JP4594851B2 - 樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 - Google Patents

樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、発光ダイオード素子の保護に使用される発光ダイオード(LED)素子用脂環式エポキシ樹脂組成物に関する。
従来、発光ダイオード素子の封止材料としては、一般的にエポキシ樹脂が用いられ、特に、透明性、耐熱性が良好な脂環骨格を有する液状のエポキシ化合物が多用されている。
しかしながら、脂環骨格を有するエポキシ化合物は、分子内にエステル結合を有するものが多く、ビスフェノール型のエポキシに比べて耐湿熱性が劣る。また、エステル基由来のUV領域に吸収を有するために、透明性が問題となる。LEDの光源は、より低波長なものが使用されるようになる傾向にあるものの、フェニル基含有エポキシ封止材やエステル基含有エポキシ封止材は、短波長領域での光透過性が悪い。このため、短波長領域を光源としたLEDに適用するのが困難である。さらに、エポキシ樹脂は、硬化剤としてアミン化合物やカルボン酸無水物を混入した二液系で広く利用されているが、これらの硬化剤を用いた二液系は、使用する直前に成分を混合しなければならない。このため、操作が煩雑である。また、低温での保存および輸送を余儀なくされたり、製造後には一定期間内に使い終わらなければならないなどの制約がある。そこで長年、常温で一液保存が可能なエポキシ樹脂組成物が望まれている。
かかる問題点を改善するために、一般的なビスフェノール型エポキシ樹脂の代わりに、脂環式エポキシ樹脂を主体とするモールド樹脂が開示されている(例えば、特許文献1参照)。脂環式エポキシ樹脂を主体として酸無水物で硬化させたエポキシ樹脂組成物は、光劣化の原因となる炭素−炭素間の2重結合が主骨格に殆ど含まれないため、長時間の光照射後も樹脂の劣化が少ない。
しかしながら、半導体チップを基板表面に直接実装する表面実装型素子(SMD型、SMD;Surface Mounted Device)では、モールド樹脂を薄膜に形成する必要があるため、硬化に時間を要する揮発性の酸無水物を硬化剤として用いることができない。また、酸無水物硬化剤を用いて得られたジ硬化物は吸湿性が高い。水添されたビスフェノールAのジグリシジルエーテルを含む光半導体封止用エポキシ樹脂も提案されている(例えば、特許文献2参照)。この樹脂は、硬化物の着色や耐候性、耐熱性等の問題がある。
特開2000−196151号公報 特開平9−255764号公報
本発明は、透明性の優れた硬化物が得られ、しかも貯蔵安定性の良好な樹脂組成物、およびこれを用いた樹脂封止型半導体装置を提供することを目的とする。
本発明の他の態様にかかる樹脂組成物は、樹脂成分、および
フェノール化合物とアルミニウム錯体とを含む硬化触媒を含有し、
前記樹脂成分は、少なくとも85重量%の下記一般式(A)で表わされる脂環式エポキシ基含有オルガノポリシロキサンと、残部の芳香族基あるいはエステル基を有さないエポキシ樹脂とからなり、
前記フェノール化合物は下記一般式(2)で表わされ、
前記アルミニウム錯体は下記一般式(3a)〜(3c)で表わされる少なくとも1種を含むことを特徴とする。
Figure 0004594851
(上記組成式(A)中、R4は、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基であり、R5は、水素原子、水酸基、アルコキシ基、あるいは炭素数1〜20のアルキル基である。p、qは、0.001≦p/(p+q)≦0.1を満たす数値である。)
Figure 0004594851
(上記一般式(2)中、Arは置換もしくは非置換の炭素数2〜14の芳香族基または複素芳香族基である。R10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。ただし、前記フェノール化合物は、炭素数が10以上の置換もしくは非置換のアルキル基、あるいは炭素数が10以上の置換もしくは非置換のアルキル基を有する環状有機構造を、分子内に1つ以上有する。kは1〜7の整数であり、jは1〜7の整数である。)
Figure 0004594851
(上記一般式中、R21は炭素数16〜22の置換もしくは非置換のアルキル基であり、R22、R23 は、水素原子またはメチル基であり、24水素原子、炭素数1〜30の置換もしくは非置換のアルキル基である。)
本発明の一態様にかかる樹脂封止型半導体装置は、半導体素子と、この半導体素子を封止する樹脂層とを具備し、前記樹脂層は前述の樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする。
本発明によれば、透明性の優れた硬化物が得られ、しかも貯蔵安定性の良好な樹脂組成物、およびこれを用いた樹脂封止型半導体装置が提供される。
以下、本発明の実施形態を説明する。
鋭意検討した結果、本発明者らは、特定の化合物を樹脂成分として用いることによって、硬化後に透明性の良好な半導体封止用樹脂組成物が得られることを見出した。
本発明の一実施形態にかかる樹脂組成物においては、下記一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂が所定の割合で樹脂成分中に含有される。
