JP2020177104A - クリーニング部材および画像形成装置 - Google Patents

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真一 矢吹
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Abstract

【課題】表面層および弾性体の接着性と、被クリーニング部材に対するクリーニング性と、クリーニング部材の耐摩耗性との全てを満たすクリーニング部材を提供すること。【解決手段】クリーニング部材は、被クリーニング部材の表面に当接し、前記表面の異物を除去するためのクリーニング部材であって、ケイ素を含む架橋PTFEを含む表面層と、前記表面層を支持する弾性体と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、クリーニング部材および画像形成装置に関する。
以前から、電子写真方式の画像形成装置では、像担持体に担持されたトナー画像を、中間転写体または記録媒体に転写している。また、画像形成装置では、像担持体の表面に残留したトナーをクリーニング手段で除去している。
一般に、クリーニング手段として、構成が簡単であり、かつクリーニング性能も優れている観点から、クリーニングブレードが使用されている。クリーニングブレードは、ポリウレタンゴムなどからなる弾性部材と、弾性部材の基端を支持する支持部材とを有する。クリーニングブレードは、弾性部材の当接部分(先端稜線部)を像担持体の表面に押し当て、像担持体の表面に残留したトナーを堰き止めて、掻き落として除去する。しかしながら、このようなポリウレタンゴムなどからなる弾性部材を有するクリーニングブレードは、像担持体との摩擦力が高くなり、当接部分が欠落することがあった。
このような問題点を解決するために、像担持体との摩擦力を低減させたクリーニングブレードが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のクリーニングブレードは、クリーニングブレード本体と、クリーニングブレード本体の表面に配置された塗布膜と、を有する。塗布膜は、クリーニングブレード本体にフッ素系塗料を塗布して硬化させることで形成される。
また、低摩擦状態を持続したクリーニングブレードが提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2に記載のクリーニングブレードは、ブレード部と、ブレード部の表面に配置された樹脂層とを有する。樹脂層は、電子線を照射することで架橋されたフッ素樹脂を含む。
特開平05−072957号公報 特開2007−114373号公報
特許文献1に記載のクリーニングブレードでは、像担持体との摩擦力は低減されるが、低摩擦の状態が長期間維持されないことがあった。また、特許文献2に記載のクリーニングブレードでは、低摩擦の状態を長期間維持できるが、ブレード部および樹脂層の接着性が低く、ブレード部から樹脂層が剥離してしまうことがあった。
このように、従来の技術では、表面層および弾性体の接着性と、被クリーニング部材に対するクリーニング性と、クリーニング部材の耐摩耗性との全てを満たすことについては改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、表面層および弾性体の接着性と、被クリーニング部材に対するクリーニング性と、クリーニング部材の耐摩耗性との全てを満たすクリーニング部材を提供することである。また、本発明の別の目的は、当該クリーニング部材を有する画像形成装置を提供することである。
上記課題を解決するための一態様として、クリーニング部材は、被クリーニング部材の表面に当接し、前記表面の異物を除去するためのクリーニング部材であって、ケイ素を含む架橋PTFEを含む表面層と、前記表面層を支持する弾性体と、を有する。
上記課題を解決するための他の態様として、画像形成装置は、像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像をトナー画像に現像する現像装置と、前記トナー画像を記録媒体に転写する転写装置と、前記記録媒体に転写された前記トナー画像を定着させる定着装置と、前記像担持体の表面に当接して、前記像担持体の表面の残留トナーを除去するクリーニング部材と、を有する画像形成装置であって、前記クリーニング部材は、本発明に係るクリーニング部材である。
