JP4592985B2 - マルチビーム走査における走査線ピッチ調整方法、マルチビーム走査用光源装置およびマルチビーム走査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マルチビーム走査における走査線ピッチ調整方法、マルチビーム走査用光源装置およびマルチビーム走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近来、光プリンタや光製版装置、光描画装置等の画像形成装置に用いられる光走査装置において、一度に複数の走査線を走査する「マルチビーム走査方式」が提案され、実用化されつつある。
【0003】
このようなマルチビーム走査方式には、各光スポットが隣接する走査線を走査する「隣接走査方式」と、副走査方向に隣接する光スポットが、1以上の走査線を飛び越して走査する「飛び越し走査方式」とがあるが、何れの走査方式においても、良好なマルチビーム走査を行うには、「走査線ピッチ」即ち、隣接する光スポットの副走査方向の間隔が適正に設定されねばならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、マルチビーム走査における走査線ピッチを容易かつ正確に行いうる新規な「走査線ピッチ調整方法」およびこの方法を実施するための「マルチビーム走査用光源装置」の実現を課題とする。この発明はまた、上記マルチビーム走査用光源装置を用いた新規なマルチビーム走査装置の実現を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の走査線ピッチ調整方法は「複数の光源から放射される複数の光ビームを共通の光偏向器により同時に偏向させ、各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面に導光し、被走査面上に、副走査方向へ互いに分離した複数の光スポットを形成し、複数走査線を同時に走査するマルチビーム走査において、被走査面上の走査線間の間隔(走査線ピッチ)を調整する方法」である。
【0006】
請求項1記載の方法は、以下の如き特徴を有する。
即ち、各光ビームを個別的に別個のシリンドリカルレンズにより副走査方向へ集束させた状態で、ビーム合成手段へ導き、このビーム合成手段により合成された光ビーム群を光偏向器の偏向反射面位置に導光し、偏向反射面近傍に各光ビームごとに「主走査方向に長い線像」として結像させるようにする。
【0007】
1以上の光ビームの光路上に「ミラー」を配置し、このミラーの反射面の揺動調整により光ビームの進行方向を副走査方向に偏向調整する。
また、シリンドリカルレンズの1以上を副走査方向に「並進変位調整」することにより、被走査面上の走査線間の間隔を調整する。
【0008】
従って、走査線ピッチの調整は、1以上のミラーの反射面の揺動調整と、シリンドリカルレンズの並進変位調整とにより行われることになる。
この場合、反射面の揺動調整を行うミラーと、並進変位調整を行うシリンドリカルレンズとを、異なる光ビームの光路上に配することも参考技術として考えられる。
【0009】
即ち、例えば、2つの光ビームの光路を仮に光路:A、光路:Bとするとき、光路:Aに設けたミラーの反射面を揺動調整するとともに、光路:Bに設けたシリンドリカルレンズを並進変位調整するようにすることも考えられる。
【0010】
しかし、請求項1記載の方法では、1以上の光ビームの光路上に、反射面の揺動調整可能なミラーと、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズとを設け、1以上の光ビームによる光スポット結像位置を副走査方向に調整する。
【0011】
この請求項1記載の走査線ピッチ調整方法の場合、各光ビームの光路上に、反射面の揺動調整可能なミラーと、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズとを設け、各光ビームによる光スポット結像位置を副走査方向に調整することができる(請求項2)。ミラーとシリンドリカルレンズの位置関係はどちらを光源側にしてもよい。
【0012】
上記請求項1または2記載の走査線ピッチ調整方法で、ミラーの反射面の揺動調整により粗調整を行い、シリンドリカルレンズの並進変位調整により微調整を行うことが好ましい(請求項3)。即ち、ミラーの反射面(の法線の向き)がΔθだけ変化すると、反射される光ビームの方向は副走査方向に2Δθだけ変化するので、ミラーによる進行方向の偏向調整は粗調整に適している。これに対し、シリンドリカルレンズの副走査方向への並進変位による光ビームの変位は小さいので、シリンドリカルレンズによる調整は微調整に適している。
