JP4590576B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
一方、遊技機が設置される遊技店には多くの電気設備等が設けられてノイズが発生し易く、検出装置と制御装置を接続する信号ラインにノイズがのり易い環境に設置されることが多い。信号ラインにノイズがのった場合、検出装置が検出信号を出力していないにもかかわらず制御装置では検出装置から検出信号が出力されたものと判断することとなるため遊技機の誤動作の原因となる。したがって、信号ラインにのるノイズを除去する必要があり、そのための方法としては、一般的に信号ラインにコンデンサ等の素子で構成されるフィルタ回路を設けることが良く行われる(図18(a)参照)。
しかしながら、信号ラインにこのようなフィルタ回路を設けた場合に検出装置から検出信号が出力されると、この検出信号によってフィルタ回路のコンデンサに充電又は放電が生じる。したがって、図18(b)に示すようにフィルタ回路から出力される信号は時間経過に伴って徐々に変化することとなるが、この出力信号の時間的変化率(図18(b)に示す直線の傾き)は、コンデンサ素子によってばらつきが大きく一定とはならない。また、同一の特性を持つ素子を複数選別する作業は容易ではない。このため、出力信号を受信する各制御装置の受信素子の閾値が同一であっても、各制御装置で検出信号を受信するタイミングがずれてしまうこととなる。
複数の制御装置は、遊技機全体を制御するメイン制御装置と、払出装置を制御する賞球制御装置であり、複数の信号ラインのそれぞれは、停電検出部から出力される停電信号を伝送し、メイン制御装置と賞球制御装置のそれぞれは、停電検出部から出力される停電信号を受信すると所要の情報を保存する停電処理を実行する一方で、外部電源からの電力供給が回復すると、その保存した情報に基づいて制御を再開する復電処理を実行するCPUを有している。
メイン制御装置と賞球制御装置のそれぞれにおいて、その制御装置のCPUとその制御装置に接続されている信号ラインとの間にデジタルフィルタ回路が設けられている。各デジタルフィルタ回路は、そのデジタルフィルタ回路への入力信号の状態が所定の状態となり、その状態が所定期間維持されたときに、信号を出力するように構成されている。そして、各制御装置のCPUのノンマスカラブルインタラプト入力部とその制御装置に接続されている信号ラインとの間にデジタルフィルタ回路を設けることで、停電検出部から出力される停電信号が各制御装置のCPUのノンマスカラブルインタラプト入力部に同時に入力される。
なお、上記デジタルフィルタ回路では、入力信号の状態が変化してから(所定の状態となってから)所定期間経過したときに信号を出力するように構成されており、その出力される信号はOFF状態からON状態に瞬間的に切り替わる。このため、コンデンサ等のアナログ素子を使用したフィルタ回路で生じる出力信号の時間的変化率(立上がり時間、追従性等)のばらつき等の問題はなく、各制御装置のCPUのノンマスカラブルインタラプト入力部は同時にフィルタ回路から出力された信号を受信することができる。
なお、ここでいう「同時」とは、完全に同時ということではなく、各制御装置のCPUにおいて検出信号を受信するタイミングがずれるような場合であっても、そのようなずれが無視できるような場合(各制御装置のCPUの同期が図れるような場合)には、ここでいう「同時」に含まれる。
なお、前記クロック回路として熱に強い水晶振動子やVCO等を用いれば、高度に電装化された遊技機において特に有効である。高度に電装化された遊技機では遊技機に装備された各種電装装置から熱が発生し、クロック回路も加熱されるためである。
このような構成によれば、デジタルフィルタ回路と制御装置との間の信号ラインにノイズがのる可能性を低くすることができるとともに、デジタルフィルタ回路と制御装置が一つの基板上に実装されることで停電検出部と制御装置との間の配線作業や、これらの装置の遊技機本体への取付作業等を容易化することができる。
御部における処理のフローチャートであり、図11〜14は賞球制御部における処理のフローチャートであり、図15はメイン制御部における電源遮断時の処理のフローチャートであり、図16は賞球制御部における電源遮断時の処理のフローチャートであり、図17は通電回復時におけるメイン制御部及び賞球制御部における処理のフローチャートである。
図1に示すように、払出装置30は、パチンコ機10の裏面側に取付けられた裏セット板11に配設されている。この裏セット板11には、払出装置30の他に、パチンコ球を多数貯留するための球貯留タンク13、この球貯留タンク13に貯留されたパチンコ球を払出装置30に誘導する誘導レール14が設けられている。なお、上記誘導レール14は、図示していないが内外に2つの球通路が並列に形成されている。
上記回転球受け体34は、一つのパチンコ球を一時的に受け得る凹部(球受け部)34aがいくつも形成され(図では6カ所)、この球受け部34aに上部球誘導路31aを通行してきたパチンコ球が一球ずつ受け入れられる。この回転球受け体34は、モータ25(図示せず:ただし、図2に表示)により回転駆動される。このため、モータ25が回転することによって、球受け部34aに受け入れられたパチンコ球を一球ずつ規則的に下部球誘導路31bに落入させることができる。なお、既に述べたように回転球受け体34は2列(内外)に形成されているため、内外それぞれの回転球受け体34からパチンコ球が下部誘導路31bに排出される。この内と外の2つの回転球受け体34からパチンコ球が排出されるタイミングは、両回転球受け体34よりパチンコ球が同時に排出されないように調整されている。すなわち、内と外に設けた回転球受け体34が所定の角度だけ位相がずれて設けられることで、パチンコ球の排出タイミングがずれるように構成されている。