本発明によれば、接着性と、クリーニング性と、耐摩耗性との全てを満たすクリーニング部材を提供できる。
図1は、本発明の実施の形態に係るクリーニング部材の構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、添付した図面を参照して詳細に説明する。
(クリーニング部材の構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係るクリーニング部材416の構成を示す図である。なお、図1では、被クリーニング部材(像担持体)413と、支持部材420とを破線で示している。
本実施の形態に係るクリーニング部材416は、被クリーニング部材413の表面に線接触(摺接)して、その表面に付着している異物を除去するために使用される。クリーニング部材416の形態は、特に限定されない。本実施の形態では、クリーニング部材416の形態は、ブレード形状である。クリーニング部材416は、支持部材420によって、被クリーニング部材413の表面に当接するように配置される。
図1に示されるように、クリーニング部材416は、表面層417と、弾性体418とを有する。
表面層417は、被クリーニング部材413に当接し、被クリーニング部材413の表面の異物を除去する。表面層417の厚みの平均値Aは、特に限定されない。表面層417の厚みの平均値Aは、薄い方が好ましく、20μm以上100μm以下が好ましい。表面層417の厚みの平均値Aが100μm超の場合、被クリーニング部材413のブレや、被クリーニング部材413の表面粗さに追従しにくくなるおそれがある。表面層417の厚みの平均値Aは、例えばマイクロメーターやレーザー変位計などの測定器を用いて表面層417の任意に選択された10点の厚みの平均として求められる。
表面層417は、弾性体418に支持されている。表面層417は、弾性体418に直接支持されていてもよいし、接着層419を介して支持(接着)されていてもよい。本実施の形態では、表面層417は接着層419を介して弾性体418に支持されている。表面層417は、弾性体418の表面全体に配置されていてもよいし、弾性体418の表面の一部に配置されていてもよい。本実施の形態では、表面層417は、弾性体418の表面の一部に配置されている。また、本実施の形態では、弾性体418の一方の端部に表面層417が配置されており、弾性体418の他方の端部に弾性体418を支持する支持部材420が固定されている。
表面層417は、ケイ素を含む架橋PTFEを含む。ケイ素を含む架橋PTFEは、未架橋のPTFEおよびケイ素を含む化合物を含む組成物を硬化させることで形成される。具体的には、ケイ素を含む架橋PTFEは、例えば未架橋のPTFEとケイ素を含む化合物とを反応させた後に、所定の温度で焼結させることで得られる。
未架橋のPTFEは、モールディングパウダーと、ファインパウダーとの2種類に分類される。「モールディングパウダー」とは、懸濁重合で得られた原粉末を、数十〜数百μmの粒径に粉砕し、使用方法に合わせて粒状化、微粉化、前加熱などにより生成された粉末を意味する。モールディングパウダーは、圧縮成形法およびラム押出成形法による表面層417の形成に使用されうる。「ファインパウダー」とは、乳化重合で得られたラテックスを凝析および乾燥させ、約300〜600μmの粒径に調整された粉末を意味する。ファインパウダーは、ペースト押出成形法よる表面層417の形成に使用されうる。
未架橋のPTFEとしては、モールディングパウダーおよびファインパウダーのいずれも使用できる。未架橋のPTFEは、ケイ素を含む化合物と混合しやすく、かつ成形が容易である観点から、ファインパウダーが好ましい。なお、未架橋のPTFEは、テトラフルオロエチレンのみを重合させたホモポリマーからなる純PTFEでもよいし、少量の他のモノマーを含む共重合体である変性PTFEでもよい。PTFEを製造するための乳化重合において、モノマーとしてテトラフルオロエチレンのみを用いた場合には純PTFEを得ることができ、テトラフルオロエチレンと少量の他のモノマーを用いた場合には、変性PTFEを得ることができる。
ケイ素を含む化合物は、その分子内に少なくとも2つの官能基を有し、2つの官能基のうち少なくとも1つの官能基は、アルコキシシリル基であることが好ましい。ケイ素を含む化合物の例には、シランカップリング剤が含まれる。シランカップリング剤の例には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランが含まれる。これらのシランカップリング剤のうち、ビニル基を有するシランカップリング剤を使用するときには、必要に応じてラジカル発生剤を併用する。シランカップリング剤は、0.01〜1phrの範囲で使用する。
未架橋のPTFEにケイ素を含む化合物を反応させる温度は、特に制限されないが、335〜350℃が好ましい。
ケイ素を含む架橋PTFEは、例えば、以下に示す公知の方法により検出できる。PTFEは、NMRを使用することで、電子線により架橋されたPTFEであるか、化合物により架橋されたPTFEであるかを判断できる。また、架橋されたPTFEにケイ素原子が含まれているか否かについては、XPSにより検出できる。このように、複数の検出結果に基づいて、表面層417にケイ素を含む架橋PTFEが含まれているかを検出できる。
弾性体418は、弾性を有し、表面層417を支持する。弾性体418の材料は、弾性を有すれば特に限定されず、高弾性である観点から、ポリウレタンゴムが好ましい。弾性体418の形状は、特に限定されず、適宜設計される。
接着層419は、表面層417および弾性体418を接着する。接着層419の厚みの平均値Bは、特に限定されない。接着層419の厚みの平均値Bは、薄い方が好ましく、2μm以上40μm以下が好ましい。接着層419の厚みの平均値Bが40μm超の場合、被クリーニング部材413のブレや、被クリーニング部材413の表面粗さに追従しにくくなるおそれがある。接着層419の厚みの平均値Bは、例えばレーザー顕微鏡を用いて表面層417の厚みの平均値Aと同じ方法で求めることができる。
接着層419の材料は、弾性体と表面層417とを接着できるものであれば、特に限定されないが接着力に優れる観点から、シアノアクリレートの硬化物が好ましい。
表面層417の厚みの平均値Aと、接着層419の厚みの平均値Bとは、以下の式(1)を満たすことが好ましい。
0.1≦B/A≦0.4 式(1)
上述したように、クリーニング部材416は、表面層417の一部が被クリーニング部材413に対して線接触するように、被クリーニング部材413に対して斜め向きに配置される。そして、被クリーニング部材413に対して付勢することで、被クリーニング部材413の表面に付着している異物を除去する。B/Aが0.1未満の場合、接着層419が表面層417に対して薄いため、使用時に表面層417が接着層419から界面剥離するおそれがある。B/Aが0.4超の場合、接着層419が表面層417に対して厚いため、クリーニング部材416の使用時の応力により接着層419がひび割れするおそれがある。また、接着層419が表面層417に対して厚いため、表面層417に対して弾性層418が横ずれしてしまい、クリーニング不良となるおそれがある。
(画像形成装置の構成)
図2は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100の構成を示す図である。図2に示されるように、画像形成装置100は、電子写真方式により画像を形成する装置であって、画像読取部110と、画像処理部30と、画像形成部40と、用紙搬送部50と、定着装置60とを有する。
画像形成部40は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナーによる画像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41Cおよび41Kを有する。これらは、収容されるトナー以外はいずれも同じ構成を有するので、以後、色を表す記号を省略することがある。画像形成部40は、さらに、中間転写ユニット42および二次転写ユニット43を有する。
画像形成ユニット41は、露光装置411と、現像装置412と、像担持体413(被クリーニング部材)と、帯電装置414と、ドラムクリーニング装置415とを有する。帯電装置414は、例えばコロナ帯電器である。帯電装置414は、帯電ローラーや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を像担持体413に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。露光装置411は、例えば、光源としての半導体レーザーと、形成すべき画像に応じたレーザー光を像担持体413に向けて照射する光偏向装置(ポリゴンモータ)とを含む。
ドラムクリーニング装置415は、上述したクリーニング部材416と、クリーニング部材416を支持する支持部材420とを含む(いずれも図1参照)。
