JPH05148687A - 金属箔連続電解製造装置 - Google Patents
金属箔連続電解製造装置Info
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- JPH05148687A JPH05148687A JP31467091A JP31467091A JPH05148687A JP H05148687 A JPH05148687 A JP H05148687A JP 31467091 A JP31467091 A JP 31467091A JP 31467091 A JP31467091 A JP 31467091A JP H05148687 A JPH05148687 A JP H05148687A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 陽極寿命が長く、添加剤等の消耗量が少ない
金属箔の電解製造装置。 【構成】 円筒型陰極に金属を電解によって析出させて
連続的に金属箔を製造する電解金属箔連続製造装置にお
いて、円筒型陰極に対向する陽極が曲面状の板状体の表
面に金属棒、エキスパンデッドメタルを取り付ける等の
方法によって凹凸を形成した金属基体上に白金族の金属
または白金族の金属酸化物を含む被覆を有する不溶性金
属陽極を設けた。 【効果】 凹凸のない陽極を用いたものに比べて大幅に
寿命を延長することができる。
金属箔の電解製造装置。 【構成】 円筒型陰極に金属を電解によって析出させて
連続的に金属箔を製造する電解金属箔連続製造装置にお
いて、円筒型陰極に対向する陽極が曲面状の板状体の表
面に金属棒、エキスパンデッドメタルを取り付ける等の
方法によって凹凸を形成した金属基体上に白金族の金属
または白金族の金属酸化物を含む被覆を有する不溶性金
属陽極を設けた。 【効果】 凹凸のない陽極を用いたものに比べて大幅に
寿命を延長することができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属箔の連続電解製造
装置に関するもので、とくに回転する円筒型陰極に対向
する不溶性金属陽極に特徴を有するものである。
装置に関するもので、とくに回転する円筒型陰極に対向
する不溶性金属陽極に特徴を有するものである。
【0002】
【従来の技術】銅箔の製造には種々の方法があるが、主
なものは圧延ローラーによって加圧すして延伸する方法
と電解によって製造する方法である。圧延による方法
は、箔の厚みを薄くするにしたがってローラー間の距
離、箔の引張り力等の調整のために圧延装置等の制御が
複雑となるという問題点を有している。
なものは圧延ローラーによって加圧すして延伸する方法
と電解によって製造する方法である。圧延による方法
は、箔の厚みを薄くするにしたがってローラー間の距
離、箔の引張り力等の調整のために圧延装置等の制御が
複雑となるという問題点を有している。
【0003】これに対して、電解法による銅箔の製造方
法は、薄い銅箔を製造する目的に適した方法である。こ
の方法は1920年代末から1930年代に、アメリカ
人イエーツとシェークスピアによって開発され、実用化
されたものである。とくに、電解銅箔は、トランジスタ
等の素子のとともに開発された新しい配線方法であるプ
リント基板用の材料としてひろく用いられている。
法は、薄い銅箔を製造する目的に適した方法である。こ
の方法は1920年代末から1930年代に、アメリカ
人イエーツとシェークスピアによって開発され、実用化
されたものである。とくに、電解銅箔は、トランジスタ
等の素子のとともに開発された新しい配線方法であるプ
リント基板用の材料としてひろく用いられている。
【0004】図3は電解法による銅箔製造装置である
が、銅箔製造装置31は電解槽32内にの電解液33中
に曲面の半分が没するように回転可能な円筒型陰極34
が設けられており、円筒型陰極に対向して曲面状の陽極
35が設けられている。円筒型陰極34と陽極35との
間の空間には陽極に設けた電解液供給スリット36から
