JP4582636B2 - リレン色素 - Google Patents

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Description

本発明は下記の一般式Iの新規のリレン化合物に関する:
(I)
Figure 0004582636
(式中、各変数は下記のように定義される:
Rは、水素;
〜C30−アルキル(その炭素鎖は、1つまたは複数の−O−基、−S−基、−NR−基、−CO−基および/または−SO−基により中断されることがあり、かつ、カルボキシル、スルホ、ヒドロキシル、シアノ、C〜C−アルコキシ、および/または5員〜7員の複素環基[これは窒素原子を介して結合し、また、さらなるヘテロ原子を含有することがあり、かつ芳香族であり得る]により一置換または多置換されることがある);
〜C−シクロアルキル(その炭素骨格は、1つまたは複数の−O−基、−S−基および/または−NR−基により中断されることがあり、かつ、C〜C−アルキルにより一置換または多置換されることがある);
アリールまたはヘタリール(hetaryl)(これらはそれぞれが、C〜C18−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、−CONHR、−NHCOR、および/またはアリールアゾもしくはヘタリールアゾ[そのそれぞれが、C〜C10−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノおよび/またはカルボキシルにより置換されることがある]により一置換または多置換されることがある)
である;
R'は、臭素;シアノ;−NR
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシまたはヘタリールチオ(そのそれぞれが、C〜C12−アルキル、C〜C12−アルコキシ、シアノ、−CONHRおよび/または−NHCORにより一置換または多置換されることがある);
〜C18−アルカ−1−イニル(その炭素鎖は、1つまたは複数の−O−基、−S−基、−NR−基、−CO−基および/または−SO−基により中断されることがあり、そして、−COOR、−SO、ヒドロキシル、シアノ、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルキル、アリール、および/または5員〜7員の複素環基[これは窒素原子を介して結合し、また、さらなるヘテロ原子を含有することがあり、かつ芳香族であり得る]により一置換または多置換されることがある)
である;
は水素またはC〜C−アルキルである;
は、水素;C〜C18−アルキル;アリールまたはヘタリール(そのそれぞれが、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび/またはシアノにより置換されることがある)である;
は、水素;C〜C18−アルキル;アリールまたはヘタリール(そのそれぞれが、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび/またはシアノにより置換されることがある)であり;2つのR基は一緒になって、窒素原子を含有し、その窒素原子を介して結合する5員〜7員の複素環基をもたらし得る;
X、Yは、ともに水素であるか、または、Xが−NH−基であり、かつ、Yがそれ以外の自由な化学結合である場合、一緒に結合して、下記の式Iaの基:
(Ia)
Figure 0004582636
における6員環を形成する;
nは、2、3、4、または、さらには、XおよびYが式Iaの基である場合には1である;
n'は1〜4である;
mは0〜6である)
に関し、そして同様に、そのようなリレン色素Iの調製に関し、そして、高分子量の有機材料および無機材料(特に、プラスチック、塗料および印刷用インク)を着色するためのその使用、分散剤として、有機顔料用の顔料添加物として、また、顔料添加物を調製するための中間体としてのその使用、有色であるか、または、電磁スペクトルの近赤外領域において吸収する水性ポリマー分散物を製造するためのその使用、ならびに、電子写真における光伝導体としてのその使用に関する。
アミノアントラキノンが結合したリレン建染め色素がしばらく前から知られている。DRP607341および米国特許第2069663号には、綿を赤色または赤紫色の建染め剤から青緑色に着色し、4−ブロモナフタレンジカルボン酸無水物から、1−アミノアントラキノンとの無水物カップリング生成物のその後のイミド化によって調製される、ナフタレンジカルボキシミド化合物に基づくリレン建染め色素が開示されている。しかしながら、ナフタレンの高次同族体のアミノアントラキノン結合型リレン色素、または2つのアミノアントラキノンが結合したリレン建染め色素はどちらも未だ知られておらず、また、リレンの長さが増大することに伴い、溶解性が低下するために、リレンジカルボン酸無水物もまた、ナフタレンジカルボン酸無水物について記載された調製方法によって得ることができない。
電磁スペクトルの長波長領域(すなわち、赤色および赤外の領域)において吸収するリレン色素を提供することが、本発明の目的の1つである。
本発明者らは、この目的が、冒頭で定義された式Iのリレン色素によって達成されることを見出している。
好ましいリレン色素を従属請求項から選ぶことができる。
下記の式I'のリレン色素:
(I')
Figure 0004582636
(式中、各変数は下記のように定義される:
Rは、水素;
〜C30−アルキル(その炭素鎖は、1つまたは複数の−O−基、−S−基、−NR−基、−CO−基および/または−SO−基により中断されることがあり、かつ、カルボキシル、スルホ、ヒドロキシル、シアノ、C〜C−アルコキシ、および/または5員〜7員の複素環基[これは窒素原子を介して結合し、また、さらなるヘテロ原子を含有することがあり、かつ芳香族であり得る]により一置換または多置換されることがある);
