JP4591783B2 - 燃料ポンプモジュール - Google Patents
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そして、この種の汲上用ジェットポンプユニットは、ジェットノズル、スロートパイプおよび吸引口を有しており、ジェットノズルからスロートパイプに向けて燃料を噴出することにより吸引力を発生させ、その吸引力により吸引口から燃料を吸引してスロートパイプからサブタンク内へ吐出するように構成されている。
そのため、汲上用ジェットポンプユニットの仕様を変更した場合であっても、仕様変更された汲上用ジェットポンプユニットを第1の壁の内部に組み付けるだけでよく、この仕様変更に伴って燃料ポンプおよびサブタンクの構造を変更する必要をなくすことができる。よって、汲上用ジェットポンプユニットの仕様の異なる燃料ポンプモジュール間において、燃料ポンプおよびサブタンクの構造の共通化を容易に図ることができる。
また、汲上用ジェットポンプユニットは、ジェットノズル、スロートパイプおよび吸引口を有し、ジェットノズルからスロートパイプに向けて燃料を噴出することにより吸引力を発生させ、吸引力により吸引口から燃料を吸引してスロートパイプからサブタンク内へ吐出するように構成されており、第1開口部からサブタンク外の燃料を吸引してサブタンク内に汲み上げる。このとき、ジェットノズルおよびスロートパイプは、第1の壁とは別部材で構成されており、吸引口が第1開口部と連通するように第1の壁の内部に組み付けられることによって、サブタンクに組み付けられる。
そのため、延長パイプの長さを変更するように汲上用ジェットポンプユニットの仕様を変更する場合には、異なる長さの延長パイプに取り替えるだけで仕様変更できる。よって、汲上用ジェットポンプユニットの仕様の異なる燃料ポンプモジュール間において、ジェットノズルおよびスロートパイプの構造の共通化を容易に図ることができる。
因みに、延長パイプを長くした場合には、燃料ポンプの作動停止時において、サブタンク内の燃料が汲上用ジェットポンプユニットを通じて第1開口部からサブタンク外に流出してしまう量を低減できる。一方、延長パイプを短くした場合には、燃料ポンプの作動時において汲上用ジェットポンプユニットから吐出する燃料の延長パイプによる圧力損失を低減できる。
そのため、移送用ジェットポンプユニットの仕様を変更した場合であっても、仕様変更された移送用ジェットポンプユニットを第2の壁の内部に組み付けるだけでよく、この仕様変更に伴って燃料ポンプおよびサブタンクの構造を変更する必要をなくすことができる。よって、移送用ジェットポンプユニットの仕様の異なる燃料ポンプモジュール間において、燃料ポンプおよびサブタンクの構造の共通化を容易に図ることができる。
すなわち、第1の壁は、第1開口部の縁部からサブタンク内に突出する形状であり、第1開口部から燃料タンク内の燃料を吸引してサブタンク内に汲み上げる汲上用ジェットポンプユニットが組み付け可能に構成されている。また、第2の壁は、第2開口部の縁部からサブタンク内に突出する形状であり、第2開口部に接続される移送用配管を通じて燃料タンク内の燃料を吸引してサブタンク内に移送する移送用ジェットポンプユニットが組み付け可能に構成されている。
同様に、移送用ジェットポンプユニットの仕様を変更した場合であっても、仕様変更された移送用ジェットポンプユニットを第2の壁の内部に組み付けるだけでよく、この仕様変更に伴って燃料ポンプおよびサブタンクの構造を変更する必要をなくすことができる。よって、移送用ジェットポンプユニットの仕様の異なる燃料ポンプモジュール間において、燃料ポンプおよびサブタンクの構造の共通化を容易に図ることができる。
また、汲上用ジェットポンプユニットは、ジェットノズル、スロートパイプおよび吸引口を有し、ジェットノズルからスロートパイプに向けて燃料を噴出することにより吸引力を発生させ、吸引力により吸引口から燃料を吸引してスロートパイプからサブタンク内へ吐出するように構成されており、第1開口部からサブタンク外の燃料を吸引してサブタンク内に汲み上げる。このとき、ジェットノズルおよびスロートパイプは、第1の壁とは別部材で構成されており、吸引口が第1開口部と連通するように第1の壁の内部に組み付けられることによって、サブタンクに組み付けられる。
これに対し、請求項6記載の如く、サブタンクの底面のうち第1の壁が設けられる部分は、第2の壁が設けられる部分よりも低い位置であるため、第1開口部と燃料タンク壁面との隙間を小さくすることができ、汲上用ジェットポンプユニットによる汲み上げ流量減少を抑制できる。
そのため、第1の壁に汲上用ジェットポンプユニットが組み付けられ第2の壁に移送用ジェットポンプユニットが組み付けられた燃料ポンプモジュールと、第1の壁に移送用ジェットポンプユニットが組み付けられ第2の壁に汲上用ジェットポンプユニットが組み付けられた燃料ポンプモジュールとの間で、サブタンクの構造の共通化を容易に図ることができる。