Figure 0004594851
上記一般式(1)中、R0はアルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミン類、およびチオール類から選択され、かつn個の活性水素を有する有機基であり、nは2〜100の整数である。
0として導入され得るn個の活性水素を有する有機化合物としては、以下のものが挙げられる。具体的には、脂肪族アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、およびプロパノール等が挙げられ、芳香族アルコールとしては、例えば、ベンジルアルコールが挙げられる。多官能アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、およびペンタエリスリトール等が挙げられる。また、フェノール類としては、例えば、フェノール、カテコール、ピロガロールおよびフェノール樹脂が挙げられ、カルボン酸類としては、例えば、酢酸、マレイン酸、フタル酸、およびアクリル酸等が挙げられる。また、乳酸のような水酸基とカルボキシル基を共に有する化合物を、R0として導入することもできる。アミン類としては、例えば、メチルアミン、ヘキサメチレンジアミン、およびジエチレントリアミン等が挙げられ、チオール類としては、メチルメルカプタン等のメルカプト類、メルカプトプロピオン酸あるいはメルカプトプロピオン酸の多価アルコールエステル等を挙げることができる。これらの有機化合物類の中では、透明性が優れていることから脂肪族系のものが、R0として特に好ましい。
封止材として十分な硬化物を得るために、R0は、上記一般式(1)で表わされる化合物中に少なくとも2つ、存在することが求められる。一方、R0が過剰に存在した場合には、得られる組成物の粘度が高くなりすぎて取り扱いが困難になる。これらを考慮して、nは2〜100の範囲内に規定した。nは、2〜10であることがより好ましい。
前記一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂の含有量は、樹脂成分の70〜95重量%に規定される。70重量%未満の場合には、基板等の密着性が十分な硬化物が得られない。一方、95重量%を越えて過剰に含有されると、硬化物の可撓性が乏しくなって、冷熱サイクル時にクラックが発生する場合がある。前記一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂の含有量は、樹脂成分の80〜95wt%であることが好ましい。
具体的には、前記一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂としては、例えば、EHPE3150(エポキシ当量185、軟化点85℃)、EHPE3156(エポキシ当量290、軟化点59℃)、EHPE3158(エポキシ当量214、軟化点59℃)(いずれも、ダイセル化学工業社製)などが挙げられる。
前記一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂は、例えば、以下の手法により合成することができる。まず、活性水素を一個以上含む化合物と4−ビニル−1−シクロへキセンとを反応させることによって、前駆体となるポリエーテル化合物を合成する。このポリエーテル化合物に含まれるビニル基を酸化してエポキシ化することによって、前記一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂が得られる。全てのビニル基を酸化させることが望ましいが、エポキシ基に対して10%以下であれば、目的の化合物中に残存していてもよい。ビニル基の残存率が10%を越えると、硬化物の光透過性が低下するおそれがある。
エポキシ化剤としては、例えば、過酸類、およびハイドロパーオキサイド類を挙げることができる。具体的には、過酸類としては、過ギ酸、過酢酸、および過安息香酸などを用いることができる。ハイドロパーオキサイド類としては、過酸化水素、クメンパーオキサイド類などを用いることができる。
樹脂成分の残部の少なくとも一部は、両末端エポキシ化シリコーン樹脂から構成され、具体的には、下記一般式(4)で表わされる化合物を用いることができる。
Figure 0004594851
前記一般式(4)中、R1は、炭素数1〜10の2置換もしくは非置換の2価のアルキレン基である。具体的には、R1としては、メチレン、ジメチレン、トリメチレン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、およびデシルメチレン等の分岐あるいは直鎖状の置換基やコレステロール等のステロイド骨格を有する化合物を用いることができる。これらは、同一であっても異なっていてもよい。合成のしやすさを考慮すると、メチル基またはエチル基がR1として好ましい。
2は、炭素数1〜10のアルキル基である。具体的には、R2としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、およびデシル等が挙げられる。
