JPH0980332A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH0980332A
JPH0980332A JP23837095A JP23837095A JPH0980332A JP H0980332 A JPH0980332 A JP H0980332A JP 23837095 A JP23837095 A JP 23837095A JP 23837095 A JP23837095 A JP 23837095A JP H0980332 A JPH0980332 A JP H0980332A
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善紀 林
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健志 山川
Takashi Mama
孝 真間
Hidetoshi Kanai
英俊 金井
Kenichi Ono
健一 小野
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01SDEVICES USING THE PROCESS OF LIGHT AMPLIFICATION BY STIMULATED EMISSION OF RADIATION [LASER] TO AMPLIFY OR GENERATE LIGHT; DEVICES USING STIMULATED EMISSION OF ELECTROMAGNETIC RADIATION IN WAVE RANGES OTHER THAN OPTICAL
    • H01S5/00Semiconductor lasers
    • H01S5/40Arrangement of two or more semiconductor lasers, not provided for in groups H01S5/02 - H01S5/30
    • H01S5/4025Array arrangements, e.g. constituted by discrete laser diodes or laser bar

Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチビーム方式の画像形成装置において、
複数のスポットの副走査方向のピッチを容易に正確に調
整できるようにして、バンディング等による画質の低下
を防ぐ。 【解決手段】 副走査方向にパワー成分を有する複数の
光学素子であるシリンダレンズからなる複数のレンズ3
a,3b,4がある。LDアレイ1から出力される近接
した2本のビームは、カップリングレンズ2で平行ビー
ムになり、レンズ3a,3bからなるビームコンプレッ
サ3により副走査方向に圧縮された平行ビームに変換さ
れ、レンズ4によりポリゴンミラーのミラー面5a上に
結像する。レンズ3aを若干左又は右に平行移動し、レ
ンズ4aも同方向に平行移動して再びミラー面5aに結
像するようにしたズーム光学系は、ミラー面5a上の像
の倍率が変るから、感光体上の複数のスポットのピッチ
を調整することが出来る。レンズ3a,3b,4のうち
のいずれか1個だけ左又は右に平行移動しても、同様な
作用が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はマルチビームを用
いて感光体上に静電潜像を形成する光走査型の画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーザダイオードから出力される画像信
号に応じて変調されたレーザビームを、副走査方向に移
動する感光体上にスポットとして結像させ、主走査方向
にスキャンすることにより静電潜像を形成し、現像によ
ってトナー像に変換したのち用紙上に転写定着して画像
を形成するレーザビームプリンタ(以下単に「プリン
タ」ともいう)が知られている。
【0003】このようなプリンタは、その高解像度によ
る高い画質とプリントアウトの高速性とにより、更に量
産によるコストダウンにも支えられて広く用いられるよ
うになったが、用途が広くなるに従って、ユーザからは
更に高い解像度と高速性に対する要望が強くなってきて
いる。
【0004】一般的に、高解像度と高速性とは相反関係
にあるため、解像度を上げようとすればプリントアウト
の時間が長くなり、高速性を追求すれば解像度が低下す
る傾向がある。したがって、いずれのレベルを上げる場
合にも、ビーム偏向手段である例えばポリゴンミラーの
回転数を上げるか、その面数を増加させる必要がある。
【0005】しかしながら、現在のプリンタのポリゴン
ミラーは、その回転数をこれ以上に上げると寿命が急速
に劣化する限界近くまで達しており、その面数を増加さ
せると分留りが悪くなってコストが上がるのみならず、
所定の画像幅を得るために装置の大型化が避けられな
い。さらに、画像信号に応じたレーザ光の変調周波数も
上げる必要があるから、周波数の上昇による回路上のト
ラブルも発生し易くなるという問題があった。
【0006】そのため、複数の例えばN個の互いに近接
したビームを用いて同時にN本のラインをスキャンする
ことにより、ポリゴンミラーの回転数,面数及び変調周
波数を上げることなく、N倍の高速性すなわちプリント
アウトの時間を1/Nに短縮出来るマルチビーム方式の
プリンタが現れるに至った。高速性を或る程度抑えれ
ば、その分だけ高解像度が得られることはいうまでもな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マルチ
ビームを用いた場合には、各スキャンラインの(副走査
方向の)ピッチPが、例えば画素密度600dpi(ド
ット/インチ)の場合は42.33μm、400dpi
の場合は63.5μmに正しく設定される必要がある
