JP4583841B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、空気入りタイヤに関するもので、特に、重荷重用の車両において好適に用いられる優れた耐偏摩耗性能を有する空気入りタイヤに関する。
従来、重荷重用のタイヤ、特に建設車両用のタイヤにおいては、駆動力、制動力に優れるとともに、非舗装道路における牽引力を向上させるため、ラグタイプのトレッドパターンが多く用いられている。しかし、このようなトレッドパターンでは、中央部の剛性よりもショルダー部の剛性が低いため、横力の入力などにより、ショルダー部が中央部に比べて早期に摩耗してしまっていた。そこで、図10に示すように、空気入りタイヤ50のトレッド51を中央部51Mに配列される第1のブロック52とショルダー部51Sに配列される第2のブロック53とから構成するとともに、上記ショルダー部51Sに形成される横溝54の幅を狭くし、かつ、ブロックピッチPを大きくすることにより、ショルダー部51Sの剛性を高めて、上記のような偏摩耗を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−225608号公報
一方、上記重荷重用のタイヤにおいては、耐カット性能を確保するために、タイヤ半径方向のトレッド厚さを他のタイヤよりも大きく設定している。しかし、これにより、ブロックの圧縮剛性が低下し、ゴムの非圧縮性に起因するゴムの押出されがブロックが最初に接地する部分(踏込端)に集中し、この部分の摩耗量が他の部分に比べて大きくなる傾向がある。このように、タイヤに偏摩耗が生じると、摩耗するゴムのボリュームが増大してしまい耐摩耗性が低下してしまうといった問題点があった。
これに対して、ゴムトレッド厚さを薄くしてブロックの圧縮剛性を高めようとすると、重荷重用のタイヤに要求される耐カット性能が悪化してしまうという懸念がある。
また、上記従来例のようにショルダー部に設けられた横溝の幅を狭くし、かつ、ブロックピッチを大きくした場合には、ショルダー部のブロック全体の摩耗量を少なくすることはできるが、ブロックの踏込端の偏摩耗を抑制することは困難であった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、トレッドパターンを改良することにより、耐カット性能を低下させずに、ショルダー部に配置されたブロックの踏込端の偏摩耗を抑制して、タイヤの耐摩耗性を確保することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、ショルダー部のブロックに周方向溝側のみに開放端を有する浅溝を設けることにより、ブロック厚さを薄くすることなく、ブロックの踏込端の剛性を高めることができることを見出し本発明に到ったものである。
すなわち、本願の請求項1に記載の発明は、トレッドのショルダー部に、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝とこの周方向溝に交差する横溝とによって区画された複数のブロックから成るブロック列を備えた空気入りタイヤであって、上記ブロックの周方向長さがタイヤ外周の1/40以上で、上記ブロックの少なくとも一部または全部に、一端が上記周方向溝側に開口し、他端がトレッド端の内側で終止する、深さが周方向溝の深さの0.3〜0.6倍である浅溝設けられ、上記浅溝の深さがタイヤ軸方向に変化していることを特徴とするものである
求項に記載の発明は、請求項に記載の空気入りタイヤにおいて、上記浅溝の深さを溝の両端部に近い程浅くしたものである。
本発明によれば、タイヤトレッド部に複数のブロックを備えた空気入りタイヤにおいて、ショルダー部のブロックの周方向長さをタイヤ外周の1/40以上とするとともに、上記ショルダー部のブロックの少なくとも一部または全部一端が周方向溝側に開口し、他端がトレッド端の内側で終止する、深さが上記周方向溝の深さの0.3〜0.6倍であり、かつ、深さがタイヤ軸方向に変化している浅溝を設けて、上記ブロックの剛性を高めるようにしたので、耐カット性能を低下させることなく、ショルダー部のブロックの偏摩耗を抑制することができる。このとき、上記浅溝の深さを溝の両端部に近い程浅くすれば、ブロック剛性を更に高めることができるので、偏摩耗を更に抑制することができる。
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
