JP2005323504A - 油脂組成物 - Google Patents

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淳 鈴木
Takatoshi Murase
孝利 村瀬
Ichiro Tokimitsu
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Abstract

【課題】 風味良好で安全性に優れる生活習慣病の予防・治療薬、食品、飼料の提供。
【解決手段】 次の成分(A)及び(B):
(A)モノグリセリド30質量%以下、遊離脂肪酸(塩)10質量%以下、構成脂肪酸の55質量%以上が不飽和脂肪酸であるジグリセリドを15質量%以上含有する油脂 15〜99.9質量%
(B)フラボノイド類から選ばれる1種以上の化合物 0.1〜85質量%
を含有する油脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、風味良好で高血圧症、高脂血症、糖尿病、肥満症等の生活習慣病に優れた予防・改善作用を示す油脂組成物及び、かかる油脂組成物を含有する食品、医薬品、飼料に関する。
近年、食生活の欧米化や車社会の隆盛に伴い肥満者の割合が増加している。肥満は動脈硬化や糖尿病、高脂血症、高血圧症などの原因ともなることから、その予防・改善のための薬剤、方法の開発は医学的にも社会的にも大きな課題となっている。肥満や動脈硬化、糖尿病、高脂血症、高血圧症などは遺伝的素因の他に、食生活のような生活習慣によりその発症が大きく影響されることから、これらは生活習慣病と呼ばれている。
上記のような状況に鑑み、抗糖尿病薬、抗インスリン抵抗性薬剤の探索が進められ、これまでにトログリタゾンやピオグリタゾンなどのいわゆるチアゾリジン系薬剤が開発され、その有効性が確認されている。その一方で、死亡例を伴う重篤な肝障害も報告されており、安全性に優れた薬剤の開発が望まれている。
副作用のない安全な抗生活習慣病技術として、ジグリセリドが知られている。ジグリセリドには、体脂肪の蓄積を低下させ肥満を防ぐ効果(特許文献1、2)、植物ステロールとの組合せで血中コレステロール値を低下させる効果(特許文献3)、フェルラ酸との組合わせによる血圧上昇抑制作用(特許文献4)等が見出されている。
一方、フラボノイド類には、アミラーゼ阻害作用(特許文献5)、リパーゼ阻害作用(特許文献6)、スーパーオキシドジスムターゼ様活性及び/又はスカベンジャー機能による糖尿病治療薬(特許文献7)等が知られている。
特開平4−300826号公報 特開平10−176181号公報 国際公開99/48378号パンフレット 特開2001−354556号公報 特開平5−236910号公報 特開平9−143070号公報 特開平6−199695号公報
従来技術によると、フラボノイド単独で糖尿病に対する生理効果が見出されているものの、多量の投与が必要で、しかも効果が十分とはいえない。更に、エグ味が強く感じられるなど風味に問題がある。
本発明の目的は、風味良好かつ副作用がなく安全で、しかも高い生活習慣病予防・改善作用を有する油脂組成物を提供することである。
本発明者は、共に副作用がなく安全なジグリセリドとフラボノイド類とを併用することで、それぞれの効果が相乗的に増幅し、高血圧症モデルラット、糖尿病モデルラット及び高脂血症モデルラットで、種々の効果があることを見出した。更に、フラボノイド類特有のエグ味が、ジグリセリドと併用することで顕著に低減されることを見出した。更に、トリグリセリドに比べ、ジグリセリドに対するフラボノイド類の溶解・分散性が向上することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、次の成分(A)及び(B):
(A)モノグリセリド30質量%以下、遊離脂肪酸(塩)10質量%以下、構成脂肪酸の55質量%以上であるジグリセリドを15質量%以上含有する油脂 15〜99.9質量%、
(B)フラボノイド類から選ばれる1種以上の化合物 0.1〜85質量%
を含有する油脂組成物を提供するものである。
