JP4586956B2 - 電極膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極膜およびその製造方法、ならびに強誘電体メモリおよび半導体装置に関する。
強誘電体メモリ(FeRAM)は、強誘電体薄膜を用いた強誘電体キャパシタの自発分極によりデータを保持するものである。また近年、かかる強誘電体メモリを用いた半導体装置が注目されている。
この強誘電体メモリの電極には、電極間に挟まれる強誘電体膜の結晶配向性や強誘電体膜の構成元素の拡散防止の観点から、結晶性がよく、隙間がないことが必要とされる。
しかし、従来では、例えば、スパッタ法を用いて基板温度を高くして電極膜を形成しており、電極膜の結晶性は良好であるが、図20に示すように、基板10上に形成されたスパッタ形成の電極膜100は、粒界が比較的多い柱状や粒状の結晶となる。すると、この電極膜の間に形成される強誘電体膜の材料の拡散が生じてしまい、強誘電体メモリの特性に望ましくない影響を与えるおそれがある。また、電極膜を形成する際の基板温度が高いと、図20に示す電極膜100のように、その表面の平坦性も好ましいものではない。
本発明の目的は、粒界が少なく、かつ結晶性および平坦性の良好な電極膜およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、この電極膜を用いた強誘電体メモリおよび半導体装置を提供することにある。
1.本発明の第1の電極膜の製造方法は、
基板上に電極膜を形成する製造方法であって、
(a)前記基板上に電極材料の初期結晶核を島状に形成し、
(b)前記初期結晶核を成長させて電極材料の成長層を形成することを含み、
前記(a)における基板温度は、前記(b)における基板温度より高い。
本明細書において、「基板上に」とは、基板の直接その上にという場合に限らず、所定の層を介している場合も含まれる。
本発明の第1の電極膜の製造方法によれば、まず、基板上に電極材料の初期結晶核を形成してから、この初期結晶核を成長させて成長層とすることにより電極膜を得る。このとき、初期結晶核を形成するときの基板温度が成長層を形成するときの基板温度より高いため、初期結晶核は、良好な結晶性を有する。そして、成長層は、初期結晶核を形成するときよりも基板温度が低いため、粒界の少ない結晶となり平坦性がよい。さらに、初期結晶核の良好な結晶性を保持しつつ成長させていくことができる。従って、本発明の製造方法によれば、粒界が少なく、結晶性および平坦性の良好な電極膜を得ることができる。
なお、本発明においては、初期結晶核を複数の異なる電極材料からなる複数の結晶核により構成されるように形成してもよいし、また、初期結晶核と成長層とが異なる電極材料からなる電極膜となるように形成することもできる。
ここで、本発明の第1の電極膜の製造方法では、前記(a)における基板温度を、200℃以上600℃以下に設定し、前記(b)における前記基板温度を、200℃より低い温度に設定することができる。
2.本発明の第2の電極膜の製造方法は、
基板上に電極膜を形成する製造方法であって、
(a)前記基板上に電極材料の初期結晶核を島状に形成し、
(b)前記初期結晶核を成長させて電極材料の成長層を形成することを含み、
前記(a)および(b)において、前記初期結晶核を形成する際の電極材料の粒子のエネルギーは、前記成長層を形成する際の電極材料の粒子のエネルギーよりも高い。
本発明の第2の電極膜の製造方法によれば、初期結晶核を形成する際の電極材料の粒子のエネルギーが成長層を形成する際の電極材料の粒子のエネルギーより高いため、形成された初期結晶核は、結晶性がよい。そして、成長層は、電極材料の粒子のエネルギーが低くなるように初期結晶核の結晶性を保持しつつ形成されるので、粒界の少ない結晶となり平坦性もよい。従って、本発明の製造方法によっても、粒界が少なく、結晶性および平坦性の良好な電極膜を得ることができる。
なお、本発明においても、初期結晶核を複数の異なる電極材料からなる複数の結晶核により構成されるように形成してもよいし、また、初期結晶核と成長層とが異なる電極材料からなる電極膜となるように形成することもできる。
本発明の第1および第2の電極膜の製造方法は、以下の態様を取り得る。
(1)前記(a)において、前記初期結晶核を、スパッタ法用いて形成し、前記(b)において、前記成長層を、蒸着法を用いて形成することができる。
かかる態様では、スパッタ法を用いて初期結晶核を形成する。スパッタ法では、一般的に付着力が高くて結晶性のよい膜が得られるが、形成膜中の内部応力が高い。しかし、かかる態様では、蒸着法を用いて初期結晶核を成長させて初期結晶核の結晶性を保持しつつ成長層を形成する。蒸着法では、成膜中の材料の粒子のエネルギーが低く、不純物の少ない雰囲気中で成膜を行うことができるため、清浄な膜が得られ、形成膜の内部応力も低い。
従って、かかる態様によれば、成膜工程を一貫してスパッタ法で行う場合に比べて、良好な結晶性を有するとともに不純物の少ない清浄な電極膜を得ることができる。また、かかる態様によれば、内部応力が低減された歪みの少ない電極膜を得ることができる。