が、単一のビームを用いたシングルビーム方式の場合に
は不要であったピッチの調整とその保持が極めて難かし
くなる。
【0008】もし、ピッチの調整が不充分であったり、
温度変化や経時変化等によってピッチが狂ったりする
と、得られた画像のスキャンラインが周期的に不等間隔
になり、その結果ピッチが微細であるだけにバンディン
グ、すなわち帯状濃度ムラが目立った画像となって、画
像品位すなわち画質が著るしく低下するという問題があ
った。
【0009】この発明は上記の点に鑑みてなされたもの
であり、簡単な構成でスキャンラインのピッチを容易に
正確に調整出来るようにすることを目的とする。また、
他の目的は、調整されたピッチを常に正確に保持出来る
ようにすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の目的を
達成するため、それぞれ画像信号に応じて変調されたレ
ーザ光のビームを出力する複数のビーム発生手段と、該
複数のビーム発生手段が出力する複数の発散ビームを平
行ビームに変換するカップリングレンズと、該カップリ
ングレンズを通過した複数の平行ビームの形状を変える
ためにそれぞれ光軸上に配置された少くとも副走査方向
のパワー成分を有する複数の光学素子と、該複数の光学
素子を通過した前記複数のビームを主走査方向に偏向す
るビーム偏向手段と、該ビーム偏向手段により偏向され
た複数のビームをそれぞれ感光体上にスポットとして結
像する結像手段とからなる光書き込み装置を備え、複数
のスポットが感光体上を主走査方向にスキャンして形成
される各スキャンラインの副走査方向のピッチが予め設
定された値になるように、複数のビーム発生手段を配置
してなる画像形成装置において、感光体上の複数のスキ
ャンラインのピッチを変化させるために、光軸上に配置
された複数の光学素子のうちの少くとも1つを移動又は
回動させる光学素子駆動手段を設けたものである。
【0011】それぞれ上記の光学素子駆動手段が、光学
素子を光軸方向に平行移動させる手段であるとよい。ま
たは、ほぼ主走査方向に沿う軸を中心として光学素子を
回動させる手段であってもよい。あるいは、光学素子を
複数のビームの光路上に出し入れする手段であってもよ
い。
【0012】上記の画像形成装置において、それぞれ次
のようにするとよい。すなわち、感光体上の複数のスキ
ャンラインのピッチを検出するピッチ検出手段を設け、
光学素子駆動手段が、ピッチ検出手段により検出された
スキャンラインのピッチと予め設定された値との差に応
じて光学素子を移動又は回動させる手段を有するとよ
い。
【0013】また、光書き込み装置周辺の温度を検出す
る温度検出手段を設け、光学素子駆動手段が、温度検出
手段により検出された温度に応じて光学素子を移動又は
回動させる手段を有してもよい。
【0014】あるいは、光学素子駆動手段による光学素
子の移動又は回動に応じて複数のビーム発生手段がそれ
ぞれ出力するビームのパワーを変更するビームパワー変
更手段を設けるとよい。
【0015】さらに、複数のビームの光路上に配置した
アパーチャと、該アパーチャの径を光学素子駆動手段に
よる光学素子の移動又は回動に応じて変更するアパーチ
ャ径変更手段とを設けてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照しながら具体的に説明する。図2は、この発明
の実施の一形態である光書き込み装置の一例を示す斜視
図であり、図3は、図2に示した光書き込み装置の光学
系の配置を示す平面図である。
【0017】図2に示した光書き込み装置10は、その
筐体11の側面に設けたLD(レーザダイオード)ユニ
ット12と、筐体11の底面にそれぞれ光軸に沿って配
置したビームコンプレッサ3,シリンダレンズ4,ポリ
ゴンミラー5,fθレンズ6,長尺ミラー14と、同期
ミラー15及びPSD(ポジションセンシティブ・ダイ
オード)16と、長尺ミラー14の下部に設けたビーム
射出窓17とから構成され、ビーム射出窓17の下方に
は表面の感光体面8aを支持する感光体ドラム8が設け
られている。
【0018】LDユニット12は、それぞれ図3に示し
た複数のビーム発生手段であるLDアレイ1と、カップ
リングレンズ2及び図示しない複数のLDドライバを含
む駆動回路とからなり、この実施の形態ではそれぞれ画
像信号に応じて2個のLDドライバにより駆動される2
個のLD(レーザダイオード)を固定的に1つのケース
に収めたLDアレイ1から射出された2本の発散性のレ
ーザビームが、カップリングレンズ2を介して、互いに
僅かな交角をもった2本の平行ビームとなって出力され
る。LDユニット12の背面には、温度検出手段である
サーミスタ13が密接して設けられ、常にLDユニット
12の温度がモニタされている。
【0019】LDユニット12から出力された2本の平
行ビームは、それぞれ主走査(水平)方向にはパワーが
なく、副走査(垂直)方向にのみパワーを有する正,負
のシリンダレンズ3a,3bからなるビームコンプレッ
サ3によって、副走査方向のビーム径だけが圧縮された
平行ビームに変換され、同様に副走査方向にのみパワー
を有する正のシリンダレンズ4によって、平行ビームの
副走査方向成分のみが収斂してポリゴンミラー5のミラ
ー面5a上に結像される。
【0020】これら正又は負のシリンダレンズ3a,3
b,4は、複数のビームの形状を変えるために光軸上に
配置された、少くとも副走査方向のパワー成分を有する
複数の光学素子(以下これらをまとめて「光学素子群」
という)を構成している。
【0021】図示しないポリゴンモータによって矢示A
(反時計)方向に定速で回転駆動されるビーム偏向手段
であるポリゴンミラー5は、そのミラー面5aに入射す
るレーザビームを反射して、反時計方向に(図2では左
から右へ)偏向する。ポリゴンミラー5によって偏向さ
れたレーザビームは、次にfθレンズ6に入射する。