また、当該油脂組成物を含有する食品、医薬品、飼料を提供するものである。
本発明の油脂組成物は、風味良好で安全性に優れ、肥満予防・改善作用、血糖値上昇抑制又は血糖値低下作用、糖尿病予防・改善作用、インスリン抵抗性予防・改善作用、高脂血症予防・改善作用、血中レプチン上昇抑制又は血中レプチン低下作用、レプチン抵抗性予防・改善作用を有し、医薬用途の他に、生活習慣病の予防・治療用食品、飼料としても有用である。
本発明に用いられる成分(A)は、モノグリセリド30質量%以下、遊離脂肪酸(塩)10質量%以下、構成脂肪酸の55質量%以上が不飽和脂肪酸であるジグリセリドを15質量%以上含有する油脂である。
本発明の油脂(A)中のジグリセリド含量は15質量%以上必要であるが、35〜100質量%であるのが好ましく、更に60〜98質量%、特に70〜95質量%であるのが風味、生理効果、工業的生産性の点で望ましい。油脂(A)中のジグリセリド含量が15質量%以上であれば、化合物(B)との併用で、糖尿病、高脂血症、高血圧症のそれぞれの症状を緩和し、フラボノイド類特有のエグ味を低減すると共に、溶解・分散性が向上する。
本発明で使用する油脂(A)中のジグリセリドを構成する脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸の含有量は55〜100質量%がであることが必要で、好ましくは70〜100質量%、更に80〜100質量%、特に90〜100質量%、最も好ましくは93〜97質量%であるのが、生理効果、風味、食感、工業的生産性の点で好ましい。トランス型不飽和脂肪酸の含有量は5質量%以下であるのが好ましく、更に3.6質量%以下であるのが、生理効果の点で好ましい。
油脂(A)中のジグリセリドを構成する脂肪酸のうち、ω3系不飽和脂肪酸の含有量は15〜90質量%がであるのが好ましく、更に20〜80質量%、特に30〜70質量%、殊更40〜65質量%であるのが、生理効果及び酸化安定性の点で望ましい。ω3系不飽和脂肪酸としては、αリノレン酸、ステアリドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられるが、αリノレン酸が好ましい。
油脂(A)中のジグリセリドを構成する脂肪酸のうち、オレイン酸(C18:1)の含有量は4〜70質量%がであるのが好ましく、更に10〜65質量%、特に15〜60質量%、殊更20〜50質量%であるのが、酸化安定性、外観、脂肪酸の摂取バランスの点で望ましい。更に生理効果の点から、オレイン−オレインジグリセリドの含有量は45質量%未満、特に0〜40質量%が好ましい。
油脂(A)中のジグリセリドを構成する脂肪酸のうちリノール酸の含有量は15〜65質量%、好ましくは20〜60質量%、特に30〜55質量%、殊更35〜50質量%であるのが外観、脂肪酸の摂取バランスの点で望ましい。
油脂(A)中のジグリセリドを構成する脂肪酸の炭素数は14〜24であるのが好ましく、更に好ましくは16〜22である。
油脂(A)中のジグリセリドを構成する脂肪酸のうち、炭素数13以下の短・中鎖脂肪酸の含有量は、風味、発煙の点で0〜5質量%がであることが好ましく、更に0〜2質量%、実質的に0質量%とするのが最良である。
本発明で用いる油脂(A)中のモノグリセリドの含有量は、風味、工業的生産性の点から0〜30質量%であるのが必要で、好ましくは0.1〜10質量%、更に0.1〜4質量%、特に0.1〜2質量%、最も好ましくは0.1〜1.5質量%であるのが望ましい。本発明で用いるモノグリセリドの構成脂肪酸は、ジグリセリドと同じ構成脂肪酸であることが好ましい。
また、本発明で用いる油脂(A)中のトリグリセリドの含有量は、風味、酸化安定性、工業的生産性の点から0〜84.9質量%であり、好ましくは10〜84.9質量%、更に20〜80.9質量%、特に50〜80.9質量%であるのがよい。
トリグリセリドを構成する脂肪酸のうち、不飽和脂肪酸の含有量は55〜100質量%であるのが好ましく、更に70〜100質量%、特に80〜100質量%、最も好ましくは90〜97質量%であるのがよい。
