JP4585882B2 - 紙葉類厚み検出装置 - Google Patents
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他に粘着テープ等で貼り合わされ修繕された破損紙幣を検知しようとする場合がある。また面内の厚み分布の異なる偽造紙幣、例えば厚みの異なる紙葉を用いた偽造紙幣や印刷されたインクの肉厚の異なる偽造紙幣を検知しようとする場合がある。粘着テープの厚みがおよそ50μm程度、インク肉厚に至っては例えば凹版印刷の場合でせいぜい20μm程度であるから、紙幣上でその有無を判別しようとした場合には格段に高い読取精度が要求される。
以下の実施例では、紙幣の厚みを高い精度にて検出可能で、更に検出ローラ特有の構造について図面を用いて説明する。
検出ローラ2の構成は後述にて詳細に説明するが、筒状の金属製の外輪がある。そして、検出ローラ2を挟んで基準ローラ1と反対側に、1つの検知部7に対し1つもしくは複数の変位センサ3が外輪の外面から所定の距離dだけ離れて、外輪の円筒軸方向中央辺りにそれぞれ配置されている。図1では検出ローラ2を構成する検知ローラ(検知部7)が所定の間隔で5個配置し、1つの検知ローラ7に対して2つの変位センサ3が図示されている。従って、紙葉類1枚当たりで変位センサ3の出力によって10チャンネルの厚さ変位量を検知可能である。
また検知ローラ2は金属製の外輪(少なくもゴムローラより高剛性)とシャフトとをつなぐ部分にシリコンゴムを介在している。よって紙葉類が基準ローラ1と検出ローラ2の間を搬送される際に、検出ローラ2の検知部7はシリコンゴムの歪みにシャフトに対して上下等に移動する。なお、シャフトは紙幣を鑑別する鑑別装置(図示省略)の筐体側に固定したままである。つまり、基準ローラ1と検知ローラ2とで狭持された紙葉類の厚みtだけ、検知ローラ2は紙葉類の厚み方向に変位し、その変位量tを変位センサ3が検知する構造となっている。
第1に紙幣の厚さ検知装置に搬送される媒体を事前に規制する方法である。厚さ検知装置の前後には搬送路を構成する搬送ローラ、搬送ガイドがある。うち、1対の搬送ガイドの間隔を狭くし、対向する搬送ガイド間の隙間をtgと定義し、tg<dとなる構造とするものである。本構造により、d<tcの媒体が搬送された場合は搬送ガイド間、即ち、搬送路入り口にて媒体ジャムが発生し、よって媒体は基準ローラ1と検出ローラ2に挟持されることはなく、検知部7の外輪と変位センサ3の衝突を防止することが可能となる。しかしながら、搬送ガイド間の隙間tgが小さくなるために、紙幣の搬送性能が低下し、1枚の正券の紙幣ですらジャムが多発してしまう、との問題があった。
第2に検知ローラ7の外輪の外面と変位センサ3との距離dを大きくする方法である。上述したように変位センサ3は検知ローラ7の変位量を電気的に検知することで精度の高い検出が可能となるが、距離dを大きくすると逆に変位センサ3の読取精度が低下してしまい、媒体の微妙な凹凸を検知できない、といった弊害が生じた。
第3に変位センサ3と検知ローラ7の隙間に意図的に検知ローラ7との衝突部を設ける方法である。これにより変位センサ3と検知ローラ7の衝突を防止することは可能となる。しかし、衝突部を設けるためには実装空間が必要となり、また衝突部と検知ローラ7との衝突による検知ローラ7の表面の破損、及び間接的な衝撃による変位センサ3の破損につながる恐れがあった。
このように3つの対応を考慮したがそれぞれまた別の問題が発生してしまう。そこで検出ローラ2の検知部7自体に着目し、これに特徴を有した構成について説明する。
図2は検知部7の第1の実施例を示し、図2(a)は左側に正面から見た正面図、右側に側面図を示す。なお、正面図は仮想的な軸線C−C’の下側に正面から見た断面図を、上側に正面図をそれぞれ示している。図2(b)は検知部7の分解図を示す。シャフト8には弾性変形するシリコンゴムローラ9を固定/接着して配置する。図示するようにシリコンゴムローラ9は1つの検知部7において1対のゴムローラで構成する。このゴムローラ9を覆い隠すように図の矢印方向で金属製の筒状(円筒形)の外輪10を被せて配置する。よって、1対のゴムローラ9の間隔は外輪10の両端の長さと略同じ程度で固定するのが良い。ゴムローラ9と外輪10の内面とは図2(a)の正面図C−C’線の下側断面図のように接触している。特に、外輪10の内面には段差を付けてゴムローラ9の固定を強くしている。更に、金属製の外輪10とシリコンゴムローラ9との横ズレを防止するため2つの留め輪11を図2(b)の矢印方向で取り付ける。従って、図1の基準ローラ1と検知部7にて搬送される媒体を検知するとゴムローラ9の弾性変形により外輪10が動き、その振幅を変位センサ3で検出することで紙幣の凹凸などの変化量を検出できる。
