JP4585433B2 - 攪拌脱泡方法およびその攪拌脱泡装置 - Google Patents
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Description
図6は、従来の攪拌脱泡装置の縦断面図である。図6に示すように、たとえば、この攪拌脱泡装置100は、支持体103に支持される公転駆動モータ105により公転駆動される公転軸106に回転体107が一体に形成され、回転体107の遠心側に、容器108を支持する容器ホルダ109を公転軸106に対し45度傾斜した軸線の周りに自転可能に取り付けた混練装置である。この容器ホルダ109の下方にはギヤG4を下端部に配置した自転軸123が設けられ、中空の公転軸106の間には前記ギヤG4と噛み合うアイドルギヤG3が設けられ、もう一方の上端部にはアイドルベベルギヤG2が配置されたアイドル軸122を設け、中空の公転軸106の中には回転力伝達軸121が設けられ、回転力伝達軸121の上端部には、前記アイドルベベルギヤG2と噛み合うベベルギヤG1が配置され、下端部にはプーリP6が配置されている。
また、モータ105の回転力は、モータ軸105aに固定されたプーリP7からベルトを介して回転力伝達軸121の一端側に固定されたプーリP2に伝達される。また、その回転力は、回転力伝達軸121の他端側に固定されたベベルギヤG1からアイドルベベルギヤG2に伝達され、アイドルギヤG3からギヤG4に伝達されて自転軸123を回転させる。これにより、自転軸123に一体の容器ホルダ109に収容された容器108は、A2軸を中心に自転運動を行う。
以下、本発明の第1実施の形態から、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施の形態を示し、攪拌脱泡装置の構成を示す断面図、図2は公転伝達手段の構成を示し、図1に示すA−A線の断面図、図3は図1に示す攪拌脱泡室の構成を示す拡大断面図である。
図1に示すように、攪拌脱泡装置10は、本体容器1と、本体容器1に収容された攪拌脱泡室2と、本体容器1に回転自在に支持された公転軸3と、公転軸3に一体に構成された公転部材4と、攪拌脱泡室2の中心軸となる自転軸2a(図3参照)と、公転軸3の中に配置され、自転軸2aを自転駆動する自転駆動回転軸5と、攪拌脱泡室2に公転力と自転力を付与するモータ6と、このモータ6から攪拌脱泡室2を公転させるための公転伝達手段Sと、同じく攪拌脱泡室2を自転させるための自転伝達手段Uと、混練物Kが回収されるタンク16とにより、構成されている。
この本体容器1の下方には漏斗(ろうと)部が形成されている。この漏斗部は、円錐形状から絞られて細いパイプ1aに形成され、先端にはフランジ部1bが形成されており、タンク16から延びたパイプ16aのフランジ部と接続されている。また、漏斗部の円錐形状部にはヒーター19が配置されている。ヒーター19は、漏斗部を暖めることによって、本体容器1全体を暖め、適度の温度を保つとともに、材料である被混練物kが攪拌、脱泡されて混練物Kとなり、漏斗部を流れ落ちる際、混練物Kの流動性をよくするようにしている。また、本体容器1には攪拌脱泡室2が収容されている。
攪拌脱泡室2は、ここでは2個収容されている。攪拌脱泡室2は、1個よりも2個の方が左右のバランスがとれるため、高速回転には都合がよい。この2個に限らず、3個、4個であってもよく、バランス上は問題ないので、2個以上の構成も可能となっている。
公転部材4は、上公転部材4aと下公転部材4bから構成されている。上公転部材4aは、公転軸3の上方に固定されており、攪拌脱泡室2の上ベアリングB5,B5を保持するとともに、下公転部材4bは、公転軸3の下方に固定され、攪拌脱泡室2の下ベアリングB6,B6を保持している。これらの公転部材4は、公転軸3と一体になって公転する。
このように、従来技術の攪拌脱泡装置100(図7参照)では、容器108に被混練物kを投入せざるを得なかったが、本発明では公転軸3の中に自転駆動回転軸5を配置し、
中空の自転駆動回転軸5から被混練物kを投入できるようにしたため、攪拌脱泡室2の動きに拘わらず、被混練物kを連続的に供給することができる。そのため、その都度、モータ6を停止することは不要となる。