回転球受け体34から排出されたパチンコ球が落入する下部球誘導路31bの上流側部分は、賞球用球誘導路32aと貸し球用球誘導路32bとの二つに分かれている。そして、回転球受け体34の回転方向に応じて球受け部34aから排出・落下するパチンコ球が賞球用球誘導路32aに落入するか或いは貸し球用球誘導路32bに落入するかが決定される。
同様に、貸し球用球誘導路32bにも、当該誘導路を通行するパチンコ球を検出する貸し球検出センサ28(典型的には近接スイッチ)が設けられている。この貸し球検出センサ28も、内と外に2列に設けられた貸し球用球誘導路32bのそれぞれに設けられている。そして、貸し球用球誘導路32bをパチンコ球が通行した際に、貸し球検出信号を後述するメイン制御部100及び賞球制御部200に出力する。
払出装置30を制御する制御系は、図2に示すように、パチンコ機10全体を制御するメイン制御部100と、メイン制御部100と電気的に接続された賞球制御部200により構成される。これらメイン制御部100及び賞球制御部200は電源部120と電気的に接続され、この電源部120からメイン制御部100及び賞球制御部200に電力が供給されるように構成されている。
電圧変圧部140は、図3に示すようにAC24V電源の波形を整流する整流回路142a,142bと、整流回路142a,142bにより整流された脈流波形を平滑化する平滑回路(ダイオードD1,D2,D3,D4とコンデンサC1,C2,C3,C4で構成)と、平滑回路により平滑化された波形を定電圧化する定電圧回路IC1、IC2、IC3とで構成される。
このような電圧変圧部140において通常時には、定電圧回路IC1により生成される+5Vの信号がメイン制御部100及び賞球制御部200に対して供給される。また、停電等の通電遮断時においては、コンデンサC1に通電中に備蓄した電力が、メイン制御部100及び賞球制御部200に対して供給され、これにより各制御部100、200は通電遮断後の処理を行うことが可能となる。
さらに、定電圧回路IC1から出力される+5Vの信号は、並列に分離されてダイオードD5およびコンデンサC5を介して情報保存用出力端子VBBに接続される。そして、このコンデンサC5に備蓄した電力は、停電等の通電遮断時においてメイン制御部100及び賞球制御部200のRAMに供給され、RAMに記憶された情報が保持される。
また、停電検出部130は、交流電源ACの波形を整形(整流及びクリッピング等)を行い、その整形された波形の電圧を分圧し、その分圧された波形(パルス波)を検出し、パルス波が所定数欠けたときに停電信号を出力するように構成されている。
このメイン制御部100は、図2に示すように、CPU102と、CPU102とバス114を介して接続されるROM104、RAM106、入力処理回路108、通信制御回路112、及びフィルタ回路170(請求項にいうフィルタ回路)を有する。
CPU102は、ROM104に格納されている遊技制御プログラムを実行してパチンコ機10を制御する。この遊技制御プログラムには、賞球制御部200等の各制御部に送信するための各種コマンドの作成や各制御部へコマンドの送信を行うための制御プログラムが含まれる。
RAM106には、各種データや入出力信号が格納される。このRAM106には、後で説明するように、遊技盤の表側に設けられた各種入賞口に入賞したパチンコ球の数をカウントするための入賞個数カウンタ、この入賞個数カウンタに基づいて作成した賞球制御部200に送信するコマンド、このコマンドに基づいて賞球制御部200に払出しを命じたパチンコ球の数を積算する送信球数カウンタが記憶される。
また、入力処理回路108は、各種入賞口に入賞したパチンコ球を検出する一般入賞口センサ54、特定入賞口センサ56等のセンサ(典型的には近接スイッチ)から出力された信号を受けて、メイン制御部100内で処理可能なデータ形式に変換する機能を有する。この入力処理回路108には、払出装置30に設けた賞球検出センサ27、貸し球検出センサ28から出力される検出信号も入力するようになっている。通信制御回路112は、出力ポートに設定されたコマンド等を賞球制御部200等の各制御部に送信するための回路(汎用ロジックIC、PIO、トランジスタアレイ等で構成される)である。
なお、メイン制御部100では、上述したCPU102、ROM104、RAM106、入力処理回路108、通信制御回路112が1チップに集積化された電子素子(以下、単にCPU素子という)により構成される。
クロック回路150は、図4に示すように、高周波発振器151と、この高周波発振器151から出力された信号をさらに分周する2つのカウンタ回路155、157を中心に構成される。
すなわち、高周波発振器151(セイコーエプソン社製SG−531)は、水晶発振子とCMOSICとを一つの電子素子に集積化したもので、12MHzの信号を出力する。高周波発振器151から出力された信号は、4ビットバイナリカウンタ155のCK端子に入力する。
この4ビットバイナリカウンタ155(東芝社製74HC161)は、高周波発振器151から出力された信号(12MHz)を4MHzに分周する。すなわち、4ビットバイナリカウンタ155のCO端子から出力される信号は4MHzに分周されており、この信号はインバータ156を介して12段リプルカウンタ157のCK端子に入力する。
12段リプルカウンタ157(東芝社製74HC4040)は、4ビットバイナリカウンタ155から出力された信号(4MHz)を500kHzの信号に分周する。すなわち、12段リプルカウンタ157の3段目の出力端子Q3から出力される信号は500kHzに分周されており、この信号はノイズ除去回路160に出力される。
なお、クロック回路150には、さらにリセットIC152(三菱社製M51951)が備えられる。このリセットIC152は既述した電圧変圧部140からメイン制御部100に供給される信号の電圧が低下し、所定レベル以下となるとリセット信号を出力する。このリセット信号は、上述した4ビットバイナリカウンタ155、12段リプルカウンタ157等で受信され、これらの素子の機能を止める働きをする。