mは、0以上20以下の整数である。低粘度のシリコーン樹脂は希釈効果が優れていることから、mが0の場合も含まれる。一般的に、分子量が2、000より大きい長鎖のエポキシ化シリコーンオイルは、エポキシ樹脂との相溶性が非常に悪くなり、また反応性も低くなる傾向にあるために、mの上限は20に規定される。mは、10以下が好ましい。
上記一般式(4)で表わされる化合物としては、例えば、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサン(分子量362、エポキシ当量181、GE東芝シリコーン社製、TSL9906)、1,5−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、およびエポキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン(分子量1,000〜1,400、GELEST社、DMS−E11)等が挙げられる。
なお本発明の実施形態においては、上記一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂に加えて、さらに別のエポキシ樹脂を併用することも可能である。この場合には、封止樹脂の透明性の観点から、水添されているものが好ましい。1分子中に2個以上のエポキシ基を有する任意の水添型の化合物を用いることができる。
例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールD型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ナフトールノボラック型、ビスフェノールAのノボラック型、3官能型の各水添型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、および脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。ただし、こうしたエポキシ樹脂の配合量は、全エポキシ樹脂中20重量%以下とすることが好ましい。20重量%を越えると、得られる硬化物の光透過性が低下するおそれがある。
本発明の実施形態にかかる樹脂組成物には、特定のフェノール化合物とアルミニウム錯体とを含む硬化触媒が含有される。
フェノール化合物は、下記一般式(2)で表わされる化合物である。
Figure 0004594851
上記一般式(2)中、Arは置換もしくは非置換の炭素数2〜14の芳香族基または複素芳香族基である。具体的には、Arとしては、例えば以下に示すものが挙げられる。すなわち、フェニル基、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、クロロベンジル基、ジクロロベンジル基、トリクロロベンジル基、ニトロベンジル基、ジニトロベンジル基、トリニトロベンジル基、ナフチルメチル基;ナフチル、アントラセニルおよびフェナントレニル基のような2ないし3個のベンゼン環が縮合してなる縮合芳香環基;フラニル、チオフェニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミタゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリジニル、トリアゾリル、フラザニル、テトラゾリル、ピラニル、チイニル、ピリジニル、ピペリジニル、オキサジニル、モルホリニル、チアジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニルおよびトリアジニル基のような単環式複素芳香環基;ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリル、インドリニル、イソインドリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、インダゾリル、イミダゾリル、クロメニル、クロマニル、イソクロマニル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ジベンゾフラニル、カルバゾリル、キサンテニル、アクリジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノキサジニル、チアントレニル、インドリジニル、キノリジニル、キヌクリジニル、ナフチリジニル、プリニルおよびプテリジニル基のような縮合複素芳香環基などである。前述の芳香族基または複素芳香族基は、少なくとも1つの水素原子が置換されていてもよい。導入され得る置換基としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、およびヘキサデカン等が挙げられる。置換基が2つ以上存在する場合には、各々同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(2)においてR10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。R10として導入されるアルキル基としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘオウタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコサン等の分岐あるいは直鎖状の置換基やコレステロール等のステロイド骨格を有する化合物を用いることができる。
