JP4595046B2 - りん酸塩皮膜処理装置及び化成皮膜処理装置 - Google Patents

りん酸塩皮膜処理装置及び化成皮膜処理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、りん酸塩皮膜処理装置及び化成皮膜処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般に、冷間鍛造用の潤滑下地や、塗装下地等として、金属素材の表面にりん酸塩皮膜を形成することが行われているが、一般の浸漬法ではステンレス鋼にはりん酸塩皮膜を形成することが困難である。そのため、ステンレス鋼には、しゅう酸塩処理を行ってしゅう酸塩皮膜を形成させることが多い。しかし、しゅう酸塩皮膜に比べてりん酸塩皮膜の方が相対的に優れているため、ステンレス鋼にもりん酸塩皮膜を形成できる手法が望まれている。これに対して、本出願人は、電解処理を行うことによってステンレス鋼にりん酸塩皮膜を形成する手法を開発した。
【0003】
かかる電解処理によってりん酸塩皮膜を形成することが可能になったが、次に問題となったのは、いかにして均一に且つ高速に皮膜を形成するかであった。これは、冷間鍛造の製造工程等への適用の観点から非常に重要な課題である。
【0004】
それゆえに、本発明は、皮膜を均一且つ高速に形成することができるりん酸塩皮膜処理装置及び化成皮膜処理装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、まず、図5のように、断面的に見て、円柱状の金属素材Wの左右両側にそれぞれ平板状の陽極αを互いに略平行に配置し、金属素材Wに陰極βを当接させて電解処理(この場合は陰極電解)を試みた。しかしながら、均一なりん酸塩皮膜を得ることは困難で、短時間では部分的に皮膜が形成されない箇所も存在し、特に、素材Wの上下部分や両端面において顕著であった。
【0006】
そこで、更に鋭意研究を重ねた結果、金属素材全体を電極で覆うようにすることで表面に均一な皮膜を素早く形成することができることを見出し本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
即ち、本発明に係るりん酸塩皮膜処理装置は、金属素材を所定の電解液で電解処理することにより金属素材にりん酸塩皮膜を形成するりん酸塩皮膜処理装置であって、陽極と陰極のうち、一方の電極は金属素材に当接し、他方の電極は金属素材から所定の間隔をおいて配置され、該他方の電極は、筒状に形成されて金属素材を全長に亘って覆うように構成されていることを特徴とする。
ここで、筒状とは、円筒状のみならず角筒状も含み、周方向に分断されている構成も含まれる。また、金属素材を全長に亘って覆うとは、金属素材が筒状の電極の端部から外方にはみ出ないことを意味し、金属素材の端部と筒状の電極の端部が略面一である場合も含まれる。
【0008】
該構成においては、金属素材を全長に亘って覆うように電極が筒状に形成されているため、例えば金属素材が円柱状の場合には素材の周面に全周に亘って均一なりん酸塩皮膜が形成される。また、筒状の電極で素材を覆っているため、上述したような平板状の電極に比して高速に皮膜を形成することができる。
【0009】
特に、筒状に形成した他方の電極を陽極とし、金属素材に当接する一方の電極を陰極として陰極電解処理を行う構成とすることが好ましい。金属素材に当接する一方の電極を陽極にする陽極電解処理の構成の場合にも高速且つ均一に皮膜を形成することが可能であるが、スラッジの発生という問題がある。これに対して、陰極電解とすることによりスラッジの発生を抑制できるという利点がある。
【0010】
また、金属素材に当接する電極を金属素材に点接触させる構成とすることが好ましい。接触面積を最小限に抑えることで、より一層均一な皮膜を得ることが可能になる。
【0011】
また、他方の電極は略水平に設置され、一方の電極は、他方の電極の周壁を内外に貫通して金属素材に当接するよう構成され、他方の電極の内面には中心に向けて絶縁体の支持部材が突設されており、該支持部材と一方の電極とにより、金属素材を他方の電極の略中心に保持する構成とされていることが好ましい。
【0012】
この構成では、筒状の電極を略水平に設置すると共に、金属素材に当接させる一方の電極を利用することにより、簡易な構成で確実に素材を略中心に保持させることができるうえに、略中心に保持することで、皮膜もより一層均一となる。
【0013】