本実施例では図2(a)の通り、外輪10の外面と変位センサ3との間隔はdである。留め輪11の半径方向の幅について間隔dを考慮して調整すれば外輪10と変位センサ3とが接触せずにすむが、本実施例1ではゴムローラ9と外輪10との外れを防止することにある。
シャフト8には図2と同様に1対のシリコンゴムローラ9を所定の間隔をもって固定している。そのゴムローラ9に対して金属製の外輪10を矢印方向で取り付ける。この外輪10の形状は円筒状であり、その両端には円の半径方向で折り曲げられるように凸部を有している。言い換えると、外輪10はシリコンゴムローラ9と外輪10との横ズレ防止、またシリコンゴムローラ9の歪みによる外輪10の変位量を制限するための凸部を持っている。
凸部を持つ外輪10の内径とシャフト8の外径との隙間をdsとし、変位センサ3と外輪10の外径(外面)との隙間をdとする。そしてd>dsとなるように、外輪10の両端の凸部を形成する。これにより、厚み検出装置に厚みtcの媒体が搬送されてきた場合、基準ローラ1と検出ローラ2との挟持がtc>dsで媒体の厚みが予想以上であっても、シャフト8の外径と外輪10の内径(凸部)とが接触、衝突する。このようにゴムローラ9の変形、歪みでシャフト8と外輪10とが衝突しても、d>dsの配置関係により、変位センサ3と外輪10の外径の衝突を防止できる。
このように、変位センサ3の直下に配置する外輪10としてその内面、内径方向で凸部を一体成形することで、効率良く変位センサ3と外輪10の外径との衝突を防止している。
実施例2では外輪10自身の形状に特徴があるが、本例では分解図にあるように、円形プレート12という異なる部材を使用している。円形プレート12はその外径が外輪10の内径と略同じ大きさで、一方、その内径はシャフト8の外径より大きい。図示するように、シャフト8に1対のシリコンゴムローラ9を固着し、そのゴムローラ9を金属製の外輪10で被せる。そして、外輪10の両端内径部に丸穴を有する円形プレート12が外輪10に対し接着する。図5(a)に示すように、丸穴を有する円形プレート12の内径とシャフト8の外径との隙間をds、外輪10の外径と変位センサ3との間隔をdとすると、d>dsとすることで上述の例と同様な効果を奏する。即ち、dsより厚みのある媒体が搬送され、ゴムローラ9の変形、歪んでも、円形プレート12の内径がシャフト8の外径に当接してそれ以上は外輪10が動かず、変位センサ3と外輪10の外径の衝突を防止できる。なお、円形プレート12を外輪10の内径に接着することでシリコンゴムローラ9と外輪10とのシャフト軸方向の横ズレも防止できることは言うまでもない。
但し、実施例2に比較して、外輪10と丸穴を有する円形プレート12の接着工程が必要であるため製造コストが高価についてしまうデメリットがある。
最初に、円形プレートの代わりに図7に図示する円の一部が途切れた円状、またはC形の形状をしたの留め輪13を用いる。留め輪13の材質はジュラコンを採用している。留め輪13には治具穴Aと、治具穴Bとの2つの穴を有し、ピンセットの如き留め輪用脱着治具を使用して留め輪13を変形させる。留め輪13の内径部には複数のスリットを設けることで、図の矢印方向のように、留め輪13自身の変形を容易にしている。
Claims (14)
- 搬送される紙葉類の厚みを検出する紙葉類厚み検出装置において、
第1シャフトに固定する基準ローラと、
第2シャフトに前記基準ローラと対向して配置する検出ローラと、
前記基準ローラに対して変位する前記検出ローラの変位量を検出する変位センサとを有し、
前記検出ローラは前記変位量を所定の範囲で制限する制限手段を内部に有することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項1記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記検出ローラは、前記第2シャフトに固定するゴムローラと、前記ゴムローラを覆う円筒形状で且つ前記ゴムローラに比べ高剛性の材料からなる外輪とを有することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項2記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記制限手段は、前記外輪の両端が前記第2シャフトに接触するよう折り曲げられた凸部を有することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