上述したアルキル基には、F,Si,O,N,あるいはS等のヘテロ原子が含有されていてもよい。
ただし、前記一般式(2)で表わされる化合物は、炭素数が10以上の置換もしくは非置換のアルキル基、あるいは炭素数が10以上の置換もしくは非置換のアルキル基を有する環状有機構造を、分子内に1つ以上有する。これは、前記般式(2)で表される化合物がエポキシ樹脂中で相分離しやすくするためである。相分離させることによりエポキシ樹脂の貯蔵安定性を向上させることができるためである。
なお、合成のしやすさから、kは1〜7に規定される。また、触媒活性の観点から、jは1〜7に規定される。kは1〜4が好ましく、jは1〜4が好ましい。
具体的には、一般式(2)で表わされるフェノール化合物としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンモノオクタデシルエーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3−オクタデシルオキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィドモノオクタデシルエーテル、(4−ヒドロキシフェニル)オクタデシルスルホン、4.4’−ジヒドロキシジフェニルエーテルモノオクタデシルエーテル、およびビス(2−(6−ヒドロキシフェニル))スルホンモノオクタデシルエーテルなどが挙げられる。
こうしたフェノール化合物は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中におけるフェノール化合物の含有量は、通常、エポキシ樹脂に対して、通常0.01〜20重量%とすることができる。0.01重量%未満の場合には、硬化が不十分になるおそれがある。一方、20重量%を越えて過剰に含有されると、電気的特性に悪影響を与えるおそれがある。具体的には、体積抵抗率の低下といった不都合が生じる。しかも、コストの増大にもつながる。フェノール化合物の添加量は、エポキシ樹脂に対して0.5〜10重量%とすることが好ましい。
一方、硬化触媒のもう1つの成分であるアルミニウム錯体は、以下に示す一般式(3a)、(3b)、(3c)から選択される。
Figure 0004594851
上記一般式中、R21、R22、R23およびR24は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、炭素数1〜30の置換もしくは非置換のアルキル基である。具体的には、R21、R22、R23およびR24に導入され得るアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ヘキサデシルおよびオクタデシルなどが挙げられる。合成のしやすさを考慮すると、メチル、およびエチルが好ましい。
ただし、いずれの化合物においても、R21、R22、R23およびR24の炭素数が10以上であるものを、一つの配位子中に少なくとも一つ以上含むことが好ましい。これは、エポキシ樹脂中におけるアルミニウム錯体の相分離をしやすくするためである。
こうした条件を満たした化合物としては、例えば、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(サリチルアルデヒデート)アルミニウム、トリス(オクタデシルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(ヘキサデシルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(テトラデシルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(ドデシルアセトアセテート)アルミニウム、およびトリス(オクチルサリチルアルデヒド)アルミニウム、およびトリス(ベヘニルオキシアセトアセテート)アルミニウムなど挙げられる。特に、トリス(オクタデシルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(ベヘニルオキシアセトアセテート)アルミニウムが好ましく用いられる。
上述した成分に加えて、本発明の実施形態にかかる樹脂組成物には、透明性に粘度に悪影響を与えない範囲で各種の添加剤を配合することができる。そのような添加剤としては、例えば、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、溶融シリカ、結晶性シリカ、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、マグネシア、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、雲母、チタン酸マグネシウム、およびチタン酸バリウム等の充填剤、ハロゲンフリー難燃性付与剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの金属水和物、硼酸系化合物、およびリン系化合物等の難燃剤、カーボンブラック、および酸化チタン等の着色剤などを挙げることができる。