図5に示すように、ノイズ除去回路160は8ビットのシフトレジスタ162を中心に構成される。このシフトレジスタ162(東芝社製74HC164)は、そのA端子に停電検出部130から出力される停電信号が入力し、そのB端子は+5Vの電源線に接続され、そのCK端子には上記クロック回路150(12段リプルカウンタ157)から出力された信号(500kHz)が入力するようになっている。また、シフトレジスタ162の1番目の出力端子Qaはインバータ163を介して論理回路165の1番目の端子に接続され、また、2番目の出力端子Qbは論理回路165の2番目の端子に接続され、さらに、5番目の出力端子Qeはインバータ164を介して論理回路165の3番目の端子に接続されている。さらに、シフトレジスタ162の6番目の出力端子Qfはインバータ167を介してメイン制御部100のCPU素子のNMI端子に接続されている。
また、上記論理回路165の出力端子はインバータ166を介して論理回路161の3番目の端子に接続される。この論理回路161の1番目の端子は+5Vの電源線に接続されており、2番目の端子には前述のクロック回路150のリセットIC152から出力されるリセット信号が入力するようになっている。
上述したようなノイズ除去回路160の作用を、シフトレジスタ162のA端子に停電信号が入力する場合(図6の場合)と、シフトレジスタ162のA端子にノイズが入力する場合(図7に示す場合)を例として具体的に説明する。図6、図7には、上から順にクロック信号、シフトレジスタ162のA端子に入力する信号、同じくシフトレジスタ162のQa端子から出力され論理回路165に入力する信号、同じくシフトレジスタ162のQb端子から出力され論理回路165に入力する信号、同じくシフトレジスタ162のQe端子から出力され論理回路165に入力する信号、論理回路165から出力される信号、+5V電源線、リセットICから出力され論理回路161に入力する信号、論理回路161から出力されシフトレジスタ162のCLR端子に入力する信号、シフトレジスタ162のQf端子から出力されCPU素子のNMI端子に入力する信号を示している。
次に、シフトレジスタ162のA端子に停電信号(クロック信号6周期以上の長さの信号)が入力した場合の動作を説明する(図6の場合)。A端子に信号が入力すると次のクロック信号の立ち上がりと同時にA端子に入力した信号と同一波形の信号がQa端子から出力され、1周期遅れてQb端子から同一波形の信号が出力され、さらにQe端子から同一波形の信号が出力される。停電信号は所定の長さの信号であるため、Qf端子から信号が出力されるまでQa端子、Qb端子、Qf端子から出力される信号のレベルは変化せず、したがって、論理回路165から出力される信号の状態も変化しないこととなる。したがって、論理回路161から出力される信号のレベルも変化することがないためシフトレジスタ162がリセットされることも無く、シフトレジスタ162のQf端子から信号が出力される。この出力された信号は、CPU素子のNMI端子で受信されることとなる。
また、A端子に信号が入力してから所定周期後に信号が出力され(1→0)、その信号は瞬間的に1→0に変化する(ここでいう信号の変化は、インバータ167を通った後の信号の変化をいう。)。したがって、コンデンサ等を使用したアナログフィルタと異なり、信号が立ち上がるのに時間を要することはない。
なお、出力される信号は、A端子に信号が入力するタイミングによってクロック信号1周期分だけずれる可能性(図6の(1)又は(2)で出力される可能性)はあるが、クロック回路150の発振周波数が充分に高いので1クロック分のずれはほとんど問題がない。
CPU202は、ROM204に格納されている制御プログラムに従って払出装置30の賞球制御等を行う。RAM206には、各種データや入出力信号が格納される。このRAM206には、後で説明するように、メイン制御部100から送信されたコマンドを賞球数に変換して積算する賞球積算カウンタと、賞球積算カウンタと同様にメイン制御部100から送信されたコマンドを賞球数に変換して積算し、回転検出センサ29から出力された検出信号を受信すると1減算する賞球加減カウンタと、賞球検出センサ27から出力された検出信号を受信し、その受信した検出信号の数を積算する払出積算カウンタが記憶される。
入力処理回路210は、払出装置30に設けられた回転検出センサ29、貸し球検出センサ28、賞球検出センサ27から出力された検出信号を受信して、賞球制御部200内で処理可能なデータ形式に変換する機能を有する。
また、出力処理回路212は、モータ25を駆動するための駆動信号を出力する回路であり、通信制御回路208は、メイン制御部100から送信されたコマンドを受信するための回路である。なお、通電時に受信したコマンドを格納するコマンドバッファ(請求項にいう通電時受信コマンド記憶部に相当)と、停電信号受信時に受信したコマンドを格納するNMIコマンドバッファ(請求項にいう通電断時受信コマンド記憶部に相当)がRAM206に設けられている。
なお、賞球制御部200でも、メイン制御部100と同様、上述したCPU202、ROM204、RAM206、入力処理回路210、出力処理回路212、通信制御回路208が1チップに集積化された電子素子(以下、単にCPU素子ともいう)により構成される。
また、賞球制御部200に設けられたフィルタ回路214は、上述したメイン制御部100に設けられたフィルタ回路170と同一の回路であり、停電検出部130から出力された停電信号を受信し、上述した賞球制御部200におけるCPU素子のNMI端子に信号を出力する機能を有する。
電源投入されると、電源部120から上記各制御部100、200に通電が開始され、各制御部100、200に印可される電圧が所定の電圧となると次に説明する処理を開始する。まず、メイン制御部100の処理について、図8〜図10に基づいて説明する。
