JP4582704B2 - 粘着型光学フィルムおよび画像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光学フィルムの少なくとも片面に、ポリマーバインダー層と粘着剤層が順に積層されている粘着型光学フィルムの製造方法に関する。また本発明は前記製造方法により得られた粘着型光学フィルム、さらには、それを用いた液晶表示装置、有機EL表示装置等の画像表示装置に関する。前記光学フィルムとしては、偏光板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム、さらにはこれらが積層されているものなどがあげられる。
液晶ディスプレイ等は、その画像形成方式から液晶セルの両側に偏光素子を配置することが必要不可欠であり、一般的には偏光板が貼着されている。また液晶パネルには偏光板の他に、ディスプレイの表示品位を向上させるために様々な光学素子が用いられるようになってきている。例えば、着色防止としての位相差板、液晶ディスプレイの視野角を改善するための視野角拡大フィルム、さらにはディスプレイのコントラストを高めるための輝度向上フィルム等が用いられる。これらのフィルムは総称して光学フィルムと呼ばれる。
前記光学フィルムを液晶セルに貼着する際には、通常、粘着剤が使用される。また、光学フィルムと液晶セル、または光学フィルム間の接着は、通常、光の損失を低減するため、それぞれの材料は粘着剤を用いて密着されている。このような場合に、光学フィルムを固着させるのに乾燥工程を必要としないこと等のメリットを有することから、粘着剤は、光学フィルムの片側に予め粘着剤層として設けられた粘着型光学フィルムが一般的に用いられる。
前記粘着剤に要求される必要特性としては、(1)光学フィルムを液晶パネル表面に貼り合わせる際、貼り合わせ位置を誤ったり、貼合せ面に異物が噛み込んだりしたような場合にも光学フィルムを液晶パネル表面から剥離し、再度貼り合わせ(リワーク)が可能であること、(2)光学フィルムの寸法変化により生じる光学むらを防止するため応力緩和性を有すること、(3)環境促進試験として通常行われる加熱および加湿等による耐久試験に対して粘着剤に起因する不具合が発生しないこと、等が挙げられる。
特に、前記(1)のリワーク性に関しては、これまでの粘着型光学フィルムでは、粘着剤層と光学フィルム基材との密着性が低いため、液晶パネルから粘着型光学フィルムを剥離する際に、液晶パネル表面に粘着型光学フィルムの粘着剤が一部残ってしまう問題(以下これを粘着剤残りという)が生じていた。
また前記粘着型光学フィルムは、その使用に際して、ディスプレイのサイズに切断される。かかる使用工程でのハンドリングの際、粘着型光学フィルムの端部(切断部)が人や装置に接触すると、その部分に粘着剤の欠落が起きることがある(粘着剤欠け)。このような、粘着剤の欠落した粘着型光学フィルムを液晶セルに貼り付けると、その欠落した部分は密着しないため、その部分で光が反射し表示欠点となる問題がある。特に最近ではディスプレイの狭額縁化が進み、前記端部で発生する欠点によっても表示品質が著しく低下する。
このような問題に対して、光学フィルムと粘着剤層との間に、バインダーポリマー層を形成して、それらの層間の密着性を向上させ、前記した粘着剤残りや粘着剤欠けを改善したものが提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
一方、前記光学フィルムは、通常、消費者に届けられるまでの間は輸送や製造工程において光学フィルムの表面に傷や汚れがつかないように、その表面に表面保護フィルムが貼り合わされている。当該表面保護フィルムは、LCD等に貼り付けられた後に剥離されたり、一度剥離した後に同じ又は別の表面保護フィルムを再度貼り合せたりする場合もある。そして、該表面保護フィルムを剥離する際に静電気が発生し、この静電気によってLCDパネル等の回路が破壊されるという問題があった。またLCDパネル内部のアレイ素子に影響を与えて、それがさらに液晶の配向に影響を与えて不良を誘発する問題があった。また表面保護フィルムは剥離する際のみならず、製造工程や消費者の使用方法によっても光学フィルム同士の摩擦により同様の問題が発生する。
上記粘着型光学フィルムについても、帯電防止性を付与することが提案されている。例えば、粘着剤層中に導電性物質を含有させる方法(特許文献4、特許文献5)、表面処理層に導電性粒子を含有させる方法(特許文献6、特許文献7)、偏光子の少なくとも片側に配置される透明保護フィルムの片面に導電層を形成する方法(特許文献8、特許文献9、特許文献10)、などが提案されている。しかし、これらの粘着剤層や表面処理層に導電性物質を含有させる方法では、粘着剤層や表面処理層としての特性バランスの維持が困難であり、安定性に乏しい。また、光学フィルムに導電層を形成する場合には、導電層形成のための工程が増え好ましくない。
特開平10−20118号公報 特開2003−307624号公報 特開2004−78143号公報 特開平11−223827号公報 特開2003−294951号公報 特開平10−239521号公報 特開平11−194216号公報 特開平6−123806号公報 特開平11−91038号公報 特開2003−246874号公報
