JP3419292B2 - 廃棄物処理システム - Google Patents

廃棄物処理システム

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JP3419292B2
JP3419292B2 JP00723798A JP723798A JP3419292B2 JP 3419292 B2 JP3419292 B2 JP 3419292B2 JP 00723798 A JP00723798 A JP 00723798A JP 723798 A JP723798 A JP 723798A JP 3419292 B2 JP3419292 B2 JP 3419292B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物処理システ
ムに係わり、特に焼却炉等により生じる灰或いは塵中の
有機系塩素化合物を超臨界水を用いて分解する機能を備
えた廃棄物処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、年々増える廃棄物のため、埋
め立て処分場は逼迫し始めている。このため、減容処理
として焼却が行われているが、廃棄物中に含まれる有機
塩素系廃棄物のため有害物質のダイオキシンが発生する
のでその無害化技術が求められている。現在有害物質
は、燃焼排ガス中、除塵装置に捕集された煤塵中及び焼
却炉から排出される灰中に含まれており、無害化処理を
しなければならない。
【0003】例えば、特開平9−19671号公報には、廃棄
物の焼却処理により生じた灰に、超臨界水及び所定の処
理液等を供給して、重金属や、塩化ナトリウム,塩化カ
リウム等の塩類を分離することが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし超臨界水を用い
て灰を処理する際は、プラント効率の低下を抑制しつ
つ、効率よく、熱を供給して超臨界水を生成し、適切に
超臨界水を供給して灰処理運転できることが要求され
る。
【0005】特開平9−19671号公報には、かかることま
での記載及び示唆はなく、効率よく、超臨界水を生成
し、適切に超臨界水を供給して生じた灰や塵を処理でき
る廃棄物処理システムについての具体的記載及び示唆は
ない。
【0006】そこで、本発明は、効率よく、超臨界水を
生成し、適切に超臨界水を供給して生じた灰や塵を処理
できる廃棄物処理システムを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、排気物の焼却
炉から出る排ガスの温度を低下させるとともに、その排
ガスの熱を利用して超臨界水を生成して、焼却炉から生
じる煤塵や灰のダイオキシン等の有害成分を除去する。
【0008】本発明は、具体的には、廃棄物が供給され
焼却される焼却炉を備えた廃棄物処理システムにおい
て、給水を供給する給水タンクと、該給水タンクから供
給される給水を昇圧する昇圧ポンプと、該昇圧ポンプに
より昇圧された給水が供給され前記焼却炉から発生する
排ガスを熱源として超臨界水を生成する超臨界水生成装
置と、該生成装置で生成された超臨界水が供給される貯
蔵タンクと、焼却炉の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が
供給されると共に前記生成した超臨界水が供給され、前
記焼却灰或いは塵中のダイオキシンを分解する分解装置
と、を備えることを特徴とする。
【0009】前記焼却炉は、ストーカ炉,流動床炉,焼
却溶融炉等を使用できる。
【0010】これにより、焼却炉から排出される排ガス
の温度を低下させると共に、焼却炉から発生する熱を有
効に利用して、灰や塵内のダイオキシンを超臨界水で分
解する。これにより、本発明は、効率よく、超臨界水を
生成し、適切に超臨界水を供給して生じた灰や塵を処理
できる。
【0011】
【0012】さらに、これらにより、温度及び流量変動
にもかかわらず、円滑な運転ができる。また、効率よく
超臨界水生成装置を経た排ガス温度を低下させつつ、円
滑に超臨界水を分解装置に供給できる。
【0013】または、本発明は、具体的には、廃棄物が
供給され焼却される焼却炉を備えた廃棄物処理システム
において、給水装置と、該給水装置から供給される給水
を昇圧する昇圧ポンプと、該昇圧ポンプにより昇圧され
た給水が供給され前記焼却炉から発生する排ガスを熱源
として超臨界水を生成する超臨界水生成装置と、焼却炉
の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が供給されると共に前
記生成した超臨界水が供給され、前記焼却灰或いは塵中
のダイオキシンを分解する分解装置と、前記超臨界水生
成装置から前記分解装置に到る経路に設置され、前記生
成した超臨界水を系外に導く放出装置と、前記分解装置
と放出装置とに供給する前記生成した超臨界水量を制御
する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0014】バッチ的に超臨界水を分解装置に供給する
場合であっても、超臨界水生成装置に連続的に給水して
超臨界水生成装置を経た排ガス温度変動を抑制すること
ができる。
【0015】または、本発明は、具体的には、廃棄物が
供給され焼却される焼却炉を備えた廃棄物処理システム
において、給水装置と、該給水装置から供給される給水
を昇圧する昇圧ポンプと、該昇圧ポンプにより昇圧され
た給水が供給され前記焼却炉から発生する排ガスを熱源
として超臨界水を生成する超臨界水生成装置と、焼却炉
の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が供給されると共に前
記生成した超臨界水が供給され、前記焼却灰或いは塵中
のダイオキシンを分解する複数の分解装置と、一の分離
装置に超臨界水を供給時には他の分離装置への超臨界水
の供給を停止し、前記一の分離装置への超臨界水の供給
を停止時には他の分離装置に超臨界水を供給するよう制
御する制御装置と、を備えることを特徴とする。このよ
うにすれば、連続的に処理できるので超臨界水を無駄に
しないでしかも処理量を連続に近い状態で処理でき効率
良く運転できると共に、超臨界水生成装置への加圧給水
