JP4595307B2 - 組電池 - Google Patents

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Description

本発明は、高エネルギー密度かつ小型軽量で大きなエネルギーを供給する電力源として最適な組電池に関する。
近年、環境意識の高まりを受けて、自動車の動力源を、化石燃料を利用するエンジンから電気エネルギーを利用するモータに移行しようとする動きがある。このため、モータの電力源となる電池の技術も急速に発展しつつある。
自動車には、小型軽量で、大きな電力を頻繁に充放電可能な、耐震動性、放熱性に優れた電池の搭載が望まれる。大きな電力を供給することができる放熱性に優れた組電池としては、下記特許文献1に示すようなものがある。
特許文献1に開示されている組電池は、直列、並列または直並列に電気的に接続された複数の単電池を、当該単電池の厚み方向に所定の間隔で配置し、単電池間に両側の単電池を押圧する押圧部材を配置して、外装部材によって複数の単電池を固定したものである。このような構造とすることによって単電池の放熱特性を良好にして組電池としてのサイクル特性、レート特性を向上させている。
特開2000−195480号公報(段落番号「0014」〜段落番号「0029」、段落番号「0040」、段落番号「0041」および図1、図2、図4の記載を参照)
特許文献1の組電池は、単電池として扁平形電池を用いているため、扁平形電池以外の電池を用いて構成した従来の組電池に比較してエネルギー密度が高く、同一の電力容量の電池であれば小型化が可能である。このため、扁平形電池で構成された組電池は、小型、高エネルギー密度という点では車両搭載用電池として適している。
しかしながら、特許文献1の組電池は、単電池間に押圧部材を配置し、この押圧部材により各単電池に圧力を加え、サイクル劣化や短寿命化を防止しているが、単電池間に押圧部材を設けると、単電池の積層方向の強度は高まるが、単電池との接触面積が小さいので横揺れには弱く、車両搭載用の組電池として使用すると、単電池の一部がずれたり、脱落する虞がある。特に、多数の単電池を相互に接続し、積層して組電池に構築する作業の面でも面倒なものとなる。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、揺れによる単電池のずれや脱落を防止でき、単電池から組電池に構築する作業性の面でも有利な組電池の提供を目的とする。
かかる目的を達成するために、第1の発明に係る組電池は、開閉可能な上ケースと下ケースを有する収納ケースと、当該収納ケース内に積層された状態で収納される複数個の単電池と、を有し、前記収納ケースが閉じた状態で、前記収納ケース内の前記単電池を加圧し保持するようにした組電池であって、前記収納ケースは、複数の前記上ケースと下ケースをジグザグ状となるようにヒンジ部を介して連結したことを特徴とする。
第2の発明に係る組電池は、開閉可能な上ケースと下ケースを有する収納ケースと、当該収納ケース内に積層された状態で収納される複数個の単電池と、を有し、前記収納ケースが閉じた状態で、前記収納ケース内の前記単電池を加圧し保持するようにした組電池であって、前記収納ケースは、複数の前記上ケースと下ケースがヒンジ部を中心として放射状となるように連結したことを特徴とする。
第3の発明に係る組電池は、開閉可能とされた少なくとも一対の上ケースと下ケースから構成された収納ケースと、当該収納ケース内に積層された状態で収納される複数個の単電池と、を有し、当該複数個の単電池を前記収納ケース内に収納した状態で、前記上ケースと下ケースを閉じることにより前記単電池を積層方向の両面から加圧し保持する組電池であって、前記収納ケースは、複数の前記上ケースと下ケースがジグザグ状となるようにヒンジ部を介して連結したことを特徴とする。