図1は、本発明の一最良の形態を示す図で、(a)図は本最良の形態に係る空気入りタイヤ10のトレッドパターンの一例を示す平面図、(b)図はそのA−A断面図、(c)図は本発明によるブロック15の断面を示す模式図である。本例の空気入りタイヤ10のトレッド11表面には、タイヤ周方向に沿って延びる2本の周方向溝12A,12Bと、この周方向溝12A,12Bのそれぞれに交差する複数本のラグ溝(横溝)13とが形成されており、上記周方向溝12A,12Bにより区画された中央陸部14と、上記周方向溝12A,12Bと上記ラグ溝13とで区画された複数のブロック15から成る2つのブロック列15P,15Qとがそれぞれトレッド11の陸部となっている。
本例では、上記ショルダー部11Sに配置されたブロック15の周方向長さをタイヤ外周の1/40以上とするとともに、上記ブロック15に、一端が上記周方向溝12Aまたは周方向溝12B側に開口し、他端がトレッド端の内側で終止する、深さdが上記周方向溝12A,12Bの深さDの0.3〜0.6倍である浅溝16を形成することにより、耐カット性能を低下させずに、ショルダー部11Sに配置されたブロック15の偏摩耗を抑制して、上記タイヤ10の耐摩耗性を確保するようにしている。
次に、本発明の空気入りタイヤ10の作用について説明する。
従来の空気入りタイヤの、トレッドゴムの路面との摩擦に起因する蹴り出し時におけるブロックの変形状態をタイヤ周方向について詳細に観察したところ、図2に示すように、ショルダー部のブロック15Zの踏込端付近では、他の部分に比較してトレッドベース(最もベルト寄りの部分)と路面との角度αが小さく、そのため、路面付近のゴムの変形が大きくなり、周方向すべりが発生していることが明らかになった。この現象を更に詳細に解析したところ、上記路面付近のゴムの変形は当該ブロック15Zの周方向長さに密接な関係があり、図3(a)に示すように、踏込端が蹴り出そうとしている際に、ブロック15Zが路面に対して角度をなす一要因であるラグ溝13が変形していないことが原因であることが判明した。ラグ溝13の変形は、ラグ溝13が蹴り出し時に図示しないベルトによって路面に対して斜め方向に押し付けられることにより起こるので、図3(b)に示すように、上記ブロック15Zの周方向のブロック長を短くして、上記ラグ溝13をベルト浮き上がり領域Aに収めるようにすれば、踏込端におけるトレッド11表面と路面との角度αを大きくすることができ、上記周方向すべりの発生を抑制して耐摩耗性を向上させることが可能となる。しかしながら、ブロック15Zの周方向のブロック長を短くしすぎるとブロック剛性が低下するなどのデメリットが生じる。
そこで、本例のように、ブロック15に上記のような浅溝16を形成して、上記ブロック15の踏面側を分割するようにすれば、図4に示すように、ブロック剛性の低下を抑制しつつ、踏込端におけるトレッド11表面と路面との角度αを大きくすることができる。なお、上記浅溝16はどちらかが開放端になっていないとその効果を十分に発揮することができない。すなわち、上記浅溝16の両端が開放端である場合には、ブロック剛性が低下してブロックの変形が大きくなり、耐摩耗性の悪化やブロックもげの原因となる。また、上記開放端がトレッド端部側である場合には、トレッド端方向からタイヤ幅方向に路面からの力を受けたときに剛性が低下し、その結果耐摩耗性が悪化するので、本例のように、上記開放端を周方向溝12A,12B側にすることが好ましい。
このように、本最良の形態によれば、タイヤ周方向に沿って延びる2本の周方向溝12A,12Bと上記周方向溝12A,12Bのそれぞれに交差するラグ溝13とで区画されたショルダー部11のブロック15に、一端が上記周方向溝12A,12B側に開口し、他端がトレッド端の内側で終止する、深さが上記周方向溝12A,12Bの深さの0.3〜0.6倍である浅溝16を形成したので、耐カット性能を低下させずに、ショルダー部11Sに配置されたブロック15の偏摩耗を抑制することができ、空気入りタイヤ10の耐摩耗性を確保することができる。
なお、上記最良の形態では、浅溝16の深さを一様にしたが、ブロック15の踏込端近傍のみを分割しただけでも十分に上記偏摩耗を抑制することができるので、浅溝を、例えば、図5(a),(b)に示す浅溝16Vのような、溝深さが溝の両端部に近い程浅くなるようにするなど、浅溝の深さをタイヤ軸方向に変化させるようにしてもよい。これにより、ブロック剛性の低下を更に小さくすることできるので、ブロックの変形を抑制でき、タイヤの耐摩耗性を更に向上させることができる。
また、上記例では、浅溝16の延長方向をタイヤ赤道面としたが、これに限るものではなく、図6に示すように、周方向溝12A,12Bと直角以外の角度を有する浅溝16Kを設けるようにしてもよい。
また、周方向溝12A,12Bも、図7に示すような、周方向に波状なものであってもよく、必ずしもタイヤ赤道面に平行なものでなくてもよい。
浅溝が形成されたブロックをショルダー部に配列したトレッドを有するタイヤと浅溝を有しない従来のブロックを有するタイヤとを作製し、これを建設用ダンプトラックに搭載し、定積にて、実路(非舗装路)を平均速度20km/hで3000km走行した後、ブロック踏込端の摩耗量とブロック内で最も摩耗量の少ない場所との摩耗量の差を測定するとともに、ゴムの摩耗量をゴム質量に換算したものを算出して比較した。走行試験の試験結果を図8の表に示す。なお、上記トレッドにおいては、周方向溝の深さを全て80mmとした。
図8において、従来例は、図9に示す、浅溝を有しないブロック15Zをショルダー部11Sに配置したトレッド、実施例1は、図1に示した本発明による浅溝が形成されたブロックを有するトレッドで、浅溝としては、深さ30mmの一様な深さの浅溝とした。また、実施例2は、図5に示した溝端部の深さ浅い浅溝が形成されたブロックを有するトレッドで、ここでは、溝の中央部の深さを30mm、溝端部の深さを10mmとした。実施例3は図6に示した浅溝の延長方向がタイヤ赤道面に対して90°でない(ここでは、70°とした)もの、実施例4は、図7に示した周方向溝が波状なものである。
また、比較例1は、実施例1の浅溝の端部を接地端まで拡大したもの、比較例2は、実施例1の浅溝の内側端を周方向溝に接続していないもの、比較例3は、実施例1の浅溝の端部を接地端まで拡大し、かつ、浅溝の内側端を周方向溝に接続していないもの、比較例4は、実施例1の溝深さを浅く(10mm)したもの、比較例5は、実施例1の溝深さを深く(60mm)したものである。
試験結果においては、ブロック踏込端の摩耗量とブロック内で最も摩耗量の少ない場所との摩耗量の差(摩耗量差)が少ないほど摩耗状態が均一であることを示す。また、従来例を100とした時の摩耗重量の指数は小さいほど耐摩耗性に優れていることを示す。
表から明らかなように、実施例1〜実施例4では従来例に比較して摩耗が均一で、かつ耐摩耗性に優れており、特に、浅溝の延長方向がタイヤ幅方向に対して角度を有している実施例3,4では摩耗量差も少なく、摩耗量の指数も小さい。
また、比較例1のように両端がブロック端部に開口したものや、比較例2のように浅溝がブロック内にあるものは浅溝の効果が十分得られなかった。一方、浅溝の一端のみがブロック端に開口していても、比較例3のように、接地端側に開口している場合には、偏摩耗が大きく耐摩耗性が悪かった。
また、比較例4のように溝深さが浅かったり、比較例5のように溝深さが深い場合にも、浅溝の効果は得られなかった。
したがって、実施例1〜実施例4のような、本発明による浅溝が形成されたブロックを有するトレッドを備えたタイヤのみが、摩耗が均一で、かつ耐摩耗性に優れていることが確認された。
このように、本発明によれば、耐カット性能を低下させることなく、ショルダー部のブロックの偏摩耗を抑制することができるので、重荷重用の車両などに好適に用いられる優れた耐偏摩耗性能を有する空気入りタイヤを得ることができる。
本発明の最良の形態に係る空気入りタイヤのトレッドパターンと、本発明による浅溝入りブロックを示す図である。 蹴り出し時におけるブロックのタイヤ周方向の変形状態を示す図である。 踏込端側のブロックの変形状態を示す図である。 ブロックの変形状態とラグ溝との関係を示す図である。 本発明の空気入りタイヤにおけるブロックの変形状態を示す図である。 本発明による浅溝入りブロックの他の例を示す図である。 本発明による浅溝入りブロックの他の例を示す図である。 ブロックの諸元と走行試験の結果を示す図である。 走行試験に用いた従来のブロックを示す図である。 従来の空気入りタイヤのトレッドパターンの一例を示す図である。
符号の説明
10 空気入りタイヤ、11 トレッド、11S ショルダー部、
12A,12B 周方向溝、13 ラグ溝、14 中央陸部、15 ブロック、
15P,15Q ブロック列、16 浅溝。

Claims (2)

  1. トレッドのショルダー部に、タイヤ周方向に沿って延びる周方向溝とこの周方向溝に交差する横溝とによって区画された複数のブロックから成るブロック列を備えた空気入りタイヤにおいて、
    上記ブロックの周方向長さがタイヤ外周の1/40以上で、
    上記ブロックの少なくとも一部または全部に、一端が上記周方向溝側に開口し、他端がトレッド端の内側で終止する、深さが周方向溝の深さの0.3〜0.6倍である浅溝設けられ、
    上記浅溝の深さがタイヤ軸方向に変化していることを特徴とする空気入りタイヤ
  2. 記浅溝の深さを溝の両端部に近い程浅くしたことを特徴とする請求項に記載の空気入りタイヤ。
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