【0013】
光源の数は、同時走査する走査線の本数に等しい。
光源の数は、ビーム合成の可能な限りにおいて適宜であるが、最小限の数として光源数:2とすることができる(請求項4)。
【0014】
この発明のマルチビーム走査用光源装置は「複数の光源から放射される複数の光ビームを共通の光偏向器により同時に偏向させ、各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面に導光し、被走査面上に、副走査方向へ互いに分離した複数の光スポットを形成し、複数走査線を同時に走査するマルチビーム走査において、ビーム合成機能と走査線ピッチ調整機能とを有するマルチビーム走査用光源装置」であって、n(≧2)個の光源と、n個のカップリングレンズ、ビーム合成手段、n個のシリンドリカルレンズ、1以上のミラーを有する(請求項5)。
【0015】
n(≧2)個の光源は、マルチビーム走査用の光束を放射する。光源としては半導体レーザが好適である。
n個のカップリングレンズは、各光源からの光束を個別的にカップリングして、以後の光学系に適した光束形態の光ビームとする。光ビームの光束形態としては平行光束とすることもできるし、弱い集束性もしくは弱い発散性の光束とすることもできる。
【0016】
「ビーム合成手段」は、カップリングされた各光束を、マルチビーム走査用の光ビーム群(マルチビーム走査に用い得る光ビーム群)としてビーム合成する。
「n個のシリンドリカルレンズ」は、各カップリングレンズとビーム合成手段との間に配備され、光ビームを個別的に副走査方向へ集束させる。
【0017】
「1以上のミラー」は、1以上の光ビームの光路上において、カップリングレンズとビーム合成手段との間に設けられ、光ビームの進行方向を副走査方向に偏向調整するべく、反射面の態位が揺動調整可能である。ミラーの個数:mは、1≦m≦nである。
【0018】
上記n個のシリンドリカルレンズの1以上は、副走査方向に並進変位調整可能である。
【0019】
そして、請求項5記載のマルチビーム走査用光源装置は「1以上の光ビームの光路上に、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズと、反射面が揺動調整可能な揺動調整ミラーと」を設ける。この場合において、「並進変位調整可能なシリンドリカルレンズと、反射面を揺動調整可能な揺動調整ミラーと」を。各光ビームの光路上に設けることができる(請求項6)。
【0020】
上記請求項5または6記載のマルチビーム走査用光源装置において、光源の数を2とし、ビーム合成手段を「一方の光ビームの透過と、他方の光ビームの反射によりビーム合成を行うプリズム光学素子」とすることができる(請求項7)。このプリズム光学素子としては、例えば、ハーフミラープリズムを用いることができる。
【0021】
「プリズム光学素子」はまた「光ビームを、光ビームの偏光状態に応じて透過または反射させる偏光プリズム」とすることができる(請求項8)。例えば、光源として2個の半導体レーザを用いる場合、半導体レーザから放射されるレーザ光束は実質的な直線偏光状態にあるので、各半導体レーザから放射されるレーザ光束の偏光方向を互いに直交関係にすることにより、上記偏光プリズムで光利用効率良くビーム合成することができる。
【0022】
あるいは、上記請求項8記載のマルチビーム走査用光源装置において、一方の光ビームの偏光方向を、他方の光ビームの偏光方向に直交させる波長板(1/2波長板)を設けても良い(請求項9)。
【0023】
ビーム合成の他の方法としては、光源から放射される光束の波長を互いに異ならせ、互いに波長の異なる各光ビームを「ダイクロイックミラー」を用いてビーム合成することができる。この方法でビーム合成を行うと3以上の光ビームの場合でも容易にビーム合成することができる。
【0024】
この発明のマルチビーム走査装置は「複数の光源から放射される複数の光ビームを共通の光偏向器により同時に偏向させ、各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面に導光し、被走査面上に、副走査方向へ互いに分離した複数の光スポットを形成し、複数走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置」であって、マルチビーム走査用光源装置として、請求項5〜9の任意の1に記載のものを用いることを特徴とする(請求項10)。
【0025】
光偏向器としては、回転多面鏡や回転単面鏡、あるいは回転2面鏡のように、偏向反射面を回転させる方式のものでも良いし、ガルバノミラーのように偏向反射面を揺動させる方式のものでもよい。
【0026】