本発明の実施形態にかかる樹脂組成物は、貯蔵安定性に優れるとともに透明性が高いことから、半導体素子の封止に好適に用いることができる。半導体素子としては、例えば、発光素子等が挙げられる。特に、白色LED等の光半導体素子に用いた場合には、本発明の実施形態にかかる樹脂組成物の効果が十分に発揮される。
上述したような特定のフェノール化合物とアルミニウム錯体とからなる硬化触媒を用い、樹脂成分を変更することによって、本発明の他の実施形態にかかる樹脂組成物が得られる。
本発明の他の実施形態にかかる樹脂組成物においては、下記一般式(A)で表わされる脂環式エポキシ基含有オルガノポリシロキサンが樹脂成分として含有される。
Figure 0004594851
上記組成式(A)中、R4は、内部型エポキシ基を含む置換あるいは非置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、R5は、水素原子、水酸基、アルコキシ基あるいは炭素数1〜20のアルキル基である。R4およびR5に導入され得るアルキル基としては、具体的には、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、イコサン、ヘンイコサン、ドコサン、トリコサン、テトラコサン、ペンタコサン、ヘキサコサン、ヘオウタコサン、オクタコサン、ノナコサン、トリアコサン等の分岐あるいは直鎖状の置換基やコレステロール等のステロイド骨格を有する化合物などが挙げられる。2つ以上のR4は同一でも異なっていてもよく、2つ以上のR5もまた、同一でも異なっていてもよい。合成のしやすさから、アルキル基としては、メチル基あるいはエチル基が好ましい。
好ましいR4は、下記一般式で示すことができる。
Figure 0004594851
上記一般式中、Rxは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜30の置換もしくは非置換のアルキル基である。さらに少なくとも一個の水素原子が除かれた残基がRxとして導入されている。
炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、ヘキサデシルおよびオクタデシル等が挙げられる。合成がしやすいことから、メチル、エチル、プロピル、およびブチルが好ましい。
sは1〜10である。10を越えると、反応が遅くなるおそれがある。また、上述した炭化水素基は、ハロゲン原子、Si,O,N,S等のヘテロ原子が含有されていてもよい。具体的にはクロロメチル基、チオメチルメチル基、ニトロ基、メトキシ基、およびジメチルアミノ基等の置換基を有していてもよい。
こうした脂環式エポキシ基含有シリコーン樹脂は、直線状、環状、分岐状、梯子状、かご状のいずれの構造であってもよい。いずれの構造の場合も、樹脂中における脂環式エポキシ基含有置換基のモル数は、(−Si−O−)結合ひとつに対して0.01〜50モル%であることが望まれる。
脂環式エポキシ基含有置換基のモル数が0.01モル%以下の場合には、シリコーン樹脂の性質が顕著になって、接着性不良が生じたり触媒の溶解が困難になるおそれがある。一方、脂環式エポキシ基含有置換基のモル数が50モル%を越えると、十分な貯蔵安定性が得られない。脂環式エポキシ基含有置換基のモル数は、0.1〜10であることがより好ましい。
さらに、25℃における粘度は、10,000mPa・sec以下であることが好ましく、5000mPa・sec以下であることがより好ましい。25℃での粘度が10,000mPa/sec以下であれば、封止材に適した粘度が保たれる。
前記一般式(A)で表わされる脂環式エポキシ基を有するシリコーン樹脂は、ポリハイドロシロキサンにビニル基を有する脂環式エポキシ化合物を作用させて容易に得ることができる。この際に使用する硬化触媒としては、白金触媒が挙げられる。白金触媒は担体上の白金金属、白金化合物および白金錯体から選ぶことができる。白金化合物および白金錯体としては、例えばクロロ白金酸、クロロ白金酸六水和物、カールステット(Karstedt′s)触媒、ジクロロビス(トリフエニルホスフイン)白金(II)、シス−ジクロロビス(アセトニトリル)白金(II)、ジカルボニルジクロロ白金(II)、塩化白金、および酸化白金等を挙げることができる。エポキシ化にあたっては、必ずしもハイドロシロキサン中の全ての水素原子を脂環式エポキシ基に置換する必要はない。全ヒドロシロキサンの10モル%以下であれば、水素原子が残存していてもよい。シリコーン樹脂中に、10モル%を超えて過剰に水素原子が存在する場合には、樹脂組成物の耐久性が低下するおそれがある。
前記一般式(A)で表わされる化合物としては、具体的には、下記化学式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004594851
上記式中、m,n,pは、正の整数を表わす。
なお本発明の他の実施形態においては、前記一般式(A)で表わされるシロキサンに加えてエポキシ樹脂を併用して、樹脂成分を構成することも可能である。透明性の優れた封止材を得るためには、水添されているもののほうが好ましい。1分子中に2個以上のエポキシ基を有する水添型ものであればいかなるものであってよい。例えばビスフェノールA型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールD型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ナフトールノボラック型、ビスフェノールAのノボラック型、3官能型の各水添型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等を挙げることができる。ただし、こうしたエポキシ樹脂の配合量は、全樹脂成分中50重量%以下とすることが好ましい。50重量%を越えると、貯蔵安定性が低下するおそれがある。
以下、具体例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考例I)
まず、樹脂成分として、以下の化合物を用意した。
・EHPE−3150
(ダイセル化学工業社製、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ当量168)
・TSL9906
(東芝シリコーン社製、エポキシ基含有シリコーン樹脂、エポキシ当量181)
・エポキシプロポキシプロピル末端ポリジメチルシロキサン
(分子量1,000〜1,400、GELEST社、DMS−E11)
・ビスフェノールA(油化シェル社製、エポキシ当量170)
これらの構造を、下記化学式に示す。
Figure 0004594851
上記化学式から明らかなように、EHPE−3150は、一般式(1)で表わされるエポキシ樹脂に相当する。また、TSL9906およびDMS−E11は、一般式(4)で表わされる両末端エポキシ化シリコーン樹脂に相当する。
フェノール化合物としては、下記化学式で表わされるビスフェノールS(4,4−ジヒドロキシフェニルスルホン)を用意した。
Figure 0004594851
アルミニウム錯体としては、以下の3種類を用意した。
・Al(heaa)3(アルミニウムトリス(ヘキサデシルアセトアセテート))
(長鎖アルキル基の炭素数が16個)
・Al(staa)3(アルミニウムトリス(オクタデシルアセトアセテート))
(長鎖アルキル基の炭素数が18個)
・Al(beaa)3(アルミニウムトリス(ベヘニルアセトアセテート))
(長鎖アルキル基の炭素数が22個)
これらのアルミニウム錯体の構造は、下記化学式で表わされる。化学式から明らかなように、Al(heaa)3、Al(staa)3、およびAl(beaa)3は、長鎖アルキル基の炭素数が、それぞれ16個、18個および22個である。
Figure 0004594851
上述した成分を下記表1に示す処方(重量部)で配合し、均一に混合して参考例I−1〜I−6の樹脂組成物を調製した。
Figure 0004594851
また、以下の化合物を用いて、比較例の樹脂組成物を調製した。
・セロキサイド3000(ダイセル化学工業社製、リモネンジエポキシド、エポキシ当量 94)
・QH200(日本ゼオン社製、酸無水物、当量170)
・2MZ(四国化成社製、2−メチルイミダゾール)
・Al(etaa)3(アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート))
ここで用いたアルミニウム錯体は、下記化学式で表わされる。
Figure 0004594851
上述した成分を下記表1に示す処方(重量部)で配合し、均一に混合して比較例I−1〜I−8の樹脂組成物を調製した。
Figure 0004594851
得られた各組成物について、貯蔵安定性を調べた。具体的には、200mlのガラス製のサンプル瓶に、各組成物をそれぞれ収容し、25℃の恒温水槽中に瓶ごと静置した。組成物の粘度をB型粘度計により測定し、初期粘度の2倍になるまでの時間(日数)で貯蔵安定性を評価した。貯蔵安定性は、15時間以上であることが要求される。
また、各樹脂組成物を硬化させて、得られた硬化物の光透過性を調べた。具体的には、各組成物を石英基板上にバーコーダーにより塗布して塗膜を形成した。この塗膜を、ホットプレートを用いて120℃で1時間、さらに150℃で5時間、熱処理することによりで硬化させて、厚み0.03mmの薄膜からなる硬化物を形成した。得られた硬化物の波長400nmにおける光透過率を、分光光度計を用いて測定した。光透過性に優れた封じ樹脂を得るためには、光透過性は400nmで85%以上であることが求められる。
さらに、各樹脂組成物を用いて図1に示すような樹脂封止型LEDを作製し、冷熱サイクルテストを行なった。図1中、11は発光素子(ガリウムヒ素ダイオード)、12は透過性樹脂層、13はガラスエポキシ基材、14はリード線、15は電極である。各樹脂組成物を用いて、球形の枠内に樹脂を注入し、そこに素子を配置して硬化させることにより透過性樹脂層12をそれぞれ形成し、樹脂封止型LEDを作製した。
冷熱サイクルテストに当たっては、各樹脂封止型LEDを、85℃/85%で2時間吸湿させた後、260℃/10秒の加熱処理を施した。この際の透過性樹脂層12の剥がれを観測した。これを5回繰り返し、(不良個数/供試試料個数)を調べた。
得られた結果を、下記表3および4にまとめる。
Figure 0004594851
Figure 0004594851
