以下、実施の形態に係る識別ユニット1を説明する。
図1は、識別ユニット1を側面から見た概略図である。
図2は、UVセンサ44を側面から見た概略図である。
図3は、UVセンサ44の出力の一例の線図である。
<識別ユニット1の全体構成>
識別ユニット1は、紙葉類の種別や真偽、正損を判別するものである。実施の形態において、紙葉類として紙幣を用いた場合を例示して説明する。
図1に示すように、識別ユニット1は、下側ユニット2と、上側ユニット3とを有して構成されている。下側ユニット2は、識別ユニット1における下部を構成している。上側ユニット3は、識別ユニット1における上部を構成している。これらの下側ユニット2と上側ユニット3とは、互いに対向して配置されている。すなわち、下側ユニット2の上面となる対向面5と上側ユニット3の下面となる対向面6と所定の間隔を空けて対向している。この対向面5と対向面6との間隔は、紙幣の厚みよりも広い間隔に設定されており、この間隔は紙幣が搬送される搬送空間を形成している。対向面5と対向面6とにより面状の搬送路8が形成され、この搬送路8に沿う搬送空間内で紙幣が搬送される。
図1において、紙幣を識別ユニット1の搬送路8が左側から右側に向かって搬送する方向を正方向とする。また、紙幣を識別ユニット1の搬送路8が右側から左側に向かって搬送する方向を逆方向とする。識別ユニット1では、搬送路8において紙幣を正方向及び逆方向の両方向に搬送することができる。搬送路8が紙幣を搬送する方向を紙幣搬送方向とする。また、面状の搬送路8と同一面において紙幣搬送方向に直交する方向を装置幅方向とする。
以下、識別ユニット1について、紙幣を正方向(図1の左側から右側)に搬送する場合を例示して説明する。また、以下の説明において、半券とは、紙幣が搬送方向に少なくとも一部が折れ曲がり搬送方向の長さが正券の半分程度になった紙幣、又は搬送方向の少なくとも一部が破損して搬送方向の長さが正券の半分程度になった紙幣などを言う。
識別ユニット1には、搬送路8の位置に、複数、具体的には4つの搬送ローラ11、搬送ローラ12、搬送ローラ13(第1搬送ローラ)及び搬送ローラ14(第2搬送ローラ)が設けられている。4つの搬送ローラ11~14は、それぞれが、下側ユニット2と上側ユニット3とに跨がって設けられている。4つの搬送ローラ11~14の各々は、紙幣搬送方向に間隔をあけて、それぞれの回転軸が平行となるように設けられている。4つの搬送ローラ11~14の各々は、紙幣搬送方向の上流側(図1の左側)から、搬送ローラ11、搬送ローラ12、搬送ローラ13、搬送ローラ14が、搬送路8に沿って間隔をあけて平行に配置されている。4つの搬送ローラ11~14は、紙幣を搬送路8に沿って搬送する。
4つの搬送ローラ11~14は、下側ユニット2に、紙幣搬送方向の上流側(図1の左側)から、搬送ローラ11の下部ローラ組立体21、搬送ローラ12の下部ローラ組立体22、搬送ローラ13の下部ローラ組立体23、搬送ローラ14の下部ローラ組立体24が、この順番で配置されている。
また、4つの搬送ローラ11~14は、上側ユニット3に、紙幣搬送方向の上流側(図1の左側)から、搬送ローラ11の上部ローラ組立体31、搬送ローラ12の上部ローラ組立体32、搬送ローラ13の上部ローラ組立体33、搬送ローラ14の上部ローラ組立体34が、この順番で配置されている。
下側ユニット2の下部ローラ組立体21と上側ユニット3の上部ローラ組立体31とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら下部ローラ組立体21と上部ローラ組立体31とが搬送ローラ11を構成している。下側ユニット2の下部ローラ組立体22と上側ユニット3の上部ローラ組立体32とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら下部ローラ組立体22と上部ローラ組立体32とが搬送ローラ12を構成している。下側ユニット2の下部ローラ組立体23と上側ユニット3の上部ローラ組立体33とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら下部ローラ組立体23と上部ローラ組立体33とが搬送ローラ13を構成している。下側ユニット2の下部ローラ組立体24と上側ユニット3の上部ローラ組立体34とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら下部ローラ組立体24と上部ローラ組立体34とが搬送ローラ14を構成している。
識別ユニット1において、搬送ローラ11から搬送ローラ14までの間には、複数、具体的には6つのセンサ41~46が配置されている。これら6つのセンサ41~46は、それぞれが、下側ユニット2と上側ユニット3とに跨がって設けられている。6つのセンサ41~46は、紙幣搬送方向に間隔をあけて設けられている。6つのセンサ41~46は、それぞれ紙幣に関する情報を取得する。実施の形態では、6つのセンサ41~46は、紙幣搬送方向における上流側(図1の左側)から順に、第1検知センサ41、厚みセンサ42、CIS(Contact Image Sensor)43、UV(Ultra Violet)センサ44、磁気センサ45、第2検知センサ46(検知センサ)の配置となっている。このように、識別ユニット1に設けられた6つのセンサ41~46は、UVセンサ44を含んで構成されている。識別ユニット1は、前述した6つのセンサ41~46が取得した紙幣に関する情報に基づいてこの紙幣の金種、真偽、正損などを判別する制御部71を有している。
下側ユニット2には、紙幣搬送方向の上流側(図1の左側)から、搬送ローラ11の下部ローラ組立体21、第1検知センサ41の受光部51、厚みセンサ42の固定ローラ52、搬送ローラ12の下部ローラ組立体22、CIS43の下部ユニット53、搬送ローラ13の下部ローラ組立体23、UVセンサ44の下側センサ部54、磁気センサ45の押圧ローラ55、第2検知センサ46の受光部56、搬送ローラ14の下部ローラ組立体24が、この順番で配置されている。
また、上側ユニット3には、紙幣搬送方向の上流側(図1の左側)から、搬送ローラ11の上部ローラ組立体31、第1検知センサ41の発光部61、厚みセンサ42の可動ローラ62、搬送ローラ12の上部ローラ組立体32、CIS43の上部ユニット63、搬送ローラ13の上部ローラ組立体33、UVセンサ44の上側センサ部64、磁気センサ45の磁気ヘッド65、第2検知センサ46の発光部66、搬送ローラ14の上部ローラ組立体34が、この順番で配置されている。
下側ユニット2の受光部51と上側ユニット3の発光部61とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら受光部51と発光部61とが第1検知センサ41を構成している。また、下側ユニット2の固定ローラ52と上側ユニット3の可動ローラ62とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら固定ローラ52と可動ローラ62とが厚みセンサ42を構成している。また、下側ユニット2の下部ユニット53と上側ユニット3の上部ユニット63とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら下部ユニット53と上部ユニット63とがCIS43を構成している。また、下側ユニット2の下側センサ部54と上側ユニット3の上側センサ部64とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら下側センサ部54と上側センサ部64とがUVセンサ44を構成している。また、下側ユニット2の押圧ローラ55と上側ユニット3の磁気ヘッド65とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら押圧ローラ55と磁気ヘッド65とが磁気センサ45を構成している。また、下側ユニット2の受光部56と上側ユニット3の発光部66とは、搬送路8を挟んで対向して配置されており、紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。これら受光部56と発光部66とが第2検知センサ46を構成している。