〜C−シクロアルキル(その炭素骨格は、1つまたは複数の−O−基、−S−基および/または−NR−基により中断されることがあり、かつ、C〜C−アルキルにより一置換または多置換されることがある);
アリールまたはヘタリール(これらはそれぞれが、C〜C18−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、カルボキシル、−CONHR、−NHCOR、および/またはアリールアゾもしくはヘタリールアゾ[そのそれぞれが、C〜C10−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノまたはカルボキシルにより置換されることがある]により一置換または多置換されることがある)
である;
R'は、臭素;シアノ;−NR
アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシまたはヘタリールチオ(そのそれぞれが、C〜C12−アルキル、C〜C12−アルコキシ、シアノ、−CONHRおよび/または−NHCORにより一置換または多置換されることがある);
〜C18−アルカ−1−イニル(その炭素鎖は、1つまたは複数の−O−基、−S−基、−NR−基、−CO−基および/または−SO−基により中断されることがあり、かつ、−COOR、−SO、ヒドロキシル、シアノ、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルキル、アリール、および/または5員〜7員の複素環基[これは窒素原子を介して結合し、また、さらなるヘテロ原子を含有することがあり、かつ芳香族であり得る]により一置換または多置換されることがある)
である;
は水素またはC〜C−アルキルである;
は、水素;C〜C18−アルキル;アリールまたはヘタリール(そのそれぞれが、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシルまたはシアノにより置換されることがある)である;
は、水素;C〜C18−アルキル;アリールまたはヘタリール(そのそれぞれが、C〜C−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシルおよび/またはシアノにより置換されることがある)であり;2つのR基は一緒になって、窒素原子を含有し、その窒素原子を介して結合する5員〜7員の複素環基をもたらし得る;
nは、2、3または4である;
mは0〜6である)
を調製するための方法もまた見出されており、この方法は、
a)ペリ位がモノブロモ化された下記の一般式II'のリレン誘導体:
(II')
Figure 0004582636
を、1−アミノアントラキノンと、非プロトン性有機溶媒の存在下、遷移金属触媒系の存在下、および塩基の存在下で、クロスカップリング反応において反応させること、
b)工程a)で形成された下記の一般式III'のリレンアントラミン:
(III')
Figure 0004582636
を、極性有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で環化して、式I'のリレン色素(式中、リレン核は非置換であり、mは0である)を得ること、および
c)所望される場合には、リレン核が非置換であり、工程b)において得られたリレン色素I'を元素状臭素と反応させることによって、リレン核が臭素化された式I'のリレン色素(式中、R'は臭素であり、mは0に等しくない)に変換すること、および
d)所望される場合には、リレン核が臭素化され、工程c)において得られたリレン色素I'を、
d1)リレン核が置換され、かつ、R'が、アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシまたはヘタリールチオ(ただし、それらはそれぞれが、C〜C12−アルキル、C〜C12−アルコキシ、シアノ、−CONHRおよび/または−NHCORにより一置換または多置換されることがある)であり、mが0に等しくない式I'のリレン色素を得るために、下記の一般式IVの化合物:
(IV)
Figure 0004582636
(式中、Zはイオウまたは酸素であり、環Aはアリール基またはヘタリール基(それらはそれぞれが、C〜C12−アルキル、C〜C12−アルコキシ、シアノ、−CONHRおよび/または−NHCORにより一置換または多置換されることがある)である)と、不活性な窒素塩基性の有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で反応させることによって
変換すること;
d2)リレン核が置換され、R'がシアノであり、mが0に等しくない式I'のリレン色素を得るために、双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下でシアン化銅(I)と反応させることによって
変換すること;
d3)リレン核が置換され、R'が−C≡C−R''であり、mが0に等しくない式I'のリレン色素を得るために、下記の一般式Vのアルキン:
(V)
Figure 0004582636
(式中、R''はC〜C16−アルキル基(これは、1つまたは複数の−O−基、−S−基、−NR−基、−CO−基および/または−SO−基により中断されることがあり、かつ、−COOR、−SO、ヒドロキシル、シアノ、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルキル、アリール、および/または5員〜7員の複素環基[これは窒素原子を介して結合し、また、さらなるヘテロ原子を含有することがあり、かつ芳香族であり得る]により一置換または多置換されることがある)である)