なお、メイン制御部100では、入賞口に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出処理、その入賞検出処理により検出した入賞に基づいて作成した賞球コマンドを賞球制御部200に送信するための賞球コマンド送信処理、及び、払出装置30から払出されたパチンコ球を検出する賞球検出処理等のようなコマンドや信号等の入出力処理は、メイン制御部100における通常の処理とは別に、メイン制御部100に設けたCTCカウンタによる所定周期(本実施の形態では、4ms)毎の割込み処理により行われる。そこで、まずはメイン制御部100の通常の処理について図8を参照して先に説明し、次いでCTCカウンタによる割込み処理(以下、単にCTC割込み処理という)について図9、図10を参照して説明する。
RAM消去スイッチが操作されていた場合〔ステップS02でYES〕にはステップS04に進み、RAM消去スイッチが操作されていない場合〔ステップS02でNOの場合〕には、次ぎにRAM106に異常があるかないかを判断する(S04)。すなわち、RAM106に保存した情報が何らかの原因で破壊されていた場合には、その情報を利用して処理を再開することができないので、まずRAM106の情報が利用できるか否かを判断する。具体的な方法としては、チェックサム値(RAM106の各レジスタの値を加算した加算値)が正常値と一致するか否かで判断する。RAM106に異常があった場合〔ステップS03でYESの場合〕にはステップS04に進み、RAM106に異常が無かった場合〔ステップS03でNOの場合〕には保存した情報に基づいて処理を再開する復電処理に移行する(S09)。なお、復電処理の内容については後で説明する。
ステップS04に進むと、メイン制御部100はRAM106に記憶した情報をクリアする。これによりメイン制御部100は、以下に説明するメイン処理に移行する。
出力データ作成処理が終了すると、次いでコマンド作成処理を行う(S06)。コマンド作成処理では、パチンコ機に装備された各種センサ(一般入賞センサ54、特定入賞センサ56、始動口センサ等)から出力された検出信号に基づいて、賞球制御部200、図柄制御部、音制御部、ランプ制御部等のサブ制御部に送信するコマンドを作成する。例えば、賞球制御部200には賞球の払出を命じる賞球コマンドを作成し、図柄制御部に対しては特別図柄の変動を命じる図柄変動コマンドを作成し、音制御部には効果音の発音を命じる効果音コマンドを作成し、ランプ制御部にはランプ装飾を命じるランプ点灯コマンドを作成する。ステップS06で作成されたコマンドは、CTC割込み処理により各制御部に送信される。なお、この各制御部へのコマンドの送信処理については、賞球制御部200へのコマンド送信を例に後で説明する。
コマンド作成処理が終了すると、次いで外部情報作成処理を行う(S07)。この外部情報作成処理では、大当り回数や確率変動中、球切れ報知等を遊技者、ホール店員等に報知するために報知装置(図柄表示装置、ランプ、スピーカ、外部コンピュータ等)に出力する情報の作成を行う。この作成された情報も、CTC割込み処理によりメイン制御部100より出力される。
次ぎに、ステップS08では乱数更新処理を行う。この乱数更新処理では、初期値乱数の作成・更新やハズレ図柄の作成・更新を行う。このステップS08の処理が終わると、ステップS05の処理に戻ってステップS05からステップS08までの処理を繰り返す。
図9(a)に示す入賞検出処理では、メイン制御部100は、まず入賞検出したか否かを判断する(S11)。具体的には、メイン制御部100の入力処理回路108に一般入賞口センサ54・特定入賞口センサ56から出力された信号を受信したか否かで判断する。これらの各センサ54、56から出力された検出信号を受信していない場合〔ステップS11でNOの場合〕には入賞検出処理を終了し、検出信号を受信している場合〔ステップS11でYESの場合〕には入賞個数カウンタにその入賞を記憶し(S32)、入賞検出処理を終了する。
図10に示すようにコマンド送信処理では、メイン制御部100は、まずCPU102の出力ポートに送信したいコマンドをセットする(S21)。次に、メイン制御部100は、賞球制御部200にコマンド受信処理を起動させるためのライト信号をONし、同時に賞球制御部200がメイン制御部100の出力ポートにセットしたコマンドを読取れるようにセレクト信号をONする(S22)。そして、しばらくその状態で待機した後(S23)、ライト信号をOFFして(S24)、さらに、読出しポインタを更新する(S25)。この読出しポインタは、送信するコマンドが複数ある場合等に、現在送信しているコマンドが何番目のコマンドであるかを管理するための情報である。これらの処理後、セレクト信号をOFF(S26)してコマンド送信処理を終了する。
このようにコマンド送信処理では、最初に出力ポートへのコマンドの設定が行われ、次にコマンドの送信開始(ライト信号・セレクト信号のON)が行われて、コマンドの送信が終了(セレクト信号のOFF)する。なお、本実施の形態でコマンドの送信開始から送信終了まで(セレクト信号がONされている時間)ある程度の時間を必要とするのは、コマンド受信処理を起動するためのライト信号が賞球制御部200のINT端子に入力するためである。すなわち、賞球制御部200においてコマンド受信処理が開始されるまでにある程度の時間が必要となるためである
上述した賞球コマンドの送信処理が終了すると、次ぎに送信球積算カウンタに送信球数を積算し(S15)、さらに入賞個数カウンタから減算を行って(S16)、賞球コマンド送信処理を終了する。したがって、入賞個数カウンタに記憶値がある場合には、その記憶値が0となるまで賞球コマンドが賞球制御部200に送信され、同時に、その送信によって賞球制御部200に命じた払出数が送信球積算カウンタに加算されることとなる。