第1検知センサ41は、紙幣搬送方向において、搬送ローラ11と、この搬送ローラ11と間隔をあけて平行に設けられた搬送ローラ12との間に配置されている。第1検知センサ41は、紙幣搬送方向における搬送ローラ11の下流側に、搬送ローラ11と隣り合って配置されている。第1検知センサ41は、紙幣搬送方向に搬送される紙幣の有無を検知する光学式センサである。第1検知センサ41は、発光部61からの照射光が紙幣で遮られたことを受光部51が検知する。これにより、第1検知センサ41は、搬送路8の第1検知センサ41の位置に紙幣が有ることを検知する。また、第1検知センサ41は、発光部61からの照射光が紙幣で遮られないことを受光部51が検知する。これにより、第1検知センサ41は、搬送路8の第1検知センサ41の位置に紙幣がないことを検知する。
厚みセンサ42も、紙幣搬送方向において、搬送ローラ11と、この搬送ローラ11と間隔をあけて平行に設けられた搬送ローラ12との間に配置されている。厚みセンサ42は、紙幣搬送方向における第1検知センサ41の下流側に、第1検知センサ41と隣り合って配置されている。厚みセンサ42は、紙幣搬送方向における搬送ローラ12の上流側に、搬送ローラ12と隣り合って配置されている。厚みセンサ42は、紙幣搬送方向に搬送される紙幣の厚みを検知するセンサである。厚みセンサ42は、固定ローラ52が識別ユニット1内に位置固定で設けられている。厚みセンサ42は、可動ローラ62が、固定ローラ52の上方において上下に移動可能に設けられている。搬送路8で搬送される紙幣は、固定ローラ52と可動ローラ62との間を通過することになる。その際に、固定ローラ52が紙幣を支持すると共に紙幣搬送方向に搬送する。また、その際に、可動ローラ62が、固定ローラ52上に乗った紙幣の厚みに応じて紙幣の厚み方向に変位する。厚みセンサ42は、厚みの基準となる固定ローラ52上に乗った紙幣の厚みに応じて変位した可動ローラ62の変位量(移動量)を検知する。これにより、厚みセンサ42は、通過する紙幣の厚みを通過時に検知する。
CIS43は、コンタクトイメージセンサである。CIS43は、紙幣搬送方向における搬送ローラ12と、この搬送ローラ12と間隔をあけて平行に設けられた搬送ローラ13との間に配置されている。CIS43は、紙幣搬送方向における搬送ローラ12の下流側に、搬送ローラ12と隣り合って配置されている。CIS43は、紙幣搬送方向における搬送ローラ13の上流側に、搬送ローラ13と隣り合って配置されている。CIS43は、下部ユニット53が装置幅方向に沿って延びるように配置されている。上部ユニット63も装置幅方向に沿って延びるように配置されている。下部ユニット53及び上部ユニット63は、それぞれが紙幣の画像情報を取得する。CIS43は、制御部71と接続されている。制御部71はCIS43の下部ユニット53及び上部ユニット63で取得された画像情報に基づいて紙幣の金種、正損、真偽を判別する。
UVセンサ44は、紙幣搬送方向における搬送ローラ13と、この搬送ローラ13と間隔をあけて平行に設けられた搬送ローラ14との間に配置されている。UVセンサ44は、紙幣搬送方向における搬送ローラ13の下流側に、搬送ローラ13と隣り合って配置されている。UVセンサ44は、上側ユニット3と下側ユニット2との両ユニットに設けられている。上側ユニット3に設けられた上側センサ部64と下側ユニット2に設けられた下側センサ部54とは、紙幣搬送方向及び装置幅方向において対応する位置に設けられている。
図2に示すように、上側センサ部64の発光部64aと下側センサ部54の受光部54bとが紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。上側センサ部64の発光部64aと下側センサ部54の受光部54bとが搬送路8を挟んで対向配置されている。上側センサ部64の受光部64bと下側センサ部54の発光部54aとが紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせている。上側センサ部64の受光部64bと下側センサ部54の発光部54aとが搬送路8を挟んで対向配置されている。UVセンサ44は、紙幣の蛍光反応に関する情報を取得する。
ここで、制御部71が、UVセンサ44により、搬送路8で搬送される紙幣の真偽を判別する場合について説明する。
前述したように、UVセンサ44は、図1に示すように上側ユニット3の上側センサ部64と下側ユニット2の下側センサ部54とが、搬送路8を挟んで対向配置されている。図2の(b)に示すように、搬送路8におけるUVセンサ44の検出範囲に紙幣Sが存在する場合、上側センサ部64の発光部64a及び下側センサ部54の発光部54aから照射されたUV波長の照射光が紙幣Sに当たる。これにより、紙幣Sの材質やインクに含まれる蛍光反応を示す物質が紙幣S上で発光する。制御部71は、UVセンサ44の上側センサ部64の受光部64bが検出した蛍光反応を示す物質の発光に基づいて、紙幣Sの真偽を判別する。また、制御部71は、UVセンサ44の下側センサ部54の受光部54bが検出した蛍光反応を示す物質の発光に基づいて、紙幣Sの真偽を判別する。言い換えれば、制御部71は、上側センサ部64の受光部64bが受光した、上側センサ部64の発光部64aの照射光の紙幣S上での反射光に基づいて、紙幣Sの真偽を判別する。また、制御部71は、下側センサ部54の受光部54bが受光した、下側センサ部54の発光部54aの照射光の紙幣S上での反射光に基づいて、紙幣Sの真偽を判別する。
次に、制御部71が、UVセンサ44が取得した紙幣Sの蛍光反応に関する情報に基づいて搬送路8における紙幣Sの有無を判断する場合について説明する。
図2の(a)に示すように、搬送路8におけるUVセンサ44の検出範囲に紙幣Sが存在しない場合、上側センサ部64の発光部64aから照射された照射光は、下側センサ部54の受光部54bで直接受光される。このため、下側センサ部54の受光部54bでの受光レベルは、図3に示す所定の閾値K1以上となる。制御部71は、下側センサ部54の受光部54bでの受光レベルが所定の閾値K1以上となると搬送路8におけるUVセンサ44の検出範囲に紙幣Sが存在しないと判断する。
搬送路8におけるUVセンサ44の検出範囲に紙幣Sが存在しない場合、同様に、下側センサ部54の発光部54aから照射された照射光も、上側センサ部64の受光部64bで直接受光される。このため、上側センサ部64の受光部64bでの受光レベルは所定の閾値K1以上となる。制御部71は、上側センサ部64の受光部64bでの受光レベルが所定の閾値K1以上となると搬送路8におけるUVセンサ44の検出範囲に紙幣Sが存在しないと判断する。
一方、図2の(b)に示すように、搬送路8におけるUVセンサ44の検出範囲に紙幣Sが存在する場合、前述したUVセンサ44で紙幣Sの真偽を判別する場合で述べたように、上側センサ部64の発光部64aから照射された照射光は、上側センサ部64の受光部64bで、紙幣Sの蛍光反応を示す物質に応じた発光レベル(閾値K1未満の値)で検出される。制御部71は、上側センサ部64の受光部64bでの受光レベルが所定の閾値K1未満となると、搬送路8におけるUVセンサ44の検出範囲に紙幣Sが存在すると判断する。
搬送路8におけるUVセンサ44の検出範囲に紙幣Sが存在する場合、同様に、下側センサ部54の発光部54aから照射された照射光は、下側センサ部54の受光部54bで、紙幣Sの蛍光反応を示す物質に応じた発光レベル(閾値K1未満の値)で検出される。制御部71は、下側センサ部54の受光部54bでの受光レベルが所定の閾値K1未満となると、搬送路8におけるUVセンサ44の検出範囲に紙幣Sが存在すると判断する。
なお、上側センサ部64の発光部64aから照射された照射光は、検出範囲に存在する紙幣Sにより遮られると、下側センサ部54の受光部54bで検出されることがほとんどない。同様に、下側センサ部54の発光部54aから照射された照射光は、検出範囲に存在する紙幣Sにより遮られると、上側センサ部64の受光部64bで検出されることがほとんどない。