更に、略水平な回転中心軸を有する回転体が、その下側所定領域が電解液に浸漬するように設置され、該回転体に、複数の他方の電極が回転体の周方向に沿って所定間隔毎に取付固定され、一方の電極も他方の電極に対応してそれぞれ設置されており、回転体の回転に応じて他方の電極内の金属素材が電解液中を通過する間にりん酸塩皮膜を形成することが好ましい。
【0014】
この構成では、筒状の電極内に順次素材を入れ、回転体の回転によって電解液中に効率よく素材を投入できる。即ち、大量の素材を短時間で高速に処理することができ、これにより、例えば冷間鍛造のプレス機を設置した製造工程上に組み込んで一ライン化することが可能となる。しかも、筒状の電極が略水平で、一方の電極と支持部材によって素材を保持する構成のため、回転体の回転によっても確実に素材を保持することができる。
【0015】
また、一方の電極を陰極に、他方の電極を陽極とすると共に、陰極の先端が電解液中では下方を、電解液外では上方を向くように各電極を設置することが好ましい。電解液外で陰極の先端が上方を向くため、陰極に付着した電解液が先端から下方に向けて流れ、その結果先端に液が残存することを抑制できる。従って、液が残存した場合に陰極の先端に薄く形成されることのある皮膜を、別途研磨等して除去する手間や構成を省くことができる。
【0016】
また、本発明に係る化成皮膜処理装置は、金属素材を所定の電解液で電解処理することにより金属素材に化成皮膜を形成する化成皮膜処理装置であって、陽極と陰極のうち、一方の電極は金属素材に当接し、他方の電極は金属素材から所定の間隔をおいて配置され、該他方の電極は、金属素材を全長に亘って覆うように筒状に形成されていることを特徴とする。
【0017】
ここで、化成皮膜としては、りん酸塩皮膜の他、しゅう酸塩、アルミフッ化物、酸化銅やフッ化チタン等の皮膜がある。これらの化成皮膜についても、従来以上の高速化と均一化が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参酌しつつ本発明に係るりん酸塩皮膜処理装置の一実施形態について説明する。尚、図2においてハッチングは省略されている。
また、皮膜形成する金属素材は、種々の形状のものが対象となるが、以下の説明では、金属素材として冷間鍛造されるビレット、特に、段付き円柱状のビレットを対象にして説明する。尚、ビレットとは、所定長さを有する円柱状、角柱状、円筒状、角筒状のものとする。
【0019】
本実施形態におけるりん酸塩皮膜処理装置は、図1及び図2のように、所定の電解液が溜められる電解槽1と、その電解槽1中の電解液に下側所定領域が浸かるように設置された回転体としての回転板2とを備えている。
【0020】
ここで、電解液としては種々のものを採用することができる。例えば、亜鉛イオン、りん酸イオン及び硝酸イオンを含み、更に好ましくは、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、マンガン、クロム、鉄、ニッケルからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属イオンを含むりん酸塩処理液を使用することができる。より詳細には、亜鉛イオンが20乃至50g/L、りん酸イオンが20乃至70g/L、硝酸イオンが30乃至80g/Lを含有することが好ましく、更に、亜硝酸イオン、過酸化水素、塩素イオン等の酸化剤を含有させることが好ましい。
また、膜厚は、処理液の濃度や温度、電流密度、処理時間で行うことができる。処理液の温度は室温から80℃とすることが好ましく、電流密度は20乃至100A/dm2 が好ましい。
【0021】
一方、図2のように、電解槽1の上方にはモータ3によって駆動力を付与される回転中心軸4が略水平に設けられており、該回転中心軸4の一端側に前記回転板2が同軸的且つ一体的に取付固定されている。
【0022】
回転板2の外周部には、複数の電極枠5が回転板2の周方向に沿って所定間隔毎に取付固定されている。具体的には、図1のように、同一円上に30度間隔で合計12個取り付けられている。但し、電極枠5の間隔や個数はこれに限定されない。尚、モータの制御により、回転板2も30度毎の間欠回転する。該電極枠5は、その略中央には回転中心軸4と略平行な軸線を有する丸孔が前後に貫通するように形成されて、図3及び図4のように全体として筒状を呈している。電極枠5は、樹脂等の絶縁体から形成されており、その内面に円筒状の陽極αが固着されている。即ち、本実施形態では、陽極αを円筒状に形成しており、それを回転板2に電極枠5を介して略水平に取り付けている。
【0023】
円筒状に形成した陽極αの大きさは、皮膜処理するビレットWの全長や径等のサイズによるが、少なくとも、ビレットWを全長に亘って覆うことができる程度の長さを必要とする。陽極αの全長をビレットWの全長と略等しくしてビレットWの端部W1と陽極αの端部α1が略面一になってもよい。但し、陽極αの端部α1からビレットWが外方にはみ出ないようにする必要がある。
【0024】
該陽極αは、0.5mm厚程度の薄板状のチタン板が使用され、その内面には白金メッキが施されている。尚、後述する陰極βも含め電極は、カーボン、ステンレス、白金、チタン合金、チタン−白金被覆合金(通称DSE)等を使用できる。また、電解液に含まれる金属イオンと同種の金属を陽極αとすることで金属イオンの供給を連続的に行うこともできるが、その場合には、電解液中の金属イオン量が一定量に保たれるように液管理する必要がある。
【0025】
次に、ビレットWを陽極αの断面視略中心に保持する保持手段について説明する。
図3及び図4に示すように、丸棒状の陰極βが、電極枠5及び陽極αの周壁を内外に貫通するように各電極枠5毎に設けられている。該陰極βは、樹脂等の絶縁体からなる円筒状のスリーブ6で被覆されている。該スリーブ6の一端から表出する陰極βの先端β1は尖った形状となっており、その先端β1がビレットWの周面に点接触する構成である。また、陰極βの基端部β2は中空状の回転中心軸4の内部を軸方向に通って、回転中心軸4の他端部に設けられたスリップリング7に配線8により接続されている。
尚、陰極βは、図1のように正面から見て(軸方向に見て)回転中心軸4の中心と陽極αの中心とを結ぶ線分に対して所定角度(本実施形態では15度)傾斜している。
【0026】
一方、図4に示すように、陽極αの後方側端部外周面にはチタン棒9の先端9aが溶着されている。該チタン棒9は回転板2の後面側を回転中心軸4に向けて伸びて回転中心軸4近傍位置で回転板2を前方に貫通しており、その略全長が熱収縮チューブにて被覆されている。そして、チタン棒9の基端部9bも、陰極βと同様に配線10によりスリップリング7と接続されている。そして、図1に示すように、両電極α,βが位置bから位置cの間に位置する間のみ通電するように制御されている。即ち、位置bにて通電が開始され、位置cで通電が終了する。
【0027】
一方、図3及び図4において、陰極βは円筒状の陽極αの径方向に出退可能に構成されている。具体的には、電極枠5の内側に位置する内ベース11に陰極βが固定され、該内ベース11は、電極枠5の外側に位置する外ベース12と一対の連結棒13によって連結されている。両ベース11,12は共に樹脂等の絶縁体から構成されている。そして、連結棒13には、外ベース12と電極枠5との間の位置に、各々コイルバネ14が装着されており、このコイルバネ14によって外ベース12は外側に向けて付勢され、従って、内ベース11及び陰極βも外側に向けて付勢されている。即ち、陰極βは付勢手段たるコイルバネ14により、陽極αの中心側に付勢されている。
【0028】
また、図3のように、陽極αの内面には中心に向けて樹脂等の絶縁体からなる支持部材としての支持ピン15が突設されている。該支持ピン15は、その先端15aが尖っていてビレットWの周面に点接触する。支持ピン15は、ボルトにより電極枠5の内面に取り付けられており、陽極αを径方向に貫通している。図3のように、陽極αを軸方向に見たときに周方向に所定の角度をおいて配設された一対の支持ピン15が、図4のように軸方向に二組設けられて、合計4つ設置されている。該支持ピン15は陰極βの反対側に位置する。即ち、回転板2を基準とすると、陰極βは回転板2の中心側に、支持ピン15は相対的に回転板2の外周側に位置する。この陰極βと複数の支持ピン15によってビレットWを陽極αの径方向に挟持する。この挟持する力は付勢手段としてのコイルバネ14の付勢力である。このように、陰極βと支持ピン15がビレットWを陽極αの略中心に保持する保持手段を構成する。尚、陰極βは、常時陽極αの中心に向けて付勢されていてビレットWを支持ピン15と共にクランプする状態にあるが、そのクランプの解除は図示しないエアシリンダにて行う。尚、図3において、クランプ解除の状態を実線で、クランプ状態を二点鎖線で各々示している。
【0029】
更に、図1において、位置aがビレットWを陽極α内に投入する投入位置で、位置dが陽極α内から皮膜処理後のビレットWを排出する排出位置である。投入及び排出は共に回転板2の前方側から行われる。この投入排出両位置a,dの時のみ、エアシリンダを作動させて陰極βを退状態としてクランプ解除の状態とする。それ以外は、エアシリンダを作動させず、コイルバネ14の付勢力によって陰極βは出状態にあり、投入位置aから排出位置dの間はビレットWをクランプする。
【0030】
また、投入の際には、まず、エアシリンダを作動させて陰極βを退状態とする。投入位置aでは、陰極β及び支持ピン15が略左右方向にあるため、上面がV字状の支持ベース16にビレットWを載置し、ビレットWを支持ベース16と共に陽極α内に前方側から軸方向に挿入する。そして、エアシリンダを停止させて陰極βをコイルバネ14のバネ力によって出状態としてビレットWをクランプした後、支持ベース16のみが陽極αから軸方向に退出する。
【0031】
排出の際は、支持ベース16が陽極α内に挿入されてビレットWの下方位置にきた後、エアシリンダを作動させて陰極βを退状態としてビレットWを支持ベース16に載置し、支持ベース16がビレットWと共に陽極α内から前方側に退出する。
尚、陰極βは電極枠5より中心側に位置する構成であり、従って、陰極βは、その先端β1が電解液中では下方側を、また、電解液外では上方を向く。
【0032】
以上の装置においては、陽極αが図5に示したような平板状ではなく円筒状に形成されているので、ビレットWの周面全体に均一にりん酸塩皮膜を形成することができる。しかも、陽極αがビレットWを全長に亘って覆うため、ビレットWの端面にも均一に皮膜形成できる。このように、円筒状に形成し且つ全長を覆う構成なるため、均一な皮膜を高速に形成することができるのである。特に、本実施形態の如くビレットWを陽極αの略中心に保持すると、より一層均一に皮膜形成するできる。
また、陰極βの先端β1をビレットWに点接触させていること、及び、支持ピン15も点接触させていることも、皮膜の均一化に寄与する。
【0033】
一方、本実施形態では、ビレットWに当接する電極を陰極βとする陰極電解であるためスラッジの発生を抑制できる。但し、逆に陽極αをビレットWに当接させて陽極電解することもでき、その場合でも皮膜を均一に且つ高速に形成することができる。
また、ビレットWに当接させる陰極βを保持手段として利用する構成であるため、保持手段の構成を簡略化することができ、装置全体を簡易なものにできる。
【0034】
以上の装置では、投入位置aで順次陽極α内にビレットWが投入され、投入されたビレットWは回転板2の回転に応じて電解液中を通過する。位置bから位置cまでの間に通電が行われ、その間に皮膜が形成され、その後、皮膜処理が完了したビレットWは排出位置dから順次排出されて、下流の工程へと送られる。
【0035】
このように、回転板2に複数の陽極αを取り付けた構成ゆえに、回転板2の回転を利用して電解液中に順次ビレットWを送り込んで皮膜処理することができる。即ち、回転板2の回転を利用した本装置によって、連続的に、しかも、短い間隔で大量のビレットWを皮膜処理することができる。従って、この装置をプレス機へとつながる一連の製造ライン上に配置して、プレス機の処理能力に対応した皮膜処理を行うことができるのである。
【0036】
尚、上記実施形態では、支持ピン15側を回転板2の外周側に、陰極β側を回転板2の中心側に配置する構成を採用したが、逆に配置してもよい。但し、陰極β側を回転板2の中心側に配置することにより、陰極βの先端β1が電解液外では上方を向くようになり、その結果、陰極βに付着した電解液が先端β1から下方の基端β2側に向けて流れることになる。陰極βの先端β1に電解液が多く残存していると、先端β1に薄く皮膜が形成されるおそれがあり、別途先端β1をこまめに研磨等する手間が必要となる。また、研磨の機構を設けることも必要となり、装置も複雑になる。従って、電解液外で先端β1が上方を向くようにすれば、陰極βの先端β1研磨の手間や構成を省くことができ、研磨する場合でも簡易な研磨で済む。
【0037】
また、陽極αを円筒状にしたが、断面視楕円形状の筒状や断面視多角形の角筒状としてもよい。更に、筒状の形状も、周方向に連続していなくても、例えば、二つ割りや三ツ割等のように部分的に分断されて周方向に不連続な形状としてもよい。また、軸方向に不連続でもよく、網目の筒状とすることもできる。
【0038】
尚、上記説明では、電解槽1に電解液としてりん酸塩処理液を入れ、ステンレス鋼からなるビレットWを対象としたりん酸塩処理装置について説明したが、該装置の電解槽1に電解液として他の処理液、例えばしゅう酸塩処理液を入れてしゅう酸塩皮膜処理装置として使用したり、その他の化成皮膜処理装置として使用することもできる。その場合でも、従来以上に均一且つ高速に皮膜形成することが可能である。従って、ビレットWもステンレス鋼に限らず、炭素鋼、クロム鋼、クロム−モリブデン鋼、ニッケル−クロム鋼、ニッケル−クロム−モリブデン鋼、ボロン鋼、マンガン鋼等の鉄鋼材料や、アルミニウム、マグネシウム、チタン、銅等の非鉄材料等、種々の導電性材料が対象となる。
【0039】
尚、上記実施形態では、円筒状の陽極αを略水平に設置したが、略垂直等に設置してもよい。但し、略水平に設置することにより、簡易な構成でビレットWを確実に保持できるという利点がある。
【0040】
また、ビレットWを保持する保持手段として陰極βを利用する構成を採用したが、陰極βに代えて絶縁体からなる保持部材を別途設けてもよい。
【0041】
更に、回転体として円板状の回転板2を使用したが、回転中心軸4から径方向に伸びる複数のスポークからなる回転体とするなど、回転体の構成も適宜設計変更可能である。無論、回転体を使用した、いわゆるロータリー式の構成を採用する以外にも、ビレットWを保持しながら上下移動して電解液にビレットWを所定時間漬けて皮膜形成する構成等、種々の構成を採用できる。また、上述したが、陰極β側を筒状に形成してもよい。何れにしても、陰陽両極のうち、ビレットWに当接させずにビレットWから所定の間隔をおいて配置する側の電極を筒状に形成し、筒状の電極でビレットWを全長に亘って覆うように構成することにより、均一且つ高速な皮膜形成が可能になるのである。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、金属素材から所定の間隔をおいて配置される側の電極を筒状に形成して金属素材を全長に亘って覆う構成としたので、りん酸塩皮膜、化成皮膜を均一に且つ高速に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるりん酸塩皮膜処理装置の概略正面図。
【図2】同装置の概略断面側面図。
【図3】同装置の要部を示す一部断面を含む拡大図。
【図4】図2の部分拡大図。
【図5】従来の装置の概略説明図。
【符号の説明】
1…電解槽、2…回転板(回転体)、3…モータ、4…回転中心軸、5…電極枠、6…スリーブ、7…スリップリング、8,10…配線、9…チタン棒、11…内ベース、12…外ベース、13…連結棒、14…コイルバネ、15…支持ピン(支持部材)、16…支持ベース、α…陽極、β…陰極、W…ビレット(金属素材)

Claims (7)

  1. 金属素材を所定の電解液で電解処理することにより金属素材にりん酸塩皮膜を形成するりん酸塩皮膜処理装置であって、陽極と陰極のうち、一方の電極は金属素材に当接し、他方の電極は金属素材から所定の間隔をおいて配置され、該他方の電極は、筒状に形成されて金属素材を全長に亘って覆うように構成されていることを特徴とするりん酸塩皮膜処理装置。
  2. 一方の電極は陰極で、他方の電極は陽極である請求項1記載のりん酸塩皮膜処理装置。
  3. 一方の電極は金属素材に点接触する請求項1又は2記載のりん酸塩皮膜処理装置。
  4. 他方の電極は略水平に設置され、一方の電極は、他方の電極の周壁を内外に貫通して金属素材に当接するよう構成され、他方の電極の内面には中心に向けて絶縁体の支持部材が突設されており、該支持部材と一方の電極とにより、金属素材を他方の電極の略中心に保持する構成とされている請求項1乃至3の何れかに記載のりん酸塩皮膜処理装置。
  5. 略水平な回転中心軸を有する回転体が、その下側所定領域が電解液に浸かるように設置され、該回転体に、複数の他方の電極が回転体の周方向に沿って所定間隔毎に取付固定され、一方の電極も他方の電極に対応してそれぞれ設置されており、回転体の回転に応じて他方の電極内の金属素材が電解液中を通過する間にりん酸塩皮膜を形成する請求項4記載のりん酸塩皮膜処理装置。
  6. 一方の電極は陰極で、他方の電極は陽極であり、陰極は、その先端が電解液中では下方を、電解液外では上方を向くように設置されている請求項5記載のりん酸塩皮膜処理装置。
  7. 金属素材を所定の電解液で電解処理することにより金属素材に化成皮膜を形成する化成皮膜処理装置であって、陽極と陰極のうち、一方の電極は金属素材に当接し、他方の電極は金属素材から所定の間隔をおいて配置され、該他方の電極は、金属素材を全長に亘って覆うように筒状に形成されていることを特徴とする化成皮膜処理装置。
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