項2記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記制限手段は、前記外輪の内面より前記第2シャフト方向に突出する凸部を有することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項2記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記制限手段は、前記第2シャフトの外径より大きい内円と前記外輪の内径と略同じ大きさの外円とからなる円盤状の円形プレートを有し、1対の前記円形プレートを前記ゴムローラに被せた前記外輪の両端にて固着して取り付けることを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項2記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記制限手段は、前記第2シャフトの外径より大きい内径と前記外輪の内径と略同じ大きさの外径とからなるC形状の留め輪を有し、1 対の前記留め輪を前記ゴムローラに被せた前記外輪の内径で且つ両端に取り付けることを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項6記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記留め輪はジュラコン材質で且つ内径部に複数のスリットを設けたことを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項2乃至7の何れかの項記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記ゴムローラは1対の部材であって、前記外輪の内面で且つ両端に取り付け配置することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項1乃至8の何れかの項記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記基準ローラは前記第1のシャフトに或る間隔をもって固定された複数の基準ローラよりなり、
前記検出ローラは前記複数の基準ローラの夫々に対向した複数の検出部からなることを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項9記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記変位センサを1つの前記検出部に対して複数配置し、前記検出部の変位量を検出することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 紙葉類の面内の厚みを検出する紙葉類厚み検出装置において、
第1シャフトに固定して配置した金属製の基準ローラと、
第2シャフトに固定したゴムローラと前記ゴムローラに被せて取り付けた金属製の円筒状の外輪とを具備し、前記基準ローラに対向して配置する検出ローラと、
前記ゴムローラの変形によって変位する検出ローラの変位量を検出する渦電流センサとを有し、
前記外輪の外面と前記渦電流センサとの間隔をdとし、前記検出ローラの変位量をdsとしたとき、前記検出ローラはd>dsとなるように前記検出ローラの変位を制限する制限手段を内部に具備することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項11記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記制限手段は、前記第2シャフトの外径より大きい内径と前記外輪の内径と略同じ大きさの外径とからなるC形状の留め輪を含み、1対の前記留め輪を前記外輪の両端方向から取り付け配置することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項12記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記外輪の内面には、前記留め輪を取り付け固定する切り欠きを有することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。 - 請求項12記載の紙葉類厚み検出装置において、
前記留め輪は、前記留め輪の前記内径と、前記第2シャフトの外径との距離を前記dsとして成形することを特徴とする紙葉類厚み検出装置。
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