JP4590881B2 - Cvd用気化器、溶液気化式cvd装置 - Google Patents

Cvd用気化器、溶液気化式cvd装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4590881B2
JP4590881B2 JP2004049177A JP2004049177A JP4590881B2 JP 4590881 B2 JP4590881 B2 JP 4590881B2 JP 2004049177 A JP2004049177 A JP 2004049177A JP 2004049177 A JP2004049177 A JP 2004049177A JP 4590881 B2 JP4590881 B2 JP 4590881B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
material solution
cvd
vaporizer
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004049177A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005259723A (ja
Inventor
久良 矢元
勇一 佐藤
伸一 腰前
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Youtec Co Ltd
Original Assignee
Youtec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Youtec Co Ltd filed Critical Youtec Co Ltd
Priority to JP2004049177A priority Critical patent/JP4590881B2/ja
Publication of JP2005259723A publication Critical patent/JP2005259723A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4590881B2 publication Critical patent/JP4590881B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、CVD用気化器、溶液気化式CVD装置に係わり、特に、CVD用の原料溶液の流量を精度よく制御することができる、CVD用気化器、溶液気化式CVD装置に関する。
1970年頃から半導体産業に導入採用されたCVD(chemical vapor deposition)技術においては、薄膜材料を形成する場合、ガス状態の反応材料をリアクタに流して、化学反応を起こし、シリコン等半導体基板上に様々な組成の薄膜材料を形成する。しかし、ガス状の反応材料が用意できなければ、CVD法によっては薄膜を形成する事ができない、というCVD技術の限界があった。
1987年のIEDMにおいて、W.I.KINNEY etalが、強誘電体材料(PZT,SBT等)の分極現象を用いて、高速不揮発性メモリFeRAM を作成する技術を発表した。当時は、Zr,Sr,Biを含有するガス状原料を作製できなかったので、強誘電体材料PZT,SBT等の薄膜をCVD法によって作成する事が出来なかった。このため、フォトレジスト薄膜形成と同様のプロセスである、溶液塗布法がその作成に採用されてきた。溶液塗布法によって作製された強誘電体材料薄膜(膜厚400-300nm)は、段差被覆性が悪く、薄膜化(膜厚150-40nm)するとピンホールが増加して電気絶縁性が低下する等の問題があった。段差が多く、強誘電体材料の薄膜化(膜厚100-50nm)が必須であるFeRAM−LSIの実用化を図るには、高品質強誘電体薄膜をCVD法でもって作製する技術が必須である。
1992年になって京都大学・工学部の塩崎助教授は、世界で初めて、強誘電体薄膜PZTをCVD法でもって作製し、学会に発表した。この時、塩崎助教授が採用したCVD装置は、固体原料を昇華させてガス化する方法を採用している(図23参照)。
しかし、固体原料を昇華させてガス化する方法には次のような問題がある。固体原料を昇華させる際の昇華速度が遅いため、反応物質の流量を増加させることが困難であり、また反応物質の流量制御が困難であるから、薄膜の堆積速度が小さく、再現性が悪かった。また昇華させた固体原料を約250℃に加熱した配管を用いて、反応炉まで運ぶ事が困難であった。
本発明者は、塩崎助教授の発表技術を追試するため塩崎助教授の支援を受けて、塩崎助教授が採用した装置を、塩崎助教授と同じ装置メーカーから購入し、成膜試験を行った。しかし、運転開始直後に高温配管が目詰まりした。これの修理直後、今度は高温配管部の一部が異常に過熱されてしまった。このような経験から、配管途中に複数のバルブが設置してある細く長い(1/4インチ外形、長さ1m×数本)ステンレス配管を、250±5℃程度の高温に均一に加熱する事は、極めて困難な技術であると結論した。
本発明者は、上記の経験から昇華式CVD装置を実用化する事は困難と結論した。そこで、溶液気化式CVD法(所謂Flash CVD法)を採用することによって、強誘電体材料SBTの高品質薄膜を成膜することに世界で初めて成功した(図24参照)。これを国際学会ISIF‘96("Performance of SrBi2Ta2O9 Thin Films Grown by Chemical Vapor Deposition for Nonvolatile Memory Applications".C.Isobe,H.Yamoto,H.yagi et al,9th Internatinal Symposium on Integrated Ferroelectrics.Mar.1996)に発表して、高速不揮発性メモリFeRAM−LSIの商品化の可能性を世界で初めて実証した。
図25に、溶液気化式CVD法で成膜することができる膜の一例と、その膜を形成するための原料及びその特性を表形式で示す。例えばSBT薄膜を形成する場合、原料としてSr(DPM)2,BiPh3,Ta(OEt)5,Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2,Bi(OtAm)3,Bi(MMP)3等が採用されるが、特に図25に示したSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2及びBi(MMP)3を用いると、低温(350〜420℃)で高速堆積(20−100nm/min.)が可能であり、また形成されたSBT薄膜は、優れた段差被覆性・優れた電気特性を示す。
以下、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2及びBi(MMP)3を用いた溶液気化式CVD法の一例を示す。
図26はBi(MMP)3/ECH0.2mol/Lのフローレートを変化させた場合におけるSBT膜の組成の変化を示す。この図から分かるように、図中に示す条件においてはBi(MMP)3/ECH0.2mol/Lのフローレートを約0.2ccmとした場合に膜の組成が良くなることが分かる。
図27はSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2/ECH0.1mol/ Lのフローレートを変化させた場合におけるSBT膜の組成の変化を示す。この図から分かるように、図中に示す条件においてはフォローレートを0.12ccm以下とした場合に膜の組成が良くなることが分かる。
図28はSBT膜の堆積速度の圧力依存性を示す。本図から、図中に示す条件においては、圧力が300Pa以下では圧力が上がるにつれて堆積速度も上がるが、圧力が300Pa以上になると堆積速度があまり変化しなくなることが分かる。
図29は、SBT膜の組成の圧力依存性を示す。本図から、図中に示す条件においては圧力が200Pa以上で膜の組成が良くなることが分かる。
図30は、原料溶液のフローレートを変化させた場合におけるSBT膜の堆積速度の変化を示す。なお原料溶液であるSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2/ECH0.1mol/ LとBi(MMP)3/ECH0.2mol/Lのフローレートの比率は常に25:19である。本図から分かるように、図中に示す条件においては、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2/ECH0.1mol/ Lの流量が0.5ccm以下の範囲では、堆積速度は原料溶液のフローレートにほぼ比例することが分かる。
図31は、Ptウェハ内のSrOの分布を示す。薄膜のSrO含有率が35mol%〜37mol%の範囲内に収まっていることから、ウェハのほぼ全面においてSrOがほぼ均一に含まれていることが分かる。
図32は、Ptウェハ内のBi2O3の分布を示す。薄膜のBi2O3含有率が35mol%〜37mol%の範囲内に収まっていることから、ウェハのほぼ全面においてBi2O3がほぼ均一に含まれていることが分かる。
図33は、Ptウェハ内のTa2O5の分布を示す。薄膜のTa2O5含有率が27mol%〜28.5mol%の範囲内に収まっていることから、ウェハのほぼ全面にTa2O5がほぼ均一に含まれていることが分かる。
図34は、SBT薄膜の堆積速度の再現性を調べた結果を示すグラフである。堆積速度は平均で7.29nm/min(σ=0.148nm/min)であった。このことから、堆積速度の再現性は良いことが分かる。
図35は、SBT薄膜の堆積速度のサセプタ温度依存性を示すグラフである。このグラフから分かるように、約1/0.00157Kすなわち約630k以下ではサセプタ温度が低下するにつれて堆積速度は低くなるが、約1/0.00157K以上ではほぼ一定になる。
図36は、溶液気化式CVD法によりSBT薄膜を堆積させた基板の断面構造を示すSEM写真である。この基板には予め溝が設けられており、SBT薄膜は溝の上に形成されている。本写真から分かるように、溶液気化式CVD法により形成されたSBT薄膜は優れた段差被覆性を有する。
図37は、溶液気化式CVD法により形成したSBT薄膜の分極特性を示すグラフである。本図から、このSBT薄膜が良好な電気的特性を備えていることが分かる。