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置である。現像装置412は、例えば、トナー(二成分現像剤)を収容する現像容器と、現像容器の開口部に回転自在に配置されている現像ローラー(磁性ローラー)と、トナーが連通可能に現像容器内を仕切る隔壁と、現像容器における開口部側のトナーを現像ローラーに向けて搬送するための搬送ローラーと、現像容器内のトナーを撹拌するための撹拌ローラーと、を有する。現像容器には、例えば、トナーが収容されている。
中間転写ユニット42(転写装置)は、中間転写ベルト(中間転写体)421、中間転写ベルト421を像担持体413に圧接させる一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、およびベルトクリーニング装置426を有する。中間転写ベルト421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
ベルトクリーニング装置426は、弾性部材426aを有する。弾性部材426aは、二次転写した後の中間転写ベルト421に当接して、中間転写ベルト421の表面上の付着物を除去する。弾性部材426aは、弾性体で構成されており、クリーニングブレード、ブラシなどが含まれる。
二次転写ユニット43は、無端状の二次転写ベルト432、および二次転写ローラー431Aを含む複数の支持ローラー431を有する。二次転写ベルト432は、二次転写ローラー431Aおよび支持ローラー431によってループ状に張架される。
定着装置60は、例えば、定着ローラー62と、定着ローラー62の外周面を覆い、用紙S上のトナー画像を構成するトナーを加熱、融解するための無端状の発熱ベルト10と、用紙Sを定着ローラー62および発熱ベルト10に向けて押圧する加圧ローラー63とを有する。用紙Sは、記録媒体に相当する。
画像読取部110は、原稿Dをセットする給紙装置111と、CCDセンサー112aを含むスキャナー112とを有する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、および搬送経路部53を有する。給紙部51を構成する三つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aなどの複数の搬送ローラー対を有する。
次に、上記した画像形成装置100を用いた画像形成方法について説明する。画像形成方法は、帯電工程と、露光工程と、現像工程と、クリーニング工程を含む一次転写工程と、二次転写工程と、定着工程と、を含む。
帯電工程では、例えば、帯電装置414からのコロナ放電により、像担持体413の表面を一様に帯電させる。像担持体413を帯電させる方法は、特に限定されない。例えば、像担持体413を帯電させる方法は、接触または非接触のローラー帯電方式を利用できる。
露光工程では、像担持体413の表面に静電潜像を形成する。露光工程は、像担持体413の表面を一様に帯電させ、像担持体413の表面を像様に露光することにより行われる。
現像工程では、静電潜像が形成された像担持体413にトナーを供給して静電潜像に応じたトナー画像を形成する。帯電したトナー粒子を、像担持体413における静電潜像の部分に静電的に付着させる。こうして、像担持体413の表面の静電潜像が可視化され、像担持体413の表面に、静電潜像に応じたトナー画像が形成される。なお、本実施の形態では、「トナー画像」とは、トナーが画像状に集合した状態を言う。
一次転写工程では、像担持体413に形成されたトナー画像を中間転写ベルト421に転写させる。像担持体413に残留したトナーは、前述のクリーニング部材416で除去する。一次転写ローラー422によって中間転写ベルト421が像担持体413に圧接することにより、像担持体413と中間転写ベルト421とによって、一次転写ニップが像担持体413ごとに形成される。当該一次転写ニップにおいて、各色のトナー画像が中間転写ベルト421に順次重なって転写される。
二次転写工程では、中間転写ベルト421に転写されたトナー画像を用紙Sに転写させる。中間転写ベルト421と二次転写ベルト432とによって、二次転写ニップを形成する。二次転写ニップを用紙Sが通過することにより、中間転写ベルト421に転写されたトナー画像を用紙Sに転写させる。