【0022】2個の負のトーリックレンズ6aと正のト
ーリックレンズ6bとからなる結像手段であるfθレン
ズ6は、主走査方向と副走査方向とでそれぞれ異なる合
成焦点距離を有しているから、偏向レーザビームの平行
のままで入射する主走査方向成分と、ポリゴンミラー5
のミラー面5aに結像され発散ビームとなって入射する
副走査方向成分とを、それぞれ感光体面8a上に結像す
るように作用する。
【0023】fθレンズ6を通った偏向レーザビーム
は、次の長尺ミラー14に入射する直前のタイミング
で、長尺ミラー14の前側方に設けた同期ミラー15に
より反射され、fθレンズ6に対して感光体面8aと共
軛の位置に設けたPSD16に入射する。PSD16
は、後述するように、ピッチ検出手段であるピッチ検出
部を構成するセンサとして作用すると共に、画像の主走
査方向の位置の基準となる同期信号を出力するためのセ
ンサとしても作用する。
【0024】偏向レーザビームは、同期ミラー15に入
射した後、長尺ミラー14によって下方に反射され、筐
体11の底面のビーム射出窓17を通って感光体ドラム
8の感光体面8a上にスポットとなって結像し、矢示B
(時計)方向に回転する感光体ドラム8によって副走査
方向に移動する感光体面8aを主走査方向である矢示C
方向にスキャンして、スキャンラインSLを形成する。
【0025】図4は、図2及び図3に示して説明した光
学系を光軸に沿って展開し、互いにその光軸が僅かな交
角をもつ2本のレーザビームの副走査方向成分を1本の
ビームで代表して示す光路図である。2個のLDからな
るLDアレイ1のいずれか一方のLDから出力されたレ
ーザ光の発散ビームは、カップリングレンズ2により平
行ビームになって、正,負のシリンダレンズ3a,3b
からなるビームコンプレッサ3によってビーム径を圧縮
された平行ビームとなり、正のシリンダレンズ4によっ
てポリゴンミラー5のミラー面5a上に結像する。
【0026】なお、ビームコンプレッサ3によりビーム
径が圧縮されると、その圧縮比だけ2本のビームの各光
軸の交角は拡大し、もしビームエキスパンダによりビー
ム径を伸長すると、その伸長比だけ各光軸の交角は縮小
する。すなわち、ビーム径と各ビームの光軸の交角とは
反比例の関係になっている。
【0027】複数のビームの光軸の互いの交角が拡大す
れば、複数のスキャンラインSLのピッチが拡がるか
ら、ビームコンプレッサ又はビームエキスパンダを交換
してビーム径を圧縮又は伸長することにより、スキャン
ラインSLのピッチを拡大又は縮小することも出来る。
【0028】また、fθレンズ6によって偏向レーザビ
ームの副走査方向成分は、ミラー面5aと感光体面8a
とが共軛の関係になっているから、ポリゴンミラー5の
各ミラー面5aに面倒れ(副走査方向の傾き)の誤差が
あって、ミラー面5aで反射されたビームが図4上で多
少上下に偏向しても、感光体面8a上のスポットが形成
するスキャンラインは全く上下(副走査方向)に動かな
いようになっている。
【0029】図4において、カップリングレンズ2はコ
リメータとして作用する通常の正のレンズであるから、
主走査方向にも副走査方向にも等しいパワーを有し、f
θレンズ6の主走査方向成分の焦点位置は感光体面8a
上にあり、副走査方向のパワー成分はミラー面5aの像
を感光体面8a上に結像させるように作用する。光学素
子群を構成するビームコンプレッサ3の正,負のシリン
ダレンズ3a,3b及びシリンダレンズ4は、それぞれ
副走査方向のパワー成分のみを有し、主走査方向にはゼ
ロである。
【0030】そのため、2点鎖線で示したビームの主走
査方向成分は、LDアレイ1からカップリングレンズ2
までは発散ビーム、カップリングレンズ2からfθレン
ズ6までは平行ビームで、fθレンズ6以降は収斂ビー
ムとなり、感光体面8a上にポイントとなって結像す
る。したがって、この光学系によるLDの主走査方向の
横倍率βの絶対値は、fθレンズ6の主走査方向の焦点
距離をカップリングレンズ2の焦点距離で割った値にな
る。
【0031】以下、特に断らない限り、光学系のこの発
明に関係する副走査方向成分のみについて説明するが、
焦点距離,間隔及び像の倍率(正しくは横倍率)をそれ
ぞれ示す記号f,d及びβは、すべて絶対値をとるもの
とし、前半の光学系によるLDアレイ1に対するミラー
面5a上の像の倍率をβ1 、後半のfθレンズ6による
ミラー面5aに対する感光体面8a上の像の倍率をβ2
とする。したがって、LDアレイ1に対する感光体面8
a上の像の倍率はβ1 とβ2 との積である。
【0032】図5は、ピッチが正常及び異常な場合に形
成される画像のスキャンラインの一例をそれぞれ示す図
であり、図5の(A)は正常なピッチ、同図の(B)は
異常が発生した場合のスキャンラインの状態をそれぞれ
示している。
【0033】画素密度が600dpiの時の相隣るスキ
ャンラインの基準ピッチPsは42.33μmであり、
2個のLD即ちLDaとLDbからなるLDアレイ1を
用いた場合の感光体面8aの副走査方向の移動速度は、
シングルビームの場合に比べて1スキャンあたり2倍に
なるから、同じLD例えばLDaが出力するビームのス
ポットによるスキャンラインSL1aと次のスキャンラ
インSL2aとのピッチすなわち送りピッチPnは、基
準ピッチPsの2倍の84.66 μmになる。
【0034】図5の(A)に示したように、LDaとL
Dbによる感光体面8a上のスキャンラインSL1aと
SL1bのピッチPpが基準の42.33 μmである場
合は、LDbによるスキャンラインSL1bと、次のス
キャンにおけるLDaによるスキャンラインSL2aと
のピッチすなわち残りピッチPrはPr=Pn−Pp=
42.33μm になって、基準ピッチPs及びピッチP
pと同じであるから、ピッチの同期的バラツキによるバ
ンディングは生じない。
