JPH08304722A - マルチビーム走査光学装置 - Google Patents

マルチビーム走査光学装置

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Publication number
JPH08304722A
JPH08304722A JP10518995A JP10518995A JPH08304722A JP H08304722 A JPH08304722 A JP H08304722A JP 10518995 A JP10518995 A JP 10518995A JP 10518995 A JP10518995 A JP 10518995A JP H08304722 A JPH08304722 A JP H08304722A
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JP
Japan
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laser
laser beams
scanning direction
scanning
sub
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Application number
JP10518995A
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English (en)
Inventor
Toshio Naiki
俊夫 内貴
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 2本のレーザビームを用いて同時かつ2本並
列に走査を行うマルチビーム走査光学装置において、2
本のレーザビームにより被走査面上に形成される走査線
の書き出し位置のむらやピッチむらを小さくする。 【構成】 副走査方向に所定の間隔だけ高さを変えて配
設された2基の半導体レーザ素子1、1’から射出さ
れ、コリメータレンズ2、2’で平行光束にされ、さら
にビームスプリッタ3により所定の間隔を空けたまま光
学系の光軸に対して平行に揃えられた2本のレーザビー
ムに共通に用いるように、ビームスプリッタ3とポリゴ
ンミラー6の偏向面との間に、第1のシリンドリカルレ
ンズ群12を設けることにより、2本のレーザビームに
共通な光路を多くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LBP(laser beam p
rinter)やディジタルPPC(plain papercopier)等
の書き込み用光学系として使用されるレーザビーム走査
光学装置に係り、複数のレーザビームにより同時に複数
のラインを並列に走査するマルチビーム走査光学装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、レーザビーム走査光学装置の分野
においては、2本のレーザビームを用いることにより1
本のレーザビームを使用する場合に比べて副走査方向の
走査速度を上げたり、1本の走査線上を2本のレーザビ
ームで順次重ねて走査することにより被走査面上に形成
される画像の濃度を高めたりするマルチビーム走査光学
装置が用いられている。
【0003】また、最近では、レーザビーム走査光学装
置により形成される画像に高い解像度が求められるよう
になってきているので、2本のレーザビームを用いるこ
とにより、1本のレーザビームによる場合に比べて、画
像形成速度を同じに保ったまま走査線の間隔を1/2にし
て解像度を向上することも行われている。
【0004】ところが、これらのマルチビーム走査光学
装置においては、2本のレーザビームの被走査面上にお
ける相対位置を初期調整しておいても、光学系を装置本
体に取り付ける際に受ける応力や温度変化による熱膨張
歪のために、特にレーザー発生装置、コリメータレンズ
及びビームスプリッタ等から構成される光源部に位置ず
れが発生し、その結果、2本のレーザビームの被走査面
上における相対位置が経時的にずれてしまうことがあっ
た。このように、同時かつ並列に走査を行う2本のレー
ザビームが被走査面上に形成する走査線の相対位置が、
主走査方向あるいは副走査方向にずれると、走査線の書
き出し位置に主走査方向のむらが発生したり、あるいは
副走査方向に走査線のピッチむらが生じて、画像品質が
低下することになる。
【0005】このような不具合に対処するため、2基の
レーザ発生装置から射出されるそれぞれのレーザビーム
に対して別々にシリンドリカルレンズ群を備えることに
より、被走査面上に2本のレーザビームが形成する走査
線の位置を個別に調整する方法が提案されている。図8
に、そのようなマルチビーム走査光学装置に搭載され、
レーザ発生装置、コリメータレンズ、ビームスプリッタ
及びシリンドリカルレンズ群から構成される光源部の概
略構成を示す。従来、これらのマルチビーム走査光学装
置の光源部の構成としては、同図の(a)と(b)の2
型式が用いられている。
【0006】図8(a)においては、レーザ発生装置5
1及び51’から発するレーザビームは、それぞれコリ
メータレンズ52及び52’により平行光束とされ、さ
らに、それぞれ2枚1組のシリンドリカルレンズ54、
55及び54’、55’から構成されるシリンドリカル
レンズ群56及び56’を経てビームスプリッタ53に
入射するようになっている。ここで、シリンドリカルレ
ンズ54及び54’は副走査方向に正のパワーを有し、
シリンドリカルレンズ55及び55’は副走査方向に負
のパワーを有する。そしてシリンドリカルレンズ群56
及び、56’は、それぞれを構成する2枚が協働して、
全体としてはそれぞれ副走査方向に正のパワーを有して
いる。
【0007】また、図8(b)においては、図8(a)
の場合のシリンドリカルレンズ55、55’に代えて、
副走査方向に負のパワーを有するシリンドリカルレンズ
57をビームスプリッタ53のポリゴンミラー側に配設
し、レーザ発生装置51及び51’から発する2本のレ
ーザビームに共通に用いることにより、それぞれのレー
ザビームに対してそれぞれ副走査方向に正のパワーを有
するシリンドリカルレンズ群58及び58’を構成して
いる。
【0008】さらに、特開昭61−245174号公報
では、2本のレーザビームを用いるマルチビーム走査光
学装置において、2本のレーザビームの位置を検出し、
その位置ずれをなくすようにアクチュエータ制御する方
法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図8
(a)に示すように、シリンドリカルレンズ群56及び
56’をそれぞれのレーザビームに対して別々に設けた
場合、熱膨張歪等によりビームスプリッタ53が例えば
主走査面(図8では紙面に平行な面)内で変位すると、
レーザ発生装置51及び51’から射出された2本のレ
ーザビームがビームスプリッタ53内でそれぞれ反射さ
れ、あるいは透過する位置がずれることになり、シリン
ドリカルレンズ群56及び56’からポリゴンミラーの
偏向面(図示せず)までのそれぞれの光学距離が変わっ
て、2本のレーザビームがポリゴンミラーで偏向された
後、被走査面上で集光する2つのスポットの位置が、そ
れぞれ所定の位置から主走査方向にずれてしまい、走査
線の書き出し位置に主走査方向のむらが生じる。
【0010】また、ビームスプリッタ53が副走査方向
(図8では紙面に垂直な方向)に変位した場合には、被
走査面上における2本のレーザビームの集光位置がそれ
ぞれ所定の位置から副走査方向にずれてしまい、走査線
のピッチむらが生じることになる。
【0011】さらに、図8(b)に示した構成の光源部
を有するマルチビーム走査光学装置の場合にも、2本の
レーザビームそれぞれについてシリンドリカルレンズ群
58及び58’を別個に備えているので、図8(a)の
場合と同様に、ビームスプリッタ53が経時的に主走査
面内あるいは副走査方向にずれてしまうと、半導体レー
ザ素子51及び51’から射出される2本のレーザビー
ムが被走査面上に集光する位置がそれぞれ所定の位置か
ら主走査方向あるいは副走査方向にずれることになり、
走査線の書き出し位置のむらやピッチむらが生じる。
【0012】また、特開昭61−245174号公報に
開示された方法を用いると、装置が複雑になり、それに
よって高価になることが避けられない。
【0013】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであって、被走査面上に2本のレーザビ
ームが形成する走査線の相対位置が変化しにくい安定し
た光源部を備えるとともに、走査線のピッチむらを許容
範囲以下に抑え、かつ画像形成にレーザビームを有効に
利用することのできるマルチビーム走査光学装置を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、被走査面を2本のレーザビームで主走
査方向に同時かつ2本並列に走査するマルチビーム走査
光学装置において、2つのレーザ発生装置と、該2つの
レーザ発生装置を互いに副走査方向に異なる位置に支持
する支持手段と、各レーザ発生装置から発生するレーザ
ビームを平行光束にする2つのコリメータレンズと、一
方のレーザ発生装置からのレーザビームを透過するとと
もに他方のレーザ発生装置からのレーザビームを反射し
て、該2本のレーザビームを平行に出力する光学部材
と、前記光学部材から出力された2本のレーザビームに
共通に用いられ、該2本のレーザビームを被走査面の主
走査方向に偏向する偏向器と、前記光学部材と前記偏向
器との間に配設されて前記2本のレーザビームに共通に
用いられ、該2本のレーザビームを前記偏向器の偏向面
近傍においてそれぞれ副走査方向に集光するシリンドリ
カルレンズ群と、前記偏向器と前記被走査面との間に配
設されて前記偏向器で偏向された2本のレーザビームに
共通に用いられ、該2本のレーザビームを前記被走査面
上においてそれぞれ副走査方向に集光する集光手段と、
を設けるようにしている。
【0015】また、本発明では、上記光学部材を、偏光
ビームスプリッタとし、また、上記2本のレーザビーム
のうち片方のレーザビームの光路上において上記コリメ
ータレンズと前記偏光ビームスプリッタとの間に前記片
方のレーザビームの偏光面を90゜回転させる第2光学
部材を備えるようにしている。
【0016】さらに、本発明では、上記マルチビーム走
査光学装置は、上記偏向器と上記被走査面の間に配設さ
れて上記2本のレーザビームに共通に用いられるととも
に該2本のレーザビームを上記被走査面上において主走
査方向に集光する走査レンズ群を備え、しかも、次の条
件を満足するものとしている; fcy・β・Δθy・Pi≦6.35 fcy・β/fscan≧0.2 但し、 fcy:シリンドリカルレンズ群の副走査方向の焦点距離
(単位:mm)、 β:ポリゴンミラー上の偏向点から被走査面までの副走
査方向の光学系倍率、 Δθy:レーザ発生装置とビームスプリッタの位置の角
度誤差(単位:rad)、 Pi:ドット密度(単位:dpi)、 fscan:走査レンズ群の主走査方向の焦点距離(単位:
mm)である。
【0017】
【作用】したがって、本発明によれば、2本のレーザビ
ームを用いて主走査方向に同時かつ2本並列に走査を行
うマルチビーム走査光学装置において、2つのレーザ発
生装置から射出された後、平行とされた2本のレーザビ
ームは、シリンドリカルレンズ群を共通に用いることに
より共通な光路が多くなるので、光学部材の経時的な変
位やシリンドリカルレンズ群の熱的変形が生じても、2
本のレーザビームの光軸が同一方向に同量ずれるだけで
あるので、それぞれのレーザビームが被走査面上に形成
する2本の走査線のずれの方向と量も互いに略同一とな
る。
【0018】また、本発明によれば、上記マルチビーム
走査光学装置において、光学部材として偏光ビームスプ
リッタを用いているので、直線偏光したレーザビームを
射出するレーザ発生装置を用いた場合、前記光学部材に
おける一方のレーザビームの透過率及び他方のレーザビ
ームの反射率がそれぞれ高くなる。また、片方のレーザ
ビームの偏光面を90゜回転させる第2光学部材を用い
ているので、断面楕円形の2本のレーザビームを用い、
しかもそれぞれの断面の長手方向と短手方向とが一致す
るように2つのレーザ発生装置を配した場合にも、光学
部材における一方のレーザビームの透過率及び他方のレ
ーザビームの反射率がそれぞれ高くなる。
【0019】さらに、上記マルチビーム走査光学系が、
本発明で掲げた条件を満足するようにすれば、走査線の
ピッチむらが許容範囲以下となり、レーザビームの利用
効率が所定の値以上となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明を適用したマルチビーム走査光
学装置の実施例を図面を参照しながら説明する。図1は
本発明の一実施例に係るマルチビーム走査光学装置の上
面図であり、図2はその内、半導体レーザ素子1、
1’、コリメータレンズ2、2’、ビームスプリッタ3
及びそれらを取り付ける台座27等を取り出して示す部
分拡大図である。尚、図2(a)、(b)はそれぞれ、
当該部分の上面図、正面図である。
【0021】このマルチビーム走査光学装置は、高い精
度が要求されるとともに、その精度が経時的に安定して
保たれなければならないので、金属性の取付基板9を用
いて、その上に以下に述べる種々の光学部品がそれぞれ
ネジ10で取り付けられる構成となっている。また、取
付基板9には、このマルチビーム走査光学装置をプリン
ターやコピー機等の装置本体に取り付けるための座ぐり
穴11も形成されている。
【0022】尚、本実施例の場合、「2つのレーザ発生
装置」は半導体レーザ素子1、1’に、「支持手段」は
台座27に、「光学部材」はビームスプリッタ3に、
「偏向器」はポリゴンミラー6に、「シリンドリカルレ
ンズ群」は第1のシリンドリカルレンズ群12に、「集
光手段」は第2のシリンドリカルレンズ群に、「第2光
学部材」は1/2波長板14に、それぞれ相当する。
【0023】半導体レーザ素子1、1’から発するレー
ザビームは、それぞれコリメータレンズ2、2’により
平行光束に変換されてビームスプリッタ3に入射する。
そして、ビームスプリッタ3内に設けられた干渉膜3a
において、半導体レーザ素子1から出たレーザビームは
反射され、他方、半導体レーザ素子1’から出たレーザ
ビームは透過し、その後これら2本のレーザビームは光
学系の光軸に平行に進むことになる。
【0024】このとき、図2(b)に示すように、半導
体レーザ素子1と1’並びにコリメータレンズ2と2’
は、それらを取り付ける台座27に段差を設けることに
より、副走査方向に所定の間隔だけ高さを変えて配設さ
れているので、ビームスプリッタ3のポリゴンミラー6
側では、それぞれのレーザビームの光軸は光学系の光軸
近傍において副走査方向に所定の間隔を空けて平行に揃
えられている(但し、図2(b)は、2本のレーザビー
ムの光軸間に設定される副走査方向の間隔、すなわち、
半導体レーザ素子1と1’並びにコリメータレンズ2と
2’の間に設定される副走査方向の所定の間隔を強調し
たものであり、実際にはその間隔は極僅かである。)。
【0025】ここで、レーザビームを画像形成に利用す
る効率を上げるためには、ビームスプリッタ3に入射す
る半導体レーザ素子1からのレーザビームの反射率、及
び半導体レーザ素子1’からのレーザビームの透過率を
高めることが望ましい。そのためには、半導体レーザ素
子1、1’をそれぞれ直線偏光したレーザビームを発す
るものとし、ビームスプリッタ3として偏光ビームスプ
リッタを用いるとともに、ビームスプリッタ3内に設け
られた干渉膜3aに対して、半導体レーザ素子1からの
レーザビームはs偏光として入射し、半導体レーザ1’
からのレーザビームはp偏光として入射するようにする
と、干渉膜3aの面における半導体レーザ素子1からの
レーザビームの反射率、及び半導体レーザ素子1’から
のレーザビームの透過率を効率よく高めることができ
る。
【0026】このとき、半導体レーザ素子は一般に偏光
方向とそれに直交する方向ではレーザビームの広がり角
が異なるため、レーザビームの断面は楕円形となるが、
本実施例では、ビームスプリッタ3から被走査面までの
光学系を2本のレーザビームに共通に用いているため、
レーザビームそれぞれの断面の長手方向と短手方向とを
一致させる必要がある。そのため、半導体レーザ素子
1、1’から発する2本のレーザビームの偏光方向に応
じて、コリメータレンズ2とビームスプリッタ3との
間、あるいはコリメータレンズ2’とビームスプリッタ
3との間に、1/2波長板あるいはローテータのようなレ
ーザビームの偏光面を90゜回転させる光学部材を挿入
しなければならない。
【0027】図3(a)及び(b)にこれらの直線偏光
する2本のレーザビームの偏光方向、及びそれに応じて
ビームスプリッタ3と半導体レーザ素子1あるいは1’
との間に挿入される1/2波長板14の配置を示す。図3
中、半導体レーザ素子1、1’から発する2本のレーザ
ビームそれぞれの伝搬方向にx軸及びy軸を取り、x−
y平面に垂直な方向にz軸を取っている。尚、ビームス
プリッタ3としては、偏光ビームスプリッタを用いてい
る。
【0028】図3(a)においては、半導体レーザ素子
1、1’から発せられた直後のレーザビームは、ともに
x−y面が偏光面となっている。半導体レーザ素子1、
1’をこのように配向した場合、このままの状態では、
これら2本のレーザビームは、ビームスプリッタ3内の
干渉膜3aに対して、それぞれ入射方向は異なるもの
の、ともにp偏光として入射することになり、半導体レ
ーザ素子1からのレーザビームの反射率が著しく小さい
値となってしまう。
【0029】したがって、ビームスプリッタ3とコリメ
ータレンズ2の間に1/2波長板14を挿入することによ
り、半導体レーザ素子1から発せられるレーザビームの
偏光面を90゜回転してx−z面となるようにしてい
る。これによって、ビームスプリッタ3における半導体
レーザ素子1からのレーザビームの反射率を効率よく高
めることができる。
【0030】一方、図3(b)においては、半導体レー
ザ素子1及び1’から発せられた直後のレーザビーム
は、それぞれx−z面及びy−z面を偏光面としてい
る。半導体レーザ素子1、1’をこのように配向した場
合、このままの状態では、これら2本のレーザビームは
ビームスプリッタ3内の干渉膜3aに対して、ともにs
偏光として入射することになり、半導体素子1’からの
レーザビームの透過率が著しく小さくなるので、該レー
ザビームの偏光面を90゜回転してx−y面とするため
にビームスプリッタ3とコリメータレンズ2’の間に1/
2波長板14を挿入して、ビームスプリッタ3における
その透過率を高めるようにしている。
【0031】ここで、図1に戻って説明を続ける。ビー
ムスプリッタ3を経て、その光軸が光学系の光軸近傍に
おいて副走査方向に所定の間隔を空けるとともに光学系
の光軸に対して平行に揃えられた2本のレーザビームは
共通に、2枚のシリンドリカルレンズ4、5から構成さ
れる第1のシリンドリカルレンズ群12により、ポリゴ
ンミラー6の偏向面近傍で副走査方向に一旦集光され
る。ここで、シリンドリカルレンズ4、5は、副走査方
向にのみそれぞれ正、負のパワーを有し、これらが合わ
さって、第1のシリンドリカルレンズ群12としては副
走査方向にのみ正のパワーを有する。
【0032】したがって、レーザービームは主走査方向
には集光されないので、ポリゴンミラー6の偏向面近傍
において、2本のレーザービームの断面はそれぞれ主走
査方向に長さを有する2本の線状となる。第1のシリン
ドリカルレンズ群12の作用は、後に述べる副走査方向
に正のパワーを有する第2のシリンドリカルレンズ群と
協働して、ポリゴンミラー6の偏向面の面倒れ補正を行
うことである。
【0033】図4は、シリンドリカルレンズ4、5、そ
れらを収容する鏡筒15及び鏡筒15を固定支持し取付
基板9に取り付けられている台座16を取り出して示す
部分拡大図である。同図中、(a)は正面図、(b)は
側方から見た断面図、(c)は上面図である。鏡筒15
は、シリンドリカルレンズ4を装着する内側部材15b
と、シリンドリカルレンズ5を装着するとともに内側部
材15bが嵌合する外側部材15aとから構成される。
【0034】台座16は略直方体形状であり、その上面
に光軸と平行な面をなすV溝16aが形成されている。
そして、全体として略円筒形状の鏡筒15は、このV溝
16aの両斜面に接した状態で支持される。このV溝1
6aは、鏡筒15を支持した状態で、シリンドリカルレ
ンズ5の母線の副走査方向高さが光軸高さと一致するよ
うに形成されている。さらに、鏡筒15は、板バネ21
で押さえてネジ22を留めることにより、台座16に対
して移動しないように固定される。
【0035】鏡筒15の外側部材15aの内側部材15
bが嵌まり合っていない端面には、シリンドリカルレン
ズ5が板バネ17、18により押圧固定されている。板
バネ17、18は、それぞれネジ19、20により外側
部材15aに留められている。外側部材15aのこの端
面に臨む箇所には主走査面と平行な平面部15cが形成
されており、シリンドリカルレンズ5のシリンダ母線と
平行なコバ面を平面部15cに当接させることによっ
て、シリンダ母線と光軸の副走査方向高さを合わせるこ
とができる。
【0036】鏡筒15の内側部材15bは、外側部材1
5aに挿入されていない側において側壁の一部が突出
し、突出部の光軸側の面には主走査面に平行な平面部1
5dが形成されている。シリンドリカルレンズ4は、そ
のシリンダ母線と光軸の副走査方向高さを合わせるよう
に、シリンダ母線と平行なコバ面を平面部15dに当接
させて、外側部材15aに挿入されていない側の端面に
接着固定される。
【0037】シリンドリカルレンズ4と5は以下のよう
にして調整される。先ず、シリンドリカルレンズ4と5
をそれぞれ鏡筒15の内側部材15bと外側部材15a
に取り付ける。次に、外側部材15aに内側部材15b
を嵌合させ、シリンドリカルレンズ4と5の軸上面間隔
が所定の距離となり、かつシリンダ母線の方向が同一と
なるように、両者を回転、移動させて調整した後固定
し、レンズブロックとする。
【0038】一方、台座16は、V溝16aの中心線を
本体装置の光軸と略一致させるように調整した後、取付
基板9に取り付けておく。この台座16に、光学調整を
行ったレンズブロックを載置するだけで、光軸中心を一
致させることができる。最後に、レンズブロックの位
置、すなわち光源等の他の光学要素との光軸方向の距離
とシリンダ母線の方向を調整し、板バネ21で固定す
る。このようにすれば、シリンドリカルレンズ4、5の
位置決めを簡単にかつ精度良く行うことができる。
【0039】再び、図1に戻って説明する。第1のシリ
ンドリカルレンズ群12によってポリゴンミラー6の偏
向面近傍で副走査方向に一旦集光された2本のレーザビ
ームは同時に、ポリゴンミラー6の偏向面が回転するこ
とにより、被走査面の主走査方向に偏向される。ポリゴ
ンミラー6は、その回転軸6aに平行な多数の(図1で
は、6つの)反射面を偏向面として施した正多角形柱形
状をなしており、取付基板9の裏面に取り付けられたモ
ータ(図示せず)に駆動されて回転軸6aの周りに等速
度で高速回転するようになっている。
【0040】尚、ポリゴンミラー6は、ほこり除けのた
めカバー(図示せず)内に収容されており、ポリゴンミ
ラー6の偏向面に入射し、あるいは偏向された2本のレ
ーザビームは、カバーの側面に設けられたガラス窓14
を透過することになる。
【0041】ポリゴンミラー6の偏向面で偏向された2
本のレーザビームは、2枚のレンズ7、8から構成され
全体として主走査方向に正のパワーを有する走査レンズ
群13により主走査方向に集光する。また、走査レンズ
群13と被走査面(図示せず)との間に配設されるとと
もに副走査方向に正のパワーを有する第2のシリンドリ
カルレンズ群(図示せず)により、2本のレーザビーム
は副走査方向に集光される。
【0042】これによって、2本のレーザビームは被走
査面上において副走査方向に所定の間隔離れた2つのス
ポットとして結像することになり、ポリゴンミラー6の
回転にともなって、副走査方向に所定の間隔離れた平行
な2本の走査線を同時に形成するように主走査方向に走
査を行う。尚、副走査方向には、被走査面が移動するこ
とによって走査がなされる。
【0043】本実施例では、2枚のレンズ7、8からな
る走査レンズ群13は、全体として主走査方向にのみパ
ワーを有するfθレンズを構成するものとしている。ポ
リゴンミラー6の偏向面が等角速度で回転することによ
り、該偏向面で偏向される2本のレーザビームの偏向角
の角速度は一定となるので、fθレンズを用いれば、2
本のレーザビームはそれぞれ被走査面上を主走査方向に
等速度で走査することができる。
【0044】尚、全体として主走査方向にfθレンズを
なす走査レンズ群13、及び副走査方向に正のパワーを
有する第2のシリンドリカルレンズ群からなる構成を、
主走査方向及び副走査方向に異なるパワーを有するトロ
イダルレンズあるいは非球面レンズ等に置き換えること
も可能である。
【0045】以上の構成において、2つの半導体レーザ
素子1、1’から発する2本のレーザビームを用いて、
被走査面上に同時かつ並列に2本の走査線を書き込むこ
とができるが、そのとき書き込まれる走査線には、図5
に示すように、数種類の配列が可能である。
【0046】図5(a)に示す場合には、走査線のライ
ンピッチを1本のレーザビームを用いる場合と同じに保
ったまま、2本の走査線を同時に書き込むことにより、
レーザビームが1本の場合よりも画像形成速度を高める
ことができる。すなわち、1回目の主走査では所定のラ
インピッチを置いて走査線L11、L21を同時に書き込
み、2回目の主走査では、走査線L12と1回目の走査線
21の間隔が前記所定のラインピッチと等しくなるよう
に、走査線L12、L22を同時に形成し、以下同様に3回
目以降の主走査を行うものである。この場合、1本のレ
ーザビームを用いる場合に比べて、副走査方向に被走査
面を2倍の速度で移動させることになり、画像形成速度
を2倍に高めることができる。
【0047】図5(b)の場合も、走査線のラインピッ
チを、1本のレーザビームを用いる場合と同じに保った
まま2本のレーザビームで同時かつ並列に走査を行うも
のである。但し、図5(a)の場合と異なり、この場合
の副走査速度は、1本のレーザビームで走査する場合と
同じ値に設定している。このようにすると、1回目の走
査線L21と2回目の走査線L12とが重なり合い、2回目
の走査線L22と3回目の走査線L13とが重なり合うとい
うように、1本の走査線を2本のレーザビームで順次重
ねて走査することになり、被走査面上に形成される画像
の濃度を高めることができる。
【0048】ところで、図5(a)及び(b)に示すど
ちらの場合についても、被走査面上で2本のレーザビー
ムにより同時に走査される2本の並列な走査線の相対位
置が主走査方向あるいは副走査方向にずれると、走査線
の書き出し位置に主走査方向のむらが生じたり、あるい
は副走査方向に走査線のピッチむらが発生したりする。
【0049】ここで、図1に示すように、ビームスプリ
ッタ3はネジ10により取付基板9に取り付けらている
が、その取り付けの際に受ける応力や、半導体レーザ素
子1、1’が発熱することによる熱膨張歪のために、ビ
ームスプリッタ3が主走査面(図1では紙面に平行な
面)内で平行に移動したり、あるいは入射するレーザビ
ームの伝搬方向に対して副走査方向(図1では紙面に垂
直な方向)に傾いたりすることがある。また、第1のシ
リンドリカルレンズ群12が熱的変形を受ける場合もあ
る。
【0050】そのような場合、図8(a)あるいは
(b)に示した従来例においては、2本のレーザビーム
それぞれについてシリンドリカルレンズ群56及び5
6’あるいは58及び58’を別々に備えているので、
ポリゴンミラーの偏向面近傍における2本のレーザビー
ムの収束点が互いにずれることになり、その結果、2本
のレーザビームにより被走査面上に形成される2本の走
査線が主走査方向に変位して生じる走査線の書き出し位
置のむらや、2本の走査線が副走査方向にずれて発生す
る走査線のピッチむらが大きくなってしまう。
【0051】これに対し、本実施例においては、図6に
その光源部の概略構成を示すように、半導体レーザ素子
1、1’から射出されコリメータレンズ2、2’で平行
光束とされた2本のレーザビームを、ビームスプリッタ
3で同一方向に揃えてから、第1のシリンドリカルレン
ズ群12を共通に通過させるので、ビームスプリッタ3
が変位したり第1のシリンドリカルレンズ群12が熱的
変形を受けたりすることによって、ポリゴンミラー6の
偏向面近傍における2本のレーザビームの収束点がそれ
ぞれずれても、そのずれ方は2本のレーザビームについ
て同一方向かつ略同一量となる。その結果、被走査面上
に形成される2本の走査線の相対位置のずれは、主走査
方向、副走査方向ともに図8(a)、(b)に示した従
来の場合よりも小さくなる。
【0052】すなわち、本実施例によれば、2本のレー
ザビームに共通な光路を多くすることにより、2本の走
査線のずれの方向と量が略同一となるため、走査線の書
き出し位置のむらやピッチむらが目立ち難くなるので、
画像品質の低下を小さく抑えることができる。
【0053】次に、本実施例に係るマルチビーム走査光
学装置において、被走査面上に形成される走査線のピッ
チむらを許容範囲以下に抑え、同時に、レーザビームの
利用効率を有効に保つために、光学系が満たすべき条件
について説明する。
【0054】図7に、本実施例に係るマルチビーム光学
系全体の配置の概略を示す。同図中、(a)及び(b)
は、それぞれ主走査方向及び副走査方向に平行な平面内
における光学系の配置とレーザビームの光軸に沿った各
位置での光束の状態を示している。図7(a)に示すよ
うに、主走査方向に平行な平面内においては、半導体レ
ーザ素子1、1’から射出された2本のレーザビーム
は、コリメータレンズ2、2’で平行光束となり、ビー
ムスプリッタ3で同一方向に向けられ、走査レンズ群1
3により感光体ドラムの表面である被走査面25上に集
光される。その光路上に配設される第1のシリンドリカ
ルレンズ群12、ポリゴンミラー6及び第2のシリンド
リカルレンズ群26は、主走査方向には作用しない。
【0055】一方、図7(b)に示すように、副走査方
向に平行な平面内においては、半導体レーザ素子1、
1’から発した2本のレーザビームは、コリメータレン
ズ2、2’で平行光束となり、ビームスプリッタ3を通
過し、第1のシリンドリカルレンズ群12によりポリゴ
ンミラー6の偏向面上に一旦集光され、第2のシリンド
リカルレンズ群26により被走査面25上に集光され
る。このとき、走査レンズ群13は副走査方向には作用
しない。
【0056】このような光学系の構成において、被走査
面25上にレーザビームが形成する走査線の副走査方向
のずれ量ΔZ’(単位:mm)は、次式で表される; ΔZ’=fcy・β・Δθy ……(1). 但し、 fcy:第1のシリンドリカルレンズ群12の副走査方向
の焦点距離(単位:mm)、 β:ポリゴンミラー6上の偏向点から被走査面25まで
の副走査方向の光学系倍率、 Δθy:半導体レーザ素子1あるいは1’とビームスプ
リッタ3の位置の副走査方向の角度誤差(単位:rad)
である。
【0057】ここで、主走査方向の走査は、被走査面上
の走査線に沿ってレーザビームが所定のピッチごとにド
ットを形成することによって行われ、副走査方向の走査
は、隣合う走査線間のラインピッチ、すなわち副走査方
向に隣合うドットのピッチが一定になるように、被走査
面が一定の速度で移動することにより行われる。したが
って、式(1)で表されるΔZ’が画像品質に与える誤差
εは、副走査方向のドット密度をPi(単位:dpi)と
すると、次式で定義される; ε≡ΔZ’・Pi/25.4 =fcy・β・Δθy・Pi/25.4 ……(2). (但し、分母に掛かっている25.4は、長さの単位をinch
からmmに換算するための係数である。)
【0058】通常、副走査方向に隣合うドットがライン
ピッチの1/4程度ずれると、画像に目視できる程度の
影響が現れる。したがって、画像品質に与える誤差ε
は、次の範囲でなければならない; ε≦1/4 ……(3). よって、式(2)より、次式が得られる; fcy・β・Δθy・Pi≦6.35 ……(4).
【0059】ところで、図7に示す光学系の配置におい
て、全系の主走査方向の倍率βM及び副走査方向の倍率
βSは次式で与えられる; βM=fscan/fco ……(5), βS=fcy・β/fco ……(6). 但し、 fscan:走査レンズ群13全体の主走査方向の焦点距離
(単位:mm)、 fco:コリメータレンズ2あるいは2’の焦点距離(単
位:mm)、である(但し、コリメータレンズ2、2’
は、主走査方向と副走査方向に同じ焦点距離を有するも
のとした。)。
【0060】また、ここで取り扱う光束はレーザビーム
であり、その強度がガウス分布に従うものであって、一
般に被走査面上にレーザビームが形成するスポットの幅
は、レーザビームの中心線上の強度を1としたときに強
度が1/e2になる幅と定義されることを考慮すると、
次式が得られる。 βM=25.4・π・kM/(4・λ・Pi・FM) ……(7), βS=25.4・π・kS/(4・λ・Pi・FS) ……(8). 但し、 π:円周率、 kM:被走査面上における主走査方向の(レーザビーム
のスポットの幅)/(ドットピッチ)、 kS:被走査面上における副走査方向の(レーザビーム
のスポットの幅)/(ドットピッチ)、 λ:レーザビームの波長、 FM:半導体レーザ素子1、1’側の主走査方向の有効
Fナンバー、 FS:半導体レーザ素子1、1’側の副走査方向の有効
Fナンバーである(但し、主走査方向のドット密度は、
副走査方向のドット密度Piと同じ値を取るものとし
た。)。
【0061】式(5),(6),(7)及び(8)を整理すると、次式
が得られる; fcy・β/fscan=(kS/kM)・(FM/FS). すなわち、 fcy・β=fscan・(kS/kM)・(FM/FS) ……(9) である。
【0062】ここで、fcy,β,fscan,(kS/kM
及び(FM/FS)は全て正の値であり、式(9)の左辺は
誤差εの定義式(2)に現れる量であるから、誤差εを小
さくするためには、式(9)の右辺を小さくすることが望
ましい。すなわち、fscanは(kS/kM),(FM
S)とは独立に設計できることを考慮すると、(kS
M),(FM/FS)をそれぞれ可能な限り小さくする
ことが望ましい。
【0063】ここでは、主走査方向及び副走査方向のド
ット密度が同じ、すなわち主走査方向及び副走査方向の
ドットピッチが同じであるとしているので、(kS
M)は、被走査面上でレーザビームが集光するスポッ
トの副走査方向の幅と主走査方向の幅の比に相当する。
よって、(kS/kM)を小さく取れば、被走査面上のス
ポットは、その主走査方向の幅に対して副走査方向の幅
が狭くなる。
【0064】しかしながら、主走査方向の走査速度は副
走査方向の走査速度に比べて大きいことと、レーザビー
ムは1つのドットを形成する際に極短時間ではあるもの
の所定の時間間隔にわたって点灯することから、それぞ
れのドットはレーザビームが被走査面上で集光するスポ
ットのサイズに比べて副走査方向よりも主走査方向に大
きく引き延ばされる形で形成されることになる。そのた
め通常は、被走査面上にレーザビームが集光するスポッ
トは、主走査方向の幅に比べて副走査方向の幅が長い楕
円形状になるように設定されるので、(kS/kM)は次
式を満たさなければならない; kS/kM≧1 ……(10).
【0065】一方、(FM/FS)は、半導体レーザ素子
1、1’側の主走査方向と副走査方向のFナンバーの比
であり、半導体レーザ素子1、1’を点光源とみなした
ときのコリメータレンズ2、2’に対する主走査方向の
開口数NASと副走査方向の開口数NAMを用いると、よ
く知られた関係から次式のように書ける; FM/FS=NAS/NAM ……(11).
【0066】この(NAS/NAM)は、半導体レーザ素
子1、1’を射出したレーザビームに対するコリメータ
レンズ2、2’を透過したレーザビームの利用効率に対
応する。したがって、(FM/FS)を小さく設定しよう
として(NAS/NAM)を小さくし過ぎると、レーザビ
ームを偏平に開口規制し過ぎることになり、レーザビー
ムの利用効率が下がるので、0.2が下限値となる。すな
わち、 FM/FS≧0.2 ……(12)でなければならない。
【0067】以上より、条件式(10),(12)を考慮する
と、式(9)は以下のようになる; fcy・β/fscan≧0.2 ……(13).
【0068】結局、本実施例に係るマルチビーム走査光
学装置において、被走査面上に形成される走査線のピッ
チむら、すなわち被走査面上で副走査方向に隣合うドッ
トの相対位置の誤差を許容範囲以下に抑え、同時に、レ
ーザビームの利用効率を有効に保つためには、光学系は
式(4),(13)を満たす必要がある。 fcy・β・Δθy・Pi≦6.35 ……(4), fcy・β/fscan≧0.2 ……(13).