本発明はこのような事情を鑑みてなされたものであって、光学フィルムと粘着剤層との密着性がよく、かつ帯電防止機能が良好な、粘着型光学フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は前記製造方法により得られた粘着型光学フィルムを提供すること、さらには当該粘着型光学フィルムを用いたLCD、ELD等の画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記粘着型光学フィルムの製造方法を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、光学フィルムの少なくとも片面にバインダーポリマー層、粘着剤層が、この順に積層されている粘着型光学フィルムの製造方法であって、
光学フィルム上にバインダーポリマー層を形成する工程(1)、
前記バインダーポリマー層に、導電性ポリマーを形成できる重合性モノマーまたはその溶液を滴下方法、塗布方法または噴射方法により含浸する工程(2)、
次いで、前記バインダーポリマー層に酸化剤の溶液を滴下方法、塗布方法または噴射方法により接触させ、前記重合性モノマーを酸化重合させることによって、前記バインダーポリマー層の内部および/または表面に導電性ポリマーを形成させる工程(3)、
および、前記バインダーポリマー層上に粘着剤層を形成する工程(4)、を有することを特徴とする粘着型光学フィルムの製造方法、に関する。
前記粘着型光学フィルムの製造方法において、バインダーポリマー層を形成するポリマーは、官能基を有することが好ましい。またバインダーポリマー層を形成するポリマーが有する官能基は、アミノ基であることが好ましい。バインダーポリマー層を形成するポリマーとしては、ポリエチレンイミン構造を少なくとも有するものを好ましく用いることができる。
また前記粘着型光学フィルムの製造方法において、粘着剤層は、バインダーポリマー層中のポリマーが有する官能基と反応性を有する官能基を有するベースポリマーを含有するが好ましい。粘着剤層中のベースポリマーが有する官能基は、カルボキシル基であることが好ましい。カルボキシル基は、アミノ基との反応性の点から好ましく用いられる。また粘着剤層はアクリル系粘着剤により形成されていることが好ましい。
また本発明は、前記製造方法により得られた粘着型光学フィルムに関する。また本発明は当該粘着型光学フィルムを少なくとも1枚用いた画像表示装置に関する。本発明の粘着型光学フィルムは、液晶表示装置等の画像表示装置の各種の使用態様に応じて、1枚または複数のものを組み合わせて用いられる。
上記本発明の粘着型光学フィルムの製造方法では、光学フィルムと粘着剤層との間に、バインダーポリマー層を形成させることにより、これらの密着性を向上させている。また粘着剤層中のベースポリマーの官能基と、バインダーポリマー層中のポリマーの官能基との反応性により粘着剤層とバインダーポリマー層との密着性をより向上させることができる。これにより、粘着型光学フィルムを扱う際にフィルム端部の接触に対して粘着剤の一部欠落や、液晶パネルからのリワーク時における糊残りを大幅に低減させることができ、粘着型光学フィルムのハンドリング性を向上できる。
また上記本発明の粘着型光学フィルムの製造方法によれば、粘着型光学フィルムを作製するとともに、前記ポリマーバインダー層の内部および/または表面に、導電性ポリマーを形成できる重合性モノマーを含浸させ、これを酸化重合することにより導電性ポリマーを形成させることで、帯電防止機能を有する粘着型光学フィルムを簡易に製造することができる。このように本発明の粘着型光学フィルムの製造方法は、導電層を形成する等の工程を簡略化でき、効率のよい粘着型光学フィルムの製造方法である。
一般的にポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンなどの導電性ポリマーは、ピロール、アニリン、チオフェンなどのモノマーを酸化重合して得られる。酸化重合は、電解酸化重合と化学酸化重合があるが、化学酸化重合においては、一般的には前記モノマーよりも酸化還元電位の高い酸化剤が用いられる。例えば、ピロールの場合は、過酸化水素、塩化第2鉄、ペルオキソ2硫酸アンモニウム、ヨウ素などが用いられる。そこで、本発明では、バインダーポリマー層に、導電性ポリマーを形成できる重合性モノマーを含浸させた後、酸化剤を作用させ、前記重合性モノマーを酸化重合させることによって、前記バインダーポリマー層の内部および/または表面に導電性ポリマーを形成して、帯電防止性を付与している。かかる方法は、導電性ポリマーの導入にモノマーを用いているため、ポリマーを用いる場合よりも分散または溶解させやすく、バインダーポリマー層の内部および/または表面での導電性ポリマーの均一性を高めやすい。
得られた粘着型光学フィルムにおいて、ポリマーバインダー層の内部および/または表面に存在する導電性ポリマーは、高い導電性を有し、光学フィルムの帯電防止効果を発揮する。一方、光学フィルム、粘着剤層はそれぞれの特性バランスがよく、性能安定性に優れる。そのため、得られた粘着型光学フィルムは、光学フィルムと粘着剤層の密着性を維持したまま、帯電防止機能を付与することができる。これにより、帯電防止効果がよく、表面保護フィルムの剥離による静電気や光学フィルムの摩擦による静電気の発生を抑制でき、回路の破損や液晶の配向不良を防止できる。このような粘着型光学フィルムを使用することによって、高性能な液晶表示装置等の画像表示装置を提供できる。