電解液が供給され、電解液中から陰極表面に析出した金
属銅37は、陰極面から接線方向にひきはがしながら連
続的に生産する装置である。この装置の基本的な構成は
開発の当初のものと変化していないが、より高度な製品
を能率よく製造するための工夫が広く行われており、製
品精度、製造速度は、格段の進歩をとげている。
が、銅箔製造装置31は電解槽32内にの電解液33中
に曲面の半分が没するように回転可能な円筒型陰極34
が設けられており、円筒型陰極に対向して曲面状の陽極
35が設けられている。円筒型陰極34と陽極35との
間の空間には陽極に設けた電解液供給スリット36から
電解液が供給され、電解液中から陰極表面に析出した金
属銅37は、陰極面から接線方向にひきはがしながら連
続的に生産する装置である。この装置の基本的な構成は
開発の当初のものと変化していないが、より高度な製品
を能率よく製造するための工夫が広く行われており、製
品精度、製造速度は、格段の進歩をとげている。
【0005】このために、 (1)電解液中から金属銅を析出させる円筒型の陰極材
料を、初期の硬鉛からチタン、ステンレススチール製と
し、陰極表面の精度の向上と、高電流密度の通電を可能
とした。 (2)電解槽内での電解液の流れをより速く、均一にす
ることによって、10〜20A/dm2 の電流密度であ
ったものを、50〜100A/dm2 の高電流密度での
運転が可能となった。 (3)電解液中に加える添加物を入れるとともに、添加
物の改良を行った。 (4)陽極を不溶性の鉛合金として、その耐久性を向上
させるとともに高電流密度による高速化が行われた。
料を、初期の硬鉛からチタン、ステンレススチール製と
し、陰極表面の精度の向上と、高電流密度の通電を可能
とした。 (2)電解槽内での電解液の流れをより速く、均一にす
ることによって、10〜20A/dm2 の電流密度であ
ったものを、50〜100A/dm2 の高電流密度での
運転が可能となった。 (3)電解液中に加える添加物を入れるとともに、添加
物の改良を行った。 (4)陽極を不溶性の鉛合金として、その耐久性を向上
させるとともに高電流密度による高速化が行われた。
【0006】このようにして、基本的にはプロセスは変
化してはいないが、以前のものに比べて電流密度のみで
3〜6倍又はそれ以上になっており、薄厚み分布精度も
大幅に向上している。
化してはいないが、以前のものに比べて電流密度のみで
3〜6倍又はそれ以上になっており、薄厚み分布精度も
大幅に向上している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】鉛合金製の陽極は変形
しやすく、また鉛あるいは陽極の鉛合金のその他の成分
がわずかながら電解液中へ溶出し、これらの溶出した物
質が銅箔中の不純物の原因となる。そこで、こうした問
題を解決するために鉛合金製の不溶性陽極に代えて、D
SEまたはDSAの商品名で本出願人等が提供している
チタン、タンタル等の弁金属製の基体上に白金族の金属
あるいは金属酸化物を主成分とする不溶性金属陽極が電
解銅箔の製造に採用されはじめている。
しやすく、また鉛あるいは陽極の鉛合金のその他の成分
がわずかながら電解液中へ溶出し、これらの溶出した物
質が銅箔中の不純物の原因となる。そこで、こうした問
題を解決するために鉛合金製の不溶性陽極に代えて、D
SEまたはDSAの商品名で本出願人等が提供している
チタン、タンタル等の弁金属製の基体上に白金族の金属
あるいは金属酸化物を主成分とする不溶性金属陽極が電
解銅箔の製造に採用されはじめている。
【0008】鉛合金製の不溶性陽極は、添加する合金成
分等を工夫したり、陽極に種々の改良が加えられている
が、依然として数mg/Ahの割合で電解液中に溶解し
たり、細粒となって電解液中に懸濁する。これに対し
て、弁金属上に白金族の金属またはその酸化物を被覆し
た陽極の溶解量は鉛陽極の溶解量の1/1000以下で
あり、銅電解用の電解液を汚染する問題はなくなった。
箔厚み分布が均一な金属箔が得られるようになった電解
