JP4593763B2 - Npoに対する貢献を処理する方法及びシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、個人若しくは団体等の貢献者から特定のNPOに対してなされる貢献の仲介を行う貢献仲介システムに接続され、特に、物若しくは労働等の金銭以外の貢献を処理できる方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、NPO等へ行う寄付若しくは貢献の形態は様々である。すなわち、金銭によるもの、労働によるもの、有体物としての物によるもの等、多岐にわたる。
【0003】
ここで、寄付行為は、法人の場合はその損金算入限度に応じて、税金からの控除が可能である。また、個人の場合も所定金額以上であれば、所得税の控除を受けることができる。このような観点からすれば、金銭による寄付の場合、その税金控除額が明確であるので労働や物等による貢献と比較して貢献者の寄付への動機付けとなりやすいということがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これに対して、物による貢献の場合、その価値は簿価でしか計られない。このため、物を寄付しようとする企業や個人は、税控除を受けるために、貢献に係る物の金銭的な価値を、多くの場合、税務当局と交渉して決定する必要がある。このような面倒な手続きが、事実上、法人や個人にとって金銭以外の貢献を行うことの妨げとなっているということがある。
【0005】
しかしながら、企業にとってみれば、自社サービスに関連した製品や労働による貢献は自社製品等のPRとなり、企業ニーズにマッチするという利点がある。このため、企業の場合、特に、税金控除の面でのデメリットが解消されれば、物や労働による貢献が促進される可能性がある。
【0006】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、コンピュータシステムを利用し、金銭以外の貢献を促進できる貢献支援システムを提供することを目的とするものである。
【0007】
また、この発明の別の目的は、金銭の寄付しかできない者が、NPOへの金銭以外の寄付の流れを誘導できる貢献支援システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明の第1の主要な観点によれば、NPOに対する貢献をコンピュータシステムにより処理する方法が提供され、この方法は、(a)第1の貢献者から金銭以外の貢献対象の登録を受け付け、
(b)当該登録された貢献対象のリストを公開し、
(c)所定期間、第1の貢献者以外の者から、前記リストからの貢献対象の選択と、この貢献対象を誘導したいNPOの特定と、前記選択した貢献対象に対する値付けとを受け付け、
(d)前記第1の貢献者からの、前記(c)の工程で特性されたNPOに対する前記貢献対象による貢献を処理し、
(e)前記第1の貢献者に、前記値付けにかかる金額を、前記貢献対象に関連付けて通知する
ものである。また、この場合、(f)前記第1の貢献者以外の者からの、前記(c)の工程で特定されたNPOに対する前記値付けに係る金額に相当する金銭若しくはその代替物による貢献を処理する
工程をさらに有することが好ましい。
【0009】
このような構成によれば、第1の貢献者が貢献しようとする貢献対象に対する値付けが第1の貢献者以外の者によってなされるので、前記貢献対象に対する市場による評価がなされたことになる。このため、税金控除の申告時には、この値付けに係る金額を税務当局に提示すれば良い。この場合、第1の貢献者以外の者も当該値付けに係る金額を実際にNPOに貢献しなければならないようになっているから、不当に高い評価が前記貢献対象に与えられることが抑制される。
【0010】
また、上記構成によれば、金銭でしか貢献できない者であっても、金銭以外の貢献対象(物及び労働)を、自己が貢献したいNPOに誘導することができるため、これが、高い値付けへのインセンティブとなる。
【0011】
さらに、NPOにとっても、金銭以外の貢献と、金銭による貢献の両方を受けることができる利点がある。
【0012】
そして、上記方法によれば、すべての手続きをコンピュータ上で実行することが可能になる。
【0013】
1の実施形態によれば、上記方法はさらに、(f)NPOから、自己が貢献を受けたい貢献対象の登録を受け付け、(g)要求に応じて、前記第1の貢献者が登録した貢献対象と、前記NPOが登録した貢献対象とをマッチングし、このマッチング結果を公開する工程を有する。この場合、(g)の工程は、前記第1の貢献者以外の者が、特定のNPOを可能性のある貢献先として選択した際に実行されることが好ましい。