賞球検出センサ27で賞球を検出していない場合〔ステップS17でNOの場合〕には賞球検出処理を終了し、賞球検出センサ27で賞球を検出している場合〔ステップS17でYESの場合〕には送信球数積算カウンタより検出したパチンコ球の数を減算する(S18)。そして、その送信球積算カウンタの値が0以上か否かを判断する(S19)。送信球数カウンタの値が0以上である場合〔ステップS19がYESの場合〕には賞球検出処理を終了する。一方、送信球数カウンタの値が0以上でない場合〔ステップS19がNOの場合〕には、払出装置30より余分にパチンコ球が払出されている異常な事態であるため、異常ランプを点灯することによりホール店員等に異常を報知する(S20)。
また、メイン制御部100では、賞球制御部200に賞球コマンドを送信する毎に送信球数積算カウンタに送信球数を積算し、払出装置30に設けた賞球検出センサ27から出力された検出信号を受信する毎に送信球数積算カウンタから払出球数を減算する。そして、この送信積算カウンタの値により、送信球数より多くの払出球数が払出される異常な場合(例えば、払出装置30の故障)を判断することとしている。
次ぎに、賞球制御部200の動作について、図11〜図14に基づいて説明する。なお、賞球制御部200においては、メイン制御部100から出力されたライト信号(INT端子入力)による割込み処理によりメイン制御部100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信処理が行われ、また、駆動モータ25を駆動するための駆動信号を出力する処理や、回転検出センサ29、賞球検出センサ27等のセンサから出力された検出信号を受信する処理等のような信号の入出力処理は、賞球制御部200に設けたCTCカウンタによる所定周期(本実施の形態では、4ms)毎の割込み処理により行われる。そこで、まずは賞球制御部200における通常の処理について図11、図12を参照して先に説明し、次いでコマンド受信処理やCTCカウンタによる割込み処理(以下、単にCTC割込み処理という)について図13、図14を参照して説明する。
そして、RAM206に異常があった場合〔ステップS29でYESの場合〕にはステップS30に進み、RAM206に異常が無かった場合〔ステップS29でNOの場合〕には保存した情報に基づいて処理を再開する復電処理に移行する(S36)。この賞球制御部200における復電処理についても、後で詳述する。
ステップS30では、賞球制御部200はRAM206に記憶した情報をクリアし、以下に説明するメインの処理に移行する。
図12に示すようにコマンド解析処理では、まずセレクト信号がONされているか否かを判断する(S36)。すなわち、メイン制御部100がコマンド送信処理中であるか否かを判断する。
セレクト信号がONされている場合〔ステップS36でYESの場合〕にはそのままコマンド解析処理を終了し、セレクト信号がONされていない場合〔ステップS36でNOの場合〕には、次にNMIコマンドバッファの値が0か否かを判断する(S37)。すなわち、本実施の形態では、通電時に受信したコマンドを記憶するコマンドバッファと、停電信号を受信した時にCPU202の入力ポートに受信しているコマンドを記憶するNMIコマンドバッファがRAM206内に設けられている。したがって、停電が発生するタイミング(停電前にコマンドをコマンドバッファに取込んでいる場合等)によっては、これら二つのコマンドバッファに同一のコマンドが格納されていることとなる。このため、本実施の形態では同一コマンドの二度読みを防止するため、NMIコマンドバッファのコマンドを優先する(コマンドバッファのデータを無効とする)こととしている。したがって、セレクト信号の状態を確認した後、ステップS37の処理でまずNMIコマンドバッファが0か否かが判断される。
コマンド読込ポインタの値とコマンド書込ポインタの値が一致する場合〔ステップS38でYESの場合〕には、既にコマンド解析が終了しているので、そのままコマンド解析処理を終了する。逆にコマンド読込ポインタの値とコマンド書込ポインタの値が一致しない場合〔ステップS38でNOの場合〕には、コマンドバッファの値を解析し(S39)、コマンド読込ポインタの値を1更新しさらにコマンドバッファの値を0クリアして(S40)、コマンド解析処理を終了する。
ステップS42が終わると、最後にNMIコマンドバッファの値を0クリアしてコマンド解析処理を終了する。
図13に示すコマンド受信処理では、まず賞球制御部200のCPU202がコマンド受信処理を行うために必要な領域を確保するため、所定のレジスタの内容を他の場所に退避させる(S44)。次に、ステップS44で確保した領域に入力ポートのコマンドを入力し(S45)、そして、セレクト信号がONとなっているかどうかを判断する(S46)。
セレクト信号がONとなっていない場合〔ステップS46でNOの場合〕には、メイン制御部100が送信状態になっていないためステップS49の処理に進む。逆に、セレクト信号がONとなっている場合〔ステップS46でYESの場合〕には、ステップS45で入力したコマンドをコマンドバッファに格納する(S47)。次いで書込ポインタの値を更新し(S48)、ステップS49に進む。ステップS49では、ステップS44の処理で退避したレジスタを元に復帰させる(S49)。これによりコマンド受信処理を終了する。
駆動信号を出力すると、次に払出装置30からパチンコ球が払出されたか否かを判断する(S51)。具体的には、賞球検出センサ27でパチンコ球を検出することにより出力される検出信号を、賞球制御部200で受信したか否かで判断する。検出信号を受信していない場合〔ステップS51でNOの場合〕にはステップS53に進み、検出信号を受信している場合〔ステップS51でYESの場合〕には、払出積算カウンタに検出したパチンコ球数を加算する(S52)。
