JP4594500B2 - 巻尺 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動巻取り式の巻尺に関するものである。
【0002】
【従来技術と問題点】
従来、テープを自動的に巻き取る自動巻取式の巻尺は、巻胴部にテープを巻回すると共に、そのテープを巻取り付勢するためのコイルバネを内装した回転ドラムと、その回転ドラムを収納するケースから構成されている。
そのケースは中央から左右に分かれる形態のものであり、左右それぞれのハーフケースが樹脂一体成型により形成され、一方のハーフケースに立設された軸に回転ドラムを軸支して、左右のハーフケースを合わせてなるものである。
【0003】
この形態のケースは、左右それぞれのハーフケース用に金型を2つ製作しなくてはならず、また、それぞれのハーフケースが合わせられた時、その合わせ目の部分に段差や隙間が生じないよう製作に際しては高い精密性が要求されるものである。
また、テープのブレーキ機構が装備されるものは、左右それぞれのハーフケースに回転ドラムの支持軸と共に、ブレーキ機構の部品を受ける部分等も樹脂一体成型により形成されるため、金型の形状もさらに複雑となりその製作にかかる費用は極めて高額なものとなるのである。
【0004】
さらに、左右のハーフケースが合わされてなる形態のケースは、巻尺を落とした時その衝撃によりケースの合わせ目の部分がズレてしまうこともあり、また、その衝撃が強いものであった時は、ケースが樹脂であるがゆえに破損してしまうこともあった。これは、テープのブレーキ機構が装備されるケース、すなわちケースにブレーキレバー用の開口が開いているもの程発生する頻度が高かった。
また、この種のケースからなる巻尺に装備されるブレーキレバーは小さく操作性に欠けるものであった。
【0005】
【目的】
本発明は上述した問題点に鑑みてなされたもので、ブレーキレバーの操作性と共に、ケースの耐衝撃性を向上させることができ、さらに、製造コストを低減することができる巻尺を提供することを目的とするものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】
本発明の要旨とするところは、周囲にテープ巻回された回転ドラムと、この回転ドラムを前記テープを巻取る方向に付勢するコイルバネとを有し、前記回転ドラムが支持軸にて支承されたテープユニットと、このテープユニットを収容する筐体とを備え、前記テープユニットにはテープのブレーキ機構が設けられていると共に、前記筐体の一側にテープユニット挿入する開口を設け、この開口から、前記ブレーキ操作手段が外部操作可能となるようにテープユニットが筐体内に挿入されて、前記ブレーキ操作手段が前記開口から突出する位置に装着され、かつ、前記開口のほぼ全体がブレーキ操作手段で塞がれることを特徴とする巻尺である。
【0007】
本発明の巻尺を詳しく説明すると、筐体は一側に開口が設けられた金属素材または樹脂素材からなるもので、テープユニットを収容する巻尺のケースとなる部分である。開口は何処に設けてもよいがケース前方側に設けるのが望ましい。
金属素材から形成するものはアルミまたステンレスさらにはチタン等の素材を用いて形成すればよく、また、樹脂素材から形成するものは塩化ビニールまたポリカーボネート等の好適な素材を用いて形成すればよい。そして、一体成型により適宜好適な形状に形成すればよい。
【0008】
テープユニットは筐体と同様に金属素材または樹脂素材からなるもので、それには、内部にテープ巻取り用のコイルバネを収容すると共に、テープを巻胴部に巻回する回転ドラムと、この回転ドラムを支持する軸と、さらに、引き出したテープを任意の位置で停止させるブレーキ機構が設けられている。
そのテープユニットは筐体の開口から挿入され、筐体の外部からテープを引き出し可能な状態で装着されている。
【0009】
また、テープユニットに設けられるブレーキ機構また操作形態は、引き出したテープを停止させることができればよく特にそれらを限定するものではない。
具体的には、引き出したテープが停止操作することなく停止していて、レバーやボンタ等のブレーキ操作手段を操作することによりブレーキが解除できるもにしたり、レバーやボンタ等のブレーキ操作手段を操作しているときだけテープが停止するようにすればよい。
【0010】
ブレーキ操作手段の形状は、外部から操作可能であればその形状を特に限定するものではないが、テープユニットが筐体に装着されたとき、開口の下方に位置するテープ引き出し部の上方に、レバーやボンタ等のブレーキ操作手段をその開口をほぼ塞ぐ状態に設けるのがよい。
【0011】
また、ブレーキ操作手段の突出形態等は、操作し易い形態であればその突出形態を特に限定するものではないが、筐体の底面側より上面側の方を多く突出させるのがよい。
例えば、筐体のデザインによって、底面側より上面側の方の突出量が多くなるようにしてもよい。
【0012】
テープの引き出し方向も特に限定するものではなく、テープを筐体の開口面と並行する方向に引き出せるようにしたり、また、テープを筐体の開口面と直角の方向に引き出せるようにテープユニットを構成してもよい。
【0013】
【作用】
本発明の巻尺は以上のように構成されているので、筐体の前方側の開口からテープユニットを挿入することにより巻尺を完成させることができる。
また、そのテープユニットの挿入によって、開口がブレーキを操作するための操作レバーでほぼ塞がれる。
【0014】
ブレーキレバーの操作性においては、開口を塞ぐ殆どがブレーキを操作するレバー、すなわち筐体の前壁となる部分がブレーキの操作レバーであることにより、親指の感覚だけでレバーの位置を捜し当てることができ、且つ確実に操作することもできる。