図1に示すように、磁気センサ45もUVセンサ44と同様に、紙幣搬送方向における搬送ローラ13と搬送ローラ14との間に配置されている。磁気センサ45は、紙幣搬送方向におけるUVセンサ44の下流側に、UVセンサ44と隣り合って配置されている。磁気センサ45は、搬送される紙幣Sの材質や印刷に使用されるインクの磁気を検出する。磁気センサ45は、これにより、紙幣Sの真偽などを判断する。磁気センサ45は、押圧ローラ55が、装置幅方向に沿って延びるように設けられている。磁気ヘッド65も、装置幅方向に沿って延びるように設けられている。磁気センサ45は、搬送路8で搬送される紙幣Sを押圧ローラ55が磁気ヘッド65に近接させるように押圧する。これにより、磁気ヘッド65が紙幣Sの磁気的性質を検知する。なお、押圧ローラ55は、押圧する紙幣Sを磁気ヘッド65に接触させることがない非接触ローラである。
ここで、押圧ローラ55は、タイミングベルト(図示せず)により搬送ローラ14の駆動に連動して駆動されるようになっている。しかしながら、押圧ローラ55と磁気ヘッド65との間には紙幣Sの厚みよりも大きな隙間が設けられている。このため、押圧ローラ55が紙幣Sを磁気ヘッド65側に押圧した場合でも、紙幣Sと磁気ヘッド65との間に隙間ができる。よって、押圧ローラ55は、磁気ヘッド65と紙幣Sとの間に隙間が設けられた状態で回転駆動されるので、当該紙幣Sを搬送方向に送ることはできない。
最後に、第2検知センサ46もまた、紙幣搬送方向における搬送ローラ13と搬送ローラ14との間に配置されている。第2検知センサ46は、紙幣搬送方向における磁気センサ45の下流側に、磁気センサ45と隣り合って配置されている。第2検知センサ46は、紙幣搬送方向における搬送ローラ14の上流側に、搬送ローラ14と隣り合って配置されている。第2検知センサ46は、第1検知センサ41と同様な構成を有している。第2検知センサ46は、搬送路8に沿って搬送される紙幣Sの有無を検知する光学式センサである。第2検知センサ46は、発光部66からの照射光が紙幣Sで遮られたことを受光部56が検知する。これにより、第2検知センサ46は、搬送路8の第2検知センサ46の位置に紙幣Sが有ることを検知する。また、第2検知センサ46は、発光部66からの照射光が紙幣Sで遮られないことを受光部56が検知する。これにより、第2検知センサ46は、搬送路8の第2検知センサ46の位置に紙幣Sがないことを検知する。
以上により、識別ユニット1は、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間において、UVセンサ44と、磁気センサ45と、第2検知センサ46とが、紙幣搬送方向に沿ってこの順番で配置されている。
ここで、UVセンサ44と搬送ローラ13との間隔は、紙幣Sの搬送方向の正規長さの半分の長さよりも短くなるように設定されている。言い換えれば、紙幣Sの搬送方向の長さが正規長さよりも短い紙幣Sであっても、その長さが正規長さの半分の長さ以上であれば、搬送ローラ13が正方向に搬送している間にUVセンサ44で検出可能な範囲に、この紙幣Sが達する。また、UVセンサ44と搬送ローラ14との間隔も、紙幣Sの搬送方向の半分の長さよりも短くなるように設定されている。言い換えれば、紙幣Sの搬送方向の長さが正規長さよりも短い紙幣Sであっても、その長さが正規長さの半分の長さ以上であれば、搬送ローラ14が逆方向に搬送している間にUVセンサ44で検出可能な範囲に、この紙幣Sが達する。以上により、紙幣Sの搬送方向の長さが正規長さよりも短い紙幣Sであっても、その長さが正規長さの半分の長さ以上であれば、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間の何れの位置に存在していても、その少なくとも一部がUVセンサ44の検出範囲に存在することとなる。
識別ユニットでは、識別ユニットの小型化と製品コストの削減を目的として、紙幣の搬送に用いられる搬送ローラを可能な限り減らすことが求められている。実施の形態の識別ユニット1では、搬送ローラを、4つの搬送ローラ11~14としている。その結果、設計上、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間に、搬送方向の上流側からUVセンサ44、磁気センサ45、第2検知センサ46の、複数のセンサ44~46が配置される構造となっている。よって、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間隔が長くなってしまう。特に前述した磁気センサ45は、磁気ヘッド65と押圧ローラ55とを有する構成である。このため、紙幣搬送方向のセンサ幅を小さくすることには限界がある。よって、このような磁気センサ45を他のセンサ44,46と一緒に搬送ローラ13と搬送ローラ14との間に配置する場合、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間隔を長くせざるを得なくなる。
その結果、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間に、紙幣搬送方向の長さがこの搬送ローラ13と搬送ローラ14との間隔よりも短い紙幣S(例えば、搬送方向の少なくとも一部が半分程度に折れ曲がった半券)が搬送された場合、この紙幣Sを下流側に搬送できない恐れがある。さらに半券の搬送方向の長さが、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間隔よりも短い場合、搬送不良となった半券を第2検知センサ46で検知できず、半券が識別ユニット1内に残留してしまう恐れもある。この場合、後から搬送された紙幣Sが、残留した半券によって搬送路8内で詰まる可能性が高い。なお、磁気センサ45の押圧ローラ55は、紙幣Sを搬送方向に搬送する駆動力を有しない非駆動ローラである。よって、押圧ローラ55は、押圧ローラ55の位置に半券が搬送されても当該半券の搬送を行えない。
このため、実施の形態の識別ユニット1では、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間に半券が残留してしまった場合、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間に配置された他のセンサであるUVセンサ44を用いて、識別ユニット1内における紙幣S(半券)の在留を検知して、取り出すことができるようにした。制御部71は、このUVセンサ44による紙幣Sの残留検知を、識別ユニット1による紙幣Sの金種、正損及び真偽の判別が行われていない状態で行う。例えば、このUVセンサ44による紙幣Sの残留検知を、識別ユニット1が設けられた紙幣処理装置による全ての紙幣Sの識別が終わり、識別ユニット1による紙幣Sの搬送及び判別が停止した状態で行う。
具体的には、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間に配置されたUVセンサ44は、UVセンサ44の検知範囲にある紙幣Sの蛍光特性を検知することができる。制御部71は、このUVセンサ44で取得された紙幣Sの蛍光特性に関する情報に基づいて、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間のUVセンサ44の検知範囲における紙幣Sの有無を判断することができる。
例えば、制御部71は、図2の(a)に示すように、UVセンサ44の上側センサ部64の発光部64aから照射された紫外光の下側センサ部54の受光部54bでの受光量を基準として、紙幣Sの有無を判定するための図3に示す閾値K1を設定する。制御部71は、UVセンサ44の下側センサ部54の受光部54bでの紫外光の受信量が閾値K1以上であれば、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間のUVセンサ44の位置に紙幣Sがないと判断する。また、制御部71は、下側センサ部54の受光部54bでの受光量が閾値K1未満であれば、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間のUVセンサ44の位置に紙幣Sがあると判断する。即ち、この場合、制御部71は、UVセンサ44の下側センサ部54が取得した紙幣Sの蛍光反応に関する情報に基づいて搬送路8におけるUVセンサ44の検知範囲における紙幣Sの有無を判断することができる。