ところで、溶液気化式CVD法では、固体材料を溶剤に溶解して原料溶液を作製し、この原料溶液をガス化して、SBT薄膜合成反応に必要な反応ガスを作製する必要がある。これを行う気化器として、当初、アメリカATMI製(図38に示す)を採用し、溶液制御装置(図39に示す)を作成した。しかしこの気化器は、十数時間で目詰まりするため量産用CVD装置の気化器には採用出来なかった。そのため、本発明者は、1996年に、島津製作所・吉岡氏や山形大学・工学部・物質工学科・都田教授に対して、高品質SBT薄膜を安定して成膜するために必要な高性能溶液供給制御系と高性能気化器の開発と製造を注文し、納入してもらった。しかし開発納入された装置(溶液供給制御装置と気化器:図40、図41、図42、図43(a),(b),(c),(d)、及び図44に示す)では、SBT薄膜を安定して成膜する事ができなかった。尚、この装置は特許文献1(特開2000−216150号公報)及び特許文献2(特開2002−105646号公報)に開示されている。
本発明者は、上記した気化器でSBT薄膜を安定して成膜する事ができなかった原因が以下であることを解明した。
SBT薄膜を合成するための反応物質は、Sr(DPM)2,BiPh3,Ta(Oet)5, Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2,Bi(OtAm)3,Bi(MMP)3等が採用されるが、特にSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2+Bi(MMP)3を用いると、320〜420℃の低温で高速堆積(5−100nm/min)が可能であり、優れた段差被覆性と優れた電気特性を示す高品質のSBT薄膜を形成する事ができる。しかし、上記装置(溶液供給制御系と気化器)では、反応ガスにSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2+Bi(MMP)3を用いると、装置が短時間で目詰まりしてしまう。本発明者は、この原因が、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2+Bi(MMP)3の溶液を室温で混合するとSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2とBi(MMP)3が反応して、溶解度が小さく、かつ昇華し難い物質が合成されるために溶液を流す流路や気化管先端が目詰まりする事であることを見出した。
例えば図43の(a)〜(d)の各図に詳細を示した気化器には、複数の流路があり、これらの流路を通ってきた原料溶液を混合した直後に2段目の霧化を行う構造を採用している。このため溶解度が小さく、気化しづらい反応生成物が生じる可能性はほとんど無いはずである。
しかし、実際には、複数の流路を形成する手法として、円筒状又は円錐状中空部を有する分散部本体に、該円筒状又は円錐状中空部の内径とほぼ同じ外形を有するロッドを挿入する構造を採用している。ロッドの外周には1又は2以上の溝が形成されている。ここで2重管の隙間をゼロにすることは原理的にできないため、流路にはもれが生じてしまう。このため複数の流路を独立させることはできていない。このため溶解度が小さく、かつ昇華し難い物質が合成されていた。
また図44に示すように、配管途中で原料溶液を混合する構造になっている。このため、さらに溶解度が小さく、かつ昇華し難い物質が合成されやすくなっている。
以下、これらについて詳細に説明する。なお、下記に記載する物質の物性データを
図45の表に示す。
図46は、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2のTG CHART(Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分のアルゴン雰囲気でSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2の試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ101と、圧力が10Torr、流量が50ml/分のアルゴン雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ102と、圧力が760Torr、流量が100ml/分の酸素雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ103を示している。この図から、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2は、アルゴン雰囲気で10Torrの圧力下において、約220℃で完全に昇華する事が分かる。
図47は、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2のTG-DTA CHART (O2 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分の酸素雰囲気でSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2の試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ104と、示差熱分析結果を示すグラフ105を示している。この図から、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2は酸素雰囲気下では示差熱のピークが260℃付近にあることが分かる。
図48は、Bi(OtAm)3のTG CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分のアルゴン雰囲気でBi(OtAm)3の試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ111と、圧力が10Torr、流量が50ml/分のアルゴン雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ112と、圧力が760Torr、流量が100ml/分の酸素雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ113を示している。この図から、Bi(OtAm)3は、アルゴン雰囲気で10Torrの圧力下において、約130℃で約98%程度昇華することが分かる。
図49は、Bi(OtAm)3のTG-DTA CHART (O2 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分の酸素雰囲気でBi(OtAm)3の試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ114と、示差熱分析結果を示すグラフ115を示している。この図から、Bi(OtAm)3は酸素雰囲気下では示差熱のピークが205℃付近にあることが分かる。
図50は、Bi(MMP)3のTG CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分のアルゴン雰囲気でBi(MMP)3の試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ121と、圧力が10Torr、流量が50ml/分のアルゴン雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ122と、圧力が760Torr、流量が100ml/分の酸素雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ123を示している。この図から、Bi(MMP)3は、アルゴン雰囲気で10Torrの圧力下において、約150℃で完全に昇華することが分かる。
図51は、Bi(MMP)3のTG-DTA CHART (O2 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分の酸素雰囲気でBi(MMP)3の試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ124と、示差熱分析結果を示すグラフ125を示している。この図から、Bi(MMP)3は酸素雰囲気下では示差熱のピークが209℃付近にあることが分かる。
図52は、Bi(OtAm)3/Sr[Ta(OEt)6]2混合体のTG CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分のアルゴン雰囲気でBi(OtAm)3/Sr[Ta(OEt)6]2混合体の試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ131と、圧力が760Torr、流量が100ml/分の酸素雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ133を示している。この図からBi(OtAm)3/Sr[Ta(OEt)6]2混合体は、アルゴン雰囲気下で300℃以上まで加熱しても80%程度しか昇華しない事が分かる。
以上のことから、Sr[Ta(OEt)6]2と、Bi(OtAm)3は、単体ではほぼ100%昇華するが、混合すると、昇華しない部分が生じている。この悪化した昇華特性が、気化器の目詰まりを招くと考えられる。
昇華特性悪化の 原因は、図53に示すNMR(Hの核磁気共鳴)特性から分かる。
Bi(OtAm)3とSr[Ta(OEt)6]2を混合すると、新たなNMR特性が観察されるようになり、これは新たな化合物が形成され存在する事を示す。
図54は、Bi(MMP)3/ Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2混合体のTG CHART (Ar 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分のアルゴン雰囲気でBi(MMP)3/ Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2混合体の試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフである。この図から、Bi(MMP)3/ Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2混合体も、アルゴン雰囲気下で80%程度しか昇華しなくなる事が分かる。
図55は、BiPh3のTG CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分のアルゴン雰囲気での試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ141と、圧力が10Torr、流量が50ml/分のアルゴン雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ142と、圧力が760Torr、流量が100ml/分の酸素雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ143を示している。この図からBiPh3は、約200℃で100%昇華することが分かる。
図56は、BiPh3/Sr[Ta(OEt)6]2混合体のTG CHART (Ar 760,O2 760Torr)を示す図である。この図は、圧力が760Torr、流量が100ml/分のアルゴン雰囲気でBiPh3/Sr[Ta(OEt)6]2混合体の試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ151と、圧力が760Torr、流量が100ml/分の酸素雰囲気で前記試料を30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温させた場合の試料重量の変化を示すグラフ153を示している。この図からBiPh3/Sr[Ta(OEt)6]2混合体は、約280℃でほぼ100%昇華する事が分かる。
図57は、Mixing Stability of BiPh3 & Sr[Ta(OEt)6]2(NMR)特性を示す図である。この図からは、BiPh3/Sr[Ta(OEt)6]2混合体には、新たな物質の合成が見られない。
図58は、BiPh3 TG-DTA CHART (O2760Torr)を示す図である。この図に示すように、BiPh3の酸化反応は、465℃で起きる。これは、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2の259℃、Bi(MMP)3の209℃、Bi(OtAm)3の205℃に比べて、酸化温度が高すぎるので、採用が困難である事が分かる。
また図45に示すように、Bi(OtAm)3は、僅か180ppmの水分によって、加水分解反応が起きる。これは、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2が1650ppmの水分によって、Bi(MMP)3が1170ppmの水分によって加水分解反応が起きるのに比べて、桁違いに水分に敏感であり、Bi(OtAm)3の取り扱いが難しい事を示している。水分は必ず存在するので、水分とBi(OtAm)3が反応し、作製されたBi酸化物が配管や流量計を目詰まりさせる可能性が高くなる。
ところで、溶液気化式CVD法においては、溶液の大半は有機溶剤であるため、これをガス化してCVD薄膜を形成すると膜中にカーボン(例えばSBTでは5−8at%)が含有される。このカーボンは不純物であり、薄膜の電気特性を劣化させる原因になる。このため、成膜中に流す溶剤の量を少なくする必要がある。
汎用されている液体マスフローコントローラーの最小Full Scale流量は、現在 0.05cc/min.であるから、最小制御流量は0.005cc/min.程度であり、これより少ない流量の制御は困難である。このため、極薄膜(1-10nmT,HfSiOx)を形成する場合やドナー・アクセプター濃度制御(10exp14 〜10exp20atoms/cc)を行う場合、汎用されている液体マスフローコントローラーでは、最小制御流量が大き過ぎる。
このため、固体原料流量を減らすために、溶液中の固体原料濃度を減らす必要が出てくるが、これは同一量の固体原料を供給するために必要な溶剤の量が増加することを意味する。この場合、形成された薄膜中のカーボンすなわち不純物が増大してしまう。
また、従来の溶液気化式CVD法においては、例えばBi(MMP)3溶液(濃度0.1mol/L、溶剤はECH )をガス等で加圧して細管に流し、この細管での流量を液体マスフローコントローラーで制御している。この方法では、ガスで溶液を加圧すると加圧ガスが圧力に比例して溶液に溶け込み、液体マスフローコントローラーの下流側で溶液の圧力低下に比例して溶解した加圧ガスが出てきて泡を形成する。この泡の体積は、ガス加圧の条件等によるが、10%〜50%に達して、溶液流量の変動を招く。
また、液体マスフローコントローラーを用いて溶液気化式CVD法により薄膜を形成する場合、初期の流量が安定しないため、薄膜の成長初期層の組成制御が困難である。
さらに 液体マスフローコントローラーは、高価(約30万円/台)であるだけでなく、定期的(例えば、2−3ヶ月毎)に分解清掃と精度検査・校正を行なう必要があり、維持費用も莫大である。
特開2000−216150号公報(第76〜第78段落、第145〜第167段落、図3、図8) 特開2002−105646号公報(第13〜第14段落、図2)
前述した従来技術の問題点を纏めると下記のようになる。
室温で固体の原料を昇華させてガス化し、これをCVD用反応ガスに用いる技術は、薄膜堆積速度が遅く、ばらつく等の問題があり、実用化は困難と考えられる。このため、室温で固体の原料を用いて、これを溶剤に溶解させ、霧化して、次に高温で気化させる技術である溶液気化式CVD法を実用化することが望まれる。溶液気化式CVD法の課題の一つに、固体の原料を溶剤に溶解した原料溶液の流量を精度よく制御する技術の開発がある。
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、CVD用の原料溶液の流量を精度よく制御することができるCVD用気化器、溶液気化式CVD装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るCVD用気化器は、CVD用の原料を溶剤に混合した原料溶液を収容する原料溶液収容室と、前記原料溶液収容室の壁材に形成され、前記原料溶液が吐出されるノズル孔と、前記原料溶液収容室の前記ノズル孔とは反対側に配置され、入力される信号に伴って直線運動する加圧部と、前記信号の発信を制御することにより、前記ノズル孔から吐出される前記原料溶液の量を制御する制御部と、前記ノズルから吐出された前記原料溶液をキャリアガス中に分散させる分散部と、前記分散部に前記キャリアガスを供給するキャリアガス通路と、前記分散部で分散された前記原料溶液を気化する気化部と、前記気化部と前記分散部を繋ぐ部分に形成され、前記分散部で分散された前記原料溶液を前記気化部に導入する細孔とを備え、前記原料溶液収容室と前記分散部とは前記原料溶液から前記溶剤が優先蒸発することを防ぐことができる略同一の圧力に保持されており、前記加圧部を直線運動させることにより前記原料溶液収容室内の体積を変化させ、前記原料溶液収容室内の圧力を高めることで、前記ノズル孔から前記原料溶液を液滴として吐出することを特徴とする。
このCVD用気化器によれば、原料溶液はノズル孔から液滴として吐出される。液滴の大きさは例えば1ピコリットル(pL)〜数μLであり、液滴の数はノズル孔の数及び入力する信号の数を制御することにより制御可能である。このため、原料溶液を例えば100pL/min〜1cc/minの範囲で精度よく制御することができる。
加圧部は、伸縮することにより原料溶液を加圧する圧電体を具備することも可能であるし、ソレノイドと、ソレノイドが生じる磁力によって移動し、原料溶液を加圧する加圧部材とを具備することも可能である。
本発明に係るCVD用気化器は、前記液滴を回収する回収部と、前記ノズル孔と前記回収部の間に位置し、前記液滴を帯電させる帯電電極と、前記帯電電極と前記回収部の間に位置し、信号に基づいて電界を発生させることにより、帯電した前記液滴の進路を外部方向に変更する制御電極とを具備することを特徴とする。
このCVD用気化器において、気化部は、原料溶液を気化するとき、分散部に対して減圧状態となり、原料溶液を前記分散部と前記気化部の間の気圧差に基づいて気化部に導入することにより該原料溶液を気化することも可能である。また気化部は、原料溶液を気化するとき、分散部に対して減圧状態となり、原料溶液を前記分散部と前記気化部の間の気圧差に基づいて導入して膨張させつつ高温に加熱することにより該原料溶液を気化することも可能である。また分散部を高温に加熱することにより分散部内で原料溶液を気化し、気化した原料溶液を分散部と気化部の圧力差により気化部に導入することも可能である。
原料溶液吐出器を複数具備し、複数の原料溶液吐出部それぞれは、互いに異なる原料溶液を分散部に吐出することも可能である。
原料溶液は、溶剤に固体または液体の原料を溶解した溶液である場合、分散部に原料溶液とは別に溶剤を供給する溶剤供給部をさらに具備することも可能である。
原料溶液吐出器から吐出された液滴は、分散部において溶剤のみが気化する可能性がある。これに対し、溶液供給部を具備すると、分散部内の溶剤の蒸気圧を上げることができるため、溶剤のみが気化することを抑制できる。
以上説明したように本発明によれば、原料溶液を例えば100pL/min〜1cc/minの範囲で精度よく制御することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1によるCVD用気化器を反応室(CVDチャンバー)4とともに模式的に示す断面図である。このCVD用気化器は、原料溶液吐出器1から液滴50として吐出された原料溶液を分散部2でキャリアガスと混合し、この混合物を分散部2から気化管に噴射することにより、原料溶液を気化させるものである。気化された原料溶液はキャリアガスと共に反応室4に供給され、CVDによる成膜の原料ガスとして用いられる。なおCVD用気化器は、図示せぬ制御部を備えている。
原料溶液吐出器1には略円柱状の原料溶液収容室11が設けられている。原料溶液収容室11は、分散部に面している部分が略円錐状になっており、その先端にノズル孔11aが形成されている。また原料溶液収容室11のノズル孔11aとは反対側の部分には、入力される信号に伴って伸縮する圧電体12aが配置されている。圧電体12aは伸張するときに原料溶液収容室11内部の原料溶液を加圧し、原料溶液をノズル孔11aから分散部2に向けて液滴50として吐出させる。
