JP4593191B2 - 焼却設備における熱交換器の洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、各種産業の工場等から発生する固形廃棄物、廃水、廃ガス等の廃棄物を焼却処理した際に、高温の燃焼排ガスを冷却水と直接接触させて冷却する方法において、冷却水中に無機塩類が溶解して次第に濃度が高くなる場合が生じ、この冷却水から析出操作により無機塩類を分離する際に、前記廃棄物の焼却処理を停止させることなく、冷却水の析出・分離操作を効率的に行う方法に関するものである。
各種産業の工場等から発生する固形廃棄物、廃水、廃ガス等の廃棄物を焼却処理する焼却炉からの燃焼排ガスを冷却する方法としては、高温の燃焼排ガスを冷却水と直接に接触させて冷却する方式が多用されている。このような冷却方法の一つとして、例えば、高温の燃焼排ガスを直接水中に噴出させることにより燃焼排ガスの冷却を行う液中燃焼方式が、効率よく排ガスの冷却を行うことができる方法として知られている(例えば、非特許文献1参照)。
「環境圏の新しい燃焼工学」、発行所株式会社フジ・テクノシステム、1999年12月3日初版第1刷発行、p.854〜858
この液中燃焼方式による冷却方法の場合には、燃焼排ガスと接触して排ガスを冷却させた冷却水には、廃棄物の燃焼により発生した無機塩類等を溶解していることが多い。例えば、塩化物、硫黄化合物等を含有する助燃料、廃水、廃ガス等を焼却炉で焼却した場合には、焼却時に発生した塩化水素、酸化硫黄等の酸性ガスを水酸化ナトリウム等のアルカリ物質を用いて中和処理した際に、例えばナトリウム塩(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等)、やカリウム塩(塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム等)等の無機塩類が生成することとなる。廃棄物の焼却処理の進行により、次第にこれらの無機塩類が冷却水中に濃縮されてくると、無機塩類の析出によりガス通路が狭まったり、冷却水の流動性が低下して操業に支障を生ずるために、無機塩類に使用用途がなく、河川、海洋等に放流することが可能な場合には、冷却水の一部を系外に抜出し無機塩類の濃度を制御している(例えば、特許文献1参照)。冷却水はそのまま、あるいは適宜無害化処理を施されて排出される。この他、無機塩類が有用であったり、河川、海洋等に放流することが許されていない場合には、無機塩類を固形物として回収することが行われる。例えば、特許文献2には、スラリー化させた冷却水の一部を抜出して、固液分離機に供給して無機塩類を分離し、残りの水分を循環させて利用する方法が開示されている。
特公昭55−10803号公報 特公昭57−32292号公報
冷却水の一部を抜出して無機塩類を分離する方法としては、上記の方法以外に、冷却水に熱を加え水分の一部を蒸発させて濃縮することにより、水中に無機塩類を析出させ、その後固液分離操作にて無機塩類を分離する方法がある。この方法では、析出操作において冷却水中の水分を蒸発させるための熱は、熱交換器を介して間接的に与えられる。熱交換器にはこれまで多管式熱交換器が使用され、胴側には加熱源となる媒体(温水、スチ−ム等)が用いられ、管内側には無機塩類を含む冷却水が通過し、水分を蒸発させるための熱が与えられる。この水分が蒸発し無機塩類が析出する過程の中で、熱交換器の管内側へ徐々に無機塩類が付着するスケ−リングが起こり、それとともに熱交換器の性能が徐々に低下して1週間〜数週間程度で運転継続が不能となることがある。
