JP6766772B2 - 下水汚泥焼却設備における廃熱を利用した発電システム及び発電システムの運転方法 - Google Patents
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Description
また、比較的カロリーの低い下水汚泥についても下水汚泥の焼却によって得られた燃焼ガスの廃熱を利用する発電システムが提案されている。
特許文献1の実施例では、廃熱ボイラのガス出口温度が250℃、蒸気条件が11kg/cm2(≒1.1MPa)であったことが記載されている。特許文献1には発電装置については具体的な記載がないが、この蒸気条件では十分な発電量を得ることができない。
この汚泥焼却システムでは廃熱ボイラから出てくる排ガスを熱交換器で燃焼用空気と熱交換させて燃焼用空気を加熱し、加熱された燃焼用空気を焼却炉に供給している。焼却炉に供給される燃焼用空気は廃熱ボイラにおいて熱を回収された排ガスと熱交換するため温度は低くなる。特許文献2に記載の汚泥焼却装置では下水汚泥を自己熱燃焼可能な含水率である65%程度に脱水しているため、燃焼用空気の温度はそれほど高くなくてもよい。
しかしながら70%を超える含水率の下水汚泥を補助燃料なしで燃焼させるには燃焼用空気の温度を高くする必要がある。
また、特許文献2には、焼却炉からの出口排ガス約13000Nm3/h、950℃の排ガスを廃熱ボイラで330℃まで熱回収することにより、蒸気条件を400℃,40ata(≒4MPa)とすることにより、4.6ton/Hr程度回収できることが記載されている。
このような高温・高圧の蒸気条件を達成するには大規模な熱回収設備が必要である。中小規模の焼却設備ではこのような蒸気条件を採用することはできない。
又、下水汚泥焼却設備の蒸気条件を通常の廃棄物焼却設備の蒸気条件と同じにすると回収できる蒸気量が蒸気タービンの駆動に必要な量よりも少なくなり、蒸気タービンが駆動できないという問題があった。
(1)下水汚泥を焼却する焼却炉と、
前記焼却炉に供給される燃焼用空気を加熱する空気予熱器と、
前記焼却炉からの排ガスにより蒸気を発生させる廃熱ボイラと、
前記廃熱ボイラで発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電を行う発電装置と、
を備えた発電システムであって、
前記空気予熱器の加熱側は、焼却炉から排出される排ガスを空気予熱器に供給する配管と、熱交換後の排ガスを廃熱ボイラに供給する配管とを有し、
前記空気予熱器の被加熱側は、燃焼用空気を空気予熱器に供給する配管と、熱交換後の燃焼用空気を焼却炉に供給するための配管とを有し、
前記発電装置は、蒸気タービンから排出される蒸気を復水するための水冷式復水器を有し、
廃熱ボイラの入口の排ガス温度は500℃〜700℃であり、
蒸気タービンの蒸気条件が1.0MPa〜1.6MPa、340℃〜370℃であり、
発電機の出力が450kW〜1000kWである、
発電システム。
(2)前記水冷式復水器の冷却水が、下水処理設備から排出される処理水である、上記(1)に記載の発電システム。
(3)前記蒸気タービンの蒸気条件が1.2MPa、350℃である、上記(1)又は(2)に記載の発電システム。
(4)前記焼却炉に供給される燃焼用空気のための配管Aと、前記焼却炉から排出される排ガスのための配管Bとが設けられており、
前記配管Aは、空気を前記空気予熱器の被加熱側のガス入口に導く配管A1と、空気を直接前記焼却炉に導く配管A2とに分岐しており、
前記空気予熱器の被加熱側のガス出口には前記空気予熱器から空気を排出する配管A3が設けられており、
前記配管Bは、排ガスを空気予熱器の加熱側のガス入口に導く配管B1と、排ガスを直接前記廃熱ボイラに導く配管B2とに分岐しており、
前記空気予熱器の加熱側のガス出口には空気予熱器から排ガスを排出する配管B3が設けられており、
前記配管A2と前記配管A3とは前記配管A2内の空気と前記配管A3内の空気とを混合して前記焼却炉に導く配管A4に接続されており、