【0015】
ケースにおいては、完成状態となっている機構部分、すなわちテープユニットを収納するだけでよく、開口に続く内部を単純に空間とすればよいので、ケース全体を一体成型によりワンピース形成することができるため、落下による衝撃をケース全体で受け止めることができる。
【0016】
【実施例】
本発明の巻尺を以下図面に従って説明すると、図1は、本発明に係わる巻尺を示す斜視図であり、1は巻尺、2はケースとなる筐体、6はブレーキレバーであり、巻尺の機構部分およびブレーキ機構が備えられたテープユニット3に設けられている。
5はテープで、51は測定の際テープ5を引っ掛ける係止片である。36はテープ5を引き出すテープ引き出し部である。7は巻尺1を携帯する際に使用する腕を通すためのストラップである。
【0017】
図2は、筐体を示す斜視図であり、本例の巻尺は筐体2すなわちケースの前部22に開口21を設けて、その開口21から巻尺の機構部分およびブレーキ機構が備えられたテープユニット3を挿入するようにしたものである。
【0018】
図3は、テープユニットを示す側面図であり、そのテープユニット3には、ドラム支持軸32に軸支された回転ドラム4と、ブレーキ機構を操作するブレーキレバー6を有している。
回転ドラム4の巻胴43にはテープ5が巻回され、その内部にテープ5を巻取り付勢する巻取りバネ41を有する。
ブレーキレバー6には制動片61が連設されており、ブレーキレバー6の操作により制動片61がテープ5から離れて制動が解除されテープ5が巻取られる。
62はブレーキレバー6の復帰バネである。
【0019】
図4は、本体を示す斜視図であり、本体31にはドラム支持軸32が立設され、そのドラム支持軸32には巻取りバネ41の内端を係止するスリット33が設けられている。
さらに、ブレーキレバー6のレバー軸64を支持する軸受孔35と、ブレーキレバー6の揺動ガイド34が設けられている。
【0020】
図5は、回転ドラムを示す斜視図であり、42はドラム支持軸32の軸受孔、43はテープ5を巻回する巻胴、44はテープ5を巻取るための巻取りバネ41を収容する収容部である。その収容部44の開口に蓋体(図示なし)を設けてもよい。
【0021】
図6は、ブレーキレバーを示す側面図であり、ブレーキレバー6の下端に制動片61が連設されている。
63はテープユニット3の本体31に設けられている揺動ガイド34に嵌まるガイド受け孔、64はテープユニット3の本体31に設けられている軸受孔35に嵌まるレバー軸である。
【0022】
【効果】
本発明の巻尺は以上のように構成されていることから、ブレーキレバーの操作性においては、巻尺の前壁にあたる部分の殆どがブレーキを操作するレバーで占められているため、親指の感覚だけでレバーの位置を捜すことができる。
したがって、ブレーキ操作の度に一々レバーを見ることなくブレーキレバーを操作することができ、また、暗がりでもブレーキレバーの操作を素早く確実に行うこともできる。
【0023】
ケースにおいては、開口に続く内部を単純な空間として開けておけばよいので、ケース全体を一体成型によりワンピース形成することができる。
すなわち、ケースに合わせ目はなく、落下等による衝撃をケース全体で受け止めることがてきるため、ケースの耐衝撃性を向上させることができる。
また、ケースの金型も製作し易い形状となるため、巻尺の製造コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる巻尺を示す斜視図
【図2】 筐体を示す斜視図
【図3】 テープユニットを示す側面図
【図4】 本体を示す斜視図
【図5】 回転ドラムを示す斜視図
【図6】 ブレーキレバーを示す側面図
(A)図3の方向から見た図
(B)(A)の裏側の図
【符号の説明】
1−巻尺,2−筐体,21−開口,22−前部,23−上部,24−底部,3−テープユニット,31−本体,32−ドラム支持軸,33−スリット,34−揺動ガイド,35−軸受孔,36−テープ引き出し部,4−回転ドラム,41−巻取りバネ,42−軸受孔,43−巻胴,44−収容部,5−テープ,51−係止片,6−ブレーキレバー,61−制動片,62−復帰バネ,63−ガイド受け孔,64−レバー軸,7−ストラップ

Claims (4)

  1. 周囲にテープ巻回された回転ドラムと、この回転ドラムを前記テープを巻取る方向に付勢するコイルバネとを有し、前記回転ドラムが支持軸にて支承されたテープユニットと、このテープユニットを収容する筐体とを備え、前記テープユニットにはテープのブレーキ機構が設けられていると共に、前記筐体の一側にテープユニット挿入する開口を設け、この開口から、前記ブレーキ操作手段が外部操作可能となるようにテープユニットが筐体内に挿入されて、前記ブレーキ操作手段が前記開口から突出する位置に装着され、かつ、前記開口のほぼ全体がブレーキ操作手段で塞がれることを特徴とする巻尺
  2. 開口が筐体の前方側に設けられており、その筐体にテープユニットが装着されたとき、開口の下方にテープ引き出し部が位置し、その上方にブレーキ操作手段が開口をほぼ塞ぐ状態に位置していることを特徴とする請求項1の巻尺
  3. テープユニットが筐体に装着されたとき、開口から突出するブレーキ操作手段の突出量が、筐体の底面側より上面側の方が多く突出していることを特徴とする請求項1の巻尺
  4. ブレーキ機構が、ブレーキ操作手段を操作することによりブレーキが解除されることを特徴とする請求項1の巻尺
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