を安定的に供給できて、排ガスの熱温度低下を安定して
図り排ガスのダイオキシン再生を安定して抑制できる。
【0016】または、本発明は、具体的には、廃棄物が
供給され焼却される焼却炉と、該焼却炉から排出される
排ガスが供給されると共に燃料が供給されて燃焼する燃
焼装置とを備えた廃棄物処理システムにおいて、給水タ
ンクと、該給水タンクから供給される給水を昇圧する昇
圧ポンプと、前記燃焼装置の下流側に設置され、該昇圧
ポンプにより昇圧された給水が供給され前記燃焼装置か
ら発生する排ガスを熱源として超臨界水を生成する超臨
界水生成装置と、焼却炉の焼却灰或いは前記排ガス中の
塵が供給されると共に前記生成した超臨界水が供給さ
れ、前記焼却灰或いは塵中のダイオキシンを分解する分
解装置と、を備えることを特徴とする。
【0017】これにより、焼却炉から出る排ガス中のダ
イオキシン等の有害成分濃度低下と、煤塵或いは灰中の
ダイオキシン等の有害成分の低下を効率良くできる。
【0018】なお、超臨界水としては、22.5MPa
以上の圧力で374.1℃以上の温度の超臨界状態の高
温高圧水を用いることが好ましい。生成の装置の強度等
の関係上50MPa以下、また、600℃以下にするこ
とが好ましい。尚、装置によっては、更に高温にするこ
ともできる。
【0019】ただし、本願においては、高温高圧水のう
ち、前記範囲の超臨界水でなくとも、前記超臨界水より
反応性等性能が低下することを許容し、所望のダイオキ
シン等の有害成分の分解性を得ることができる程度の、
所望の温度や圧力の高温高圧水を、前記超臨界水として
用いることができるものとする。
【0020】よって、超臨界状態までいかない状態、い
わゆる亜臨界状態等、の所望の高温高圧水を前記超臨界
水と擬制して使用してもよい。
【0021】一例としては、圧力は22.5MPa 以
上で、温度が250℃以上の高温高圧水を用いる。圧
力は、10MPa以上で、温度が374.1℃ 以上の高
温高圧水を用いる。圧力が10MPa以上で、温度が
250℃以上の高温高圧水を用いる。
【0022】これらの中では、の高温高圧水を用いる
ことが性能上好ましいが、生成容易の点からの高温高
圧水を選択してもよい。或いは最も生成容易にするため
にの高温高圧水にしてもよい。
【0023】以下の実施例は超臨界水を生成する場合の
例を示す。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について図
面を参照して説明する。
【0025】第1の実施例を図1を用いて説明する。
【0026】このシステムは、次のものを備える。廃棄
物1を焼却する焼却炉2(流動床式炉及びストーカ炉の
種類は問わないが、図はストーカ炉で代表させる)、焼
却炉2の燃焼排ガス4が供給され排ガス中の煤塵を除去
する集塵機(除塵装置)6を備える。集塵機6を経た排
ガスは系外に排出される。所望の超臨界水を生成するた
めの水を供給する給水タンク18,給水タンク18から
供給される水を昇圧する高圧ポンプ29を有する。高圧
ポンプ29で昇圧された水が供給され、焼却炉2内にあ
り高圧ポンプ29からの給水を加熱して超臨界水を生成
する超臨界水生成装置でもある熱交換器13を有する。
熱交換器13で生成された超臨界水を導入し、又集塵機
6で回収される煤塵16を供給して、煤塵中の有害物質
を分解する煤塵反応容器27や、熱交換器13で生成さ
れた超臨界水を導入し、又焼却炉2の底部から排出され
る灰5を供給して、灰中の有害物質を分解する灰反応容
器28を有する。煤塵反応容器27や灰反応容器28
は、超臨界水と煤塵或いは灰と反応させた後の反応生成
物を排出する排出装置を備える。
【0027】ごみ(廃棄物)1が投入されて、焼却炉2
で燃焼される。この燃焼により煤塵を含む燃焼排ガス4
と焼却灰5が生じる。例えば、燃焼により炉内は700
〜1200℃の間の温度となり、この燃焼の結果、例え
ば、通常700℃以上の燃焼排ガスを発生させる。
【0028】発生した燃料排ガス(例えば800℃)は
熱交換器13で熱交換して冷却された後(例えば150
℃),集塵機6に供給されて除塵され、除塵された排ガ
スは系外に排出される。一方、給水タンク18(例えば
常温,15℃)から供給されて高圧ポンプ29で昇圧さ
れた水は(例えば、30MPa)、排ガスの熱を用いて
超臨界水生成装置である熱交換器13で加熱されて(例
えば400℃)超臨界水を生成して、集塵した煤塵や焼
却灰が供給される煤塵反応容器27や灰反応容器28に
供給する。
【0029】反応容器(27或いは28)では、焼却灰
5や煤塵16に付着しているダイオキシン等の有害物質
を分解し無害なガス等に転換される。加熱処理等により
煤塵や灰を処理するのに比べ、超臨界水の高い浸透性を
利用して内部まで超臨界水と短時間で接触できるので、
短時間で容易に煤塵或いは灰の浄化ができる。
【0030】このように、排ガス流路に熱交換器13を
設置して、超臨界水を生成するための水を利用して排ガ
スの温度を低下できる。好ましくは、燃焼排ガスを25
0℃以下に下げてダイオキシンの再合成を抑制して排ガ
ス中のダイオキシン濃度をより低下させることができ
る。
【0031】これにより、排ガス温度を下げて排ガス中
のダイオキシンの再合成等を抑制して排ガス中のダイオ
キシン濃度を低減させると共に焼却炉から発生する熱を
有効に利用して効率良く超臨界水を生成できて、適切に
生成した超臨界水を灰や塵に供給して灰や塵内のダイオ
キシンを分解できる。
【0032】また、発生した排ガスを熱交換器13によ
り冷却して集塵機6に供給するようにすることが好まし
い。排ガスを冷却してダイオキシンを煤塵表面に付着さ
せ易くして、露点温度以下にならない温度に下げること
により(例えば、150℃〜250℃、より好ましく
は、150℃前後)、ダイオキシン等の有害物質を多く
付着させた煤塵を集塵機6で捕集し、有害物質の排出量
をより低減することができる。
【0033】また、熱交換器13は、排ガス流路に対し
下流に設置され高圧ポンプ29で昇圧された水が供給さ
れる熱交換器13bと、熱交換器13bの上流側に設置
され熱交換器13bで加熱された水が供給される熱交換
器13aを配置するのが好ましい。
【0034】例えば、熱交換器13bで加熱され(35
0℃)、熱交換器13aで更に加熱して(400℃)超