(2)前記(a)および(b)を複数回繰り返して行って複数の電極膜を積層することができる。
かかる態様によれば、粒界の少ない電極膜が複数積層された電極膜を得ることができ、例えば、この電極膜と接する他の結晶層との界面において他の結晶層の構成元素が電極膜中へ拡散するのを効果的に防止することができる。
(3)前記(b)の後に熱処理を行うことができる。
かかる態様によれば、熱処理を行うことによって、電極膜中に内在する応力を開放して、電極膜の歪みを低減することができる。なお、かかる熱処理では、窒素やアルゴンなどの非酸化ガス雰囲気中で行うことにより、電極膜表面の酸化を防止することができる。
(4)前記電極材料としては、Pt、Ir、Ru、Cu、Ag、IrO、RuO、TiN、TaN、PbPtの少なくともいずれかを採用することができる。
(5)前記(b)の後に、少なくとも前記成長層の粒界の間隙を拡散防止用電極材料で埋めることを含むことができる。
かかる態様によれば、成長層の粒界が埋められることにより隣接する結晶層の構成材料が電極膜中へ拡散することにより劣化することを効果的に防止することができる。このような、前記拡散防止用電極材料としては、Ir、IrO、Ru、RuO、HfO、Alの少なくともいずれかを採用することができる。
3.本発明の上記製造方法により得られる電極膜は、強誘電体メモリまたはこの強誘電体メモリを含む半導体装置に適用することができる。
本発明の強誘電体メモリおよび半導体装置では、粒界が少なく、結晶性のよい電極膜が用いられるため、強誘電体薄膜と電極膜との界面で強誘電体の構成元素が電極膜中に拡散しにくくなっている。このため、本発明によれば、良好な特性を有する強誘電体メモリおよび半導体装置を得ることができる。
以下、本発明に好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
図1(A)〜図1(D)は、本発明の第1の実施形態に係る電極膜の製造工程を模式的に示す図である。
(1)まず、図1(A)に示すように、電極膜を形成するための基板10を用意する。
本実施の形態において、基板10としては、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、GaAs、ZnSe等の化合物半導体等の半導体基板、Pt等の金属基板、サファイア基板、MgO基板、SrTiO、BaTiO、ガラス基板等の絶縁性基板等を用いることができる。また、これらの各種基板上に絶縁層などの層が積層されたものを基板10として用いることができる。
また、本実施の形態において、電極材料としては、例えば、Pt、Ir、Ru、Au、Ag、Al、Cu等の金属、IrO、RuO等の酸化物導電体、TiN、TaN等の窒化物導電体等を用いることができる。
(2)次に、図1(B)に示すように、例えば、スパッタ法を用いて基板10上に電極材料の初期結晶核20を島状に形成する。このとき、基板10に与えられる温度は、200℃以上600℃以下に設定することができる。これにより、初期結晶核20の結晶品質を良好なものとすることができる。
ここで、スパッタ法とは、真空中でイオンを原料であるターゲット材料にぶつけ、そこからたたき出されてきた原子を近くにおいた基板上に付着させ薄膜を作る方法である。すなわち、スパッタ法は、放電などにおいて電極の材料がイオンの衝撃によって電極からたたき出されて、近くにある物体の表面に付着する現象であるスパッタリング現象を利用したものである。本実施の形態では、イオンを作る手法の違いによって、RFスパッタ法、DCスパッタ法、マグネトロンスパッタ法、イオンビーム・スパッタ法などを用いることができる。
(3)次に、図1(C)に示すように、例えば、真空蒸着法を用いて初期結晶核20を成長させ、成長層30を形成していく。このとき、成長層30は、初期結晶核20の結晶性を保持しつつ形成されていく。また、このとき、基板10に与えられる温度は、初期結晶核20を形成する際の温度より低いことが好ましく、具体的には200℃より低い温度に設定することができる。これにより、成長層30として、粒界の少なく平坦性の良好な板状の結晶が形成することができる。
ここで、真空蒸着法とは、真空中の原料物質を加熱して蒸発させ、被形成体の表面で凝縮、薄膜形成させる方法である。物質に気化熱を与える為には、通常は電子ビームが用いられ、気化熱を与えられ蒸気となった原料物質が、被形成体の表面で気化熱を放出して凝縮することにより、薄膜を形成する。また、真空蒸着法は、真空中で上記工程を行う為、原料物質を蒸発させるのが容易であり、酸化による変質を防止することができ、かつ形成膜の表面を清浄に保持することが可能である。また、真空蒸着法は、スパッタ法ほど成膜中の飛行原子が大きなエネルギーを持たないため、形成後の薄膜中に内部応力が発生しにくい。