また原料溶液収容室11には、ケミカルを溶剤(溶媒)に混合した原料溶液が原料溶液用配管13から供給される。ケミカルは例えば固体原料を溶剤に溶解したものであるが、液体原料であっても良い。液体原料は、例えばSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2やCu(EDMDD)2 等、単体で粘度が高く、蒸気圧が小さいものである。液体原料の場合、液体原料単体で原料溶液を構成する場合もある。原料溶液用配管13の基端側はケミカル及び溶剤を供給する第1の供給機構14に接続されている。第1の供給機構14はケミカルの供給源と溶剤の供給源を有している。ケミカルの供給源と原料溶液用配管13との間にはバルブ14aが設けられており、溶剤の供給源と原料溶液用配管13との間にはバルブ14bが設けられている。また、溶剤の供給源と原料溶液用配管13との間で溶剤とケミカルが合流(混合)するようになっている。尚、原料溶液収容室11と原料溶液用配管13の間には、溶液溜13aが形成されている。溶液溜13aは原料溶液のバッファとして機能する。このため圧電体12aが高周波数で伸縮して液滴50を吐出しても、液滴50が吐出されるたびに原料溶液収容室11に原料溶液が速やかに補充される。
尚、図示している原料溶液吐出器1は一つであるが、複数種類の原料溶液(例えばBi(MMP)3溶液及びSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2溶液)を用いる場合、CVD用気化器は原料溶液それぞれにつき一つ又は複数の原料溶液吐出器1を有している。この場合も、複数の原料溶液吐出器1それぞれは分散部2に液滴50を吐出する。
分散部2は、内部に略円柱形状の中空部21を有している。中空部21の基端側には原料溶液吐出器1のノズル孔11aが繋がっている。また中空部21の先端は略円錐形状になっており、気化管3に繋がる噴射孔21aが形成されている。
また中空部21の内壁には、キャリアガス用配管22の先端側が接続されている。キャリアガス用配管22の基端側はアルゴンガス及び窒素ガスを供給する第2の供給機構23に接続されている。第2の供給機構23はアルゴンガス(Ar)を供給する供給源と窒素ガス(N2)を供給する供給源を有している。アルゴンガスの供給源とキャリアガス用配管22との間にはバルブ23a及びマスフローコントローラー(図示せず)が設けられている。窒素ガスの供給源とキャリアガス用配管22との間にはバルブ23b及びマスフローコントローラー(図示せず)が設けられている。また、第2の供給機構23とキャリアガス用配管22との間には高精度圧力計24が配置されている。高精度圧力計24はキャリアガス用配管22内のキャリアガスの圧力を常時モニターするものである。この高精度圧力計24は図示せぬ制御部に出力信号を送ることができる。これにより、制御画面にキャリアガスの圧力を表示して監視することが可能となる。
気化管3の一端には、前記したように分散部2の噴射孔21aが繋がっている。気化管3の周囲にはヒーター32が設けられており、このヒーターによって気化管3を例えば270℃程度に加熱するようになっている。また、気化管3の他端側の側面部分は、一部がシャットバルブ33及び配管33aを介して反応室4に接続されている。反応室4にはシャットバルブ33及び配管33aを介して気化された原料溶液が供給され、この原料溶液を用いてCVD法による成膜が行われる。また気化管3の他端側は、シャットバルブ34を介して排気ポンプ(図示せず)に接続されている。
次に、上記CVD用気化器の動作について説明する。この例において、CVD用気化器は、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2と溶剤を混合した原料溶液を吐出するための原料溶液吐出器1と、Bi(MMP)3と溶剤を混合した原料溶液を吐出する原料溶液吐出器1を備えている。また原料溶液吐出器1の温度は10℃〜35℃、望ましくは20〜30℃に制御する。
まず、第1段階としてそれぞれの原料溶液吐出器1において、予め原料溶液を、ブロックバルブを経て原料溶液吐出器1の原料溶液収容室11まで封入しておく。キャリアガス(例:窒素やヘリウム等の不活性ガス)は、予め分散部2から気化管3を経由して反応室4まで流れている。その流量は、例えば窒素ガスで2L/minであるが、500cc〜3000cc/minであってもよい。また原料溶液収容室11及び原料溶液用配管13は760Torrに制御されており、分散部2内部の圧力も760Torrに制御されている。これらを高めの圧力に制御するのは、原料溶液から溶剤が優先蒸発することを防ぐためである。原料溶液収容室11及び原料溶液用配管13の圧力は、例えば原料溶液を供給するための液圧を制御することにより制御することが可能である。分散部2内部の圧力は、例えばキャリアガスの流量を制御することにより制御することが可能である。なおこれらの圧力は、500Torr〜2000Torrであってもよいし、1500±50Torrであってもよい。これらの圧力を制御することにより、液滴50のばらつきを抑制することができ、また液滴50から溶剤が蒸発することを抑制することができる。
これに対し、気化管3内部の圧力は分散部2より低圧(例えば4Torrであるが、1〜50Torrであってもよい)に制御されており、反応室4内部の圧力は規定の値(例えば0.1〜5Torr)に制御されている。なお気化管3内部の圧力は反応室4の圧力に比例(例えば10倍)して定める。
次に第2段階として、図示せぬ制御部を用いて2つの原料溶液吐出器1それぞれの圧電体12aにパルス信号を入力し、圧電体12aを繰り返し伸縮させる。圧電体12aは伸張するたびに原料溶液収容室11内部の原料溶液を加圧し、ノズル孔11aから液滴50として吐出させる。液滴50の数は、原料溶液の流量が規定値(例えば0.05cc /min)となるように制御する。なお液滴50の大きさは、例えば1ピコリットル(pL)〜数μLであり、液滴50の数は最大で例えば2×10exp6個/分程度である。また液滴50の飛翔速度は例えば15〜50m/secであり、飛翔距離は最大50mm程度である。
ここで単位時間あたりの液滴50の数量は、ノズル孔の数、及び圧電体12aに入力する信号の周波数又は信号を入力する時間によって制御することが可能である。従って圧電体12aに入力する信号を制御することにより分散部2に吐出される原料溶液の量を制御することができる。すなわち原料溶液吐出器1は、高精度に原料溶液の流量を制御する流量コントローラーとして機能し、例えば0.05cc/minといった流量も高精度に制御することができる。このため極薄膜を形成するときやドナー濃度を制御するとき、従来の液体マスフローコントローラー(液体MFC)を使用する場合と比べて有利になる。
尚原料溶液吐出器1が制御可能な流量範囲は例えば100pL〜1cc/minである。
また液滴50の大きさはノズル孔11aの径を変化させることによって変更することが可能である。例えばノズル孔の直径が60μmである場合、液滴50の大きさは100pL前後に制御する事ができる。
2つの原料溶液吐出器1それぞれから吐出された2種類の原料溶液の液滴50は分散部2においてキャリアガス中に分散する。すなわち本実施形態においては、2種類の原料溶液を直接混合しないため、これらが溶液状態で化学反応を起こすことを抑制できる。
次いで分散部2でキャリアガス中に分散された2種類の原料溶液は噴射孔21aを通って気化管3に導入され、ヒーターによって270℃に加熱される。
このとき、分散部2と気化管3の間には大きな圧力差があるため、キャリアガス及び液滴50は高速で気化管3に噴出する。このとき気化管3において液滴50は分散部2と気化管3の圧力差に基づいて膨張する。このため液滴50中の固体原料の昇華温度は低下する。また噴出の際に液滴50は更に微小化する。従って液滴50(ケミカル中の固体原料を含む)は、気化管3に導入されるとヒーターからの熱で瞬時に蒸発/昇華してガス化する。
このようにしてCVD用気化器で2種類の原料溶液をキャリアガス中で気化することにより原料ガスを形成する。この原料ガスが気化管3を通って反応室に送られてCVD法が行われ、被処理基板に薄膜が成膜される。
ここで比較例として、従来の液体MFCを用いて溶液気化式CVD法により薄膜を形成する方法の一例を説明する。
まず第1段階として、反応物質を含む溶液を、溶液タンクから液体MFC(マスフローコントローラー)を介してブロックバルブに至るまで封入しておく。この時キャリアガス(例:窒素2L/min.)は噴霧部―高温気化管―ベントに流れている。反応室には不活性ガス等を少量流し反応室内をクリーンなガスで満たしておく。
次に第2段階として、ブロックバルブ内のバルブを開けて、反応物質を含む溶液をキャリアガスと共に噴霧部―高温気化管―ベントに流す。1〜2分間経過すると液体MFCによる溶液流量制御が安定する。反応室には、不活性ガス等を少量流して、0.1Torr程度にしておく。
次に第3段階として、高温気化管下部の切り替えバルブを操作して、気化ガスとキャリアガスをベント側から反応室へ切り替え、薄膜堆積を開始する。同時に反応室圧力制御値を規定の値(例:4Torr)に変更し、反応室圧力の制御を開始する。約1−2分後に、反応室圧力は規定の値に制御される。
このように従来の液体MFCを用いた場合は、起動後、流量が安定するまでに1−2分かかるため、CVD薄膜堆積開始直後1−2分間はチャンバー圧力が既定の値に制御されない。従って堆積開始直後1−2分間は薄膜の組成等品質制御ができない。
これに対し上記した本実施の形態の使用例においては、キャリアガス流量は、例えば窒素2L/min.も流れており、液滴50が気化して生成したガスの量(例えば約10cc/min.)と比べて非常に多い(例えば約200倍)。このため、上記の液滴50をガス化して反応室4に送り込んでも、ガス流量の変動割合は少ないため、反応室4内の圧力の変動は無視できるほど小さい。
このため上記した使用例では、CVD薄膜堆積開始直後においてもチャンバー圧力はふらつかないため、堆積開始直後においても膜質のばらつきが起きない。このため極薄膜(例えば1〜10nm)を作成する場合でも、高品質薄膜を容易に形成する事ができる。
また本実施形態において、原料溶液を気化しているときに、高精度圧力計24によって常にキャリアガスの圧力をリアルタイムでモニターすると、徐々に圧力が上がっていく。これは、CVD用気化器を連続して使用していくと、ノズル孔11a,噴射孔21aの少なくともいずれかに徐々に原料溶液中の溶質が析出し、次第に細孔(噴霧口)を目詰まりさせていくためである。この現象は次のようなものである。