前記配管B2と前記配管B3とは前記配管B2内の排ガスと前記配管B3内の排ガスとを混合して廃熱ボイラに導く配管B4に接続されており、
前記配管A1〜A3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる空気の流量を制御する流量制御手段が設けられ、
前記配管B1〜B3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段が設けられた、
上記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の発電システム。
(5)焼却炉が流動床式焼却炉である、上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の発電システム。
(6)下水汚泥を焼却する焼却炉と、
前記焼却炉に供給される燃焼用空気を加熱する空気予熱器と、
前記焼却炉からの排ガスにより蒸気を発生させる廃熱ボイラと、
前記廃熱ボイラで発生した蒸気によって発電を行う発電装置と、
を備え
前記空気予熱器の加熱側は、焼却炉から排出される排ガスを空気予熱器に供給する配管と、熱交換後の排ガスを廃熱ボイラに供給する配管とを有し、
前記空気予熱器の被加熱側は、燃焼用空気を空気予熱器に供給する配管と、熱交換後の燃焼用空気を焼却炉に供給するための配管とを有し、
前記発電装置は、蒸気タービンから排出される蒸気を復水するための水冷式復水器を有する発電システムの運転方法であって、
廃熱ボイラの入口の排ガス温度は500℃〜700℃とし、
蒸気タービンの蒸気条件が1.0MPa〜1.6MPa、340℃〜370℃とする、
発電システムの運転方法。
(7)前記発電システムには、
前記焼却炉に供給される燃焼用空気のための配管Aと、前記焼却炉から排出される排ガスのための配管Bとが設けられており、
前記配管Aは、空気を前記空気予熱器の被加熱側のガス入口に導く配管A1と、空気を直接前記焼却炉に導く配管A2とに分岐しており、
前記空気予熱器の被加熱側のガス出口には前記空気予熱器から空気を排出する配管A3が設けられており、
前記配管Bは、排ガスを空気予熱器の加熱側のガス入口に導く配管B1と、排ガスを直接前記廃熱ボイラに導く配管B2とに分岐しており、
前記空気予熱器の加熱側のガス出口には空気予熱器から排ガスを排出する配管B3が設けられており、
前記配管A2と前記配管A3とは前記配管A2内の空気と前記配管A3内の空気とを混合して前記焼却炉に導く配管A4に接続されており、
前記配管B2と前記配管B3とは前記配管B2内の排ガスと前記配管B3内の排ガスとを混合して廃熱ボイラに導く配管B4に接続されており、
前記配管A1〜A3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる空気の流量を制御する流量制御手段が設けられ、
前記配管B1〜B3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段が設けられている、
上記(6)に記載の発電システムの運転方法。
廃棄物発電を高効率化するとは、廃棄物発電プラントにおいてごみの有する熱量をできるだけ有効に利用することである。有効なエネルギーとしては電力のみでなく蒸気、温水等、目的とする有効なエネルギーの形により種々の形態があるが、本発明における高効率化とは電力への変換効率すなわち発電効率の向上をいう。
復水器には空冷式と水冷式とがある。空冷式の場合は、タービン出口蒸気は60℃までしか冷却されず、復水器圧力が低くならずタービンの熱効率は高くならない。
このため、本発明では熱効率の観点から水冷式復水器を用いる。
通常の事業用発電タービンでは、タービン出口の蒸気を復水器において海水によって冷却する水冷方式が採用されているが、廃棄物発電の場合には発電設備が小規模であり、内陸に設置されることが多いため、海水冷却による水冷を採用することは難しい。