上記表3と4との比較から、樹脂成分の70重量%以上95重量%以下がEHPE−3150である参考例I−1〜I−7の組成物は、いずれも貯蔵安定性が優れていることがわかる。これは、硬化触媒として配合された長鎖アルキル基を有するアルミニウム錯体が、樹脂中で相分離していることに起因するものと推測される。炭素数22個の長鎖アルキル基を有する錯体(Al(beaa)3)が配合された参考例I−2〜I−5は、貯蔵安定性が特に優れていた。
一方、EHPE−3150の含有量が70重量%未満、あるいは95重量%を超えた比較例I−1〜I−6においては、いずれも貯蔵安定性は悪かった。EHPE−3150の含有量が70重量%未満の場合には、硬化触媒としてのアルミニウム錯体が樹脂中で良好な相分離状態を保つことが困難になる。一方、95重量%を越えると、樹脂の粘度が高くなりすぎて、アルミニウム錯体の相分離状態が同様に劣化する。このため、いずれの場合も貯蔵安定性が不十分になる。
所定のエポキシ化合物を所定の割合で含有しているので、参考例I−1〜I−6の樹脂組成物は、いずれも高い光透過性を有する。また、実施例の樹脂組成物を用いて作製された樹脂封止型LEDは、冷熱サイクルテストの結果、不良率が0であった。これは、樹脂成分の残部の少なくとも一部として、特定の両末端エポキシ化シリコーン樹脂が含有されていることによる。
一方、シリコーン樹脂(TSL9906)の含有率の多い比較例I−3、I−7では不良が発生している。シリコーン樹脂の含有量が多い樹脂組成物を硬化させてなる硬化物は、密着性が低下して、冷熱サイクル試験の結果に悪影響を及ぼすことがわかる。
図2には、本発明の一実施形態にかかる半導体装置の構成を表わす概略図を示す。図示する半導体装置は、LED発光装置であり、凹部を有する基板24と、この凹部内に配置されたダイオードチップ26と、ダイオードチップを覆う透明樹脂層22とを含む。基板24には、内部電極25aおよび外部電極25bが設けられ、ダイオードチップ6の接続端子(図示せず)は、導電ワイヤ3により内部電極25aに接続される。
ダイオードから発光した光は透明樹脂層を通過することから、図示するようなLED発光装置21においては、ダイオードチップ26を覆う透明樹脂層22には高い透明性が求められる。本発明の実施形態にかかる樹脂組成物は、上述したように優れた透明性を有するので、透明樹脂層22の形成に好適に用いられる。
(実施例II)
まず、樹脂成分として、以下の化合物を用意した。
・シリコン化合物1
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサンジメチルシロキサンコポリマー
(粘度:800mPa・sec、脂環式エポキシ基含有置換基3モル%)
・シリコン化合物2
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサンヘキシルメチルシロキサンコポリマー
(粘度:1000mPa・sec、脂環式エポキシ基含有置換基3モル%)
・シリコン化合物3
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサンジエチルシロキサンコポリマー
(粘度:900mPa・sec、脂環式エポキシ基含有置換基3モル%)
・シリコン化合物4
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサンメチルハイドロゲンシロキサンコポリマー
(粘度:800mPa・sec、脂環式エポキシ基含有置換基3モル%)
・シリコン化合物5
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサンメチルフェニルシロキサンコポリマー
(粘度:2000mPa・sec、脂環式エポキシ基含有置換基3モル%)
・シリコン化合物6
3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルシロキサンジメチルシロキサンコポリマー
(粘度:4,000mPa・sec、脂環式エポキシ基含有置換基15モル%)
これらの構造を、下記化学式に示す。
Figure 0004594851
Figure 0004594851
上記化学式に示されるように、シリコン化合物1〜4は、一般式(A)で表わされる化合物である。シリコン化合物5は、フェニル基を含んでおり、シリコン化合物6は、エポキシ基を15モル%含んでいる。よって、これらのシリコン化合物は、一般式(A)で表わされる化合物ではない。
上述した成分を下記表5に示す処方(重量部)で配合し、均一に混合して実施例II−I−1〜II−7の樹脂組成物を調製した。
Figure 0004594851
さらに、下記表6に示す処方で各成分を配合し、均一に混合して比較例II−I−1〜II−7の樹脂組成物を調製した。
Figure 0004594851
得られた各組成物について、前述と同様の手法により貯蔵安定性を調べ、同様に評価した。また、前述と同様の手法により各樹脂組成物を降下させて硬化物を形成し、その光透過性を調べた。
さらに、各樹脂組成物を用いて図1に示したような樹脂封止型LEDを作製し、冷熱サイクルテストを行なった。各樹脂組成物を用いて、前述と同様の手法により透過性樹脂層12をそれぞれ形成し、樹脂封止型LEDを作製した。冷熱サイクルテストに当たっては、前述と同様の処理を施して(不良個数/供試試料個数)を調べた。