【0035】しかしながら、図5の(B)に示したよう
に、ピッチPpに誤差εが生じてPs+εになると、残
りピッチPrはPs−εになるから、両者の差は2εす
なわち誤差の2倍になって現れる。
【0036】例えば、ε≒8μm程度の僅かな誤差が発
生してピッチPpが50μmになると、残りピッチはP
r=34.66 μm≒35μmになるから、画像のスキ
ャンラインのピッチは交互にほぼ10:7になり、バン
ディングが認められるようになる。
【0037】図6は、感光体面8a上に結像されたLD
アレイ1の2個のLDであるLDa,LDbの像(スポ
ット)LDa′,LDb′と、それによるスキャンライ
ンSL1a,SL1bとの関係の一例を示す図であり、
図5の(A)に示した正常なスキャンラインの一部を拡
大して示したものである。
【0038】LDアレイ1のLDa,LDbは、(β1
×β2)倍に拡大(又は縮小)された像LDa′,LD
b′になるが、LDアレイ1上のLDa,LDbの間隔
は、LDアレイ1が製造された時に既に決っているか
ら、(β1×β2)倍になった時に基準ピッチPs(4
2.33 μm)になるとは限らず、一般に基準ピッチよ
り大きくなる場合の方が多い。
【0039】したがって、図6に示したように、LDア
レイ1のLDa,LDbを結ぶ直線を主走査方向のスキ
ャンラインに対して予め傾けて設定し、その像LD
a′,LDb′の間隔の副走査方向成分が基準ピッチP
sになるようにすることにより、倍率β1,β2の自由度
すなわち光学系や機構系の設計の自由度を確保する方法
がとられている。
【0040】そのため、LDa,LDbにそれぞれ入力
する画像信号の位相を、像LDa′,LDb′の間隔の
主走査方向成分だけズラす必要が生じるが、スキャンラ
インSLa,SLb毎にそれぞれの同期信号に同期をと
ることにより、簡単に解決出来る。
【0041】そのような場合に、像LDa′,LDb′
の間隔の主走査方向成分が存在するために、1個の同期
センサによってスキャンライン毎のライン同期をそれぞ
れのタイミングで検出可能であるだけでなく、後述する
ように、1個のPSDによってスキャンラインSLa,
SLbのピッチPpを検出することが出来るという利点
がある。
【0042】しかしながら、LDアレイ1のLDa,L
Dbの間隔は比較的正確であるが、両者を結ぶ直線と主
走査方向との傾角の設定や、光学系の各素子とその設定
位置等の製作誤差のために、感光体面8a上の像LD
a′,LDb′の間隔の副走査方向成分(スキャンライ
ンのピッチPp)が、必ずしも基準ピッチPsと正確に
一致するとは限らない。そのために、ピッチPpが基準
ピッチPsと一致するように調整する必要が生じる。
【0043】図1は、この発明のスキャンラインのピッ
チを調整する第1の実施の形態である光学素子駆動手段
の作用を説明するための光路図であり、図4に光路図と
して示した光学系の前半部分、すなわち光学素子群を含
むLDアレイ1からポリゴンミラー5のミラー面5aま
でを拡大して示したものである。
【0044】図1において、カップリングレンズ2とビ
ームコンプレッサ3の正,負のシリンダレンズ3a,3
bとシリンダレンズ4の各副走査方向の焦点距離をそれ
ぞれf1,f2,−f3,f4とし、各シリンダレンズ3
a,3b,4及びミラー面5aの各間隔をそれぞれd
2,d3,d4 とする。なお、カップリングレンズ2とシ
リンダレンズ3aとの間隔は、その間のビームが常に平
行ビームであるから、問題としないでよい。
【0045】また、それぞれ副走査方向の成分で考え
て、LDアレイ1のLDa,LDbのピッチをPd、ミ
ラー面5a上のLDa,LDbの像のピッチをPmとす
れば、感光体面8a上の像LDa′,LDb′のピッチ
はPpであるから、各ピッチPd,Pm,Ppの関係は
数1に示すようになる。
【0046】
【数1】Pm=β1×Pd Pp=β2×Pm ∴Pp=β1×β2×Pd
【0047】標準の状態では、正のシリンダレンズ3a
に入射した平行ビームは、負のシリンダレンズ3bから
再び平行ビームとして射出されるから、間隔 d2=f2
−f3であり、間隔d3 は無関係になる。シリンダレン
ズ3bから射出された平行ビームは、シリンダレンズ4
によってミラー面5aに結像するから、間隔d4=f4に
なっている。この標準の状態における光学素子群の合成
焦点距離をf0とすれば、f0及びβ1 は数2に示すよう
になる。
【0048】
【数2】f0=f2×f4/f3 β1=f0/f1 =f2×f4/(f1×f3)
【0049】図1に示した標準の状態から、それぞれ破
線で示したように、先ずシリンダレンズ3bを微少量Δ
dだけ左方に平行移動すると、射出していた平行ビーム
は弱い発散ビームに変化し、LDアレイ1の像はミラー
面5aより右へ少しシフトする。次に、シリンダレンズ
4を微少量Δd′だけ左方に平行移動して、LDアレイ
1の像をミラー面5aの位置に戻すと、光学素子群の合
成焦点距離がf0 より大きくなるから、倍率β1 は標準
の状態の時より若干増大する。
【0050】図示しないが同様に、標準の状態からシリ
ンダレンズ3b,4をそれぞれ微少量右方に平行移動し
て、しかもLDアレイ1の像をミラー面5aに結ばせる
ようにすると、合成焦点距離が逆にf0 より小さくな
り、倍率β1 は標準の状態より若干減少する。
【0051】すなわち、光学素子群のシリンダレンズ3
b,4は副走査方向成分のズームレンズを構成し、それ
ぞれバリエータ,コンペンゼータとして作用するから、
倍率β1 が標準の状態を中心として増減する。したがっ
て、数1に示した倍率β2 とLDアレイ1のピッチPd
が一定であっても、感光体面8a上のピッチPpは倍率
β1 に比例して変化する。
【0052】ズームレンズを構成するバリエータとコン
ペンゼータは、シリンダレンズ3b,4に限定されるも
のではなく、3個のシリンダレンズ3a,3b,4のう