また、例えば、制御部71は、UVセンサ44の下側センサ部54の発光部54aから照射された紫外光の上側センサ部64の受光部64bでの受光量を基準として、紙幣Sの有無を判定するための閾値K1を設定する。制御部71は、UVセンサ44の上側センサ部64の受光部64bでの紫外光の受信量が閾値K1以上であれば、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間のUVセンサ44の位置に紙幣Sがないと判断する。また、制御部71は、上側センサ部64の受光部64bでの受光量が閾値K1未満であれば、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間のUVセンサ44の位置に紙幣Sがあると判断する。即ち、この場合、制御部71は、UVセンサ44の上側センサ部64が取得した紙幣Sの蛍光反応に関する情報に基づいて搬送路8におけるUVセンサ44の検知範囲における紙幣Sの有無を判断することができる。
<厚みセンサ42>
次に、前述した厚みセンサ42の構造を説明する。
図4は、従来の厚みセンサの構造の一例を説明する図であり、搬送方向から見た従来例に係る可動ローラ501の正面図である。
図5は、図4のV-V方向から見た従来例に係る可動ローラ501の側面図である。
図6は、図4における領域VIを拡大した図である。
図7は、本願発明に係る厚みセンサ42の構造の一例を説明する図であり、搬送方向から見た可動ローラ62の正面図である。
図8は、図7のVIII-VIII方向から見た本願発明に係る可動ローラ62の側面図である。
図9は、図7における領域IXを拡大した図である。
<従来の厚みセンサ>
従来の厚みセンサは、図4に示すような可動ローラ501を有している。
可動ローラ501は、装置幅方向に延びるように設けられる支持部材502と、支持部材502から搬送面に向けて延びるように設けられる複数対、例えば5対のアーム部材503と、各対のアーム部材503に支持される軸部材504と、各軸部材504に回転可能に支持される複数、例えば3個のローラ部材505と、を有して構成されている。
可動ローラ501には、一対のアーム部材503と、これらに支持される軸部材504と、この軸部材504に支持される3個のローラ部材505とからなる可動ローラ部506が、装置幅方向に並んで5個設けられている。軸部材504は装置幅方向に延びるように設けられている。よって、ローラ部材505は、回転軸が装置幅方向に延びている。支持部材502は、可動機構(図示せず)により紙幣Sの厚み方向に移動可能に設けられている。
厚みセンサは、この支持部材502の移動量に基づいて紙幣Sの厚みを検出する(図5参照)。図示は略すが、各ローラ部材505とで紙幣Sを挟み込み可能となるように位置固定の固定ローラのローラ部材が設けられている。固定ローラのローラ部材は、搬送路を挟んで対応する可動ローラ部506と対向して設けられており、一対一で対応するローラ部材505と紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせて設けられている。
ここで、従来の可動ローラ501は、各ローラ部材505が互いに間隔をあけて軸部材504に設けられている。このため、例えば、搬送された紙幣Sが3つのローラ部材505のうち何れかのローラ部材505の一部のみと固定ローラのローラ部材の一部のみとに挟み込まれた場合、軸受の内輪と外輪とのガタの分だけ、内輪に対して紙幣Sを挟み込んだ外輪が傾斜してしまう。その結果、支持部材502の紙幣厚み方向の移動が適切に行われず、紙幣Sの厚みの検出を正確に行うことができない可能性がある(図6参照)。
<実施の形態の厚みセンサ42>
実施の形態の厚みセンサ42は、図7及び図8に示すような可動ローラ62を有している。
可動ローラ62は、装置幅方向に延びるように設けられる支持部材102と、支持部材102から搬送路8の方向に向けて延びるように設けられる複数対の支持アーム103と、各対の支持アーム103に支持される軸部材104と、各軸部材104に回転可能に支持される複数のローラ部材105と、を有して構成されている。実施の形態では、一対の支持アーム103と、これらに支持される軸部材104と、この軸部材104に支持される2個のローラ部材105とからなる可動ローラ部106が、装置幅方向に並んで13個設けられている。
図1に示す固定ローラ52は、可動ローラ62のローラ部材105とで紙幣Sを挟み込み可能となるように位置固定のローラ部材108がローラ部材105と同数設けられている。固定ローラ52のローラ部材108(図1参照)は、搬送路を挟んで対応する可動ローラ62のローラ部材105と対向して設けられており、一対一で対応するローラ部材105と紙幣搬送方向及び装置幅方向の位置を合わせて設けられている。
図7に示すように各々の可動ローラ部106において、2つのローラ部材105が回転軸方向に互いに密着した状態で軸部材104に回転可能に設けられている。密着した状態の2つのローラ部材105は、前述した一対の支持アーム103の間に設けられており、2つのローラ部材105の回転軸方向の幅は、一対の支持アーム103の間隔よりも僅かに短い幅となるように設定されている(図9参照)。言い換えれば、可動ローラ62は、一対の支持アーム103と、互いに回転軸方向に密着した状態で一対の支持アーム103に支持される複数(実施の形態では2つ)のローラ部材105とを有している。
この結果、例えば、図9に示すように、一方のローラ部材105の一部のみと固定ローラ52のローラ部材108の一部のみとに紙幣Sが挟み込まれた場合でも、この一方のローラ部材105に密着した他方のローラ部材105も一方のローラ部材105と一体的に移動することとなる。さらに、2つのローラ部材105は回転軸方向に僅かな隙間を残した状態で一対のアーム部材103の間に設けられているので、一対のアーム部材103で互いに密着した2つのローラ部材105の外輪の傾きが規制され、紙幣Sを挟み込んだ一方のローラ部材105の外輪の傾きを抑えることができる。その結果、2つのローラ部材105、支持アーム103及び支持部材102の紙幣厚み方向の移動が紙幣の厚みに応じて適切に行われる。
<搬送ローラ11~14>
次に、紙幣Sを搬送するための搬送ローラ11~14の構造を説明する。
本実施の形態で説明する搬送ローラ11~14の要部は同様の構造である。よって、各搬送ローラ11~14を構成する下部ローラ組立体21~24の要部も同様の構造である。また、各搬送ローラ11~14を構成する上部ローラ組立体31~34の要部も同様の構造である。
<下部ローラ組立体21~24>
下側ユニット2の下部ローラ組立体21~24の構造を説明する。下部ローラ組立体21~24の要部は同様の構造であるため、下部ローラ組立体21を例にとり説明する。
図10は、下部ローラ組立体21の構造の一例を説明する図である。
図11は、下部ローラ組立体21の一端側の図10のXI-XI断面図である。
図10に示すように、下部ローラ組立体21は、軸部材121に複数のローラ部材122が軸部材121の中心軸方向に所定の間隔で組み付けられている。実施の形態では、9個のローラ部材122が軸部材121に組み付けられている。全てのローラ部材122は、軸部材121と一体に回転するように軸部材121に固定されている。軸部材121の両端部側には、それぞれ軸受123が締結部材124により組み付けられている。両軸受123にはそれぞれの外周側を覆うようにベアリングケース125が設けられている。
軸部材121の一端部には駆動力伝達部材128が固定されている。この駆動力伝達部材128は、環状の駆動ベルト(図示せず)などを介してモータ(図示せず)などに連結されている。よって、モータ(図示せず)の駆動力が駆動ベルト(図示せず)を介して駆動力伝達部材128に伝達されると、駆動力伝達部材128が固定された軸部材121及び複数のローラ部材122が駆動力伝達部材128の回転に伴って一体に回転する。
軸受123は、図示は略すが転動体を介して相対回転可能に設けられた外筒と内筒とを有している。ベアリングケース125は、軸受123の外筒の外径に圧入固定される内径に設定されている。
<係合部材>
軸部材121と各軸受123との間には、図10に示すように、樹脂材料で形成された係合部材131が設けられている。
図11に示すように、係合部材131は、円筒の基本形状を成している。係合部材131は、軸部132と円板状部133とを有している。軸部132には径方向の中央に軸方向に貫通する穴部134が形成されている。軸部132と円板状部133とは中心軸線を一致させている。円板状部133は軸部132の外周面から径方向外方に広がっている。円板状部133は軸部132の軸方向における一端と他端との間の途中位置に設けられている。