トリグリセリドを構成する脂肪酸のうち、ω3系不飽和脂肪酸の含有量は、0〜40質量%であるのが好ましく、更に0〜30質量%、特に0〜25質量%、最も好ましくは0〜20質量%含有するのが、酸化安定性、風味の点でよい。
トリグリセリドを構成する脂肪酸の炭素数は14〜24であるのが好ましく、更に16〜22であるのが望ましい。
本発明で用いる油脂(A)に含まれる遊離脂肪酸(塩)の含有量は、風味の点から10質量%以下であり、好ましくは0〜5質量%、更に0〜2.5質量%、特に0〜1質量%、最も好ましくは0.05〜0.5質量%とするのがよい。
本発明で使用するジグリセリドを含有する油脂(A)は、例えば、菜種油、大豆油、米糠油、コーン油、パーム油、サフラワー油、オリーブ油、シソ油、ゴマ油、エゴマ油、アマニ油、魚油などのトリグリセリド油とグリセリンとのエステル交換反応、又は油脂由来の脂肪酸とグリセリドとのエステル化反応等任意の方法により得ることができる。反応方法は、金属触媒等を用いた化学反応法、リパーゼ等の油脂加水分解酵素を用いた生化学反応法等があげられるが、着色等の劣化防止の観点から、生化学反応法が好ましい。
本発明で用いる油脂(A)は、脱臭等の精製を施して使用するのが、酸化安定性、風味の点で好ましいが、過酸化物価(POV)が、10以下、好ましくは0〜7、更に0〜5、特に0〜3、最も好ましくは0.1〜1とするのがよい。
本発明に用いられる化合物(B)のフラボノイド類は、カテキンやイソフラボン類を除く、一般式(1)及び(2)(式中、Rは水素原子、水酸基又はメトキシ基を示す)で表されるフェノール性化合物で、水酸基だけでなくメトキシル基が付加することもあり、植物界に広く存在しているもので、アグリコンだけでなく配糖体も含まれる。
Figure 2005323504
(式中、Rは水素原子、水酸基又はメトキシ基を示す)
Figure 2005323504
(式中、Rは水素原子、水酸基又はメトキシ基を示す)
フラボノイド類としては、カルコン類、フラバノン類、フラボノール類、フラバノノール類、イソフラボン類、又はアントシアン類を挙げることができ、カテキンは除く。代表的なものとして、カルコン類としては、カルコン、カルタミン等が例示される。フラバノン類としては、ナリンギン(Naringin)、ナリンゲニン(Naringenin)、ヘスペリジン(Hesperidin)、ヘスペレチン(Hesperetin)等が例示される。フラボノール類としては、アストラガリン(Astragalin)、ケルセチン(Quercetin)、ケンフェロール(Kaempferol)、ルチン(Rutin)等が例示される。フラバノノール類としては、フスチン(Fustin)、アルピノン(Alpinon)等が例示される。アントシアン類としては、シアニジン(Cyanidin)、シアニン(Cyanin)等が例示される。これら種々の誘導体は、バラ科、マメ科、アヤメ科などの植物に多く存在する事が知られている。フラボノイド類は、長年にわたり日常的に食品として摂取しているものであり、飲食品あるいは薬剤として摂取しても安全性は高いと考えられる。
フラボノイド類は上記のような植物に多く含まれることから、その抽出物を本発明に用いることが出来る。その代表例として、フラボノイドを多く含むシソ種子抽出物、リンゴ抽出物、ブドウ種子抽出物などが挙げられる。市販品として、例えば、アップルフェノン(ニッカウイスキー製)、グラビノール(キッコーマン製)等がある。
本発明においては、油脂(A)中にジグリセリドを多く含むことから、トリグリセリドに比べ極性が高く、化合物(B)の溶解性、分散性が向上するという利点がある。また、化合物(B)が配糖体の場合は、トリグリセリドに殆ど溶解しないのに対し、油脂(A)との組合せで、溶解性、分散性が顕著に改善される。
本発明の油脂組成物は、油脂(A)とフラボノイド類から選ばれる1種以上の化合物(B)とを適宜混合し、分散もしくは溶解することによって得ることができる。
本発明の油脂組成物には、酸化安定性を向上させるために、抗酸化剤を添加してもよい。抗酸化剤は通常、食品、医薬品に使用されるものであればいずれでもよいが、ビタミンA、アスコルビン酸、トコフェロール、リン脂質のうち1種又は2種以上の組み合わせが好ましい。ビタミンAとしては、レチノール、レチナール、デヒドロレチノイン酸、カロチン等が挙げられる。アスコルビン酸としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、アスコルビン酸ステアリン酸エステル等が挙げられる。トコフェロールとしては、α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールが挙げられるが、γ−トコフェロール、δ−トコフェロールが好ましい。リン脂質としては、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸等やこれらのリゾ体が挙げられる。
酸化安定性を向上させるためには、抗酸化剤を純分として本発明の油脂組成物に0.01〜5質量%、更に0.02〜3質量%、特に0.05〜2質量%添加することが好ましい。5質量%を超えると、風味、着色、汎用性等の点で好ましくない。
本発明の油脂組成物には、コレステロール低下効果、外観、作業性の点で、植物ステロール類を0.05〜20質量%、更に0.3〜10質量%、特に1.2〜4.7質量%含有するのが好ましい。油脂組成物中の植物ステロール含有量は、その原料や製造法によって異なる。例えば、油脂(A)の原料として、一般に市販されている蒸留して得られた脂肪酸を用いると、植物ステロール含量は低く、このような場合には、植物ステロールを0.05質量%以上になるように添加するのが好ましい。ここで植物ステロールとしては、例えばα−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、シクロアルテノール等のフリー体、及びこれらの脂肪酸エステル、フェルラ酸エステル、桂皮酸エステル等のエステル体が挙げられる。
本発明の油脂組成物には、溶解性、分散性を更に向上させるために、乳化剤を添加してもよい。乳化剤は通常、食品、医薬品に使用されるものであればいずれでもよいが、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、有機酸脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明の油脂組成物は賦形剤及びその他の添加剤とともに任意の形態に製剤化される。かかる賦形剤、添加剤の例として、固形状のものとしては乳糖、カオリン、ショ糖、結晶セルロース、コーンスターチ、タルク、寒天、ペクチン、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、塩化ナトリウム等が挙げられ、液状のものとしてはグリセリン、落花生油、ポリビニルピロリドン、オリーブ油、エタノール、ベンジルアルコール、プロピレングリコール、水等が挙げられる。
食品としては、該油脂組成物を食品の一部として含有する油脂含有食品に用いることができる。油脂含有食品としては、例えば特定の機能を発揮して健康増進を図る健康食品が挙げられる。具体的には、本発明の油脂組成物を配合したカプセル剤、錠剤、顆粒剤、パンやケーキ、クッキー、パイ、ベーカリーミックス等のベーカリー食品類、フレンチドレッシング等のドレッシング類、マヨネーズ類、クリーム類、チョコレートやポテトチップス、アイスクリーム、デザート等の菓子や、飲料、ソース、コーヒーホワイトナー、ホイップクリーム、焼き肉のタレ、マーガリン、スプレッド、ピーナツバター、フライ・ベーキングショートニング、加工肉製品、冷凍食品等が挙げられる。かかる油脂含有食品は、上記油脂組成物の他に、油脂含有食品の種類に応じて一般に用いられる食品原料を添加し、製造することができる。本発明の油脂組成物の食品への配合量は、食品の種類によっても異なるが、一般に0.1〜100質量%、特に1〜80質量%が好ましい。また天ぷらやフライ、炒め物等に用いる調理油のような食品素材として用いることができる。
医薬品としては形態に特に制限はなく、その剤型に応じて経口、経腸、注射、経粘膜、経皮等いずれの経路によってもヒトに投与あるいは摂取することができる。例えば散剤、顆粒剤、カプセル剤、丸剤、錠剤等の固形製剤、水剤、懸濁剤、乳剤等の液剤等の経口投与剤が挙げられる。この経口投与剤は、上記油脂組成物の他、経口投与剤の形態に応じて一般に用いられる、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、界面活性剤、アルコール類、水、水溶性高分子、甘味料、矯味剤、酸味料等を添加し、製造することができる。経口投与用医薬品としては、肥満予防・改善剤、血糖値上昇抑制剤又は血糖値低下剤、糖尿病予防・改善剤、インスリン抵抗性予防・改善剤、高脂血症予防・改善剤、血中レプチン上昇抑制剤又は血中レプチン低下剤、レプチン抵抗性予防・改善剤等が挙げられる。本発明の油脂組成物の経口投与用医薬品への配合量は、年齢、体重、性別、投与方法等の種々の要因によって異なり、特に限定されないが、0.1〜100質量%、特に1〜80質量%が好ましい。また、投与量は、油脂組成物として、通常大人1人当たり1日に0.1〜25g、特に0.1〜10gの範囲で、1日に1〜数回に分けて投与することが好ましい。
尚、本発明の油脂(A)及び化合物(B)を食品、医薬品、飼料に添加する場合、油脂組成物として添加しても別々に添加しても同等の効果が得られる。従って、かかる油脂(A)及び化合物(B)は、油脂組成物として含まれていなくても、同一の食品、医薬品、飼料に含まれていればよい。
油脂の調製
次の油脂を下記の方法に従って調製した。
(1)油脂1(本発明品)
ナタネ油脂肪酸650質量%とグリセリン107質量%を、酵素(リポザイムIM、ノボノルディスク製)を使用して40℃5時間エステル化反応を行った。次いで、235℃で分子蒸留した後、水洗した。これを235℃で1時間脱臭して油脂1を得た。
(2)油脂2(本発明品)
エゴマ油脂肪酸650質量%とグリセリン107質量%を、酵素(リポザイムIM、ノボノルディスク製)を使用して40℃6時間エステル化反応を行った。次いで、215℃で分子蒸留した後、水洗した。これを215℃で2時間脱臭し、菜種白絞油(日清オイリオ製)と1:1で混合して油脂2を得た。
(3)油脂3(比較品)
菜種白絞油(日清オイリオ製)を油脂3とした。
油脂1及び油脂2のグリセリド組成を表1に、脂肪酸組成を表2に示す。
Figure 2005323504
Figure 2005323504
試験例1 高血圧症自然発症ラット(SHR)を用いた降圧効果試験及び、溶解性・分散性試験
100質量%の油脂1又は油脂3に各種フラボノイドを2質量%配合し、試料1〜8を調製した(表3)。4〜18週齢のSHR雄性マウス(各群3匹)に、各試料を単回投与(1mL/体重100g)した。投与後、3、6時間目の尾動脈収縮期血圧(SBP)を測定し、初期値からの変化率を求めた。その結果を表4に示す。
更に、試料1〜8を調製した時の溶解性・分散性を下記基準にて、評価した。結果を表4に示す。
Figure 2005323504
溶解性・分散性の評価基準
A:60℃2時間加温で溶解する。
B:60℃2時間加温で溶解しないが、分散する。
Figure 2005323504
本発明の試料は、溶解性・分散性に優れ、しかも顕著な降圧作用を有する。
試験例2 食餌誘導性肥満・II型糖尿病モデルであるC57BL/6J系マウスを使用した肥満、血糖、血中インスリン、血中レプチンに対する効果試験
7週齢のC57BL/6J系雄性マウスを各群5匹ずつ4群に分け、表5記載の組成の各食餌で飼育する。5ヶ月後体重を測定するとともに、エーテル麻酔下で腹部大動脈より採血を行い血清グルコース、インスリン、レプチン値を測定する。結果を表6に示す。
Figure 2005323504
Figure 2005323504
第2群では第1群に比較し、有意な体重の上昇が認められたのに対して、第3、4群においては第1群に対して体重の上昇は少なく、また第2群に対して体重は低値を示した。これにより、本発明の組成物は抗肥満効果を有することが確認された。
第2群では第1群に比較し、有意な血糖値の上昇が認められたのに対して、第3、4群においては第1群に対して血糖値の上昇は少なく、また第2群に対して血糖値は低値を示した。これにより本発明の組成物は、血糖値上昇抑制に有効であること、更に糖尿病の予防に有効であることが確認された。