減圧雰囲気下(約5−30Torr)の高温の気化管3の上部に、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2とBi(MMP)3および溶剤(例えば、エチルシクロヘキサンECH)とキャリアガス(例えば、アルゴン、窒素等)を噴霧し霧化するが、この時、霧の一部が噴霧口に付着し液化する。そしてこの噴霧口に付着した溶液は、減圧雰囲気と高温状態の気化管3からの輻射熱によって、蒸気圧が大きな溶剤(例えば、エチルシクロヘキサンECH)だけが蒸発するため、溶質が析出し、噴霧口を目詰まりさせる。
前記目詰まりが進むにつれてキャリアガス用配管22内のキャリアガスの圧力が高くなっていく。そしてキャリアガスの圧力が所定圧力(例えば200KPa)を超えたという高精度圧力計24からの出力信号を制御部で受信した後に、バルブ14aを閉じてSr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2の溶液及びBi(MMP)3の溶液の供給を停止し、バルブ14bを開いて溶剤のみを流す。又は前記高温気化管の出口をリアクタから排気側(図示せず)に切り替え、溶剤及びキャリアガスのみを原料溶液用配管13及びキャリアガス用配管22に供給し、洗浄を行う。この時、溶剤の流量は、原料溶液流量の2倍乃至10倍以上に増加させ、洗浄効果を高める事ができる。これにより、噴霧口から溶剤を噴霧し、析出していた原料溶液中の溶質を溶剤によって再び溶かして洗浄除去することができる。尚、本実施の形態では、洗浄工程で用いる溶剤を第1の供給機構14から供給しているが、これに限定されるものではなく、洗浄工程用の溶剤供給機構を別に設けておき、この溶剤供給機構から洗浄用の溶剤を供給することも可能である。また、洗浄除去する前に、反応室内の被処理基板を取り出しておき、洗浄除去が終了した後に反応室内に新たな被処理基板を投入することが好ましい。原料溶液中の溶質が析出し、分散部2他に付着すると、CVD薄膜の堆積速度の低下や組成の変動が観測され、これはCVD薄膜堆積工程の再現性の低下と品質低下・歩留まり低下を意味する。これを避けるため、実際の製造工程では、気化器の目詰まりが観測される前に洗浄を行う事が望ましく、例えば1枚製造し、次のウェハをチャンバーに入れてCVD薄膜堆積を開始する数分間の待ち時間中に気化管等の洗浄処理を行えば、再現性の向上を図る事ができる。
前記洗浄工程中においても高精度圧力計24によってキャリアガス用配管22内のキャリアガスの圧力をモニターする。これにより細孔の目詰まり状況をモニターする。前記洗浄工程を続けていくと、析出していた溶質を溶かしていくので、次第に細孔(噴霧口)の目詰まりを解消していく。このため、キャリアガスの圧力が低下していく。そしてキャリアガスの圧力が所定圧力(例えば100Kpa)以下となったという高精度圧力計24からの出力信号を制御部で受信した後に、再びバルブ14aを開いて溶液の供給を開始し、原料溶液の気化を行う。
尚、バルブ14a,14bから原料溶液用配管13の先端までの配管容量は、CVD時に流す溶液の流量をXcc/分とした場合、8Xcc以下が好ましく、より好ましくは2Xcc以下であり、さらに好ましくはXcc以下である。
また、上記実施の形態1では、噴霧口に生じた目詰まりを溶剤によって洗浄除去するタイミングを、高精度圧力計24でキャリアガスの圧力をモニターすることにより計っているが、これに限定されるものではなく、所定の時間が経過した後に、溶剤とキャリアガスを流して洗浄除去することも可能である。
以上、実施の形態1によれば、原料溶液吐出器1において、圧電体12aに信号が入力されると、パルスが入力されるごとに圧電体12aが伸張・伸縮して原料溶液収容室11内部の原料溶液を加圧し、ノズル孔11aから液滴50(1pL〜数μL)として分散部2に吐出させる。このため微小流量(例えば0.1cc/min)においても原料溶液を精度よく制御することができる。
従って溶剤中の原料濃度を減らさなくても単位時間あたりの原料流量を微小な範囲で制御することができるため、形成された薄膜中に、溶剤に起因したカーボンすなわち不純物は増大しない。
また原料溶液吐出器1は、大量生産されているインクジェットプリンタのインクジェット機構を応用することにより形成することができる。従って安価に高品質な原料溶液吐出器1を形成することができる。
また原料溶液には加圧ガスが溶解していないため、下流側で加圧ガスが出てきて泡を形成することもない。従って流量の変動も少ない。
また、本実施の形態では、2種類の原料溶液を、互いに異なる原料溶液吐出器1から液滴50として吐出している。すなわち2種類の原料溶液を溶液状態で混合せずに、分散部2において2種類の原料溶液の液滴50をキャリアガス中に分散させることにより混合するため、原料溶液同士が化学反応することを抑制できる。従って溶解度が小さくかつ昇華し難い物質が合成されることを抑制でき、分散部2の噴射孔21aが目詰まりすることを抑制できる。よって、CVD用気化器の連続使用時間を長くすることができる。
また上述したように本実施の形態では、ノズル孔11a、分散部2、噴射孔21a及び気化管3で目詰まりしても、洗浄工程を施して元の状態に戻すことにより、CVD用気化器を安定して長時間連続使用することが可能となる。従って、強誘電体材料PZT、SBT等の薄膜を再現性及び制御性良く成膜することができ、CVD用気化器及び溶液気化式CVD装置の高性能化を実現できる。
また、噴射孔21aが完全に目詰まりする前に、噴霧口を溶剤によって洗浄することにより、再び噴霧口を元の状態に戻すことができる。従って、CVD用気化器を使用する間に洗浄工程を入れることにより、極めて長時間のCVD用気化器の使用が可能となる。目詰まりしたCVD用気化器を分解して洗浄し、再度組み立てる工数は10時間程度かかるが、上記洗浄工程は数分の時間で終了するため、装置稼動時間を大幅に増加させ、製造コストを大幅に低減することが可能となる。
尚、上述したように目詰まりを監視するモニターとしての高精度圧力計24を設置しても、洗浄工程を行う必要があるため、CVD用気化器を完全に連続使用することはできない。そこで、1台の反応室に対して、複数の洗浄機構付きCVD用気化器を設置すれば、数百時間以上の連続堆積ができる溶液気化式CVD装置を実現することが可能となる。具体的には、例えば12台の洗浄機構付きCVD用気化器を設置し、そのうち2台は常に洗浄状態にし、他の10台のCVD用気化器を常に連続使用する。こうすれば溶液気化式CVD装置の数百時間以上もの連続運転が可能となるだけでなく、薄膜の堆積速度も格段に向上することが期待できる。このような複数のCVD用気化器を順次洗浄しながら長時間の連続堆積を行う溶液気化式CVD装置は、例えば非常に長いテープ状の基板上に超伝導酸化物薄膜であるYBCOを10μm程度の厚さで成膜する場合に特に有効である。
また、分散部2の中空部21に溶剤を独立して供給することができる溶剤供給機構を設けてもよい。
原料溶液吐出器1から中空部21に原料溶液の液滴50が吐出された直後に、液滴50から溶剤だけが蒸発してしまう可能性もある。この場合ケミカル中の固体原料が析出する。固体原料が粉末として析出する場合は、壁に付着する場合が多く、反応室4に供給する固体原料の量が減少する。また固体原料が比較的大きな固体粒子として析出した場合、析出した固体原料は気化しないまま反応室4に導入され、薄膜上に異物として付着する。
ここで蒸発する溶剤の量は、キャリアガスの流量、圧力、温度、及び溶剤の飽和蒸気圧によって定まる。例えばキャリアガスの流量、圧力及び温度を1500cc/min,1500Torr,20℃とし、溶剤としてトルエン(分子量92.1、比重0.9と仮定、飽和蒸気圧22Torr(20℃))を用いた場合、溶剤の蒸発量は液体換算で0.1cc/min(ガス換算で22cc/min)である。また溶剤としてN-ヘキサン(飽和蒸気圧120Torr(20℃))を用いた場合、溶剤の蒸発量は液単位換算で約1cc/minにもなる。
これに対し溶剤供給機構を設けて中空部21に溶剤を供給するようにすると、中空部21内における溶剤の蒸気圧を上げることができるため、液滴50中の溶剤を蒸発しにくくすることができる。溶剤の供給量は、例えば蒸発すると想定される溶剤の量以上にする。尚、溶剤供給機構には、例えば溶剤のみを吐出する原料溶液吐出器1を採用することができる。
(実施の形態2)
図2は、実施の形態2にかかるCVD用気化器を反応室4とともに模式的に示す断面図である。本実施の形態は、実施の形態1にかかるCVD用気化器にヒーター25及び断熱材26を加えたものであるため、実施の形態1と同一の構成については説明を省略する。
ヒーター25は、分散部2の外周に位置し、分散部2すなわち中空部21の内壁21bを例えば270℃に加熱する。断熱材26は原料溶液吐出器1と分散部2の間に位置し、分散部2の熱が原料溶液吐出器1に伝達しないようにしている。
この実施の形態によれば、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また中空部21の内壁21bが加熱されているため、液滴50(固体原料を含む)は分散部2内を落下中に気化するか又は内壁21bに付着して気化し、分散部2と気化部3の間の気圧差に基づいて気化部3に導入され、その後反応室4に供給される。
(実施の形態3)
図3は、実施の形態3にかかるCVD用気化器を反応室4とともに模式的に示す断面図である。本実施の形態にかかるCVD用気化器は、原料溶液吐出器1において、圧電体12aの代わりにソレノイド12b及び加圧部材12cを備えている点を除いて実施の形態1と同一である。以下の説明において実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態において、原料溶液吐出器1の原料溶液収容室11は略直方体であり、そのノズル孔11aとは反対側の部分には、加圧部材12cが、原料溶液収容室11の内部に出没できるように配置されている。加圧部材12cはソレノイド12bが発する磁力によってケース12から原料溶液収容室11の内部に向けて移動することにより、原料溶液収容室11内部の原料溶液を加圧し、原料溶液をノズル孔11aから分散部2に向けて液滴50として吐出させる。
本実施形態にかかるCVD用気化器を動作させるとき、図示せぬ制御部は、原料溶液吐出器1のソレノイド12bにパルス信号を入力して磁力を繰り返し生じさせる。加圧部材12cは磁力が生じるたびに原料溶液収容室11内部に往復移動し、原料溶液収容室11内部の原料溶液を加圧し、ノズル孔11aから液滴50として吐出させる。液滴50の大きさは、例えば1pL〜数μLである。