【0069】ここで、以上述べた各式に現れる諸量の本
実施例における代表的な値と、それらの値を用いた場合
の式(4),(13)それぞれの左辺の値を示す。
【0070】
【表1】
【0071】但し、Δθyとしては、ビームスプリッタ
3の角度誤差として、 Δθy=arc tan(1/2000) の値を用いている。これは、ビームスプリッタ3の一辺
の長さが10mmである場合に5μmの誤差が発生した
ことに相当する。
【0072】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、2本のレーザ
ビームを用いて同時かつ2本並列に走査を行うマルチビ
ーム走査光学装置において、光学部材の経時的な変位や
シリンドリカルレンズ群の熱的変形が生じても、2本の
レーザビームの光軸が同一方向に同量ずれるだけであ
り、それぞれのレーザビームが被走査面上に形成する2
本の走査線のずれの方向と量も互いに略同一となるの
で、走査線の書き出し位置の相対的なむらや走査線のピ
ッチむらが小さくなり、画像品質を向上させることがで
きる。
【0073】請求項2の発明によれば、上記マルチビー
ム走査光学装置において、光学部材として偏光ビームス
プリッタを用いているので、直線偏光したレーザビーム
を射出するレーザ発生装置を用いた場合、前記光学部材
における一方のレーザビームの透過率及び他方のレーザ
ビームの反射率がそれぞれ高くなる。また、片方のレー
ザビームの偏光面を90゜回転する第2光学部材を用い
ることにより、断面楕円形の2本のレーザビームを用
い、しかもそれぞれの断面の長手方向と短手方向が一致
するように2つのレーザ発生装置を配した場合にも、一
方のレーザビームの透過率及び他方のレーザビームの反
射率を上げることができる。したがって、2つのレーザ
発生装置から射出される2本のレーザビームを、被走査
面上の画像形成に有効に利用することができる。
【0074】請求項3の発明に係る条件を上記マルチビ
ーム走査光学装置に適用すれば、走査線のピッチむらが
許容範囲以下となるので、安定した高い画像品質を得る
ことができる。また、レーザビームを画像形成に有効に
利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係るマルチビーム走査光
学装置の上面図。
【図2】 図1のマルチビーム走査光学装置に搭載され
る半導体レーザ素子、コリメータレンズ、ビームスプリ
ッタ及びそれらを取り付ける台座の構成を示す部分拡大
図。
【図3】 図1のマルチビーム走査光学装置の光源部に
おいて偏光ビームスプリッタ及び1/2波長板を用いる場
合の該光源部の概略配置図。
【図4】 図1のマルチビーム走査光学装置に搭載され
る第1のシリンドリカルレンズ群の構成を示す部分拡大
図。
【図5】 2本のレーザビームを用いて走査を行う場合
の走査線の配列を示す図。
【図6】 図1のマルチビーム走査光学装置の光源部の
概略構成図。
【図7】 図1のマルチビーム走査光学装置全体の構成
を示す概略配置図。
【図8】 従来のマルチビーム走査光学装置の光源部の
概略構成図。
【符号の説明】
1、1’ 半導体レーザ素子 2、2’ コリメータレンズ 3 ビームスプリッタ 3a 干渉膜 4、5 シリンドリカルレンズ 6 ポリゴンミラー 6a 回転軸 9 取付基板 10 ネジ 11 座ぐり穴 12 第1のシリンドリカルレンズ群 13 走査レンズ群 14 1/2波長板 15 鏡筒 16 台座 16a V溝 17、18 板バネ 19、20 ネジ 21 板バネ 22 ネジ 25 被走査面 26 第2のシリンドリカルレンズ群

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被走査面を2本のレーザビームで主走査
    方向に同時かつ2本並列に走査するマルチビーム走査光
    学装置であって、 2つのレーザ発生装置と、 該2つのレーザ発生装置を互いに副走査方向に異なる位
    置に支持する支持手段と、 各レーザ発生装置から発生するレーザビームを平行光束
    にする2つのコリメータレンズと、 一方のレーザ発生装置からのレーザビームを透過すると
    ともに他方のレーザ発生装置からのレーザビームを反射
    して、該2本のレーザビームを平行に出力する光学部材
    と、 前記光学部材から出力された2本のレーザビームに共通
    に用いられ、該2本のレーザビームを被走査面の主走査
    方向に偏向する偏向器と、 前記光学部材と前記偏向器との間に配設されて前記2本
    のレーザビームに共通に用いられ、該2本のレーザビー
    ムを前記偏向器の偏向面近傍においてそれぞれ副走査方
    向に集光するシリンドリカルレンズ群と、 前記偏向器と前記被走査面との間に配設されて前記偏向
    器で偏向された2本のレーザビームに共通に用いられ、
    該2本のレーザビームを前記被走査面上においてそれぞ
    れ副走査方向に集光する集光手段と、を設けたことを特
    徴とするマルチビーム走査光学装置。
  2. 【請求項2】 上記光学部材が、偏光ビームスプリッタ
    であること、及び上記2本のレーザビームのうち片方の
    レーザビームの光路上において上記コリメータレンズと
    前記偏光ビームスプリッタとの間に前記片方のレーザビ
    ームの偏光面を90゜回転させる第2光学部材を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載のマルチビーム走査光
    学装置。
  3. 【請求項3】 上記偏向器と上記被走査面の間に配設さ
    れて上記2本のレーザビームに共通に用いられ、該2本
    のレーザビームを上記被走査面上において主走査方向に
    集光する走査レンズ群を備え、次の条件を満足すること
    を特徴とする請求項1または2に記載のマルチビーム走
    査光学装置; fcy・β・Δθy・Pi≦6.35 fcy・β/fscan≧0.2 但し、 fcy:シリンドリカルレンズ群の副走査方向の焦点距離
    (単位:mm)、 β:ポリゴンミラー上の偏向点から被走査面までの副走
    査方向の光学系倍率、 Δθy:レーザ発生装置とビームスプリッタの位置の角
    度誤差(単位:rad)、 Pi:ドット密度(単位:dpi)、 fscan:走査レンズ群の主走査方向の焦点距離(単位:
    mm)である。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6198562B1 (en) 1999-03-03 2001-03-06 Ricoh Co., Ltd. Multi-beam scanning device and image forming system and method using the same
US6690496B2 (en) 2002-01-25 2004-02-10 Pentax Corporation Multi-beam scanning device
US6922268B2 (en) 2002-04-01 2005-07-26 Pentax Corporation Multi-beam scanning device
JP2008158520A (ja) * 2007-12-17 2008-07-10 Konica Minolta Holdings Inc 画像形成装置

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