(第1実施形態)
図1および図2は、第1実施形態に係る燃料ポンプモジュール1を説明する図であり、図1は燃料ポンプモジュール1が燃料タンク2内に設置された状態を示す断面図、図2は燃料ポンプモジュール1の拡大図である。図1中の矢印に示される上下方向は、車両に搭載された状態の燃料タンク2の重力方向を示す。そして、燃料ポンプモジュール1は、燃料タンク2内の燃料を燃料タンク2外部の例えばエンジンに供給するものである。
フランジ3には、連結部材3aの一端側が固定されており、連結部材3aの他端側は上
下方向に摺動可能な状態でサブタンク10に取り付けられている。そして、サブタンク10は、スプリング3bの弾性力により燃料タンク2の底面2bに押し付けられている。したがって、温度変化による内圧の変化や燃料量の変化で樹脂製の燃料タンク2が膨張または収縮することにともなって、燃料タンク2の底面2bの高さが変動しても、サブタンク10は底面2bの高さ変動に追随する。
なお、隙間12と隙間14とは連続して繋がっており、段差形状は2段になっている。
ジェットノズル31は配管54から供給される燃料をジェット噴射するノズルであり、チャンバー部材33の内部に収容されている。スロートパイプ32は内部にスロート通路321を形成しており、ジェット噴射された燃料はスロート通路321を流通する。この流通の際に、スロート通路321の通路断面を閉塞する液膜(リキッドシール)を形成しつつ燃料が流通することで、負圧が発生し、この負圧によりチャンバー部材33に形成された吸引口331から燃料が吸入される。
すなわち、ジェットノズル41は配管55から供給される燃料をジェット噴射し、ジェット噴射された燃料はスロートパイプ42内に形成されたスロート通路421を流通する。すると、チャンバー部材43に形成された吸引口431から燃料が吸引され、吸引された燃料はジェット噴射された燃料とともにスロートパイプ42、延長パイプ44を順に流通して延長パイプ44の流出口441からサブタンク10内に流出する。
サブタンク10には、第1開口部13の縁部からサブタンク10内に突出する形状の第1の壁131が形成されている。第1の壁131は環状に形成されており、上下方向に延びる円筒形状である。そして、第1の壁131の内部には、汲上用ジェットポンプユニット30のチャンバー部材33が組み付けられている。
この図2に示すように、チャンバー部材33の外周面には嵌合凸部332が形成され、第1の壁131の内周面には嵌合凹部132が形成されている。これらの嵌合凸部332および嵌合凹部132は環状に延びる形状である。そして、嵌合凸部332が嵌合凹部132に嵌まり込むことでチャンバー部材33は第1の壁131に嵌合している。また、このように嵌合した状態においては、嵌合凸部332は体積が小さくなる向きに弾性変形している。そのため、嵌合凸部332の表面全体が嵌合凹部132に密着している。すなわち、嵌合凸部332は嵌合凹部132に圧入されていると言える。
また、嵌合凸部332および嵌合凹部132による圧入構造を備えるので、樹脂製のサブタンク10が燃料に晒されることにより膨潤等により変形したとしても、汲上用ジェットポンプユニット30が第1の壁131から抜け出てしまうことを防止できる。
これにより、汲上用ジェットポンプユニット30および移送用ジェットポンプユニット40を、第1の壁131および第2の壁152にそれぞれ組み付けるその作業性を向上できる。
従って、延長パイプ34、44を長くした場合には、燃料ポンプ22の作動停止時におけるサブタンク10内の液面高さを高くすることができ、その結果、次回の燃料ポンプ22を作動させた直後の吐出流量を増大できる。
一方、延長パイプ34、44を短くした場合には、燃料ポンプ22の作動時において汲上用ジェットポンプユニット30から吐出する燃料の延長パイプ34、44による圧力損失を低減できる。
すなわち、第1の壁131に汲上用ジェットポンプユニット30が組み付けられ第2の壁152に移送用ジェットポンプユニット40が組み付けられた図1に示す燃料ポンプモジュール1と、第1の壁131に移送用ジェットポンプユニット30が組み付けられ第2の壁152に汲上用ジェットポンプユニットが組み付けられた燃料ポンプモジュール(図示せず)との間で、サブタンク10の構造の共通化を容易に図ることができる。
本発明の第2実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Aを、図3を用いて以下に説明する。
上記第1実施形態に係る燃料ポンプモジュール1は、汲上用ジェットポンプユニット30および移送用ジェットポンプユニット40の両方を備えているが、本第2実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Aは、移送用ジェットポンプユニット40を廃止して汲上用ジェットポンプユニット30のみを備えている。