熱交換器の運転が困難な状態になると、熱交換器の洗浄を行うことになるが、これまでの方法では、洗浄時間が1〜2日を要するため、廃水、廃ガス等の廃棄物の焼却処理を含む全設備の運転を停止して、析出装置内の析出物を含む冷却水を一旦装置外へ排出し、熱交換器まわりの配管およびチャンネルカバ−を取外した後、ジェット洗浄等により熱交換器内のスケ−リングの除去を行っていた。ジェット洗浄作業に係わる作業時間として1〜2日程度を要し、このため焼却設備の運転を中断せざるを得なかった。熱交換器の洗浄作業は頻繁に行う必要があるので、洗浄費用の点でも問題となる。また、予備の熱交換器を設置して、一方の熱交換器の洗浄時に、予備の熱交換器に切替えて運転を継続する方法も考えられるが、ジェット洗浄作業で発生する洗浄排水の処理の問題や、予備機の設置費用、さらに頻繁に行う洗浄作業の費用の点で問題がある。
すなわち、従来の方法では、熱交換器の無機塩類のスケ−リングによる性能低下を回復させる場合に以下のような課題を有していた。
1.熱交換器の洗浄作業に時間を要するために、焼却設備の連続運転が困難となり、運転を中断していたために設備の稼働率が低下する。
2.熱交換器の洗浄作業を頻繁に行うため、洗浄のための費用と労力が多くなる。
3.熱交換器の洗浄排水を処理する必要がある。
4.熱交換器の予備機を設置しても、予備機の費用と共に洗浄費用も同様に必要となる。
本発明は、固形廃棄物、廃水、廃ガス等の廃棄物の焼却設備より排出される燃焼排ガスを、冷却水に直接接触させて冷却する方法において、冷却水中に濃縮されてくる無機塩類の濃度を低減させるために、冷却水の一部を取出して析出・分離装置にて、熱交換器を用いて冷却水を加温して水分の一部を蒸発させ、無機塩類を析出・分離するに際し、冷却水中の水分を蒸発させ無機塩類を析出させる過程において、熱交換器の性能低下を短時間に回復させる洗浄方法を提供し、これによりに焼却設備の連続的な運転を可能にするものである。
この他の目的としては、熱交換器の洗浄方法を改善し、洗浄のための時間および労力を低減させるものである。さらには、熱交換器の洗浄排水を外部へ出さずに、内部で再利用して排水のクロ−ズドシステムに資することを目的とする。
請求項1の発明は、廃棄物の焼却設備より排出される燃焼排ガスを冷却缶に供給して冷却水に直接接触させて冷却し、前記冷却缶中の無機塩類を含む冷却水を、冷却水タンクに供給した後に析出缶に供給し、この析出缶に供給された前記無機塩類を含む冷却水を、熱交換器を経由して前記析出缶に戻す循環運転をして、前記熱交換器で前記無機類を含む冷却水を加熱して水分の一部を蒸発させることにより無機塩類を析出させて回収する一方、前記焼却設備の運転を維持しながら、温水洗浄により前記熱交換器の性能を回復させる際には、前記析出缶内の析出物を含む冷却水を析出液タンクに一旦抜出し、その後に、前記析出缶に供給されて該析出缶と前記熱交換器の間で循環運転される水を該熱交換器で加熱して温水とし、この温水を循環させることにより前記熱交換器の前記無機塩類によるスケーリングを溶解させるとともに、この熱交換器の洗浄操作中は、前記析出缶への前記無機塩類を含む冷却水の供給を停止して前記冷却水タンクへ一時的に貯留することを特徴とする焼却設備における熱交換器の洗浄方法である。
請求項2の発明は、燃焼排ガスと冷却水の直接接触が、燃焼排ガスを冷却水中に噴出させる液中燃焼方式により行われる上記の焼却設備における熱交換器の洗浄方法である。
燃焼排ガスと冷却水を直接接触させる方法は、前記の液中燃焼方式以外にも、充填塔、スプレー塔、ジェットスクラバー式、ベンチュリースクラバー式等の気液が直接接触する方法であれば適用できるが、熱効率的には液中燃焼方式が最も好ましいものの一つである。
請求項3の発明は、前記熱交換器で前記無機類を含む冷却水を加熱して水分の一部を蒸発した水を凝縮させた後、設備用水として再利用すると共に、熱交換器の温水洗浄の開始時に前記析出液タンクへ抜出された析出物を含む冷却水を前記冷却缶への補給水の一部として再供給して、燃焼排ガスの冷却工程に戻すようにした上記の焼却設備における熱交換器の洗浄方法である。