本発明の製造方法により得られる粘着型光学フィルムは、例えば、図1に示すように、光学フィルム1の片面にバインダーポリマー層2、粘着剤層3をこの順に積層している。図1において、導電性ポリマーは図示していない。導電性ポリマーは、バインダーポリマー2の内部および/または表面に存在する。なお、図1では、光学フィルム1の片面に粘着剤層3を設けている場合を示しているが、粘着剤層3は光学フィルム1の両面に有していてもよい。また他面の粘着剤層3についてもバインダーポリマー層2を介して粘着剤層3を積層していてもよい。また、粘着剤層3には、離型シート4を設けることができる。
以下に、本発明の粘着型光学フィルムの製造方法について説明する。当該製造方法は、
光学フィルム上にバインダーポリマー層を形成する工程(1)、
前記バインダーポリマー層に、導電性ポリマーを形成できる重合性モノマーを含浸する工程(2)、
次いで、前記バインダーポリマー層に酸化剤を接触させ、前記重合性モノマーを酸化重合させることによって、前記バインダーポリマー層の内部および/または表面に導電性ポリマーを形成させる工程(3)、
および、前記バインダーポリマー層上に粘着剤層を形成する工程(4)、を有する。
工程(1)において用いる、バインダーポリマー層を形成する材料は特に限定されないが、光学フィルムと粘着剤層のいずれにも良好な密着性を示し、凝集力に優れ、フィルム形成性が良好なポリマーが望ましい。
前記ポリマーとしては、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレングリコール、ペンタエリスリトールのアクリレート等の反応性希釈剤、分子中にアミノ基を含むポリマー類があげられる。ポリマー類の使用形態は溶剤可溶型、水分散型、水溶解型のいずれでもよい。水分散型は、ポリウレタン、ポリエステル等の各種の樹脂を乳化剤を用いてエマルジョン化したものや、前記樹脂中に、水分散性のアニオン基、カチオン基またはノニオン基を導入して自己乳化物としたもの等を用いることができる。
かかるポリマー類は粘着剤層中のベースポリマーが有する官能基と反応性を有する官能基を有するものが好ましい。前記ポリマー類としては、分子中にアミノ基を含むポリマー類が好ましい。特に粘着剤層のベースポリマーとしてカルボキシル基含有モノマーを共重合成分とするアクリル系ポリマーを用いた場合に好ましい。バインダーポリマー層に用いる、分子中にアミノ基を含んだポリマーは、分子中のアミノ基が粘着剤中のカルボキシル基と反応またはイオン性相互作用などの相互作用を示すため、良好な密着性が確保される。
分子中にアミノ基を含むポリマー類としては、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリジン、アクリル系粘着剤の共重合モノマーとしても用いられるジメチルアミノエチルアクリレート等の含アミノ基含有モノマーの重合体などをあげることができる。これらのなかでもポリエチレンイミンが好ましい。
ポリエチレンイミンは、特に制限されず、各種のものを使用できる。ポリエチレンイミンの重量平均分子量は、特に制限されないが、通常、100〜100万程度である。たとえば、ポリエチレンイミンの市販品の例としては、株式会社日本触媒社製のエポミンSPシリーズ(SP−003、SP006、SP012、SP018、SP103、SP110、SP200等)、エポミンP−1000等があげられる。これらのなかでも、エポミンP−1000が好適である。
ポリエチレンイミンは、ポリエチレンイミン構造を有しているものであればよく、たとえば、ポリアクリル酸エステルへのエチレンイミン付加物および/またはポリエチレンイミン付加物があげられる。ポリアクリル酸エステルは、前記例示のアクリル系粘着剤のベースポリマー(アクリル系ポリマー)を構成するアルキル(メタ)アクリレートおよびその共重合モノマーを常法に従ってエマルジョン重合することにより得られる。共重合モノマーとしては、エチレンイミン等を反応させるためにカルボキシル基等の官能基を有するモノマーが用いられる。カルボキシル基等の官能基を有するモノマーの使用割合は、反応させるエチレンイミン等の割合により適宜に調整する。また、共重合モノマーとしては、前述の通り、スチレン系モノマーを用いるのが好適である。また、アクリル酸エステル中のカルボキシル基等に、別途合成したポリエチレンイミンを反応させることにより、ポリエチレンイミンをグラフト化した付加物とすることもできる。たとえば、市販品の例としては、株式会社日本触媒社製のポリメントNK−380、があげられる。
またアクリル系重合体エマルジョンのエチレンイミン付加物および/またはポリエチレンイミン付加物等を用いることができる。たとえば、市販品の例としては、株式会社日本触媒社製のポリメントSK−1000、があげられる。
ポリアリルアミンとしては、特に制限されず、たとえば、ジアリルアミン塩酸塩−二酸化硫黄共重合物、ジアリルメチルアミン塩酸塩共重合物、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアリルアミン等のアリルアミン系化合物、ジエチレントリアミン等のポリアルキレンポリアミンとジカルボン酸の縮合物、さらにはそのエピハロヒドリンの付加物、ポリビニルアミン等があげられる。ポリアリルアミンは、水/アルコールに可溶性であり好ましい。ポリアリルアミンの重量平均分子量は特に制限されないが10000〜100000程度であるのが好ましい。
またバインダーポリマー層の形成にあたっては、アミノ基を含むポリマー類に加えて、アミノ基を含むポリマー類と反応する化合物を混合して架橋して、バインダーポリマー層の強度を向上させることができる。アミノ基を含むポリマー類と反応する化合物としては、エポキシ化合物等を例示できる。