第4の発明に係る組電池は、開閉可能とされた少なくとも一対の上ケースと下ケースから構成された収納ケースと、当該収納ケース内に積層された状態で収納される複数個の単電池と、を有し、当該複数個の単電池を前記収納ケース内に収納した状態で、前記上ケースと下ケースを閉じることにより前記単電池を積層方向の両面から加圧し保持する組電池であって、前記収納ケースは、複数の前記上ケースと下ケースがヒンジ部を中心として放射状となるように連結したことを特徴とする。
第1の発明に係る組電池では、収納ケース内に複数個の単電池を積層した状態で収納し、収納ケースを閉じると単電池を積層方向の両面から加圧し保持するようにしたので、揺れによる単電池のずれや脱落も防止でき、単電池から組電池に構築する作業が極めて容易となる。
また、複数の上ケースと下ケースをジグザグ状にヒンジ部連結しているので、積み重ねた収納ケース全体の強度が向上し、車両搭載用の組電池として使用した場合の横揺れに強く、1つの収納ケースがずれたり、脱落する虞はなく、多数の単電池を積層して組電池に構築する作業が有利になる。
第2の発明に係る組電池では、複数の上ケースと下ケースがヒンジ部を中心として放射状となるように連結したので、積み重ねた複数の収納ケースの一側が開放された部分となり、単電池連結体の各収納ケースへの設置が容易になり、組電池構築の作業性が向上する。しかも、組電池全体の強度が向上するのみでなく、横揺れにも強く、1つの収納ケースのずれや脱落は皆無となる。
第3の発明に係る組電池では、上下一対のケースからなる収納ケースをジグザグ状にヒンジ連結したので、この組電池は、複数対の上下ケース(偶数個のケース)を有することになり、第1の発明と同様の効果を奏することになる。
第4の発明に係る組電池では、上下一対のケースからなる収納ケースをヒンジ部を中心として放射状となるように連結したので、この組電池は、複数対の上下ケース(偶数個のケース)を有することになり、第2の発明と同様の効果を奏することになる。
以下、図面を参照して、本発明に係る組電池の実施形態を説明するが、まず、組電池に使用される単電池について説明し、組電池の構造および組電池を構築するための収納ケースについて説明する。
<単電池>
図1は本発明に係る組電池に使用される単電池を示す斜視図である。本実施の形態で使用される単電池Bは、図1に示すように、矩形状の扁平な二次電池であり、正極板、負極板およびセパレータを順に積層した発電要素(不図示)を外装材の内部に複数有している。この発電要素は、たとえば、リチウムイオン二次電池である。
ここで使用されている外装材Gは、たとえば、ポリアミド樹脂等の樹脂フィルムに間にアルミ箔を挟んで三層構造にしたラミネートフィルムであるが、前記単電池Bの成形に当たっては、このラミネートフィルムを2枚準備し、1枚をプレス加工により扁平な椀状に形成し、他方はシート状のまま使用し、両ラミネートフィルム間に前記発電要素を設置し、周縁部を熱融着接合し封止している。
外装された単電池Bからは、アルミニウム薄板で構成された+電極の電極タブTaと、銅薄板で構成された−電極の電極タブTbが外部に引き出されているが、本実施の形態では、対向する2辺から極性の異なる電極タブが引き出されているタイプの単電池を用いて組電池を構成する。
<組電池の構造>
図2は単電池相互を接続し組電池とする構成を模式的に示す図、図3は図2の要部拡大図である。
本実施形態にかかる組電池1は、図2に示すように、24個単電池B1〜B24が積層された単電池積層体2を4個並列に配置し、合計96個の単電池を直列接続することにより形成したものである。
24個の単電池B1〜B24を積層して単電池積層体2を形成するには、図3に示すように、たとえば、下位の単電池B3の−電極タブTb3と上位の単電池B4の+電極タブTa4とを電気的に接続する。次に、未接続の+電極タブTa3は、下位の単電池B2の−電極タブTb2と、未接続の−電極タブTb4は、上位の単電池B5の+電極タブTa5と、それぞれ電気的に接続する。
この電気的接続は、個々の単電池を独立に取り扱い、+電極タブTaと−電極タブTbを、物理的に圧接することにより接続してもよいが、本実施形態では、後述するように、予め、下位の単電池B3の−電極タブTb3と上位の単電池B4の+電極タブTa4とを超音波溶接等により接続し、他方の電極タブTa3とTb4は、Tb2とTa5と所定の電極部材20a,20bを介して接触して接続することとし、2つの単電池Bが直列接続された状態の単電池連結体3として取り扱っている。つまり、2つの単電池Bを一括して取り扱うこととしている。