【0014】
このような構成によれば、前記第1の貢献者以外の者が、自己の好むNPOに対して金銭以外の貢献を誘導したい場合の作業が簡略化される。
【0015】
他の1の実施形態によれば、上記方法は、さらに、(h)前記第1の貢献者に、前記値付けにかかる金額を、前記貢献対象に関連付けて通知する工程を有する。
【0016】
このような構成によれば、第1の貢献者に対して、値付けにかかる価格が通知されるので、第1の貢献者はそれを知ることができる。
【0017】
更なる他の1の実施形態によれば、上記方法において、前記(c)の工程は、複数の者からの値付けを受けた場合、値付けが高い者からの登録を受け付けるものである。
【0018】
このような構成によれば、前記金銭以外の貢献を特定のNPOに誘導することに対してオークションが行われることになるから、その値付け価格を上昇させることが可能になる。
【0019】
なお、前記値付けを行う者は、NPOであっても良い。この場合には、予め前記貢献対象の原価を格納しておき、例えば、税務当局が一般に控除を認める限度額である原価の1.5〜2倍以上など、原価と比較して不当に高い値付けをしたNPOからの値付けの登録は拒否(オークション対象外と)するようにすることが好ましい。このようにすれば、NPOは、当該貢献対象を自己に引き寄せるためであっても不当に高い値付けをすることが抑制される効果がある。
【0020】
また、この発明の第2の主要な観点によれば、NPOに対する貢献を処理するシステムであって、第1の貢献者から金銭以外の貢献対象の登録を受け付ける手段と、当該登録された貢献対象のリストを生成する手段と、所定期間、第1の貢献者以外の者から、前記リストからの貢献対象の選択と、この貢献対象を誘導したいNPOの特定と、前記選択した貢献対象に対する値付けとを受け付ける手段と、前記第1の貢献者からの、前記第1の貢献者以外の者が特定したNPOに対する前記貢献対象による貢献を処理する手段と、前記第1の貢献者以外の者からの、この第1の貢献者以外の者が特定したNPOに対する前記値付けに係る金額に相当する金銭若しくはその代替物による貢献を処理する手段とを有することを特徴とするシステムが提供される。
【0021】
このような構成によれば、前記第1の観点にかかる方法を実施することが可能になる。
【0022】
なお、この発明のその他の特徴および顕著な効果は、次の発明の実施の形態の項の記載および添付した図面を参酌することで明確に理解することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の一実施形態を図面を参照して説明する。
【0024】
この発明の理解を容易にするため、実施形態のシステム構成を説明する前に、この実施形態の処理の流れを簡単に説明する。図1は、この発明の一実施形態における処理の流れを示す概略構成図である。この図におけるS1〜S18は、以下で参照されるステップ番号(ステップS1〜ステップS18)に対応している。
【0025】
この発明の一実施形態である処理システムは、インターネット網に接続され、インターネット上で個人または団体等の貢献者からNPOへのドネーションを仲介するドネーション仲介サイト1に設けられている。
【0026】
このシステムは、まず、貢献者Aから、貢献者Aが貢献したい金銭以外のもの(物若しくは労働等)の登録を受け付け、「貢献したいものリスト」として「貢献したいものリスト格納部3」に登録する(ステップS1、S2)。この「貢献したいものリスト」中には、例えば「物α」が含まれているものとする。
【0027】
一方、このシステムは、NPO1及びNPO2から、「貢献を受けたいものリスト」を受け付け、「貢献を受けたいものリスト格納部4」に登録する(ステップS3〜S5)。この例では、NPO1とNPO2から受け付けたリスト中に同じ「物α」が含まれているものとする。
【0028】
ついで、このシステムは、所定のタイミングで、これら2つのリスト3,4をマッチングし、その結果をマッチング済みリスト5に格納する(ステップS6)。この例では、同じ物αの貢献を異なるNPO1、NPO2が欲している。
【0029】