光学フィルム上へのバインダーポリマー層の形成は、たとえば、ポリエチレンイミン水溶液の如きバインダーポリマー層成分の溶液を、コーティング法、ディッピング法、スプレー法などの塗工法を用いて、光学フィルム上に塗布、乾燥することにより行う。バインダーポリマー層の厚みとしては10nm〜10μm、好ましくは20nm〜500nmの範囲にあることが好ましい。バインダーポリマー層の厚みが薄くなると、バルクとしての性質を有さず、十分な強度を示さなくなり、十分な密着性が得られない場合がある。また、厚すぎると光学特性の低下を招くおそれがある。なお、バインダーポリマー層の形成にあたり、光学フィルムには活性化処理を施すことができる。活性化処理は各種方法を採用でき、たとえばコロナ処理、低圧UV処理、プラズマ処理等を採用できる。
次いで、工程(2)では、前記バインダーポリマー層に、導電性ポリマーを形成できる重合性モノマーを含浸する。
導電性ポリマーとしては、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェンなど、さらにはこれらの誘導体があげられる。当該導電性ポリマーを形成する重合性モノマーとしては、ピロールおよびその誘導体、アニリンおよびその誘導体、チオフェンおよびその誘導体などが好ましく用いられる。導電性ポリマーは可視域に吸収を持っており、このため形成される導電性ポリマーの膜厚が高いと光線透過率が低下して偏光子の特性が低下する。そのため、なるべく薄くても高い導電性が得られるピロールが最も好ましく用いられる。
前記重合性モノマーは、これをそのまま用いることができ、または重合性モノマーを含有するモノマー溶液として用いることができるが、溶液として用いるのが好ましい。当該溶液に用いる溶媒としては、例えば、水、有機溶媒またはこれらの混合物が用いられる。有機溶媒としては、たとえば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類があげられる。
前記バインダーポリマー層に、前記モノマーを含浸する方法は、特に制限されない。たとえば、前記モノマーまたはその溶液を滴下方法、塗布方法、噴射方法などがあげられる。これらの中でも塗布方法が好ましい。これらの方法には、ノズル、スプレー、コーター等が適宜に選択して用いられる。
前記モノマーまたはその溶液の濃度は、通常、0.01〜100重量%、好ましくは0.01〜10重量%である。さらには、0.01〜5重量%、さらには0.1〜3重量%、さらに好ましくは0.2〜1重量%である。
次いで、工程(3)では、前記重合性モノマーを含浸させたバインダーポリマー層に酸化剤を接触させ、前記重合性モノマーを酸化重合させることによって、前記バインダーポリマー層の内部および/または表面に導電性ポリマーを形成させる。
酸化剤としては、過酸化水素、塩化第2鉄、ペルオキソ2硫酸アンモニウム、ヨウ素などがあげられる。これらのなかでも過酸化水素が好ましい。酸化剤は、溶液として用いることができる。酸化剤を含有する溶液に用いる溶媒としては、例えば、水が用いられる。また、当該溶液における酸化剤の含有量は特に制限されないが、通常、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%である。酸化剤を含有する溶液には、水のほかに水系の溶媒を含有することができる。
酸化剤を、バインダーポリマー層に接触させる方法は特に制限されないが、例えば、酸化剤の溶液を、滴下方法、塗布方法、噴射方法などの方法を採用できる。酸化剤(またはその溶液)の使用量は、酸化剤の種類、モノマー溶液の種類等により適宜に調整される。通常は、前記重合性モノマー1モル部に対して、酸化剤が2〜10モル部程度になるように調整するのが好ましい。導電性ポリマーの形成は、酸化剤をバインダーポリマー層に接触させた後、通常、25〜100℃で、0.5〜10分間程度の条件下におくことにより行うことができる。
また本発明では、前記バインダーポリマー層上に粘着剤層を形成する工程(4)、を有する。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、特に制限されず、例えばアクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエーテル、フッ素系やゴム系などのポリマーをベースポリマーとするものを適宜に選択して用いることができる。特に、光学的透明性に優れ、適宜な濡れ性と凝集性と接着性の粘着特性を示して、耐候性や耐熱性などに優れるものが好ましく使用される。このような特徴を示すものとしてアクリル系粘着剤が好ましく使用される。
アクリル系粘着剤は、アルキル(メタ)アクリレートのモノマーユニットを主骨格とするアクリル系ポリマーをベースポリマーとする。なお、(メタ)アクリレートはアクリレートおよび/またはメタクリレートをいい、本発明の(メタ)とは同様の意味である。アクリル系ポリマーの主骨格を構成する、アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の平均炭素数は1〜12程度のものであり、アルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等を例示でき、これらは単独または組み合わせて使用できる。これらの中でもアルキル基の炭素数4〜12のアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記アクリル系ポリマー中には、接着性や耐熱性の改善を目的に、1種類以上の各種モノマーが共重合により導入される。そのような共重合モノマーの具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリルや(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸などの酸無水物基含有モノマー;アクリル酸のカプロラクトン付加物;スチレンスルホン酸やアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどの燐酸基含有モノマーなどがあげられる。
また、窒素含有ビニルモノマーがあげられる。例えば、マレイミド、N−シクロへキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド;N−アクリロイルモルホリン;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミドやN−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、3−(3−ピリニジル)プロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミドやN−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミド、N−アクリロイルモルホリンなどのスクシンイミド系モノマーなども改質目的のモノマー例としてあげられる。
さらに、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、スチレン、α−メチルスチレン、N−ビニルカプロラクタムなどのビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレート系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートや2−メトキシエチルアクリレートなどのアクリル酸エステル系モノマーなども使用することができる。
これらの中でも、光学フィルム用途として液晶セルへの接着性、接着耐久性の点から、アクリル酸などのカルボキシル基含有モノマーが好ましく用いられる。
アクリル系ポリマー中の前記共重合モノマーの割合は、特に制限されないが、重量比率において、0.1〜10%程度であるのが好ましい。
アクリル系ポリマーの平均分子量は特に制限されないが、重量平均分子量は、30万〜250万程度であるのが好ましい。前記アクリル系ポリマーの製造は、各種公知の手法により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶液重合法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各種公知のものを使用できる。反応温度は通常50〜80℃程度、反応時間は1〜8時間とされる。また、前記製造法の中でも溶液重合法が好ましく、アクリル系ポリマーの溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエン等が用いられる。溶液濃度は通常20〜80重量%程度とされる。
ゴム系粘着剤のベースポリマーとしては、たとえば、天然ゴム、イソプレン系ゴム、スチレンーブタジエン系ゴム、再生ゴム、ポリイソブチレン系ゴム、さらにはスチレンーイソプレンースチレン系ゴム、スチレンーブタジエンースチレン系ゴム等があげられる。シリコーン系粘着剤のベースポリマーとしては、たとえば、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等があげられ、これらベースポリマーもカルボキシル基等の官能基が導入されたものを使用することができる。
また前記粘着剤は、架橋剤を含有する粘着剤組成物とするのが好ましい。粘着剤に配合できる多官能化合物としては、有機系架橋剤や多官能性金属キレートがあげられる。有機系架橋剤としては、エポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、イミン系架橋剤などがあげられる。有機系架橋剤としてはイソシアネート系架橋剤が好ましい。多官能性金属キレートは、多価金属が有機化合物と共有結合または配位結合しているものである。多価金属原子としては、Al、Cr、Zr、Co、Cu、Fe、Ni、V、Zn、In、Ca、Mg、Mn、Y、Ce、Sr、Ba、Mo、La、Sn、Ti等があげられる。共有結合または配位結合する有機化合物中の原子としては酸素原子等があげられ、有機化合物としてはアルキルエステル、アルコール化合物、カルボン酸化合物、エーテル化合物、ケトン化合物等があげられる。
アクリル系ポリマー等のベースポリマーと架橋剤の配合割合は特に限定されないが、通常、ベースポリマー(固形分)100重量部に対して、架橋剤(固形分)0.01〜10重量部程度が好ましく、さらには0.1〜5重量部程度が好ましい。
さらには、前記粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤等を、また本発明の目的を逸脱しない範囲で各種の添加剤を適宜に使用することもできる。また微粒子を含有して光拡散性を示す粘着剤層などとしても良い。