臨界水を生成する。
【0035】熱交換器13aを経て供給される超臨界水
は前記煤塵反応器27或いは灰反応器28に供給され
る。
【0036】この際、炉内燃焼部内の熱交換器13aで
は、燃焼によるダイオキシン分解を妨げないように、ダ
イオキシンの再生成領域の上限界温度である約600℃
より低くしないようにすることが好ましい。燃焼部で生
じた燃焼排ガスは600℃以上の所望の温度にまで冷却
される(例えば、600℃〜700℃)。炉内燃焼部を
過ぎた下流に熱交換器13bで600℃以上の所望の温
度から150℃前後に急冷することが好ましい(例え
ば、150℃〜250℃)。これにより、600℃〜2
50℃前後のダイオキシン再生成領域を短時間で通過さ
せダイオキシンの再生成を抑止できる。
【0037】また、熱交換器13bで加熱された後、加
圧ポンプで更に昇圧して熱交換器13aに供給するよう
に構成しても良い。
【0038】この場合、高圧ポンプ29では、超臨界状
態の圧力より低い圧力に一旦昇圧し、熱交換器13aで
超臨界状態の温度より低い温度に加熱し、そして前記加
圧ポンプで超臨界状態の圧力まで昇圧して、熱交換器1
3bで加熱して超臨界水を生成する。
【0039】このように、本実施例により、総合的に有
害物質を水,二酸化炭素及び無機物質に分解でき、環境
によく、低コストの簡易な廃棄物処理システムが提供で
きる。
【0040】第2の実施例を図1及び図2を用いて説明
する。
【0041】第2の実施例は基本的には、図1の構造と
同様の構造をとることができる。管路30と管路21及
び20への分岐部が図2のように構成されている。超臨
界水が熱交換器13から管路30を経て管路21と20
に分岐し煤塵反応容器27或いは灰反応容器28に入る
分岐点付近に管路30から供給された超臨界水が一旦貯
留される貯蔵タンク25を設置する。併せて減圧弁26
を備えることが好ましい。超臨界水を貯蔵タンク25か
ら煤塵反応容器27或いは灰反応容器28に供給する。
【0042】廃棄物1の発熱量の変動により生成される
超臨界水の温度が変動しても、貯蔵タンク25に供給さ
れて平均化されるため、温度変動の少ない超臨界水が煤
塵反応容器27或いは灰反応容器28に供給される。こ
のように、超臨界水の温度変動抑制装置として働くた
め、超臨界水の温度変動による反応性が変動し煤塵や灰
中の反応成分の反応経路が異なってしまうことを抑制
し、所望の反応生成物を得るのが容易となる。よって、
焼却炉2の廃棄物量及び発熱量変動に対し貯蔵タンク2
5で変動分を吸収し超臨界水の安定供給が図れる。ま
た、変動を考慮して超臨界水生成温度を高くしなくとも
よいので、より多量の低温の超臨界水を生成させること
もできる。
【0043】煤塵反応容器27或いは灰反応容器28に
断続的に超臨界水を供給する場合でも、連続的に高圧ポ
ンプ29から水を供給して超臨界水を生成する。煤塵反
応容器27或いは灰反応容器28への超臨界水の供給・
停止の切換えによる管内の超臨界水の圧力変動が熱交換
器13等に直接影響を及ぼすことを抑制する。このよう
に、煤塵応容器27及び灰反応容器28での断続的な超
臨界水の使用に対し熱交換器13a,13bまでその温
度及び流量変動を受けさせないように緩衝作用を行わ
せ、円滑な運転ができる。
【0044】貯蔵タンク25は、タンク内の圧力を計測
し、所定圧力を超えたら減圧弁26を開けて超臨界水を
系外に放出する。流量及び温度変動が一定の限界を超え
る場合は、減圧弁26を介して減圧して、外部に悪影響
を与えないようにして余剰分を放出でき、超臨界水製造
供給系統を保護する。超臨界水を煤塵反応容器27或い
は灰反応容器28に供給時は、減圧弁26を閉じ、煤塵
反応容器27或いは灰反応容器28に超臨界水を供給し
ない時に減圧弁26を開して超臨界水を系外に排出する
よう運転することもできる。
【0045】これらにより、温度及び流量変動にもかか
わらず、円滑な運転ができる。また、効率よく超臨界水
生成装置である熱交換器13での排ガス温度を低下させ
つつ、円滑に超臨界水を煤塵反応容器27或いは灰反応
容器28に供給できる。
【0046】尚、図2の構成は、図1の構成に限られる
のではなく、他の図の構成においての超臨界水を供給す
る管路30に図2の貯蔵タンク25或いは減圧弁26を
設置することができる。
【0047】第3の実施例を図1及び図3を用いて説明
する。
【0048】第2の実施例は基本的には、図1の構造と
同様の構造をとることができる。煤塵反応容器27或い
は灰反応容器28が図3のように構成されている。煤塵
反応容器27或いは灰反応容器28を並列に複数配置さ
れる。本図では代表として煤塵反応容器27を示した。
説明は省略するが、灰反応容器28についても同様の構
成を採用することができる。
【0049】超臨界水製造を連続的に行う場合、煤塵反
応容器27或いは灰反応容器28側とのインターフェー
スで食い違いが生じ効率低下を招くことを抑制できる。
煤塵反応容器27を複数並列に設け位相をずらして運転
することにより連続運転に近いものにし効率を維持させ
ることができる。
【0050】煤塵反応容器27は並列に複数配置され
る。煤塵および超臨界水を各反応容器に供給する下院路
は連絡されている。各煤塵反応容器には、それぞれ煤塵
16の供給をコントロールする煤塵供給切り替え弁1
9,超臨界水の供給をコントロールする超臨界水切り替
え弁22,分解後の気体及び蒸気を排出する気体排出弁
23及び分解後の固体と液体を排出する排出弁24を有
する。図3は、容器27が3個並列の場合を示し、それ
ぞれ27a,27b,27cとする。煤塵反応容器で
は、22と24を閉、19と23を開にし煤塵16を導
入する煤塵を導入する行程と、その後19,23と24
を閉,22を開にし超臨界水21を導入する行程と、そ
の後19と22を閉,23と24を開にし分解物を排出
する排出行程とを有する。超臨界水を導入する行程で
は、弁22を徐々に開ける。水と煤塵との割合は機器の
処理能力に応じて調整する(例えば、超臨界水:煤塵の
体積を10:1程度にする)。前記3つの行程を3つの
容器(27a,27b,27c)で順次繰り返す。3つよ
り多くの煤塵反応容器等がある場合は、例えば、前記い
ずれかの行程を複数の容器が行うようにする。例えば、
27aで煤塵を導入する行程,27bで超臨界水を導入