請求項4の発明は、焼却設備で焼却処理される廃棄物が、廃水および/または廃ガスである上記の焼却設備における熱交換器の洗浄方法である。これは、本発明を適用し易い廃棄物が廃水や廃ガスであり、これらを焼却処理するための焼却設備として、比較的コンパクトなものとすることが可能であるからである。
本発明は、固形廃棄物、廃水、廃ガス等の廃棄物の焼却設備より排出される燃焼排ガスを、冷却水に直接接触させて冷却する方法により、冷却水中に濃縮されてくる無機塩類の成分としては、ナトリウム塩およびカリウム塩が多く、それらは水への溶解性が高いことに着目して開発されたものである。すなわち、熱交換器の管内側へ析出してくる無機塩類のスケ−リングの成分が、ナトリウム塩やカリウム塩のように溶解性の良好な場合には、熱交換器の管内側に温水を循環させて洗浄することで、性能を回復させることが可能であった。
そして、この方法による熱交換器の洗浄時間は、20分〜数時間程度のために焼却設備の運転を中断させることなく、そのまま運転を継続させることができるようになった。具体的には、無機塩類を含む冷却水は、熱交換器の洗浄作業中は冷却水タンクへ一時的に貯留させておき、熱交換器の洗浄作業の終了後に、冷却水の析出・分離装置への供給を再開させるようにする。尚、洗浄時間としては、短時間であっても熱交換器の性能回復に寄与するものの、ある程度のレベルまで性能を回復させるために20分以上、好ましくは30分以上とすることがよい。
本発明の方法により、短時間で熱交換器の性能を回復させる洗浄作業ができ、析出・分離装置の一部を短時間の間停止させるだけで廃棄物の焼却処理としての設備は運転継続が可能となる。
また、冷却水の析出・分離操作により蒸発した水を凝縮させた後、設備用水として再利用すると共に、熱交換器を温水洗浄するために、析出・分離装置内に残っている無機塩類の析出物を含む冷却水は、装置内に設置された析出液タンクへの抜出しを行い、そのまま、あるいは必要に応じて補給水を追加して無機塩類の飽和濃度以下にまで希釈してから、ポンプにて冷却工程へ戻すようにする。これにより、焼却設備と析出・分離装置を含む設備内における排水のクロ−ズドシステムを維持することが可能となる。
以下に図面を用いて本発明の内容を詳細に説明する。
図1は、本発明を実施するための廃水、廃ガス等の廃棄物を焼却処理する焼却設備の説明図である。図1では、燃焼排ガスと冷却水を直接接触させる方法として、液中燃焼方式を適用した場合を例とした。図1は、液中燃焼方式にて燃焼排ガスを冷却後、無機塩類を含む冷却水を設備外に排出させずに、析出装置で冷却水中の水分を減圧下に蒸発させ、無機塩類を生成させた後に遠心分離機12で、固形塩またはスラリ−塩27として回収する代表的なフロ−を示す。
図1の焼却炉1において助燃料21と燃焼空気6により、焼却炉1内を高温酸化雰囲気とし、この高温雰囲気中に供給される廃水、廃ガス22中の有機物は完全に分解される。焼却処理時に発生した塩化水素、酸化硫黄等の酸性ガスは、別途焼却炉内に供給される水酸化ナトリウム水溶液23により炉内中和処理がなされ、その際にナトリウム塩(塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等)等の無機塩類を生じることとなる。前記の炉内中和処理や予め廃水等に添加するアルカリ化合物の種類によって、形成される無機塩類が異なってくることになる。例えば水酸化ナトリウムに代えて水酸化カリウムを用いれば、カリウム塩(塩化カリウム、硫酸カリウム、炭酸カリウム等)が生ずることになる。また、焼却処理の対象となる廃水、廃ガス等の廃棄物に由来する無機成分に応じた無機塩類が混入することもある。
図1では、廃棄物として廃水、廃ガスの焼却処理を例示したが、固形廃棄物を焼却処理する焼却設備においても、燃焼排ガスを中和処理した後に、冷却水に直接接触させて冷却する方法を採用している場合には、無機塩類が冷却水中に濃縮してくるケースがあり、このような場合には本発明を適用することが可能である。