このように上下に配置された単電池連結体3の未溶接の電極タブTを相互に接触して接続することを繰り返すと、24個単電池B1〜B24が積層された単電池積層体2を簡単に構築することができる。
また、各単電池積層体2相互を接続するには、図2に示すように、一方の単電池積層体2の単電池B1から突出された+電極タブTa1と、他方の単電池積層体2の単電池B1から突出された−電極タブTb1とを接続導体4、いわゆるバスバーを用いて行う。
このように電極タブTの接続と、単電池積層体2相互の接続を繰り返すと、24個単電池B1〜B24が積層された単電池積層体2を4個並列に配置した状態の、合計96個の単電池を直列に接続した組電池1が構築される。
このような組電池1の構築は、本実施形態では、下記の収納ケース10を用いて行うこととしている。
<収納ケース>
図4は前記単電池連結体の収納ケースを示す斜視図、図5は図4の5−5線に沿う同収納ケースの断面図、図6は同収納ケースの下ケース内部を示す平面図、図7は同収納ケースの上ケース内部を示す平面図である。
この収納ケース10は、図4〜図6に示すように、単電池Bが積層された状態の単電池連結体3が内部に収納される全体的に扁平な開閉可能なケースであり、ここには各種手段、たとえば、複数個の収納ケース10が上下に積み重ねられた状態を保持する連結手段R(図4参照)、接続された電極タブTa,Tbを加圧して接続をより確実なものとする電極加圧部16(図5参照)、収納ケース10内の単電池を所定位置に位置保持する位置決め手段17(図6参照)、電極タブを電気的に接続するために設けられたケース電極部18(図5参照)などが設けられている。
以下、個々に説明する。まず、収納ケース10は、図に示すように、基本的には、上ケース11と下ケース12とをヒンジ部13により開閉可能に連結したもので、これらケース11,12には多数の放熱孔Oが設けられ、内部の単電池Bからの熱を外部に放散できるようにしている。この収納ケース10を構成する材料としては、アクリル樹脂、ABS樹脂等の樹脂プレートあるいは金属プレート等の比較的硬いものを使用することが好ましい。
この収納ケース10は、複数個上下に積み重ねるために、この積み重ね状態を保持する連結手段Rが設けられている。この連結手段Rは、種々のものがあるが、本実施形態の連結手段Rは、図4,6に示すように、上ケース11の上面に突出された2つのピン14と、このピン14が嵌合する下ケース12に形成された凹部15(図6参照)とからなり、ピン14と凹部15との凹凸嵌合により収納ケース10を上下に積み重ねることができ、治具や他の補助手段を使用することなく積み重ね状態を保持でき、収納ケース10相互の横ずれも防止できる。
前記電極加圧部16は、図5〜図7に示すように、上ケース11と下ケース12のヒンジ部13近傍に設けられ、上ケース11と下ケース12に一体に形成された突起部16a,16bにより構成されている。
これら突起部16a,16bは、収納ケース10に単電池連結体3が設置されたとき、予め溶接接続されている電極タブTa,Tbを挟圧するもので、上ケース11と下ケース12を閉じたとき、その先端が相互に当接する程度まで突設されている。なお、この電極タブTa,Tbをより強力で確実に挟圧するには、突起部16a,16bをゴム等の弾性材により形成してもよい。
特に、本実施形態では、この電極加圧部16は、ヒンジ部13の近傍に設けられている。このようにすれば、上ケース11と下ケース12の開放側端部より離れた位置で、突起部16a,16bが電極タブTa,Tbを挟圧することになるので、いわば「てこ」の原理が作用し、電極タブTa,Tbの挟圧がより強力になり、接続も確実なものとなる。