ついで、複数の貢献者B,Cが、上記マッチング済みリストを参照し(ステップS7,S8)、物αに対する値付け、貢献先の選択を行うことでオークションに参加する(ステップS9,S10)。この例では、上記物αをNPO1に誘導したいと考えている貢献者Bと、物αをNPO2に誘導したいと考えている貢献者Cが存在する。この場合、貢献者Bが、値付けとして、例えば1000ドル、貢献先としてNPO1を選択して所定の期間中にオークションに参加し(ステップS9)、貢献者Cが、値付けとして900ドル、貢献先としてNPO2を選択して所定期間中にオークションに参加したとする(ステップS10)。なお、このオークションに参加するかを決定するために、貢献者B,Cは、貢献者データベース6にアクセスして前記物αを寄付する貢献者Aの情報を閲覧することも可能である(ステップS11)。また、NPOデータベース7にアクセスして貢献先のNPOに関する情報を閲覧することも可能である(ステップS12)。
【0030】
この後、このシステムは、オークション処理を実行し(ステップS12)、この結果、オークションの勝者としてより高い値付けを行った貢献者Bを決定する(ステップS13)。この場合、物α及び前記値付け金額分の金銭の貢献先はNPO1となる。
【0031】
ついで、このシステムは、貢献支援若しくは仲介を実行する(ステップS14)。具体的には、まず、物αの前記貢献者AからNPO1への寄付に関する事務及び配送の手配(運送業者等への依頼書の作成等)を行う。ここで、前記貢献者Aは、物αのNPO1への配送費用を負担することが可能である。この場合、貢献者Aは、前記物αを前記貢献したいものリストに登録する際、若しくはオークションを通過した後に、このシステムに対して、配送費を負担することを通知する。このことで、物αは、所定の期日に所定の運送業者8(配送手段)によって貢献者Aからピックアップされ、NPO1へ届けられる(ステップS15)。
【0032】
一方、このシステムは、前記金銭1000ドルの貢献者BからNPO1への支払いを代行して行う(ステップS16)。また、前記運送費用(例えば50ドル)の運送業者等への支払いを、前記貢献者Aを代行して行う(ステップS17)。
【0033】
そして、NPO1からそれぞれについての受領通知を受け取った(ステップS18、S19)ことに基づいて、そのことを、貢献者A及び貢献者Bに通知する(ステップS20、ステップS21)。このことで、貢献者Aは、自己の物αが、オークションの結果1000ドルの価値があるものとして、所定の配送費(50ドル)でNPO1に搬送され寄付されたことの通知を受け取る(ステップS20)。この場合、結局、貢献者Aは、NPO1に対して配送費用をも寄付したことなり、合計1050ドルの税金控除を受けることができることが明確になる。
【0034】
このような処理を可能にするため、この実施形態のシステムは以下のように構成されている。
【0035】
図2は、このシステムを示す概略構成図である。
【0036】
このシステムは、CPU10、RAM11、モデム等の通信デバイス12、入出力装置13等が接続されてなるバス14に、この発明のメモリとして機能するデータ格納部15およびプログラム格納部16が接続されてなる。このデータ格納部15およびプログラム格納部16は、この実施形態では、ハードディスクなどの固定式記憶媒体で構成されている。
【0037】
データ格納部15には、前述した貢献者データベース6、NPOデータベース7、貢献したいものリスト格納部3、貢献を受けたいものリスト格納部4、マッチング済みリスト格納部5、オークション結果格納部18、貢献結果情報格納部19を有する。
【0038】
まず、NPOデータベース7には、ドネーションを行う際に必要なNPOの情報、例えば、NPOの所在地や代表者等の書誌的情報の他、NPOのレーティング情報、NPOが貢献を受ける事によって獲得した累積ポイント数、活動レポート等の情報が、そのNPOのID番号と関連付けて格納されている。
【0039】
また、貢献者データベース6は、NPOに対して貢献を行う貢献者の情報を予め格納したデータベースであり、貢献者の住所や代表者等の書誌的事項の他、貢献者のスキル等のボランティアの際に必要な情報、過去に貢献を行うことによって獲得したポイント累積数等が、その貢献者のID番号に関連付けて格納されている。
【0040】
前記貢献したいものリスト格納部3には、具体的には、例えば、図3に示すような情報が格納される。この情報は、ID21、物や労働等の貢献したいものの特定22、その数量23、貢献者の特定24、貢献したいものの詳細情報25、運送費用の負担意思の有無26を格納するための各フィールドを有する。上述の例で挙げた貢献者Aからの物αは、この例では、貢献できる量10個として登録されている。
【0041】