する行程,27cで排出する行程を行い、次に27aで
超臨界水を供給する行程、27bで排出する行程、27
cで次の煤塵を導入する行程、のように順次行う。
【0051】このようにすれば、連続的に処理できるの
で超臨界水を無駄にしないでしかも処理量を連続に近い
状態で処理でき効率良く運転できると共に、超臨界水生
成装置への加圧給水を安定的に供給できて、排ガスの冷
却を安定して図り排ガスのダイオキシン再生を安定して
抑制できる。
【0052】尚、図3の構成は、図1の構成に限られる
のではなく、他の図の構成においての超臨界水を供給す
る管路21に図3の煤塵反応容器27を並列に複数設置
することができる。
【0053】第4の実施例を図4を用いて説明する。
【0054】基本的には、図1と同様であるが、図4で
は高圧ポンプ29で加圧された水が供給され超臨界水を
生成する熱交換器14を焼却炉2と集塵機6との間の排
ガス流路に設置した。
【0055】本図では、さらに熱交換器14で加熱され
た水が熱交換器13(熱交換器14から水が供給される
熱交換器13b及び熱交換器13bで加熱された水が供
給される熱交換器13aを設置)に供給され、熱交換器
13(熱交換器13a)で超臨界水を生成し、管路30
を経て、管路21或いは管路20から煤塵反応容器27
或いは灰反応容器28に供給される。また、熱交換器1
4に供給される水と熱交換器13bに供給される水とを
つなぐバイパス経路及バイパス流量を制御するバイパス
弁60を設定する。給水タンク18(例えば常温15
℃)から供給され高圧ポンプ29で昇圧された水(例え
ば30MPa)が熱交換器14から熱交換器13bに供
給されて加熱され(例えば350℃)、熱交換器13b
で加熱された水が熱交換器13aに供給されて加熱され
て(例えば400℃)超臨界水が生成されるようにする
ことができる。この場合、高圧ポンプで昇圧された水
が、熱交換器14で一旦加熱され、熱交換器13bでさ
らに加熱されて、熱交換器13aに供給されて加熱され
て超臨界水が生成されるよう各熱交換器での加熱温度を
調節する。
【0056】ただし、必要によっては、熱交換器14で
超臨界水を生成し、生成した超臨界水を管路30に直接
供給して、そして管路21或いは管路20から煤塵反応
容器27或いは灰反応容器28に供給するよう構成して
もよい。かかる場合は、当該熱交換器14で高圧ポンプ
29から供給される加圧水を加熱して超臨界水を生成す
る。生成された超臨界水は管路30に供給され、管路2
1或いは管路20により煤塵反応容器27或いは灰反応
容器28に供給される。尚、熱交換器14で排ガス温度
の冷却が十分でない場合は同位置に熱回収ボイラを設置
し、水を供給して蒸気を発生させて蒸気使用機器に供給
するように構成することもできる。
【0057】このように、焼却炉2の下流に熱交換器1
4を設置したので、超臨界水を生成する水を利用して排
ガスの温度を低下させることができる。好ましくは、燃
焼排ガスを250℃以下に下げてダイオキシンの再合成
を抑制して排ガス中のダイオキシン濃度をより低下させ
ることができる。
【0058】これにより、排ガス温度を下げて排ガス中
のダイオキシンの再合成等を抑制して排ガス中のダイオ
キシン濃度を低減させると共に焼却炉から発生する熱を
有効に利用して効率良く超臨界水を生成できて、適切に
生成した超臨界水を灰や塵に供給して灰や塵内のダイオ
キシンを分解できる。
【0059】また、発生した排ガスを熱交換器14によ
り冷却して下流に設置した集塵機6に供給するようにす
ることが好ましい。排ガスを冷却してダイオキシンを煤
塵表面に付着させ易くして、露点温度以下にならない温
度に下げることにより(例えば、150℃〜250℃、
より好ましくは、150℃前後)、ダイオキシン等の有
害物質を多く付着させた煤塵を集塵機6で捕集し、有害
物質の排出量をより低減することができる。
【0060】さらに、本実施例のように熱交換器14を
炉外に設置してメンテナンス等を容易にすることができ
る。
【0061】また、熱交換器13をさらに設置する場合
は、たとえば、熱交換器13bで熱交換器14に供給さ
れる排ガス温度を300℃以下、好ましくは250℃程
度に下げて排ガス中の腐食性成分の反応性を下げること
により、熱交換器14の腐食等の影響を抑制することが
できる。
【0062】また、熱交換器13a,13bの後の排ガ
ス温度を250℃前後、熱交換器14の後の排ガス4の
温度を150℃前後に設定し、ダイオキシン再生成温度
と集塵機入口温度に関し水のバイパス弁60によりごみ
の量及び発熱量が変化し各部分の温度が変化しても、弁
60を通るバイパス量を変えて温度を調整できるので、
排ガス中のダイオキシンをより多く無害化できる。
【0063】第5の実施例を図5を用いて説明する。
【0064】基本的には、図1と同様であるが、図5で
は高圧ポンプ29で加圧された水が供給され超臨界水を
生成する熱交換器14を集塵機6の下流の排ガス流路に
設置した。
【0065】熱交換器14は、焼却炉2の熱交換器13
に連絡し(熱交換器14から熱交換器13bに連絡し、
熱交換器13bは熱交換器13aに連絡)、熱交換器1
3(熱交換器13a)から管路30に連絡し、管路21
或いは管路20を経て煤塵反応容器27或いは灰反応容
器28に連絡される。
【0066】給水タンク18から供給されて(例えば常
温15℃)高圧ポンプ29で昇圧された水(例えば30
MPa)は熱交換器14で加熱され(例えば90℃)、
加熱された水が供給される熱交換器13で超臨界水(例
えば400℃)を生成する(例えば、熱交換器14から
の水を熱交換器13bで加熱し(例えば350℃)、熱交
換器13bから熱交換器13aに供給されて超臨界水を
生成する)。生成した超臨界水は管路30及び管路21
や管路20を経て煤塵反応容器27或いは灰反応容器2
8に供給される。本図では、熱交換器14から熱交換器
13に連絡しているが、他の加熱装置に連絡して管路3
0に連絡されていてもよい。また、熱交換器14で超臨
界水を生成できれば、直接管路30に連絡していてもよ
い。
【0067】集塵機6の下流に熱交換器14を設置する
ことにより、腐食性成分を集塵機で除去した排ガスが熱
交換器14に供給されるので熱交換器14の腐食を抑制
して機器の健全性を維持しつつ、超臨界水を効率よく生