定着工程では、定着ベルトを使用して、用紙Sに転写されたトナー画像を定着させる。定着工程は、定着ベルトと加圧ローラー63とによって、定着ニップを形成し、搬送されてきた用紙Sで加熱、加圧する。こうしてトナー画像が用紙Sに定着する。トナー画像が定着した用紙Sは、排紙ローラー52aにより外部に排出される。
本実施の形態に係るクリーニング部材が所望の効果を発揮できる理由は、以下のように考えられる。クリーニング部材の耐摩耗性は、架橋されたPTFEを使用すると向上する。しかしながら、電子線による架橋では、PTFEの末端が少ないため、弾性体との接着性が不十分であった。そこで、本実施の形態では、ケイ素を含む化合物(例えば、シランカップリング剤)によりPTFEを架橋している。これにより、ケイ素を含む化合物の末端基が残っており、本実施の形態に係るクリーニング部材は、表面エネルギーが高いため、弾性体に対する接着性が高い。
また、架橋されたPTFEは、架橋されていないPTFEと比較して、耐クリープ性が高い(変形しにくい)。よって、本実施の形態のようなブレード形状のクリーニング部材は、被クリーニング部材と摺接しているため、被クリーニング部材のブレや、被クリーニング部材の表面粗さに追従しにくくなるため、トナーのすり抜けなどのクリーニング不良が生じやすい。そこで、本実施の形態では、表面層および接着層の厚みを均一にし、かつその厚みを薄くすることで、クリーニング部材の弾性体の弾性の効果が小さくなることを防止している。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係るクリーニング部材は、ケイ素を含む架橋されたPTFEを表面層に含有させている。これにより、表面層および弾性体との接着性が向上し、クリーニング性が高くなるとともに、クリーニング部材の耐摩耗性が向上する。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されない。
以下に示す4種類のPTFEシート1〜4を準備した。
PTFEシート1の製造
平均粒径500μmのポリフロンPTFE−F(ダイキン工業社製)100gに、ビニルトリメトキシシラン0.6gと、ラジカル発生剤であるジキュミールペルオキシド0.6gと、を溶解したソルベントナフサ30mLを含浸させ、密封してミキサーで60rpm、30分間回転させ、混合した。その後、室温で24時間静置し、押出成形用PTFE組成物1を調製した。得られたPTFE組成物1を温度60℃でペースト押出しを行ない、シート形状にした。このシートを、温度350℃の空気恒温槽中で1.5時間焼結し、室温まで徐々に冷却し、PTFEシート1を得た。
PTFEシート2の製造
平均粒径500μmのFluon(登録商標)PTFE(AGC社製)100gに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの3重量%トルエン溶液20mLを加え、密封してミキサーで60rpm、30分間回転させ、混合した。その後、120℃で10分間乾燥し、押出成形用PTFE組成物2を調製した。得られたPTFE組成物2を温度60℃でペースト押出しを行ない、シート形状にした。このシートを、温度350℃の空気恒温槽中で1.5時間焼結し、室温まで徐々に冷却し、PTFEシート2を得た。
PTFEシート3の製造
平均粒径500μmのポリフロンPTFE−F(ダイキン工業社製)を温度60℃でペースト押出しを行ない、厚み25μmのPTFEシートを得た。このシートに対して、酸素分圧66Pa(0.5torr)、窒素雰囲気下、350℃で電子線(加速電圧1MeV)を照射線量(吸収線量)が100kGyとなるように照射してPTFEシート3を得た。
PTFEシート4の製造
温度350℃の空気恒温槽中で1.5時間焼結し、室温まで徐々に冷却することをしなかったこと以外は、PTFEシート1と同様にして、PTFEシート4を得た。
なお、PTFEシート1〜4の厚みは、ペースト押出しにおいて、押出出口形状を変えることおよび圧延ロールを通過させることで、25〜100μmとなるように調整した。
(実施例1:クリーニングブレード1の作製)
弾性体として厚み1.9mmのポリウレタンゴムシート(23℃において、硬度73度、反発弾性率24%;ニッタ化工品社製)を準備した。上記弾性体の表面をエタノールで拭いた後、厚み25μmのPTFEシート1上にFプライマー(フォーフロント社製)を塗布し、そこにシアノアクリレート系接着剤FRONT#105(フォーフロント社製)を塗布し、弾性体へ60秒圧着してPTFEシート1による表面層を配置した。その後、剃刀によりシートを切断し、厚み2mm、13mm×347mmのブレードを作製した。接着層の厚みは、10μmであった。次に、上記ブレードを支持部材としての板金ホルダーにホットメルトで固定し、クリーニングブレード1を作製した。