ここで単位時間あたりの液滴50の数量は、ソレノイド12bに入力する信号の周波数によって制御することが可能である。従ってソレノイド12bに入力する信号の周波数を制御することにより分散部2に吐出される原料溶液の量を制御することができる。すなわち原料溶液吐出器1は、高精度に原料溶液の流量を制御する流量コントローラーとして機能し、例えば0.05cc/minといった流量も高精度に制御することができる。
なお実施の形態1と同様に、液滴50の大きさはノズル孔11aの径を変化させることによって変更することが可能である。
本実施形態においても実施の形態1と同一の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図4は、実施の形態4にかかるCVD用気化器を反応室4とともに模式的に示す断面図である。本実施の形態は、実施の形態3にかかるCVD用気化器にヒーター25及び断熱材26を加えたものであるため、実施の形態3と同一の構成については説明を省略する。
ヒーター25は、分散部2の外周に位置し、分散部2すなわち中空部21の内壁21bを例えば270℃に加熱する。断熱材26は原料溶液吐出器1と分散部2の間に位置し、分散部2の熱が原料溶液吐出器1に伝達しないようにしている。
この実施の形態によれば、実施の形態3と同様の効果を得ることができる。また中空部21の内壁21bが加熱されているため、液滴50(固体原料を含む)は分散部2内を落下中に気化するか又は内壁21bに付着して気化し、分散部2と気化部3の間の気圧差に基づいて気化部3に導入され、その後反応室4に供給される。なお分散部2で気化しなかった液滴50は、実施の形態1と同様の作用により、分散部2から気化部3に導入される際に気化する。
(実施の形態5)
図5は、第5の実施形態によるCVD用気化器の構成を模式的に示す図である。本実施形態は、原料溶液吐出器の構成が実施の形態1と異なる。以下、実施の形態1と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。尚、図5には図示していないが、CVD用気化器はCVDを行う反応室に接続している。
本実施形態にかかる原料溶液吐出器60において、溶液吐出機構64は常に原料溶液の液滴50を吐出している。溶液吐出機構64の構成は、例えば第1又は第2の実施形態にかかる原料溶液吐出器1の構成に略等しい。原料溶液吐出器1は、原料溶液用配管13から原料溶液が供給される。原料溶液用配管13の基端側は、バルブ機構63に接続している。バルブ機構63には、ケミカル供給源61及び溶剤供給源62からケミカル及び溶剤が、それぞれ配管6a,6aを経由して供給されており、バルブ機構63においてケミカル及び溶剤が混合される。また余分なケミカル等は配管63bを経由してバルブ機構63からケミカル供給源61に戻る。
溶液吐出機構64から吐出された原料溶液の液滴50は、帯電電極65で帯電し、その後信号発生回路66aに接続された制御電極66の間を通過する。制御電極66には、信号発生回路から信号電圧が入力されているため、帯電している液滴50は、制御電極66の間を通過するときに、制御電極66間の電界によって進路が変わる。すなわち液滴50を分散部2に投入したいときには、例えば制御電極66に信号電圧を入力して電界を生じさせ、液滴50の進路を分散部2方向に変更する。液滴50を分散部2に投入したくないときには、制御電極66に信号をしない。この場合液滴50はガター67によって回収され、配管67aを経由してバルブ機構63に戻される。
このように、本実施の形態によれば、信号発生回路66aが発生する信号を制御することにより、分散部2に投入される液滴50の数すなわち原料溶液の流量を制御することができる。従って本実施の形態においても実施の形態1と同一の効果を得ることができる。
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば実施の形態1において圧電体12aを設けずにヒーターを原料溶液収容室11の内壁の一部分に取り付けてもよい。同様に実施の形態2においてソレノイド12b及び加圧部材12cの代わりにヒーターを原料溶液収容室11の内壁の一部分に取り付けてもよい。これらの場合、入力信号によってヒーターが間欠的に加熱され、ヒーター近傍の原料溶液が気化して微細な気泡が生じる。この気泡により原料溶液収容室11の原料溶液が加圧され、ノズル孔11aから液滴50が吐出される。なおヒーターはノズル孔11aに対向する部分に取り付けるのが好ましい。
また本発明のCVD用気化器、CVD用気化方法及び溶液気化式CVD装置の応用範囲は広く、高速不揮発性メモリであるFeRAM−LSI用の高品質の強誘電体薄膜(例えばSBT、PZT薄膜)の成膜に限られず、様々な蒸気圧が低い固体原料または液体原料を用いて、YBCO(Super Conductive Oxide)、Thick PZT/PLZT/SBT(Filter,MEMS,Optical Interconnect,HD)、Metal (Ir, Pt, Cu)、Barrier Metal(TiN,TaN)、High k(HfOx,Al2O3,BST etc) 等を成膜することが可能である。
また、上記実施の形態では、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2を溶剤に溶解した第1の原料溶液とBi(MMP)3を溶剤に溶解した第2の原料溶液を例として用いているが、これらの原料溶液に限定されるものではなく、他の固体材料(蒸気圧が低い物質)を溶剤に溶解して作製した原料溶液を用いて、YBCO(Super Conductive Oxide)、Thick PZT/PLZT/SBT(Filter,MEMS,Optical Interconnect,HD)、Metal (Ir, Pt, Cu)、Barrier Metal(TiN,TaN)、High k(HfOx,Al2O3,BST etc) 等様々な分野向けに、様々な薄膜材料を形成し、供給する事もできる。一例を図6の表に示す。
また、上記実施の形態では、1種類の薄膜を被処理基板に成膜する場合について説明しているが、これに限定されるものではなく、複数種類の薄膜を被処理基板に連続的に成膜することも可能である。詳細には、原料溶液とキャリアガスを、CVD用気化器を経由して反応室に適当な時間流して被処理基板上に第1の薄膜を成膜した後、原料溶液のバルブを排気側に切り替え、新たな原料溶液を所定の流量でCVD用気化器を経由して反応室に供給し、この新たな原料溶液の流量の和(容積)が前記バルブからCVD用気化器にいたるまでの配管容量の1倍ないし5倍を越えたら、新たな原料溶液とキャリアガスを、CVD用気化器を経由して反応室に適当な時間流して被処理基板上に第2の薄膜を成膜することにより、組成が異なる2種類の薄膜を連続して成膜することが可能である。また、この動作を繰り返すことにより3種類以上の薄膜を連続して成膜することも可能となる。また、新たな原料溶液を反応室に供給する際、被処理基板の温度及び反応室の反応圧力を変更しても良い。
また尚、第1乃至第3の実施形態に示したCVD用気化器は、例えば図7に示す溶液供給系統に接続して使用することができる。
(実施例1)
以下、詰まり洗浄の実施例について、図8〜図13に示すキャリアガスの圧力をモニターした結果を用いて説明する。
図8に示すように、モニタポイント80において、気化管3にケミカルを流し始めると、キャリアガスの圧力は次第に上昇し、ポイント420においては、BiMMPのキャリアガス圧力は、220kPa(約2.2気圧 ゲージ圧)まで上昇する。この時点で、BiMMP(0.2ccm)を止めて、洗浄溶剤ECHを流す(0.5ccm)。するとキャリアガスの圧力は、急激に低下し、440ポイントでは120kPa に達して安定する。このキャリアガスの圧力低下は、噴霧器先端(細孔)に付着したBiMMPが洗浄除去された事を示している。
図9、図10、図11、及び図12も同様であり、噴霧器先端への付着現象は、再現性良く発生している事が分かる。この現象は、Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2とBi(MMP)3を用いたSBTCVDに限る現象ではなく、下記ケミカルを用いるPZTCVDにおいても同様に観察された。PZTCVD用ケミカルは、Pb(DPM)2 / ECH (0.15 mol/L) , Zr(DIBM)4/ ECH (0.15 mol/L) ,Ti(Oi-Pr)2(DPM)2/ ECH (0.30 mol/L)である。
図13において、キャリアガスの変動は小さい。Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2とBi(MMP)3の溶液の濃度を1/2に低下させたため、噴霧器先端(細孔)の目詰まり進行が減少している事が分かる。図13においては、約40分間のSBT薄膜堆積中 キャリアガスの圧力の上昇は観察されず、さらに1回毎に洗浄操作を行うことによって、目詰まりが全く無い状態で、SBTCVDを行う事が出来た。
この気化器で、SBTCVDの再現性試験を行った結果を図14及び図15に示した。
図14は、成膜速度の再現性を示す。100バッチの成膜速度試験を行い、平均成膜速度は、7.29nm/min. σ=0.148nm/min. と、優れた連続成膜と優れた再現性が得られた。
図15は、成膜組成の再現性を示す。100バッチの成膜速度試験を行い、Bi/Sr組成比は、平均3.08 σ=0.065 と優れた再現性が得られた。Ta/Sr組成比は、平均2.07 σ=0.0166 と、連続成膜と優れた再現性が得られた。
(実施例2)
図16〜図22は、上記したCVD用気化器を用いて形成されたPZT薄膜の特性を示すデータである。本実施例において、Pb,Zr,Tiの原料溶液には、それぞれPb(DPM)2/ECH(0.15mol/L),Zr(DIBM)4/ECH(0.15mol/L),Ti(Oi-Pr)2(DPM)2/ECH(0.30mol/L)を使用している。
図16は、反応室内の圧力を変化させた場合におけるPZT薄膜の堆積速度の変化を示す。1400Pa以下の範囲において、PZT薄膜の堆積速度は圧力が上がるにつれて増えていくが、その増加率は圧力が上がるにつれて下がっている。
図17は、反応室内の圧力を変化させた場合におけるPZT薄膜の組成の変化を示す。1400Pa以下の範囲において、ZrとTiの和に対するPbの割合は圧力が上がるにつれて徐々に下がっていく。またZrとTiの和に対するZrの割合は、800Pa以下の範囲においては、圧力が上がるにつれて直線的に上がるが、それ以上の圧力になると、その増加率は低下する。
図18は、サセプタの温度を変化させた場合におけるPZT薄膜の堆積速度の変化を示す。600℃〜670℃の範囲では、堆積速度はサセプタの温度によらず約14nm/minでほぼ一定である。
図19は、サセプタの温度を変化させた場合におけるPZT薄膜の組成の変化を示す。サセプタの温度が上がるにつれて、ZrとTiの和に対するPbの割合は上がっていき、ZrとTiの和に対するZrの割合は下がっている。
図20は、Pb原料溶液のフローレートを変化させた場合におけるPZT薄膜の組成の変化を示す。ZrとTiの和に対するPbの割合は、Pbの原料溶液のフローレートにほぼ比例している。尚ZrとTiの和に対するZrの割合は、Pbの原料溶液のフローレートの変化に影響を受けず、ほぼ一定である。
図21は、Zr原料溶液のフローレートを変化させた場合におけるPZT薄膜の組成の変化を示す。ZrとTiの和に対するZrの割合は、Zrの原料溶液のフローレートにほぼ比例している。またZrとTiの和に対するPbの割合は、Zrの原料溶液のフローレートが増えるにつれて下がっている。
図22は、溶液気化式CVD法で形成したPZT薄膜の分極特性を示すグラフである。本図から、このPZT薄膜が良好な電気的特性を備えていることが分かる。
以上のとおり、溶液気化式CVD法を用いると、PZT薄膜も同様に優れた制御性でもって、形成する事ができた。また再現性も優れている。
実施の形態1によるCVD用気化器を反応室4とともに模式的に示す断面図である。 実施の形態2によるCVD用気化器を反応室4とともに模式的に示す断面図である。 実施の形態3によるCVD用気化器を反応室4とともに模式的に示す断面図である。 実施の形態4によるCVD用気化器を反応室4とともに模式的に示す断面図である。 第5の実施形態によるCVD用気化器の構成を模式的に示す図である。 薄膜の種類と、その薄膜を形成する際に用いる原料溶液を対応させて示す表である。 CVD用気化器を組み込んだ溶液供給系統の一例を示す図である。 キャリアガスの圧力をモニターした実験結果を示す図である。 キャリアガスの圧力をモニターした実験結果を示す図である。 キャリアガスの圧力をモニターした実験結果を示す図である。 キャリアガスの圧力をモニターした実験結果を示す図である。 キャリアガスの圧力をモニターした実験結果を示す図である。 キャリアガスの圧力をモニターした実験結果を示す図である。 実施の形態1によるCVD用気化器でSBTCVDの再現性試験を行った実験結果を示す図である。 実施の形態1によるCVD用気化器でSBTCVDの再現性試験を行った実験結果を示す図である。 反応室内の圧力を変化させた場合におけるPZT薄膜の堆積速度の変化を示す図である。 反応室内の圧力を変化させた場合におけるPZT薄膜の組成の変化を示す図である。 サセプタの温度を変化させた場合におけるPZT薄膜の堆積速度の変化を示す図である。 サセプタの温度を変化させた場合におけるPZT薄膜の組成の変化を示す図である。 Pb原料溶液のフローレートを変化させた場合におけるPZT薄膜の組成の変化を示す図である。 Zr原料溶液のフローレートを変化させた場合におけるPZT薄膜の組成の変化を示す図である。 溶液気化式CVD法で形成したPZT薄膜の分極特性を示すグラフである。 強誘電体薄膜を作成するための従来のCVD装置の一例を示す図である。 溶液気化式CVD法の一例をしめす図である。 溶液気化式CVD法で成膜することができる膜の一例と、その膜を形成するための原料及びその特性を示す表である。 Bi(MMP)3/ECH0.2mol/Lのフローレートを変化させた場合におけるSBT膜の組成の変化を示す図である。 Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2/ECH0.1mol/ Lのフローレートを変化させた場合におけるSBT膜の組成の変化を示す図である。 SBT膜の堆積速度の圧力依存性を示す図である。 SBT膜の組成の圧力依存性を示す図である。 原料溶液のフローレートを変化させた場合におけるSBT膜の堆積速度の変化を示す図である。 Ptウェハ内のSrOの分布を示す図である。 Ptウェハ内のBi2O3の分布を示す図である。 Ptウェハ内のTa2O5の分布を示す図である。 SBT薄膜の堆積速度の再現性を調べた結果を示すグラフである。 SBT薄膜の堆積速度のサセプタ温度依存性を示すグラフである。 溶液気化式CVD法によりSBT薄膜を堆積させた基板の断面構造を示すSEM写真である。 溶液気化式CVD法により形成したSBT薄膜の分極特性を示すグラフである。 従来の溶液気化式CVD法で用いた気化器の構成を示す図である。 従来の溶液気化式CVD法で用いた溶液制御装置の構成を示す図である。 従来の溶液気化式CVD法で用いた他の気化器の構成を示す図である。 従来の溶液気化式CVD法で用いた他の溶液制御装置の構成を示す図である。 従来の溶液気化式CVD法で用いた他の気化器の構成を示す図である。 (a)は従来の溶液気化式CVD法で用いた他の気化器の縦断面図であり、(b)は(a)のx−x断面図であり、(c)は(a)のy−y断面図であり、(d)は従来の溶液気化式CVD法で用いた他の気化器の縦断面図である。 従来の溶液気化式CVD法で用いた他の溶液制御装置の構成を示す図である。 溶液気化式CVD法に関係する物質の物性データを示す表である。 Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2のTG CHART(Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。 Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2のTG-DTA CHART(O2 760Torr)を示す図である。 Bi(OtAm)3のTG CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。 Bi(OtAm)3のTG-DTA CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。 Bi(MMP)3のTG CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。 Bi(MMP)3のTG-DTA CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。 Bi(OtAm)3/Sr[Ta(OEt)6]2混合体のTG CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。 NMR(Hの核磁気共鳴)特性を示す図である。 Bi(MMP)3/ Sr[Ta(OEt)5(OC2H4OMe)]2混合体のTG CHART (Ar 760Torr)を示す図である。 BiPh3のTG CHART (Ar 760/10Torr,O2 760Torr)を示す図である。 BiPh3/Sr[Ta(OEt)6]2混合体のTG CHART (Ar 760,O2 760Torr)を示す図である。 Mixing Stability of BiPh3 & Sr[Ta(OEt)6]2(NMR)特性を示す図である。 BiPh3 TG-DTA CHART (O2760Torr)を示す図である。
1…原料溶液吐出器
2…分散部
3…気化管
4…反応室
11…原料溶液収容室
11a…ノズル孔
12…ケース
12a…圧電体
12b…ソレノイド
12c…加圧部材
13…原料溶液用配管
13a…溶液溜
14…第1の供給機構
14a、14b…バルブ
21…中空部
21a…噴射孔
21b…内壁
22…キャリアガス用配管
23…第2の供給機構
23a、23b…バルブ
24…高精度圧力計
25…ヒーター
26…断熱材
32…ヒーター
33、34…シャットバルブ
33a…配管
50…液滴
60…原料溶液吐出器
61…ケミカル供給源
62…溶剤供給源
62a、63a…配管
63…バルブ機構
64…溶液吐出機構
65…帯電電極
66…制御電極
66a…信号発生回路
67…ガター
67a…配管

Claims (8)

  1. CVD用の原料を溶剤に混合した原料溶液を収容する原料溶液収容室と、
    前記原料溶液収容室の壁材に形成され、前記原料溶液が吐出されるノズル孔と、
    前記原料溶液収容室の前記ノズル孔とは反対側に配置され、入力される信号に伴って直線運動する加圧部と、
    前記信号の発信を制御することにより、前記ノズル孔から吐出される前記原料溶液の量を制御する制御部と、
    前記ノズルから吐出された前記原料溶液をキャリアガス中に分散させる分散部と、
    前記分散部に前記キャリアガスを供給するキャリアガス通路と、
    前記分散部で分散された前記原料溶液を気化する気化部と、
    前記気化部と前記分散部を繋ぐ部分に形成され、前記分散部で分散された前記原料溶液を前記気化部に導入する細孔と
    を備え、
    前記原料溶液収容室と前記分散部とは前記原料溶液から前記溶剤が優先蒸発することを防ぐことができる略同一の圧力に保持されており、
    前記加圧部を直線運動させることにより前記原料溶液収容室内の体積を変化させ、前記原料溶液収容室内の圧力を高めることで、前記ノズル孔から前記原料溶液を液滴として吐出する
    ことを特徴とするCVD用気化器。
  2. 前記気化部は、前記原料溶液を気化するとき、前記分散部に対して減圧状態となり、前記原料溶液を前記分散部と前記気化部の間の気圧差に基づいて前記気化部に導入することにより該原料溶液を気化することを特徴とする請求項1に記載のCVD用気化器。
  3. 前記分散部を高温に加熱することにより前記原料溶液を前記分散部内で気化し、気化した前記原料溶液を前記分散部と前記気化部間の気圧差に基づいて前記気化部に導入することを特徴とする請求項1に記載のCVD用気化器。
  4. 前記原料溶液収容室を複数具備し、
    前記複数の原料溶液収容室のノズル孔それぞれは、互いに異なる原料溶液を前記分散部に吐出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のCVD用気化器。
  5. 前記原料溶液は、溶剤に固体または液体の原料を溶解した溶液であり、
