JP4589902B2 - 油脂組成物 - Google Patents
油脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4589902B2 JP4589902B2 JP2006243205A JP2006243205A JP4589902B2 JP 4589902 B2 JP4589902 B2 JP 4589902B2 JP 2006243205 A JP2006243205 A JP 2006243205A JP 2006243205 A JP2006243205 A JP 2006243205A JP 4589902 B2 JP4589902 B2 JP 4589902B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fatty acid
- oil
- content
- oils
- fats
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Edible Oils And Fats (AREA)
- General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
- Fats And Perfumes (AREA)
Description
また、ω3系脂肪酸であるα−リノレン酸、リノール酸といった特定の脂肪酸含量の高いジアシルグリセロールを含む油脂が、生理効果があるものとして知られている(特許文献1〜3参照)。
よって、本発明の目的は、生理効果と加熱安定性を高レベルで達成する加熱調理用油脂組成物を提供することを目的とする。
本発明においては、トランス不飽和脂肪酸は、AOCS法(American Oil Chem.Soc.Official Method:Ce1f−96、2002年)で測定した値のことである。
共役不飽和脂肪酸量は、基準油脂分析試験法「共役不飽和脂肪酸(スペクトル法)2.4.3−1996」(日本油化学協会編)に従って定量した値のことをいう。
また、エステル化に用いる酵素は、固定化されたものを用いることが、コストの点から好ましい。
また、植物ステロール(B)として、植物油由来のものを残存させる場合には、その含有量は、油脂(A)100質量部に対して、0.01〜1.0質量部、好ましくは0.02〜0.5質量部、更に0.03〜0.3質量部、特に0.05〜0.25質量部、殊更0.1〜0.22質量部であるのが、風味、外観、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
更に、植物油由来のものの他に別途添加する場合には、成分(B)の含有量は、油脂(A)100質量部に対して、1.0超4.7質量部以下、好ましくは1.2〜4.6質量部、更に2.0〜4.5質量部、特に3.0〜4.4質量部、殊更3.5〜4.3質量部であるのが、風味、外観、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
植物ステロール中、ブラシカステロール、カンペステロール、スチグマステロール、β−シトステロールの合計含有量は90%以上であるのが好ましく、更に92〜100%、特に94〜99%であるのが、風味、外観、油脂の工業的生産性、結晶析出、低温での保存性、生理効果の点で好ましい。
植物ステロール中の、カンペステロールの含有量は10〜40%であるのが好ましく、更に20〜35%、特に23〜29%であるのが、風味、外観、油脂の工業的生産性、結晶析出、低温での保存性、生理効果の点で好ましい。
植物ステロール中の、スチグマステロールの含有量は3〜30%であるのが好ましく、更に11〜25%、特に17〜24%であるのが、風味、外観、油脂の工業的生産性、結晶析出、低温での保存性、生理効果の点で好ましい。
植物ステロール中の、β−シトステロールの含有量は20〜60%であるのが好ましく、更に30〜56%、特に42〜51%であるのが、風味、外観、油脂の工業的生産性、結晶析出、低温での保存性、生理効果の点で好ましい。
植物ステロール中の、コレステロールの含有量は1%以下であるのが好ましく、更に0.01〜0.8%、特に0.1〜0.7%、特に0.2〜0.6%であるのが、血中コレステロール低下、油脂の工業的生産性の点で好ましい。
本発明の態様において、成分(A)に、成分(B)及び/又は(C)を配合すると、配合する成分(B)及び/又は(C)に含まれている水分が、風味、低温における外観に影響する場合がある。これを防止するために、予め水分量の低い成分(B)及び/又は(C)を油脂(A)に配合したり、成分(B)及び/又は(C)を成分(A)に配合した後に、減圧下で加熱して脱水操作を行うことにより、本発明の加熱調理用油脂組成物の水分量を低減させることが好ましい。更に、熱履歴をより低くしてトランス不飽和脂肪酸の生成を抑制するために、成分(A)に予め成分(B)及び/又は(C)を高含量配合した組成物(マスターバッチ)を製造し、上記脱水操作を行った後に、成分(A)を添加して希釈することにより、本発明の加熱調理用油脂組成物を製造することが好ましい。
本発明の態様において、結晶抑制剤(E)の含有量は、油脂(A)100質量部に対して0.01〜2質量部、更に0.02〜0.5質量部、特に0.05〜0.2質量部であるのが作業性、風味、結晶抑制の点で好ましい。
原料油脂としてハイオレインひまわり油を用いた。原料油脂は酵素分解法により加水分解を行い、脂肪酸を得た。即ち、リパーゼAY(天野エンザイム社製)を用いて、温度40℃、反応時間15時間にて油脂の酵素分解を行った後、油層を減圧脱水し、菜種脂肪酸を得た。
得られた脂肪酸とグリセリンを、固定化リパーゼ(ノボザイムズ社製Lipozyme RM IM)を用いて、脂肪酸とグリセリンのモル比2:1、温度50℃、減圧脱水、反応時間4時間にて、エステル化反応を行った。反応終了後、固定化酵素を分離し、エステル化油を得た。
エステル化油を、減圧蒸留により脱酸(未反応脂肪酸の除去)し、クエン酸水溶液を添加混合した。次いで、減圧脱水した後、水洗した。これを、温度240℃、減圧下、脱臭時間1時間にて脱臭を行い、ジアシルグリセロール高含有油脂を製造し、トコフェロール含量及び植物ステロールを添加して油脂組成物1とした。ジアシルグリセロール含量の測定は、ガスクロマトグラフィーにより行った。トランス不飽和脂肪酸含量の測定は、前記の方法により行った。
