JP4595416B2 - 半導体ウェハ、半導体装置及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体ウェハ、半導体装置及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体ウェハに形成された複数のチップを切断分離することで製造される半導体装置の製造工程において実施されるテストに関し、製造者側のみに許可されたテストモードをユーザ側で実行できないように制御する半導体ウェハ、半導体装置及び半導体装置の製造方法に関する。
一般に、半導体装置は、所望の回路が形成されたシリコンウェハといった半導体ウェハを、スクライブラインに沿って複数のチップにダイシングし、さらにワイヤーボンディング、パッケージングといった製造プロセスを経て製品化される。半導体装置は、このような製造プロセスの様々な段階、例えば、ウェハ状態や、ダイシングされパッケージングされた製品チップ状態などで、機能が正常に動作するかどうかといったテストが実施されることになる。
製品チップ状態でのテストはもちろんであるが、ウェハ状態での各チップに対するテストは、ダイシングやコストのかかるパッケージングを行う前に不良品を選り分け、不良品を組み立ててしまう無駄な時間を回避し、製造コストを削減するために非常に重要な工程となっている。このように、通常、半導体装置を製造する製造工程においては、ユーザに当該半導体装置を出荷する前に複数回のテストが実施されることになる。
ところで、電子商取引やユーザ認証処理などを実行する際に用いられるセキュリティ関連製品に搭載される半導体装置は、例えば、内部のメモリに格納されたセキュリティデータを容易に外部から読み出されないよう秘匿性を高め、外部からのアクセスに応じて簡単に動作することがないよう動作制限などをする必要がある。このようなセキュリティ関連製品に用いられる半導体装置も、上述したような、ウェハ状態、製品チップ状態でのテストプロセスは必須となっている。特に、セキュリティの核となる回路素子は、このように秘匿情報を有する半導体装置にとって最も重要であるため、念入りなテストを実行する必要がある。
具体的には、このような半導体装置には、ウェハ状態、製品チップ状態のいずれにおいても、テストモード、ノーマルモードという2種類の動作モードが用意されている。テストモードとは、上述したような、セキュリティの核となる回路素子含む、あらゆる回路素子に対してアクセスできるテスト段階において用意された特別な動作モードである。これに対し、ノーマルモードとは、製品化された状態において、半導体装置が通常の機能を実行する際の動作モードであり、外部からのアクセスが制限されているモードである。秘匿情報を有する半導体装置の製造工程において、テストモード、ノーマルモードに切り換えながら、それぞれのモードで所望のテストを実行することで、最終的に形成された半導体装置の信頼性を高めることができる。
しかしながら、単純にテストモードと、ノーマルモードとを用意し、テスト内容に応じて、適宜モード切り替えが行えるように構成した場合、工場出荷後、つまりユーザに半導体装置が配布された段階でも容易にテストモードへ切り換えることができるため、秘匿情報の漏洩といった当該半導体装置の根幹を揺るがすような問題となってしまう。
このような問題を解決するために、ウェハ状態において、スクライブライン上にテストモード用のパッドを用意するといった手法が考案、開示されている(特許文献1参照。)。この特許文献1によれば、ウェハ状態では、テストモード用パッドを通して、テストモード、ノーマルモードの制御が可能であるため、テストモードでのみ実行可能なテスト、例えばセキュリティ上重要なデータを格納するROM(Read Only Memory)のテストを実行することができる。
一方、製品チップにするときには、スクライブラインに沿ったダイシング(スクライブラインカット)に伴い、このテストモード用パッドが破壊される。さらに、テストモード用パッドが破壊されると、集積回路がノーマルモードに固定されるため、テストモードとすることはできず、上述したようなテストモード時にのみ実行可能な、セキュリティデータが格納されたROMに対するテストなどを実行することができなくなる。したがって、製品チップ状態では、テストモードに入ることは不可能であり、セキュリティデータといった重要なデータの漏洩を防止することができる。
特開平10−256324号公報
上述したように、特許文献1で開示された手法では、製品チップ状態では、絶対にテストモードに入ることができず、ウェハ状態でしかテストモードに入ることが出来ないことになる。したがって、当該半導体装置の心臓部であるセキュリティの核となる、上述したROMなどに対しても製品チップ状態においてテストすることは非常に重要であるが、特許文献1で開示された手法では、これが全くできなくなってしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、上述したような問題を解決するために案出されたものであり、半導体装置を製造する製造プロセスにおける、ウェハ状態、製品チップ状態といった各状態において、テストモード、ノーマルモードを容易に切り換えられ、それぞれのモードにおける所望のテストを実行すると共に、工場出荷時には、テストモード、ノーマルモードへの切り換えを制限して、ノーマルモードに固定させる半導体ウェハ、半導体装置及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る半導体ウェハは、複数のチップが形成された半導体ウェハにおいて、上記各チップは、ハイレベル信号又はローレベル信号を記憶するメモリと、イネーブル端子にイネーブル信号が供給されたことに応じて、上記メモリに上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を書き込み、上記チップの電源投入時において、上記イネーブル端子に対する上記イネーブル信号の供給又はディゼーブル信号の供給に関わらず上記メモリに記憶された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を読み出すメモリ制御手段と、ハイレベル信号又はローレベル信号を入力する信号入力手段と、第1の入力端子から入力された信号と、第2の入力端子から入力された信号との論理和を算出し出力端子から出力する論理和回路と、上記論理和回路の上記出力端子から出力された上記論理和に応じて、上記チップの動作モードを、上記チップを形成する全ての回路素子に対してアクセスを許可するテストモード、又は上記チップを形成する一部の回路素子に対してアクセスを許可するノーマルモードのいずれかに切り換える制御手段とを備える。
そして、上記論理和回路の上記第1の入力端子は、当該半導体ウェハを切断して上記複数のチップに分離する際の切断分離ライン上を経由して配線された第1の信号線を介して、上記信号入力手段と接続されることで、上記信号入力手段から上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号が供給され、上記論理和回路の上記第2の入力端子は、第2の信号線を介して、上記メモリ制御手段と接続されることで、上記チップの電源投入時において、上記メモリから読み出された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号が供給され、上記論理和回路の上記出力端子は、第3の信号線を介して、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に接続されることで、算出された上記論理和がハイレベル信号であった場合には、上記イネーブル信号として上記イネーブル端子に供給し、算出された上記論理和がローレベル信号であった場合には、上記ディゼーブル信号として上記イネーブル端子に供給することを特徴とする。
また、上述の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、半導体ウェハに形成された複数のチップを切断分離して製造された半導体装置であって、ハイレベル信号又はローレベル信号を記憶するメモリと、イネーブル端子にイネーブル信号が供給されたことに応じて、上記メモリに上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を書き込み、上記チップの電源投入時において、上記イネーブル端子に対する上記イネーブル信号の供給又はディゼーブル信号の供給に関わらず上記メモリに記憶された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を読み出すメモリ制御手段と、第1の入力端子から入力された信号と、第2の入力端子から入力された信号との論理和を算出し出力端子から出力する論理和回路と、上記論理和回路の上記出力端子から出力された上記論理和に応じて、当該半導体装置の動作モードを、当該半導体装置を形成する全ての回路素子に対してアクセスを許可するテストモード、又は上記半導体装置を形成する一部の回路素子に対してアクセスを許可するノーマルモードのいずれかに切り換える制御手段とを備える。
そして、上記論理和回路の上記第1の入力端子は、電位がプルダウンされた第1の信号線と接続されることで、ローレベル信号が供給され、上記論理和回路の上記第2の入力端子は、第2の信号線を介して、上記メモリ制御手段と接続されることで、当該半導体装置の電源投入時において、上記メモリから読み出された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号が供給され、上記論理和回路の上記出力端子は、第3の信号線を介して、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に接続されることで、算出された上記論理和がハイレベル信号であった場合には、上記イネーブル信号として上記イネーブル端子に供給し、算出された上記論理和がローレベル信号であった場合には、上記ディゼーブル信号として上記イネーブル端子に供給し、上記メモリには、あらかじめ上記メモリ制御手段によって、ハイレベル信号が書き込まれていることを特徴とする。
また、上述の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体ウェハに形成された複数のチップを切断分離して製造する半導体装置の製造方法であって、ハイレベル信号又はローレベル信号を記憶するメモリと、イネーブル端子にイネーブル信号が供給されたことに応じて、上記メモリに上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を書き込み、上記チップの電源投入時において、上記イネーブル端子に対する上記イネーブル信号の供給又はディゼーブル信号の供給に関わらず上記メモリに記憶された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を読み出すメモリ制御手段と、ハイレベル信号又はローレベル信号を入力する信号入力手段と、第1の入力端子から入力された信号と、第2の入力端子から入力された信号との論理和を算出し出力端子から出力する論理和回路と、上記論理和回路の上記出力端子から出力された上記論理和に応じて、上記チップの動作モードを、上記チップを形成する全ての回路素子に対してアクセスを許可するテストモード、又は上記チップを形成する一部の回路素子に対してアクセスを許可するノーマルモードのいずれかに切り換える制御手段と、上記論理和回路の上記第1の入力端子と、上記信号入力手段とを接続する、上記半導体ウェハを切断して上記複数のチップに分離する際の切断分離ライン上を経由して配線された第1の信号線と、上記論理和回路の上記第2の入力端子と、上記メモリ制御手段とを接続する第2の信号線と、上記論理和回路の上記出力端子と、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子とを接続する第3の信号線とを有する上記チップを複数備えた上記半導体ウェハを形成する工程と、上記信号入力手段に上記ハイレベル信号を入力して、上記チップに電源投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和をイネーブル信号として、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に供給し、上記イネーブル信号が供給された上記メモリ制御手段によって、上記メモリにローレベル信号を書き込む工程と、上記信号入力手段に上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を入力し、上記チップに電源を投入することで、上記論理和回路から算出される上記論理和に応じて、上記チップの動作モードを上記テストモード又は上記ノーマルモードに切り換え、それぞれのモードにおける所望のテストを行う工程と、上記信号入力手段に上記ハイレベル信号を入力して、上記チップに電源を投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和をイネーブル信号として、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に供給し、上記イネーブル信号が供給された上記メモリ制御手段によって、上記メモリにハイレベル信号を書き込む工程と、上記半導体ウェハを上記切断分離ラインに沿って上記複数のチップに切断分離し、上記第1の信号線の電位を常にプルダウンさせる工程と、切断分離された各チップから当該半導体装置を形成する工程と、当該半導体装置に電源を投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和に応じて、当該半導体装置の動作モードを上記テストモードに切り替え、上記テストモードにおける所望のテストを行う工程と、当該半導体装置に電源を投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和をイネーブル信号として、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に供給し、上記イネーブル信号が供給された上記メモリ制御手段によって、上記メモリにローレベル信号を書き込む工程と、当該半導体装置に電源を投入することで、上記論理和回路からローレベル信号として算出される上記論理和に応じて、当該半導体装置の動作モードを上記ノーマルモードに切り替え、上記ノーマルモードにおける所望のテストを行う工程とを備えることを特徴とする。
本発明は、信号入力手段にハイレベル信号を入力して、チップに電源投入することで、論理和回路からハイレベル信号として算出される論理和をイネーブル信号として、メモリ制御手段のイネーブル端子に供給し、イネーブル信号が供給されたことに応じて、メモリ制御手段によって、メモリにローレベル信号を書き込むことで、信号入力手段に入力するハイレベル信号又はローレベル信号に応じて、ウェハ状態におけるノーマルモード、テストモードの切り換えができるためそれぞれのモードにおける所望のテストを実施することを可能とする。
また、半導体ウェハの分離切断処理、直前において、信号入力手段にハイレベル信号を入力して、チップに電源を投入することで、メモリ制御手段のイネーブル端子にイネーブル信号を供給し、イネーブル信号が供給されたことに応じて、メモリ制御手段によって、メモリにハイレベル信号を書き込み、半導体ウェハの切断分離処理時に第1の信号線を切断することで、論理和回路の第1の入力端子に接続された第1の信号線の電位を常にローレベルにプルダウンすることができる。したがって、製品チップ状態の半導体装置に電源を投入することで、メモリから読み出されたハイレベル信号が論理和回路に供給されるため、半導体装置をテストモードに切り換えることができ、テストモードでの所望のテストを実施することを可能とする。
製品チップ状態の半導体装置をユーザに対して出荷する前段において、半導体装置に電源を投入することで、メモリから読み出されたハイレベル信号が論理和回路に供給されるため、メモリ制御手段のイネーブル端子にイネーブル信号を供給することができる。したがって、イネーブル信号が供給されたメモリ制御手段によって、メモリにローレベル信号を書き込むことで、ノーマルモードで固定させることができる。よって、ユーザへの出荷段階において、半導体装置は、ノーマルモードでしか動作できないため、テストモードで動作させた場合にのみアクセス可能となる半導体装置のシステム全般に関わる重要な箇所や、セキュリティに関連した領域へのアクセスを完全に防止することを可能とする。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して詳細に説明をする。なお、本発明は、以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることはいうまでもない。
{第1の実施の形態}
まず、図1に、本発明の第1の実施の形態として示すモード切り換え制御回路30について説明をする。図1に示すモード切り換え制御回路30は、図2に示す半導体ウェハであるシリコンウェハ10上に複数形成された各チップ20に組み込まれている。図1に示すように、チップ20は、シリコンウェハ10上に、いずれも半導体プロセスを経て形成された所定の機能の回路ブロック40と、上述したモード切り換え制御回路30とを備えている。回路ブロック40は、上述したように半導体プロセスによってシリコンウェハ10上に形成された回路素子によって構成されており、所望の演算処理を実行する演算回路又はメモリ回路などとして機能することになる。
回路ブロック40は、チップ20の基幹構成部であり、回路ブロック40をどのような設計にするかによって、チップ20を製品チップとした際の製品特性が決定されることになる。一方、モード切り換え制御回路30は、チップ20をノーマルモードで動作させるのか、テストモードで動作させるのかといったモード切り換え動作を制御する回路である。
ノーマルモードは、チップ20に形成された回路ブロック40を通常動作させるモードである。一方、テストモードは、回路ブロック40を構成する全ての各回路素子が正常に動作するかどうかを検証するためのモードである。例えば、チップ20をテストモードで動作させると、ノーマルモードでは、アクセスすることができないチップ20が保持しているセキュアなデータに対してもアクセスすることができる。
図2に示すように、チップ20は、シリコンウェハ10を実線、点線で示したスクライブライン11A,11Bにてダイシングすることで、それぞれが分離された単一のチップとなる。ダイシングにより分離された各チップ20は、リードフレームに固定され、ワイヤーボンディング、パッケージング処理を経て、製品としての半導体装置(製品チップ)に加工されることになる。なお、以下の説明において、スクライブライン11A,11Bを総称する場合には、単にスクライブライン11と呼ぶことにする。
図1に示すモード切り換え制御回路30は、パッド31と、論理和セル32と、不揮発性メモリであるメモリ33と、メモリ33へのデータの書き込み、メモリ33からのデータの読み出しを制御するメモリコントローラ34と、CPU(Central Processing Unit)35とを備えている。
パッド31は、チップ20がダイシングされていないウェハ状態において、チップ20をテストモードで動作させるのか、ノーマルモードで動作させるのかといった、モード切り換えを指定する信号を入力するための入力端子である。例えば、チップ20をノーマルモードで動作させる場合には、パッド31にハイ(High)レベルの信号である信号“1”を入力し、テストモードで動作させる場合には、パッド31にロー(Low)レベルの信号である信号“0”を入力することにする。このパッド31は、チップ20に備えるようにしているが、チップ20外のシリコンウェハ10上に設けることもできる。しかしながら、シリコンウェハ10上に設けた場合には、静電気が発生した場合にチップ20が損傷してしまう虞が高くなってしまうことになる。したがって、本発明の第1の実施の形態、後述する第2の実施の形態では、このパッド31をチップ20側に設けることで、チップ20に対する静電気対策をとった構成としている。
論理和セル32は、入力端子Bから入力された信号と、入力端子Cから入力された信号との論理和を取り、結果を出力端子Aから出力させる。入力端子Bは、信号線SL1を介して上述したパッド31と接続されている。一方、入力端子Cは、信号線SL2を介してメモリコントローラ34と接続されている。出力端子Aは、チップ20内の回路に、当該チップ20をノーマルモードで動作させるのか、テストモードで動作させるのかを伝える信号線SL4と接続されている。信号線SL4で供給される信号が“1”であるときチップ20は、テストモードとなり、信号が“0”であるときチップ20は、ノーマルモードで動作することになる。
また、信号線SL4は、メモリコントローラ34のイネーブル端子ENと接続された信号線SL3に分岐されている。
図1に示すように、信号線SL2,SL3は、チップ20内に納まるように配線されている。信号線SL1は、シリコンウェハ20上に形成されたチップ20の外にある、シリコンウェハ10を切断してチップ20を分離するための切断分離線であるスクライブライン11A上を経由するように配線されている。また、信号線SL1は、途中でプルダウン(Pull down)されている。
メモリ33は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)といった不揮発性のメモリであり、メモリコントローラ34の制御に応じて、データの書き込み、書き込まれたデータの読み出しを自在にすることできる。EEPROMとしては、例えば、MONOS型(Metal Oxide Nitride Oxide Semiconductor)のEEPROMを用いることができる。
メモリコントローラ34は、CPU35の制御に応じて、メモリ33へのデータの書き込み、書き込まれたデータの読み出しを実行する。メモリコントローラ34のイネーブル端子ENは、上述したように、信号線SL3を介して論理和セル32の出力端子Aと接続されている。
したがって、論理和セル32の出力端子Aからハイレベルの信号、信号“1”が出力された場合に、メモリコントローラ34は、イネーブル状態となりCPU35からの命令に応じたメモリ33へのアクセスが可能となる。逆に、論理和セル32の出力端子Aからローレベルの信号、信号“0”が出力された場合には、メモリコントローラ34は、ディゼーブル状態となり、メモリ33へのアクセスが不能となる。イネーブル状態又はディセーブル状態にかかわらずメモリコントローラ34は、メモリ33に記憶されているデータを読み出し、レジスタ等に保持し、信号線SL2を介して論理和セル32の入力端子Cに供給する。
また、メモリコントローラ34は、チップ20に電源が投入され、チップ20の図示しないパワーオンリセット回路によるパワーオンリセット直後のリセットシーケンス中に、メモリ33に記憶されているデータを、信号線SL2上に読み出し論理和セル32の入力端子Cに供給する。
CPU35は、モード切り換え制御回路30を統括的に制御すると共に、チップ20に形成された回路ブロック40も統括的に制御する。
このような構成のモード切り換え制御回路30は、チップ20がウェハ状態である場合に、チップ20の動作モードをノーマルモード、テストモードに自由に切り換えることができ、それぞれのモードにおいてチップ20の回路素子や動作をチェックする所望のテストを実行することができる。また、シリコンウェハ10から各チップを切断分離して半導体装置である製品チップ状態にした場合でも、ノーマルモード、テストモードに自由に切り換えることができ、上述したような、それぞれのモードでの所望のテストを実行することができる。また、工場出荷時には、ノーマルモードに固定されるため、ユーザ側で製品チップ状態の半導体装置に対してテストモードによる動作を実行することを防止することができる。
以下、図3乃至図6に示すフローチャートを用いて、このように構成されるモード切り換え制御回路30の動作について詳細に説明をする。始めに、図3に示すフローチャートを用いて、チップ20が、スクライブライン11によって分離されておらず、ウェハ状態である場合において、ノーマルモードと、テストモードとにモード切り換え可能な状態にセッティングをする際の動作について説明をする。
まず、ステップS1において、チップ20に電源投入してチップ20をブートする。チップ20のブート時に、パッド31に信号“1”を入力した状態で立ち上げることで、論理和セル32の入力端子Bには、信号線SL1を介して信号“1”が供給される。
ステップS2において、チップ20は、電源投入されたことに応じて、図示しないパワーオンリセット回路によりリセットされると共に、リセットシーケンス動作状態となる。上述したようにメモリコントローラ34は、このリセットシーケンス動作中に、メモリ33からデータを読み出し、読み出したデータを、信号線SL2を介して論理和セル32の入力端子Cに供給する。なお、チップ20は、始めてのブートであるため、この段階でメモリ33に格納されているデータがどのような値であるかは分からないため不定値となっている。
ステップS3において、論理和セル32は、入力端子B,Cに供給された値の論理和をとって、出力端子Aから出力し、信号線SL4介してチップ20の動作モードを切り換える。上述したように、入力端子Bには、パッド31、信号線SL1を介して信号“1”が供給されているため、論理和セル32の出力端子Aから出力され、信号線SL4介して供給される信号も“1”となりチップ20の動作モードを、テストモードへと切り換える。
また、信号線SL4から分岐された信号線SL3を介してメモリコントローラ34のイネーブル端子ENにも、信号“1”、つまりイネーブル信号が供給されるため、メモリコントローラ34がアクティブとなり、CPU35による制御に応じた、メモリ33へのアクセスが可能となる。
ステップS4において、CPU35は、テストモードとされたシリコンウェハ10上に形成されたチップ20に対して所望のテストを実行する。なお、ウェハ状態のチップ20をテストモードとした際の所望のテストは、必ずしもこの段階で実行しなくてもよく、後で説明するように、このフローチャートにおけるルーチンが終了した後に、ウェハ状態のチップ20をノーマルモード、テストモードと切り換えられる段階になった際に行ってもよい。
ステップS5において、CPU35は、メモリコントローラ34がアクティブとなっていることに応じて、メモリコントローラ34を制御し、メモリ33に信号“0”を書き込ませる。このようにして、メモリ33へ、信号“0”が書き込まれることで、ウェハ状態のチップ20は、パッド31に入力する信号に応じて、ノーマルモード、テストモードへと自在に切り換えることができる。これを、図4に示すフローチャートを用いて検証する。
[テストモード]
まず、テストモードに切り換える場合には、パッド31に信号“1”を入力して、チップ20をブートする(ステップS11)。これにより、論理和セル32の入力端子Bには、信号線SL1を介して信号“1”が供給される。チップ20は、電源投入されたことに応じて、図示しないパワーオンリセット回路によりリセットされると共に、リセットシーケンス動作状態となる。メモリコントローラ34は、このリセットシーケンス動作中に、メモリ33からステップS5で書き込まれた信号“0”を読み出し、信号線SL2を介して論理和セル32の入力端子Cに供給する(ステップS12)。
一方、論理和セル32の入力端子Bには、パッド31、信号線SL1を介して信号“1”が供給されているため、論理和セル32の出力端子Aから出力され、信号線SL4介して供給される信号も“1”となりチップ20の動作モードを、テストモードへと切り換える(ステップS13)。CPU35は、テストモードとされたシリコンウェハ10上に形成されたチップ20に対して所望のテストを実行する(ステップS14)。
[ノーマルモード]
また、ノーマルモードに切り換える場合には、パッド31に信号“0”を入力して、チップ20をブートする(ステップS11)。これにより、論理和セル32の入力端子Bには、信号線SL1を介して信号“0”が供給される。チップ20は、電源投入されたことに応じて、図示しないパワーオンリセット回路によりリセットされると共に、リセットシーケンス動作状態となる。メモリコントローラ34は、このリセットシーケンス動作中に、メモリ33からステップS5で書き込まれた信号“0”を読み出し、信号線SL2を介して論理和セル32の入力端子Cに供給する(ステップS15)。
一方、論理和セル32の入力端子Bには、パッド31、信号線SL1を介して信号“0”が供給されているため、論理和セル32の出力端子Aから出力され、信号線SL4介して供給される信号も“0”となりチップ20の動作モードを、ノーマルモードへと切り換える(ステップS16)。CPU35は、ノーマルモードとされたシリコンウェハ10上に形成されたチップ20に対して所望のテストを実行する(ステップS17)。
このように、シリコンウェハ20に形成されチップ20を始めて電源投入する際に、一旦、テストモードにしてからメモリ33に、信号“0”を書き込むことで、2回目の電源投入からは、パッド31に入力した信号レベルに応じて、チップ20の動作モードであるノーマルモード、テストモードを自由に切り換えることができる。
したがって、ウェハ状態のチップ20に対して、ノーマルモードでの動作テスト、テストモードでの回路素子のテストなどを確実に実行させることができる。
このように、ウェハ状態のチップ20に対して所望のテストを実行した後、シリコンウェハ10は、ダイシングされ製品チップとして加工されることになる。図5に示すフローチャートを用いて、シリコンウェハ10を切断してチップ20を分離する際に実行される工程について説明をする。ウェハ状態のチップ20に対するテストモード、ノーマルモードによる所望のテスト終了後、シリコンウェハ10からチップ20を分離する際には、いきなりダイシングするのではなく、まず、ステップS21〜ステップS24の工程が実行されることになる。
ステップS21において、チップ20に電源投入してチップ20をブートする。チップ20のブート時に、パッド31に信号“1”を入力した状態で立ち上げることで、論理和セル32の入力端子Bには、信号線SL1を介して信号“1”が供給される。
ステップS22において、チップ20は、電源投入されたことに応じて、図示しないパワーオンリセット回路によりリセットされると共に、リセットシーケンス動作状態となる。上述したようにメモリコントローラ34は、このリセットシーケンス動作中に、メモリ33に格納されている信号“0”を読み出し、信号線SL2を介して論理和セル32の入力端子Cに供給する。
ステップS23において、論理和セル32は、入力端子B,Cに供給された値の論理和をとって出力端子Aから出力し、信号線SL4を介してチップ20の動作モードを切り換える。上述したように、入力端子Bには、パッド31、信号線SL1を介して信号“1”が供給されているため、論理和セル32の出力端子Aから出力され、信号線SL4介して供給される信号も“1”となり、チップ20の動作モードをテストモードへと切り換える。
また、信号線SL4から分岐された信号線SL3を介してメモリコントローラ34のイネーブル端子ENにも、信号“1”、つまりイネーブル信号が供給されるため、メモリコントローラ34がアクティブとなり、CPU35による制御に応じた、メモリ33へのアクセスが可能となる。
ステップS24において、CPU35は、メモリコントローラ34がアクティブとなっていることに応じて、メモリコントローラ34を制御し、メモリ33に信号“1”を書き込ませる。このようにして、メモリ33へ、信号“1”が書き込まれることで、ウェハ状態のチップ20は、ダイシング並びに製品チップへ加工される準備が完了したことになる。
ステップS25において、チップ20が形成されたシリコンウェハ10は、図2で示したスクライブライン11にてダイシングされ、個別のチップ20へと分離される。このとき、図1に示すように、スクライブライン11Aは、信号線SL1上を通過するため、モード切り換え制御回路30が有するパッド31と、論理和セル32の入力端子Bとを接続する信号線SL1を介した接続は、切断されることになる。
ステップS26において、シリコンウェハ10をダイシングすることで分離された各チップ20は、リードフレームに固定され、ワイヤーボンディング、パッケージング処理を経て、製品としての半導体装置(製品チップ)に加工されることになる。
このようにして、製品チップに加工されたチップ20は、製造者の指示により、テストモードで動作させられ、所望のテストが実行されることになる。
ステップS27において、製品チップに加工されたチップ20に電源投入してチップ20をブートする。上述したように、ウェハ状態からスクライブライン11でダイシングする際に、モード切り換え制御回路30のパッド31と、論理和セル32の入力端子Bとの接続が切断され、信号線SL1の電位がプルダウンされローレベルとなったことで、論理和セル32の入力端子Bには、常にローレベルの信号である信号“0”が常に供給されることになる。
ステップS28において、チップ20は、電源投入されたことに応じて、図示しないパワーオンリセット回路によりリセットされると共に、リセットシーケンス動作状態となる。上述したようにメモリコントローラ34は、このリセットシーケンス動作中に、メモリ33に格納されている信号“1”を読み出し、信号線SL2を介して論理和セル32の入力端子Cに供給する。
ステップS29において、論理和セル32は、入力端子B,Cに供給された値の論理和をとって、出力端子Aから出力し、信号線SL4介してチップ20の動作モードを切り換える。上述したように、入力端子Cには、メモリコントローラ34によってメモリ33から読み出された信号“1”が、信号線SL2を介して供給されているため、論理和セル32の出力端子Aから出力され、信号線SL4介して供給される信号も“1”となり、チップ20の動作モードをテストモードへと切り換える。
また、信号線SL4から分岐された信号線SL3を介してメモリコントローラ34のイネーブル端子ENにも、信号“1”、つまりイネーブル信号が供給されるため、メモリコントローラ34がアクティブとなり、CPU35による制御に応じた、メモリ33へのアクセスが可能となる。
ステップS30において、CPU35は、テストモードとされた製品チップ状態の半導体装置であるチップ20に対して所望のテストを実行する。
ステップS31において、製品チップとされたチップ20に対するテストモードでテストが全て終了した場合には、工程をステップS32へと進め、まだ終了していない場合には、工程をステップS30へと戻す。
ステップS32において、CPU35は、メモリコントローラ34がアクティブとなっていることに応じて、メモリコントローラ34を制御し、メモリ33に信号“0”を書き込ませる。このようにして、製品チップとされたチップ20は、テストモードによる所望のテスト終了後、メモリ33へ信号“0”が書き込まれることで、再び電源投入されブートされた際には、ノーマルモードに固定され、テストモードモードへ切り換えることができなくなる。これを、図6に示すフローチャートを用いて検証する。
まず、ステップS41において、製品チップに加工されたチップ20に電源投入してチップ20をブートする。上述したように、ウェハ状態からスクライブライン11でダイシングする際に、モード切り換え制御回路30のパッド31と、論理和セル32の入力端子Bとの接続が切断されたため、論理和セル32の入力端子Bには、プルダウンされた信号線SL1に印加された信号“0”が常に供給されることになる。
ステップS42において、製品チップに加工されたチップ20は、電源投入されたことに応じて、図示しないパワーオンリセット回路によりリセットされると共に、リセットシーケンス動作状態となる。上述したようにメモリコントローラ34は、このリセットシーケンス動作中に、メモリ33に格納されている信号“0”を読み出し、信号線SL2を介して論理和セル32の入力端子Cに供給する。
ステップS43において、論理和セル32は、入力端子B,Cに供給された値の論理和をとって、出力端子Aから出力し、信号線SL4介してチップ20の動作モードを切り換える。上述したように、入力端子Cには、メモリコントローラ34によってメモリ33から読み出された信号“0”が、信号線SL2を介して供給され、入力端子Bには、プルダウンされた信号線SL1からの信号“0”が供給されているため、論理和セル32の出力端子Aから出力され、信号線SL4介して供給される信号も“0”となり、チップ20の動作モードをノーマルモードへと切り換える。
また、信号線SL4から分岐された信号線SL3を介してメモリコントローラ34のイネーブル端子ENにも、信号“0”、つまりディゼーブル信号が供給されるため、メモリコントローラ34が非アクティブとなり、CPU35による制御に応じた、メモリ33へのアクセスが不可能となる。
ステップS44において、製造者は、ノーマルモードとされた製品チップであるチップ20に対して所望のテストを実行する。
このように、スクライブライン11A上に配線された信号線SL1をダイシングによって断線させ、信号線SL1の電位をプルダウンさせると共に、メモリ33へ信号“0”を書き込んでおくと、製品チップ状態の半導体装置であるチップ20は、必ずノーマルモードへモード切り換えられる。したがって、製造者は、製品チップ状態の半導体装置であるチップ20に対するテストモードでのテストが終了した時点で、メモリ33へ信号“0”を書き込み、ノーマルモードで起動させて、ノーマルモードによるテストを行ってから出荷させる。
このように、パッド31から信号を入力することができず、論理和セル32の入力端子Bへ信号“0”が固定されて入力される場合、メモリ33へ信号“0”を書き込んでおくと、一旦ノーマルモードとされた状態をテストモードへ切り換えることは不可能である。メモリ33に書き込まれている信号“0”を信号“1”に書き換えることができれば、テストモードへ切り換えられるが、それには、メモリコントローラ34をアクティブにする必要がある。しかしながら、論理和セル32の出力端子Aからの出力は、“0”以外にはなりえないので、信号線SL3から供給される信号は、メモリコントローラ34を非アクティブにするディゼーブル信号で固定されてしまうことになる。
したがって、第1の実施の形態として示すモード切り換え制御回路30を備えたチップ20は、ウェハ状態におけるノーマルモード、テストモードの切り換えができるためそれぞれのモードにおける所望のテストを実施可能とし、製品チップとした際にも、ノーマルモード、テストモードでの所望のテストを実施可能とすることができる。さらに、出荷時には、容易にノーマルモードで固定させることができる。よって、テストモードで動作させた場合にのみアクセス可能となるチップ20のシステム全般に関わる重要な箇所や、セキュリティに関連した領域へのアクセスを完全に防止することができる。
{第2の実施の形態}
続いて、図7を用いて、本発明の第2の実施の形態として示すモード切り換え制御回路50について説明をする。このモード切り換え制御回路50は、図1に示したモード切り換え制御回路30とほぼ同じ構成であるため、同一箇所には同一符号を付し説明を省略する。
モード切り換え制御回路50は、モード切り換え制御回路30のメモリ33を、回路ブロック40が有する不揮発性メモリであるメモリ52のメモリ領域52Bで代用した構成となっている。メモリ52のメモリ領域52Bは、メモリ制御ブロック51のメモリコントローラ51Bで制御され、これがモード切り換え制御回路30におけるメモリコントローラ34に相当する。
一方、回路ブロック40が備えるメモリ52のメモリ領域52Aは、CPU35によって制御されるメモリ制御ブロック51のメモリコントローラ51Aによって、書き込み及び読み出しが制御されることになる。この第2の実施の形態として示すモード切り換え制御回路50も、上述した図3,図4,図5,図6に示したフローチャートと全く同様の動作をする。したがって、モード切り換え制御回路50を備えたチップ20は、ウェハ状態におけるノーマルモード、テストモードの切り換えができるため、それぞれのモードにおける所望のテストを実施可能とし、製品チップとした際にも、ノーマルモード、テストモードでの所望のテストを実施可能とすることができる。さらに、出荷時には、容易にノーマルモードで固定させることができる。よって、テストモードで動作させた場合にのみアクセス可能となるチップ20のシステム全般に関わる重要な箇所や、セキュリティに関連した領域へのアクセスを完全に防止することができる。
本発明の第1の実施の形態として示すモード切り換え制御回路の構成について説明するための図である。 ウェハ状態であるモード切り換え制御回路を備えたチップを示した図である。 チップがウェハ状態である場合のモード切り換え制御回路の初期設定処理動作について説明するためのフローチャートである。 チップがウェハ状態である場合のモード切り換え制御回路のモード切り換え動作について説明するためのフローチャートである。 ウェハ状態のチップを分離して製品チップとする際のモード切り換え制御回路の動作について説明するためのフローチャートである。 製品チップであるチップに電源投入した際のモード切り換え制御回路の動作について説明するためのフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態として示すモード切り換え制御回路の構成について示した図である。
符号の説明
10 シリコンウェハ、11,11A,11B スクライブライン、20 チップ、30,50 モード切り換え制御回路、31 パッド、32 論理和セル、33 メモリ、34 メモリコントローラ、35 CPU(Central Processing Unit)、SL1,SL2,SL3 信号線、51 メモリ制御ブロック、51A,51B メモリコントローラ、52 メモリ、52A,52B メモリ領域

Claims (7)

  1. 複数のチップが形成された半導体ウェハにおいて、
    上記各チップは、ハイレベル信号又はローレベル信号を記憶するメモリと、
    イネーブル端子にイネーブル信号が供給されたことに応じて、上記メモリに上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を書き込み、上記チップの電源投入時において、上記イネーブル端子に対する上記イネーブル信号の供給又はディゼーブル信号の供給に関わらず上記メモリに記憶された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を読み出すメモリ制御手段と、
    ハイレベル信号又はローレベル信号を入力する信号入力手段と、
    第1の入力端子から入力された信号と、第2の入力端子から入力された信号との論理和を算出し出力端子から出力する論理和回路と、
    上記論理和回路の上記出力端子から出力された上記論理和に応じて、上記チップの動作モードを、上記チップを形成する全ての回路素子に対してアクセスを許可するテストモード、又は上記チップを形成する一部の回路素子に対してアクセスを許可するノーマルモードのいずれかに切り換える制御手段とを備え、
    上記論理和回路の上記第1の入力端子は、当該半導体ウェハを切断して上記複数のチップに分離する際の切断分離ライン上を経由して配線された第1の信号線を介して、上記信号入力手段と接続されることで、上記信号入力手段から上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号が供給され、
    上記論理和回路の上記第2の入力端子は、第2の信号線を介して、上記メモリ制御手段と接続されることで、上記チップの電源投入時において、上記メモリから読み出された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号が供給され、
    上記論理和回路の上記出力端子は、第3の信号線を介して、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に接続されることで、算出された上記論理和がハイレベル信号であった場合には、上記イネーブル信号として上記イネーブル端子に供給し、算出された上記論理和がローレベル信号であった場合には、上記ディゼーブル信号として上記イネーブル端子に供給すること
    を特徴とする半導体ウェハ。
  2. 当該半導体ウェハの初期状態において、上記信号入力手段に上記ハイレベル信号を入力して、上記チップに電源投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和を上記イネーブル信号として、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に供給し、
    上記イネーブル信号が供給された上記メモリ制御手段によって、上記メモリにローレベル信号を書き込むこと
    を特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ。
  3. 当該半導体ウェハの分離切断処理、直前において、上記信号入力手段に上記ハイレベル信号を入力して、上記チップに電源を投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和を上記イネーブル信号として、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に供給し、
    上記イネーブル信号が供給された上記メモリ制御手段によって、上記メモリにハイレベル信号を書き込むこと
    を特徴とする請求項1記載の半導体ウェハ。
  4. 半導体ウェハに形成された複数のチップを切断分離して製造された半導体装置であって、
    ハイレベル信号又はローレベル信号を記憶するメモリと、
    イネーブル端子にイネーブル信号が供給されたことに応じて、上記メモリに上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を書き込み、上記チップの電源投入時において、上記イネーブル端子に対する上記イネーブル信号の供給又はディゼーブル信号の供給に関わらず上記メモリに記憶された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を読み出すメモリ制御手段と、
    第1の入力端子から入力された信号と、第2の入力端子から入力された信号との論理和を算出し出力端子から出力する論理和回路と、
    上記論理和回路の上記出力端子から出力された上記論理和に応じて、当該半導体装置の動作モードを、当該半導体装置を形成する全ての回路素子に対してアクセスを許可するテストモード、又は上記半導体装置を形成する一部の回路素子に対してアクセスを許可するノーマルモードのいずれかに切り換える制御手段とを備え、
    上記論理和回路の上記第1の入力端子は、電位がプルダウンされた第1の信号線と接続されることで、ローレベル信号が供給され、
    上記論理和回路の上記第2の入力端子は、第2の信号線を介して、上記メモリ制御手段と接続されることで、当該半導体装置の電源投入時において、上記メモリから読み出された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号が供給され、
    上記論理和回路の上記出力端子は、第3の信号線を介して、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に接続されることで、算出された上記論理和がハイレベル信号であった場合には、上記イネーブル信号として上記イネーブル端子に供給し、算出された上記論理和がローレベル信号であった場合には、上記ディゼーブル信号として上記イネーブル端子に供給し、
    上記メモリには、あらかじめ上記メモリ制御手段によって、ハイレベル信号が書き込まれていること
    を特徴とする半導体装置。
  5. 上記第1の信号線は、当該半導体装置が、切断分離される前の上記半導体ウェハに形成された上記複数のチップであった際に、
    上記論理和回路の上記第1の入力端子と、ハイレベル信号又はローレベル信号が入力される信号入力手段とを接続し、上記半導体ウェハを切断して上記複数のチップに分離する切断分離ライン上を経由して配線されていたこと
    を特徴とする請求項4記載の半導体装置。
  6. 当該半導体装置をユーザに対して出荷する前段において、
    当該半導体装置に電源を投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和を上記イネーブル信号として、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に供給し、
    上記イネーブル信号が供給された上記メモリ制御手段によって、上記メモリにローレベル信号を書き込むこと
    を特徴とする請求項5記載の半導体装置。
  7. 半導体ウェハに形成された複数のチップを切断分離して製造する半導体装置の製造方法であって、
    ハイレベル信号又はローレベル信号を記憶するメモリと、
    イネーブル端子にイネーブル信号が供給されたことに応じて、上記メモリに上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を書き込み、上記チップの電源投入時において、上記イネーブル端子に対する上記イネーブル信号の供給又はディゼーブル信号の供給に関わらず上記メモリに記憶された上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を読み出すメモリ制御手段と、
    ハイレベル信号又はローレベル信号を入力する信号入力手段と、
    第1の入力端子から入力された信号と、第2の入力端子から入力された信号との論理和を算出し出力端子から出力する論理和回路と、
    上記論理和回路の上記出力端子から出力された上記論理和に応じて、上記チップの動作モードを、上記チップを形成する全ての回路素子に対してアクセスを許可するテストモード、又は上記チップを形成する一部の回路素子に対してアクセスを許可するノーマルモードのいずれかに切り換える制御手段と、
    上記論理和回路の上記第1の入力端子と、上記信号入力手段とを接続する、上記半導体ウェハを切断して上記複数のチップに分離する際の切断分離ライン上を経由して配線された第1の信号線と、
    上記論理和回路の上記第2の入力端子と、上記メモリ制御手段とを接続する第2の信号線と、
    上記論理和回路の上記出力端子と、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子とを接続する第3の信号線とを有する上記チップを複数備えた上記半導体ウェハを形成する工程と、
    上記信号入力手段に上記ハイレベル信号を入力して、上記チップに電源投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和をイネーブル信号として、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に供給し、上記イネーブル信号が供給された上記メモリ制御手段によって、上記メモリにローレベル信号を書き込む工程と、
    上記信号入力手段に上記ハイレベル信号又は上記ローレベル信号を入力し、上記チップに電源を投入することで、上記論理和回路から算出される上記論理和に応じて、上記チップの動作モードを上記テストモード又は上記ノーマルモードに切り換え、それぞれのモードにおける所望のテストを行う工程と、
    上記信号入力手段に上記ハイレベル信号を入力して、上記チップに電源を投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和をイネーブル信号として、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に供給し、上記イネーブル信号が供給された上記メモリ制御手段によって、上記メモリにハイレベル信号を書き込む工程と、
    上記半導体ウェハを上記切断分離ラインに沿って上記複数のチップに切断分離し、上記第1の信号線の電位を常にプルダウンさせる工程と、
    切断分離された各チップから当該半導体装置を形成する工程と、
    当該半導体装置に電源を投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和に応じて、当該半導体装置の動作モードを上記テストモードに切り替え、上記テストモードにおける所望のテストを行う工程と、
    当該半導体装置に電源を投入することで、上記論理和回路からハイレベル信号として算出される上記論理和をイネーブル信号として、上記メモリ制御手段の上記イネーブル端子に供給し、上記イネーブル信号が供給された上記メモリ制御手段によって、上記メモリにローレベル信号を書き込む工程と、
    当該半導体装置に電源を投入することで、上記論理和回路からローレベル信号として算出される上記論理和に応じて、当該半導体装置の動作モードを上記ノーマルモードに切り替え、上記ノーマルモードにおける所望のテストを行う工程とを備えること
    を特徴とする半導体装置の製造方法。
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