粘着剤層の形成は、前記バインダーポリマー層上に積層することにより行う。形成方法としては、特に制限されず、バインダーポリマー層に粘着剤溶液を塗布し乾燥する方法、粘着剤層を設けた離型シートにより転写する方法等があげられる。粘着剤層の厚さは特に限定されないが、10〜40μm程度とするのが好ましい。
離型シートの構成材料としては、紙、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム、ゴムシート、紙、布、不織布、ネット、発泡シートや金属箔、それらのラミネート体等の適宜な薄葉体等があげられる。離型シートの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるため、必要に応じてシリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理などの低接着性の剥離処理が施されていても良い。
光学フィルムとしては、液晶表示装置等の画像表示装置の形成に用いられるものが使用され、その種類は特に制限されない。たとえば、光学フィルムとしては偏光板があげられる。偏光板は偏光子の片面または両面には透明保護フィルムを有するものが一般に用いられる。
偏光子は、特に限定されず、各種のものを使用できる。偏光子としては、たとえば、ポリビニルアルコール系フィルム、部分ホルマール化ポリビニルアルコール系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム等の親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料の二色性物質を吸着させて一軸延伸したもの、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等ポリエン系配向フィルム等があげられる。これらの中でも、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性物質からなる偏光子が好適である。これらの偏光子の厚さは特に制限されないが、一般的に5〜80μm程度である。
ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素で染色し一軸延伸した偏光子は、たとえば、ポリビニルアルコールをヨウ素の水溶液に浸漬することによって染色し、元長の3〜7倍に延伸することで作成することができる。必要に応じてホウ酸や硫酸亜鉛、塩化亜鉛等を含んでいても良いヨウ化カリウムなどの水溶液に浸漬することもできる。さらに必要に応じて染色前にポリビニルアルコール系フィルムを水に浸漬して水洗してもよい。ポリビニルアルコール系フィルムを水洗することでポリビニルアルコール系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるほかに、ポリビニルアルコール系フィルムを膨潤させることで染色のムラなどの不均一を防止する効果もある。延伸はヨウ素で染色した後に行っても良いし、染色しながら延伸しても良いし、また延伸してからヨウ素で染色しても良い。ホウ酸やヨウ化カリウムなどの水溶液や水浴中でも延伸することができる。
前記偏光子の片面または両面に設けられる透明保護フィルムを形成する材料としては、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロースやトリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレンやアクリロニトリル・スチレン共重合体(AS樹脂)等のスチレン系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマーなどがあげられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系ないしはノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体の如きポリオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、または前記ポリマーのブレンド物なども前記透明保護フィルムを形成するポリマーの例としてあげられる。透明保護フィルムは、アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型、紫外線硬化型の樹脂の硬化層として形成することもできる。
また、特開2001−343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルム、たとえば、(A)側鎖に置換および/または非置換イミド基を有する熱可塑性樹脂と、(B)側鎖に置換および/または非置換フェニルならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物があげられる。具体例としてはイソブチレンとN−メチルマレイミドからなる交互共重合体とアクリロニトリル・スチレン共重合体とを含有する樹脂組成物のフィルムがあげられる。フィルムは樹脂組成物の混合押出品などからなるフィルムを用いることができる。
保護フィルムの厚さは、適宜に決定しうるが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄膜性などの点より1〜500μm程度である。特に、5〜200μmが好ましい。