(4)最終的には、図1(D)に示すように、基板10の上に電極膜40が形成される。このとき形成される電極膜40の膜厚は、例えば50〜200nmとすることができる。この電極膜40は、スパッタ法により形成された初期結晶核20の良好な結晶性と、真空蒸着法により形成された成長層30の粒界の少なさおよび平坦性、さらには表面の清浄性を併せ持つこととなる。すなわち、本実施形態による製造方法では、良好な結晶性および平坦性を有し、粒界の少ない電極膜40を得ることができる。また、本実施形態による製造方法では、成長層30を真空蒸着法で形成することにより、成膜工程を全てスパッタ法を用いた場合に比べて、電極膜40に内在する応力を低減させることができる。
なお、本実施の形態において、電極膜40と基板10との間には、絶縁層及び接着層等の中間層を形成しても良い。絶縁層は例えば、SiO、Si等により形成することが出来る。また、接着層としては、基板10と電極膜40又は絶縁層と電極膜40との接着強度を確保することが出来るものであれば、その材料は特に限定されない。このような材料としては、例えば、タンタル、チタン等の高融点金属が挙げられる。これらの中間層は、熱酸化法、CVD法、スパッタ法、真空蒸着法、MOCVD法等、種々の方法で形成することができる。
また、本実施の形態の製造方法では、上記(1)〜(4)の工程により電極膜40を形成した後に、熱処理を行うことによって、電極膜40に内在する応力を開放してより歪みの少ない電極膜を得ることができる。なお、かかる熱処理は、窒素やアルゴンなどの非酸化ガス雰囲気中で行うことにより、電極膜表面の酸化を防止することができる。
また、本実施の形態においては、上記(2)および(3)の工程を繰返し行うことにより、粒界の少ない電極膜を多層に積層することにより、電極膜の上に他の結晶層を形成した場合に、他の結晶層の構成元素が電極膜の粒界から内部へ拡散することにより、他の結晶層の品質を劣化させるのを防止することができる。かかる態様は、図2(A)〜(C)に示すような工程で行うことができる。
まず、図2(A)に示すように、上記製造工程により形成された電極膜40の上に、例えば、スパッタ法を用いて電極材料の初期結晶核22を島状に形成する。このとき初期結晶核22は、電極膜40の表面状態が変化している部分、特に電極膜40の粒界によってできる間隙の上に形成されていく。
次に、図2(B)に示すように、例えば、真空蒸着法を用いて初期結晶核22を成長させて成長層32を形成していく。このとき、成長層32は、初期結晶核22の結晶性を保持しつつ形成されていく。そして、最終的には、図2(C)に示すように、電極膜40の上に電極膜42が形成される。これにより、粒界の少ない電極膜40、42が複数積層された電極膜を得ることができ、例えば、この電極膜42と接する他の結晶層との界面において他の結晶層の構成元素が電極膜40、42中へ拡散するのを効果的に防止することができる。
なお、かかる態様においては、上記(2)および(3)の工程をさらに繰り返して行うことにより、3層以上の電極膜を積層することもできる。
以下では、本実施の形態の形成方法について、さらに詳細な実施例を図面を参照しながら説明する。
本実施例では、スパッタ法で島状にPt初期結晶核20を形成し、続けて蒸着法によりPtを成長させたPt成長層30を形成し、図2に示すようなPt電極薄膜40を得た。また、Pt初期結晶核20をスパッタ法で形成する際は、基板10を加熱して、Pt初期結晶核20の結晶性を確保することが重要であり、蒸着法によりPtを成長してPt成長層30を形成する際には、200℃以下の低温で成長させることにより、表面の平坦性と粒界が少ないことが重要である。
なお、本実施例においては、Pt初期結晶核20を形成するのに、イオンビーム・スパッタ法を用いている。イオンビーム・スパッタ法とは、イオンをターゲットから離れたところで独立して作るので、制御性に優れており、ターゲットや基板が直接イオン・プラズマにさらされないので比較的クリーンに薄膜が形成できる。
また、本実施例においては、Pt成長層30を形成する際の蒸着法として真空蒸着法を用いた。真空蒸着法は、真空中で上記工程を行う為、蒸発が容易であり、酸化による変質を防止出来、かつ基板の薄膜被覆面を清浄な表面に保持することが可能である。加えて、スパッタ法ほど飛行原子が大きなエネルギーを持たないため、形成後の薄膜中に内部応力が発生しにくいという利点がある。
本実施例においては、図3に示すように、n型シリコン基板11の表面に層間絶縁膜としてシリコン熱酸化膜12が厚さ200nmで形成され、その上に接着層としてTiO膜13を20nm形成されたものを基板10として用いた。
次に、上記TiO/SiO/Si積層基板10上に、表1の条件を用いて、図3に示すような本発明によるPt電極薄膜40(Pt1、Pt2及びPt3)をそれぞれ200nm形成した。
また、比較の為に、表2の条件を用いて、図20に示すような従来のスパッタ法によるPt電極薄膜100(Pt4、Pt5、Pt6及びPt7)を用意した。
図4は、Pt1〜Pt3のPt電極薄膜40およびPt5〜Pt7のPt電極薄膜100についてロッキングカーブを測定した結果を示すものである。それぞれ、ピークの半値巾は、本発明の製造方法を適用したPt1、Pt2およびPt3が1.80°、2.46°および2.70°であるのに対して、従来のスパッタ法によるPt5、Pt6およびPt7は3.00°、4.02°および5.72°であり、結晶性、配向性共に本発明の製造方法を適用したPt電極薄膜40が優れていることが分かった。