原料油脂としてサフラワー油を用いた以外は、油脂1の製造と同様の工程により、ジアシルグリセロール高含有油脂を製造し、油脂組成物2とした。
原料油脂として菜種油を用いた以外は、油脂組成物1の製造と同様の工程により、ジアシルグリセロール高含有油脂を製造し、油脂組成物4とした。
また、菜種油にトコフェロール及び植物ステロールを添加し、油脂組成物5とした。
製造した油脂1〜3を用い、表2に示した質量比で混合して油脂組成物を調製した。それぞれの試験品をステンレスシャーレに10gずつ計り取り、ホットプレートにて150℃に加熱し、5分保持した後に発生する異臭、刺激臭について、3名の専門パネルにより、下記基準にて官能評価した。結果を表2に示す。
5:臭わない
4:ほとんど臭わない
3:かすかに臭う
2:やや臭う
1:臭う
〔装置構成〕
フライヤー上部の気体を連続的に吸引し、吸引した気体をアルデヒドサンプラー(Sep−pak DNPH:Waters社製)に通すことで、フライ油から発生する揮発アルデヒドを選択的に捕集できる装置を構成した。アルデヒドサンプラー内で捕集・誘導体化され、揮発性アルデヒドをアセトニトリルで溶出し、HPLCで分析した。その主要成分は,プロパナール、アクロレイン、2−ブテナール、ペンタナール、2−ペンテナール、ヘキサナール、2−ヘキセナール、ヘプタナール、2−ヘプテナール、2,4−ヘプタジエナール、オクタナール、2−オクテナール、ノナナール、2−デセナール、2,4−デカジエナール、2−ウンデセナールであり、それらの総量を総アルデヒド量とした。
上記装置のフライヤーに油脂1〜5のいずれかの油脂300gを入れ、180℃に加熱し、スライスポテト30gのフライ調理を15分間に2回行った。この間に発生した揮発性アルデヒドの総量を測定した。結果を表3に示す。
Claims (4)
- 構成脂肪酸中の不飽和脂肪酸含量が80質量%以上、かつオレイン酸含量が80〜95質量%であるジアシルグリセロールを65質量%以上含有する油脂(A)を含有する加熱調理用油脂組成物。
- 油脂(A)中のモノアシルグリセロール含量が5質量%以下、トリアシルグリセロール含量が4.9〜34.9質量%、遊離脂肪酸含量が5質量%以下である請求項1記載の加熱調理用油脂組成物。
- 加熱調理用がフライ調理用である請求項1又は2に記載の加熱調理用油脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項記載の加熱調理用油脂組成物を用いて調理して得られるフライ食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006243205A JP4589902B2 (ja) | 2006-09-07 | 2006-09-07 | 油脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006243205A JP4589902B2 (ja) | 2006-09-07 | 2006-09-07 | 油脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008061577A JP2008061577A (ja) | 2008-03-21 |
JP4589902B2 true JP4589902B2 (ja) | 2010-12-01 |
Family
ID=39284827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006243205A Expired - Fee Related JP4589902B2 (ja) | 2006-09-07 | 2006-09-07 | 油脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4589902B2 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5550282B2 (ja) * | 2008-08-04 | 2014-07-16 | 花王株式会社 | ジアシルグリセロール高含有油脂の製造方法 |
JP4560590B1 (ja) * | 2009-03-27 | 2010-10-13 | 日清オイリオグループ株式会社 | 加熱調理用食用油脂およびその製造方法 |
KR20110085143A (ko) * | 2010-01-19 | 2011-07-27 | 씨제이제일제당 (주) | 3-mcpd-fs가 저감화된 식용 유지의 제조방법 |
KR20110085142A (ko) * | 2010-01-19 | 2011-07-27 | 씨제이제일제당 (주) | 3-mcpd-fs가 저감화된 식용 유지의 제조방법 |
CN103118546A (zh) * | 2010-09-14 | 2013-05-22 | 花王株式会社 | 油脂组合物 |
JP5872267B2 (ja) | 2010-12-21 | 2016-03-01 | 花王株式会社 | 油脂組成物 |
JP5825803B2 (ja) * | 2011-02-28 | 2015-12-02 | 花王株式会社 | 油脂組成物 |
KR101858293B1 (ko) | 2011-05-20 | 2018-05-15 | 카오카부시키가이샤 | 디글리세리드를 함유하는 유지 조성물 |
JP6166984B2 (ja) * | 2012-09-04 | 2017-07-19 | 花王株式会社 | 油脂組成物 |
JP7144179B2 (ja) * | 2017-09-15 | 2022-09-29 | 日清オイリオグループ株式会社 | 油脂組成物及びその製造方法 |
JP6797269B2 (ja) | 2018-11-20 | 2020-12-09 | 花王株式会社 | 油脂組成物 |
WO2022138398A1 (ja) * | 2020-12-22 | 2022-06-30 | 日清オイリオグループ株式会社 | 油脂組成物 |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004168995A (ja) * | 2002-09-13 | 2004-06-17 | Kao Corp | 油脂組成物 |
JP2004359784A (ja) * | 2003-06-04 | 2004-12-24 | Kao Corp | 油脂組成物 |
JP2005218403A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-08-18 | Kao Corp | 電子レンジ調理用油脂 |