前記位置決め手段17は、収納ケース10内で単電池Bを所定位置に保持するもので、下ケース12に設けられている。下ケース12は、図6に示すように、内部に矩形状の単電池Bの4隅を保持する位置決め手段17、具体的には、凸片17a〜17dが設けられており、この凸片17a〜17d内に単電池Bがきっちりと収まるようになっている。
本実施形態では、ヒンジ部13に近い凸片17a,17b間に、前記電極加圧部16が位置しているので、凸片17a,17bで単電池Bを固定した状態で電極加圧部16が電極タブTを挟持することになり、収納ケース内での単電池Bの固定がより確実で、電極タブTも安定した接続状態となる。
なお、本実施形態の位置決め手段17は、下ケース12に設けられ、上ケース11には設けられていない(図7参照)。収納ケース10内で単電池連結体3は加圧された状態で保持されるので、上ケース11内に位置決め手段17を設けなくても単電池連結体は変位することはなく、確実に保持されるからである。しかし、これのみでなく上ケース11に形成してもよく、また両ケースに形成してもよい。
ここにおいて、積層される単電池Bの厚さtは、収納ケース10の内部寸法hより厚くなるようにしている。つまり、収納ケース10の内部寸法hは精度よく成形することは可能であっても、単電池Bの厚さtは個々に変動し、画一的でなく、設置後も変動することもある。したがって、収納ケース10の内部寸法hより厚くなる単電池Bを選択して収納ケース10内に収納し、両ケース11,12を閉じたとき、単電池連結体3が加圧されるようにしている。扁平形の単電池の場合、外装材1が内部の発電要素を押さえ込む力が弱いので、充放電を頻繁に繰り返すと発電要素内で発生し、積層した発電要素間に流れ込み、サイクル劣化を起こして単電池の寿命も短くなるが、単電池全体に適切な面圧が加わると、これを防止できる。このため、本実施形態では、単電池連結体3を収納ケース10自体で加圧している。収納ケース10自体で単電池Bを加圧すれば、後に別途加圧手段を用いて加圧する必要がなくなり、この点でも作業性が向上する。
前記ケース電極部18は、図5〜図7に示すように、収納ケース10の開放側端部近傍に設けられている。このケース電極部18は、収納ケース10側に設けられ、内部に収納された単電池連結体3の未溶接の電極タブTaまたはTbと、上下に積み重ねられる収納ケース10内の電極タブTbまたはTaとを電気的に接続する部分である(接続状態は図11あるいは図12参照)。
ケース電極部18は、上ケース11と下ケース12に、凹凸嵌合部19を有している。この凹凸嵌合部19は、上ケース11より上方に突出して形成された円筒状の凸部19aと、下ケース12に凹状に形成され、前記凸部19aと嵌合される凹部19bとからなり、これら凸部19aと凹部19bの中心位置にそれぞれ円柱状の電極部材20aと20bが設けられている。
したがって、当該収納ケース10内に収納された単電池連結体3の未溶接の電極タブTaと、凹部19bの電極部材20bとを、たとえば、リベット、ボルト、クリップあるいはカシメなどの接合手段により接合すると共に、当該収納ケース10内の未溶接の電極タブTbと、凸部19aの電極部材20aとを、同様な接合手段により接合すると、当該収納ケース10内の未溶接の電極タブTa,Tbは、上位または下位の収納ケース10内の電極タブTaまたはTbと電極部材20a,20bを介して電気的に接続されることになる。
これは、収納ケース10を上下に積み重ね、下位の収納ケース10の上ケース11に形成された凸部19aと、上位の収納ケース10の下ケース12に形成された凹部19bを凹凸嵌合するのみで、上下の収納ケース10の各電極タブTa,Tbを電気的に接続できることになる。
なお、収納ケース10を上下に積み重ね、前記凹凸嵌合部19を嵌合すると、この凹凸嵌合自体が、上下の収納ケース10を連結する前述の連結部材Rとしての機能も発揮し、積み重ね状態をより安定的なものとすることができる。
ただし、収納ケース10内に設けられた単電池連結体3の電極タブTaとTbが収納ケース10内で相互に接触すると好ましくないので、各収納ケース10は、電極タブTaとTbの間に絶縁部材Zが設けられている。この絶縁部材Zは、下ケース12の開放側先端部に回動可能に取付けられ、単電池連結体3の1つの単電池を下ケース上に設置した後、この単電池上に設置できるようにしている。