と、非プロトン性有機溶媒の存在下、触媒としてのパラジウム錯体の存在下、助触媒としての銅塩の存在下、および塩基の存在下で反応させることによって
変換すること;または
d4)リレン核が置換され、R'が−NR であり、mが0に等しくない式I'のリレン色素を得るために、アンモニアまたは下記の一般式VIのアミン:
(VI)
Figure 0004582636
と双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下で反応させることによって
変換すること
を含む。
また、下記の一般式I''の対称リレン色素:
(I'')
Figure 0004582636
(式中、R、R'、R、R、Rおよびmの変数はそれぞれが、式I'について定義される通りであり、かつ、nは、1、2、3または4に等しい)
を調製するための方法も見出されており、この方法は、
a)ペリ位がモノブロモ化された下記の一般式II'のリレン誘導体:
(II')
Figure 0004582636
を、1,5−ジアミノアントラキノンと、非プロトン性有機溶媒の存在下、遷移金属触媒系の存在下、および塩基の存在下で、二重のクロスカップリング反応において反応させること、
b)工程a)で形成された下記の一般式III''のリレンアントラミン:
(III'')
Figure 0004582636
を、極性有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で環化して、式I''のリレン色素(式中、mは0である)を得ること、および
c)所望される場合には、リレン核が非置換であり、工程b)において得られたリレン色素I'を元素状臭素と反応させることによって、リレン核が臭素化された式I''のリレン色素(式中、R'は臭素であり、mは0に等しくない)に変換すること、および
d)所望される場合には、リレン核が臭素化され、工程c)において得られたリレン色素I''を、
d1)リレン核が置換され、かつ、R'が、アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシまたはヘタリールチオ(それらはそれぞれが、C〜C12−アルキル、C〜C12−アルコキシ、シアノ、−CONHRおよび/または−NHCORにより一置換または多置換されることがある)であり、mが0に等しくない式I''のリレン色素を得るために、下記の一般式IVの化合物:
(IV)
Figure 0004582636
(式中、Zはイオウまたは酸素であり、環Aはアリール基またはヘタリール基(それらはそれぞれが、C〜C12−アルキル、C〜C12−アルコキシ、シアノ、−CONHRおよび/または−NHCORにより一置換または多置換されることがある)である)と、不活性な窒素塩基性の有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で反応させることによって
変換すること;
d2)リレン核が置換され、R'がシアノであり、mが0に等しくない式I''のリレン色素を得るために、双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下でシアン化銅(I)と反応させることによって
変換すること;
d3)リレン核が置換され、R'が−C≡C−R''であり、mが0に等しくない式I''のリレン色素を得るために、下記の一般式Vのアルキン:
(V)
Figure 0004582636
(式中、R''はC〜C16−アルキル基(これは、1つまたは複数の−O−基、−S−基、−NR−基、−CO−基および/または−SO−基により中断されることがあり、かつ、−COOR、−SO、ヒドロキシル、シアノ、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルキル、アリール、および/または5員〜7員の複素環基[これは窒素原子を介して結合し、また、さらなるヘテロ原子を含有することがあり、かつ芳香族であり得る]により一置換または多置換されることがある)である)
と、非プロトン性有機溶媒の存在下、触媒としてのパラジウム錯体の存在下、助触媒としての銅塩の存在下、および塩基の存在下で反応させることによって
変換すること;または
d4)リレン核が置換され、R'が−NR であり、mが0に等しくない式I''のリレン色素を得るために、アンモニアまたは下記の一般式VIのアミン:
(VI)
Figure 0004582636
と、双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下で反応させることによって
変換すること
を含む。
また、下記の一般式I'''の非対称リレン色素:
(I''')
Figure 0004582636
(式中、R、R'、R、R、Rおよびmの変数はそれぞれが、式I'について定義される通りであり、かつ、nおよびn'はそれぞれが、1、2、3または4に等しく、だが、n≠n'である)
を調製するための方法も見出されており、この方法は、
a1)最初に、ペリ位がモノブロモ化された下記の一般式II'のリレン誘導体:
(II')
Figure 0004582636
を、過剰な1,5−ジアミノアントラキノンと、非プロトン性有機溶媒の存在下、遷移金属触媒系の存在下、および塩基の存在下で、第1のクロスカップリング反応において反応させること、
a2)工程a)において得られた下記の一般式IIIaのアミノリレンアントラミン誘導体:
(IIIa)
Figure 0004582636
を、ペリ位がモノブロモ化された下記の一般式II''のリレン誘導体:
(II'')
Figure 0004582636
と、非プロトン性有機溶媒の存在下、遷移金属触媒系の存在下、および塩基の存在下で、第2のクロスカップリング反応において反応させること、