走査結像光学系は1枚以上のレンズで構成することもできるし、1面以上の結像ミラーで構成することもでき、さらには1枚以上のレンズと1面以上の結像ミラーの組合せとして構成することもできる。
【0027】
即ち、光偏向器や走査結像光学系は、従来から知られたものを適宜に用いることができる。「被走査面」は、実体的には感光性媒体の感光面である。感光性媒体としては、光導電性の感光体や、銀塩フィルム、走査光のエネルギーで発色する発色性感光シート等を利用できる。
【0028】
【発明の実施の形態】
図4は、マルチビーム走査装置を説明するための図である。
図4において、符号10で示すマルチビーム走査用光源装置は、複数の光源から放射される光束を「マルチビーム走査用にビーム合成」して光ビーム群(図の繁雑を避けるため、1本の光ビームのみを示している)として射出させる。
光ビーム群は「光偏向器」である回転多面鏡12により偏向され、「走査結像光学系」を構成する2枚のレンズ14、16により被走査面18へ導光され、被走査面18上に、副走査方向(図面に直交する方向)へ互いに分離した複数の光スポットを形成する。これら複数の光スポットにより被走査面18が複数走査線同時に走査される。
【0029】
図1は、図4に示すマルチビーム走査用光源装置10の実施の1形態を示している。符号1A、1Bで示す「光源」としての半導体レーザから放射される光束は、カップリングレンズ2A、2Bによりそれぞれカップリングされて、以下の光学系に適した光ビームとなる。この実施の形態において、カップリングレンズ2A、2Bから射出する光ビームは実質的な平行光束である。
【0030】
カップリングされた光ビームはそれぞれ、アパーチュア3の開口部を透過してビーム整形され、ミラー4A、4Bに入射して反射され、各々シリンドリカルレンズ5A、5Bに入射する。シリンドリカルレンズ5A、5Bは入射する光ビームを副走査方向(図面に直交する方向)に集束させる。各光ビームは集束しつつビーム合成手段6に入射してビーム合成され、光偏向器としての回転多面鏡12に入射する。各光ビームは回転多面鏡12の偏向反射面近傍に、主走査方向に長い線像として結像する。
【0031】
ミラー4A、4Bは平面鏡であって、図面に平行な軸の回りに揺動調整可能である。また、シリンドリカルレンズ5A、5Bは、副走査方向にのみ正のパワーを持ち、図面に直交する方向、即ち、副走査方向に並進変位調整可能である。
【0032】
ビーム合成手段6は、偏光プリズムと1/2波長板6Bとを有する。偏光プリズムは偏光分離膜6Aと反射膜6Cとを有する。各光ビームは、半導体レーザ1A、1Bからは「偏光分離膜6Aに対してP偏光」として射出する。
【0033】
従って、半導体レーザ1Aからの光ビームは、偏光プリズムに入射すると、反射膜6Cにより内部反射し、偏光分離膜6Aを直進的に透過して偏光プリズムから射出する。
【0034】
半導体レーザ1Bからの光ビームは、1/2波長板6Bにより偏光方向を90度旋回され、偏光分離膜6Aに対してS偏光として偏光プリズムに入射し、偏光分離膜6Aに反射されて偏光プリズムから射出する。
【0035】
図2は、マルチビーム走査用光源装置の実施の別形態を示している。混同の虞が無いと思われるものについては、図1におけると同一の符号を付した。図1の実施の形態との差異は、シリンドリカルレンズ5A、5Bが、ミラー4A、4Bよりも光源側に位置すること、ビーム合成手段60として、偏光プリズムと1/2波長板60Bとが用いられている点である。
【0036】
従って、各光源からの光ビームはシリンドリカルレンズにより副走査方向へ集束する光ビームとなってミラー4A、4Bに反射される。ビーム合成手段60における符号60Aは偏光分離膜、符号60Cは反射膜であり、ビーム合成は、図1の実施の形態におけると同様に行われる。
【0037】
即ち、図1(図2)に実施の形態を示すマルチビーム走査用光源装置は、複数の光源1A、1Bから放射される複数の光ビームを共通の光偏向器12により同時に偏向させ、各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面に導光し、被走査面上に、副走査方向へ互いに分離した複数の光スポットを形成し、複数走査線を同時に走査するマルチビーム走査において、ビーム合成機能と走査線ピッチ調整機能とを有するマルチビーム走査用光源装置であって、n(≧2)個の光源1A、1Bと、各光源からの光束を個別的にカップリングして光ビームとするn個のカップリングレンズ2A、2Bと、カップリングされた各光束を、マルチビーム走査用の光ビーム群としてビーム合成するビーム合成手段6(60)と、各カップリングレンズとビーム合成手段との間に配備され、光ビームを個別的に副走査方向へ集束させるn個のシリンドリカルレンズ5A、5Bと、1以上の光ビームの光路上において、カップリングレンズとビーム合成手段との間に設けられ、光ビームの進行方向を副走査方向に偏向調整するべく、反射面の態位が揺動調整可能な1以上のミラー4A、4Bとを有し、n個のシリンドリカルレンズ5A、5Bの1以上を、副走査方向に並進変位調整可能としたマルチビーム走査用光源装置である。