本発明の第3実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Bを、図4を用いて以下に説明する。
上記第2実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Aでは、第2の壁152に蓋155を取り付けることにより第2開口部15を閉塞させているのに対し、本第3実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Bでは、第2開口部15を閉塞する蓋部156を備えており、この蓋部156は、樹脂によりサブタンク10と一体に形成されている。
本発明の第4実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Cを、図5を用いて以下に説明する。
上記第1実施形態に係る燃料ポンプモジュール1では、サブタンク10の第2開口部15に配管接続部151が形成されており、この配管接続部151はL字状に屈曲した形状であり、水平方向に流通する燃料の流れを上下方向に変換する。これに対し、本第4実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Cでは、第2開口部15に形成されている配管接続部151aは上下方向に延びる形状である。
そして、配管接続部151aの下端とサブタンク10の底面11との間には、移送用配管の配置スペースとしての隙間14が形成されている。
本発明の第5実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Dを、図6を用いて以下に説明する。
上記第1実施形態に係る燃料ポンプモジュール1では、汲上用ジェットポンプユニット30および移送用ジェットポンプユニット40に供給する燃料として、燃料ポンプ22のポンプ室にて昇圧された燃料を用いているのに対し、本第5実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Dでは、プレッシャレギュレータ25のドレンポート252から流出するリターン燃料を用いている。
本発明の第6実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Eを、図7を用いて以下に説明する。
上記第5実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Dでは、汲上用ジェットポンプユニット30および移送用ジェットポンプユニット40に供給する燃料として、ドレンポート252からのリターン燃料を用いているのに対し、本第6実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Eでは、プレッシャレギュレータ25の吐出口251から燃料タンク2外部に吐出される高圧メイン燃料を用いている。
この点を鑑み、ポンプ本体モジュール20のケース21内にはチェックバルブ26が備えられているとともに、流路分岐ジョイント531内には残圧保持バルブ532が備えられている。
また、残圧保持バルブ532を備えることにより、燃料ポンプ22の駆動停止時に配管51内の燃料が配管54、55を逆流して汲上用ジェットポンプユニット30および移送用ジェットポンプユニット40から流出してしまうことを防止でき、その結果、燃料ポンプ22の駆動停止時に配管51、57内の燃料の圧力は所定の圧力に保持される。
本発明の第7実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Fを、図8を用いて以下に説明する。
上記第1実施形態に係る燃料ポンプモジュール1では、第1の壁131の内部には、汲上用ジェットポンプユニット30のチャンバー部材33が組み付けられているのに対し、本第7実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Fでは、汲上用ジェットポンプユニット30を廃止するとともに、燃料ポンプ22の吸入口223を第1の壁131に組み付けている。
本発明の第8実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Gを、図9を用いて以下に説明する。
上記第7実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Fは、汲上用ジェットポンプユニット30および移送用ジェットポンプユニット40の両方を廃止しているが、本第8実施形態に係る燃料ポンプモジュール1Fは、汲上用ジェットポンプユニット30を廃止して移送用ジェットポンプユニット40のみを備えている。
上記各実施形態では、嵌合凸部332を嵌合凹部132に圧入することにより、汲上用ジェットポンプユニット30と第1の壁131とのシール性を確保しているが、当該圧入による組み付け構造を廃止して、汲上用ジェットポンプユニット30と第1の壁131との間にOリング等のシール部材を設けることにより、前記シール性を確保するようにしてもよい。また、この場合には、スナップフィット構造等を備えることにより、汲上用ジェットポンプユニット30の第1の壁131からの抜け止めを図るようにして好適である。
なお、移送用ジェットポンプユニット40と第2の壁152との組み付け構造についても同様にして、Oリング等のシール部材を設けることによりシール性を確保するようにしてもよい。
また、配管接続部151を備える上記第1〜3、5〜8実施形態では、燃料タンク2の底面2bと配管接続部151との間に隙間14を形成しているが、この隙間14を廃止して、配管接続部151を燃料タンク2の底面2bに接触するように配置してもよい。
このように、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
Claims (7)
- 燃料タンク内に収容されるとともに、前記燃料タンクの壁面との間に隙間を形成する段差形状に底面が形成され、前記底面のうち前記隙間を形成する部分に第1開口部が設けられているサブタンクと、
前記サブタンク内に収容され、前記サブタンク内の燃料を前記燃料タンクの外部に圧送する燃料ポンプと、
ジェットノズル、スロートパイプおよび吸引口を有し、前記ジェットノズルから前記スロートパイプに向けて燃料を噴出することにより吸引力を発生させ、前記吸引力により前記吸引口から燃料を吸引して前記スロートパイプから前記サブタンク内へ吐出するように構成されており、前記第1開口部から前記サブタンク外の燃料を吸引して前記サブタンク内に汲み上げる汲上用ジェットポンプユニットと、
前記第1開口部の縁部から前記サブタンク内に突出する形状であり、前記汲上用ジェットポンプユニットが内部に組み付けられる第1の壁と、
を備え、
前記ジェットノズルおよび前記スロートパイプは、前記第1の壁とは別部材で構成されており、前記吸引口が前記第1開口部と連通するように前記第1の壁の内部に組み付けられることによって、前記サブタンクに組み付けられる燃料ポンプモジュール。 - 前記スロートパイプの下流側端部に取り付けられ、前記スロートパイプによる燃料通路を上方に向けて延長する延長パイプを備える請求項1記載の燃料ポンプモジュール。
- 前記底面には第2開口部が設けられており、
前記第2開口部の縁部から前記サブタンク内に突出する形状であり、前記第2開口部に接続される移送用配管を通じて前記サブタンク外の燃料を吸引して前記サブタンク内に移送する移送用ジェットポンプユニットが組み付け可能に構成された第2の壁を備える請求項1又は2記載の燃料ポンプモジュール。 - 燃料タンク内に収容されるとともに、前記燃料タンクの壁面との間に隙間を形成する段差形状に底面が形成されたサブタンクと、
前記サブタンク内に収容され、前記サブタンク内の燃料を前記サブタンク外に圧送する燃料ポンプと、
を備える燃料ポンプモジュールにおいて、
前記底面のうち前記隙間を形成する部分には第1開口部が設けられ、さらに前記底面には第2開口部が設けられており、
前記第1開口部の縁部から前記サブタンク内に突出する形状であり、前記第1開口部から前記サブタンク外の燃料を吸引して前記サブタンク内に汲み上げる汲上用ジェットポンプユニットが組み付け可能に構成された第1の壁と、
前記第2開口部の縁部から前記サブタンク内に突出する形状であり、前記第2開口部に接続される移送用配管を通じて前記燃料タンク内の燃料を吸引して前記サブタンク内に移送する移送用ジェットポンプユニットが組み付け可能に構成された第2の壁と、
を備え、
前記汲上用ジェットポンプは、ジェットノズル、スロートパイプおよび吸引口を有し、前記ジェットノズルから前記スロートパイプに向けて燃料を噴出することにより吸引力を発生させ、前記吸引力により前記吸引口から燃料を吸引して前記スロートパイプから前記サブタンク内へ吐出するように構成されており、
前記ジェットノズルおよび前記スロートパイプは、前記第1の壁とは別部材で構成されており、前記吸引口が前記第1開口部と連通するように前記第1の壁の内部に組み付けられることによって、前記サブタンクに組み付けられる燃料ポンプモジュール。 - 前記底面のうち前記第2開口部が設けられた部分は、前記燃料タンクの壁面との間に隙間を形成している請求項4記載の燃料ポンプモジュール。
- 前記底面のうち前記第1の壁が設けられる部分は、前記第2の壁が設けられる部分よりも低い位置である請求項4又は5記載の燃料ポンプモジュール。
- 前記第1の壁は、前記汲上用ジェットポンプユニットに換えて前記移送用ジェットポンプユニットを組み付け可能に構成され、
前記第2の壁は、前記移送用ジェットポンプユニットに換えて前記汲上用ジェットポンプユニットを組み付け可能に構成されている請求項4から6のいずれか一項記載の燃料ポンプモジュール。
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