成して煤塵や灰中のダイオキシン等の成分の除去ができ
る。
【0068】加えて、集塵機6から出る排ガスの温度を
調節して排ガス温度を露点以下にすれば排ガス中の水分
を凝縮させて排ガス中の水溶性の成分を含めて回収除去
することもできる。これにより、排ガスを煙突から放出
するときの凝縮水滴の発生による白煙化を防止できる。
【0069】第6の実施例を図6を用いて説明する。
【0070】図6は焼却炉2と焼却炉2で生じた排ガス
と燃料とを供給する燃焼器11とを備えている。
【0071】具体的には、廃棄物1を焼却する焼却炉
2、焼却炉2の燃焼排ガス4中の煤塵を除去する集塵機
6,油やLNG等の燃料7や改質蒸気32や空気等の酸
化剤8が供給されて燃料7を水素を含む燃料に改質させ
る改質器9、改質器9からの改質ガス10が供給され集
塵機6からの排ガス17を供給して燃焼させる燃焼器1
1,燃焼器11の燃焼排ガス12の温度を下げる熱交換
器(排熱回収装置)15を有する。熱交換器15を経た
排ガスはその後系外に排出される。水を供給する給水タ
ンク18と、給水タンク18から供給される給水を昇圧
する高圧ポンプ29と、高圧ポンプ29で昇圧された水
が供給され加熱されて超臨界水を生成する熱交換器15
を有する。熱交換器15で生成された超臨界水を導入
し、集塵機6から回収される煤塵16を導入して煤塵1
6中の有害物質を分解する煤塵反応容器27,熱交換器
15で生成された超臨界水を導入し、焼却炉2から回収
される灰5を導入し灰中の有害物質を分解する灰反応容
器28を有する。
【0072】本実施例では、燃焼器11に供給する燃料
(改質ガス10)を製造する改質器9を設置している例
を示したが、装置を簡略化して、排ガス17が供給され
る燃焼器11に燃料と空気等の酸化剤を供給するよう構
成することもできる。
【0073】投入された廃棄物1が焼却炉2で燃焼する
ことにより、煤塵を含む燃焼排ガス4と焼却灰5が発生
する。煤塵を含む燃焼排ガス4は、集塵機6に入り、煤
塵を除去された後燃焼器11に入る。排ガス17が供給
される燃焼器11で燃料と共に少なくとも700℃以上
(例えば700〜1200℃である。例えば850℃)で
燃焼され、燃焼排ガス12は熱交換器15で熱交換され
て冷却されて(例えば200℃)系外に放出される。一
方給水タンク18から供給された水(例えば常温15
℃)は高圧ポンプ29で昇圧されて(例えば30MP
a)超臨界水発生装置である熱交換器15に供給されて
加熱され(例えば400℃)、超臨界水を生成する。熱
交換器15で生成された超臨界水は管路30を経て、管
路21或いは管路20から煤塵反応容器27或いは灰反
応容器28に供給され、煤塵或いは灰中のダイオキシン
等を分解浄化する。
【0074】このように、燃焼器11で、焼却炉2の排
ガスを高温で燃焼させ(例えば850℃)、ダイオキシン
等の排ガス中の有害物質を分解し無害化させ、併せて、
排ガス中のダイオキシン等の成分の分解を図りつつ、煤
塵や灰中のダイオキシン等の成分の分解を図ることを容
易な構成で効率よく達成できる。
【0075】この際、改質器9を備えることにより、改
質器9で燃料7を改質蒸気32と酸化剤8で水素分を含
む燃料10に改質して供給するので、燃焼器11では、
容易に入手できる燃料を用いて、燃えにくい低酸素濃度
の排ガス17を燃焼し易くするとともに高温燃焼で発生
する窒素酸化物の発生も抑制することができる。
【0076】また、集塵機6の下流に燃焼器11或いは
熱交換器15を設置することにより、排ガス中の腐食性
成分を除去した排ガスが燃焼器11或いは熱交換器15
に供給できるので、燃焼器11或いは熱交換器15で
の、温度の設定の自由度を高めることができる。燃焼器
11では、構成部材の健全性を確保しつつ、700℃以
上の高温に燃焼させることができる。また、熱交換器1
5では、構成部材の健全性を確保しつつ、供給される排
ガスの温度を高くして高い熱回収をするよう設定でき
る。よって、プラントの健全性を確保しつつ、高効率の
運転ができる。
【0077】このように、超臨界水を生成する水を利用
して排ガスの温度を低下させることができる。好ましく
は、燃焼排ガスを250℃以下に下げてダイオキシンの
再合成を抑制して排ガス中のダイオキシン濃度をより低
下させることができる。
【0078】これにより、排ガス温度を下げて排ガス中
のダイオキシンの再合成等を抑制して排ガス中のダイオ
キシン濃度を低減させると共に焼却炉から発生する熱を
有効に利用して効率良く超臨界水を生成できて、適切に
生成した超臨界水を灰や塵に供給して灰や塵内のダイオ
キシンを分解できる。よって、焼却炉由来の灰,煤塵及
びガス中の有害物質を、効率よく、熱と水で分解できる
ので、環境によい廃棄物処理システムが提供できる。
【0079】尚、熱交換器15のところには排熱回収ボ
イラを併せて設置してもよい。排熱回収ボイラに給水し
て蒸気を発生させ、発生蒸気を蒸気タービン等の蒸気使
用装置に供給する。これによりプラント全体として高効
率のシステムとすることができる。
【0080】第7の実施例を図7を用いて説明する。
【0081】基本的には、図6と同様であるが、図7で
は高圧ポンプ29で加圧された水が供給され熱交換器1
4を焼却炉2と集塵機6との間の排ガス流路に設置し
た。
【0082】本図では、さらに熱交換器14で加熱され
た水が熱交換器13(熱交換器14から水が供給される
熱交換器13b及び熱交換器13bで加熱された水(例
えば350℃)が供給される熱交換器13aを設置)に
供給され、熱交換器13(熱交換器13a)で超臨界水
(例えば400℃)を生成し、管路30を経て、管路2
1或いは管路20から煤塵反応容器27或いは灰反応容
器28に供給される。また、熱交換器14に供給される
水と熱交換器13bに供給される水とをつなぐバイパス
経路及バイパス流量を制御するバイパス弁60を設定す
る。排ガスは熱交換器13を経て冷却されて(例えば3
00℃或いは250℃)、熱交換器14に供給されてさ
らに冷却され(例えば150℃)、集塵機6に導入され
て排ガスを浄化後、燃焼器11に導かれる。
【0083】ただし、必要によっては、熱交換器14で
超臨界水を生成し、生成した超臨界水を管路30に直接
供給して、そして管路21或いは管路20から煤塵反応