自転軸2aは、攪拌脱泡室2の中心を貫く中心軸となっており、中空状の回転軸である。自転軸2aの一方の上端部は上ベアリングB5が設けられ、上公転部材4aに回転自在に支持されている。他方の下端部は下ベアリングB6が設けられ、下公転部材4bに回転自在に支持されている。さらに、自転軸2aは、攪拌脱泡室2の内部上方に臨む部分に材料流入口2eが設けられている。
攪拌脱泡室2の下部には、材料噴出口2fが設けられており、攪拌脱泡室2で攪拌、脱泡された混練物Kは、攪拌脱泡室2の公転運動と自転運動によって、勢い良く本体容器1の内壁に噴出する。
材料隔壁2gの形状は中心に穴を有する円盤状であるが、その盤は二重構造となっており、天板と底板との間には空洞部を有している。つまり、複数底で形成されている。
また、材料隔壁2gの貫通した中心の穴は、自転軸2aに対して閉鎖された空洞部を形成している。この閉鎖によって、隔室2cと隔室2cとの間に、もう一つの隔壁室というべき隔室(空洞部)を設けることができるので、より充分な攪拌作業と、より充分な脱泡作業を行うことができる。
これにより、混練物Kを連続的に取り出すことができる。
図1に示すように、本体容器1の上部には、被混練物kを連続的に投入するためのホース17が、スイベルジョイント9を介して自転駆動回転軸5に接続されている。
起動釦が押されると、モータ6が起動し、回転を始める。その回転は公転伝達手段Sにより公転軸3に伝達され、公転軸3を回転(公転)させる。また、自転伝達手段Uにより、変速機7により変速された回転は自転駆動回転軸5に伝達されて、自転駆動回転軸5を回転させる。この自転駆動回転軸5の回転は、下部に配置されたギヤG1からギヤG2、G3に伝達されて、それぞれの自転軸2aを回転させ、それぞれの攪拌脱泡室2を自転させる。
この流通経路は、内部通路aと、内部通路bと、内部通路cとから構成されている。
機外のコンプレッサー等により加圧された被混練物kである材料は、自転駆動回転軸5に形成された内部通路aを通り、スイベルジョイント9aを通り、一方は、スイベルジョイント9bとをつなぐパイプ9dの内部通路bを通り、さらに、スイベルジョイント9bを経て、攪拌脱泡室2の中心軸である自転軸2aに形成された内部通路cを通り、図3に示すように、攪拌脱泡室2の内部上方に臨む部分に設けられた材料流入口2eまで流通する。さらに、この被混練物kは、材料流入口2eから材料隔壁2g1によって仕切られた隔室2c1へ流入する。
・ 被混練物kを、公転軸3の中にある自転駆動回転軸5から自転軸2aを介して攪拌脱泡室2まで連通する内部通路a,b,cに連続的に供給する。
・ この攪拌脱泡室2を公転と自転させる。
このように、従来技術ではできなかった本発明の攪拌脱泡方法によって、装置を停止した状態で、容器に被混練物を投入する作業は不要となり、容器から混練物を取り出す作業も不要になったことから、駆動モータをその都度止める必要がなく、連続的に被混練物を投入ができ、混練物を連続的に取り出すことができる。また、稼動率と生産性の向上を図ることができる。
以下、本発明の第2実施の形態を、図面を参照しながら攪拌脱泡装置を説明する。なお、すでに図1、図2、図3において説明した構成と同じ構成には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。図4は第2実施の形態の攪拌脱泡装置の構成を示す断面図である。
図5は図4に示す攪拌脱泡室の構成を示す拡大断面図である。
図1と図4との相違点は、攪拌脱泡室2と攪拌脱泡室2′の構成である。
材料隔壁2g′は、自転軸2aから下方へ約3度の傾斜(テ―パ形状)を有しており、傘状に形成されている。また、下方に移るにしたがい、ケース2b′のテーパ形状に合わせて、しだいに直径が大きくなっており、ケース2b′の内周面との間に所定の隙間2tが確保されている。
なお、この材料隔壁2g′に3度の傾斜を設けることにより、例えば、材料成分の違いによる流動性の悪い被混練物kには、流動性を高める効果を奏する。
隔室2c1に流入した被混練物kは、自転運動と公転運動により攪拌と脱泡が行われ、材料隔壁2g1とケース2b′の内周面との間の隙間2t1から出る。
同様に、隔室2c2に流入した被混練物kは、自転運動と公転運動による攪拌と脱泡が行われ、材料隔壁2g2とケース2b′の内周面との間の隙間2t2から出る。
そして、隔室2c3に流入した被混練物kは、自転運動と公転運動による攪拌と脱泡が行われ、材料隔壁2g3とケース2b′の内周面との隙間2t3から出る。
このように繰り返し、最後の隔室2cn+1の材料噴射口2fから、充分に脱泡され、充分に攪拌された混練物Kが漏斗部を流れ落ち、タンク16内に回収される。
なお、ここでは材料隔壁2gは4枚配置し、5回、繰り返すようにしたが、材料隔壁2gの枚数をもっと増やしてもよいし、減らしてもよい。
1.図1に示す攪拌脱泡室2の形状を円筒状にしたが、テーパ形状にしてもよいし、逆テーパ形状にしてもよい。
2.図4、図5に示す攪拌脱泡室2′の形状をテーパ形状にしたが、逆テーパ形状にしてもよいし、円筒状にしてもよい。
1a パイプ
1b フランジ部
2,2′ 攪拌脱泡室
2a 自転軸
2b ケース
2c 隔室
2d 栓
2e 材料流入口
2f 材料噴出口
2g 材料隔壁
2h 材料移送口
2j 隔壁室
2t 隙間
3 公転軸
4 公転部材
4a 上公転部材
4b 下公転部材
5 自転駆動回転軸
6 モータ
6a モータ軸
7 変速機
7a 変速機軸
8 トップカバー
9,9a,9b,9c スイベルジョイント
10,10′ 攪拌脱泡装置
11 クランパ
16 タンク
16a パイプ
17 ホース
18 パイプ
18a フランジ部
19 ヒーター
a,b,c 内部通路
k 被混練物
B1,B3,B5 上ベアリング
B2,B4,B6 下ベアリング
G1,G2,G3 ギヤ
K 混練物
P1,P2,P3,P4,P5 プーリ
P6 アイドラー
S 公転伝達手段
U 自転伝達手段、
V1,V2 ベルト
Claims (6)
- 被混練物が連続的に供給された攪拌脱泡室を公転軸のまわりに公転させながら自転軸のまわりに自転させることで、前記被混練物の攪拌および脱泡を行う攪拌脱泡方法であって、
前記公転軸から前記自転軸を介して前記攪拌脱泡室まで連通する内部通路に前記被混練物を連続的に供給しながら、前記攪拌脱泡室を公転および自転させることを特徴とする攪拌脱泡方法。 - 被混練物が連続的に供給された攪拌脱泡室を公転させながら自転させることで、前記被混練物の攪拌および脱泡を行う攪拌脱泡装置であって、
本体容器と、
前記本体容器に回転自在に支持された公転軸と、
前記公転軸に一体に構成された公転部材と、
前記公転部材に回転自在に軸支された自転軸と、
前記自転軸に一体に形成され、前記自転軸の少なくとも一部が内部に臨む攪拌脱泡室と、
を備え、
前記公転軸と前記自転軸には、前記攪拌脱泡室まで連通する内部通路が形成され、前記公転軸の一端側から前記攪拌脱泡室まで前記内部通路を介して被混練物を連続的に供給することができるように構成されたことを特徴とする攪拌脱泡装置。 - 前記攪拌脱泡室は、
有底筒状のケースと、
前記有底筒状のケース内に上下方向に複数形成され、材料移送口が設けられた材料隔壁と、
前記材料隔壁により上下方向に複数の部屋に区分された隔室と、
を備え、
前記自転軸は、前記攪拌脱泡室の内部上方に臨む部分に材料流入口が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の攪拌脱泡装置。 - 前記材料隔壁は、空洞部を有する複数底で形成されたことを特徴とする請求項3に記載の攪拌脱泡装置。
- 前記攪拌脱泡室は、
有底筒状のケースと、
前記有底筒状のケース内に上下方向に複数形成され、前記ケースの内周面との間に隙間が設けられた材料隔壁と、
前記材料隔壁により上下方向に複数の部屋に区分された隔室と、
を備え、
前記自転軸は、前記攪拌脱泡室の内部上方に臨む部分に材料流入口が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の攪拌脱泡装置。 - 前記ケースの下部側には、材料噴出口が形成されていることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の攪拌脱泡装置。
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