金属箔連続製造装置においては、通電電流を高電流密度
化して高速化を行うことが最大の課題である。このため
には、陰極面に十分な量の金属イオンを供給すること、
つまり液流速を速くするとともに、高電流密度にも十分
な耐久性を有し電流分布を均一に保持できる不溶性陽極
を使用すること及び平滑性の良好な箔を得るために電解
浴用の適正な添加剤を加えることである。
分等を工夫したり、陽極に種々の改良が加えられている
が、依然として数mg/Ahの割合で電解液中に溶解し
たり、細粒となって電解液中に懸濁する。これに対し
て、弁金属上に白金族の金属またはその酸化物を被覆し
た陽極の溶解量は鉛陽極の溶解量の1/1000以下で
あり、銅電解用の電解液を汚染する問題はなくなった。
箔厚み分布が均一な金属箔が得られるようになった電解
金属箔連続製造装置においては、通電電流を高電流密度
化して高速化を行うことが最大の課題である。このため
には、陰極面に十分な量の金属イオンを供給すること、
つまり液流速を速くするとともに、高電流密度にも十分
な耐久性を有し電流分布を均一に保持できる不溶性陽極
を使用すること及び平滑性の良好な箔を得るために電解
浴用の適正な添加剤を加えることである。
【0009】一方、膠等の有機化合物からなる添加剤が
加えられた、電解液を10mm程度の間隔を設けた陽極
と陰極の間を高速で流して電解を行うと、低速で電解す
る場合に比べて添加した有機化合物が陽極酸化されて分
解するので、添加剤を加え続けなければならないという
問題がある。添加剤の陽極酸化による分解は過電圧の高
い鉛陽極に比べて小さいが、白金族の金属または金属酸
化物を含む被覆を形成した電極でも相当分解は起こり、
更に電流密度が高くなるほど分解が加速される。
加えられた、電解液を10mm程度の間隔を設けた陽極
と陰極の間を高速で流して電解を行うと、低速で電解す
る場合に比べて添加した有機化合物が陽極酸化されて分
解するので、添加剤を加え続けなければならないという
問題がある。添加剤の陽極酸化による分解は過電圧の高
い鉛陽極に比べて小さいが、白金族の金属または金属酸
化物を含む被覆を形成した電極でも相当分解は起こり、
更に電流密度が高くなるほど分解が加速される。
【0010】また、この有機化合物を主とする添加剤と
陽極との接触によって陽極寿命が、短縮されるという問
題点がある。すなわち、例えば膠を電解液中に10〜2
0ppm程度添加すると、白金族金属または金属酸化物
を含む被覆を形成した電極の場合には、電極寿命は添加
しない場合に比較して約半分となり、また電解液の流れ
によっては部分的に被覆が損耗し電解が不能となって、
均一な厚さの銅箔が作れなくなるという問題点があり、
さらには高電流密度の通電により電極の消耗が加速する
という問題があった。本発明は、長寿命で安定な陽極を
有する金属箔電解製造装置を提供することを目的とす
る。
陽極との接触によって陽極寿命が、短縮されるという問
題点がある。すなわち、例えば膠を電解液中に10〜2
0ppm程度添加すると、白金族金属または金属酸化物
を含む被覆を形成した電極の場合には、電極寿命は添加
しない場合に比較して約半分となり、また電解液の流れ
によっては部分的に被覆が損耗し電解が不能となって、
均一な厚さの銅箔が作れなくなるという問題点があり、
さらには高電流密度の通電により電極の消耗が加速する
という問題があった。本発明は、長寿命で安定な陽極を
有する金属箔電解製造装置を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属箔連続電
解製造装置において、円筒型陰極に対向する陽極が曲面
状の板状体の表面に凹凸を形成した金属基体上に白金族
の金属または白金族の金属酸化物を含む被覆を設けた不
溶性金属陽極からなるものである。金属箔の電解製造装
置に使用する陽極には、得られる金属箔を平滑にし、厚
みの分布の小さいものを得るために、従来は凹凸のない
曲面を有する陽極が好ましいものとされていた。
解製造装置において、円筒型陰極に対向する陽極が曲面