これは、従来のスパッタ法のみの製造方法では成膜中において、Pt薄膜が形成される基板を常に高温に保持する必要があり、かつ高エネルギーのArプラズマにさらされるため、基板及び被覆済みのPt薄膜がダメージを受け、配向性が劣化したものと考えられる。
次に、上記Pt1及びPt4電極薄膜上にゾルゲル法により、強誘電体膜として膜厚が100nm〜15nmのPZT(Pb(Zr,Ti)O)薄膜を形成した。本発明の製造方法を適用したPt1を用いた場合においては、図5(A)〜図5(D)に示す良好な強誘電特性を得たが、スパッタ法のみを用いて形成したPt4を用いた場合は、PZTの膜厚が100nm以下の条件では、強誘電特性を得ることは出来なかった。
そこで、従来Pt4及びPt6上のPZT薄膜を結晶化前の仮焼成段階で終了させて、脱ガス分析を行った。すると、図6(A)および図6(B)に示すように、600℃程度でPt電極薄膜100中から多量のArガスが放出されることが分かった。なお、図6(A)は、Pt4を用いた場合の分析結果を示し、図6(B)は、Pt6を用いた場合の分析結果を示す。
図6(A)および図6(B)に示す分析結果について検討すると、このArガスは、スパッタ時にPt電極薄膜100中に注入されたものである。このArガスは、PZTの結晶化後あるいは結晶化中にPt電極とPZT薄膜の界面に放出されるため、Pt電極とPZT薄膜との界面では、良好な界面を保つことが出来なくなり、この結果従来のスパッタ法のみを用いて形成したPt電極薄膜100上では100nm以下の膜厚のPZT薄膜では強誘電特性を確認できなかったものと考えられる。
これに対して、本発明の製造方法を適用したPt電極薄膜40は、結晶性、配向性が良好な上、低温形成を行ったため、緻密平滑な表面を持ち、かつ拡散源となる粒界をほとんど持たない。さらに、かかるPt電極薄膜40は、その成長層30を蒸着法で形成しているため、Ar等の不純物を含むことがない。従って、本発明を適用したPt電極薄膜40上に、膜厚が100nm以下のPZT超薄膜を形成しても、良好な強誘電特性を得ることが出来た。
本実施例では、本発明の製造方法を適用したPt電極薄膜について、Pt結晶の格子定数にどのような影響があるかを検討した。Ptなどの白金系金属は、化学的に安定で(111)高配向膜が得られやすいことから、強誘電体メモリ等の電極材料として有用な材料であることが知られている。しかし、Pt電極薄膜は、強誘電体メモリのキャパシタを構成するPZT系強誘電体薄膜との間では、格子整合性が十分ではなく、このような格子不整合は、キャパシタの界面特性に影響を与えるものであることから、かかる格子整合性の改善がキャパシタの特性向上のためには重要であると考えられる。
そこで、本願発明者らは、本実施の形態の手法を用いて形成されるPt電極薄膜の強誘電体キャパシタなどへの応用についての有用性を検討した。
図1に示す成膜工程によりスパッタ法と蒸着法を用いて形成されたPt電極薄膜(新Pt)と従来から公知のスパッタ法のみにより形成されたPt電極薄膜(従来Pt)のX線回折法による測定結果を図7(A)及び図7(B)に示す。各Pt電極薄膜の測定においては、Pt被覆基板に対して表面方向(Ψ1)および断面方向(Ψ2)の2方向について測定を行った。
図7(A)に示すように、新Ptでは、Ψ1の測定で得られたピークに対してΨ2の測定で得られたピークが低角側にシフトしており、格子定数を算出するとa,b=3.99、c=3.92であった。すなわち、新Ptでは、結晶格子が断面方向に圧縮されていることが分かる。一方、従来Ptでは、Ψ1の測定で得られたピークとΨ2の測定で得られたピークとは、ほぼ同等の位置に現れ、格子定数を算出すると、a,b,c=3.96であった。すなわち、従来Ptは、立方体に近い結晶格子を有していることになる。このように、従来Ptと新Ptとにおいて格子定数に違いが見られるのは、スパッタ法のみにより成膜した従来Ptとスパッタ法と蒸着法とを組み合わせて成膜した新Ptとでは、膜中に内在する応力が異なることが要因の一つであると考えられる。
以上の結果をPZT結晶の格子定数(a,b=4.02、c=4.11)と比較すると、新Ptからなる電極薄膜上にPZT膜を形成した場合の格子不整合率は、2.52%であるが、従来Ptからなる電極薄膜上にPZT膜を形成した場合の格子不整合率は、4.08%となり、この結果から本実施の形態により形成されたPt電極薄膜は、PZT系強誘電体薄膜との格子不整合を緩和させることができ、強誘電体メモリなどの素子応用に適していることが確認できた。
また、新Ptでは、蒸着法を用いているため、本実施例の手法によれば、純度の高い結晶膜を得ることができ、また蒸着法では気体が固体に変わるという大きなエネルギー変化を用いているため結晶性、配向性が十分高い結晶膜が得られ、従来よりも良質な電極膜を再現性良く形成することができる。
[第2の実施形態]
図8(A)〜図8(D)は、本発明の第2の実施形態に係る電極膜の製造工程を模式的に示す図である。本実施の形態では、電極膜の初期結晶核について2種以上の異なる電極材料からなるものを形成する場合について説明する。
(1´)まず、本実施の形態においても、図8(A)に示すように、電極膜を形成するための基板10を用意する。基板10の材料としては、上述した第1の実施形態の場合と同様のものを用いることができる。
(2´)次に、図8(B)に示すように、例えば、スパッタ法を用いて基板10上に第1の電極材料からなる第1初期結晶核20aを島状に形成する。このとき、基板10に与えられる温度は、200℃以上600℃以下に設定することができる。これにより、第1の電極材料からなる第1初期結晶核20aの結晶品質を良好なものとすることができる。この第1の電極材料としては、例えば、Pt、Ir、Ru、Au、Ag、Al、Cu等の金属、IrO、RuO等の酸化物導電体、TiN、TaN等の窒化物導電体等を用いることができる。
(3´)次に、図8(C)に示すように、第1初期結晶核20aの上に例えば、スパッタ法を用いて第1の電極材料と異なる第2の電極材料からなる第2初期結晶核20bを形成する。このとき、基板10に与えられる温度は、200℃以上600℃以下に設定することができる。これにより、第2の電極材料からなる第2初期結晶核20bの結晶品質を良好なものとすることができる。この第2の電極材料としては、例えば、Pt、Ir、Ru、Au、Ag、Al、Cu等の金属、IrO、RuO等の酸化物導電体、TiN、TaN等の窒化物導電体等を用いることができる。
(4´)次に、図8(D)に示すように、例えば、真空蒸着法を用いて第2初期結晶核20bを成長させ、成長層32を形成していく。このとき、成長層32は、初期結晶核20bの結晶性を保持しつつ形成されていく。また、このとき、基板10に与えられる温度は、初期結晶核20a、20bを形成する際の温度より低いことが好ましく、具体的には200℃より低い温度に設定することができる。これにより、成長層30として、粒界の少なく平坦性の良好な板状の結晶が形成することができる。
(5´)最終的には、図8(E)に示すように、基板10の上に電極膜44が形成される。このとき形成される電極膜44の膜厚は、例えば50〜200nmとすることができる。この電極膜44は、スパッタ法により形成された初期結晶核20bの良好な結晶性と、真空蒸着法により形成された成長層32の粒界の少なさおよび平坦性、さらには表面の清浄性を併せ持つこととなる。すなわち、本実施形態による製造方法では、良好な結晶性および平坦性を有し、粒界の少ない電極膜44を得ることができる。また、本実施形態による製造方法では、成長層32を真空蒸着法で形成することにより、成膜工程を全てスパッタ法を用いた場合に比べて、電極膜44に内在する応力を低減させることができる。
なお、本実施の形態に係る製造方法においても、第1の実施形態の場合と同様に、基板10に絶縁層や接着層等の中間層が含まれて形成されていてもよい。また、本実施の形態の製造方法においても、第1の実施形態の場合と同様に、電極膜44を形成した後に、熱処理を行うことによって、電極膜44に内在する応力を開放してより歪みの少ない電極膜を得ることができる。さらに、本実施の形態においても、第1の実施形態の場合と同様に、上記(2´)〜(4´)の工程を繰返し行うことにより、複数の電極膜を積層した構造を形成することもできる。
以下では、本実施の形態の製造方法について、さらに詳細な実施例を図面を参照しながら説明する。
本実施例では、イオンビーム・スパッタ法で島状にIr第1初期結晶核20a、Pt第2初期結晶核20bを順次形成し、続けて真空蒸着法によりPt成長層32を形成して、図9に示すようなIr−Pt電極薄膜44を得た。本実施例において第1初期結晶核20aの材料として採用したIrは、一般にPZT系強誘電体キャパシタの電極材料として、その疲労特性を向上させる材料であることが知られている。これは、Irが同じ白金族の電極材料であるPtに比べて強誘電体材料に対する拡散防止効果が大きいことを意味する。このため、このような強誘電体材料に対する拡散防止効果の高い材料を初期結晶核20aとして電極膜内に混在させることにより、かかる電極膜44を強誘電体キャパシタの電極に採用した場合に、キャパシタの疲労特性を向上させることができる。また、本実施例においては、図8に示すように、n型シリコン基板11の表面に層間絶縁膜としてシリコン熱酸化膜12が厚さ200nmで形成され、その上に接着層としてTiO膜13を20nm形成されたものを基板10として用いている。
図10(A)は、図9の構造を有するPtとIrの複合電極膜44上に形成されたPZTからなる強誘電体部分を含む強誘電体キャパシタのヒステリシス特性を示すものである。なお、比較例として、図20に示すような従来のスパッタ法のみによるPt電極膜100上に形成されたPZTからなる強誘電体部分を含む強誘電体キャパシタのヒステリシス特性を図10(B)に示す。図10(A)及び図10(B)によれば、本実施例を適用した電極膜44を有する強誘電体キャパシタのほうが、従来のスパッタ法のみによる電極膜100を有する強誘電体キャパシタと比べて、角型性の良いヒステリシス特性を得られることが確認できた。また、かかる2種類の強誘電体キャパシタについて、疲労特性についても測定した。図11(A)は、本実施例を適用した場合を示し、図11(B)は、従来のスパッタ法のみによる場合を示している。図11(A)及び図11(B)によれば、疲労特性においても、本実施例を適用した電極膜44を有する強誘電体キャパシタが優れていることが確認できた。