また、前記収納ケース10が金属製の場合、あるいは、収納ケース10の内部寸法hを調節する場合、上ケース11または下ケース12の内面と、各単電池Bとの間等にも絶縁部材Z(図5参照)を設けてもよい。なお、この絶縁部材Zは、電気的に非導通性を有するものであれば、どのようなものであってもよいが、不織布あるいはダンボール紙などのような通気性を有するものであることが好ましい。
次に、作用を説明する。
図8〜図12は単電池連結体を収納ケースに組み付け状態を工程順に示す断面図である。まず、図8に示すように、収納ケース10は、上ケース11や絶縁部材Zを矢印で示すように開いた状態とし、予め準備した一方の電極タブTaと電極タブTbを超音波溶接し、他方の電極タブTaと電極タブTbは接合していない単電池連結体3を、単電池Bが重ね合わされた状態で、収納ケース10内に設置する。
溶接された側の電極タブTa,Tbは、図9に示すように、下ケース12の突起部16b上に載置し、溶接されていない他方の電極タブTa,Tbは相互に離間した状態とする。そして、この離間された電極タブTの内、下側の電極タブTaをケース電極部18の凹部19bの上にセットし、この電極タブTaと凹部19b内の電極部材20bとを接合手段により接合する。この接合が完了すると、電極タブTaの上を絶縁部材Zにより覆う。
同様に、図10に示すように、上側の電極タブTbをケース電極部18の凸部19aの下にセットし、この電極タブTbと凸部19aの電極部材20aとを接合手段により接合する。
この状態で、上ケース11と下ケース12を閉じると、電極加圧部16の突起部16a,16bが「てこ」の原理で、溶接接続されている電極タブTa,Tbを挟圧するので、仮に両電極タブTa,Tbに溶接剥がれあっても、両者を強力に挟圧し、接続状態を確実に保持する。
また、収納ケース10の内部寸法hより単電池連結体3の厚みの方が大きいので、この両ケース11,12を閉鎖すると、収納ケース10自体が各単電池Bを加圧することになり、後に別途加圧手段を用いて加圧する必要がなく適切な面圧が各単電池に加えられ、仮に、電池が、充放電を頻繁に繰り返しても、サイクル劣化が防止される。なお、収納ケース10の閉鎖によっても各単電池Bを加圧できないかあるいは加圧力が不十分な場合は、収納ケース10内に絶縁部材Zを設け、調整する。このようにして、単電池連結体3が1つの収納ケース10内に収納された1つの電池ユニットが完成する。
次に、収納ケース10相互を連結する場合について説明する。図11に示すように、この1つの収納ケース10の上に、同様に単電池連結体3が収納された他の収納ケース10を、図中白抜き矢印で示すように載置すると、一方の収納ケース10の電極部材20bと他方の収納ケース10の電極部材20aが接触し、電気的に接続される。
この場合、電極部材20aは、凹凸嵌合部19の凸部19a内に没した位置にあり、電極部材20aは、凹部19b内に位置しているので、凸部19aと凹部19bが凹凸嵌合すると、両電極部材20a,20bが確実に接触する。つまり、収納ケース10を積み重ねるという作業のみで、2つの単電池連結体3を直列に接続することができ、この結果、単電池Bから組電池1を構築する作業が極めて容易となる。
また、図12に示すように、複数個の収納ケース10を積み重ねる場合、下方の収納ケース10上に設けられた2つのピン14と、上方の収納ケース10の下面に設けられた凹部15も凹凸嵌合するので、これにより治具や他の補助手段を使用することなく収納ケース10の積み重ね状態が保持され、収納ケース10相互の横ずれも防止される。
このようにして、1つの収納ケース10ごとに形成された電池ユニットを多数積み重ねた単電池積層体2が完成する。
そして、単電池積層体2端部の電極部材20aと他の単電池積層体2端部の電極部材20bとを接続導体4、いわゆるバスバーを用いてカシメなどの接合手段により相互に適数個接合すれば、組電池が完成する。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々変更使用することができる。たとえば、前記実施形態は、上下収納ケース10の積み重ね状態を保持するため、連結手段Rとして、ピン14と凹部15を用いているが、これのみでなく、図13に示すようなフック部材30と凹部31との係合により行うようにしてもよい。つまり、上ケース11と下ケース12のいずれか一方に形成された係合部材Kaと、いずれか他方に形成された被係合部材Kbとから構成したものであればよい。
また、前記本実施の形態では、前記収納ケース10は、1つの上ケース11と1つの下ケース12を1つのヒンジ部13により連結することにより形成したものであるが、本発明は、これのみでなく、図14に示すように、複数の上ケース11と下ケース12がジグザグ状となるようにヒンジ部13を介して連結したものであってもよい。このようにすれば、積み重ねた収納ケース10全体の強度が向上し、車両搭載用の組電池1として使用した場合の横揺れに強く、1つの収納ケース10がずれたり、脱落する虞はなく、多数の単電池を相互に接続し、積層して組電池に構築する作業の面でも有利になる。
複数の収納ケース10を連続的に形成する場合でも、ジグザグ状にヒンジ連結するのみでなく、図15に示すように、複数の上ケース11と下ケース12がヒンジ部13を中心として放射状となるように連結してもよい。このようにすれば、積み重ねた複数の収納ケース10の一側が開放された部分となるので、単電池連結体3の各収納ケース10への設置が容易になり、組電池構築の作業性が向上する。しかも、組電池全体の強度が向上するのみでなく、横揺れにも強く、1つの収納ケース10のずれや脱落は皆無となる。
さらに、前記実施形態では、対向する2辺からそれぞれ極性の異なる電極タブTが引き出されているタイプの単電池Bを用いて組電池1を構成しているが、1辺のみに電極タブTが取り付けられているタイプの単電池Bを用いて組電池1を構成することもできる。特に、図15に示すような、複数のケース11,12を1つヒンジ部13を中心として放射状に連結したものに適用すれば、きわめて作業性のよいものとなり、実用的価値の高いものとなる。
本発明は、多数の単電池を直列に接続して組電池を形成する場合、2つの単電池を接続した単電池連結体を収納ケースに組み込み、これを多数積み重ねるので、揺れによる単電池のずれや脱落を防止できるのみでなく、構築する作業性の面でも有利となる。
本発明に係る組電池に使用される単電池を示す斜視図である。 単電池相互を接続し組電池とする構成を模式的に示す図である。 図2の要部拡大図である。 単電池連結体の収納ケースを示す斜視図である。 図4の5−5線に沿う同収納ケースの断面図である。 同収納ケースの下ケースの平面図である。 同収納ケースの上ケースの平面図である。 単電池連結体を収納ケースに組み付ける直前の状態を示す断面図である。 単電池連結体を収納ケースに設置した状態を示す断面図である。 単電池連結体を収納し収納ケースを閉じる状態を示す断面図である。 収納ケースを積み重ねる状態を示す断面図である。 複数の収納ケースを積み重ねた状態を示す断面図である。 他の連結手段を示す斜視図である。 複数の収納ケースの他の積み重ね構造を示す断面図である。 複数の収納ケースのさらに他の積み重ね構造を示す断面図である。
符号の説明
10…収納ケース、
11…上ケース、
12…下ケース、
13…ヒンジ部、
16…電極加圧部、
17…位置決め手段、
18…電極部、
19…凹凸嵌合部、
h…収納ケースの内部寸法、
t…単電池の厚さ、
B…単電池、
Ka…係合部材、
Kb…被係合部材、
O…放熱孔、
R…連結手段、
Ta,Tb…電極タブ、
Z…絶縁部材。

Claims (15)

  1. 開閉可能な上ケースと下ケースを有する収納ケースと、
    当該収納ケース内に積層された状態で収納される複数個の単電池と、を有し
    前記収納ケースが閉じた状態で、前記収納ケース内の前記単電池を加圧し保持するようにした組電池であって、