【0038】
そして、これら実施の形態のマルチビーム走査用光源装置は、1以上の光ビームの光路上に、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズと、反射面が揺動調整可能な揺動調整ミラーとが設けられており(請求項5)、各光ビームの光路上に、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズ5A、5Bと、反射面が揺動調整可能な揺動調整ミラー4A、4Bとが設けられている(請求項6)。
【0039】
さらに、光源の数が2であり、ビーム合成手段6(60)が、一方の光ビームの透過と、他方の光ビームの反射によりビーム合成を行うプリズム光学素子であり(請求項7)、プリズム光学素子は光ビームを「光ビームの偏光状態に応じて透過または反射」させる偏光プリズムであり(請求項8)、一方の光ビームの偏光方向を、他方の光ビームの偏光方向に直交させる波長板6B(60B)を有する(請求項9)。
【0040】
図1、図2のマルチビーム走査用光源装置において、走査線ピッチを調整するには、例えば、以下のようにする。即ち、まず、ミラー4Aを揺動調整すると共に、シリンドリカルレンズ5Aを並進変位調整することにより、光源1Aからの光ビームが被走査面上に形成する光スポットの(副走査方向の)位置を所定の基準位置に設定する。
【0041】
この状態で、ミラー4Bを揺動調整し、且つ、シリンドリカルレンズ5Bを並進変位調整することにより、光源1Bからの光ビームが被走査面上に形成する光スポットの位置を、先に設定された「光源1Aからの光ビームの光スポット」位置に対して調整し、両光スポットの副走査方向の間隔が所望の走査線ピッチになるようにする。
【0042】
このようにする代わりに、光源1Aからの光ビームの光路上にあるミラー4A、シリンドリカルレンズ5Aを固定とし、光源1Aからの光ビームが形成する光スポットの副走査方向の位置を基準位置として一義的に固定し、この基準位置に対して、光源1Bからの光ビームの光スポットの位置を、ミラー4Bの揺動調整とシリンドリカルレンズ5Bの並進変位調整とにより調整して、所望の走査線ピッチを実現するようにしてもよい。
【0043】
あるいは、ミラー4Aとシリンドリカルレンズ5Bとを揺動調整して固定し、シリンドリカルレンズ5Aの併進変位調整により「光源1Aからの光ビームの光スポットの位置」を基準位置に設定し、この基準位置に対して、光源1Bからの光ビームの光スポット位置を、ミラー4Bの揺動調整により調整して所望の走査線ピッチを得るようにしても良い。
【0044】
図1(図2)の実施の形態のマルチビーム走査用光源装置を用いると、複数の光源1A、1Bから放射される複数の光ビームを共通の光偏向器12により同時に偏向させ、各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面に導光し、被走査面上に、副走査方向へ互いに分離した複数の光スポットを形成し、複数走査線を同時に走査するマルチビーム走査において、被走査面上の走査線間の間隔を調整する方法であって、各光ビームを個別的に別個のシリンドリカルレンズ5A、5Bにより副走査方向へ集束させた状態で、ビーム合成手段6(60)へ導き、ビーム合成手段により合成された光ビーム群を光偏向器12の偏向反射面位置に導光し、偏向反射面近傍に各光ビームごとに主走査方向に長い線像として結像させるようにし、1以上の光ビームの光路上にミラー4A、4Bを配置し、このミラーの反射面の揺動調整により光ビームの進行方向を副走査方向に偏向調整し、シリンドリカルレンズ5A、5Bの1以上を副走査方向に並進変位調整することにより、被走査面上の走査線間の間隔を調整する走査線ピッチ調整方法を実施することができる。
【0045】
そして、図1(図2)のマルチビーム走査用光源装置によれば、1以上の光ビームの光路上に、反射面の揺動調整可能なミラーと、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズとを設け、1以上の光ビームによる光スポット結像位置を副走査方向に調整する走査線ピッチ調整方法(請求項1)、各光ビームの光路上に、反射面の揺動調整可能なミラーと、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズとを設け、各光ビームによる光スポット結像位置を副走査方向に調整する走査線ピッチ調整方法(請求項2)を実施することができる。