b)工程a)で形成された下記の一般式III'''のリレンアントラミン:
(III''')
Figure 0004582636
を、極性有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で環化して、式I'''のリレン色素(式中、リレン核は非置換であり、mは0である)を得ること、および
c)所望される場合には、リレン核が非置換であり、工程b)において得られたリレン色素I'''を元素状臭素と反応させることによって、リレン核が臭素化された式I'''のリレン色素(式中、R'は臭素であり、mは0に等しくない)に変換すること、および
d)所望される場合には、リレン核が臭素化され、工程c)において得られたリレン色素I'''を、
d1)リレン核が置換され、かつ、R'が、アリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシまたはヘタリールチオ(それらはそれぞれが、C〜C12−アルキル、C〜C12−アルコキシ、シアノ、−CONHRおよび/または−NHCORにより一置換または多置換されることがある)であり、mが0に等しくない式I'''のリレン色素を得るために、下記の一般式IVの化合物:
(IV)
Figure 0004582636
(式中、Zはイオウまたは酸素であり、環Aはアリール基またはヘタリール基(それらはそれぞれが、C〜C12−アルキル、C〜C12−アルコキシ、シアノ、−CONHRおよび/または−NHCORにより一置換または多置換されることがある)である)と、不活性な窒素塩基性の有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で反応させることによって
変換すること;
d2)リレン核が置換され、R'がシアノであり、mが0に等しくない式I'''のリレン色素を得るために、双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下でシアン化銅(I)と反応させることによって
変換すること;
d3)リレン核が置換され、R'が−C≡C−R''であり、mが0に等しくない式I'''のリレン色素を得るために、下記の一般式Vのアルキン:
(V)
Figure 0004582636
(式中、R''はC〜C16−アルキル基(これは、1つまたは複数の−O−基、−S−基、−NR−基、−CO−基および/または−SO−基により中断されることがあり、かつ、−COOR、−SO、ヒドロキシル、シアノ、C〜C−アルコキシ、C〜C−シクロアルキル、アリール、および/または5員〜7員の複素環基[これは窒素原子を介して結合し、また、さらなるヘテロ原子を含有することがあり、かつ芳香族であり得る]により一置換または多置換されることがある)である)
と、非プロトン性有機溶媒の存在下、触媒としてのパラジウム錯体の存在下、助触媒としての銅塩の存在下、および塩基の存在下で反応させることによって
変換すること;または
d4)リレン核が置換され、R'が−NR であり、mが0に等しくない式I'''のリレン色素を得るために、アンモニアまたは下記の一般式VIのアミン:
(VI)
Figure 0004582636
と、双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下で反応させることによって
変換すること
を含む。
特に、冒頭で述べられたリレン色素Iの様々な適用もまた見出された。
式I〜式Vに存在するアルキル基はすべて、直鎖または分枝状であり得る。アルキル基が置換されるとき、そのアルキル基は一般には、1つまたは2つの置換基を有する。
好適なR基、R基、R基、R基、R'基およびR''基(ならびにそれらの置換基)の具体的な例は下記の通りである:
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、1−エチルペンチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシルおよびエイコシル(上記用語のイソオクチル、イソノニル、イソデシルおよびイソトリデシルは慣用名であり、オキソ法によって得られるアルコールに由来する);2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−イソプロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−メトキシプロピル、3−メトキシプロピル、2−エトキシプロピル、3−エトキシプロピル、2−プロポキシプロピル、3−プロポキシプロピル、2−ブトキシプロピル、3−ブトキシプロピル、2−メトキシブチル、4−メトキシブチル、2−エトキシブチル、4−エトキシブチル、2−プロポキシブチル、4−プロポキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、4,8−ジオキサノニル、3,7−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサノニル、4,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサノニル、2−ブトキシブチル、4−ブトキシブチル、4,8−ジオキサデシル、3,6,9−トリオキサデシル、3,6,9−トリオキサウンデシル、3,6,9−トリオキサドデシル、3,6,9,12−テトラオキサトリデシル、および3,6,9,12−テトラオキサテトラデシル;
2−メチルチオエチル、2−エチルチオエチル、2−プロピルチオエチル、2−イソプロピルチオエチル、2−ブチルチオエチル、2−メチルチオプロピル、3−メチルチオプロピル、2−エチルチオプロピル、3−エチルチオプロピル、2−プロピルチオプロピル、3−プロピルチオプロピル、2−ブチルチオプロピル、3−ブチルチオプロピル、2−メチルチオブチル、4−メチルチオブチル、2−エチルチオブチル、4−エチルチオブチル、2−プロピルチオブチル、4−プロピルチオブチル、3,6−ジチアヘプチル、3,6−ジチアオクチル、4,8−ジチアノニル、3,7−ジチアオクチル、3,7−ジチアノニル、2−ブチルチオブチル、4−ブチルチオブチル、4,8−ジチアデシル、3,6,9−トリチアデシル、3,6,9−トリチアウンデシル、3,6,9−トリチアドデシル、3,6,9,12−テトラチアトリデシル、および3,6,9,12−テトラチアテトラデシル;
2−モノメチルアミノエチル、2−モノエチルアミノエチル、2−ジメチルアミノエチル、2−ジメチルアミノプロピル、3−ジメチルアミノプロピル、3−モノイソプロピルアミノプロピル、2−モノプロピルアミノブチル、4−モノプロピルアミノブチル、2−ジメチルアミノブチル、4−ジメチルアミノブチル、6−メチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザヘプチル、3,6−ジアザオクチル、3,6−ジメチル−3,6−ジアザオクチル、9−メチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザデシル、3,6,9−トリアザウンデシル、3,6,9−トリメチル−3,6,9−トリアザウンデシル、12−メチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル、および3,6,9,12−テトラメチル−3,6,9,12−テトラアザトリデシル;
プロパン−2−オン−1−イル、ブタン−3−オン−1−イル、ブタン−3−オン−2−イル、および2−エチルペンタン−3−オン−1−イル;
2−メチルスルホニルエチル、2−エチルスルホニルエチル、2−プロピルスルホニルエチル、2−イソプロピルスルホニルエチル、2−ブチルスルホニルエチル、2−メチルスルホニルプロピル、3−メチルスルホニルプロピル、2−エチルスルホニルプロピル、3−エチルスルホニルプロピル、2−プロピルスルホニルプロピル、3−プロピルスルホニルプロピル、2−ブチルスルホニルプロピル、3−ブチルスルホニルプロピル、2−メチルスルホニルブチル、4−メチルスルホニルブチル、2−エチルスルホニルブチル、4−エチルスルホニルブチル、2−プロピルスルホニルブチル、4−プロピルスルホニルブチルおよび4−ブチルスルホニルブチル;
カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル、5−カルボキシペンチル、6−カルボキシヘキシル、8−カルボキシオクチル、10−カルボキシデシル、12−カルボキシドデシルおよび14−カルボキシテトラデシル;
スルホメチル、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、4−スルホブチル、5−スルホペンチル、6−スルホヘキシル、8−スルホオクチル、10−スルホデシル、12−スルホドデシルおよび14−スルホテトラデシル;
2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシプロパ−2−イル、2−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、1−ヒドロキシブタ−2−イル、および8−ヒドロキシ−4−オキサオクチル;
シアノメチル、2−シアノエチル、3−シアノプロピル、2−メチル−3−エチル−3−シアノプロピル、7−シアノ−7−エチルヘプチル、および4,7−ジメチル−7−シアノヘプチル;
メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、tert−ペントキシおよびヘキソキシ;
カルバモイル、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、ブチルアミノカルボニル、ペンンチルアミノカルボニル、ヘキシルアミノカルボニル、ヘプチルアミノカルボニル、オクチルアミノカルボニル、ノニルアミノカルボニル、デシルアミノカルボニルおよびフェニルアミノカルボニル;
ホルミルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルアミノおよびベンゾイルアミノ;
塩素、臭素およびヨウ素;
アミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジペンチルアミノ、ジヘキシルアミノ、ジヘプチルアミノ、ジオクチルアミノ、ジノニルアミノ、ジデシルアミノ、N−ピペリジニルおよびN−ピロリジニル;
フェニルアゾ、2−ナフチルアゾ、2−ピリジルアゾ、および2−ピリミジルアゾ;
フェニル、2−ナフチル、2−ピリル、3−ピリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−(1,2,4−トリアジル)、2−(1,3,5−トリアジル)、6−キナルジル、3−キノリニル、5−キノリニル、6−キノリニル、8−キノリニル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアジアゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル、1−イソキノリルおよび5−イソキノリル;
2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニル、4−エチルフェニル、2,4−ジエチルフェニル、2,5−ジエチルフェニル、3,5−ジエチルフェニル、2,6−ジエチルフェニル、2,4,6−トリエチルフェニル、2−プロピルフェニル、3−プロピルフェニル、4−プロピルフェニル、2,4−ジプロピルフェニル、2,5−ジプロピルフェニル、3,5−ジプロピルフェニル、2,6−ジプロピルフェニル、2,4,6−トリプロピルフェニル、2−イソプロピルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、2,4−ジイソプロピルフェニル、2,5−ジイソプロピルフェニル、3,5−ジイソプロピルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル、2−ブチルフェニル、3−ブチルフェニル、4−ブチルフェニル、2,4−ジブチルフェニル、2,5−ジブチルフェニル、3,5−ジブチルフェニル、2,6−ジブチルフェニル、2,4,6−トリブチルフェニル、2−イソブチルフェニル、3−イソブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、2,4−ジイソブチルフェニル、2,5−ジイソブチルフェニル、3,5−ジイソブチルフェニル、2,6−ジイソブチルフェニル、2,4,6−トリイソブチルフェニル、2−sec−ブチルフェニル、3−sec−ブチルフェニル、4−sec−ブチルフェニル、2,4−ジ−sec−ブチルフェニル、2,5−ジ−sec−ブチルフェニル、3,5−ジ−sec−ブチルフェニル、2,6−ジ−sec−ブチルフェニル、2,4,6−トリ−sec−ブチルフェニル、2−tert−ブチルフェニル、3−tert−ブチルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル、2,5−ジ−tert−ブチルフェニル、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル、2,6−ジ−tert−ブチルフェニル、および2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル;2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、4−メトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2,5−ジメトキシフェニル、3,5−ジメトキシフェニル、2,6−ジメトキシフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−エトキシフェニル、3−エトキシフェニル、4−エトキシフェニル、2,4−ジエトキシフェニル、2,5−ジエトキシフェニル、3,5−ジエトキシフェニル、2,6−ジエトキシフェニル、2,4,6−トリエトキシフェニル、2−プロポキシフェニル、3−プロポキシフェニル、4−プロポキシフェニル、2,4−ジプロポキシフェニル、2,5−ジプロポキシフェニル、3,5−ジプロポキシフェニル、2,6−ジプロポキシフェニル、2−イソプロポキシフェニル、3−イソプロポキシフェニル、4−イソプロポキシフェニル、2,4−ジプロポキシフェニル、2,5−ジプロポキシフェニル、3,5−ジプロポキシフェニル、2,6−ジプロポキシフェニル、2−ブトキシフェニル、3−ブトキシフェニル、および4−ブトキシフェニル;2−クロロフェニル、3−クロロフェニル、4−クロロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、および2,6−ジクロロフェニル;2−ヒドロキシフェニル、3−ヒドロキシフェニル、4−ヒドロキシフェニル、2,4−ジヒドロキシフェニル、2,5−ジヒドロキシフェニル、3,5−ジヒドロキシフェニル、および2,6−ジヒドロキシフェニル;2−シアノフェニル、3−シアノフェニル、および4−シアノフェニル;3−カルボキシフェニルおよび4−カルボキシフェニル;3−カルボキサミドフェニル、4−カルボキサミドフェニル、3−N−メチルカルボキサミドフェニル、4−N−メチルカルボキサミドフェニル、3−N−エチルカルボキサミドフェニル、および4−N−エチルカルボキサミドフェニル;3−アセチルアミノフェニル、4−アセチルアミノフェニル、3−プロピオニルアミノフェニル、4−プロピオニルアミノフェニル、3−ブチリルアミノフェニル、および4−ブチリルアミノフェニル;3−N−フェニルアミノフェニル、4−N−フェニルアミノフェニル、3−N−(o−トリル)アミノフェニル、4−N−(o−トリル)アミノフェニル、3−N−(m−トリル)アミノフェニル、4−N−(m−トリル)アミノフェニル、3−N−(p−トリル)アミノフェニル、および4−N−(p−トリル)アミノフェニル;3−(2−ピリジル)アミノフェニル、4−(2−ピリジル)アミノフェニル、3−(3−ピリジル)アミノフェニル、4−(3−ピリジル)アミノフェニル、3−(4−ピリジル)アミノフェニル、4−(4−ピリジル)アミノフェニル、3−(2−ピリミジル)アミノフェニル、4−(2−ピリミジル)アミノフェニル、および4−(4−ピリミジル)アミノフェニル;
4−フェニルアゾフェニル、4−(1−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ナフチルアゾ)フェニル、4−(4−ナフチルアゾ)フェニル、4−(2−ピリジルアゾ)フェニル、4−(3−ピリジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリジルアゾ)フェニル、4−(2−ピリミジルアゾ)フェニル、4−(4−ピリミジルアゾ)フェニル、および4−(5−ピリミジニルアゾ)フェニル;
シクロペンチル、2−メチルシクロペンチル、3−メチルシクロペンチル、2−エチルシクロペンチル、3−エチルシクロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、3−メチルシクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル、2−エチルシクロヘキシル、3−エチルシクロヘキシル、4−エチルシクロヘキシル、3−プロピルシクロヘキシル、4−プロピルシクロヘキシル、3−イソプロピルシクロヘキシル、4−イソプロピルシクロヘキシル、3−ブチルシクロヘキシル、4−ブチルシクロヘキシル、3−sec−ブチルシクロヘキシル、4−sec−ブチルシクロヘキシル、3−tert−ブチルシクロヘキシル、4−tert−ブチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、2−メチルシクロヘプチル、3−メチルシクロヘプチル、4−メチルシクロヘプチル、2−エチルシクロヘプチル、3−エチルシクロヘプチル、4−エチルシクロヘプチル、3−プロピルシクロヘプチル、4−プロピルシクロヘプチル、3−イソプロピルシクロヘプチル、4−イソプロピルシクロヘプチル、3−ブチルシクロヘプチル、4−ブチルシクロヘプチル、3−sec−ブチルシクロヘプチル、4−sec−ブチルシクロヘプチル、3−tertブチルシクロヘプチル、4−tertブチルシクロヘプチル、シクロオクチル、2−メチルシクロオクチル、3−メチルシクロオクチル、4−メチルシクロオクチル、5−メチルシクロオクチル、2−エチルシクロオクチル、3−エチルシクロオクチル、4−エチルシクロオクチル、5−エチルシクロオクチル、3−プロピルシクロオクチル、4−プロピルシクロオクチル、5−プロピルシクロオクチル、2−ジオキサニル、4−モルホリニル、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジル、1−ピペリジル、2−ピペリジル、3−ピペリジルおよび4−ピペリジル;
フェノキシ、フェニルチオ、2−ナフチルオキシ、2−ナフチルチオ、2−ピリジルオキシ、3−ピリジルオキシ、4−ピリジルオキシ、2−ピリジルチオ、3−ピリジルチオ、4−ピリジルチオ、2−ピリミジルオキシ、4−ピリミジルオキシ、5−ピリミジルオキシ、2−ピリミジルチオ、4−ピリミジルチオおよび5−ピリミジルチオ。
特に好ましいR'基の例には、臭素、ならびに、p−tert−ブチルフェノキシ、p−(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシ、p−(1,1−ジメチルブチル)フェノキシ、p−(1,1−ジメチルペンチル)フェノキシ、p−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシ、p−(2−シクロペンチル−1,1−ジメチルエチル)フェノキシ、p−(2−シクロヘキシル−1,1−ジメチルエチル)フェノキシ、p−(2−シクロヘプチル−1,1−ジメチルエチル)フェノキシ、およびp−(1,1−ジメチル−2−(4−モルホリニル)エチル)フェノキシがある。
リレン色素I(I'、I''およびI''')は、好都合なことに、ペリ位がモノブロモ化されたリレン誘導体II'から出発する本発明による多段階プロセスによって調製することができる。
工程a)においてリレン色素I'を調製するために、II''は、1−アミノアントラキノンと、リレンアントラミンIII'を得るためのクロスカップリング反応において反応させられ、または、対称リレン色素I''を調製するために、リレンアントラミンIII''を得るための1,5−ジアミノアントラキノンと反応させられる。非対称リレン色素III'''を調製する際には、工程a)が、最初にモノブロモ化リレン誘導体II'を過剰な1,5−ジアミノアントラキノンと反応させること(工程a1))および、得られるアミノリレンアントラミンIIIaを別のモノブロモ化リレン誘導体II''と反応させて、リレンアントラミンIII'''を得ること(工程a2))による2段階で行われる。
リレンアントラミンIII'、リレンアントラミンIII''およびリレンアントラミンIII'''(これらは本明細書中下記ではリレンアントラミンIIIとしてまとめられる)は、続いて、工程b)において、リレン核が置換されていないリレン色素I(m=0)を得るために環化反応に供される。
リレン核が臭素化されたリレン色素I(R'=Br、m≠0)を、続く工程c)において、元素状臭素との反応によって得ることができる。
リレン核が置換されたさらなるリレン色素Iを、臭素化されたリレン色素から、工程d)における臭素交換によって得ることができる。例えば、アリールオキシ(ヘタリールオキシ)およびアリールチオ(ヘタリールチオ)、シアノ、アルキニル基R'またはアミノ基R'によって置換されているリレン色素Iを、(複素)芳香族の(チオ)アルコールIVとの反応(工程d1))、シアン化銅(I)との反応(工程d2))、1−アルキンVとの反応(工程d3))、または、アンモニアもしくは第一級アミンもしくは第二級アミンVIとの反応(工程d4))によって調製することができる。
工程a)における反応物として使用される、ペリ位がモノブロモ化されたナフタレン−1,8−ジカルボキシミドまたはペリレン−3,4−ジカルボキシミドが国際特許出願公開WO−A−01/16109によって開示される。反応物として使用される、ペリ位がモノブロモ化されたテリレン−3,4−ジカルボキシミドまたはクアテリレン−3,4−ジカルボキシミドがドイツ国特許公開第10108156号(これは本発明の優先権日において公開されていない)によって開示されており、それらは、それに記載された下記の3段階のプロセスによって、すなわち、
A)極性有機溶媒の存在下での、下記の式VIIの非対称リレンテトラカルボン酸ジイミド:
(VII)
Figure 0004582636
(式中、RはC〜C−シクロアルキル(その炭素骨格は、1つまたは複数の−O−、−S−および/または−NR−基により中断されることがあり、かつ、C〜C−アルキルにより一置換または多置換されることがある)であり、nは2または3である)