容器27或いは灰反応容器28に供給するよう構成して
もよい。
【0084】これにより、実施例6と同様の効果を奏す
ることができる。
【0085】尚、燃焼器11の下流の排ガス流路に排熱
回収ボイラを併せて設置してもよい。排熱回収ボイラに
給水して蒸気を発生させ、発生蒸気を蒸気タービン等の
蒸気使用装置に供給する。これによりプラント全体とし
て高効率のシステムとすることができる。
【0086】また、本実施例では、燃焼器11に供給す
る燃料(改質ガス10)を製造する改質器9を設置して
いる例を示したが、装置を簡略化して、排ガス17が供
給される燃焼器11に燃料と空気等の酸化剤を供給する
よう構成することもできる。第8の実施例を図8を用い
て説明する。図8では、燃焼溶融炉或いはガス化溶融炉
を用いる。
【0087】廃棄物1が供給され、酸素濃度が低い状態
で熱分解させ(例えば450℃)、固体,液体及び気体
を発生させる熱分解装置50,熱分解装置50からの固
体が供給されて炭素とそれ以外に分ける分級機52,熱
分解装置50からの流体が供給されて気体と液体に分離
する気液分離機51,分級機52からの炭素と気液分離
機51からの流体が供給されて空気57を酸化剤として
使い燃焼させ、高温にして(例えば1300℃)供給流
体分に含まれ燃焼により生成する煤塵を溶融する燃焼溶
融炉55,燃焼溶融炉55からの溶融スラグを回収して
収納する冷却水槽58,燃焼溶融炉55からの排ガスが
供給されて、その熱を利用して熱分解装置50を加熱す
る空気等の加熱媒体を加熱する高温熱交換器54,焼却
溶融炉55の出口と熱交換器56との間に位置し、溶融
炉55の排ガスより熱を回収して排ガス温度を低下させ
ると共に高圧ポンプ26からの給水を超臨界水に加熱す
る熱交換器56,熱交換器54を経た排ガスが供給され
て排ガス中の煤塵を集塵する集塵機6,集塵機6を経た
ガスは系外に排出される。給水タンク18から供給され
る給水を加熱する高圧ポンプ29、高圧ポンプ29で昇
圧された水が熱交換器56に導かれ、熱交換器56で超
臨界水が生成される。熱交換器56で生成された超臨界
水が管路30を経由して供給されると共に集塵機6から
回収される煤塵7が供給される煤塵反応容器27を備え
る。
【0088】廃棄物1が熱分解装置50に供給され、溶
融炉55の排ガス温度1300℃程度の温度を利用して
高温熱交換器54により熱交換して加熱された空気が導
かれ、熱分解装置50を外側より加熱し内部を450℃
以上にし廃棄物を分解し、固体及び流体を得る。固体
は、分級機52に導かれて不燃物と炭素に分ける。流体
は気液分離機51に導かれて気体と流体に分ける。不燃
物を除いて溶融炉55に供給し1300℃以上の高温で
燃焼させごみを燃焼・溶融させダイオキシンを分解する
とともに、スラグと排ガスを得る。この排ガスの熱を熱
交換器56で回収と高温熱交換器54で回収し冷却して
(例えば、排ガスを熱交換器56出口で850℃,高温
熱交換器54出口で150℃に冷却する)、排ガス中の
煤塵を集塵機6で除去し排出する。必要に応じて排ガス
を熱源として蒸気を発生する排熱回収ボイラを設置し
て、発生する蒸気を供給して蒸気タービン等蒸気機関に
利用するよう構成しても良い。この回収された煤塵16
は、煤塵反応容器27に供給される。
【0089】一方、給水タンク18から供給された水
(例えば常温15℃)を高圧ポンプ29により加圧し、
この加圧された水を熱交換器56に供給して加熱し(例
えば400℃)、超臨界水を作る。この超臨界水を、煤
塵反応容器27に導入する。煤塵反応容器27では、超
臨界水の高速分解性により煤塵中の有害物質を分解す
る。これにより、超臨界水を経済的に作り出せるととも
に、高温熱交換器の低温化及び低コスト化が図れる。
【0090】この際、高温熱交換器54の上流側に熱交
換器56を設置するので、高温熱交換器54に供給され
る排ガスの温度を超臨界水を生成するための水を利用し
て低下させることができる。例えば、超臨界水製造用の
液・ガスの熱交換器で熱交換器56で1300℃を85
0℃程度まで下げ、高温熱交換器54には850℃程度
で入るようにする。よって、ガス・ガスの熱交換器であ
る高温熱交換器54の材質構造上の負担を軽くできる。
また、通常の鋼板で作れる限界である850℃以下にし
低コスト化が図れる。
【0091】第9の実施例を図9を用いて説明する。
【0092】基本的には、図8と同様であるが、図9で
は高圧ポンプ29で加圧された水が供給され熱交換器5
6を焼却溶融炉55から出た排ガスが集塵機6に到る間
の排ガス流路に設置した。
【0093】高圧ポンプ29で加圧されて熱交換器56
で生成した超臨界水は煤塵の供給される煤塵反応容器2
7に供給され、煤塵中のダイオキシン等の成分が分解さ
れる。
【0094】このように、焼却溶融炉55の下流側(高
温熱交換器54を有する場合はその下流側)に熱交換器
56を設置して、超臨界水を生成するための水を利用し
て排ガスの温度を低下できる。好ましくは、燃焼排ガス
を250℃以下に下げてダイオキシンの再合成を抑制し
て排ガス中のダイオキシン濃度をより低下させることが
できる。
【0095】例えば、1300℃の排ガスが高温熱交換
器54を経て900℃に冷却し、更に高温熱交換器54
を経て150℃程度にする。
【0096】これにより、排ガス温度を下げて排ガス中
のダイオキシンの再合成等を抑制して排ガス中のダイオ
キシン濃度を低減させると共に焼却炉から発生する熱を
有効に利用して効率良く超臨界水を生成できて、適切に
生成した超臨界水を灰や塵に供給して灰や塵内のダイオ
キシンを分解できる。
【0097】また、発生した排ガスを熱交換器56によ
り冷却した後集塵機6に供給するようにすることが好ま
しい。排ガスを冷却してダイオキシンを煤塵表面に付着
させ易くして、露点温度以下にならない温度に下げるこ
とにより(例えば、150℃〜250℃、より好ましく
は、150℃前後)、ダイオキシン等の有害物質を多く
付着させた煤塵を集塵機6で捕集し、有害物質の排出量
をより低減することができる。
【0098】さらに、溶融炉55の外に設置すること
で、付設やメンテナンスが容易にできる。これにより既
設炉でも適用できるという効果がある。また、熱交換器
56のところにさらに、排ガスを熱源として蒸気を発生
する排熱回収ボイラを設置することができる。