WO2005104865A1 (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Kao Corporation | 油脂組成物 |
JP2005323504A (ja) * | 2004-05-12 | 2005-11-24 | Kao Corp | 油脂組成物 |
JP2005336471A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-12-08 | Kao Corp | 油脂組成物 |
JP2006137923A (ja) * | 2004-04-28 | 2006-06-01 | Kao Corp | 油脂組成物 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008069184A (ja) * | 2005-02-21 | 2008-03-27 | Kao Corp | 油脂組成物 |
-
2006
- 2006-09-07 JP JP2006243205A patent/JP4589902B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004168995A (ja) * | 2002-09-13 | 2004-06-17 | Kao Corp | 油脂組成物 |
JP2004359784A (ja) * | 2003-06-04 | 2004-12-24 | Kao Corp | 油脂組成物 |
JP2005218403A (ja) * | 2004-02-09 | 2005-08-18 | Kao Corp | 電子レンジ調理用油脂 |
WO2005104865A1 (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Kao Corporation | 油脂組成物 |
JP2005336471A (ja) * | 2004-04-28 | 2005-12-08 | Kao Corp | 油脂組成物 |
JP2006137923A (ja) * | 2004-04-28 | 2006-06-01 | Kao Corp | 油脂組成物 |
JP2005323504A (ja) * | 2004-05-12 | 2005-11-24 | Kao Corp | 油脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008061577A (ja) | 2008-03-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4589902B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP5636398B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP5100974B2 (ja) | 油脂組成物 | |
RU2533015C2 (ru) | Масляные композиции стеаридоновой кислоты | |
JP5863433B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP4905999B2 (ja) | 食感改良油脂組成物 | |
JP5820700B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP5155863B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP5525251B2 (ja) | 米糠由来不けん化物含有油脂組成物 | |
JP5872267B2 (ja) | 油脂組成物 | |
TW201139651A (en) | Oil and fat composition | |
JPWO2010004784A1 (ja) | 飲食品の呈味向上剤 | |
JP5274592B2 (ja) | 加熱調理用油脂組成物およびその製造方法、ならびに加熱調理用油脂組成物用の酸価上昇抑制剤 | |
TW201705864A (zh) | 加熱烹調用油脂組成物及其製備方法、以及抑制加熱烹調用油脂因加熱引起的劣化的方法 | |
JP2018046798A (ja) | 食感改良油脂組成物とその製造方法、及び加熱調理用品の食感を改良させる方法 | |
JP6689049B2 (ja) | 加熱調理用油脂組成物およびその製造方法、ならびに加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法 | |
JP7034679B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP7076912B2 (ja) | 加熱調理用油脂組成物及びその製造方法 | |
JP7034680B2 (ja) | 油脂組成物 | |
JP3720321B2 (ja) | ドレッシング | |
JP2006280370A (ja) | ドレッシング | |
JP5974155B1 (ja) | 油脂組成物 | |
TWI751356B (zh) | 加熱調理用油脂組成物及其製造方法 | |
JP2017086061A (ja) | 油脂組成物 | |
JP2018050560A (ja) | 加熱調理用油脂組成物及びその製造方法、並びに加熱調理用油脂の加熱による劣化を抑制する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090529 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100826 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100907 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100910 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130917 Year of fee payment: 3 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |