JP4587628B2 - 背骨インプラント用の多軸コネクタ - Google Patents

Description

【０００１】
この発明は、連結ロッドを備えた背骨インプラントを形成するための多軸コネクタに関する。
【０００２】
仏国特許第2,731,344号には、骨固定用部材に対する連結ロッドの角度を方向付けすることのできる背骨インプラントが開示されている。
【０００３】
固定用部材は固定用ねじから構成され、この固定用ねじは固定部分を有しており、この固定部分は、ストッパを形成する多角形の断面を有する中間部材を介して、クランプ用ナットと協働する突出状のねじ部ヘッドから分離されている。
【０００４】
固定用部材はまた、受容リングも有し、この受容リングは固定部分の突出したねじ部ヘッドと協働して、連結ロッドを取り付けることができるようにしている。
【０００５】
受容リングは二つのブランチを有し、これら二つのブランチは、連結領域によって連結されていて、クリップ部材を形成している。二つのブランチには同軸の対向する穴が開けられており、これらの穴は固定用ねじの突出したねじ部ヘッドをその中へ通すように、また多角形形状のストッパへ当接させるように設計されている。
【０００６】
リングの二つのブランチの連結領域は、対向する穴に対して直角な穴の境界を形成している。この穴は、連結ロッドを収容するように設計された中心穴が設けられた圧縮スリーブと協働する。
【０００７】
リングの穴の内側へのスリーブの組み付けは、ボールジョイント連結を形成するためである。従って、ナットを固定用ねじの突出したねじ部ヘッドへ締め付けるまえに、連結ロッドを決められた角度位置に配置することができる。
【０００８】
上述した背骨インプラントは、連結ロッドを回動させるためのボールジョイント連結を形成するリングの穴の内側へのスリーブの取り付けに関して、いくつか欠点を有している。さらに詳しくは、この組み付けでは背骨インプラントを固定したとき、ロッドが穴の上端及び下端に当接するためにこの連結ロッドは十分に移動できない。
【０００９】
この発明の目的は、こうした欠点を克服することである。
【００１０】
さらに詳しくは、この発明による背骨インプラント用の多軸コネクタは、一方においては脊椎骨本体に対してすべての方向に回動可能であり、他方においては前記コネクタに対して連結ロッドを大きな振幅で回動できるようにすることを目的としている。
【００１１】
この発明による多軸コネクタは、
連結ロッドと、骨組織の中へそれを固定するための第１のねじ部と六角形形状を有する中間ヘッドとクランプ用ナットを受容する第２のねじ部とを有する固定用ねじと、
第１の連結用部材と、
第２の連結用部材と、
連結手段と、
を有し、第１の連結用部材には、固定用ねじの第２のねじ部を受容するように設計された穴と、球形の環状トラックをその内側に有する別の穴と、穴の中を貫いて環状トラックのところで穴の中へ開口するスロットとが穿たれており、
第２の連結用部材には、連結ロッドを受容するように設計された穴と、前記ロッドが並進運動しないように固定するための連結ねじと協働するねじ穴とが穿たれており、
連結手段は一方においてはボールジョイントを形成していて、第１及び第２の連結用部材を互いに連結するとともにこれらの連結用部材の一方を他方に対して回動できるようにし、連結ロッドを決められた角度位置に配置できるようにしており、また他方においては連結ロッドを前記部材の回動中心に対して横方向にずらすことができるようにしている。
【００１２】
この発明による多軸コネクタは、連結手段が設けられた第２の連結用部材を有している。連結手段は、前記部材の外面の一つの上に設けられたフィンガから構成されている。フィンガからは球形のヘッドが延びていて、このヘッドが第１の連結用部材の穴の球形トラックと協働できるようになっている。
【００１３】
この発明による多軸コネクタは、その穴が円筒形状のベアリング面を有する第１の部材を有している。前記ナットを締め付けることによって連結手段の回転が固定されたとき、このベアリング面には固定用ねじのクランプ用ナットと中間ストッパがそれぞれ当接する。
【００１４】
この発明による多軸コネクタは、スロットの両側にブランチを有する第１の連結部材を有している。前記ブランチは曲面状の壁によってつながっており、固定用ねじのナットのクランプ力によって変形して、連結手段の回転を固定することができる。
【００１５】
この発明による多軸コネクタは、そのスロットが穴の主軸と直角に交差する平面内に配置された第１の連結用部材を有している。
【００１６】
この発明による多軸コネクタは、そのねじ穴が直角方向に穴の中へ開口している第２の連結用部材を有している。
【００１７】
添付図面を参照して行う以下の説明によって、この発明や、発明が有する特徴、発明がもたらすと思われる利点をより理解することができよう。添付図面は単なる例示のためのものであり、発明を限定するものではない。
【００１８】
図１〜図３は、多軸コネクタ１を示しており、これは同じ種類の他のコネクタとともに、連結ロッド２を固定して背骨インプラントＡを形成することができる。背骨インプラントＡの各多軸コネクタ１は脊柱の脊椎骨Ｂの本体へ固定される。
【００１９】
従って、背骨インプラントＡの各多軸コネクタ１は、固定用ねじ３と、連結ロッド２を収容するための第１及び第２の連結用部材４、５と、連結用部材４、５を互いに連結かつ回動させるためのボールジョイントを形成する連結手段１５を有している。
【００２０】
固定用ねじ３は、背椎骨Ｂの骨組織の中へそれを固定するための第１のねじ部６と、ストッパを形成する六角形形状の中間ヘッド７と、前記ストッパの上方にこれと連続して延びる第２のねじ部８を有している。
【００２１】
中間ヘッド７によって、固定用ねじ３を回して、ねじ部６を対応する脊椎骨Ｂの骨組織の中へ入れることができる。
【００２２】
第２のねじ部８は、第１の連結用部材４をねじ３へ固定するためのナット９を受容するように設計されている。第１の連結用部材は中間ヘッド７へ当接するようになっている。
【００２３】
第１の連結用部材４には開放した穴１０が穿たれていて、この穴１０は円筒形状のベアリング面１１、１２を有し、固定用ねじ３が穴１０へ通されると、これらのベアリング面に固定用ねじ３のクランプ用ナット９と中間ヘッド７がそれぞれ当接する。
【００２４】
連結用部材４には穴１０と直角に別の開放した穴１３が穿たれ、この穴１３はその内側の中心に環状トラック１４を有し、この環状トラックの形状は部分球形状である。
【００２５】
連結用部材４は、穴１０を貫いていて環状トラック１４のところで穴１３へ開口するスロット１６を有している。従って、連結用部材４はスロット１６の両側にブランチ１７、１８を有し、ブランチ１７、１８は穴１９の境界を形成する曲面状の壁１９によって互いにつながっている。明らかに、ブランチ１７，１８の各々は固定用ねじ３を通すための穴１０を有している。
【００２６】
スロット１６は、開放した穴１０、１３の主軸と直角に交差する平面内に配置されている。
【００２７】
スロット１６によって連結用部材４はある程度の可撓性が付与され、固定用ねじ３のナット９のクランプ力によって変形可能になっており、従って、連結用部材４は、あとでさらに明らかになるように、連結用部材５に固定された連結手段１５を角度方向に動かないようにできるクリップを構成している。
【００２８】
多軸コネクタ１の連結用部材５には、背骨インプラントＡの連結ロッド２を収容するための開放した穴２０が開けられている。
【００２９】
連結用部材５には穴２０と直角にねじ穴２１が設けられ、このねじ穴２１は穴２０に開口し、また連結用部材に対する連結ロッド２の並進運動を固定するために、連結ねじ２２を収容するように設計されている。
【００３０】
連結用部材５は連結手段１５を有し、この連結手段１５は、部材５の外面の一つに設けられたフィンガ２３から構成されており、フィンガ２３からは球形のヘッド２４が延びている。
【００３１】
第１の連結用部材４は、そのために設けられた穴１０の中を貫く固定用ねじ３を用いて患者の脊椎骨Ｂへ保持される。
【００３２】
固定用ねじ３の第２のねじ部８に対してナット９を締め付けるまえに、第１の連結用部材４には連結手段１５を介して第２の連結用部材５が取り付けられ、連結手段１５は球形のヘッド２４から構成されている。このヘッド２４は前記第１の連結用部材の穴１３の内側に形成された球形のトラック１４と協働する。
【００３３】
固定手段１５は、一方においては多軸コネクタ１の二つの連結用部材４、５を互いに連結しており、他方においては二つの連結用部材の間でボールジョイント連結を形成していて連結ロッド２の角度調節を可能にしている。
【００３４】
連結手段１５はまた、連結ロッド２を連結用部材４、５の回動中心に対して横方向に移動可能にしており、前記ロッドが大きな角度で移動できるようになっている。
【００３５】
連結ロッド２は連結用部材５の穴２０の中へ挿入され、そして、ねじ穴２１にねじ込まれた連結ねじ２２によってその中で横方向に保持される。
【００３６】
球状ヘッド２４を穴１３の球形のトラック１４の内側で回転することによって連結ロッド２の角度位置を決めると、ナット９を固定用ねじ３のねじ部８に対して締め付け、こうして、第１の連結用部材４がスロット１６によって変形して、球状ヘッド２４がトラック１４の内側で固定される。
【００３７】
連結手段１５が固定されると、固定用ねじ３のストッパ７とナット９が穴１０のベアリング面１１、１２にそれぞれ当接することに注目されたい。
【００３８】
固定用ねじ３のナット９を締め付ける際には、前記ねじに設けられたストッパの位置のために、連結用部材４、５は、対応する脊椎骨Ｂの関節とは接触しないことに注目されたい。
【図面の簡単な説明】
【図１】 この発明による背骨インプラント用の多軸コネクタを示す分解斜視図である。
【図２】 この発明による背骨インプラント用多軸コネクタの第１及び第２の連結用部材を詳細に示す分解斜視図である。
【図３】 脊柱の脊椎骨に固定された背骨インプラントの多軸コネクタを示す図である。

Claims (5)

1. 連結ロッド（２）を脊椎骨本体（Ｂ）に対して所定の角度位置に保持するための背骨インプラント（Ａ）を作るための多軸コネクタであって、前記コネクタ（１）が固定用ねじ（３）によって各脊椎骨本体（B）へ固定されており、前記コネクタ（１）が複数の穴を有し、その内の一つの穴（２０）が連結ロッド（２）を受容し、別の穴（１０）が前記固定用ねじ（３）を受容し、前記固定用ねじが、それを骨組織の中へ固定するための第１のねじ部（６）と六角形形状を有する中間ヘッド（７）とクランプ用ナット（９）が取り付けられる第２のねじ部（８）とを有するものにおいて、第１の連結用部材（４）と、第２の連結用部材（５）と、連結手段（１５）と、を有し、前記第１の連結用部材（４）に、固定用ねじ（３）の第２のねじ部（８）を受容するように設計された第１の穴（１０）と、球形の環状トラック（１４）をその内側に有する第２の穴（１３）と、第１の穴（１０）の中を貫いて環状トラック（１４）のところで第２の穴（１３）の中へ開口するスロット（１６）とが穿たれており、前記第２の連結用部材（５）に、連結ロッド（２）を受容するように設計された穴（２０）と、前記ロッドが並進運動しないように固定するための連結ねじ（２２）と協働するねじ穴（２１）とが穿たれており、前記連結手段（１５）が一方においてはボールジョイントを形成していて、第１及び第２の連結用部材（４、５）を互いに連結するとともにこれらの連結用部材の一方を他方に対して回動できるようにして、連結ロッド（２）を所定の角度位置に配置できるようにしており、また他方においては連結ロッド（２）を前記部材（４、５）の回動中心に対して横方向にずらすことができるようになっており、第１の穴（１０）が円筒形状のベアリング面（１１、１２）を有し、前記ナット（９）を締め付けることによって連結手段（１５）の回転が固定されると、これらのベアリング面に対して固定用ねじ（３）のクランプ用ナット（９）と中間ストッパ（７）とがそれぞれ当接する多軸コネクタ。
2. 第２の連結用部材（５）が連結手段（１５）を有し、この連結手段が、前記部材の外面の一つの上に設けられたフィンガ（２３）から構成されており、このフィンガから球形のヘッド（２４）が延びていて、前記ヘッドが第１の連結用部材（４）の第２の穴（１３）の球形トラック（１４）と協働可能になっている請求項１記載の多軸コネクタ。
3. 連結用部材（４）がスロット（１６）の両側にブランチ（１７、１８）を有し、これらのブランチが曲面状の壁（１９）によって互いにつながっていて、固定用ねじ（３）のナット（９）のクランプ力によって変形し、連結手段（１５）の回転を固定することができる請求項１記載の多軸コネクタ。
4. スロット（１６）が第１平面に配置されており、第１平面は連結用部材（４）の第１の穴（１０）及び第２の穴（１３）の主軸にそれぞれ平行な二本の直線を含む第２平面と直角に交差する請求項１記載の多軸コネクタ。
5. 第２の連結用部材（５）のねじ穴（２１）が直角方向に前記穴（２０）へ開口している請求項１記載の多軸コネクタ。

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