係合部材131における軸部132の外径は、軸受123の内径に圧入固定される外径に設定されている。軸部132における穴部134の内径は、軸部材121の外径が圧入固定される内径に設定されている。言い換えれば、係合部材131は、軸部材121の外径部に締め代をもって嵌合する内径の穴部134を有すると共に、軸受123の内輪の内径部に締め代をもって嵌合する外径の軸部132を有している。
軸部132の一端側には、径方向に貫通する挿入溝135が形成されている。係合部材131は、この挿入溝135に挿入され、軸部材121に形成された位置決め穴136に嵌合されるスプリングピン137により、軸部材121に軸方向の位置決めがされている。係合部材131の円板状部133は軸受123を回転軸方向の一側で覆っている。
係合部材131及び軸受123の、軸部材121の軸方向における外側には、樹脂材料で形成されたワッシャ141が設けられている。ワッシャ141は、軸受123を回転軸方向の他側で覆っている。ワッシャ141の係合部材131及び軸受123とは反対側には、ワッシャ141を係合部材131及び軸受123との間に挟むように締結部材124が設けられている。実施の形態では、締結部材124としてEリングを採用している。締結部材124は、軸部材121に形成された嵌合溝143に嵌合固定されている。
前述したように、係合部材131は、軸受123の内径に圧入されると共に、軸部材121の外径を圧入させている。よって、係合部材131は軸部材121及び軸受123の内輪と一体的に回転する。言い換えれば、軸部材121と軸受123の内輪とは、係合部材131を介して固定されており、軸部材121と軸受123の内輪と係合部材131とが、軸受123の外輪に対して一体的に回転する。
図10に示すように、下部ローラ組立体21は、軸部材121と、軸部材121に組み付けられる複数のローラ部材122と、軸部材121の両端部側にそれぞれ係合部材131を介して組み付けられる軸受123と、軸部材121の両端部側にそれぞれ組み付けられる締結部材124、スプリングピン137及びワッシャ141と、一対の軸受123にそれぞれ組み付けられるベアリングケース125と、軸部材121の一端部に組み付けられる駆動力伝達部材128と、が組み立てられて構成されている。
<下部ローラ組立体21~24の取付構造>
次に、前述した下部ローラ組立体21~24の取付構造を説明する。
図12は、識別ユニット1を上側ユニット3側から見た外観斜視図である。
図13は、識別ユニット1を下側ユニット2側から見た外観斜視図であり、下カバー152を開いた図である。
図14は、下側ユニット2を下側から見た外観斜視図であり、カバー類を取り外した図である。
図15は、下部ローラ組立体21の取付構造を説明する図である。
図16は、下部ローラ組立体21の取付構造を説明する図である。
図17は、下部ローラ組立体21の取付構造を説明する図である。
図18は、識別ユニット1を上側ユニット3側から見た外観斜視図であり、上側ユニットを開いた図である。
図12に示すように、識別ユニット1では、上側ユニット3と下側ユニット2とが互いに対向して配置されている。下側ユニット2の対向面5とは反対側には、下側ユニット2の筐体である下側筐体151に対して着脱自在に組み付けられた下カバー152が設けられている。言い換えれば、下側筐体151には、搬送路8とは反対側の反対面160側に下カバー152が取り付けられている。
図13に示すように、下側筐体151には、ローラ設置部161、162、163、164が、紙幣搬送方向に並んで、この順番に設けられている。下側ユニット2は、下側筐体151のローラ設置部161に下部ローラ組立体21が、下側筐体151のローラ設置部162に下部ローラ組立体22が、下側筐体151のローラ設置部163に下部ローラ組立体23が、下側筐体151のローラ設置部164に下部ローラ組立体24が、それぞれ組み付けられた後、下カバー152が組み付けられる。
図13及び図18に示すように、下側ユニット2において、下部ローラ組立体21と下部ローラ組立体22との間には、下部ローラ組立体21側に第1検知センサ41の受光部51が、下部ローラ組立体22側に厚みセンサ42の固定ローラ52が、それぞれ設けられている。また、下部ローラ組立体22と下部ローラ組立体23との間には、CIS43の下部ユニット53が設けられている。また、下部ローラ組立体23と下部ローラ組立体24との間には、最も下部ローラ組立体23側にUVセンサ44の下側センサ部54が、最も下部ローラ組立体24側に第2検知センサ46の受光部56が、これらの間に、磁気センサ45の押圧ローラ55が、それぞれ設けられている。
図14に示すように、下部ローラ組立体21~24は、それぞれが、反対面160側から下側筐体151のローラ設置部161~164に組み付けられるようになっている。言い換えれば、図13に示すように、下部ローラ組立体21~24は、それぞれが、下側ユニット2の対向面5とは反対側となる下カバー152側から下側筐体151のローラ設置部161~164に組み付けられるようになっている。下部ローラ組立体21~24は、それぞれが一体的に、下側筐体151に対して取り付け及び取り外し可能に設けられている。
下部ローラ組立体21~24のローラ設置部161~164への取付構造は同様の構造であるため、下部ローラ組立体21のローラ設置部161への取付構造を例にとり説明する。
図15及び図16に示すように、下側筐体151には、ローラ設置部161の装置幅方向の両側位置に、嵌合受け部171がそれぞれ設けられている。両側の嵌合受け部171に下部ローラ組立体21の両側のベアリングケース125が嵌合する。
嵌合受け部171は、下側筐体151の反対面160に開口し反対面160から対向面5(図14参照)側に凹む凹形状を成している。嵌合受け部171には、ベアリングケース125の挿入方向に沿って延びる位置合わせ壁172が設けられている。位置合わせ壁172は、対向面5に垂直に延びている。嵌合受け部171には、ベアリングケース125の挿入方向と同一面上で直交する方向の両側に対となるように位置合わせ壁172が設けられている。一対の位置合わせ壁172は、装置幅方向の位置を合わせて紙幣搬送方向に並んでいる。
一対の位置合わせ壁172は、それぞれが、ベアリングケース125の挿入方向に広がるガイド面部175と、ガイド面部175に対して垂直に広がる係止面部176とを有している。一対の位置合わせ壁172は、ガイド面部175同士が対面して平行に広がっている。一対の位置合わせ壁172は、それぞれの係止面部176の面位置が装置幅方向に直交して広がる同一平面上に配置されている。ガイド面部175は紙幣搬送方向に直交して広がっている。係止面部176は装置幅方向に直交して広がっている。一方の嵌合受け部171の一対の係止面部176は、この嵌合受け部171の一対のガイド面部175に対し、他方の嵌合受け部171とは反対側に設けられている。言い換えれば、各嵌合受け部171において、一対の係止面部176は、一対のガイド面部175に対し装置幅方向の外側に設けられている。係止面部176は、いずれも装置幅方向の外側に向いている。
嵌合受け部171には、ベアリングケース125の挿入方向奥側に半円状に凹む当接壁178が設けられている。当接壁178は、ベアリングケース125の挿入方向奥側で一対の位置合わせ壁172を繋いでいる。
ベアリングケース125は、軸受123(図11参照)が装着される円筒状のベアリング装着部181と、ベアリング装着部181の軸方向一側部分に設けられた鍔状の嵌合部182とを有している。嵌合部182には、一対の位置合わせ段部185が形成されている。一対の位置合わせ段部185は、それぞれが挿入面部186と、挿入面部186に対して垂直に広がる係合面部187とを有している。一対の位置合わせ段部185は、挿入面部186同士が反対に向いて平行に広がっている。一対の位置合わせ段部185は、それぞれの係合面部187の面位置が装置幅方向に直交して広がる同一平面上に配置されている。挿入面部186は、軸部材121の中心軸方向に広がっている。係合面部187は軸部材121の中心軸方向に直交して広がっている。