【0099】第10の実施例を図10を用いて説明す
る。
【0100】基本的には、図8と同様であるが、図10
では高圧ポンプ29で加圧された水が供給され超臨界水
を生成する熱交換器61を集塵機6の下流の排ガス流路
に設置した。
【0101】熱交換器61は、焼却溶融炉55(高温熱
交換器54)と集塵機6との間に設置される熱交換器6
0に連絡し、熱交換器160から管路30に連絡し、管
路21を経て煤塵反応容器27に連絡される。高圧ポン
プ29で昇圧された水は熱交換器60で加熱され、加熱
された水が供給される熱交換器61で超臨界水を生成す
る。生成した超臨界水は管路30及び管路21を経て煤
塵反応容器27に供給される。
【0102】例えば、1300℃の排ガスは高温熱交換
器54で900℃に冷却し、熱交換器60で150℃に
冷却して、集塵機6を経て熱交換器61で79℃で系外
に排出する。一方、常温(15℃とする)の給水が昇圧
されて熱交換器61で加熱され、熱交換器60で更に加
熱されて超臨界水(400℃)にして煤塵反応容器27
に供給する。
【0103】本図では、熱交換器61から熱交換器60
に連絡しているが、他の加熱装置に連絡して管路30に
連絡されていてもよい。また、熱交換器61で超臨界水
を生成できれば、直接管路30に連絡していてもよい。
【0104】集塵機6の下流側に熱交換器61を設置す
ることにより、腐食性成分を集塵機で除去した排ガスが
熱交換器61に供給されるので熱交換機61の腐食を抑
制して機器の健全性を維持しつつ、超臨界水を効率よく
生成して煤塵や灰中のダイオキシン等の成分の除去がで
きる。
【0105】加えて、集塵機6から出る排ガスの温度を
調節して排ガス温度を露点以下にすれば排ガス中の水分
を凝縮させて排ガス中の水溶性の成分を含めて回収除去
することもできる。これにより、排ガスを煙突から放出
するときの凝縮水滴の発生による白煙化を防止できる。
また、溶融炉55の外のため付設しやすく、メンテナン
スが容易である。さらに、既設炉でも適用できるととも
に、熱の有効利用が図れる。
【0106】第11の実施例を図11を用いて説明す
る。
【0107】基本的には、図9と同様であるが、図11
では簡易な熱分解炉を用いている。投入された廃棄物1
が供給される粉砕機62,粉砕された廃棄物を不燃物と
燃料とに分級する分級機52,分級された燃料とコーク
ス等の燃料63と空気等の酸化剤57とが供給される焼
却溶融炉65を有する。焼却溶融炉65からの排ガス
(例えば1300℃)を熱交換して冷却する熱交換器5
6,熱交換器56で冷却された排ガス(例えば150
℃)が供給される集塵機6,集塵機6を経た排ガスは系
外に排出される。熱交換器56は焼却溶融炉65から出
た排ガスが集塵装置に到る経路に設置される。高圧ポン
プ29で加圧されて熱交換器56で生成した超臨界水
(400℃)は煤塵の供給される煤塵反応容器27に供
給され、煤塵中のダイオキシン等の成分が分解される。
【0108】これにより、基本的には、図10の実施例
と同様の効果を奏することができる。さらに、高温熱交
換器54に供給する熱が不要なので、焼却溶融炉65か
らの排ガスの熱を十分回収でき多くの超臨界水を生成す
ることも可能となる。一方、熱交換器56に排ガスを熱
源として蒸気を発生する排熱回収ボイラを併せて設置す
ることもできる。排熱回収ボイラで発生した蒸気を蒸気
タービン等の蒸気利用装置に供給するように構成するこ
とにより、全体として高効率の運転ができる。
【0109】
【発明の効果】本発明は、効率よく、超臨界水を生成
し、適切に超臨界水を供給して生じた灰や塵を処理でき
る廃棄物処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す概要図。
【図2】本発明の一実施例を示す概要図。
【図3】本発明の一実施例を示す概要図。
【図4】本発明の一実施例を示す概要図。
【図5】本発明の一実施例を示す概要図。
【図6】本発明の一実施例を示す概要図。
【図7】本発明の一実施例を示す概要図。
【図8】本発明の一実施例を示す概要図。
【図9】本発明の一実施例を示す概要図。
【図10】本発明の一実施例を示す概要図。
【図11】本発明の一実施例を示す概要図。
【符号の説明】
1…廃棄物、2…焼却炉、3…加熱器、4…排ガス、5
…灰、6…除塵装置、7…燃料、8…酸化剤、9…改質
器、10…改質燃料、11…燃焼器、12,17…排ガ
ス、13,14…熱交換器、15…排熱回収装置、16
…煤塵、18…給水タンク、20,21,30…管路、
27…煤塵反応容器、28…灰反応容器、29…高圧ポ
ンプ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野本 悟 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株式会社 日立製作所 電力・電機開発 本部内 (72)発明者 石丸 等 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 石垣 幸雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平11−76755(JP,A) 特開 平9−327678(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00 A62D 3/00 F23G 5/00 - 5/50 F23J 1/00 - 15/00 B01D 53/00 - 53/83

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃棄物が供給され焼却される焼却炉を備え
    た廃棄物処理システムにおいて、 給水装置と、 該給水装置から供給される給水を昇圧する昇圧ポンプ
    と、 該昇圧ポンプにより昇圧された給水が供給され前記焼却
    炉から発生する排ガスを熱源として超臨界水を生成する
    超臨界水生成装置と、 該生成装置で生成された超臨界水が供給される貯蔵タン
    クと、 焼却炉の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が供給されると
    共に該貯蔵タンクから超臨界水が供給され、前記焼却灰
