挙げられる。
【0034】さらに、印刷用の記録紙に付着した状態で
のインク被膜の強度を補強するために、アルキッド樹
脂,アクリル樹脂,アクリルアミド樹脂,ポリビニルア
ルコール,ポリビニルピロリドン等の樹脂重合体を添加
しても良い。また、カビ防止剤を添加するのことは長期
保存時の信頼性確保の点で有利である。
【0035】本実施例において用いられるインクジェッ
ト用インク21の比抵抗は25℃において8〜50Ω・cmであ
ればよく、15〜25Ω・cmであることが好ましい。比抵抗
が8Ω・cmより減少するとともに、インク21の導電性付
与剤の含有量が多くなるので染料の溶解安定性が低下し
ノズルの目詰まり性が悪化する傾向が認められ、比抵抗
が50Ω・cmより増加するとともに、導電性化合物の含有
量が少なくなるので、信号電極25aおよび25bに印加する
電圧の交流周波数を低くすると、基板24上の化学反応を
防止することができなくなり、信号電極25aおよび25bが
溶解されたり吐出安定性が悪化する傾向が認められ、そ
れぞれ好ましくないことが明らかになった。また、イン
ク21の粘度は10cp以下であればよく、5cp以下であるこ
とが好ましい。粘度が5cpより増加するとともに、イン
ク滴のノズル22からの吐出に不都合が生じる傾向にある
のが認められ、好ましくないことが明らかになった。イ
ンク21の表面張力は28〜55dyn/cmであればよく、30〜5
0dyn/cmであることが好ましい。表面張力が30dyn/cm
より減少するとともに、印字の細線にじみが悪化し、印
字濃度が低下する傾向があることが認められ、表面張力
が45dyn/cmより増加するとともに、色重ね印字の色に
じみ性が低下する傾向にあることが認められ、それぞれ
好ましくないことが明らかになった。インキ21のpHは
6から10であればよく、pH7〜9であることが好まし
い。pHが6より小さくなるとともに、染料の溶解安定
性が低下する傾向にあるのが認められ、pHが10より大
きくなるとともに、染料の退色が発生する傾向にあるの
が認められ、それぞれ好ましくないことが明らかになっ
た。
【0036】基板24の材料としては、ガラス,セラミッ
ク等の絶縁材料,半導体、表面を高抵抗材料で被覆した
金属,金属合金,絶縁物および半導体が使用できる。基
板24の材料となるガラスとしては、カリ石灰ガラス,ソ
ーダ石灰ガラス硼珪酸ガラス,クラウンガラス,亜鉛ク
ラウンガラス,ソーダカリガラス,バリウム硼珪酸ガラ
ス,96%珪酸ガラス,99.5%珪酸ガラス,燐酸ガラス,
低融点ガラス,リチウム珪酸ガラス,亜鉛アルミ珪酸ガ
ラス,珪酸ジルコニウムガラス等が使用できる。基板24
の材料となるセラミックとしては、酸化アルミニウム
(アルミナ),酸化チタン(チタニア),MgO・SiO2(ス
テアタイト),2MgO・SiO2(ホルステライト),Be
O(ベリリア),MgO・Al23(スピネル)等が使用でき
る。基板24の材料となる半導体としては、シリコン,
炭化シリコン,ダイアモンド,ゲルマニウム等が使用で
きる。
【0037】本実施例の信号電極25aおよび25bの材
料としては、Ti族金属(Ti,Zr,Hf)、白金族金
属(Pt,Ru,Rh,Pd,Os,Ir)、高融点金属
(W,Ta,Mo)、その他V,Cr,Fe,Co,N
i,Nb,Au,Ag,Al等の単金属またはこれらの
合金(Ni−Fe,Ni−Cr,Ti−Cr系合金等)が
使用できる。また、これらの酸化物(酸化チタン,酸化
ハフニウム,酸化錫,酸化インジウム等)、窒化物(窒化
チタン,窒化クロム等)、炭化物(炭化チタン,炭化タン
グステン等)、硼化物も信号電極25aおよび25bの材料と
して使用できる。
【0038】本実施例のノズルプレート23および絶縁部
材26の材料としては、ポリイミド,アクリル,ポリエチ
レンテレフタレートシート等のポリマー,ガラス,セラ
ミック等の絶縁材料、半導体、または表面を高抵抗材料
で被覆した金属,金属合金,絶縁物および半導体が使用
できる。
【0039】図4は本実施例のインクジェットヘッドの
一部を破断した斜視図、図5は本実施例のインクジェッ
トヘッドが取り付けられるインクカートリッジの一部を
破断した斜視図である。図4および図5において、37は
インク流路32を通じて圧力室27にインク21を供給する共
通インク室、38は複数のインク噴射部を有するインクジ
ェットヘッド、39はインクジェットヘッド38が取り付け
られるインクカートリッジ、40はインクカートリッジ39
内部に設けられたインクタンク、41はインク21に含まれ
る塵埃等の異物を除去するためのインクフィルタ、42は
インク21をインクタンク40から共通インク室37に導くイ
ンク導入溝である。
【0040】図4および図5に示すようにインクジェッ
トヘッド38は、図1ないし図3において説明したインク
の噴射部であるノズル22を複数有し、インクカートリッ
ジ39に取り付けられる。このインクカートリッジ39内部
に設けられたインクタンク40にはインク21が貯蔵されて
おり、インクタンク40に貯蔵されているインク21は、イ
ンクフィルタ41を通過することにより異物が除去された
後、インク導入溝42を通してインクジェットヘッド38内
部の共通インク室37に流入する。
【0041】インクフィルタ41としては、10μm程度の
濾過粒度を有するようにステンレス等の金属を立体的に
編んだものが信頼性面で有利である。
【0042】インクジェットヘッド38による印字品質を
向上させるための条件として、ノズル22に静的な負圧を
かけておくことの重要性がかねてから知られている。こ
れは負圧をかけてノズル22部分の液面を負メニスカスと
し、インク21を内部に引き込むことにより、着弾精度を
向上させ、かつ余分液滴(エキストラドット)の減少を防
ぐことができる。ノズル22の負圧を発生させるために
は、インクタンク40内にポリウレタンフォームで構成さ
れたスポンジを充填したり、インクタンク40内外にバネ
部材等からなる負圧発生手段を配設することが好まし
い。
【0043】図6は本実施例のインクジェットヘッドを
用いたインクジェットプリンタの一部を破断した斜視図
であり、図6において、43はインクカートリッジ39が固
定されるキャリッジ、44はキャリッジ43を案内するガイ
ドシャフト、45は記録紙29を搬送するプラテンローラで
ある。
【0044】図6に示すように、キャリッジ43に固定さ
れたインクカートリッジ39は、コンピュータ機器等の端
末機器から送られてくる信号に応じてガイドシャッフト
44に沿ってシリアルに往復運動を行う。このとき、イン
クジェットヘッド38(図5参照)は、記録紙29に対向する
インクカートリッジ39の下面に配置されており、プラテ
ンローラ45によって搬送される記録紙29に印字を行う。
【0045】以上のように本実施例によれば、磁極33a
および33bによって磁界36を発生させることにより、圧
力室27内でのバブルの体積を制御して、ノズル22から噴
射されるインク滴の量を変化させることにより、記録紙
29に形成されるドットの大きさを任意に変化させること
ができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の特許請求
の範囲に記載されたインクジェットヘッドによれば、磁
極が発生する磁界の強弱によって圧力室内で生成される
バブルの体積を制御して、ノズルから噴射されるインク
滴の量を変化させることにより、インク滴によって記録
紙に形成されるドットの大きさを任意に変化させること
ができるので、インクジェットプリンタにおいてドット
の大きさの変化による階調制御を行うことが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドの実施例におけ
るインク噴射部の部分断面図である。
【図2】図1に示すB−B´切断線におけるインク噴射
部の断面図である。
【図3】本実施例のインクジェットヘッドにおける磁極
による効果の説明図である。
【図4】本実施例のインクジェットヘッドの一部を破断
した斜視図である。
【図5】本実施例のインクジェットヘッドが取り付けら
れるインクカートリッジの一部を破断した斜視図であ
る。
【図6】本実施例のインクジェットヘッドを用いたイン
クジェットプリンタの一部を破断した斜視図である。
【図7】従来のインクジェットヘッドにおけるインク噴
射部の部分断面図である。
【図8】図8は、図7に示すA−A´切断線におけるイ
ンク噴射部の断面図である。
【符号の説明】
21…インク、 22…ノズル、 23…ノズルプレート、
24…基板、 25a,25b…信号電極、 26…絶縁部材、
27…圧力室、 28…信号発生部、 29…記録紙、30…電
流経路、 31…電流集中部、 32…インク流路、 33
a,33b…磁極、34…誘導コイル、 35…バブル制御信号
発生装置、 36…磁界、 37…共通インク室、 38…イ
ンクジェットヘッド、 39…インクカートリッジ、 40
…インクタンク、 41…インクフィルタ、 42…インク
導入溝、 43…キャリッジ、 44…ガイドシャフト、
45…プラテンローラ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バブルを発生することによってインクを
    記録紙に噴射するインクジェットヘッドであって、導電
    性のインクが満たされる圧力室と、この圧力室から外部
    に連通してインクの噴射口となるノズルと、前記圧力室
    内部に設けられたバブル発生用の一対の信号電極と、前
    記圧力室内部で前記一対の信号電極を挾んで、一対の信
    号電極間の電流経路に磁界を印加する一対の磁極とを備
    えたことを特徴とするインクジェットヘッド。
JP22180995A 1995-08-30 1995-08-30 インクジェットヘッド Pending JPH0957969A (ja)

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