本実施例では、Ir−Pt複合電極膜を強誘電体キャパシタの上部電極として用いた場合、および上部電極と下部電極の双方に用いた場合についての検証を行った。
まず、従来のスパッタ法により形成したPt電極膜100に被覆されて下部電極が形成されたSiウェハ10を基材として用い、その上部に厚さ200nmのPZT薄膜50をゾルゲル法により形成した。
次に、図12(A)に示すようにPZT薄膜50上部にスパッタ法を用いてPt電極初期核20aを基板温度400℃で厚さ10nm形成した。この時、Pt初期核は、膜状にはならず、島状に形成された。この時の成膜条件は、DCスパッタ装置を用いてDCパワー100W、成膜圧力0.3PaでArプラズマを用い、基板温度400℃で5秒間スパッタを行って、厚さ5nmとした。
次に、基板温度を200℃とし、蒸着法を用いて、Pt電極が連続しPZT薄膜50を完全に被覆するまで成長させ、図12(B)に示すように第1Pt成長層32を形成し、第1Pt電極膜44を得た。この時、第1Pt電極膜44の総膜厚は40nmであった。このとき、成膜条件は、DCスパッタ装置を用いてDCパワー100W、成膜圧力0.3PaでArプラズマを用い、基板温度200℃で60秒間スパッタを行って、総膜厚40nmとした。
ここで、第1Pt電極膜44形成時のプロセスダメージによるPZTの特性劣化を回復するため、酸素雰囲気下でポストアニールを行うことも可能である。つまり、本実施例のように第1Pt電極膜44の総膜厚が僅か40nm程度と薄く、かつ第1Pt電極膜44が粒界に多くの隙間を有しており酸素を十分に透過する場合においては、第1Pt電極膜44の粒界の隙間を通じてPZT薄膜50に酸素を供給しつつポストアニールを行うことが効果的である。
さらに、本実施例では拡散防止用のIr粒60をスパッタ法により、平坦な基板に対して、厚さ10nmとなる成膜条件で極僅かの第1Pt電極膜44の第1Pt成長層32の粒界の隙間に打ち込み、図12(C)に示すような構造を形成した。この際の基板温度は任意に設定することができ、加えて酸素雰囲気中で行なうとともに、IrO粒を打ち込むことも可能である。また、後述の通り、IrやIrO粒は、選択的にPtの隙間に入り込むことを利用している。
最後に、蒸着法を用いて、所望の厚さになるまで、第2Pt成長層34を成長させて第2Pt電極膜46を形成し、図12(D)に示すような第1Pt電極膜44及び第2Pt電極膜46からなるIr−Pt電極膜48を有する構造を形成した。本実施例ではIr−Pt電極膜48の総膜厚を160nmとなるように形勢した。なお、この際の蒸着条件は、成膜圧力が2.2×10−6Torrで、エレクトロンビーム・パワーを2kWとし、成膜温度については室温で、10分間の成膜を行い、総膜厚160nmとした。
このようにして作成したPZTキャパシタの疲労特性を評価したところ、図13に示すように良好な疲労特性を示した。図中サンプル1は粒界拡散の防止用にIr粒を用い、サンプル2は同じく粒界拡散の防止用にIrO粒を用いた場合のPZTキャパシタである。
さらに、サンプル2のPZTキャパシタを5%の水素を含む窒素雰囲気中で、400℃で、30分間のアニールを施したところ、図14に示すようにアニール処理前後で、全くヒステリシス特性の変化は見られなかった。
一般にPZTなどの強誘電体は、水素等の還元雰囲気下でアニールを行うことで特性劣化することが知られているが、本発明のIr−Pt電極膜48を用いた場合は、図14に示すように、ほとんど特性劣化が見られなかった。このことは、Ptの持つ多くの粒界が原因で、粒界拡散によりPZT中に入り込んだ水素が特性劣化を引き起こしており、本発明は極僅かな量のIr粒でPt粒界に栓をすることで、効果的に水素の拡散を防止していることが証明された。すなわち、図15中の矢印Aに示すように、Ir粒60が拡散ブロックとなり、上からの水素或いはPZT中からの元素の拡散を効果的に防止することを意味している。また、電極を第1Pt電極膜44と第2Pt電極膜46とに分割して形成し、かつ両者の間にIrという異物質を挟み込むことで、Ptが連続成長せず、すなわちPtの有する粒界が連続することが殆どなくなるため、たとえIr粒60が上手く入り込まなかったPt粒界でさえも、図14中の矢印B,Cに示すように、拡散防止効果を有することとなり、これらの結果、本発明によるIr−Pt電極膜48を用いたPZTキャパシタは良好な強誘電特性を示したものといえる。
また、本発明のIr−Pt電極膜48の場合、Ir使用量は極僅かであり、高価なIrを有効に使用できるばかりではなく、電極の殆どがIrよりも軟らかいPtからなるため、エッチングプロセスを効果的に用いることが出来、容易に微小キャパシタを形成することが出来た。