下水汚泥は窒素含有量が極めて多いため、焼却時には亜酸化窒素(N2O)が排出される。この亜酸化窒素は二酸化炭素の約300倍の温暖化効果を持っているとされる温室効果ガスであり、その削減が強く求められている。この亜酸化窒素は焼却温度を850℃以上とすることにより削減できる。このため、下水汚泥の焼却温度は850℃以上とすることが好ましい。
図1に示した廃熱を利用した発電システム100は、焼却炉1、空気予熱器(熱交換器)2、廃熱ボイラ3、蒸気タービン4、水冷式復水器5、給水ポンプ6、空気送風機21を備えている。また、発電システムは排ガス処理設備として集塵機7、湿式ガス洗浄装置8、触媒反応塔9、及び煙突10を備えている。
配管A1は空気予熱器2の被加熱側のガス入口に接続されており、空気送風機21から供給された燃焼用空気は配管A1を通って空気予熱器2に流入する。
一方、配管B1は空気予熱器2の加熱側のガス入口に接続されている。焼却炉1で下水汚泥が燃焼することにより発生した高温の排ガスは、配管B1を通って空気予熱器2に流入する。
空気予熱器2における熱交換によって燃焼用空気を加熱して温度が低下した排ガスは配管B3によって空気予熱器2から流出し、廃熱ボイラ3に供給される。
焼却炉1と空気予熱器2と廃熱ボイラ3とは排ガスを移送する配管での熱損失を避けるために近接して配置されることが望ましい。
上記の排ガス温度を有する排ガスを用いて廃熱ボイラ3で蒸気を発生させると、廃熱ボイラから排出されてタービンを駆動させる蒸気の蒸気条件を1.2MPa、350℃とすることができ、4t/h程度の蒸気で高効率の発電が可能となる。
このような蒸気条件で発電を行わせるには出力450kW〜1000kWの小規模な蒸気タービン発電機を用いることが好ましい。
湿式ガス洗浄装置8では、排ガスを苛性ソーダ等のアルカリ溶液と接触させて塩化水素、硫黄酸化物等の酸性有害ガスを除去する。
触媒反応塔9では排ガス中の窒素酸化物をアンモニアを還元剤として触媒により分解する。また、ダイオキシン類も触媒で分解する。処理された排ガスは煙突10から大気中に排出される。
図2Aに、空気予熱器から排出される燃焼用空気の温度を制御するための、焼却炉1、空気予熱器2、廃熱ボイラ3、及び、空気送風機21の相互の間の配管の接続状態の概略図を示す。なお、各配管には必要に応じて適宜流量制御弁を設けるが、流量制御弁の設け方には種々のバリエーションが考えられる。そこで、配管の接続を説明する図2Aでは流量制御弁の表示を省略し、流量制御弁の具体的な配置の仕方は図2B、図2D、及び図2Eで示す。
配管Aは、空気送風機21から供給される空気を空気予熱器2の被加熱側のガス入口に導く配管A1と、空気を直接焼却炉1に導く配管A2とに分岐している。
空気予熱器2の被加熱側のガス出口には空気予熱器2から空気を排出する配管A3が設けられている。
配管Bは、排ガスを空気予熱器2の加熱側のガス入口に導く配管B1と、排ガスを直接廃熱ボイラ3に導く配管B2とに分岐している。
空気予熱器2の加熱側のガス出口には空気予熱器2から排ガスを排出する配管B3が設けられている。
配管A2と配管A3とは配管A2内の空気と配管A3内の空気とを混合して焼却炉1に導く配管A4に接続されている。
配管B2と配管B3とは配管B2内の排ガスと配管B3内の排ガスとを混合して廃熱ボイラ3に導く配管B4に接続されている。
配管A1〜A3の少なくとも一つに空気予熱器2内を流れる空気の流量を制御する流量制御手段を設け、また、配管B1〜B3の少なくとも一つに空気予熱器2内を流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段を設ける。
図2Aに示した装置における流量制御手段の配置例を図2Bに示す。
配管A1は流量制御弁12を介して空気予熱器2の被加熱側のガス入口に接続されており、空気予熱器2で排ガスと熱交換して加熱されて空気予熱器2から配管A3を通って流出する。
一方、配管A2は流量制御弁11を介して配管A3に接続されており、配管A2内の空気は空気予熱器2から排出された配管A3内の加熱空気と混合されて配管A4を通って焼却炉1に供給される。
この配管Bは配管B1及び配管B2に分岐している。