また、保護フィルムは、できるだけ色付きがないことが好ましい。従って、Rth=(nx−nz)・d(ただし、nxはフィルム平面内の遅相軸方向の屈折率、nzはフィルム厚方向の屈折率、dはフィルム厚みである)で表されるフィルム厚み方向の位相差が−90nm〜+75nmである保護フィルムが好ましく用いられる。かかる厚み方向の位相差値(Rth)が−90nm〜+75nmのものを使用することにより、保護フィルムに起因する偏光板の着色(光学的な着色)はほぼ解消することができる。厚み方向位相差(Rth)は、さらに好ましくは−80nm〜+60nm、特に−70nm〜+45nmが好ましい。
保護フィルムとしては、偏光特性や耐久性などの点より、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマーが好ましい。特にトリアセチルセルロースフィルムが好適である。なお、偏光子の両側に保護フィルムを設ける場合、その表裏で同じポリマー材料からなる保護フィルムを用いても良く、異なるポリマー材料等からなる保護フィルムを用いても良い。前記偏光子と保護フィルムとは通常、水系接着剤等を介して密着している。水系接着剤としては、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ビニル系ラテックス系、水系ポリウレタン、水系ポリエステル等を例示できる。
前記透明保護フィルムの偏光子を接着させない面には、ハードコート層や反射防止処理、スティッキング防止や、拡散ないしアンチグレアを目的とした処理を施したものであっても良い。これらは、特開2003−307624号公報に記載されているものを用いることができる。
また光学フィルムとしては、例えば反射板や反透過板、位相差板(1/2や1/4等の波長板を含む)、視覚補償フィルム、輝度向上フィルムなどの液晶表示装置等の形成に用いられることのある光学層となるものがあげられる。これらは単独で光学フィルムとして用いることができる他、前記偏光板に、実用に際して積層して、1層または2層以上用いることができる。これらは、特開2003−307624号公報に記載されているものを用いることができる。
本発明の粘着型光学フィルムは液晶表示装置等の各種画像表示装置の形成などに好ましく用いることができる。液晶表示装置の形成は、従来に準じて行いうる。すなわち液晶表示装置は一般に、液晶セルと粘着型光学フィルム、及び必要に応じての照明システム等の構成部品を適宜に組み立てて駆動回路を組み込むことなどにより形成されるが、本発明においては本発明による光学フィルムを用いる点を除いて特に限定は無く、従来に準じうる。液晶セルについても、例えばTN型やSTN型、π型などの任意なタイプなどの任意なタイプのものを用いうる。
液晶セルの片側又は両側に粘着型光学フィルムを配置した液晶表示装置や、照明システムにバックライトあるいは反射板を用いたものなどの適宜な液晶表示装置を形成することができる。その場合、本発明による光学フィルムは液晶セルの片側又は両側に設置することができる。両側に光学フィルムを設ける場合、それらは同じものであっても良いし、異なるものであっても良い。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば拡散板、アンチグレア層、反射防止膜、保護板、プリズムアレイ、レンズアレイシート、光拡散板、バックライトなどの適宜な部品を適宜な位置に1層又は2層以上配置することができる。
また、特開2003−307624号公報に記載されているように、本発明の粘着型光学フィルムは有機エレクトロルミネセンス装置(有機EL表示装置)について適用できる。
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各例中の部および%はいずれも重量基準である。
実施例1
(偏光板の作製)
厚さ80μmのポリビニルアルコールフィルムを40℃のヨウ素水溶液中で5倍に延伸したのち50℃で4分間乾燥させて偏光子を得た。この偏光子の両側にトリアセチルセルロースフィルムを、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて接着し、偏光板を得た。
(バインダーポリマー層の形成)
ポリエチレンイミン(日本触媒社製,商品名P−1000)を、水:イソプロピルアルコール=1:3(容量比)の混合溶媒で、固形分濃度0.2%に希釈した溶液を調製した。当該溶液を、上記偏光板上に、ワイヤーバー(#5)を用いて乾燥後の厚みが25nmとなるように塗布した後、乾燥してバインダーポリマー層を形成した。ここで得られたフィルムの表面抵抗値を測定したところ、5.0×10E10Ω/□であった。
(重合性モノマーの含浸)
重合性モノマーとして、ピロールを、水:イソプロピルアルコール=1:3(容量比)の混合溶媒で、固形分濃度0.3%に希釈した溶液を調製した。当該溶液を、上記バインダーポリマー層に、ワイヤーバー(#5)を用いて、塗布した。
(酸化剤の接触)
過酸化水素を、濃度10%となるように希釈した水溶液を調製した。当該溶液を、上記ピロールを含浸させたバインダーポリマー層に、ワイヤーバー(#5)により塗布し、50℃で、2分間乾燥させて、ピロールを酸化重合した。ここで得られたフィルムの表面抵抗値を測定したところ、5.0×10E8Ω/□であった。
(粘着剤層の形成)
