JP6515767B2 - 検知ローラおよび紙葉類厚み検出装置 - Google Patents
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Description
搬送される紙葉類の厚みを検出する紙葉類厚み検出装置において、回転可能に支持される基準ローラに当接した状態で配置され、回転可能に、かつ前記基準ローラとの間に搬送される紙葉類の厚みに応じて変位可能に支持される検知ローラであって、
ゴム組成物から形成される内輪と、前記内輪の外周を被覆し、前記内輪よりも剛性の高い材料から形成される外輪と備え、
前記内輪を形成する前記ゴム組成物が、ジメチルシリコーンゴム50質量部以上90質量部以下と、フロロ基含有シリコーンゴム10質量部以上50質量部以下とを、合計で100質量部、含有する、検知ローラが提供される。
回転可能に支持される基準ローラと、
前記基準ローラに当接して配置され、回転可能に、かつ前記基準ローラとの間に搬送される紙葉類の厚みに応じて変位可能に支持される検知ローラと、
前記検知ローラの紙葉類の厚みに応じて変位する変位量を検出する変位センサと、を備える、搬送される紙葉類の厚みを検出する紙葉類厚み検出装置であって、
前記検知ローラが、ゴム組成物から形成される内輪と、前記内輪の外周を被覆し、前記内輪よりも剛性の高い材料から形成される外輪と備え、
前記内輪を形成する前記ゴム組成物が、ジメチルシリコーンゴム50質量部以上90質量部以下と、フロロ基含有シリコーンゴム10質量部以上50質量部以下とを、合計で100質量部、含有する、紙葉類厚み検出装置が提供される。
以下、検知ローラ、および紙葉類厚み検出装置について図を用いて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る紙葉類厚み検出装置の構成概略図である。図2は、本発明の一実施形態に係る検知ローラの断面図である。図3は、検知ローラが紙葉類の厚みに応じて変位するときを説明する図である。
検知ローラ20は、図2に示すように、第2シャフト21の外周上に、ゴム組成物から形成される内輪22と、内輪22の外周を被覆し、内輪22よりも剛性の高い材料から形成される外輪23と、を備えている。
ただし、フロロ基含有シリコーンゴムは、他のシリコーンゴムに比べて硬度(Duro−A硬度)が高いため、内輪22を、所定の圧力で適度に変形できるような硬度に調整することが困難である。
そこで、本実施形態では、ゴム成分として、フロロ基含有シリコーンゴムとともにジメチルシリコーンゴムを用いる。ジメチルシリコーンゴムは、フロロ基含有シリコーンゴムと比べて反発弾性は低いものの、低硬度であるため、内輪22の硬度を低くすることができる。つまり、ゴム成分として、フロロ基含有シリコーンゴムおよびジメチルシリコーンゴムを併用することにより、内輪22の反発弾性を低くしつつ、その硬度を、所定の圧力により適度に変形できるような適度な範囲に調整することが可能となる。
架橋剤としては、ポリアミン系やポリオール系、パーオキサイド系などが挙げられる。これらを1種単独で、もしくは2種以上を併用して用いることができる。
架橋助剤としては、上述の架橋剤と併用できるものであれば特に限定されない。例えば、金属酸化物、有機酸塩、遷移金属系化合物、白金化合物、ジビニル化合物等を用いることができる。これらを1種単独で、もしくは2種以上を併用して用いることができる。
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(実施例1)
実施例1では、以下の表1に示すように、フロロ基含有シリコーンゴム14質量部およびジメチルシリコーンゴム86質量部を混合したゴム成分100質量部に、架橋剤であるベンゾイルパーオキサイドを1.0質量部と、充填剤である湿式シリカ(BET比表面積;200m2/g)を5質量部とを配合し、混合することにより、実施例1のゴム組成物を得た。
実施例2〜5では、フロロ基含有シリコーンゴムとジメチルシリコーンゴムとの含有比率を表1に示すように変更してゴム組成物を調製した。
比較例1では、フロロ基含有シリコーンゴムの配合量を10質量部よりも少なくした以外は、実施例1と同様にゴム組成物を調製した。
比較例2では、フロロ基含有シリコーンゴムの配合量を50質量部よりも多くした以外は、実施例1と同様にゴム組成物を調製した。
比較例3では、フロロ基含有シリコーンゴムの代わりに、フェニル基含有シリコーンゴムを用いた以外は、実施例1と同様にゴム組成物を調製した。
調製したゴム組成物を射出形成機に供給し、射出形成機にてゴム組成物を混練しながら加熱して溶融させ、溶融したゴム組成物を型内に注入し、冷却して固化させた。その後、型を取り外すことにより、円筒状の内輪を得た。本実施例では、厚さが4mmの内輪を形成した。
続いて、円筒状の内輪の孔に、第2シャフト21としてのステンレス製シャフトを圧入して挿通させ、さらに外輪としてのステンレス製筒をはめ込むことにより、検知ローラを作製した。
検知ローラについて、以下の方法により評価した。
硬さは、上記で得られたゴム組成物を用いて、内輪を模擬した試験片を作製し、その試験片の硬度をデュロメータAで測定した。本実施例では、硬さが15〜30の範囲内であれば、適度な硬度を有するものと判断した。硬さが15未満であると、所定の圧力による変位量が過度に小さくなり、30を超えると、変位量が過度に大きくなってしまうため、検知ローラの変位量を精度よく検知できない。
反発弾性は、上記で得られたゴム組成物を用いて、内輪を模擬した厚さ4mmの試験片を作製した後、この試験片に対して、JIS K6255に準拠してリュプケ式反発弾性装置を用いて反発弾性試験を実施し、そのときの反発弾性を求めた。本実施例では、反発弾性が50%以下であれば、検知ローラが跳ね上がったときに振動しにくいものと判断した。
圧縮永久歪みは、上記で得られたゴム組成物を用いて、内輪を模擬した試験片を作製した後、この試験片に、JIS K6262に準拠して試験温度70℃、試験時間24時間の条件で圧縮率が25%となるように圧縮試験を実施することにより求めた。本実施例では、圧縮永久歪みが15%以下、好ましくは12%以下であれば、検知ローラが基準ローラに押圧された状態で長時間放置されても変形しにくいものと判断した。
たわみ量は、検知ローラに、速度0.5mm/min、圧力200〜500gfの範囲で部材を押圧させたときの、内輪の弾性変形による変位量を測定した。本実施例では、たわみ量が0.1mm〜0.3mmの範囲内であれば合格(○)とし、それ以外の範囲であれば不合格(×)とした。
回転試験では、作製した検知ローラを紙葉類厚み検出装置に組み込み、厚さ0.1mmの模擬試験紙を速度1000mm/sで搬送させ、その厚みを正確に検知できるかどうか、を評価した。正確に検知できれば、合格(○)とし、振動により厚みを正確に検知できない、もしくは検知に時間がかかるようであれば、不合格(×)とした。
表1に示すように、実施例1〜5では、いずれも内輪の硬さが適度な数値範囲にあり、また反発弾性が低いため、検知ローラのたわみ量が適度な数値範囲内であって、回転試験を行ったときに紙葉類の厚みを正確に検知できることが確認された。しかも、内輪の圧縮永久歪みが小さいため、検知ローラを基準ローラに押圧した状態で長時間放置しても、変形しないことが確認された。
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の一態様によれば、
搬送される紙葉類の厚みを検出する紙葉類厚み検出装置において、回転可能に支持される基準ローラに当接した状態で配置され、回転可能に、かつ前記基準ローラとの間に搬送される紙葉類の厚みに応じて変位可能に支持される検知ローラであって、
ゴム組成物から形成される内輪と、前記内輪の外周を被覆し、前記内輪よりも剛性の高い材料から形成される外輪と備え、
前記内輪を形成する前記ゴム組成物が、ジメチルシリコーンゴム50質量部以上90質量部以下と、フロロ基含有シリコーンゴム10質量部以上50質量部以下とを、合計で100質量部、含有する、検知ローラが提供される。
付記1の検知ローラであって、好ましくは、
前記内輪の反発弾性が50%以下である。
付記1又は2の検知ローラであって、好ましくは、
前記内輪の硬度がDuro−A硬度で20以上30以下である。
付記1〜3のいずれかの検知ローラであって、好ましくは、
前記内輪の圧縮永久歪みが15%以下である。
本発明の他の態様によれば、
回転可能に支持される基準ローラと、
前記基準ローラに当接して配置され、回転可能に、かつ前記基準ローラとの間に搬送される紙葉類の厚みに応じて変位可能に支持される検知ローラと、
前記検知ローラの紙葉類の厚みに応じて変位する変位量を検出する変位センサと、を備える、搬送される紙葉類の厚みを検出する紙葉類厚み検出装置であって、
前記検知ローラが、ゴム組成物から形成される内輪と、前記内輪の外周を被覆し、前記内輪よりも剛性の高い材料から形成される外輪と備え、
前記内輪を形成する前記ゴム組成物が、ジメチルシリコーンゴム50質量部以上90質量部以下と、フロロ基含有シリコーンゴム10質量部以上50質量部以下とを、合計で100質量部、含有する、紙葉類厚み検出装置が提供される。
10 基準ローラ
11 第1シャフト
20 検知ローラ
21 第2シャフト
22 内輪
23 外輪
30 変位センサ
Claims (5)
- 搬送される紙葉類の厚みを検出する紙葉類厚み検出装置において、回転可能に支持される基準ローラに当接した状態で配置され、回転可能に、かつ前記基準ローラとの間に搬送される紙葉類の厚みに応じて変位可能に支持される検知ローラであって、
ゴム組成物から形成される内輪と、前記内輪の外周を被覆し、前記内輪よりも剛性の高い材料から形成される外輪と備え、
前記内輪を形成する前記ゴム組成物が、ジメチルシリコーンゴム50質量部以上90質量部以下と、フロロ基含有シリコーンゴム10質量部以上50質量部以下とを、合計で100質量部、含有する、検知ローラ。 - 前記内輪の反発弾性が50%以下である、請求項1に記載の検知ローラ。
- 前記内輪の硬度がDuro−A硬度で15以上30以下である、請求項1又は2に記載の検知ローラ。
- 前記内輪の圧縮永久歪みが15%以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の検知ローラ。
- 回転可能に支持される基準ローラと、
前記基準ローラに当接して配置され、回転可能に、かつ前記基準ローラとの間に搬送される紙葉類の厚みに応じて変位可能に支持される検知ローラと、
前記検知ローラの紙葉類の厚みに応じて変位する変位量を検出する変位センサと、を備える、搬送される紙葉類の厚みを検出する紙葉類厚み検出装置であって、
前記検知ローラが、ゴム組成物から形成される内輪と、前記内輪の外周を被覆し、前記内輪よりも剛性の高い材料から形成される外輪と備え、
前記内輪を形成する前記ゴム組成物が、ジメチルシリコーンゴム50質量部以上90質量部以下と、フロロ基含有シリコーンゴム10質量部以上50質量部以下とを、合計で100質量部、含有する、紙葉類厚み検出装置。
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