配管B1は流量制御弁14を介して空気予熱器2の加熱側のガス入口に接続されており、空気予熱器2で空気と熱交換して熱を回収され、空気予熱器2から配管B3を通って流出する。
一方、配管B2は流量制御弁13を介して配管B3に接続されており、配管B2内の排ガスは、空気予熱器2から排出された配管B3内の排ガスと混合されて配管B4を通って廃熱ボイラ3に供給される。
焼却炉1内には、炉内温度を検出するための温度検出器が設けられており、検出された温度情報は温度指示制御器へ送られ、この温度指示制御器によって流量制御弁11、12の開閉度を調整して、配管A1によって空気予熱器2に供給される空気と、配管A2によって焼却炉1に送られる空気との供給比率を制御する。
また、炉内温度が低くなると、流量制御弁11を閉じる方向に制御すると共に、流量制御弁12を開く方向に制御して、空気予熱器2への空気量を増加させて、焼却炉1に供給される空気の温度を上昇させる。
すなわち、燃焼空気の温度を下げるために配管A1内の空気の流量を減少させると共に、配管A2内の空気の流量を増加させると、空気予熱器2内を通過する空気量が減少する。このため、空気予熱器2内において空気が高温の排ガスとの過剰な熱交換によって過度に加熱され、空気予熱器2の出口空気温度が過度に上昇して空気予熱器2及び配管の加熱破損が生じる可能性がある。
そこで、空気予熱器2における過剰な熱交換を防ぐために、空気予熱器2を通過する排ガス量を制御する手段を設ける。
焼却炉1で発生した排ガスを流出させる配管Bは配管B1と配管B2とに分岐している。
配管B1は流量制御弁14を介して空気予熱器2の加熱側のガス入口に接続されており、空気予熱器2で空気と熱交換して空気を加熱し、温度が低下した排ガスとなって空気予熱器2から配管B3を通って流出する。
一方、配管B2は流量制御弁13を介して配管B3に接続されており、流量制御弁13を通過した配管B2内の排ガスは空気予熱器2から排出された配管B3内の排ガスと混合されて配管B4を通って廃熱ボイラ3に供給されて熱を回収される。
焼却炉1内の焼却温度を850℃に維持するように制御すると、廃熱ボイラ3に供給される排ガスの温度変化が生じる場合があるが、廃熱ボイラは排ガスの温度変化に応じて蒸発する水の温度及び圧力を調節することにより排ガスの温度変化を吸収して蒸気タービンによる安定した発電量を維持することができる。
焼却炉1の炉内温度は温度検出器17によって検出され、検出された温度情報は温度指示制御器18へ送られる。温度指示制御器18は温度検出器17からの測定値と炉内温度の温度設定値との偏差に基づいて、配管A1、配管A2、配管B1、及び配管B2に設けられた流量制御弁12、11、14、13に弁の開度を制御する信号を出力して、弁を開閉する。
一方、空気予熱器2に供給される排ガス量を増加させるために、流量制御弁14を開く方向に、また、流量制御弁13を閉じる方向に制御信号を出す。
図2Dに示したものは、温度指示制御器18で空気予熱器2に供給される空気量を制御する点は図2Cに示したものと同じであるが、空気予熱器2に供給される排ガスの流量を制御する方法が図2Cに示したものと異なる。
図2Dに示したものでは、焼却炉1に供給される配管A4内の空気の温度を温度検出器19で検出し、検出された温度情報を温度指示制御器20に送る。温度が設定値よりも高ければ、温度指示制御器20は空気予熱器2に流入する排ガス量を減少させるために流量制御弁14を閉じる方向に、また、流量制御弁13を開く方向に制御信号を出す。
図2Eに示した例は、図2Bに示したものにおいて、流量制御弁を空気予熱器2の被加熱側のガス入口に導く配管A1及び排ガスを空気予熱器2の加熱側のガス入口に導く配管B1に設けることに代えて、流量制御弁11を、空気を直接焼却炉1に導く配管A2に設けると共に、流量制御弁13を排ガスを直接廃熱ボイラ3に導く配管B2にそれぞれ設けたものである。
この例は図2Bに示した例に比べると温度変化に対する応答性は若干劣るが実用上は何ら問題がない。
また、流量制御弁を空気予熱器2の被加熱側のガス入口に導く配管A1及び排ガスを空気予熱器2の加熱側のガス入口に導く配管B1に設けて、空気を直接焼却炉に導くための配管A2及び排ガスを直接廃熱ボイラに導くための配管B2に流量制御弁を設けないようにしてもよい。
図2Fに示した例は、図2Bに示した例において、流量調整弁11、12、13、14を、それぞれ配管A2、配管A1、配管B2、配管B1に設けることに代えて、流量調整弁15を配管A3に、流量調整弁16を配管B3にそれぞれ設けたものである。
これにより、空気予熱器2において被加熱媒体である空気が過熱して、この過熱によって配管等の設備が損傷することがなく、また、空気予熱器2において熱源媒体である排ガスが過度に低温化して排ガス中の酸成分が水溶液化して酸露点腐食が生じたりすることがない。
本発明の発電システムを用いると、例えば、排ガス温度が850℃である場合、焼却炉1に供給する空気の温度を150℃〜650℃の範囲とすることができるので、幅広い含水率を有する汚泥を安定して処理することができる。
一例として、図2Aに示したものにおいて燃焼用空気と排ガスとを並流で流すようにしたものを図2Gに示す。
下水処理設備の一例を図3に基づいて説明する。
下水は最初沈殿池31に導入されて固液分離され、上澄み水が撹拌機35を有する嫌気処理用の嫌気処理槽32に導入される。嫌気処理槽32で嫌気処理された水は、散気管36を有する好気処理槽33に導入され、散気管36からの噴出する空気により好気処理される。好気処理された水は、最終沈殿池34に導入され、固液分離処理され、上澄み水が処理水として流出する。また、最終沈殿池34で沈降した汚泥の一部は汚泥返送管37によって嫌気処理槽32に返送され、余剰の汚泥は余剰汚泥排出管38より下水汚泥(余剰汚泥)として排出される。この下水汚泥(余剰汚泥)は脱水処理によって脱水した後、焼却炉1において焼却処理される。
そして、最終沈殿池34から流出する処理水の一部は水冷式復水器5に送られ復水器の冷却水として使用される。
下水汚泥として含水率が74.75質量%の汚泥を6.3t/hの処理量で焼却炉1に供給した。
焼却炉1から排出される排ガスの温度が850℃、焼却炉に供給される燃焼用空気の温度が451℃、廃熱ボイラ3に供給される排ガスの温度が659℃となるように空気予熱器2を制御した。
蒸気タービンに供給される蒸気の条件は次の通りとした。
蒸気量 : 3.9t/h
蒸気圧力 : 1.2MPa
蒸気温度 : 350℃
廃熱ボイラ3から排出される排ガスの温度を250℃とした。
この結果、蒸気タービンによって594kWの出力が得られた。
2 空気予熱器
3 廃熱ボイラ
4 蒸気タービン
5 水冷式復水器
6 給水ポンプ
7 集塵機
8 湿式ガス洗浄装置
9 触媒反応塔
10 煙突
11、12、13、14、15、16 流量制御弁
17、19 温度検出器
18、20 温度指示制御器
21 空気送風機
31 最初沈殿池
32 嫌気処理槽
33 好気処理槽
34 最終沈殿池
35 撹拌機
36 散気管
37 汚泥返送管
38 余剰汚泥排出管
100 発電システム
A、A1、A2、A3 配管(空気用)
B、B1、B2、B3 配管(排ガス用)
C 配管(汚泥用)
Claims (7)
- 下水汚泥を焼却する焼却炉と、
前記焼却炉に供給される燃焼用空気を加熱する空気予熱器と、
前記焼却炉からの排ガスにより蒸気を発生させる廃熱ボイラと、
前記廃熱ボイラで発生した蒸気によって蒸気タービンを駆動して発電を行う発電装置と、
を備えた発電システムであって、
前記空気予熱器の加熱側は、焼却炉から排出される排ガスを空気予熱器に供給する配管と、熱交換後の排ガスを廃熱ボイラに供給する配管とを有し、
前記空気予熱器の被加熱側は、燃焼用空気を空気予熱器に供給する配管と、熱交換後の燃焼用空気を焼却炉に供給するための配管とを有し、
前記発電装置は、蒸気タービンから排出される蒸気を復水するための水冷式復水器を有し、
廃熱ボイラの入口の排ガス温度は500℃〜700℃であり、
蒸気タービンの蒸気条件が1.0MPa〜1.6MPa、340℃〜370℃であり、
発電機の出力が450kW〜1000kWである、
発電システム。 - 前記水冷式復水器の冷却水が、下水処理設備から排出される処理水である、請求項1に記載の発電システム。
- 前記蒸気タービンの蒸気条件が1.2MPa、350℃である、請求項1又は2に記載の発電システム。
- 前記焼却炉に供給される燃焼用空気のための配管Aと、前記焼却炉から排出される排ガスのための配管Bとが設けられており、
前記配管Aは、空気を前記空気予熱器の被加熱側のガス入口に導く配管A1と、空気を直接前記焼却炉に導く配管A2とに分岐しており、
前記空気予熱器の被加熱側のガス出口には前記空気予熱器から空気を排出する配管A3が設けられており、
前記配管Bは、排ガスを空気予熱器の加熱側のガス入口に導く配管B1と、排ガスを直接前記廃熱ボイラに導く配管B2とに分岐しており、
前記空気予熱器の加熱側のガス出口には空気予熱器から排ガスを排出する配管B3が設けられており、
前記配管A2と前記配管A3とは前記配管A2内の空気と前記配管A3内の空気とを混合して前記焼却炉に導く配管A4に接続されており、
前記配管B2と前記配管B3とは前記配管B2内の排ガスと前記配管B3内の排ガスとを混合して廃熱ボイラに導く配管B4に接続されており、
前記配管A1〜A3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる空気の流量を制御する流量制御手段が設けられ、
前記配管B1〜B3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段が設けられた、
請求項1〜3のいずれか一項に記載の発電システム。 - 焼却炉が流動床式焼却炉である、請求項1〜4の何れか1項に記載の発電システム。
- 下水汚泥を焼却する焼却炉と、
前記焼却炉に供給される燃焼用空気を加熱する空気予熱器と、
前記焼却炉からの排ガスにより蒸気を発生させる廃熱ボイラと、
前記廃熱ボイラで発生した蒸気によって発電を行う発電装置と、
を備え
前記空気予熱器の加熱側は、焼却炉から排出される排ガスを空気予熱器に供給する配管と、熱交換後の排ガスを廃熱ボイラに供給する配管とを有し、
前記空気予熱器の被加熱側は、燃焼用空気を空気予熱器に供給する配管と、熱交換後の燃焼用空気を焼却炉に供給するための配管とを有し、
前記発電装置は、蒸気タービンから排出される蒸気を復水するための水冷式復水器を有する発電システムの運転方法であって、
廃熱ボイラの入口の排ガス温度を500℃〜700℃とし、
蒸気タービンの蒸気条件を1.0MPa〜1.6MPa、340℃〜370℃とし、
発電機の出力を450kW〜1000kWとする、
発電システムの運転方法。 - 前記発電システムには、
前記焼却炉に供給される燃焼用空気のための配管Aと、前記焼却炉から排出される排ガスのための配管Bとが設けられており、
前記配管Aは、空気を前記空気予熱器の被加熱側のガス入口に導く配管A1と、空気を直接前記焼却炉に導く配管A2とに分岐しており、
前記空気予熱器の被加熱側のガス出口には前記空気予熱器から空気を排出する配管A3が設けられており、
前記配管Bは、排ガスを空気予熱器の加熱側のガス入口に導く配管B1と、排ガスを直接前記廃熱ボイラに導く配管B2とに分岐しており、
前記空気予熱器の加熱側のガス出口には空気予熱器から排ガスを排出する配管B3が設けられており、
前記配管A2と前記配管A3とは前記配管A2内の空気と前記配管A3内の空気とを混合して前記焼却炉に導く配管A4に接続されており、
前記配管B2と前記配管B3とは前記配管B2内の排ガスと前記配管B3内の排ガスとを混合して廃熱ボイラに導く配管B4に接続されており、
前記配管A1〜A3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる空気の流量を制御する流量制御手段が設けられ、
前記配管B1〜B3の少なくとも一つに空気予熱器内を流れる排ガスの流量を制御する流量制御手段が設けられている
請求項6に記載の発電システムの運転方法。
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