図4は、前記貢献してほしいものリストのフォーマット例である。このフォーマットは、ID27、貢献してほしいものの特定28、その数量29、貢献を要求しているNPOの特定30を格納する各フィールドを有する。
【0042】
一方、前記プログラム格納部16は、図2に示すように、メインプログラム31の他、マッチング部32と、オークション実行部33と、貢献仲介部34と、レポート部35を格納している。これら各構成要素31〜35は、プログラムとして前記RAM11上に呼び出され、前記CPU10によって実行されることで、この実施形態の機能を発揮する。
【0043】
以下、これら各構成要素の詳しい機能を、このシステムの動作とともに説明する。なお、括弧の記号は、図1に示したステップ参照符号である。
【0044】
まず、前記マッチング部32は、前記貢献したいものリスト3と貢献してほしいものリスト4をマッチングする機能を有する(ステップS6)。例えば、上記各リスト3,4が、それぞれ図3及び図4に示すものである場合を例にとって説明する。
【0045】
まず、図1の貢献者Cが、自己の好むNPO1へ、金銭以外のものの貢献を誘導するために、NPO1についてのマッチング結果を表示させる命令をインターネット網を通じてこのシステムに与えたとする。この場合、前記マッチング部32は、NPO及び貢献対象(貢献してほしいもの)について、前記2つのリスト3,4を集計し、その結果を前記マッチング済みリスト格納部5に格納すると共に、このマッチング済みリスト格納部5からNPO1についてのマッチング結果のみを取り出して図5に示すように貢献者Cの端末上に表示させる(ステップS7,S8)。
【0046】
この画面例に示すように、このマッチング部32は、図4でNPO1が欲している貢献対象(貢献してほしいもの)について、それらを貢献したい貢献者が存在するかを表示する。また、貢献してほしいものの量と、貢献したいものの量についても表示する。この例では、「完全マッチング」、「不完全マッチング」及び「非マッチング」の各場合を示している。
【0047】
すなわち、物α(図に40で示す)は、貢献者が単数であり、かつ量についても完全にマッチングしている(完全マッチング)。一方、テレビ(図に41で示す)については、40台の寄付要求に対して、これにマッチングする貢献者が2人いて、1人ではその数量を満たさないが、2人の分を足し合わせると前記40台を超えてしまう(不完全マッチング)。また、弁護士(図に42で示す)については、マッチングする貢献者はいない(非マッチング)。
【0048】
貢献者Cは、この図5に示す画面を閲覧して、オークションに参加するかを決定しなければならない。そこで、この画面中、各詳細情報ボタン43〜48を押すことによって貢献者及びその貢献者が寄付しようとしているものの詳細情報を閲覧することができる。
【0049】
例えば、貢献者Aについての詳細情報ボタン43を押すと、前記マッチング部32は、前記貢献者データベース6にアクセスし、この貢献者Aについての書誌的情報のほか、過去の貢献活動履歴等、貢献的な観点からこの貢献者を評価するのに役立つ情報を表示する。
【0050】
また、量についての詳細情報ボタン44を押すと、このマッチング部32は、前記貢献したいものリストにアクセスし、その品物等についての詳細情報として、例えば、型番、製造年月日、使用状況等、その品物等が貢献に適しているかの観点から評価し値付けするのに役立つ情報を表示するようになっている。
【0051】
この情報を閲覧した上でオークションに参加することを決定した場合には、この画面中のオークション参加ボタン49を押す。
【0052】
このことで、前記オークション実行部33は、図6に示すようなオークション参加申込受付画面を貢献者Cの端末に送信し表示させる。そして、このオークション実行部33は、この画面により、貢献先のNPOの特定50、貢献対象(貢献したいもの)の特定51、貢献者の特定及び貢献対象に対する値付け52を受け付ける(ステップS9,S10)。
【0053】
ここで、前記物αのように、完全マッチングの場合には、物α(10個)に対する値付けのみを行えば良い。しかし、この図の例のテレビのように不完全マッチングの場合には、貢献者を選択したうえで、前記詳細情報を参考にして、各貢献者毎の数量の指定(図に54,55で示す欄)及びその値付け(図に56,57で示す欄)を行う必要がある。この例では、貢献者Aのテレビの方が、年式が新しいため優先し、20台、残りの20台を貢献者Bのテレビから調達するようにしている。そして、各貢献者のテレビ20台に対してそれぞれ、その品質に応じて600ドル及び500ドルの値付けを行っている(図に56,57で示す欄参照)。