    前記分散部に前記原料溶液とは別に前記溶剤を供給する溶剤供給部をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のCVD用気化器。
  6. 前記液滴を回収する回収部と、
    前記ノズル孔と前記回収部の間に位置し、前記液滴を帯電させる帯電電極と、
    前記帯電電極と前記回収部の間に位置し、信号に基づいて電界を発生させることにより、帯電した前記液滴の進路を外部方向に変更する制御電極と
    を具備することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のCVD用気化器。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のCVD用気化器を具備することを特徴とする溶液気化式CVD装置。
  8. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載のCVD用気化器と、
    前記CVD用気化器の気化部に接続された反応室と
    を具備し、
    前記気化部で気化された前記原料溶液を用いて成膜することを特徴とする溶液気化式CVD装置。
JP2004049177A 2004-02-13 2004-02-25 Cvd用気化器、溶液気化式cvd装置 Expired - Fee Related JP4590881B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004049177A JP4590881B2 (ja) 2004-02-13 2004-02-25 Cvd用気化器、溶液気化式cvd装置

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004036029 2004-02-13
JP2004049177A JP4590881B2 (ja) 2004-02-13 2004-02-25 Cvd用気化器、溶液気化式cvd装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005259723A JP2005259723A (ja) 2005-09-22
JP4590881B2 true JP4590881B2 (ja) 2010-12-01

Family

ID=35085200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004049177A Expired - Fee Related JP4590881B2 (ja) 2004-02-13 2004-02-25 Cvd用気化器、溶液気化式cvd装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4590881B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20080080154A (ko) 2005-12-29 2008-09-02 쓰리엠 이노베이티브 프로퍼티즈 컴파니 코팅 공정을 위한 물질의 분무화 방법
FR2900070B1 (fr) * 2006-04-19 2008-07-11 Kemstream Soc Par Actions Simp Dispositif d'introduction ou d'injection ou de pulverisation d'un melange de gaz vecteur et de composes liquides et procede de mise en oeuvre dudit dispositif.
KR101415664B1 (ko) * 2008-01-15 2014-07-07 주성엔지니어링(주) 기화기 및 기화기를 가지는 증착장치
EP2402480A4 (en) * 2009-02-24 2013-11-20 Ulvac Inc DEVICE FOR GENERATING ORGANIC COMPOUND VAPOR AND DEVICE FOR MAKING ORGANIC FINE MEMBRANE
JPWO2016170951A1 (ja) * 2015-04-21 2018-02-15 一般財団法人生産技術研究奨励会 微小液滴の生成方法及び生成装置、微小液滴の輸送方法及び輸送装置、並びに、微小液滴
KR102363117B1 (ko) * 2017-07-25 2022-02-15 가부시키가이샤 후지킨 유체 제어 장치
KR102553047B1 (ko) * 2020-08-28 2023-07-11 (주)지오엘리먼트 싸이클론 방식의 베이퍼라이저

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001127053A (ja) * 1999-10-29 2001-05-11 Hitachi Ltd 半導体の製造方法及び半導体製造装置
JP2002155365A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Fujikura Ltd Cvd用液体原料供給装置
JP2002217181A (ja) * 2001-01-19 2002-08-02 Japan Steel Works Ltd:The 半導体原料供給用気化器
JP2003347289A (ja) * 2002-05-24 2003-12-05 Stec Inc 気化器
JP2004119486A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置、及び半導体装置の製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001127053A (ja) * 1999-10-29 2001-05-11 Hitachi Ltd 半導体の製造方法及び半導体製造装置
JP2002155365A (ja) * 2000-11-16 2002-05-31 Fujikura Ltd Cvd用液体原料供給装置
JP2002217181A (ja) * 2001-01-19 2002-08-02 Japan Steel Works Ltd:The 半導体原料供給用気化器
JP2003347289A (ja) * 2002-05-24 2003-12-05 Stec Inc 気化器
JP2004119486A (ja) * 2002-09-24 2004-04-15 Hitachi Kokusai Electric Inc 基板処理装置、及び半導体装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005259723A (ja) 2005-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6805907B2 (en) Method and apparatus for vapor generation and film deposition
KR100654400B1 (ko) 용액 기화식 cvd 장치
US20040113289A1 (en) Carburetor, various types of devices using the carburetor, and method of vaporization
JP2004273766A (ja) 気化装置及びそれを用いた成膜装置並びに気化方法及び成膜方法
KR19990022638A (ko) 반응원 액체 공급 장치 및 이 장치를 구비하는화학 증착 장치
EP1492160A1 (en) Vaporizer, various devices using the same, and vaporizing method
WO2006098792A2 (en) High accuracy vapor generation and delivery for thin film deposition
JP4590881B2 (ja) Cvd用気化器、溶液気化式cvd装置
JPWO2003100840A1 (ja) 気化器及びそれを用いた各種装置並びに気化方法
JP2003273030A (ja) Cvd薄膜堆積の方法
WO1998055668A1 (en) Method and apparatus for vapor generation and film deposition
JP4019430B2 (ja) Cvd用気化器及び溶液気化式cvd装置
JP2001313288A (ja) 原料ガス供給装置
JP2008294147A (ja) 気化装置、及び、気化装置を備えた成膜装置
JP2006303534A (ja) Cvd用気化器、溶液気化式cvd装置及びcvd用気化方法
JPH11335845A (ja) 液体原料気化装置
JP3507425B2 (ja) 気化器
JP4019429B2 (ja) Cvd用気化器及び溶液気化式cvd装置
JP2005256107A (ja) 有機金属化学気相堆積装置用原料気化器
JPH10192681A (ja) 混合液供給装置
KR20040007439A (ko) 강유전체 박막, 금속 박막 또는 산화물 박막 및 그제조방법, 제조장치 그리고 상기 박막을 사용한전자·전기 디바이스
JP2004270005A (ja) 薄膜形成装置
JP2001011635A (ja) 液体材料気化装置
JP2005328085A (ja) Mocvd用気化器及び原料溶液の気化方法
JPH1074745A (ja) 液体原料気化装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060215

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060512

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100524

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100720

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100817

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100830

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees