JP4590391B2 - 電流センサおよび電流センサのオフセット除去方法 - Google Patents

電流センサおよび電流センサのオフセット除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、ホール素子を用いた電流センサおよび電流センサのオフセット除去方法に関する。
磁気−電気変換機能を持つホール素子は、電気的絶縁を必要とする電流センサとして利用され、測定回路に比べて高電圧になる線路や各種電気機器のライン電流を検出するために、ギャップを有するコアを介してライン電流で発生する磁界の強さを電圧に変換して電流検出信号として取り出すものである。しかし、このホール素子には、部品較差、固体差等に伴う固有のオフセットが存在し、このオフセットは、さらに感度のバラツキや温度変化等の環境的な要因によって変化する特性を有している。
そのため、こうしたオフセットを除去する方法として、ホール素子の出力を予め測定し、オフセットレベルが規定値に合うように予めトリミングを行い調整する方法がある。しかしながら、この方法は、応答速度が速いという利点を有するものの、径時変化にともなう特性の劣化や環境温度の変化等の要因によって、一度調整したオフセット値がずれてしまうという問題がある。
そのため、上記の問題に対応するために、動的にホール素子のオフセットを除去する方法として、ホール素子に印加する駆動電圧の極性を切り替えて、出力された信号の差分値を得ることにより、ホール素子のオフセットを除去する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−300303号公報
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、電源の極性を切り替えるための時間や出力信号が安定するまでの時間、演算に必要な時間等が制約となり、電源の極性を切り替える周波数を上げることに限界があったために、応答性が悪いという問題があった。
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、応答性に優れた動的なオフセット除去を可能とする電流センサおよび電流センサのオフセット除去方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために以下の事項を提案している。
(1)本発明は、ホール素子を用いた電流センサであって、第1のホール素子を定電流源で駆動し、少なくとも所定周波数より高い高域成分と、少なくとも前記所定周波数より低い低域成分とを含む第1のセンサ信号を抽出するセンサ信号抽出手段と、該第1のセンサ信号から、前記所定周波数より低い周波数帯域を通過させる周波数特性を有する第1の低域通過フィルタによりオフセットを含んだ第1の低域成分信号を抽出する第1の低域成分抽出手段と、前記第1のセンサ信号から前記第1の低域成分信号を減じて、第1の信号を抽出する第1の信号抽出手段と、第2のホール素子に極性を切り替えて電源を供給し、前記第2のホール素子から出力される、前記高域成分と前記低域成分とを含む第2のセンサ信号から、前記高域成分及びオフセットが除去された第2の信号を抽出する第2の信号抽出手段と、前記第1の信号と前記第2の信号とを合成して出力信号を生成する出力信号生成手段と、を備えたことを特徴とする電流センサを提案している。
この発明によれば、第1のセンサ信号から低域通過フィルタによりオフセットを含んだ第1の低域成分信号を抽出し、第1のセンサ信号から第1の低域成分信号を減算することにより第1の信号を得る。そして、この第1の信号とオフセットが除去された第2の信号とを合成することにより出力信号を生成する。したがって、電源の極性を切り換えて駆動するホール素子から低域成分の信号を検出し、定電流源で駆動されるホール素子から高域成分の信号を検出して、この抽出した低域成分の信号と高域成分の信号とを合成することによりオフセット出力の除去と応答特性の改善を図ることができる。
(2)本発明は、(1)の電流センサについて、前記第2の信号抽出手段が、切り替えられる電源の極性に対応して、前記第2のセンサ信号をサンプルホールドするサンプルホールド回路(例えば、図1のサンプルホールド回路(SH2+、SH2−)9、10に相当)を備え、前記第2のセンサ信号から除去される高域成分は、前記サンプルホールド回路の周波数応答に起因して欠落する周波数成分を含む、ことを特徴とする電流センサを提案している。
この発明によれば、切り替えられる電源の極性に対応して、第2のホール素子からの出力信号をサンプルホールドするサンプルホールド回路を設けたことから、正の極性に対応したサンプルホールド回路のサンプルホールド値から負の極性に対応したサンプルホールド回路のサンプルホールド値を減算することにより、オフセットを含まない第2のホール素子のセンサ信号を得ることができる。また、サンプルホールド回路は、サンプルホールド中には、信号を受け付けないことから、周波数応答が悪く、出力される信号の高周波特性が悪化するために、原信号に対して、高周波成分が欠落した信号となるが、高周波成分を含んだ第1の信号と合成することにより、こうした問題を解消することができる。
本発明は、(2)の電流センサについて、前記第2の信号抽出手段が、前記サンプルホールド回路の後段に、前記第1の低域通過フィルタの前記周波数帯域と同様の周波数特性を有する第2の低域通過フィルタ(例えば、図2のLPF11に相当)を備えたことを特徴とする電流センサを提案している。
この発明によれば、サンプルホールド回路の出力信号から高周波のノイズを除去する第2の低域成分抽出手段を設けたことから、例えば、サンプルホールド回路のサンプリング周期に伴う高周波のノイズ(チョッパノイズ)を除去することにより滑らかなセンサ信号を得ることができる。
(4)本発明は、(3)の電流センサについて、前記第1の低域成分抽出手段が、前記センサ信号抽出手段と前記第1の低域通過フィルタとの間に、前記サンプルホールド回路と同一の構成を有するサンプルホールド回路(例えば、図3のサンプルホールド回路(SH1+、SH−)12、13に相当)を備えたことを特徴とする電流センサを提案している。
この発明によれば、センサ信号抽出手段と低域通過フィルタとの間に、さらに、サンプルホールド回路と同一の構成を有するサンプルホールド回路を備えたことから、サンプルホールド回路およびノイズ除去手段による第2の信号の信号に対する第1の信号の位相遅れを解消することができる。
(5)本発明は、ホール素子を用いた電流センサのオフセット除去方法であって、第1のホール素子を定電流源で駆動し、少なくとも所定周波数より高い高域成分と、少なくとも前記所定周波数より低い低域成分とを含む第1のセンサ信号を抽出するとともに、該第1のセンサ信号から、前記所定周波数以下の周波数帯域を通過させる周波数特性を有する低域通過フィルタによりオフセットを含んだ第1の低域成分信号を抽出する第1のステップ(例えば、図5のステップS101に相当)と、前記第1のセンサ信号から前記第1の低域成分信号を減じて、第1の信号を抽出する第2のステップ(例えば、図5のステップS102に相当)と、第2のホール素子に極性を切り替えて電源を供給し、前記第2のホール素子から出力される、前記高域成分と前記低域成分とを含む第2のセンサ信号から、前記高域成分及びオフセットが除去された第2の信号を抽出する第3のステップ(例えば、図5のステップS103、104に相当)と、前記第1の信号と前記第2の信号とを合成して出力信号を生成する第4のステップ(例えば、図5のステップS105に相当)と、を有することを特徴とする電流センサのオフセット除去方法を提案している。
この発明によれば、第1のホール素子を定電流源で駆動し、第1のセンサ信号を抽出するとともに、該第1のセンサ信号から低域通過フィルタによりオフセットを含んだ第1の低域成分信号を抽出し、第1のセンサ信号から第1の低域成分信号を減じて、第1の信号を抽出する。そして、第2のホール素子に極性を切り替えて電源を供給し、第2のホール素子から出力される第2のセンサ信号からオフセットが除去された第2の信号を抽出し、第1の信号と第2の信号とを合成して出力信号を生成する。したがって、(1)と同様の作用が期待できる。
本発明によれば、ホール素子のオフセット除去に関して、応答性に優れた動的なオフセット除去を実現できるという効果がある。また、オフセットを適切に除去しつつ、原信号と同等の周波数特性を有する出力信号を得ることができるという効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態に係る電流センサの回路構成を示している。
ホール素子2は、例えば、十字形をなし、相対向する電流端子2a、2bと相対向するホール端子2c、2dの4つの端子が設けられており、電流端子2aは定電流源1に、電流端子2bはグランドに、ホール端子2cは差動増幅器3aの正端子に、ホール端子2dは差動増幅器3aの負端子に接続されている。
差動増幅器3aの出力端子は、LPF(Low Pass Filter)4および減算器5aに接続され、LPF4の出力も減算器5aに接続されている。また、減算器5aの出力は、加算器6に接続されている。
一方、スイッチ回路網7は、4つのスイッチSa、Sb、Sc、Sdからなっている。スイッチSaは、一端が定電流源20に、他端がホール素子8の電流端子8aに接続され、スイッチSbは、一端がグランドに、他端がホール素子8の電流端子8aに接続され、スイッチScは、一端が定電流源20に、他端がホール素子8の電流端子8bに接続され、スイッチSdは、一端がグランドに、他端がホール素子8の電流端子8bに接続されている。
ホール素子8のホール端子8cは、差動増幅器3bの正端子に、ホール端子8dは、差動増幅器3bの負端子に接続されている。また、差動増幅器3bの出力端子は、サンプルホールド回路9、10に接続されている。
サンプルホールド回路9の出力端子およびサンプルホールド回路10の出力端子は、ともに減算器5bに接続され、減算器5bの出力は、加算器6に接続されている。そして、加算器6の出力端子が電流センサの信号出力端子となっている。
ここで、定電流源1、20は、一定の電流を供給する電源であり、スイッチ回路網7は、図示しない制御部により、定電流源20から供給される電流の極性を切り替えてホール素子8に供給する。ホール素子2、8は、磁気を電気信号に変換する素子であり、差動増幅器3a、3bは、入力される信号の差分を増幅して出力する増幅器である。また、サンプルホールド回路9、10は、入力信号を所定のサンプリング周波数でサンプリングし、サンプリングした値を一時的に保持する回路である。なお、差動増幅器3a、3bのゲインについては、適切なゲインに設定されているものとする。
次に、図1、図4および図5を用いて、本実施形態に係る電流センサの動作について説明する。
まず、ホール素子2、8にリファレンス信号として、図4(1)に示す信号を入力する。電流端子2aに定電流源1、電流端子2bにグランドが接続されたホール素子2は、ホール端子2c、2dからの出力信号(HE1+、HE1−)を差動増幅器3aに入力し、差動増幅器3aは、図4(2)に示されるような信号を出力する。
差動増幅器3aからの信号出力(HE1Sig)は、減算器5aに入力される一方で、LPF4に入力され、LPF4から低域成分信号(HE1of)が抽出され、減算器5aに入力される(図5のステップS101)。そして、減算器5aにおいて、差動増幅器3aからの信号出力(HE1Sig)から抽出した低域成分信号(HE1of)を減じることにより、図4(5)に示すような第1の信号が得られる(図5のステップS102)。
一方、スイッチ回路網7は、図示しない制御部のコントロールにより、所定の周期で、定電流源20からの電流を、極性を切り替えてホール素子8の電流端子8a、8bに供給する。ホール素子8は、供給される電流の極性に応じた出力信号(HE2+、HE2−)をホール端子8c、8dから差動増幅器3bに出力する。
差動増幅器3bは、ホール素子8からの出力信号(HE2+、HE2−)に応じて、図4(3)に示すような信号(HE2DSig)を出力する。ここで、図4(3)において、実線で示された信号波形は、供給された電流が正極性のときのものであり、一点鎖線で示された信号波形は、供給された電流が負極性のときのものである。
次に、差動増幅器3bから出力された信号(HE2DSig)は、ホール素子8に供給される極性に応じて、サンプルホールド回路(SH2+、SH2−)9または10に入力される。すなわち、図4(3)に示す実線部分の信号は、サンプルホールド回路9(SH2+)に、図4(3)に示す一点鎖線の部分の信号は、サンプルホールド回路10(SH2−)に入力される(図5のステップS103)。
サンプルホールド回路9および10(SH2+、SH2−)では、入力した信号を所定のサンプリング周期でサンプリングし、その値をホールドする。そして、サンプルホールド回路9および10(SH2+、SH2−)から出力された信号(HE2Sig+、HE2Sig−)は、減算器5bに入力され、図4(4)に示すような第2の信号が得される(図5のステップS104)。つまり、正の極性に対応したサンプルホールド回路9(SH2+)のサンプルホールド値から負の極性に対応したサンプルホールド回路10(SH2−)のサンプルホールド値を減算することにより、オフセットを含まないホール素子8のセンサ信号を得ることができる。
そして、加算器6において、減算器5aから出力された第1の信号と減算器5bから出力された第2の信号とが合成され、図4(6)に示すような出力信号(output)が得られる(図5のステップS105)。
したがって、本実施形態によれば、電源の極性を切り換えて駆動するホール素子から低域成分の信号を検出し、定電流源で駆動されるホール素子から高域成分の信号を検出して、この抽出した低域成分の信号と高域成分の信号とを合成することによりオフセット出力の除去と応答特性の改善を図ることができる。また、LPF4により、低域成分信号を抽出することから、簡易な構成で、高周波成分を含んだ信号を得ることができる。
<第2の実施形態>
図2は、本実施形態に係る電流センサの回路構成を示している。
なお、第1の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有するものであるため、詳細な説明は省略する。また、差動増幅器3a、3bのゲインについては、適切なゲインに設定されているものとする。
図2に示すように、本実施形態に係る電流センサの回路構成は、第1の実施形態に係る電流センサの回路構成に対して、減算器5bと加算器6との間にLPF11を設けた構成となっている。
ここで、LPF11は、例えば、サンプルホールド回路9、10(SH2+、SH2−)のサンプリング周期に伴う高周波のノイズ(チョッパノイズ)を除去するものであり、これにより滑らかなセンサ信号を得ることができるという作用を有する。また、LPF11を追加することにより、LPF4との間のセトリングタイムの影響を除去することができる。ここで、LPF11の周波数特性は、LPF4の周波数特性と同様の特性であることが望ましい。さらに、LPF11を追加することにより、減算器5bの出力は、図4(4)に示す信号から図4(7)に示す信号となる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、電源の極性を切り換えて駆動するホール素子から低域成分の信号を検出し、定電流源で駆動されるホール素子から高域成分の信号を検出して、この抽出した低域成分の信号と高域成分の信号とを合成することによりオフセット出力の除去と応答特性の改善を図ることができる。また、LPF4により、低域成分信号を抽出することから、簡易な構成で、高周波成分を含んだ信号を得ることができる。さらに、LPF11を備えることにより、滑らかなセンサ信号を得ることができ、また、LPF11を備えることにより、LPF4との間のセトリングタイムの影響を除去することができる。
<第3の実施形態>
図3は、本実施形態に係る電流センサの回路構成を示している。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態と同一の符号を付す構成要素については、同一の機能を有するものであるため、詳細な説明は省略する。また、差動増幅器3a、3bのゲインについては、適切なゲインに設定されているものとする。
図3に示すように、本実施形態に係る電流センサの回路構成は、第2の実施形態に係る電流センサの回路構成に対して、差動増幅器3aの出力端子とLPF4との間に、サンプルホールド回路12、13(SH1+、SH1−)と加算器14とを設けた構成となっている。
ここで、サンプルホールド回路12、13(SH1+、SH1−)は、サンプルホールド回路9、10(SH2+、SH2−)と同等のものであり、その入力端子が差動増幅器3aの出力端子に接続されている。また、サンプルホールド回路12(SH1+)の出力端子およびサンプルホールド回路13(SH1−)の出力端子は、加算器14に接続されている。これにより、加算器14からは、低域成分信号が抽出され、LPF4によって、サンプルホールド回路12、13(SH1+、SH1−)のサンプリング周期に伴う高周波のノイズ(チョッパノイズ)を除去する。
上記の構成、すなわち、サンプルホールド回路9、10(SH2+、SH2−)と、減算器5bと、LPF11により構成される回路ブロックと同様の回路ブロックをサンプルホールド回路12、13(SH1+、SH1−)と、加算器14と、LPF4とにより構成することで、サンプルホールド回路に起因する高周波ノイズ(チョッパノイズ)の影響を相殺するとともに、出力される信号の位相遅れを解消することができる。
したがって、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、電源の極性を切り換えて駆動するホール素子から低域成分の信号を検出し、定電流源で駆動されるホール素子から高域成分の信号を検出して、この抽出した低域成分の信号と高域成分の信号とを合成することによりオフセット出力の除去と応答特性の改善を図ることができる。また、LPF4により、低域成分信号を抽出することから、簡易な構成で、高周波成分を含んだ信号を得ることができる。さらに、サンプルホールド回路に起因する高周波ノイズ(チョッパノイズ)の影響を相殺するとともに、出力される信号の位相遅れを解消することができる。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、上述の実施形態においては、ホール素子に供給する電源の極性を切り換えることにより、オフセットの除去(チョッパタビライゼーション)とオフセットの検出を行う手法について説明したが、シリコンのホール素子の場合には、素子の製造工程において生じる歪みやパッケージに対する応力等の影響によりピエゾ抵抗効果が生じ、これにより生じるオフセットの方が大きいという特徴がある。そのため、シリコンのホール素子の場合には、ホール素子に印加する電源と信号出力端子の関係を90度回転させて、得られた出力信号によりオフセットの除去(チョッパタビライゼーション)やオフセットの検出を行うことが望ましい。
本発明の第1の実施形態に係る電流センサの回路構成を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る電流センサの回路構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る電流センサの回路構成を示す図である。 回路各部の波形を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る電流センサの動作を示す図である。
符号の説明
1、20・・・定電流源、2、8・・・ホール素子、3a、3b・・・差動増幅器、4、11・・・LPF(ローパスフィルタ)、5a、5b・・・減算器、6、14・・・加算器、7・・・スイッチ回路網、9、10、12、13・・・サンプルホールド回路、

Claims (5)

  1. ホール素子を用いた電流センサであって、
    第1のホール素子を定電流源で駆動し、少なくとも所定周波数より高い高域成分と、少なくとも前記所定周波数より低い低域成分とを含む第1のセンサ信号を抽出するセンサ信号抽出手段と、
    該第1のセンサ信号から、前記所定周波数より低い周波数帯域を通過させる周波数特性を有する第1の低域通過フィルタによりオフセットを含んだ第1の低域成分信号を抽出する第1の低域成分抽出手段と、
    前記第1のセンサ信号から前記第1の低域成分信号を減じて、第1の信号を抽出する第1の信号抽出手段と、
    第2のホール素子に極性を切り替えて電源を供給し、前記第2のホール素子から出力される、前記高域成分と前記低域成分とを含む第2のセンサ信号から、前記高域成分及びオフセットが除去された第2の信号を抽出する第2の信号抽出手段と、
    前記第1の信号と前記第2の信号とを合成して出力信号を生成する出力信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする電流センサ。
  2. 前記第2の信号抽出手段が、切り替えられる電源の極性に対応して、前記第2のセンサ信号をサンプルホールドするサンプルホールド回路を備え、
    前記第2のセンサ信号から除去される高域成分は、前記サンプルホールド回路の周波数応答に起因して欠落する周波数成分を含む、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記第2の信号抽出手段が、前記サンプルホールド回路の後段に、前記第1の低域通過フィルタの前記周波数帯域と同様の周波数特性を有する第2の低域通過フィルタを備えたことを特徴とする請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記第1の低域成分抽出手段が、前記センサ信号抽出手段と前記第1の低域通過フィルタとの間に、前記サンプルホールド回路と同一の構成を有するサンプルホールド回路を備えたことを特徴とする請求項3に記載の電流センサ。
  5. ホール素子を用いた電流センサのオフセット除去方法であって、
    第1のホール素子を定電流源で駆動し、少なくとも所定周波数より高い高域成分と、少なくとも前記所定周波数より低い低域成分とを含む第1のセンサ信号を抽出するとともに、該第1のセンサ信号から、前記所定周波数以下の周波数帯域を通過させる周波数特性を有する低域通過フィルタによりオフセットを含んだ第1の低域成分信号を抽出する第1のステップと、
    前記第1のセンサ信号から前記第1の低域成分信号を減じて、第1の信号を抽出する第2のステップと、
    第2のホール素子に極性を切り替えて電源を供給し、前記第2のホール素子から出力される、前記高域成分と前記低域成分とを含む第2のセンサ信号から、前記高域成分及びオフセットが除去された第2の信号を抽出する第3のステップと、
    前記第1の信号と前記第2の信号とを合成して出力信号を生成する第4のステップと、
    を有することを特徴とする電流センサのオフセット除去方法。
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