焼却炉1で生じた高温の燃焼排ガスを、冷却缶2において直接冷却水中に噴出させる液中燃焼方式により燃焼排ガスの冷却が行われる。このとき冷却水に燃焼により発生した無機塩類の多くが溶解する。冷却缶2を出た排ガスは、スクラバ−3で洗浄され、煙突4から排ガス25として排出される。
冷却缶2内の無機塩類を含む冷却水26は、冷却缶ポンプ7にて冷却水タンク5へ供給され、その後冷却水ポンプ9を用いて析出缶11へ供給される。析出缶11内の圧力は、真空ポンプ20により減圧に調整されている。析出缶内の圧力を減圧とすることにより、冷却水の水分を効果的に蒸発させるようにするためである。
析出缶循環ポンプ16にて析出缶11に供給された無機塩類を含む冷却水26は、熱交換器10を経由して析出缶11に戻る循環運転がなされている。熱交換器10に加熱媒体31(温水、スチ−ム等)を供給し無機塩類を含む冷却水26を間接的に加熱すると、冷却水中の水分の一部が蒸発し、無機塩類が析出する。析出缶11で発生した水蒸気は、凝縮器13へ移送され、冷却媒体28との熱交換により全凝縮される。凝縮器13からの水蒸気に随伴する窒素、酸素、二酸化炭素等のイナ−ト分は、真空ポンプ20を経由して排気29として排出される。一方の凝縮水は不純物が少ないので、設備内における用水として利用する。
尚、無機塩類を含む冷却水26を加熱するために、熱交換器10に加熱媒体31を供給しており、加熱媒体として温水、スチ−ム等を例示したが、それほど高温に加熱するわけではないので、可能であれば、焼却設備内にて発生する温水や排ガスの熱エネルギーを利用するようにしてもよい。
無機塩類の析出物を含有した冷却水は、遠心分離機供給ポンプ17で遠心分離機12へ供給され、固形塩またはスラリ−塩27として回収される。また、遠心分離機12からの分離液は一旦分離液タンク15に貯留され、分離液ポンプ18で析出缶11へ供給される。
この運転を継続していくと徐々に熱交換器10の管内側へ無機塩類によるスケ−リングが起こり熱交換器の性能が次第に低下する。
このため、従来は熱交換器の性能があるレベルを下回るようになると、前述のように廃水、廃ガス等の廃棄物の焼却処理を含む全設備の運転を停止して、析出・分離装置内の析出物を含む冷却水を一旦装置外へ排出し、熱交換器まわりの配管およびチャンネルカバ−を取外した後、ジェット洗浄等により1〜2日程度をかけて熱交換器内のスケ−リング除去を行っていた。
本発明の場合には、冷却水ポンプ9、真空ポンプ20、析出缶循環ポンプ16、遠心分離機供給ポンプ17、分離液ポンプ18を停止し、析出缶11内の析出物を含む冷却水を析出液タンク14へ一旦抜出して、析出・分離装置内に滞留している冷却水を取出すようにする。その後析出缶11へ工業用水24を供給した後、析出缶循環ポンプ16を再運転して、析出缶11と熱交換器10の間で工業用水の循環運転を開始する。熱交換器10へは、加熱媒体(温水またはスチ−ム)を供給して工業用水を加熱して温水とし、管内側の無機塩類によるスケ−リングを温水の循環により溶解させる。熱交換器の洗浄操作中は、析出缶11への無機塩類を含む冷却水26の供給を停止し、冷却水タンク5へ一時的に貯留させるようにする。
熱交換器の洗浄操作が完了した後、冷却水ポンプ9、真空ポンプ20、遠心分離機供給ポンプ17、分離液ポンプ18を再運転して、無機塩類を含む冷却水26を析出缶11へ再度供給し析出・分離装置の運転を再開する。
また、析出液タンク14へ抜出された析出物を含む冷却水は、そのままでもよいが、必要に応じて工業用水24で無機塩類の飽和濃度以下まで希釈してから、移送ポンプ19にて冷却缶2へ補給水の一部として再供給する。
図1の廃水、廃ガス等の廃棄物を焼却処理する焼却設備の説明図で、排水を設備外に排出させないクロ−ズドシステムを実施する場合には、析出・分離過程において冷却水に熱を加え水分の一部を蒸発させて濃縮することで無機塩類を析出させ、固液分離操作にて無機塩類と排水を分離し、前述のように循環利用することができる。一方、冷却水から蒸発させた水分は、冷却・凝縮させることで復水し、設備用水として再利用することが可能となる。
図1の焼却設備で、燃焼排ガスの冷却を液中燃焼方式にて行い、廃水を処理した。廃水は、各種廃液等を混合したもので、有機物8.0重量%、無機成分6.0重量%、残部水で,高位発熱量600kcal/kgであり、無機成分の主たるものは硫酸ナトリウム(NaSO)、塩化ナトリウム(NaCl)、炭酸カリウム(KCO)、硫酸カリウム(KSO)、塩化カリウム(KCl)である。
前記廃水6000kg/hrを、焼却炉1内へ供給し、水酸化ナトリウム水溶液23を別途供給して炉内中和処理を行いつつ、炉内温度980℃で焼却処理した。焼却炉1で生じた高温の燃焼排ガスを、冷却缶2内の冷却水中へ直接に噴出させて冷却した。冷却水中には燃焼により生じた無機塩類の多くが溶解し、定常運転時においては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、炭酸カリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム等で約18重量%である。
冷却缶2内の無機塩類を含む冷却水26は、冷却缶ポンプ7、冷却水タンク5、冷却水ポンプ9の経路を経て、真空ポンプ20により−85kPa程度に調整されている析出缶11へ供給される。析出缶11に供給された無機塩類を含む冷却水26は650m/hrの割合で、析出缶循環ポンプ16にて熱交換器10を経由して析出缶11に戻る循環運転を行った。熱交換器10に加熱媒体31として約85℃の温水を150m/hrを供給し、循環させている無機塩類を含む冷却水26を間接的に加熱した。これにより冷却水中の水分の一部が蒸発し、無機塩類の濃度が徐々に高まり、30重量%程度で析出物が生成する。
無機塩類を含む冷却水の沸点は、析出缶11内が減圧に保持されていることと、塩類の溶解による沸点上昇により60℃程度となっている。また、熱交換器10の加熱媒体31の出口温度は73℃程度で、熱交換器により加熱された後の冷却水の温度は62℃程度である。このように熱交換器まわりの入口・出口温度および流量が判るので、熱交換器の総括伝熱係数を求めることができる。
この総括伝熱係数は、熱交換器の性能を表す指標として用いられており、これにより熱交換器の性能を評価することができる。図2に、焼却設備の運転時間に対する熱交換器の総括伝熱係数の変化を示した。図2の横軸は焼却設備の運転時間(hr)、縦軸は熱交換器の総括伝熱係数(kcal/mhr℃)である。
焼却設備の運転開始直後における熱交換器の総括伝熱係数は1,200kcal/mhr℃程度となっているが、200時間を経過する頃には350kcal/mhr℃程度まで低下した。このため、220時間頃に冷却水ポンプ9、真空ポンプ20、析出缶循環ポンプ16、遠心分離機供給ポンプ17、分離液ポンプ18を停止し、析出缶11内の析出物を含む冷却水を析出液タンク14へ一旦抜出しを行った。その後に析出缶11へ工業用水24を供給した後、析出缶循環ポンプ16を再運転して、析出缶11と熱交換器10の間で水の循環運転を開始した。熱交換器10へ約85℃の温水を供給し水を加熱して温水とし、熱交換器の管内側の塩類によるスケ−リングを、約30分程度温水を循環させることにより溶解させた。
熱交換器の洗浄操作中は、析出缶11への無機塩類を含む冷却水26の供給を停止し、冷却水タンク5へ一時的に貯留した。熱交換器の洗浄操作が完了した後に、冷却水ポンプ9、真空ポンプ20、遠心分離機供給ポンプ17、分離液ポンプ18を再運転して、無機塩類を含む冷却水26を析出缶11へ再供給し析出・分離装置の運転を再開する。
また、析出液タンク14へ抜出された析出物を含む冷却水は、工業用水24で無機塩類の飽和濃度以下にまで希釈してから、移送ポンプ19にて冷却缶への補給水の一部として供給する。再開直後の熱交換器の総括伝熱係数は1,000kcal/mhr℃程度まで回復した。さらに、420時間後に同様に熱交換器の性能低下が認められたために、再度洗浄を実施したところ、総括伝熱係数は1,000kcal/mhr℃程度まで回復し洗浄効果は良好であった。この間,焼却設備における廃水の焼却処理を連続して行うことができた。
発明の効果
本発明により、冷却水の析出・分離装置に使用される熱交換器の伝熱性能回復のための伝熱管洗浄操作を、焼却設備の焼却運転を継続したままで行うことができるようになった。また、これまでの洗浄作業で必要であった機器の分解や、大掛かりな洗浄設備が不要となり、労力の大幅な低減が実現した。さらに、これまでは別途処理が必要であった洗浄時に発生する排水の内部処理が可能となり、クローズドシステムを維持することが可能となった。
本発明を実施するための廃水、廃ガス等の廃棄物を焼却処理する焼却設備の説明図である。 焼却設備の運転時間に対する熱交換器の総括伝熱係数の変化を示す図である。
符号の説明
1 焼却炉 11析出缶 21助燃料
2 冷却缶 12遠心分離機 22廃水・廃ガス
3 スクラバー 13凝縮器 23水酸化ナトリウム水溶液
4 煙突 14析出液タンク 24工業用水
5 冷却水タンク 15分離液タンク 25排ガス
6 燃焼用空気 16析出缶循環ポンプ 26無機塩類を含む冷却水
7 冷却缶ポンプ 17遠心分離機供給ポンプ 27固形塩、スラリー塩
8 スクラバーポンプ 18分離液ポンプ 28冷却媒体
9 冷却水ポンプ 19移送ポンプ 29排気
10熱交換器 20真空ポンプ 30凝縮水
31加熱媒体

Claims (4)

  1. 廃棄物の焼却設備より排出される燃焼排ガスを冷却缶に供給して冷却水に直接接触させて冷却し、前記冷却缶中の無機塩類を含む冷却水を、冷却水タンクに供給した後に析出缶に供給し、この析出缶に供給された前記無機塩類を含む冷却水を、熱交換器を経由して前記析出缶に戻す循環運転をして、前記熱交換器で前記無機類を含む冷却水を加熱して水分の一部を蒸発させることにより無機塩類を析出させて回収する一方、前記焼却設備の運転を維持しながら、温水洗浄により前記熱交換器の性能を回復させる際には、前記析出缶内の析出物を含む冷却水を析出液タンクに一旦抜出し、その後に、前記析出缶に供給されて該析出缶と前記熱交換器の間で循環運転される水を該熱交換器で加熱して温水とし、この温水を循環させることにより前記熱交換器の前記無機塩類によるスケーリングを溶解させるとともに、この熱交換器の洗浄操作中は、前記析出缶への前記無機塩類を含む冷却水の供給を停止して前記冷却水タンクへ一時的に貯留することを特徴とする焼却設備における熱交換器の洗浄方法。
  2. 燃焼排ガスと冷却水の直接接触が、燃焼排ガスを冷却水中に噴出させる液中燃焼方式により行われる請求項1記載の焼却設備における熱交換器の洗浄方法。
  3. 前記熱交換器で前記無機類を含む冷却水を加熱して水分の一部を蒸発した水を凝縮させた後、設備用水として再利用すると共に、熱交換器の温水洗浄の開始時に前記析出液タンクへ抜出された析出物を含む冷却水を前記冷却缶への補給水の一部として再供給して、燃焼排ガスの冷却工程に戻すようにした請求項1または2に記載の焼却設備における熱交換器の洗浄方法。
  4. 焼却設備で焼却処理される廃棄物が、廃水および/または廃ガスである請求項1〜3のいずれかに記載の焼却設備における熱交換器の洗浄方法。
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