ちのいずれか1つをバリエータ、他の1つをコンペンゼ
ータとしてもよい。また、ズームレンズは少くとも2個
のレンズを移動すれば構成出来るが、3個又はそれ以上
のレンズを移動させてもよい。
【0053】図7は、この発明の第2の実施の形態であ
る光学素子駆動手段の一例を示す光路図であり、図8は
その原理を説明するための図である。図8に示した焦点
距離fの正のレンズ7の光軸に沿って入射する平行光
は、レンズ7の焦点Fに結像する。一方、破線で示した
光軸と傾角θをなして入射する平行光は、焦点Fを含み
光軸に垂直な焦点面上の結像点Feに結像する。
【0054】レンズ7の主点Hと焦点Fとの距離は、い
うまでもなく焦点距離fである。一方、主点Hと結像点
Feとの距離をfeとすれば、fe=f/cos θにな
る。したがって、光軸に沿って入射する平行光に対し
て、レンズ7をθだけ傾けると、焦点Fより右側の結像
点Fe′に結像する。すなわち、feはレンズがθだけ
傾いた時の有効焦点距離であり、傾角θの正負にかかわ
らず常にfe>fになる。
【0055】同様に、レンズ7が負のレンズの場合で
も、feの絶対値は常にfの絶対値より大きくなり、レ
ンズ7がシリンダレンズであってもこの関係は変らな
い。したがって、予めレンズ7を光軸に対して傾角θだ
け傾けて設定しておけば、その傾角θを増減することに
より、その有効焦点距離feを増減させることが出来
る。
【0056】図7は、図1に示した第1の実施の形態に
おいて、シリンダレンズ3a及び3bをそれぞれ予め傾
角θ及びθ′だけ傾けて設定し、それぞれの有効焦点距
離feをf2 及び−f3 としたものであり、標準の状態
におけるビームの発散,平行,収斂は全く同じである。
また、同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0057】図7において、先ずシリンダレンズ3aを
傾角θが増大する時計方向に微小角回動させると、その
有効焦点距離がΔfeだけ増えるから結像点が右に移動
し、シリンダレンズ3bから射出する平行ビームは若干
発散ビームになる。次に、シリンダレンズ3bを同様に
傾角θ′が増大する時計方向に回動させて、その有効焦
点距離の絶対値の増分がシリンダレンズ3aの有効焦点
距離の増分と同じΔfeになるようにすれば、射出する
ビームは平行ビームに戻る。
【0058】したがって、シリンダレンズ4によるLD
アレイ1の像はミラー面5a上から動かないが、数2に
示した合成焦点距離f0 の式においてf4 は変らず、f
2 ,f3が共にΔfeだけ増えることになる。しかる
に、ビームコンプレッサ3はf2>f3 の関係になって
いるから、増分は同じでもその合成焦点距離は標準の状
態の合成焦点距離f0 より小さくなり、倍率β1 は減少
する。
【0059】反対に、シリンダレンズ3a,3bを共に
傾角θ,θ′が減少する反時計方向に微小角回動させ
て、有効焦点距離f2,f3を同じ値だけ減少させれば、
倍率β1 は増大する。すなわち、2個のシリンダレンズ
3a,3bを傾角θ,θ′の正負に関らず、その有効焦
点距離の絶対値の変化分が同じになるように、傾角θ,
θ′の絶対値を共に増大又は減少させることにより、感
光体面8a上のピッチPpを変えることが出来る。
【0060】図1に示した第1の実施の形態すなわちズ
ームレンズ方式は、ピッチPpを調整するためにはオー
ソドックスであり、収差の点でも無理がないが、実際の
機構上の問題として、光学素子を光軸に沿って横ブレを
生じることなく平行移動させることは容易ではない。
【0061】それに対して、図7に示した第2の実施の
形態すなわち光学素子をほぼ主走査方向に沿う軸を中心
として回動させることにより、個々の光学素子の有効焦
点距離を変える方式は、機構上精度を出し易く、製造も
容易である。理論的には収差の点で多少とも劣るが、回
動範囲がそれほど広いものでないから、実際上の問題は
ない。
【0062】以上説明した第1及び第2の実施の形態
は、複数の光学素子のうち少くとも2個以上の光学素子
を駆動して、感光体面8a上にスポットを形成したまま
そのピッチPpを調整するものであったが、もっと機構
を簡単にして、製造が容易でコストを抑えるために、複
数の光学素子のうちの1個だけ駆動する場合について説
明する。
【0063】この場合は、スポットを感光体面8a上で
なく、その前後に結像させることにより、2個のスポッ
トを形成するビームの各主光線の感光体面8aに入射す
る位置が、相対的に変化することを利用するものであ
る。したがって、感光体面8a上におけるスポットのボ
ケの発生が考えられる。
【0064】しかしながら、実際に感光体面8aに入射
する時のビームの開き角は極めて小さいものであるか
ら、光学系が無収差であったとしても、スポットが幾何
光学的な点であってその前後のズレに比例してスポット
の径が増大するものではなく、物理光学的に求められる
理論的なスポットの径を最小値として、その前後のビー
ムは鼓状になっているから、結像点が多少移動してもス
ポット径は殆んど変化しない。
【0065】この発明の第3の実施の形態は、特に図示
はしないが、図1において光学素子群のうちいずれか1
個だけを光軸方向に移動するものである。
【0066】例えば、シリンダレンズ4を標準の状態か
ら光軸に沿って左又は右へ平行移動すると、その移動量
Δd分だけLDアレイ1の像はミラー面5aから左又は
右へ移動する。像の縦倍率αはその横倍率βの自乗であ
るから、感光体面8a上にあったスポットはΔdのβ2
の自乗倍だけ左又は右(図4)に移動し、その移動に応
じてピッチPpは拡大又は縮小する。
【0067】光学素子群の他のシリンダレンズ3a又は
3bを1個だけ光軸にそって平行移動させても、その移
動量Δdに対する感光体面8a上のスポットの移動量の
割合は、それより後の光学素子の影響で変るが、移動方