得られた結果を、下記表7および8にまとめる。
Figure 0004594851
Figure 0004594851
上記表7と8との比較から、樹脂成分の85重量%以上が一般式(A)で表わされる脂環式エポキシ基含有オルガノポリシロキサンである実施例II−1〜II−7は、いずれも貯蔵安定性が優れていることがわかる。これは、硬化触媒として配合された長鎖アルキル基を有するアルミニウム錯体が、樹脂中で相分離していることに起因するものと推測される。炭素数22個の長鎖アルキル基を有するアルミニウム錯体(Al(beaa)3)を含有する実施例II−3〜II−6は、特に貯蔵安定性に優れていた。
しかも、これら実施例の組成物を硬化させてなる硬化物は、光透過性が優れており、いずれも93%と良好である。
さらに、実施例II−1〜II−7においては、冷熱サイクルテストを施しても不良は全く発生しない。このことから、実施例の硬化物は、高い密着性を有することがわかる。
このように、実施例の組成物は、貯蔵安定性、光透過性および密着性の全ての特性を備えている。これは、紫外線吸収のあるフェニル基やエステル基を一切含まないエポキシ基含有シリコーン樹脂と相分離型のアルミニウム錯体を用いることによるものである。
樹脂成分中における一般式(A)で表わされるポリシロキサンの含有量が85重量%未満の場合には、こうした特性を全て備えた樹脂組成物は得られないことが、比較例に示されている。
比較例の組成物は、所定のポリシロキサンの含有量が少ないことに起因して、いずれも光透過性が劣っている。それに加えて、比較例II−2、II−3、およびII−4では、密着性が乏しい。比較例II−4においては、貯蔵安定性が著しく劣っている。これは、相溶型アルミニウム錯体を用いているためである。
本発明の実施形態にかかる樹脂組成物を用いることによって、短波長領域の光源を用いた樹脂封止型LEDが実現される。
本発明の一実施形態にかかる半導体装置を示す模式図。 本発明の一実施形態にかかる半導体装置を表わす概略図。
符号の説明
11…発光素子; 12…透明性樹脂; 13…ガラスエポキシ基材
14…リード線; 15…電極; 21…発光装置; 22…透明樹脂層
23…導線ワイヤ; 24…基板; 25a…内部電極; 25b…外部電極
26…ダイオードチップ。

Claims (4)

  1. 樹脂成分、および
    フェノール化合物とアルミニウム錯体とを含む硬化触媒を含有し、
    前記樹脂成分は、少なくとも85重量%の下記一般式(A)で表わされる脂環式エポキシ基含有オルガノポリシロキサンと、残部の芳香族基あるいはエステル基を有さないエポキシ樹脂、
    前記フェノール化合物は下記一般式(2)で表わされ、
    前記アルミニウム錯体は下記一般式(3a)〜(3c)で表わされる少なくとも1種を含むことを特徴とする樹脂組成物。
    Figure 0004594851
    (上記組成式(A)中、R4は、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基であり、R5は、水素原子、水酸基、アルコキシ基、あるいは炭素数1〜20のアルキル基である。p、qは、0.001≦p/(p+q)≦0.1を満たす数値である。)
    Figure 0004594851
    (上記一般式(2)中、Arは置換もしくは非置換の炭素数2〜14の芳香族基または複素芳香族基である。R10は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜30の置換もしくは非置換のアルキル基、置換もしくは非置換の芳香族基または複素芳香族基である。ただし、前記フェノール化合物は、炭素数が10以上の置換もしくは非置換のアルキル基、あるいは炭素数が10以上の置換もしくは非置換のアルキル基を有する環状有機構造を、分子内に1つ以上有する。kは1〜7の整数であり、jは1〜7の整数である。)
    Figure 0004594851
    (上記一般式中、R21は炭素数16〜22の置換もしくは非置換のアルキル基であり、R22、R23は、水素原子またはメチル基であり、R24は、水素原子、炭素数1〜30の置換もしくは非置換のアルキル基である。)
  2. 前記脂環式エポキシ基含有オルガノポリシロキサンは、(−Si−O−)結合ひとつに対して0.01〜50モル%の脂環式エポキシ基含有置換基を含むことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記脂環式エポキシ基含有オルガノポリシロキサンは、(−Si−O−)結合ひとつに対して0.1〜10モル%の脂環式エポキシ基含有置換基を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 半導体素子と、この半導体素子を封止する樹脂層とを具備し、前記樹脂層は請求項1ないし3のいずれか1項に記載の樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする樹脂封止型半導体装置
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