    或いは塵中のダイオキシンを分解する分解装置と、を備
    えることを特徴とする廃棄物処理システム。
  2. 【請求項2】分離装置運転に対応して超臨界水を系外に
    放出する機構を備える廃棄物が供給され焼却される焼却
    炉を備えた廃棄物処理システムにおいて、 給水装置と、 該給水装置から供給される給水を昇圧する昇圧ポンプ
    と、 該昇圧ポンプにより昇圧された給水が供給され前記焼却
    炉から発生する排ガスを熱源として超臨界水を生成する
    超臨界水生成装置と、 焼却炉の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が供給されると
    共に前記生成した超臨界水が供給され、前記焼却灰或い
    は塵中のダイオキシンを分解する分解装置と、 前記超臨界水生成装置から前記分解装置に到る経路に設
    置され、前記生成した超臨界水を系外に導く放出装置
    と、 前記分解装置と放出装置とに供給する前記生成した超臨
    界水量を制御する制御装置と、を備えることを特徴とす
    る廃棄物処理システム。
  3. 【請求項3】廃棄物が供給され焼却される焼却炉を備え
    た廃棄物処理システムにおいて、 給水装置と、 該給水装置から供給される給水を昇圧する昇圧ポンプ
    と、 該昇圧ポンプにより昇圧された給水が供給され前記焼却
    炉から発生する排ガスを熱源として超臨界水を生成する
    超臨界水生成装置と、 焼却炉の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が供給されると
    共に前記生成した超臨界水が供給され、前記焼却灰或い
    は塵中のダイオキシンを分解する複数の分解装置と、 一の分離装置に超臨界水を供給時には他の分離装置への
    超臨界水の供給を停止し、前記一の分離装置への超臨界
    水の供給を停止時には他の分離装置に超臨界水を供給す
    るよう制御する制御装置と、を備えることを特徴とする
    廃棄物処理システム。
  4. 【請求項4】請求項1の廃棄物処理システムにおいて、
    前記超臨界水生成装置が前記焼却炉内に設置されること
    を特徴とする廃棄物処理システム。
  5. 【請求項5】請求項1の廃棄物処理システムにおいて、 前記焼却炉から排出される排ガス中の塵を回収する集塵
    装置を設置し、前記超臨界水生成装置を前記焼却炉と前
    記集塵装置との間に設置することを特徴とする廃棄物処
    理システム。
  6. 【請求項6】廃棄物が供給され焼却される焼却炉と、 該焼却炉から排出される排ガスが供給されると共に燃料
    が供給されて燃焼する燃焼装置とを備えた廃棄物処理シ
    ステムにおいて、 給水を供給する給水タンクと、 該給水タンクから供給される給水を昇圧する昇圧ポンプ
    と、 前記焼却炉と前記燃焼装置との間に設置され、該昇圧ポ
    ンプにより昇圧された給水が供給され前記燃焼装置から
    発生する排ガスを熱源として超臨界水を生成する超臨界
    水生成装置と、 焼却炉の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が供給されると
    共に前記生成した超臨界水が供給され、前記焼却灰或い
    は塵中のダイオキシンを分解する分解装置と、を備える
    ことを特徴とする廃棄物処理システム。
  7. 【請求項7】廃棄物が供給され焼却される焼却炉と、 該焼却炉から排出される排ガスが供給されると共に燃料
    が供給されて燃焼する燃焼装置とを備えた廃棄物処理シ
    ステムにおいて、 給水タンクと、 該給水タンクから供給される給水を昇圧する昇圧ポンプ
    と、 前記燃焼装置の下流側に設置され、該昇圧ポンプにより
    昇圧された給水が供給され前記燃焼装置から発生する排
    ガスを熱源として超臨界水を生成する超臨界水生成装置
    と、 焼却炉の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が供給されると
    共に前記生成した超臨界水が供給され、前記焼却灰或い
    は塵中のダイオキシンを分解する分解装置と、を備える
    ことを特徴とする廃棄物処理システム。
  8. 【請求項8】廃棄物が供給され燃焼溶融される燃焼溶融
    炉と、 該燃焼溶融炉から排出される排ガスを熱源として空気を
    加熱する空気加熱器と、 該空気加熱器で加熱された空気を前記燃焼溶融炉に導入
    される廃棄物に供給する経路と、を備えた廃棄物処理シ
    ステムにおいて、 給水タンクと、 該給水タンクから供給される給水を昇圧する昇圧ポンプ
    と、 前記燃焼溶融炉と前記高温加熱器との間に設置され、該
    昇圧ポンプにより昇圧された給水が供給され前記燃焼装
    置から発生する排ガスを熱源として超臨界水を生成する
    超臨界水生成装置と、 焼却炉の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が供給されると
    共に前記生成した超臨界水が供給され、前記焼却灰或い
    は塵中のダイオキシンを分解する分解装置と、を備える
    ことを特徴とする廃棄物処理システム。
  9. 【請求項9】廃棄物が供給され燃焼溶融される燃焼溶融
    炉を備えた廃棄物処理システムにおいて、 前記燃焼溶融炉から排出される排ガス中の塵を回収する
    集塵装置と、 給水を供給する給水タンクと、 該給水タンクから供給される給水を昇圧する昇圧ポンプ
    と、 前記燃焼溶融炉から出た排ガスが前記集塵装置に到る間
    に設置され、該昇圧ポンプにより昇圧された給水が供給
    され前記燃焼装置から発生する排ガスを熱源として超臨
    界水を生成する超臨界水生成装置と、 焼却炉の焼却灰或いは前記排ガス中の塵が供給されると
    共に前記生成した超臨界水が供給され、前記焼却灰或い
    は塵中のダイオキシンを分解する分解装置と、を備える
    ことを特徴とする廃棄物処理システム。
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