第2群では第1群に比較し、有意なインスリン値の上昇が認められたのに対して、第3、4群においては第1群に対して血糖値の上昇は少なく、また第2群に対してインスリン値は低値を示した。これにより本発明の組成物は、血中インスリン値上昇抑制に有効であること、更にインスリン抵抗性の予防に有効であることが示された。
第2群では第1群に比較し、有意なレプチン値の上昇が認められたのに対して、第3、4群においては第1群に対して血糖値の上昇は少なく、また第2群に対してレプチン値は低値を示した。これにより本発明の組成物は、血中レプチン値上昇抑制に有効であること、更にレプチン抵抗性の予防に有効であることが示された。
試験例3 Zucker Ratを用いた高脂血症に対する効果試験
7週齢の雄性Zucker Ratを各群10匹ずつ3群に分け、表7に記載した組成の各食餌で飼育した。10日後、エーテル麻酔下で腹部大動脈より採血を行い血清トリグリセリドを測定した。結果を表8に示す。
Figure 2005323504
Figure 2005323504
第2、3群では第1群に比較し、血清トリグリセリドは有意に低値を示した。これにより本発明の組成物は、高脂血症に対して有効であることが示された。
香味油の風味評価
下記組成の成分を混合して香味油を作製し、レタス30gに5gかけ、パネル10名により、下記基準にて官能評価を実施した。結果を表9に示す。
油脂1又は油脂3 99.15(質量%)
アップルフェノン(ニッカウイスキー(株)) 0.5
HTL-3(太陽化学、ポリグリセリン脂肪酸エステル) 0.1
ハーブフレーバー(日本フィルメニヒ社 503056TH) 0.25
エグ味(評価基準)
4点 エグ味が殆ど感じられない
3点 エグ味がやや感じられる
2点 エグ味が感じられる
1点 エグ味が強く感じられる
Figure 2005323504
本発明の油脂組成物を用いて作製した風味油は、エグ味が著しく低下することが示された。
配合例1 ソフトカプセル
次に示す配合の油脂組成物300mgをオーバル型のソフトカプセルに封入し、ソフトカプセル剤を調製した。
油脂1 95.95(質量%)
植物ステロール(ADM製) 3.0
ソイアクト(大豆イソフラボン) 1.0
トコフェロール(MDE−6000、八代製) 0.05
配合例2 錠剤
下記組成の成分を混合し、200mg/個の錠剤を製造した。
油脂2 8.98(質量%)
グラビノール(ブドウ種子エキス) 1.0
MDE−6000(トコフェロールミックス) 0.01
ビタミンCパルミテート 0.01
コーンスターチ 44.0
結晶セルロース 40.0
カルボキシメチルセルロースカルシウム 5.0
無水ケイ酸 0.5
ステアリン酸カルシウム 0.5

Claims (6)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)モノグリセリド30質量%以下、遊離脂肪酸(塩)10質量%以下、構成脂肪酸の55質量%以上が不飽和脂肪酸であるジグリセリドを15質量%以上含有する油脂 15〜99.9質量%
    (B)フラボノイド類から選ばれる1種以上の化合物 0.1〜85質量%
    を含有する油脂組成物。
  2. 油脂(A)におけるジグリセリドの構成脂肪酸の15〜90質量%がω3系不飽和脂肪酸である請求項1記載の油脂組成物。
  3. 更に、(C)植物ステロール類を、成分(A)100質量%に対して0.05質量%以上含有する請求項1又は2記載の油脂組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の油脂組成物を含有する食品。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項記載の油脂組成物を含有する医薬品。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項記載の油脂組成物を含有する飼料。
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