弾性体の硬度は、マイクロゴム硬度計(MD−1;高分子計器株式会社製)を用い、JIS K6253に準拠して測定した。弾性体の反発弾性率は、トリプソ式反発弾性試験機(No.221レジリエンステスタ;東洋精機製作所製)を用い、JIS K6255に準拠して測定した。測定試料は、厚みが4mm以上となるように厚み約2mmのシートを重ね合わせたものとした。なお、測定時は改質部以外の部分を測定した。
(実施例2:クリーニングブレード2の作製)
PTFEシート1の厚みを50μmに変更した以外は、実施例1のクリーニングブレード1と同様にして、クリーニングブレード2を作製した。
(実施例3:クリーニングブレード3の作製)
PTFEシート1の厚みを100μmに変更した以外は、実施例1のクリーニングブレード1と同様にして、クリーニングブレード3を作製した。
(実施例4:クリーニングブレード4の作製)
接着層の厚みを50μmに変更した以外は、実施例3のクリーニングブレード3と同様にして、クリーニングブレード4を作製した。
(実施例5:クリーニングブレード5の作製)
PTFEシート1を厚みが25μmのPTFEシート2に変更した以外は、実施例1のクリーニングブレード1と同様にして、クリーニングブレード5を作製した。
(実施例6:クリーニングブレード6の作製)
PTFEシート2の厚みを100μmに変更した以外は、実施例5のクリーニングブレード5と同様にして、クリーニングブレード6を作製した。
(比較例1:クリーニングブレード7の作製)
PTFEシート1を厚みが25μmのPTFEシート3に変更した以外は、実施例1のクリーニングブレード1と同様にして、クリーニングブレード7を作製した。
(比較例2:クリーニングブレード8の作製)
PTFEシート1を厚みが50μmのPTFEシート4に変更した以外は、実施例1のクリーニングブレード1と同様にして、クリーニングブレード8を作製した。
(比較例3:クリーニングブレード9の作製)
表面層を設置しない以外は、実施例1のクリーニングブレード1と同様にして、クリーニングブレード9を作製した。
各クリーニングブレードの各パラメーターを表1に示す。
Figure 2020177104
[接着性の評価]
表面層と弾性体との接着性は、MIT試験機による結果を用いて評価した。具体的には、耐折疲労試験機(MIT−D;東洋精機製)を用いて、JIS P−8115に準拠し、試験片(弾性体に表面層を接着した試験片)を幅10mm、長さ80mmの大きさに切断し、折り曲げ速度175回/分、屈曲角度90°左右、引張り荷重500gの条件で5000回繰り返し折り曲げを行った後、試験片の屈曲部分の接着面の剥がれ有無をデジタルマイクロスコープ観察により判断し、以下の基準で評価した。
〇:5回全てで剥がれ無し (実用上問題なし)
△:5回中1回で剥がれ有り (実用上問題なし)
×:5回内2回以上剥がれ有り (実用上問題あり)
[クリーニング性の評価]
「bizhub(登録商標) PRESS C1100」(コニカミノルタ社製)の改造機に上記クリーニングブレードを搭載した。そして、クリーニング性の評価は、23℃、50%、RH環境下、各色の画像面積率3%の横帯チャートをA3サイズで12000枚の実印刷をした後、各クリーニングブレードの当接荷重を変え、すり抜け(クリーニング不良)が起きない下限当接荷重を測定した。当接荷重は、12N/mから3N/m毎に変更させた。測定結果を用いて、以下の基準で判断した。
〇:21N/m以下 (実用上問題なし)
△:24N/mもしくは27N/m (実用上問題なし)
×:27N/m超 (実用上問題あり)
[耐摩耗性の評価]
耐摩耗性の評価は、クリーニング性の評価の前後の表面層の厚みの差から評価した。表面層の厚みの測定位置は、クリーニングブレードの中央と、中央部分から左右12cmの位置の合計3箇所とした。測定した3箇所の平均値を摩耗量として、以下の基準で評価した。
〇: 8.0μm未満
△: 8.0以上15.0μm以内
×: 15.0μm超
各評価結果を表2に示す。
Figure 2020177104
表2に示されるように、ケイ素を含む架橋PTFEを含む表面層を有する実施例1〜6(クリーニングブレード1〜6)では、接着性、クリーニング性および耐摩耗性のいずれも良好であった。実施例1〜3(クリーニングブレード1〜3)の比較から、表面層の膜厚は、薄い方が好ましいことがわかる。実施例3、4(クリーニングブレード3、4)の比較から、接着層の膜厚は、薄い方が好ましいことがわかる。実施例1、5、6(クリーニングブレード1、5、6)の比較から、ケイ素を含む架橋PTFEの種類が異なっても接着性、クリーニング性および耐摩耗性のいずれも良好であることがわかる。また、実施例1、5(クリーニングブレード1、5)の比較から、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランで架橋させたときよりも、ビニルトリメトキシシランで架橋させたときの方が架橋密度が高いと考えられる。
一方、比較例1のクリーニングブレード7は、ケイ素を含んでいないため、接着層との接着性が不十分であった。また、クリーニング性および耐摩耗性の評価については、表面層および接着層の接着性が不十分であったため行っていない。比較例2のクリーニングブレード8は、架橋されていないPTFEを含んでいるため、クリーニング性および耐摩耗性が不十分であった。比較例3のクリーニングブレード9は、表面層が配置されていないため、クリーニング性および耐摩耗性が不十分であった。なお、表面層が配置されていないため、接着性の評価は行っていない。
本発明によれば、耐久性およびクリーニング性を維持できる。よって、本発明によれば、形成した画像のさらなる高品質化が期待される。
100 画像形成装置
10 発熱ベルト
30 画像処理部
40 画像形成部
41Y、41M、41C、41K 画像形成ユニット
42 中間転写ユニット
43 二次転写ユニット
50 用紙搬送部
51 給紙部
51a、51b、51c 給紙トレイユニット
52 排紙部
52a 排紙ローラー
53 搬送経路部
53a レジストローラー対
60 定着装置
62 定着ローラー
63 加圧ローラー
110 画像読取部
111 給紙装置
112 スキャナー
112a CCDセンサー
411 露光装置
412 現像装置
413 像担持体
414 帯電装置
415 ドラムクリーニング装置
416 クリーニング部材
417 表面層
418 弾性体
419 接着層
420 支持部材
421 中間転写ベルト
422 一次転写ローラー
423、431 支持ローラー
423A バックアップローラー
426 ベルトクリーニング装置
426a 弾性部材
431A 二次転写ローラー
432 二次転写ベルト
D 原稿
S 用紙

Claims (6)

  1. 被クリーニング部材の表面に当接し、前記表面の異物を除去するためのクリーニング部材であって、
    ケイ素を含む架橋PTFEを含む表面層と、
    前記表面層を支持する弾性体と、
    を有する、
    クリーニング部材。
  2. 前記ケイ素を含む架橋PTFEは、未架橋のPTFEおよびケイ素を含む化合物を含む組成物の硬化物であり、
    前記ケイ素を含む化合物は、その分子内に少なくとも2つの官能基を有し、
    前記2つの官能基のうち少なくとも1つの官能基は、アルコキシシリル基である、
    請求項1に記載のクリーニング部材。
  3. 前記表面層および前記弾性体は、接着層で接着されている、請求項1または請求項2に記載のクリーニング部材。
  4. 前記表面層の厚みの平均値Aと、前記接着層の厚みの平均値Bとは、以下の式(1)を満たす、請求項3に記載のクリーニング部材。
    0.1≦B/A≦0.4 式(1)
  5. 前記表面層の厚みの平均値Aは、20μm以上100μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のクリーニング部材。
  6. 像担持体と、前記像担持体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光装置と、前記静電潜像をトナー画像に現像する現像装置と、前記トナー画像を記録媒体に転写する転写装置と、前記記録媒体に転写された前記トナー画像を定着させる定着装置と、前記像担持体の表面に当接して、前記像担持体の表面の残留トナーを除去するクリーニング部材と、を有する画像形成装置であって、
    前記クリーニング部材は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のクリーニング部材である、
    画像形成装置。
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