    前記収納ケースは、複数の前記上ケースと下ケースをジグザグ状となるようにヒンジ部を介して連結したことを特徴とする組電池。
  2. 開閉可能な上ケースと下ケースを有する収納ケースと、
    当該収納ケース内に積層された状態で収納される複数個の単電池と、を有し、
    前記収納ケースが閉じた状態で、前記収納ケース内の前記単電池を加圧し保持するようにした組電池であって、
    前記収納ケースは、複数の前記上ケースと下ケースがヒンジ部を中心として放射状となるように連結したことを特徴とする組電池。
  3. 開閉可能とされた少なくとも一対の上ケースと下ケースから構成された収納ケースと、
    当該収納ケース内に積層された状態で収納される複数個の単電池と、を有し
    当該複数個の単電池を前記収納ケース内に収納した状態で、前記上ケースと下ケースを閉じることにより前記単電池を積層方向の両面から加圧し保持する組電池であって、
    前記収納ケースは、複数の前記上ケースと下ケースがジグザグ状となるようにヒンジ部を介して連結したことを特徴とする組電池。
  4. 開閉可能とされた少なくとも一対の上ケースと下ケースから構成された収納ケースと、
    当該収納ケース内に積層された状態で収納される複数個の単電池と、を有し
    当該複数個の単電池を前記収納ケース内に収納した状態で、前記上ケースと下ケースを閉じることにより前記単電池を積層方向の両面から加圧し保持する組電池であって、
    前記収納ケースは、複数の前記上ケースと下ケースがヒンジ部を中心として放射状となるように連結したことを特徴とする組電池。
  5. 前記収納ケースは、複数個上下積み重ね状態を保持する連結手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の組電池。
  6. 前記連結手段は、上下に位置する収納ケースのいずれか一方に形成された係合部材と、いずれか他方に形成された被係合部材とから構成したことを特徴とする請求項5に記載の組電池。
  7. 前記収納ケースは、内部に一対の単電池を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の組電池。
  8. 前記収納ケースは、前記各単電池から突出された電極タブを加圧し電気的に接続する電極加圧部を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の組電池。
  9. 前記収納ケースは、前記上ケースおよび/または下ケース内に前記積層された単電池を保持する位置決め手段を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の組電池。
  10. 前記収納ケースは、当該収納ケースと他の収納ケースが積み重ねられたとき、当該収納ケース内の単電池から突出された電極タブと、前記他の収納ケースの単電池から突出された電極タブとを電気的に接続する電極部を有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の組電池。
  11. 前記電極部は、収納ケースが積み重ねられたとき凹凸嵌合する凹凸嵌合部を有することを特徴とする請求項10に記載の組電池。
  12. 前記収納ケースは、前記電極部と電気的に接続される電極タブ間に絶縁部材を設けたことを特徴とする請求項10または11に記載の組電池。
  13. 前記積層された単電池の厚さは、前記収納ケースの内部寸法より厚くなるようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の組電池。
  14. 前記電極加圧部は、前記ヒンジ部の近傍に設けたことを特徴とする請求項8に記載の組電池。
  15. 前記収納ケースは、放熱孔が多数開設されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の組電池。
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