次ぎに、賞球制御部200は、払出装置30の回転球受け体34が所定角度回転したか否かを判断する(S53)。具体的には、払出装置30に設けた回転検出センサ29から出力された検出信号を、賞球制御部200が受信したか否かで判断する。
回転検出センサ29から出力された検出信号を賞球制御部200で受信した場合〔ステップS53でYESの場合〕には賞球加減カウンタから1減算し(S54)、次に賞球加減カウンタが0以上か否かを判断する(S55)。賞球加減カウンタが0より大きい場合〔ステップS55でYESの場合〕には、払出すべき賞球がまだ払出されていないので、ステップS50に戻ってステップS50からの処理を繰り返す。逆に、賞球加減カウンタが0以下の場合〔ステップS55でNOの場合〕には、ステップS56に進む。
一方、回転検出センサ29から出力された検出信号を賞球制御部200が受信していない場合〔ステップS53でNOの場合〕には、ステップS50の駆動信号を出力してから所定時間が経過したか否かが判断される(S60)。所定時間経過していない場合〔ステップS60でNOの場合〕には、ステップS50に戻り、所定時間が経過するまでステップS53までの処理を繰り返す。逆に、所定時間が経過している場合〔ステップS60でYESの場合〕には、球ガミ処理を行う(S61)。すなわち、ステップS50で駆動信号を出力してから所定時間経過しても回転検出センサ29から出力される検出信号を受信できない場合は、何らかの原因でパチンコ球が噛み込んで回転球受け体34が回転できない状態であると考えられる。このため、モータ25を交互に回転させる処理(球ガミ処理)を行うことで球ガミ状態を解消する。球ガミ処理が終わると、再度ステップS50に戻って上述した処理を繰り返す。
賞球加減カウンタの値が0の場合〔ステップS56でYESの場合〕には、モータ25を停止させ(S57)、賞球積算カウンタの値と払出積算カウンタの値が一致するか否かを判断する(S58)。賞球積算カウンタの値と払出積算カウンタの値が一致する場合〔ステップS58でYESの場合〕には入出力処理を終了し、賞球積算カウンタの値と払出積算カウンタの値が不一致の場合〔ステップS58でNOの場合〕には、払出すべき賞球が実際には払出されていない状態なので、賞球積算カウンタの値と払出積算カウンタの値が一致するまで賞球を払出す処理(リトライ処理)を行う(S59)。
このコマンドを受信する賞球制御部200では、コマンドバッファにコマンドを格納した(書込んだ)ときに書込みポインタを更新し、この書込んだコマンドを解析したときに読込ポインタを更新する。そして、書込ポインタと読込ポインタが一致するようコマンド解析処理することによって、コマンドバッファに格納したデータが二度解析されることを防止している。
また、賞球制御部200では、メイン制御部100から送信されたコマンドにより規定される払出球数を賞球加減カウンタに加算する。そして、回転検出センサ29から出力された検出信号を受信する毎に賞球加減カウンタの値を減算し、賞球加減カウンタの値が0となるまで払出装置30のモータ25を駆動する。これにより、メイン制御部100から送信されたコマンドにより規定される賞球数だけパチンコ球が払出されるよう払出装置30のモータ25が回転される。
さらに、賞球制御部200では、メイン制御部100から送信されたコマンドにより規定される払出球数を賞球積算カウンタに加算し、一方、払出装置30から払出されたパチンコ球を賞球検出センサ27で検出し、その検出信号を払出積算カウンタに積算する。そして、賞球積算カウンタと払出積算カウンタの値が一致するまで、払出装置30からパチンコ球が払出されるように制御する(図14のステップS59のリトライ処理)。したがって、何らかの原因で回転球受け体34が回転したにもかかわらず、パチンコ球が払出されないことによって未払い状態となることを防止することができる。
次に、停電や不意の電源OFFによりパチンコ機10への電源供給が遮断された時のパチンコ機10の動作を説明する。
外部電源からパチンコ機10への電源供給が遮断されると、電源部120に設けられた停電検出部130からメイン制御部100及び賞球制御部200に向かって停電信号が出力される。停電検出部130から出力された停電信号は、メイン制御部100及び賞球制御部200に設けられたフィルタ回路170、214にそれぞれ入力する。このフィルタ回路170、214は、既に説明したように構成されているため、フィルタ回路170、214に停電信号が入力してから所定タイミング(フィルタ回路170,214のクロック信号の6(又は7)番目のクロック信号の立ち上がるタイミング)でフィルタ回路170、214から信号が出力される。したがって、フィルタ回路170、214から出力された信号は、メイン制御部100及び賞球制御部200のNMI端子(ノンマスカラブルインタラプト端子)に略同時に入力し、これらの制御部では以下に説明する停電処理が行われる。
なお、停電信号出力後の所定時間(以下に説明する停電処理を行うために必要となる時間)のあいだメイン制御部100及び賞球制御部200に対して供給される電力は、既に述べたように電源部120のコンデンサC1に通電時に蓄えられた電力により賄われる。
図15に示すように、メイン制御部100はRAM106のレジスタ及びスタックポインタをRAM106の所定の領域に記憶させる(S60)。次ぎに、停電が復帰したときの処理のために、停電信号受信時にCPU102の出力ポートに設定されているコマンドをRAM106の所定のアドレスに記憶する(S61)。
そして、停電信号出力後に賞球検出センサ27から出力される検出信号を監視しなければならない時間を規定するカウント値をRAM106の所定のレジスタにセットし(S62)、このセットしたカウント値だけカウントダウンを開始する。なお、ステップS62でセットされるカウント値により規定される時間は、払出装置30の機械的特性、すなわち、モータ25に駆動信号を出力してから、賞球検出センサ27でパチンコ球を検出するまでに要する時間を考慮して決められている。