状の板状体の表面に凹凸を形成した金属基体上に白金族
の金属または白金族の金属酸化物を含む被覆を設けた不
溶性金属陽極からなるものである。金属箔の電解製造装
置に使用する陽極には、得られる金属箔を平滑にし、厚
みの分布の小さいものを得るために、従来は凹凸のない
曲面を有する陽極が好ましいものとされていた。
【0012】高速で金属箔を得るために、陰極表面に金
属イオンが速やかに供給されるように電解液を高速で陰
極円筒面を流すことが必要である。このために陰極に対
向する陽極の表面も平滑にした曲面状の陽極を用いてい
た。ところが、本発明者らが検討をしたところ、陰極円
筒と陽極との電極間隔が5mm以上、好ましくは7mm
以上あれば、対極である陽極表面にある程度大きさの凹
凸があっても、陰極表面における電解液の流れがほとん
ど阻害されないことを見出した。
属イオンが速やかに供給されるように電解液を高速で陰
極円筒面を流すことが必要である。このために陰極に対
向する陽極の表面も平滑にした曲面状の陽極を用いてい
た。ところが、本発明者らが検討をしたところ、陰極円
筒と陽極との電極間隔が5mm以上、好ましくは7mm
以上あれば、対極である陽極表面にある程度大きさの凹
凸があっても、陰極表面における電解液の流れがほとん
ど阻害されないことを見出した。
【0013】すなわち、陽極面に凹凸を形成しても陰極
との距離がある程度の大きさであれば、陰極表面での電
解液の流れは影響を受けることはないが、陽極表面では
凹凸によって電解液の流れが阻害され、電解液の滞留す
る部分も形成される。その結果、速い電解液の流速から
陽極を保護することができるものとみられる。しかも、
陽極表面の凹凸は実質的な陽極面積を増加することとな
り、実質的な陽極の電流密度を低下させることとなり、
高負荷の運転に耐えられるようにすることができる。
との距離がある程度の大きさであれば、陰極表面での電
解液の流れは影響を受けることはないが、陽極表面では
凹凸によって電解液の流れが阻害され、電解液の滞留す
る部分も形成される。その結果、速い電解液の流速から
陽極を保護することができるものとみられる。しかも、
陽極表面の凹凸は実質的な陽極面積を増加することとな
り、実質的な陽極の電流密度を低下させることとなり、
高負荷の運転に耐えられるようにすることができる。
【0014】電極間間隔が7mm以上あれば、陽極の表
面に2mm程度の凹凸であれば、箔厚分布を主とする箔
の品質には、ほとんど影響を及ぼさない。
面に2mm程度の凹凸であれば、箔厚分布を主とする箔
の品質には、ほとんど影響を及ぼさない。
【0015】陽極の曲面上への凹凸の形成は板状の陽極
基体の表面に直接機械加工によって形成しても良いし、
エッチングなどの化学的加工によって凹凸の形成を行っ
ても良い。また、チタンなどの陽極と同じ金属のエキス
パンデッドメタルを溶接などの方法によって板状の陽極
基体の表面に取り付けても良い。
基体の表面に直接機械加工によって形成しても良いし、
エッチングなどの化学的加工によって凹凸の形成を行っ
ても良い。また、チタンなどの陽極と同じ金属のエキス
パンデッドメタルを溶接などの方法によって板状の陽極
基体の表面に取り付けても良い。
【0016】陽極表面への白金族の金属または金属酸化
物を含む電極触媒物質の被覆の形成は、板状の陽極基体
の表面に凹凸を形成した後に、被覆を形成してもよい
が、あらかじめ電極触媒物質の被覆を形成した板状の陽
極に電極触媒物質の被覆を形成したエキスパンデッドメ
タルあるいは金属棒を取り付けても良い。エキスパンデ
ッドメタルの見かけの厚みは、2〜5mmとすることが
好ましく、棒を取り付けて凹凸を形成する場合には直径
が2〜5mmの棒を使用することが好ましい。陽極は円
筒型陰極と同様の曲面に形成することが必要であるが、
あらかじめ曲面状に加工した平板状の陽極基体上にエキ
スパンデッドメタルあるいは棒状の部材を溶接等の手段
によって取り付けても良く、あるいは平板状の陽極基体
に溶接等によって取り付けた後に曲面状に加工しても良
い。