一方のベアリングケース125の一対の係合面部187は、このベアリングケース125の一対の挿入面部186に対し、他方のベアリングケース125とは反対側に設けられている。言い換えれば、ベアリングケース125において、一対の係合面部187は、一対の挿入面部186に対し軸部材121の中心軸方向の外側に設けられている。係合面部187は、軸部材121の中心軸方向の内側に向いている。一方のベアリングケース125の一対の係合面部187は、他方のベアリングケース125の一対の係合面部187と平行に対面している。挿入面部186とこれに繋がる係合面部187とが位置合わせ段部185に設けられている。位置合わせ段部185は、挿入面部186と係合面部187とを有することで段差状を成している。
嵌合部182には、ベアリングケース125の嵌合受け部171への挿入方向の上流側に押圧部188が設けられている。
下部ローラ組立体21をローラ設置部161に設置する場合、ローラ設置部161の一方の嵌合受け部171の一対の位置合わせ壁172に、下部ローラ組立体21の一方のベアリングケース125の嵌合部182に設けられた一対の位置合わせ段部185を挿入しつつ係合させる。それと共に、ローラ設置部161の他方の嵌合受け部171の一対の位置合わせ壁172に、下部ローラ組立体21の他方のベアリングケース125の嵌合部182に設けられた一対の位置合わせ段部185を係合させる。その際に、一対の位置合わせ段部185と一対の位置合わせ壁172とは、一対の挿入面部186が一対のガイド面部175に案内され、一対の係合面部187が一対の係止面部176に案内されて係合される。そして、ベアリング装着部181が当接壁178に当接すると、それ以上のベアリングケース125の挿入方向の移動が規制される。
すると、下部ローラ組立体21は、両側のベアリングケース125の嵌合部182が、それぞれ一対の係合面部187で、嵌合先の嵌合受け部171の一対の係止面部176に当接して軸方向の移動が規制されることになる。言い換えれば、下部ローラ組立体21は、両側のベアリングケース125の嵌合部182が、それぞれの一対の係合面部187を嵌合先の嵌合受け部171の一対の係止面部176に当接させることで、装置幅方向両側への移動が規制される。
また、下部ローラ組立体21は、両側のベアリングケース125の嵌合部182が、それぞれ一対の挿入面部186で、嵌合先の嵌合受け部171の一対のガイド面部175に当接して、下側筐体151への挿入方向と同一面上で直交する径方向の移動が規制される。言い換えれば、下部ローラ組立体21は、両側のベアリングケース125の嵌合部182が、それぞれの一対の挿入面部186を嵌合先の嵌合受け部171の一対のガイド面部175に当接させることで、紙幣搬送方向両側への移動が規制される。
図17に示すように、前述した下カバー152には、下部ローラ組立体21の両側のベアリングケース125の押圧部188とそれぞれ対応する位置に、下側筐体151の方向に突出して形成された押圧片191が設けられている。
下カバー152からの押圧片191の突出長さは、下側筐体151に下カバー152を組み付けた状態で、下カバー152からベアリングケース125の押圧部188までの長さとほぼ同じか、僅かに長い長さとなるように設定されている。よって、下カバー152は下側筐体151に組み付けられると、押圧片191が、ベアリング装着部181において当接壁178に当接しているベアリングケース125の押圧部188を僅かに押圧し、ベアリングケース125の嵌合受け部171からの外れを規制する。
以上により、下カバー152が下側筐体151に組み付けられると、下部ローラ組立体21は、両側のベアリングケース125がそれぞれ、下側筐体151の対応する嵌合受け部171及び下カバー152の対応する押圧片191で、下側筐体151及び下カバー152に対して全方向に移動不可となるように固定される。
このようにして、下部ローラ組立体21が下カバー152によって下側筐体151に取り付けられる。なお、下部ローラ組立体21~24の下側筐体151への取付構造は同様の構造であるため、図示は略すが、実施の形態の下カバー152には、下部ローラ組立体21~24のそれぞれに対して2箇所ずつ、全部で8箇所の押圧片191が形成されている。
図18に示すように、下側筐体151に下カバー152によって取り付けられた状態の下部ローラ組立体21~24は、それぞれの全てのローラ部材122が下側筐体151の対向面5から部分的に突出する状態となる。
図19は、識別ユニット1を上側ユニット3側から見た外観斜視図であり、上カバー252を開いた図である。
図20は、識別ユニット1を下側ユニット2側から見た外観斜視図であり、下側ユニット2を開いた図である。
図19及び図20に示すように、上部ローラ組立体31~34は、上側ユニット3を構成している。図19及び図20に示すように、上側ユニット3において、上部ローラ組立体31と上部ローラ組立体32との間には、上部ローラ組立体31側に第1検知センサ41の発光部61が、上部ローラ組立体32側に厚みセンサ42の可動ローラ62が、それぞれ設けられている。また、上部ローラ組立体32と上部ローラ組立体33との間には、CIS43の上部ユニット63が設けられている。また、上部ローラ組立体33と上部ローラ組立体34との間には、最も上部ローラ組立体33側にUVセンサ44の上側センサ部64が、最も上部ローラ組立体34側に第2検知センサ46の発光部66が、これらの間に、磁気センサ45の磁気ヘッド65が、それぞれ設けられている。
<上部ローラ組立体31~34>
図21は、上部ローラ組立体31の一例を説明する斜視図である。
上側ユニット3の上部ローラ組立体31~34の構造を説明する。上部ローラ組立体31~34は同様の構造であるため、上部ローラ組立体31を例にとり説明する。
図21に示すように、上部ローラ組立体31は、軸部材221に複数のローラ部材222が軸部材221の中心軸方向に所定の間隔で組み付けられている。実施の形態では、6個のローラ部材222が軸部材221に組み付けられている。全てのローラ部材222は、軸部材221と一体に回転するように軸部材221に固定されている。軸部材221の両端部には、それぞれ、上記と同様の軸受123が締結部材124により組み付けられている。両軸受123には、それぞれの外周側を覆うようにベアリングケース225が設けられている。ベアリングケース225は、軸受123の外筒の外径に圧入固定される内径に設定されている。
<上部ローラ組立体31の取付構造>
図22は、上側ユニット3の上カバー252を外した状態を上カバー252側から見た分解斜視図である。
図23は、上部ローラ組立体31の取付構造を説明する図である。
図24は、上部ローラ組立体31の取付構造を説明する図である。
図25は、上部ローラ組立体31の取付構造を説明する図である。
前述した図12に示すように、上側ユニット3の対向面6と反対側には上側ユニット3の筐体である上側筐体251に対して着脱自在に組み付けられた上カバー252が設けられている。言い換えれば、上側筐体251には、搬送路8とは反対側の反対面260側に上カバー252が取り付けられている。
図22に示すように、上側筐体251には、ローラ設置部261、ローラ設置部262、ローラ設置部263、ローラ設置部264が、紙幣搬送方向に並んで、この順番に設けられている。上側ユニット3は、上側筐体251のローラ設置部261に上部ローラ組立体31が、ローラ設置部262に上部ローラ組立体32が、ローラ設置部263に上部ローラ組立体33が、ローラ設置部264に上部ローラ組立体34が、それぞれ組み付けられる。その後、上側筐体251に更に上側基板268が組み付けられた後、上カバー252が組み付けられて上側ユニット3となる。
上部ローラ組立体31~34は、それぞれが、上側ユニット3の対向面6とは反対側となる上カバー252側から上側筐体251のローラ設置部261~264に組み付けられるようになっている。言い換えれば、上部ローラ組立体31~34は、それぞれが、反対面260側から上側筐体251に組み付けられるようになっている。上部ローラ組立体31~34は、それぞれが一体的に、上側筐体251に対して取り付け及び取り外し可能に設けられている。
上部ローラ組立体31~34のローラ設置部261~264への取付構造は同様の構造であるため、上部ローラ組立体31のローラ設置部261への取付構造を例にとり説明する。
上側筐体251には、上部ローラ組立体31が組み付けられるローラ設置部261の装置幅方向の両端部位置に、図23に示すような嵌合受け部271がそれぞれ設けられている。両側の嵌合受け部271に上部ローラ組立体31の両側のベアリングケース225が嵌合する。
図23に示すように、嵌合受け部271は、上側筐体251の反対面260に開口し反対面260から対向面6(図22参照)側に凹む凹形状を成している。図24に示すように、嵌合受け部271には、ベアリングケース225の挿入方向に沿って延びる位置合わせ壁272が設けられている。位置合わせ壁272は、対向面6に垂直に延びている。嵌合受け部271には、ベアリングケース225の挿入方向と同一面上で直交する方向の両側に対となるように位置合わせ壁272が設けられている。一対の位置合わせ壁272は、装置幅方向の位置を合わせて紙幣搬送方向に並んでいる。
一対の位置合わせ壁272は、それぞれが、ベアリングケース225の挿入方向に広がるガイド面部275を有している。一対の位置合わせ壁272は、ガイド面部275同士が対面して平行に広がっている。ガイド面部275は紙幣搬送方向に直交して広がっている。嵌合受け部271には、ベアリングケース225の挿入方向奥側に当接壁(図示せず)が設けられている。
嵌合受け部271には、他方の嵌合受け部271側に係合壁281が形成されている。係合壁281は、ベアリングケース225の挿入方向に沿って延びている。嵌合受け部271には、ベアリングケース225の挿入方向と同一面上で直交する方向の両側に対となるよう係合壁281が設けられている。一対の係合壁281は、装置幅方向の位置を合わせて紙幣搬送方向に並んでいる。
一対の係合壁281は、それぞれが、軸部材221の挿入方向に広がる対向面282を有している。一対の係合壁281は、対向面282同士が対面して平行に広がっている。対向面282は紙幣搬送方向に直交して広がっている。一対の係合壁281は、それぞれ対向面282から紙幣搬送方向に沿って突出する係合突起部283を有している。一対の係合壁281は、互いの係合突起部283を近づけるように対向面282から突出させている。
ベアリングケース225は、図23に示すように、軸受123が装着される円筒状のベアリング装着部291と、ベアリング装着部291の外周面から延出する一対のアーム部292とを有している。一対のアーム部292は、ベアリング装着部291の外周面から径方向外側の同一方向に突出して形成されている。
アーム部292は、薄板形状を成している。一対のアーム部292の互いに反対に向く外面295には、2列の位置合わせ突起部296が軸部材221の軸方向に間隔をあけて設けられている。この2列の位置合わせ突起部296は、アーム部292の外面295から外側に垂直に突出して形成されている。言い換えれば、この2列の位置合わせ突起部296は、一方のアーム部292の外面295から紙幣搬送方向において他方のアーム部292とは反対側に突出している。この2列の位置合わせ突起部296の間隔L1は、上側筐体251に設けられた嵌合受け部271の位置合わせ壁272の装置幅方向の厚みW1に整合する間隔に設定されている。よって、2列の位置合わせ突起部296の間に上側筐体251の位置合わせ壁272を挟み込んで係合させることにより、この位置合わせ壁272によりベアリング装着部291の軸方向の移動が規制される。言い換えれば、位置合わせ壁272によりベアリングケース225の装置幅方向の移動が規制される。なお、図24に示す一対のガイド面部275間の距離L2は、図23に示す一対のアーム部292の外面295間の距離L3と同じ長さとなるように設定されており、よって、一対の位置合わせ壁272によりベアリングケース225の紙幣搬送方向の移動も規制される。
図23に示すように、上部ローラ組立体31のベアリング装着部291を、上側筐体251の嵌合受け部271に係合させながら挿入する。図24に示すように、この際、2列の位置合わせ突起部296の間に上側筐体251の位置合わせ壁272を挟み込むように係合させることで、上部ローラ組立体31の軸受123の軸方向の移動が規制される。その後、ベアリング装着部291が、嵌合受け部271の当接壁(図示せず)に当接して、ベアリングケース225のそれ以上の挿入が規制される。
図25に示すように、ベアリング装着部291における一対のアーム部292の間には係合部298が形成されている。
係合部298には、付勢部材としてのコイルバネ301の一端が係合される。このコイルバネ301の他端は、クランプ311に係合される。クランプ311は、平板状の基板部312と、基板部312の厚さ方向一側に設けられてコイルバネ301の他端が挿入される円筒状のバネ収容部313と、基板部312から厚さ方向一側に延出する一対の係合板部314と、一対の係合板部314の基板部312とは反対側の端部に形成された爪部315とを有している。爪部315は、一対の係合板部314のそれぞれに一対ずつ形成されている。爪部315は、一対の係合板部314の互いに反対に向く面から他方の係合板部314とは反対に突出している。
クランプ311は、ベアリングケース225の係合部298に一端が係合されたコイルバネ301の他端を、バネ収容部313内に係合させつつ、一方の係合板部314に形成された一対の爪部315を一対の係合壁281の係合突起部283に係合させる。それと共に、他方の係合板部314に形成された一対の爪部315を上側筐体251に形成された係合穴321に係合させる。これにより、クランプ311が上側筐体251に取り付けられる。この状態で、ベアリングケース225はコイルバネ301により挿入方向に押圧される。このため、ベアリングケース225及びこれに装着された軸受123の嵌合受け部271からの外れが規制される。また、コイルバネ301が変形可能な範囲で、上部ローラ組立体31は、位置合わせ壁272で案内されて移動可能となる。よって、上部ローラ組立体31は、搬送路8に直交する上下方向に移動可能となる。言い換えれば、上部ローラ組立体31は、搬送路8にある紙幣Sの厚み方向に移動可能となる。
上側筐体251にクランプ311によって取り付けられた状態の上部ローラ組立体31~34は、それぞれの全てのローラ部材222が上側筐体251の対向面6から部分的に突出する状態となる。
以上により、複数の搬送ローラ11~14は、下側ユニット2及び上側ユニット3の互いの対向面5,6側と反対側から、下側ユニット2の下側筐体151に下部ローラ組立体21~24が、上側ユニット3の上側筐体251に上部ローラ組立体31~34が、それぞれ組み付けられる。
以上の通り、実施の形態では、
(1)識別ユニット1は、紙幣S(紙葉類)を搬送路8に沿って搬送する複数の搬送ローラ11~14と、複数の搬送ローラ11~14の間に配置され、紙幣Sに関する情報を取得する複数のセンサ41~46と、センサ41~46が取得した紙幣Sに関する情報に基づいて当該紙幣Sを判別する制御部71と、を有している。また、複数のセンサ41~46は、紙幣Sの蛍光反応に関する情報を取得するUVセンサ44を含んで構成されている。そして、制御部71は、UVセンサ44が取得した紙幣Sの蛍光反応に関する情報に基づいて搬送路8における紙幣Sの有無を判断する。
このように、識別ユニット1は、紙幣Sの蛍光反応に関する情報を取得するUVセンサ44を有しており、制御部71が、このUVセンサ44が取得した紙幣Sの蛍光反応に関する情報に基づいて、搬送路8における紙幣Sの有無を判断する。このため、紙幣Sの有無を検知するための専用の検知センサ(光センサなど)を設ける必要がなく、製品を小型化することができると共に、製品コストの増加を抑えることができる。
(2)複数の搬送ローラ11~14は、搬送路8に沿って間隔をあけて平行に設けられている。そして、UVセンサ44は、複数の搬送ローラ11~14のうち、搬送ローラ13(第1搬送ローラ)と、当該搬送ローラ13と間隔をあけて平行に設けられた搬送ローラ14(第2搬送ローラ)との間に設けられている。また、UVセンサ44と搬送ローラ13との間隔は、紙幣Sの搬送方向の半分の長さよりも短くなるように設定されていると共に、UVセンサ44と搬送ローラ14との間隔は、紙幣Sの搬送方向の半分の長さよりも短くなるように設定されている。
このように、UVセンサ44と搬送ローラ13との間隔、及びUVセンサ44と搬送ローラ14との間隔は、何れも紙幣Sの半券の搬送方向の長さよりも短くなるように設定されている。このため、半券が搬送ローラ13と搬送ローラ14との間の何れの位置に存在していても、半券の少なくとも一部がUVセンサ44の検出範囲まで搬送されることとなる。よって、UVセンサ44は、半券の蛍光反応に関する情報を確実に取得することができる。
(3)複数のセンサ41~46は、紙幣Sの磁気的性質を検知する磁気センサ45と、搬送路8における紙幣Sの有無を検知する第2検知センサ46(検知センサ)と、を有して構成されている。また、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間において、UVセンサ44と、磁気センサ45と、第2検知センサ46とは、紙幣Sの搬送方向に沿ってこの順番で配置されている。
このように、搬送ローラ13と搬送ローラ14との間において、UVセンサ44と、磁気センサ45と、第2検知センサ46とがこの順番で搬送方向に沿って配置されている。そのため、設計上どうしても搬送ローラ13と第2検知センサ46との間隔が長くなってしまい、例えば、紙幣Sが半分程度に折り曲げられた状態で搬送され、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間隔よりも搬送方向の長さが短い半券が搬送された場合、半券が第2検知センサ46の検知範囲まで搬送されず、第2検知センサ46によりこの半券の有無を検知できない恐れがある。
ここで、磁気センサ45は、磁気ヘッド65と、磁気ヘッド65に紙幣Sを近接させるために、紙幣Sを磁気ヘッド65側に押圧する押圧ローラ55とが対向して配置されている。押圧ローラ55は、磁気ヘッド65との間に紙幣Sの厚みよりも大きな間隔を有しており、この押圧ローラ55の押圧により紙幣Sが磁気ヘッド65に当接することはないので、紙幣Sを搬送方向に送ることはできない。よって、磁気ヘッド65と押圧ローラ55の間に存在する半券を確実に搬送することができない。その結果、識別ユニット1では、半券の搬送方向の長さが搬送ローラ13と搬送ローラ14との間隔よりも短く、搬送ローラ13と第2検知センサ46との間で搬送不能となった半券は押圧ローラ55では搬送できず、第2検知センサ46による検知もできないため、識別ユニット1内に残留してしまうという問題があった。
そこで、UVセンサ44を第2検知センサ46と搬送方向の反対側で磁気センサ45に隣接して配置することで、搬送路8上のUVセンサ44に対応する位置に残留した半券を、このUVセンサ44を用いて検知することができ、当該半券を確実に取り出すことができる。
(4)制御部71は、搬送ローラ11~14による紙幣Sの搬送を停止した状態で、UVセンサ44が取得した紙幣Sの蛍光反応に関する情報に基づいて搬送路8における紙幣Sの有無を判断する。
制御部71は、搬送ローラ11~14により紙幣Sを搬送している時は、UVセンサ44を用いて紙幣Sの判別を行うので、UVセンサ44を用いて搬送路8における紙幣Sの有無の判断は行えない。一方、制御部71は、搬送ローラ11~14により紙幣Sを搬送していない停止状態である時は、紙幣Sの判別を行わないので、紙幣Sの蛍光反応に関する情報を用いて搬送路8における紙幣Sの残留の有無の判断を行うことができる。
(5)複数のセンサ41~46は、紙幣Sの厚みを検知する厚みセンサ42を有しており、厚みセンサ42は、紙幣Sを支持すると共に搬送方向に搬送する固定ローラ52と、紙幣Sの厚みに応じて紙幣Sの厚み方向に移動可能に設けられた可動ローラ62(厚み検知ローラ)と、を有している。また、可動ローラ62は、支持アーム103と、互いに回転軸方向に密着した状態で支持アーム103に支持される複数のローラ部材105と、を有している。
従来、この種の識別ユニットの厚み検知センサでは、支持部材を挟んで2個のローラ部材としてのベアリングが間隔をあけて配置されている。そのため、例えば、紙幣がローラ部材の一部のみと固定ローラとに挟みこまれた状態で搬送された場合、ローラ部材を構成する内輪と外輪のガタの分だけ、内輪に対して外輪が傾いてしまう可能性がある。よって、外輪の傾きの分だけ、支持部材が適切に移動せず、紙幣の厚みを正確に検知できない恐れがある。
厚みセンサ42は、2個以上のローラ部材105を軸方向に互いに密着させた状態で支持アーム103に支持させている。よって、紙幣Sが何れか一方のローラ部材105の一部のみと固定ローラ52のローラ部材108とに挟み込まれた状態となっても、密接する他方のローラ部材105が一方のローラ部材105を支える働きをするため、外輪が傾くことなく紙幣Sの厚みに応じた適切な移動量だけ移動する。よって、厚みセンサ42は、紙幣Sの厚みに応じて支持アーム103が適切に移動するので、紙幣Sの厚みを正確に検出することができる。
(6)搬送ローラ11~14は、軸部材121と、軸部材121に組み付けられる1または複数のローラ部材122と、軸部材121の端部側に組み付けられる軸受123と、が組み立てられた下部ローラ組立体21(ローラ組立体)を有している。そして、下部ローラ組立体21が、識別ユニット1の下側筐体151に対して一体的に取り付け及び取り外し可能に設けられている。また、搬送ローラ11~14は、軸部材221と、軸部材221に組み付けられる1または複数のローラ部材222と、軸部材221の端部側に組み付けられる軸受123と、が組み立てられた上部ローラ組立体31(ローラ組立体)を有している。そして、上部ローラ組立体31が、識別ユニット1の上側筐体251に対して一体的に取り付け及び取り外し可能に設けられている。
従来の識別ユニットでは、ローラを組み付けた軸部材を筐体の軸受けに取り付けた後、軸部材が軸受から外れないように係止部材を用いて軸部材を筐体に固定する必要があり、ローラの交換作業に大変な労力がかかっていた。これに対して、識別ユニット1では、軸部材121とローラ部材122と軸受123とを一体的に組み付けた下部ローラ組立体21を下側筐体151に対して、直接、取り付けまたは取り外しができる。また、識別ユニット1では、軸部材221とローラ部材222と軸受123とを一体的に組み付けた上部ローラ組立体31を上側筐体251に対して、直接、取り付けまたは取り外しができる。よって、ローラ部材122,222の交換作業の効率を高めることができる。また、識別ユニット1では、下部ローラ組立体21の単位及び上部ローラ組立体31の単位で部品交換できるようにしたことで、下部ローラ組立体21の単位及び上部ローラ組立体31の単位で交換部品を準備しておくことができ、部品リストから交換対象部品を個別に選択して発注、納品して交換する場合よりも部品管理の効率化及びメンテナンス費用を抑えることができる。
(7)識別ユニット1は、下側ユニット2と、下側ユニット2に対して対向して配置される上側ユニット3と、を有して構成されている、そして、複数の搬送ローラ11~14が、下側ユニット2及び上側ユニット3の互いの対向面5,6側と反対側から、下側ユニット2の下側筐体151及び上側ユニット3の上側筐体251に組み付けられる。
識別ユニット1では、複数の搬送ローラ11~14が下側ユニット2と上側ユニット3の各々の対向面5,6側の反対側から、下側筐体151及び上側筐体251に組み付けられる。このため、下側ユニット2と上側ユニット3とを各々ばらさずに搬送ローラ11~14を組み付けることができる。
(8)下部ローラ組立体21~24は、軸部材121と軸受123との間に設けられる係合部材131を有している。そして、係合部材131は、軸部材121の外径部に嵌合する内径の穴部134を有すると共に、軸受123の内径部に嵌合する外径の軸部132を有する。
下部ローラ組立体21~24は、軸部材121と軸受123との間に、軸部材121の外径部に嵌合する内径の穴部134と、軸受123の内径部に嵌合する外径の軸部132とを有する係合部材131を有している。よって、軸部材121と軸受123の内輪とが係合部材131を介して一体的に回転するので、軸部材121と軸受123との間の回転による磨耗を抑えることができる。
以上の実施の形態では、紙葉類として紙幣Sを識別する識別ユニット1を例にとり説明したが、金券や有価証券などの紙幣以外の紙葉類を識別する識別ユニットにも実施の形態の技術は適用することができる。