【0054】
ついで、所定の申込期間61内に申込ボタン60を押すと、この情報が前記オークション実行部33に送られ、他の貢献者が申し込んだ内容との間で、前記申込期間経過後にオークションが実行される。このオークションは、複数の貢献者が存在する場合、第1回目のオークションの後、自動的に若しくは貢献者と通信する等により2回目以降のオークションを実行し、最終的な結果を得る(ステップS12,S13)。
【0055】
この結果は、前記オークション結果格納部18に格納され、これに基づいて、前記貢献仲介部34が貢献の仲介を行う(ステップS14)。例えば、図6の内容で、貢献者Cがオークションの勝者になった場合には、NPO1に対して、貢献者A及び貢献者Bからのテレビの寄付、貢献者Cからの金銭1100ドルの寄付を仲介処理する。この仲介は、例えば、前述したように当該テレビを貢献者A及び貢献者BからピックアップしてNPO1に運送する(ステップS15)ための配送業者8の手配及び、前記貢献者Cからクレジットカード等を使った前記値付け金額の決済を受け付けて処理すること(ステップS16)によって行われる。
【0056】
なお、前記貢献者A若しくは貢献者Bが、前記貢献したいものリストへの登録時に運送費用の負担意思「YES」として登録している場合(図3参照)には、貢献者A若しくは貢献者Bからクレジットカード等を使用した前記運送費用の決済を受け付けて処理するようにする(ステップS17)。
【0057】
この仲介部34は、当該仲介を実行したことに基づいて、前記貢献したいものリスト格納部3及び貢献してほしいものリスト格納部4内から当該処理に係る処理対象(貢献してほしいもの及び貢献して貰いたいもの)の登録内容を消去し、各リストを更新する。
【0058】
また、NPO1若しくは配送業者8から貢献の受領報告を受けた(ステップS18、S19)ことに基づいて、前記レポート部35が、貢献者A及び貢献者Bに対して当該貢献したテレビに関する値付け金額及び該当する場合には運送費用の金額を、認証付きで通知する(ステップS20,S21)。このことにより、この通知を、税務申告の資料として、税金控除を受けるためにそのまま使用することができる。
【0059】
以上説明した構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0060】
すなわち、上記構成によれば、貢献者が貢献しようとする金銭以外の物や労働等と、その物や労働による貢献を欲するNPOとのマッチングがなされると共に、前記の物や労働等に対する値付けが別の貢献者によってなされる。これにより、貢献に係る金銭以外の貢献対象について市場による評価がなされたことになる。このため、税金控除の申告時には、前記物や労働の貢献者は、この値付けに係る金額を税務当局に提示すれば良い。この場合、値付けを行った貢献者も当該値付けに係る金額を実際にNPOに貢献しなければならないようになっているから、不当に高い評価が前記貢献対象に与えられることが抑制される。
【0061】
一方、前記物を寄付しようとしている貢献者が、この物の配送費用を負担した場合、この「配送」をNPOに寄付したこととなる。この実施形態では、このような場合、その配送費用も前記物の寄付に関連付けて通知されるようになっているから、税金控除額が明確になる。また、このシステムでは、前記「配送」についての処理も行うようになっているから、貢献者にとって利便が高い。
【0062】
さらに、上記構成によれば、金銭でしか貢献できない者であっても、金銭以外の貢献対象(物及び労働)を、自己が貢献したいNPOに誘導することができるため、これが、高い値付けへのインセンティブとなる。
【0063】
上記に加えて、NPOにとっても、金銭以外の貢献と、金銭による貢献の両方を受けることができる利点がある。
【0064】
そして、上記方法によれば、すべての手続きをコンピュータ上で実行することが可能になる。
【0065】
また、上記一実施形態では、前記金銭以外の貢献を特定のNPOに誘導することに対してオークションが行われることになるから、その値付け価格を可能な限り上昇させることが可能になるという効果もある。
【0066】
なお、この発明は、上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【0067】
例えば、上記一実施形態では、金銭の額で物や労働等の値付けを行うようになっているが、これに限定されるものではなく、金銭と同等の価値を有するプレミアムや、貢献の面において金銭と同等の価値を有するポイント等によって前記値付けを行うようにしても良い。
【0068】
また、上記一実施形態では、前記値付けを行う者は貢献者であったが、NPO自身が自己の欲する物や労働を引き寄せるために、自ら値付けを行う(オークションに参加する)ようにしても良い。ただし、NPOが値付けを行う場合、不当に高い値付けが行われることを防止するために以下の措置を採る。
【0069】
すなわち、この場合、図7に示すように、前記貢献者A(第1の貢献者)に予め登録する物等の原価情報65等、目安になる価値を前記貢献したいものリスト格納部3に登録させておき、前記オークション実行部33は、この原価の1.5〜2倍以上の値を付けたNPOからの登録は拒否するようにする。ここで、原価の1.5〜2倍とした理由は、通常税務当局は、当該貢献にかかる物品につき、原価の1.5〜2倍以上の控除を認めないため、これ以上の値付けは無意味だからである。
【0070】
これにより、NPOが、当該貢献を自己に引き寄せるために不当に高い値付けをすることが抑制される。
【0071】
また、上記一実施形態では、「運送」を寄付する者は、金銭以外の物若しくはサービスを貢献しようとする者と同一であったが、運送のみを寄付する者が存在しても良い。この場合、この発明は、前記金銭以外の物等と、その運送とをマッチングする構成及び手順を有することが好ましい。
【0072】
一方、前記一実施形態では、図4に示すように、貢献したいもの及びそのと、貢献してほしいもの及びその量のマッチングについて、「完全マッチング」、「不完全マッチング」及び「非マッチング」の例を挙げたが、このうち、「不完全マッチング」及び「非マッチング」の場合には、さらに以下の手順を実行することが好ましい。
【0073】
すなわち、貢献者が貢献したい物、例えばテレビの量が、NPOが貢献してほしいテレビの量に満たない場合がある。この場合には、足りないテレビを充足するために、当該貢献者若しくはその他の貢献者からの現金による貢献でテレビを購入するようにする。
【0074】
例えば、金銭による寄付を行おうとした者が、当該貢献先を選定するために、Webサイト上で特定のNPOを検索により抽出した場合、このNPOが欲する金銭以外の物若しくはサービスのリストを同時に表示するようにする。また、この場合、当該金銭以外の物若しくはサービスを購入するのに必要な金額及び運送に必要な額を表示するようにすると好ましい。
【0075】
そして、この画面で、当該金銭による寄付を行う者に、金銭のまま寄付するか、寄付しようとする金銭でテレビを任意の台数購入して寄付するかを選択させる。このことで、NPOの欲している金銭以外の物若しくはサービスを充足させることが可能になる。
【0076】
なお、この例では、テレビの量を例にとったが、これに限定されるものではなく、広くNPOが欲している物、サービスその他全てのものを表示し処理できるようにすることが好ましい。また、前記一実施形態によるオークションを経る前に、この金銭を物等に変換する貢献の申し出があった場合には、これを優先して処理するようにしても良い。
【0077】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、コンピュータシステムを利用し、金銭以外の貢献を促進できる貢献支援システムを提供することができる効果がある。
【0078】
また、金銭の寄付しかできない者が、NPOへの金銭以外の寄付の流れを誘導できる貢献支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態における処理の一例を示すフロー図。
【図2】一実施形態におけるシステム構成例を示すブロック図。
【図3】貢献したいものリストの一例を示す図。
【図4】貢献をして貰いたいものリストの一例を示す図。
【図5】マッチング結果を示す画面表示の一例を示す図。
【図6】オークション申込内容の入力画面の一例を示す図。
【図7】この発明の他の実施形態を説明するための図。
【符号の説明】
A…貢献者(第1の貢献者)
B…貢献者(第1の貢献者以外の者)
C…貢献者(第1の貢献者以外の者)
1…ドネーション仲介サイト
3…貢献したいものリスト格納部
4…貢献してもらいたいものリスト格納部
5…マッチング済みリスト格納部
6…貢献者データベース
7…NPOデータベース
10…CPU
11…RAM
12…通信デバイス
13…入出力装置
14…バス
15…データ格納部
16…プログラム格納部