物を含む電極触媒物質の被覆の形成は、板状の陽極基体
の表面に凹凸を形成した後に、被覆を形成してもよい
が、あらかじめ電極触媒物質の被覆を形成した板状の陽
極に電極触媒物質の被覆を形成したエキスパンデッドメ
タルあるいは金属棒を取り付けても良い。エキスパンデ
ッドメタルの見かけの厚みは、2〜5mmとすることが
好ましく、棒を取り付けて凹凸を形成する場合には直径
が2〜5mmの棒を使用することが好ましい。陽極は円
筒型陰極と同様の曲面に形成することが必要であるが、
あらかじめ曲面状に加工した平板状の陽極基体上にエキ
スパンデッドメタルあるいは棒状の部材を溶接等の手段
によって取り付けても良く、あるいは平板状の陽極基体
に溶接等によって取り付けた後に曲面状に加工しても良
い。
【0017】陽極の表面にこのような凹凸を形成するこ
とによって、陰極の表面は極めて液の流れの速い層流と
なり、陽極面は部分的に乱流となるが、陽極表面には凹
凸によって液の滞留が起こり、極表面への新鮮な電解液
の供給が阻害され、電解液中の添加剤と陽極との接触が
減少し、陽極の消耗量の減少とともに、添加剤の消耗量
が減少する。
とによって、陰極の表面は極めて液の流れの速い層流と
なり、陽極面は部分的に乱流となるが、陽極表面には凹
凸によって液の滞留が起こり、極表面への新鮮な電解液
の供給が阻害され、電解液中の添加剤と陽極との接触が
減少し、陽極の消耗量の減少とともに、添加剤の消耗量
が減少する。
【0018】金属箔の電解製造装置の陽極は、陰極での
金属箔の形成のための対極として電流を通電することが
その主な機能であるが、長寿命を要求されるので、チタ
ン、タンタルなどの弁金属基体上に白金族の金属または
白金族の金属酸化物を含む電極触媒物質を被覆したもの
が最適である。また、銅箔の製造のように硫酸浴中にお
いて電解する場合には、陽極表面では酸素発生反応が起
きるので、酸素発生の場合に消耗が少なく、しかも酸素
過電圧の極めて小さい、イリジウムの酸化物系の被覆を
行ったものが最適である。
金属箔の形成のための対極として電流を通電することが
その主な機能であるが、長寿命を要求されるので、チタ
ン、タンタルなどの弁金属基体上に白金族の金属または
白金族の金属酸化物を含む電極触媒物質を被覆したもの
が最適である。また、銅箔の製造のように硫酸浴中にお
いて電解する場合には、陽極表面では酸素発生反応が起
きるので、酸素発生の場合に消耗が少なく、しかも酸素
過電圧の極めて小さい、イリジウムの酸化物系の被覆を
行ったものが最適である。
【0019】
【作用】本発明は、金属箔連続電解製造装置において、
円筒型陰極に対向する陽極を曲面状の板状体の表面に凹
凸を形成した金属基体上に酸化イリジウムを含む被覆を
設けた不溶性金属陽極としたので、高速で金属箔を得る
ために、電解液の流速を高めて陰極表面に供給しても対
向する陽極の消耗を小さくし、同時に電解液中に添加す
る添加剤の陽極での酸化分解を低下させるとともに、陽
極の過電圧が小さくなるので、低い電圧の印加によって
金属箔を製造することができる。
円筒型陰極に対向する陽極を曲面状の板状体の表面に凹
凸を形成した金属基体上に酸化イリジウムを含む被覆を
設けた不溶性金属陽極としたので、高速で金属箔を得る
ために、電解液の流速を高めて陰極表面に供給しても対
向する陽極の消耗を小さくし、同時に電解液中に添加す
る添加剤の陽極での酸化分解を低下させるとともに、陽
極の過電圧が小さくなるので、低い電圧の印加によって
金属箔を製造することができる。
【0020】
【実施例】本発明を図面を示して説明する。図1は本発
明の金属箔電解製造装置の断面図を示した図である。金
属箔電解製造装置1は、電解槽2中の金属イオン等を含
む電解液3中には曲面が半分没した回転する円筒型陰極
4が設けられている。円筒型陰極4に対向して陽極5が
設けられているが、陽極の表面は滑らかな曲面ではな
く、曲面は凹凸6を有している。また陽極には少なくと
も1個の電解液供給スリット7が形成されている。
明の金属箔電解製造装置の断面図を示した図である。金
属箔電解製造装置1は、電解槽2中の金属イオン等を含
む電解液3中には曲面が半分没した回転する円筒型陰極
4が設けられている。円筒型陰極4に対向して陽極5が
設けられているが、陽極の表面は滑らかな曲面ではな
く、曲面は凹凸6を有している。また陽極には少なくと
も1個の電解液供給スリット7が形成されている。
【0021】円筒型陰極を回転しながら電解液供給スリ
ット7から電解液を供給し、電流を通電すると陰極の表
面に金属が析出する。析出金属8は接線方向に引き剥し
ながら巻き取られる。図2は、曲面に形成する前の陽極
の平面図を示したものであり、図2(A)は、板状の陽
極板21上に金属棒22を溶接したものである。また、
図2(B)は、陽極板21上にエキスパンデッドメタル
23を溶接したものである。
ット7から電解液を供給し、電流を通電すると陰極の表
面に金属が析出する。析出金属8は接線方向に引き剥し
ながら巻き取られる。図2は、曲面に形成する前の陽極
の平面図を示したものであり、図2(A)は、板状の陽
極板21上に金属棒22を溶接したものである。また、
図2(B)は、陽極板21上にエキスパンデッドメタル
23を溶接したものである。
【0022】実施例1 幅30cm、直径30cmのクロムメッキを施したステ
ンレススチール製の円筒型可動陰極の軸を液面と平行と
なるように配置し、可動陰極の曲面下側の1/2を取り
かこむように半円筒状の陽極を配置した。
ンレススチール製の円筒型可動陰極の軸を液面と平行と
なるように配置し、可動陰極の曲面下側の1/2を取り
かこむように半円筒状の陽極を配置した。
【0023】陽極はチタン板の表面に板厚0.5mmの
チタン板を見かけの厚みが1.5mmとなるように拡開
したエキスパンデッドメタルを溶接した。陽極の中央部
には陰極円筒の軸に平行に電解液供給用スリット設けて
おり、陽極面上には、平板時の陽極の投影面積1m2 当
たりイリジウムの被覆量が60gとなるように、イリジ
ウムとタンタルとをモル比で60:40の割合で含む塩
化イリジウム酸(H2IrCl6 ・nH2 O)とブチル
タンタレート((C4 H9 )・Ta)のブチルアルコー
ルと塩酸溶液を被覆液とし、あらかじめ前処理を行って
活性化した陽極表面に塗布し流通空気中で熱分解を行っ
て複合酸化物の被覆を形成した。
チタン板を見かけの厚みが1.5mmとなるように拡開
したエキスパンデッドメタルを溶接した。陽極の中央部
には陰極円筒の軸に平行に電解液供給用スリット設けて
おり、陽極面上には、平板時の陽極の投影面積1m2 当
たりイリジウムの被覆量が60gとなるように、イリジ
ウムとタンタルとをモル比で60:40の割合で含む塩
化イリジウム酸(H2IrCl6 ・nH2 O)とブチル
タンタレート((C4 H9 )・Ta)のブチルアルコー
ルと塩酸溶液を被覆液とし、あらかじめ前処理を行って
活性化した陽極表面に塗布し流通空気中で熱分解を行っ
て複合酸化物の被覆を形成した。
【0024】陽極に設けた電解液供給用スリットから、
150g/lの硫酸、銅として100g/lの硫酸銅
(5水塩)および50ppmの膠を含有する電解液を気
泡を含まない状態で60cm/秒の速度で供給しなが
ら、電流密度120A/dm2 で電解を行った。陰極に
析出した銅は電流効率100%において膜厚が35μm
を維持しながら連続的に巻き取り、濃度が低下した電解
液は別の槽において濃度を調整した後に電解槽へ供給し
たが、電解液の供給には全く支障はなく、電解で得られ
る箔の厚み分布にも問題はなかった。
150g/lの硫酸、銅として100g/lの硫酸銅
(5水塩)および50ppmの膠を含有する電解液を気
泡を含まない状態で60cm/秒の速度で供給しなが
ら、電流密度120A/dm2 で電解を行った。陰極に
析出した銅は電流効率100%において膜厚が35μm
を維持しながら連続的に巻き取り、濃度が低下した電解
液は別の槽において濃度を調整した後に電解槽へ供給し
たが、電解液の供給には全く支障はなく、電解で得られ
る箔の厚み分布にも問題はなかった。
【0025】銅箔の厚みの分布が大きくなって巻き取り
が問題となる時点を陽極の寿命としたところ、陽極の寿
命は2450時間であり、そのときの陽極の被覆の残留
量はは初期の約70%であり、膠の消費量は0.3g/
kAhであった。
が問題となる時点を陽極の寿命としたところ、陽極の寿
命は2450時間であり、そのときの陽極の被覆の残留
量はは初期の約70%であり、膠の消費量は0.3g/
kAhであった。
【0026】実施例2 陽極として、チタン板に直径3mmのチタン棒を陰極円
筒の回転軸に平行に棒を密にならべたものを用い、電流
密度100A/dm2 、電極間距離を8mmとした点を
除いて実施例1と同様にして電解を行ったところ、実施
例1と同様の電解による電極寿命は4500時間であっ
た。また、その時の膠の消費量は0.35g/kAhで
あった。
筒の回転軸に平行に棒を密にならべたものを用い、電流
密度100A/dm2 、電極間距離を8mmとした点を
除いて実施例1と同様にして電解を行ったところ、実施
例1と同様の電解による電極寿命は4500時間であっ
た。また、その時の膠の消費量は0.35g/kAhで
あった。
【0027】比較例1 陽極の表面に凹凸を形成しない点を除いて、実施例1と
同様に電解銅箔を製造したところ、陽極寿命は1450
時間であり、その時の残留被覆は初期の約40%であ
り、添加剤として加えた膠の消耗量は、0.9g/kA
hであった。
同様に電解銅箔を製造したところ、陽極寿命は1450
時間であり、その時の残留被覆は初期の約40%であ
り、添加剤として加えた膠の消耗量は、0.9g/kA
hであった。
【0028】
【発明の効果】本発明は、円筒型陰極に対向する陽極を
曲面状の板状体の表面に凹凸を形成した金属基体上に白
金族の金属または白金族の金属酸化物を含む被覆を設け
た不溶性金属陽極としたので、高速で金属箔を得るため
に、電解液の流速を高めて陰極表面に供給しても対向す
る陽極の消耗を小さくし、同時に電解液中に添加する添
加剤の陽極での酸化分解を低下させるとともに、陽極の
過電圧が小さくなるので、低い電圧の印加によって金属
箔を製造することができる。
曲面状の板状体の表面に凹凸を形成した金属基体上に白
金族の金属または白金族の金属酸化物を含む被覆を設け
た不溶性金属陽極としたので、高速で金属箔を得るため
に、電解液の流速を高めて陰極表面に供給しても対向す
る陽極の消耗を小さくし、同時に電解液中に添加する添
加剤の陽極での酸化分解を低下させるとともに、陽極の
過電圧が小さくなるので、低い電圧の印加によって金属
箔を製造することができる。
【図1】本発明の金属箔電解製造装置の断面図を示した
図である。
図である。
【図2】曲面に形成する前の陽極の平面図を示したもの
である。
である。
【図3】電解法による銅箔製造装置を示したものであ
る。
る。
1…金属箔電解製造装置、2…電解槽、3…電解液、4
…円筒型陰極、5…陽極、6…凹凸、7…電解液供給ス
リット、8…析出金属、21…陽極板、22…金属棒、
23…エキスパンデッドメタル、31…銅箔製造装置、
32…電解槽、33…電解液、34…円筒型陰極、35
…陽極、36…電解液供給スリット、37…金属銅
…円筒型陰極、5…陽極、6…凹凸、7…電解液供給ス
リット、8…析出金属、21…陽極板、22…金属棒、
23…エキスパンデッドメタル、31…銅箔製造装置、
32…電解槽、33…電解液、34…円筒型陰極、35
…陽極、36…電解液供給スリット、37…金属銅
Claims (3)
- 【請求項1】 円筒状の陰極表面に金属箔を電解によっ
て析出させる金属箔連続電解製造装置において、円筒型
陰極に対向した陽極が、曲面状の板状体の表面に凹凸を
形成した金属基体上に白金族の金属または白金族の金属
酸化物を含む被覆を設けた不溶性金属陽極からなること
を特徴とする金属箔連続電解製造装置。 - 【請求項2】 凹凸を形成した金属基体が金属棒または
エキスパンデッドメタルを板状の金属上に取り付けたも
のであることを特徴とする請求項1記載の金属箔連続電
解製造装置。 - 【請求項3】 金属基体上に形成する被覆の白金族の金
属酸化物が酸化イリジウムであることを特徴とする請求
項1記載の金属箔連続電解製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31467091A JPH05148687A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 金属箔連続電解製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31467091A JPH05148687A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 金属箔連続電解製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05148687A true JPH05148687A (ja) | 1993-06-15 |
Family
ID=18056137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31467091A Pending JPH05148687A (ja) | 1991-11-28 | 1991-11-28 | 金属箔連続電解製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05148687A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2289690A (en) * | 1994-05-24 | 1995-11-29 | Permelec Electrode Ltd | Electrode structure comprising conductive substrate having detachable electro de secured by detachable fixing means with elastic conductive layer interposed |
KR100729895B1 (ko) * | 2006-03-14 | 2007-06-18 | 엘에스전선 주식회사 | 전해 동박의 중량편차 보정장치 및 이를 구비하는 동박제조 장치 |
JP2010168643A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-08-05 | Mitsubishi Shindoh Co Ltd | めっき付銅条材の製造方法及び製造装置 |
-
1991
- 1991-11-28 JP JP31467091A patent/JPH05148687A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2289690A (en) * | 1994-05-24 | 1995-11-29 | Permelec Electrode Ltd | Electrode structure comprising conductive substrate having detachable electro de secured by detachable fixing means with elastic conductive layer interposed |
KR100729895B1 (ko) * | 2006-03-14 | 2007-06-18 | 엘에스전선 주식회사 | 전해 동박의 중량편차 보정장치 및 이를 구비하는 동박제조 장치 |
JP2010168643A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-08-05 | Mitsubishi Shindoh Co Ltd | めっき付銅条材の製造方法及び製造装置 |
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