実際に、200μm角(200μm×200μm)、45μm角(45μm×45μm)、5μm角(5μm×5μm)、3μm角(3μm×3μm)でキャパシタを作製し、ヒステリシス特性を評価したところ、図16に示すように、全てのサイズのキャパシタにおいて良好なヒステリシスを確認した。
また、本発明の電極膜の製造方法を用いて、図17(A)に示すようなIr−Pt複合電極48a、48bまたは図17(B)に示すようなIr−Pt複合電極48c、48dをPZTキャパシタの上部電極および下部電極に用いることで、Si基板との間の相互拡散をも防止することが出来、更に良好な強誘電特性を引き出すことが出来ると考えられる。
また、実際に本発明の電極膜の製造方法により作製されたPt−Ir複合電極48の表面モフォロジーを図18に示す。
図18(A)は、厚さ40nmで形成されたPt初期結晶核(5nm)+Pt成長層(35nm)である。これによれば、PZTを覆い尽くすことが出来ずに多くの隙間(粒界)を有していることが分かる。
次に、Pt初期結晶核の隙間(粒界)に拡散防止用Irを打ち込んだものが図18(B)であり、Pt初期核の隙間を拡散防止用Irが埋め尽くしていることが確認できた。すなわち、この段階で初めてPZT薄膜を電極金属が覆い尽くしたことが分かる。加えて、Ptの粒界にIrが集中して形成されたことがことが
さらに、上部にPtを形成し、層膜厚150nmとしたのが図18(C)である。図18(A)の場合と粒サイズが全く異なっており、図18(A)のPt初期結晶核と図18(C)のPt成長層では、粒界が一致していないことが分かる。
[第3の実施形態]
本実施の形態では、第1および第2の実施形態で説明した製造方法のデバイスへの適用例について説明する。
図19(A)及び図19(B)は、上記実施の形態の製造方法により得られる電極膜を用いた強誘電体メモリを有する半導体装置1000を模式的に示す図である。なお、図19(A)は、半導体装置1000の平面的形状を示すものであり、図19(B)は、図19(A)におけるA−A´断面を示すものである。
半導体装置1000は、図19(A)に示すように、強誘電体メモリセルアレイ200と、周辺回路部300とを有する。そして、強誘電体メモリセルアレイ200と周辺回路部300とは、異なる層に形成されている。また、周辺回路部300は、強誘電体メモリセルアレイ200に対して半導体基板400上の異なる領域に配置されている。なお、周辺回路300の具体例としては、Yゲート、センスアンプ、入出力バッファ、Xアドレスデコーダ、Yアドレスデコーダ、又はアドレスバッファを挙げることができる。
強誘電体メモリセルアレイ200は、行選択のための下部電極210(ワード線)と、列選択のための上部電極220(ビット線)とが交叉するように配列されている。また、下部電極210及び上部電極220は、複数のライン状の信号電極から成るストライプ形状を有する。なお、信号電極は、下部電極210がビット線、上部電極220がワード線となるように形成することができる。この下部電極210および上部電極220は、上記実施の形態に係る製造方法を用いて形成されているため、粒界が少なく、平坦性が良好である。従って、後述する下部電極210と上部電極220との間に配置される強誘電体膜215の構成元素が、下部電極210や上部電極220の中に拡散することを防止することができる。
そして、図19(B)に示すように、下部電極210と上部電極220との間には、強誘電体膜215が配置されている。強誘電体メモリセルアレイ200では、この下部電極210と上部電極220との交叉する領域において、強誘電体キャパシタ230として機能するメモリセルが構成されている。なお、強誘電体膜215は、少なくとも下部電極210と上部電極220との交叉する領域の間に配置されていればよい。
さらに、半導体装置1000は、下部電極210、強誘電体膜215、及び上部電極220を覆うように、第2の層間絶縁膜430が形成されている。さらに、配線層450、460を覆うように第2の層間絶縁膜430の上に絶縁性の保護層440が形成されている。
周辺回路部200は、図19(A)に示すように、前記メモリセル200に対して選択的に情報の書き込み若しくは読出しを行うための各種回路を含み、例えば、下部電極210を選択的に制御するための第1の駆動回路310と、上部電極220を選択的に制御するための第2の駆動回路320と、その他にセンスアンプなどの信号検出回路(図示省略)とを含んで構成される。
また、周辺回路部300は、図19(B)に示すように、半導体基板400上に形成されたMOSトランジスタ330を含む。MOSトランジスタ330は、ゲート絶縁膜332、ゲート電極334、及びソース/ドレイン領域336を有する。各MOSトランジスタ330間は、素子分離領域410によって分離されている。このMOSトランジスタ330が形成された半導体基板400上には、第1の層間絶縁膜410が形成されている。そして、周辺回路部300とメモリセルアレイ200とは、配線層51によって電気的に接続されている。