【0046】
上記走査線ピッチ調整方法においては、ミラー4A、4Bの反射面の揺動調整により粗調整を行い、シリンドリカルレンズ5A、5Bの並進変位調整により微調整を行うのが良い(請求項3)。上に説明した実施の形態では、光源の数が2である(請求項4)が、ビーム合成手段を工夫することにより、光源の数を3以上とすることも可能である。
【0047】
従って、図4のマルチビーム走査装置における光源装置10として、図1又は図2に示すものを用いたものは、複数の光源から放射される複数の光ビームを共通の光偏向器12により同時に偏向させ、各偏向光束を共通の走査結像光学系14、16により被走査面18に導光し、被走査面18上に、副走査方向へ互いに分離した複数の光スポットを形成し、複数走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置であって、マルチビーム走査用光源装置10として、請求項5〜9の任意の1に記載のものを用いるマルチビーム走査装置(請求項10)である。
【0048】
ミラー4A、4Bを揺動調整する方法や、シリンドリカルレンズ5A、5Bを並進変位調整する方法は、公知の適宜の方法を利用することができるが、これら揺動調性方法・並進変位調整方法の1例を、ミラー4A、シリンドリカルレンズ5Aの調整を例にとって説明する。
【0049】
図3(a)において、ミラー4Aは、保持具41に保持されて鏡面に合致した揺動軸40の回りに揺動自在となっている。保持具41と不動部材42との間には「圧縮性」のばね43が介設され、ばねの段発力によりミラー4Aに反時計方向のモーメントを作用させている。
【0050】
一方、不動部材44に設けられた調整ねじ45の先端が保持具41に当接し、上記モーメントによるミラー4Aの回転を阻止している。調整ねじ45の調整により、ミラー4Aの反射面態位を揺動調整することができる。
【0051】
図3(b)において、シリンドリカルレンズ5Aは、その母線方向両端に凸設された係合部50A、50Bを、保持具51のガイド溝に係合させることにより、保持具51に対して副走査方向にのみ変位可能となっている。
【0052】
保持具51の底部には板ばね52が設けられてシリンドリカルレンズ5Aに上方へ向う弾性力を作用させている。保持具51の上部に設けられた調整ねじ53、54は、その先端部をシリンドリカルレンズ5Aの上端縁の2箇所に当接させている。調整ねじ53、54の調整により、シリンドリカルレンズ5Aを副走査方向に並進変位調整することができる。
【0053】
なお、図1の例において、半導体レーザ1A、1Bからの光ビームの中心光線は、ミラー4A、4Bの揺動軸上に入射する。また、図2の例においても、半導体レーザ1A、1Bからの光ビームの中心光線は、シリンドリカルレンズ5A、5Bが無いものとすればミラー4A、4Bの揺動軸上に入射する。
【0054】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明によれば、マルチビーム走査における新規な走査線ピッチ調整方法、マルチビーム走査用光源装置およびマルチビーム走査装置を実現できる。この発明のマルチビーム走査用光源装置は、走査線ピッチ調整方法の実施により、容易に走査線ピッチを調整できる。従って、マルチビーム走査用光源装置を用いるマルチビーム走査装置は所望の走査線ピッチで良好なマルチビーム走査を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マルチビーム走査用光学装置の実施の1形態を説明するための図である。
【図2】マルチビーム走査用光学装置の実施の別形態を説明するための図である。
【図3】ミラーの揺動調整、シリンドリカルレンズの並進変位調整を説明するための図である。
【図4】マルチビーム走査装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1A、1B 半導体レーザ(光源)
2A、2B カップリングレンズ
3 アパーチュア
4A、4B ミラー
5A、5B シリンドリカルレンズ
6 ビーム合成手段
12 回転多面鏡(光偏向器)
Claims (10)
- 複数の光源から放射される複数の光ビームを共通の光偏向器により同時に偏向させ、各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面に導光し、上記被走査面上に、副走査方向へ互いに分離した複数の光スポットを形成し、複数走査線を同時に走査するマルチビーム走査において、被走査面上の走査線間の間隔を調整する方法であって、
各光ビームを個別的に別個のシリンドリカルレンズにより副走査方向へ集束させた状態で、ビーム合成手段へ導き、上記ビーム合成手段により合成された光ビーム群を光偏向器の偏向反射面位置に導光し、偏向反射面近傍に各光ビームごとに主走査方向に長い線像として結像させるようにし、
1以上の光ビームの光路上にミラーを配置し、このミラーの反射面の揺動調整により上記光ビームの進行方向を副走査方向に偏向調整し、前記シリンドリカルレンズの1以上を副走査方向に並進変位調整することにより、被走査面上の走査線間の間隔を調整する方法であって、
1以上の光ビームの光路上に、反射面の揺動調整可能なミラーと、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズとを設け、上記1以上の光ビームによる光スポット結像位置を副走査方向に調整することを特徴とする走査線ピッチ調整方法。 - 請求項1記載の走査線ピッチ調整方法において、
各光ビームの光路上に、反射面の揺動調整可能なミラーと、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズとを設け、各光ビームによる光スポット結像位置を副走査方向に調整することを特徴とする走査線ピッチ調整方法。 - 請求項1または2記載の走査線ピッチ調整方法において、
ミラーの反射面の揺動調整により粗調整を行い、シリンドリカルレンズの並進変位調整により微調整を行うことを特徴とする走査線ピッチ調整方法。 - 請求項1〜3の任意の1に記載の走査線ピッチ調整方法において、
光源の数が2であることを特徴とする走査線ピッチ調整方法。 - 複数の光源から放射される複数の光ビームを共通の光偏向器により同時に偏向させ、各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面に導光し、上記被走査面上に、副走査方向へ互いに分離した複数の光スポットを形成し、複数走査線を同時に走査するマルチビーム走査において、ビーム合成機能と走査線ピッチ調整機能とを有するマルチビーム走査用光源装置であって、
n(≧2)個の光源と、
各光源からの光束を個別的にカップリングして光ビームとするn個のカップリングレンズと、
カップリングされた各光束を、マルチビーム走査用の光ビーム群としてビーム合成するビーム合成手段と、
上記各カップリングレンズと上記ビーム合成手段との間に配備され、光ビームを個別的に副走査方向へ集束させるn個のシリンドリカルレンズと、
1以上の光ビームの光路上において、カップリングレンズとビーム合成手段との間に設けられ、光ビームの進行方向を副走査方向に偏向調整するべく、反射面の態位が揺動調整可能な1以上のミラーとを有し、
上記n個のシリンドリカルレンズの1以上を、副走査方向に並進変位調整可能とし、
1以上の光ビームの光路上に、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズと、反射面が揺動調整可能な揺動調整ミラーとが設けられていることを特徴とするマルチビーム走査用光源装置。 - 請求項5記載のマルチビーム走査用調整装置において、
各光ビームの光路上に、並進変位調整可能なシリンドリカルレンズと、反射面が揺動調整可能な揺動調整ミラーとが設けられていることを特徴とするマルチビーム走査用光源装置。 - 請求項5または6記載のマルチビーム走査用光源装置において、
光源の数が2であり、ビーム合成手段が、一方の光ビームの透過と、他方の光ビームの反射によりビーム合成を行うプリズム光学素子であることを特徴とするマルチビーム走査用光源装置。 - 請求項7記載のマルチビーム走査用光源装置において、
プリズム光学素子が光ビームを、光ビームの偏光状態に応じて透過または反射させる偏光プリズムであることを特徴とするマルチビーム走査用光源装置。 - 請求項8記載のマルチビーム走査用光源装置において、
一方の光ビームの偏光方向を、他方の光ビームの偏光方向に直交させる波長板を有することを特徴とするマルチビーム走査用光源装置。 - 複数の光源から放射される複数の光ビームを共通の光偏向器により同時に偏向させ、各偏向光束を共通の走査結像光学系により被走査面に導光し、上記被走査面上に、副走査方向へ互いに分離した複数の光スポットを形成し、複数走査線を同時に走査するマルチビーム走査装置であって、
マルチビーム走査用光源装置として、請求項5〜9の任意の1に記載のものを用いることを特徴とするマルチビーム走査装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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