18…オークション結果格納部
19…貢献結果情報格納部
31…メインプログラム
32…マッチング部
33…オークション実行部
34…貢献仲介部
35…レポート部
43〜48…詳細情報ボタン
49…オークション参加ボタン
60…申込ボタン
Claims (4)
- NPOに対する貢献をコンピュータにより処理する方法であって、この方法は、
(a)コンピュータにより、第1の貢献者から金銭以外の貢献対象の登録を受け付け、貢献したい物リスト格納部に登録する工程と、
(b)前記コンピュータが、当該貢献したい物リスト格納部に登録されたリストに基づいて当該リストを表示するための表示画面を生成し、前記第1の貢献者以外の者にオンラインで閲覧させる工程と、
(c)前記コンピュータが、所定期間内に、前記第1の貢献者以外の者から、NPOデータベースからの当該貢献対象を誘導したいNPOの選択と、前記リストからの貢献対象の選択と、前記選択した貢献対象に対する値付け値の入力とを含むオークション参加情報の入力をオンラインで受け付け、上記所定期間後に、最も高い値段を入力した前記第1の貢献者以外の者をオークション勝者として決定する工程と、
(d)前記コンピュータが、前記(c)工程で特定されたNPOに対する前記貢献対象の貢献が実行されたことに基づき、前記貢献したい物リスト格納部に格納された貢献したい物リストから当該貢献対象を削除してリストを更新する工程と、
(e)前記コンピュータが、前記NPOから前記貢献対象の受領報告を受けたことに基づき、当該貢献対象を貢献した前記第1の貢献者に、前記(c)工程で決定された値付けにかかる金額を通知する工程と、
(f)前記コンピュータが、前記第1の貢献者以外の者からの、前記(c)工程で特定されたNPOに対する前記値付けに係る金額に相当する金銭の支払を処理する工程と
をさらに有することを特徴とする方法。 - 請求項1記載の方法において、
この方法はさらに、
(g)前記コンピュータが、NPOから、自己が貢献を受けたい貢献対象の登録を受け付け、貢献を受けたい物リスト格納部に格納する工程と、
(h)前記コンピュータが、前記第1の貢献者が登録した貢献対象からなる貢献したい物リストと、前記NPOが登録した貢献対象からなる貢献されたい物リストとをマッチングし、前記貢献したい物のリストのうちマッチングした物を当該NPOの情報と共に前記工程(b)で前記第1の貢献者以外の者にオンラインで閲覧させる工程と
を有することを特徴とする方法。 - NPOに対する貢献を処理するシステムであって、
(a)コンピュータにより、前記第1の貢献者から金銭以外の貢献対象の登録を受け付け、貢献したい物リスト格納部に登録する手段と、
(b)前記コンピュータが、当該貢献したい物リスト格納部に登録されたリストをオンラインで公開する手段と、
(c)前記コンピュータが、所定期間内に、前記第1の貢献者以外の者から、前記リストからの貢献対象の選択と、NPOデータベースからの当該貢献対象を誘導したいNPOの選択と、前記選択した貢献対象に対する値付け値の入力とを含むオークション参加情報の入力をオンラインで受け付け、上記所定期間後に、最も高い値段を入力した者を決定する手段と、
(d)前記コンピュータが、前記(c)の手段で特定されたNPOに対する前記貢献対象の貢献が実行されたことに基づき、前記貢献したい物リストから当該貢献対象を削除してリストを更新する手段と、
(e)前記コンピュータが、前記NPOから前記貢献対象の受領報告を受けたことに基づき、当該貢献対象を貢献した前記第1の貢献者に、前記(c)の手段で決定された値付けにかかる金額を通知する手段と、
(f)前記コンピュータが、前記第1の貢献者以外の者からの、前記(c)の手段で特定されたNPOに対する前記値付けに係る金額に相当する金銭の支払を処理する手段と
をさらに有することを特徴とするシステム。 - 請求項3記載のシステムにおいて、
さらに、
(g)前記コンピュータが、前記NPOから、自己が貢献を受けたい貢献対象の登録を受け付け、貢献を受けたい物リスト格納部に格納する手段と、
(h)前記コンピュータが、前記第1の貢献者が登録した貢献対象からなる貢献したい物リストと、前記NPOが登録した貢献対象からなる貢献されたい物リストとをマッチングし、前記貢献したい物のリストのうちマッチングした物を当該NPOの情報と共に前記(b)の手段で前記第1の貢献者以外の者にオンラインで閲覧させる手段と
を有することを特徴とするシステム。
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