向はすべて平行移動させたシリンダレンズと同方向であ
り、その効果も同様である。
【0068】この発明の第4の実施の形態は、図7にお
いて光学素子群のうちいずれか1個だけをほぼ主走査方
向に沿う軸を中心として回動させるものである。図7に
おいて回動させる光学素子、例えばシリンダレンズ3a
だけを予め光軸に対して傾角θだけ傾けて設定し、他の
シリンダレンズ3b,4は傾けない(光軸に垂直)状態
を標準の状態とする。
【0069】シリンダレンズ3aの傾角θを減少させる
反時計方向、又は増加させる時計方向に微小角回動させ
ると、カップリングレンズ2から入射する平行ビームの
シリンダレンズ3aによる結像点が、標準の状態に対し
てそれぞれ左又は右に移動するから、第3の実施の形態
においてシリンダレンズ3aを光軸に沿って左又は右に
平行移動させた場合と同じ効果が得られる。これは光学
素子群の他のシリンダレンズ3b又は4だけを予め傾け
て設定し、そのシリンダレンズを反時計方向又は時計方
向に回動させても同様である。
【0070】図9は、この発明の第5の実施の形態であ
る光学素子駆動手段の一例を示す斜視図であり、光学素
子を複数のビームの光路上に出し入れするものである。
いうまでもなく、図1に示したシリンダレンズ3a,3
b,4のうちいずれか1個を、そのまま光路上に出し入
れしたのではパワーが強すぎて微小量の調整等は不可能
であるから、少くとも副走査方向に若干のパワー成分を
有する1個又は複数個の弱い正又は負のレンズを設け、
その弱いレンズを光路上に出し入れすることにより、ス
ポットの結像点を感光体面8aの前後に移動させる。
【0071】図9に示した光学素子駆動手段は、弱いレ
ンズ20と、2つの開口21a,21bを有し開口21
bに弱いレンズ20を固設した可動板22と、その可動
板22を常に(図上で)右方向に付勢するスプリング2
3と、通電時にスプリング23に抗して可動板22を左
方向に引寄せるソレノイド24とにより構成されてい
る。
【0072】常時はソレノイド24がオフであるから、
可動板22はスプリング23によって右方向に偏位し、
光路上にパワーのない開口21aがあり、光学素子群は
標準の状態になっている。通電時はソレノイド24が作
用して可動板22を左方向に偏位させ、開口21bに固
設された弱いレンズ20が光路上に挿入される。
【0073】弱いレンズ20のパワーは挿入される光路
上の位置によって異なるが、一般に同程度のスポットの
移動量が得られるためには、いずれかの結像点に近い位
置ほどパワーを強く、離れるほどパワーを弱くする。ま
た、パワーが正であればスポットは感光体面8aの前方
(図4で左側)に、負であれば後方にそれぞれ移動す
る。
【0074】光学素子駆動手段(図9)すなわち弱いレ
ンズが1個であれば、標準の状態とそうでない状態の2
つの状態しか切換えられないが、正及び負のそれぞれ互
いにスポットの移動量の異なる弱いレンズを複数個設
け、それらの組合せを変えるようにすれば、広い範囲を
細かく調整することが出来る。また、弱いレンズを複数
個設け、その組合せを変えることにより変倍を行えば、
スポットを感光体面8a上に結像させたまま、ピッチP
pを変えることも可能になる。
【0075】図10は、ピッチ検出手段であるピッチ検
出部の構成の一例を示すブロック図である。図10に示
したピッチ検出部30は、図2に示したPSD16と、
位置信号回路31及びピッチ信号回路32とにより構成
され、ピッチ検出部30が出力するピッチ信号は、次段
の誤差アンプ33に出力される。
【0076】PSD16は、図2に示されたように、そ
の長さ方向が副走査方向に一致するように設定された細
長い半導体素子であって、表面側がP型で裏面側がN型
の半導体からなるPN接合面を有している。N型半導体
は裏面の導電層を介して正にバイアスされ、P型半導体
の長さ方向の両端に2個の電極16a,16bが設けら
れている。
【0077】両電極16a,16b間の中心点からそれ
ぞれの電極までの距離を1にノーマライズし、中心点を
原点として上方(電極16a側)を正にとり、xの位置
にスポットが入射した時に電極16a,16bからそれ
ぞれ出力される電流をIa,Ibとする。光が入射しな
い時は、PN接合面が逆バイアスであるから電流は流れ
ない。
【0078】xの位置にスポットが入射すると、PN接
合面の入射点でスポットの光量に比例した電流がP型半
導体に流れ込み、電極16a,16bから電流Ia,I
bとしてそれぞれ出力されるが、電流Ia,Ibは入射
点と各電極との間の距離に比例するP型半導体の抵抗値
に反比例して分配されるから、その比は(1+x):
(1−x)になる。
【0079】したがって、入射点の位置はx=(Ia−
Ib)/(Ia+Ib)として求められる。ここで分母
の(Ia+Ib)はスポットの光量に比例した値である
から、位置xは光量の大小に関係なく得られる。また、
スポットがボケて或る大きさを持っていたり、光量ムラ
がある場合でも、位置xはスポットの光量の重心の位置
として求められる。
【0080】図2に示したように、ポリゴンミラー5に
よって偏向されたビームが、同期ミラー15で反射され
てPSD16に入射すると、図6に示したように、先ず
LDアレイ1のLDaが出力したビームのスポットLD
a′がPSD16に入射し、図10に示したように、P
SD16の電極16a,16bから出力された電流I
a,Ibが位置信号回路31に入力する。
【0081】位置信号回路31は、入力した電流Ia,
Ibの差をその和で除算して、中心点を原点とし±1を
範囲とした位置xに対応するスポットLDa′の位置信
号をピッチ信号回路32に出力すると共に、電流Ia,
Ibの和信号を整形し、スポットLDa′の同期信号と
して出力する。次に、LDbが出力したビームのスポッ
トLDb′がPSD16に入射すると、位置信号回路3
1は、同様にスポットLDb′の位置信号とその同期信
号とを出力する。
【0082】ピッチ信号回路32は、先に入力したスポ
ットLDa′の位置信号を記憶して置き、次に入力した
スポットLDb′の位置信号との差を演算し、スポット
LDa′,LDb′によりそれぞれ形成されるスキャン
ラインSLa,SLbのピッチPpに対応するピッチ信
号として、誤差アンプ33に出力する。
【0083】この発明の第6の実施の形態である光学素
子駆動手段は、ピッチ検出部30から入力するピッチ信
号のレベルを、誤差アンプ33によって基準ピッチPs
に対する参照電圧Vref と比較し、その差信号に応じて
光学素子を移動又は回動させ、LDa′,LDb′によ
り形成されるスキャンラインSLa,SLbのピッチP
pが基準ピッチPsになるように調整する。
【0084】したがって、例えば製造時に標準治具等に
よって基準ピッチPsのスキャンラインに相当する光信
号をPSD16に入射して、誤差アンプ33の出力がゼ
ロになるように参照電圧Vref を調整しておけば、環境
条件が変ったり、使用中の発熱による温度上昇でLDア
レイ1の各LDの間隔が拡がったりしても、スキャンラ
インSLのピッチPpは常に基準ピッチPsに保持され
る。
【0085】また、図6に示したようにスポットLD
a′,LDb′を結ぶ直線がスキャンラインに対して傾
いているために、スポットLDa′,LDb′が互いに
異なるタイミングでPSD16に入射するから、極めて
近接しているため分離が困難なスキャンラインSLa,
SLbのピッチPpを1個のセンサ(PSD16)によ
って検出することが出来る。さらに、1個のセンサでス
ポットLDa′,LDb′の同期信号が得られる。
【0086】しかしながら、スキャンラインのピッチを
検出して調整する手段は、動作中は有効に作用するが、
動作の初期にスキャンを開始する時点では作用しないと
いう問題がある。スキャンを開始した後から作用して
も、その画像の先端部にはバンディングが生じている恐
れがある。
【0087】この発明の第7の実施の形態である光学素
子駆動手段は、図2に示したLDユニット12の背面に
密接した温度検出手段であるサーミスタ13により、動
作開始の前に周囲温度を検出し、検出された温度に応じ
て光学素子を移動又は回動させて、LDa′,LDb′
により形成されるスキャンラインSLa,SLbのピッ
チが基準ピッチPsになるように調整する。
【0088】したがって、動作の初期においても光学素
子が調整されているから、画像の先端部であってもバン
ディングを生じることがない。さらに、動作中に周囲温
度やLDアレイ1の温度が変化しても、その温度変化に
応じて光学素子を調整するから、バンディングの発生を
防ぐことが出来る。さらに。この第7の実施の形態によ
る検出した温度に応じた調整と、第6の実施の形態によ
る検出したピッチに応じた調整とを併用すれば、互いに
他をカバーし合ってよりよい結果が得られる。
【0089】上記の第1乃至第7の実施の形態である光
学素子駆動手段によって、光学素子が移動したり回動し
たりすると、LDアレイ1から感光体面8aに至る光路
上の光学系の光伝達効率が変化したり、スポットの径が
僅かではあるが変化したりするから、LDの出力が一定
であっても、感光体面8a上の光量(露出量)が変っ
て、画像濃度が変動する恐れがある。
【0090】画像濃度の変動が緩やかであれば目立たな
いが、急に変動したりすれば濃度ムラとして気付かれる
場合がある。そのため、図示しないよく知られた制御装
置例えばCPU等により、光学素子の移動又は回動に応
じて、各LD毎に設けたLDドライバに指令して、各L
Dの発光出力を制御することにより、感光体面8a上の
光量を一定に保つことが出来る。
【0091】それぞれ副走査方向の成分で、感光体面8
a上のスポット径は、光学素子群の合成焦点距離f0 に
比例し、カップリングレンズ2から射出される平行ビー
ムの径に反比例する。したがって、光学素子を移動又は
回動させることにより、光学素子群の合成焦点距離f0
が変化した場合は、平行ビームの光路中に設けたアパー
チャの径を変えて、スポット径を一定又は許容範囲に保
つことが出来る。
【0092】図11は、そのためのアパーチャ径変更手
段の一例を示す斜視図である。図11に示したアパーチ
ャ径変更手段は、カップリングレンズ2とビームコンプ
レッサ3との間の平行ビームの光路に設けること以外
は、図9に示した弱いレンズを出し入れする光学素子駆
動手段とほぼ同じであるから、同一部分には同一符号を
付して説明を省略する。
【0093】可動板22に対応する可動板26には、2
個の開口21a,21bに代えて、主走査方向には長
く、副走査方向は互いに幅の異なる2個のアパーチャ2
7a,27bが設けられている。そのため、常時とソレ
ノイド24の通電時とでは、アパーチャを通過する平行
ビームの副走査方向の径が変化する。
【0094】したがって、光学素子の移動又は回動によ
る光学素子群の合成焦点距離f0 の変化に応じて、f0
の値が大きくなった時には幅の広いアパーチャが、f0
の値が小さくなった時には幅の狭いアパーチャがそれぞ
れ光路内にあるように、ソレノイド24の通電をオン・
オフすることにより、スポットの径が変らないようにす
ることが出来る。
【0095】このようなアパーチャ径の切換えは、弱い
レンズの出し入れと異なり、スポットの径は或る程度の
許容幅が許されるから、ピッチPpの調整の範囲内であ
れば、2つのアパーチャ径を切換えることで済み、3つ
以上のアパーチャを切換える必要はない。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による画
像形成装置は、簡単な構成でマルチビームによる複数の
スキャンラインのピッチを、容易かつ正確に調整するこ
とが出来る。また、調整されたピッチを常に正確に保持
することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のスキャンラインのピッチを調整する
第1の実施の形態である光学素子駆動手段の一例を示す
光路図である。
【図2】この発明の実施の一形態である光書き込み装置
の一例を示す斜視図である。
【図3】図2に示した光書き込み装置の光学系の配置を
示す平面図である。
【図4】図2及び図3に示した光学系を光軸に沿って展
開した光路図である。
【図5】スキャンラインのピッチが正常及び異常な場合
のスキャンラインの一例を示す図である。
【図6】感光体面上の2個のスポットと、それによるス
キャンラインとの関係の一例を示す図である。
【図7】この発明の第2の実施の形態である光学素子駆
動手段の一例を示す光路図である。
【図8】図7に示した光学素子駆動手段の原理を説明す
るための図である。
【図9】この発明の第5の実施の形態である光学素子駆
動手段の一例を示す斜視図である。
【図10】ピッチ検出手段であるピッチ検出部の構成の
一例を示すブロック図である。
【図11】アパーチャ径変更手段の一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1:LDアレイ(複数のビーム発生手段) 2:カップリングレンズ 3a,3b,4:シリンダレンズ(光学素子) 5:ポリゴンミラー(ビーム偏向手段) 5a:ミラー面 6:fθレンズ(結像手段) 8a:感光体面 10:光書き込み装置 13:サーミスタ(温度検出手段) 16:PSD(ポジションセンシティブ・ダイオード) 20:弱いレンズ(光学素子) 30:ピッチ検出部(ピッチ検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金井 英俊 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 小野 健一 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ画像信号に応じて変調されたレ
    ーザ光のビームを出力する複数のビーム発生手段と、該
    複数のビーム発生手段が出力する複数の発散ビームを平
    行ビームに変換するカップリングレンズと、該カップリ
    ングレンズを通過した複数の平行ビームの形状を変える
    ためにそれぞれ光軸上に配置された少くとも副走査方向
    のパワー成分を有する複数の光学素子と、該複数の光学
    素子を通過した前記複数のビームを主走査方向に偏向す
    るビーム偏向手段と、該ビーム偏向手段により偏向され
    た複数のビームをそれぞれ感光体上にスポットとして結
    像する結像手段と、 からなる光書き込み装置を備え、 前記複数のスポットが前記感光体上を主走査方向にスキ
    ャンして形成される各スキャンラインの副走査方向のピ
    ッチが予め設定された値になるように、前記複数のビー
    ム発生手段を配置してなる画像形成装置において、 前記感光体上の複数のスキャンラインのピッチを変化さ
    せるために、前記光軸上に配置された複数の光学素子の
    うちの少くとも1つを移動又は回動させる光学素子駆動
    手段を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像形成装置において、 前記光学素子駆動手段が、前記光学素子を前記光軸方向
    に平行移動させる手段であることを特徴とする画像形成
    装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の画像形成装置において、 前記光学素子駆動手段が、ほぼ前記主走査方向に沿う軸
    を中心として前記光学素子を回動させる手段であること
    を特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の画像形成装置において、 前記光学素子駆動手段が、前記光学素子を前記複数のビ
    ームの光路上に出し入れする手段であることを特徴とす
    る画像形成装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    画像形成装置において、 前記感光体上の複数のスキャンラインのピッチを検出す
    るピッチ検出手段を設け、 前記光学素子駆動手段が、前記ピッチ検出手段により検
    出されたスキャンラインのピッチと予め設定された値と
    の差に応じて前記光学素子を移動又は回動させる手段を
    有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    画像形成装置において、 前記光書き込み装置周辺の温度を検出する温度検出手段
    を設け、 前記光学素子駆動手段が、前記温度検出手段により検出
    された温度に応じて前記光学素子を移動又は回動させる
    手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    画像形成装置において、 前記光学素子駆動手段による光学素子の移動又は回動に
    応じて前記複数のビーム発生手段がそれぞれ出力するビ
    ームのパワーを変更するビームパワー変更手段を設けた
    ことを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の
    画像形成装置において、 前記複数のビームの光路上に配置したアパーチャと、 該アパーチャの径を前記光学素子駆動手段による光学素
    子の移動又は回動に応じて変更するアパーチャ径変更手
    段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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