カウントダウンが開始されると、次ぎに内側の賞球用球誘導路32aに設けた賞球センサ27から出力された検出信号を賞球制御部200が受信したか否かを判断する(S63)。検出信号を受信している場合〔ステップS63でYESの場合〕には送信球数積算カウンタの値を1減算し(S64)、検出信号を受信していない場合〔ステップS63でNOの場合〕にはステップS65に進む。
ステップS65では、外側の賞球用球誘導路32aに設けた賞球センサ27から出力された検出信号を賞球制御部200が受信したか否かを判断する(S65)。検出信号を受信している場合〔ステップS65でYESの場合〕には送信球数積算カウンタの値を1減算し(S66)、検出信号を受信していない場合〔ステップS65でNOの場合〕にはステップS67に進む。
ステップS67では、停電信号を受信してから所定の時間が経過したか否かが判断される(S67)。具体的には、上記ステップS62でカウントを開始したカウント値が所定の値(本実施形態では、カウント値が0)となったか否かで判断する。そして、所定時間が経過していない場合〔ステップS67でNOの場合〕には、ステップS63の処理に戻りステップS63からの処理を繰り返す。
逆に、所定時間が経過している場合〔ステップS67でYESの場合〕には、次の処理に進み、チェックサム値を算出する(S68)。すなわち、RAM106の各レジスタの値を加算することでチェックサム値を求める。チェックサム値が算出されると、そのチェックサム値がRAM106の所定のアドレスに記憶され(S69)、RAM106へのアクセスが禁止される(S70)。これにより電源遮断時におけるメイン制御部100の処理が終了する。
なお、通電遮断時においてはRAM106には、別途電源部120に設けた情報保存用電源(コンデンサC5により構成)から電力が供給され、RAM106に記憶した情報が所定時間保持される。
ただし、メイン制御部100ではCPU102の出力ポートに設定されているコマンドを記憶し、これを通電が回復するまでのあいだ保存するのに対して、賞球制御部200では停電信号受信時にCPU202の入力ポートに受信しているコマンドがあれば、そのコマンドをRAM206内のNMIコマンドバッファに記憶し、通電が回復するまでのあいだ保存する点で異なる。
すなわち、図16に示すように、賞球制御部200の電源遮断時の処理では、ステップS72で監視時間がセットされた後、まずセレクト信号がONとなっているか否かが判断される(S73)。セレクト信号がONとなっていない場合〔ステップS73でNOの場合〕には、メイン制御部100がコマンドを送信している状態ではないためステップS75の処理に進む。逆に、セレクト信号がONとなっている場合〔ステップS73でYESの場合〕には、入力ポートに受信しているコマンドをNMIコマンドバッファに格納(書込み)する(S74)。後は、メイン制御部100と同様の手順で賞球検出等の所定の処理を行い、賞球制御部200における電源遮断時の処理を終了する。
また、メイン制御部100では、停電信号受信時にCPU102の出力ポートに設定しているコマンドを通電が回復するまでのあいだ記憶・保持し、また、賞球制御部200では、停電信号受信時にメイン制御部100が送信処理を行っているか否かを判断し、送信処理を行っている場合にはCPU202の入力ポートに受信しているコマンドをRAM206内のNMIコマンドバッファに記憶・保持する。停電中保持されるこれらのコマンドは、次に説明する通電回復時の処理に用いられる。
さらに、メイン制御部100及び賞球制御部200は略同時にNMI端子に停電信号を受信し、略同時に上述した電源断時の処理を開始する。したがって、電源断時の処理で保存される情報(図15のステップS60、図16のステップS71)も略同時に保存されるため、通電回復時に両制御部で再開される処理に食い違いが生ずることを防止することができる。
次に、上述した電源遮断時における処理によりRAM106、206等に保存した情報を利用して処理を再開する際のメイン制御部100及び賞球制御部200の処理について、図17を参照して説明する。
本実施の形態に係るパチンコ機10において保存した情報を利用して電源遮断時の状態から遊技を再開する場合には、RAM消去スイッチを操作することなくパチンコ機10への電源投入を行う。
図17(a)に示すように、メイン制御部100は、まずスタックポインタを復帰させる(S84)。具体的には、電源遮断時の処理(図15に示すステップS60の処理)によりRAM106の所定の領域に記憶したスタックポインタを元の領域に復帰させる。次ぎに、停電信号受信時にCPU102の出力ポートに設定されていたコマンドを、出力ポートに再設定する(S85)。具体的には、電源遮断時の処理(図15に示すステップS61の処理)により格納したコマンドを出力ポートに再設定する。そして、電源遮断時の処理(図15に示すステップS60の処理)により記憶した全てのレジスタの内容を復帰する(S13)。したがって、スタックポインタ、レジスタ及び出力ポートの状態が電源遮断時の状態に回復されるため、メイン制御部100は電源遮断時(停電信号受信時)から処理を再開する。このため、例えば、コマンド設定後でライト信号・セレクト信号をONする前に停電となった場合には、通電回復時にライト信号・セレクト信号がONされ、ステップS85で設定されたコマンドが賞球制御部200に再送信されることとなる。
復電処理では、図17(b)に示すように、電源遮断時の処理(図16のステップS71の処理)で記憶したスタックポインタを復帰させ(S90)、次いで電源遮断時の処理(図16のステップS71の処理)で記憶した全てのレジスタを回復する(S91)。したがって、スタックポインタ及びレジスタの内容が電源遮断時の状態に回復されるため、賞球制御部200は電源遮断時から処理が再開される。
ここで、停電発生時(停電信号受信時)にメイン制御部100がコマンド送信中(セレクト信号ON状態)であれば、賞球制御部200は、電源遮断時の処理において入力ポートに受信したコマンドをNMIコマンドバッファに保存している。したがって、通電回復時における最初のコマンド解析処理(図12参照)においては、NMIコマンドバッファに保持されているコマンドが処理される。したがって、コマンド送信中に停電等が発生しても、その送信中のコマンドは賞球制御部200において確実に処理される。また、停電発生前に賞球制御部200のコマンドバッファに格納(書込み)されている場合には、NMIコマンドバッファに記憶したコマンドを優先することによりコマンドの二度読みを防止している。
また、本実施の形態に係るパチンコ機10では、メイン制御部100及び賞球制御部200の両者に設けたフィルタ回路170,214によりノイズが除去されるため、メイン制御部100及び賞球制御部200がノイズ等により誤って電源断時の処理を開始してしまうことを防止することができる。
また、当然のことながら、各制御部に検出信号を出力する検出装置としては、上述した実施形態に示す停電検出装置には限られず、例えば、検出装置を枠開放センサとして、この枠開放センサから出力された検出信号に基づいて各制御部(メイン制御部100、賞球制御部200等)を緊急停止する場合等にも利用することができる。
27・・賞球検出センサ
29・・回転検出センサ
30・・払出装置
34・・回転球受け体
100・・メイン制御部
200・・賞球制御部
Claims (3)
- 外部電源から電力が供給される電源部と、
電源部に設けられ、外部電源からの電力の供給が遮断されたことを検出する停電検出部と、
電源部から電力が供給されると共に、停電検出部から出力される停電信号を受信する複数の制御装置と、
停電検出部と複数の制御装置のそれぞれとを接続する複数の信号ラインを備えており、
前記複数の制御装置は、遊技機全体を制御するメイン制御装置と、払出装置を制御する賞球制御装置であり、
複数の信号ラインのそれぞれは、停電検出部から出力される停電信号を伝送し、
メイン制御装置と賞球制御装置のそれぞれは、停電検出部から出力される停電信号を受信すると所要の情報を保存する停電処理を実行する一方で、外部電源からの電力供給が回復すると、その保存した情報に基づいて制御を再開する復電処理を実行するCPUを有しており、
メイン制御装置と賞球制御装置のそれぞれにおいて、その制御装置のCPUとその制御装置に接続されている信号ラインとの間にデジタルフィルタ回路が設けられており、各デジタルフィルタ回路は、そのデジタルフィルタ回路への入力信号の状態が所定の状態となり、その状態が所定期間維持されたときに、信号を出力するように構成されており、
各制御装置のCPUのノンマスカラブルインタラプト入力部とその制御装置に接続されている信号ラインとの間にデジタルフィルタ回路を設けることで、停電検出部から出力される停電信号が各制御装置のCPUのノンマスカラブルインタラプト入力部に同時に入力されることを特徴とする遊技機。 - デジタルフィルタ回路は、発振回路と、その発振回路から出力される信号を分周する分周回路と、分周回路から出力される分周信号に基づいて、入力する信号からノイズを除去するノイズ除去回路と、電源部から供給される電力の電圧が低下して所定レベル以下となると、ノイズ除去回路にリセット信号を出力するリセット回路と、を有しており、
ノイズ除去回路は、当該ノイズ除去回路への入力信号の状態が所定の状態となり、その状態が所定期間維持されたときに、信号を出力するように構成されると共に、電源部から制御装置に供給される電力の電圧が低下して所定レベル以下となると、CPUへの信号の出力を停止するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 外部電源から電力が供給される電源部と、
電源部に設けられ、外部電源からの電力の供給が遮断されたことを検出する停電検出部と、
電源部から電力が供給されると共に、停電検出部から出力される停電信号を受信する複数の制御装置と、
停電検出部と複数の制御装置のそれぞれとを接続する複数の信号ラインを備えており、
前記複数の制御装置は、遊技機全体を制御するメイン制御装置と、払出装置を制御する賞球制御装置であり、
複数の信号ラインのそれぞれは、停電検出部から出力される停電信号を伝送し、
メイン制御装置と賞球制御装置のそれぞれは、停電検出部から出力される停電信号を受信すると所要の情報を保存する停電処理を実行する一方で、外部電源からの電力供給が回復すると、その保存した情報に基づいて制御を再開する復電処理を実行するCPUを有しており、
メイン制御装置と賞球制御装置のそれぞれにおいて、その制御装置のCPUとその制御装置に接続されている信号ラインとの間にデジタルフィルタ回路が設けられており、
各デジタルフィルタ回路は、
発振回路と、
その発振回路から出力される信号を分周する分周回路と、
分周回路から出力される分周信号に基づいて、入力する信号からノイズを除去するノイズ除去回路と、
電源部から供給される電力の電圧が低下して所定レベル以下となると、ノイズ除去回路にリセット信号を出力するリセット回路と、を有しており、
各ノイズ除去回路は、当該ノイズ除去回路への入力信号の状態が所定の状態となり、その状態が所定期間維持されたときに、CPUに信号を出力するように構成されると共に、電源部から制御装置に供給される電力の電圧が低下して所定レベル以下となると、CPUへの信号の出力を停止するよう構成されており、
各制御装置のCPUとその制御装置に接続されている信号ラインとの間にデジタルフィルタ回路を設けることで、停電検出部から出力される停電信号が各制御装置のCPUに同時に入力されることを特徴とする遊技機。
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