次に、半導体装置1000における書き込み、読出し動作の一例について述べる。
まず、読出し動作においては、選択されたメモリセルのキャパシタに読み出し電圧が印加される。これは、同時に‘0’の書き込み動作を兼ねている。このとき、選択されたビット線を流れる電流又はビット線をハイインピーダンスにしたときの電位をセンスアンプにて読み出す。そして、非選択のメモリセルのキャパシタには、読み出し時のクロストークを防ぐため、所定の電圧が印加される。
書き込み動作においては、‘1’の書き込みの場合は、選択されたメモリセルのキャパシタに分極状態を反転させる書き込み電圧が印加される。‘0’の書き込みの場合は、選択されたメモリセルのキャパシタに分極状態を反転させない書き込み電圧が印加され、読み出し動作時に書き込まれた‘0’状態を保持する。このとき、非選択のメモリセルのキャパシタには書き込み時のクロストークを防ぐために、所定の電圧が印加される。
この半導体装置1000によれば、上記実施の形態の製造方法に作製される強誘電体キャパシタ230について、下部電極210および上部電極220が粒界が少なく、良好な結晶性および平坦性を有するため、これらの間に配置される強誘電体膜215の品質を良好なものとすることができ、デバイスの品質の向上および歩留まりの向上を図ることができる。
以上、本発明に好適な実施の形態について述べたが、本発明はこれらに限定されるものでなく、本発明の要旨の範囲内で各種の態様を取り得る。
第1の実施形態の製造方法を模式的に示す図である。 第1の実施形態の製造方法を模式的に示す図である。 第1の実施形態の実施例1に係る電極膜を模式的に示す図である。 第1の実施形態の実施例1に係る電極膜の分析結果を示す図である。 第1の実施形態の実施例1に係る電極膜上に形成した強誘電体膜のヒステリシス特性を示す図である。 第1の実施形態の実施例1に係る強誘電体膜の脱ガス分析結果を示す図である。 第1の実施形態の実施例2に係る電極膜のX線回折法による分析結果を示す図である。 第2の実施形態の製造方法を模式的に示す図である。 第2の実施形態の実施例3に係る電極膜を模式的に示す図である。 第2の実施形態の実施例3に係る電極膜上に形成した強誘電体膜のヒステリシス特性を示す図である。 第2の実施形態の実施例3に係る電極膜上に形成した強誘電体膜の疲労特性を示す図である。 第2の実施形態の実施例4に係る製造方法を模式的に示す図である。 第2の実施形態の実施例4に係る電極膜上に形成した強誘電体膜の疲労特性を示す図である。 第2の実施形態の実施例4に係る電極膜上に形成した強誘電体膜のヒステリシス特性を示す図である。 第2の実施形態の実施例4に係る電極膜の機能を説明するための図である。 第2の実施形態の実施例4に係る電極膜を有する強誘電体キャパシタのヒステリシス特性を示す図である。 第2の実施形態の実施例4に係る電極膜を有する強誘電体キャパシタの構造を説明するための図である。 第2の実施形態の実施例4に係る電極膜の製造過程における表面状態を観察した顕微鏡写真である。 第3の実施形態に係る半導体装置を模式的に示す図である。 従来の製造方法による電極膜を模式的に示す図である。
符号の説明
10 基板、20 初期結晶核、30 成長層、40,42 電極膜

Claims (5)

  1. 基板上に電極膜を形成する製造方法であって、
    前記基板上に、スパッタ法を用いて、第1電極材料の第1初期結晶核を島状に形成すること、
    前記第1初期結晶核上に、スパッタ法を用いて、第2電極材料の第2初期結晶核を形成すること、
    真空蒸着法を用いて、前記第2初期結晶核を成長させて、前記第2電極材料の成長層を形成することを含み、
    前記成長層を形成するときの基板温度は、前記第1初期結晶核および前記第2初期結晶核を形成するときの基板温度より低く、
    前記第2電極材料は、前記第1電極材料と異なる材料である、電極膜の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記第1初期結晶核および前記第2初期結晶核を形成するときの基板温度は、200℃以上600℃以下に設定され、
    前記成長層を形成するときの基板温度は、200℃より低い温度に設定される、電極膜の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記第1電極材料は、Irであり、
    前記第2電極材料は、Ptである、電極膜の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記第1初期結晶核を島状に形成すること、前記第2初期結晶核を形成すること、および前記成長層を形成することを複数回繰り返して行って複数の電極膜を積層する、電極膜の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記成長層を形成した後に熱処理を行うことを含む、電極膜の製造方法。
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