ベースポリマーとして、ブチルアクリレート:アクリル酸:2−ヒドロキシエチルアクリレート=100:5:0.1(重量比)の共重合体からなる重量平均分子量200万のアクリル系ポリマーを含有する溶液(固形分30%)を用いた。上記アクリル系ポリマー溶液にイソシアネート系多官能性化合物である日本ポリウレタン社製コロネートLをポリマー固形分100部に対して3部、及び添加剤(KBM−403、信越シリコーン社製)を0.5部、粘度調整のための溶剤(酢酸エチル)を加え、粘着剤溶液(固形分10%)を調製した。当該粘着剤溶液を、乾燥後の厚みが25μmとなるように、離型フィルム(ポリエチレンテレフタレート基材:ダイヤホイルMRF38、三菱化学ポリエステル製)上にリバースロールコート法により塗布した後、さらにその上に離型フィルムを付与して熱風循環式オーブンで乾燥し、粘着剤層を形成した。
(粘着型光学フィルムの作製)
上記偏光板の表面に形成したバインダーポリマー層に、粘着剤層を形成した離型フィルムを貼り合わせ、粘着型偏光板を作製した。
比較例1
実施例1において、重合性モノマーの含浸に係わる工程、酸化剤の接触に係わる工程を行わず、バインダーポリマー層の形成後に、当該バインダーポリマー層に、粘着剤層を形成した離型フィルムを貼り合わせたこと以外は実施例1と同様にして粘着型偏光板を作製した。
上記実施例および比較例で得られた粘着型偏光板について以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。また、表面抵抗値の測定法を示す。
(密着性)
作製された粘着型偏光板を25mm幅×50mm長さに切断した。これの粘着剤層面と50μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルム表面にインジウム−酸化錫を蒸着ざせた蒸着フィルムの蒸着面とが接するように貼り合わせた後、20分間以上、23℃/60%RHの環境下に放置した。その後、ポリエチレンテレフタレートフィルムの端部を手で剥離し、粘着剤がポリエチレンテレフタレートフィルム側に付着しているのを確認してから、引張試験機(島津製作所社製,オートグラフAG−1)を用いて、180°剥離、引張速度300mm/minにて室温雰囲気下(25℃)にて、光学フィルムと粘着剤層との密着性(N/25mm)を測定した。各サンプルについて、3点の測定を行いそれらの平均値とした。
(帯電防止効果)
作製された粘着型偏光板を100mm×100mmの大きさに切断し、液晶パネルに貼り付けた。このパネルを10000cdの輝度を持つバックライト上に置き、静電気発生装置であるESD(SANKI社製,ESD−8012A)を用いて5kvの静電気を発生させることで液晶の配向乱れを起こした。その配向不良による表示不良の回復時間(秒)を、瞬間マルチ測光検出器(大塚電子社製,MCPD−3000)を用いて測定した。
(表面抵抗値)
表面抵抗測定器(三菱化学(株)製,Hiresta MCP−HT450)を用いて印加電圧500Vで、フィルム表面(バインダーポリマー層)の表面抵抗値(Ω/□)を測定した。各サンプルについて、3点の測定を行いそれらの平均値とした。
Figure 0004582704
本発明の粘着型光学フィルムの断面図の一例である。
符号の説明
1 光学フィルム
2 バインダーポリマー層
3 粘着剤層
4 離型シート

Claims (9)

  1. 光学フィルムの少なくとも片面にバインダーポリマー層、粘着剤層が、この順に積層されている粘着型光学フィルムの製造方法であって、
    光学フィルム上にバインダーポリマー層を形成する工程(1)、
    前記バインダーポリマー層に、導電性ポリマーを形成できる重合性モノマーまたはその溶液を滴下方法、塗布方法または噴射方法により含浸する工程(2)、
    次いで、前記バインダーポリマー層に酸化剤の溶液を滴下方法、塗布方法または噴射方法により接触させ、前記重合性モノマーを酸化重合させることによって、前記バインダーポリマー層の内部および/または表面に導電性ポリマーを形成させる工程(3)、
    および、前記バインダーポリマー層上に粘着剤層を形成する工程(4)、を有することを特徴とする粘着型光学フィルムの製造方法。
  2. バインダーポリマー層を形成するポリマーが、官能基を有することを特徴とする請求項1記載の粘着型光学フィルムの製造方法。
  3. バインダーポリマー層を形成するポリマーが有する官能基が、アミノ基であることを特徴とする請求項2記載の粘着型光学フィルムの製造方法。
  4. バインダーポリマー層を形成するポリマーが、ポリエチレンイミン構造を少なくとも有すること特徴とする請求項2または3記載の粘着型光学フィルムの製造方法。
  5. 粘着剤層が、バインダーポリマー層中のポリマーが有する官能基と反応性を有する官能基を有するベースポリマーを含有することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の粘着型光学フィルムの製造方法。
  6. ベースポリマーが有する官能基が、カルボキシル基であることを特徴とする請求項5記載の粘着型光学フィルムの製造方法。
  7. 粘着剤層がアクリル系粘着剤により形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の粘着型光学フィルムの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法により得られた粘着型光学フィルム。
  9. 請求項8記載の粘着型光学フィルムを少なくとも1枚用いた画像表示装置。
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