の一方の側でのアルカリ加水分解、
B)第三級窒素塩基性化合物の存在下および遷移金属触媒の存在下での、工程A)で形成された、下記の式VIIIのリレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物:
(VIII)
Figure 0004582636
の一方の側での脱カルボキシル化、および
C)ペリ位が非置換である下記の式IXのリレン−3,4−ジカルボキシミド:
(IX)
Figure 0004582636
を元素状臭素と反応すること
によって調製することができる。
このプロセスの工程A)のために好適な極性溶媒は、特に、分枝状のC〜C−アルコールであり、例えば、イソプロパノール、tert−ブタノールおよび2−メチル−2−ブタノールなどである。
一般には、40g〜400gの溶媒が1グラムのVIIについて使用される。
好適な塩基は、無機塩基(特に、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウム)であり、これらは、好ましくは、(一般には50重量%〜80重量%の)水溶液または水性懸濁物の形態で使用される)、および有機塩基(特に、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルコキシド、だが、ナトリウムアルコキシドおよびカリウムアルコキシド(例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、カリウムイソプロポキシドおよびカリウムtert−ブトキシドなど)が好ましく、これらは典型的には無水形態で使用される)である。
一般には、VIIに基づいて5当量〜50当量の塩基が要求される。
反応温度は、一般には50℃〜120℃であり、好ましくは60℃〜100℃である。
加水分解は、典型的には10時間〜40時間のうちに完了する。
このプロセスの工程B)において、リレンテトラカルボン酸モノイミド一無水物VIIIは、溶媒としての第三級窒素塩基性の化合物の存在下および遷移金属触媒の存在下で、一方の側が脱カルボキシル化される。
好適な溶媒は、特に、高沸点の窒素塩基(例えば、N−メチルピロリドンなどの環状アミド)および芳香族複素環化合物(例えば、キノリン、イソキノリンおよびキナルジンなど)である。
溶媒の典型的な量は1グラムのVIIについて20g〜150gである。
好適な触媒は、特に、遷移金属の銅および亜鉛、そしてまた、特に、それらの無機塩および有機塩であり、これらは、好ましくは無水形態で使用される。
好ましい塩の例は、酸化銅(I)、酸化銅(II)、塩化銅(I)、酢酸銅(II)、酢酸亜鉛およびプロピオン酸亜鉛であり、酸化銅(I)および酢酸亜鉛が特に好ましい。
言及された触媒の混合物もまた使用され得ることが理解される。
一般には、50モル%〜90モル%の触媒がVIIIに基づいて使用される。
反応温度は、一般には100℃〜250℃であり、特に160℃〜200℃である。保護的なガス雰囲気(例えば、窒素)を使用しながら処理することが推奨される。
典型的には、脱カルボキシル化は3時間〜20時間のうちに完了する。
このプロセスの工程C)は、リレン−3,4−ジカルボキシミドIXの位置選択的な臭素化であり、好ましくは、脂肪族モノカルボン酸(特にC〜C−カルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸など)またはその混合物において、あるいは、ハロゲン化脂肪族溶媒またはハロゲン化芳香族溶媒(例えば、塩化メチレン、クロロホルムまたはクロロベンゼンなど)において行われる。
典型的には、5g〜30g(好ましくは15g〜25g)の溶媒が、臭素化される1グラムのIXについて使用される。
一般には、ハロゲン化触媒の存在は必要とされない。しかしながら、臭素化反応の促進が(約1.5倍〜2倍)所望される場合、元素状ヨウ素を、IXに基づいて、好ましくは1モル%〜5モル%の量で添加することが推奨される。
一般には、臭素対IXのモル比は約1:1〜5:1であり、好ましくは3:1〜4:1である。
反応温度は0℃〜70℃であり、特に10℃〜40℃である。
基質IXの反応性およびヨウ素の存在の有無に依存して、臭素化は典型的には2時間〜12時間のうちに完了する。
本発明によるプロセスの工程a)は、リレン誘導体II'と1−アミノアントラキノンまたは1,5−ジアミノアントラキノンとのクロスカップリングであり、非プロトン性有機溶媒の存在下、遷移金属触媒系の存在下、および塩基の存在下で行われる。
特に好適な非プロトン性有機溶媒は、無水の不活性な芳香族溶媒、例えば、ベンゼンおよびそのアルキル化物(例えば、トルエン、ならびにo−キシレン、m−キシレンおよびp−キシレンなど)、そしてまた、脂肪族エーテルおよび環状脂肪族エーテル(例えば、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサンおよびテトラヒドロフランなど)である。
溶媒量は、1グラムのII'に基づいて、典型的には60g〜380gであり、好ましくは120g〜150gである。
好適な遷移金属触媒は特にパラジウム化合物であり、好ましい例には、パラジウム(0)錯体およびパラジウム(II)錯体、例えば、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロ[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)、およびジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)など、そして酢酸パラジウム(II)がある。
典型的には、遷移金属触媒は、II'に基づいて、0.4モル%〜5モル%の量で、好ましくは1モル%〜3モル%の量で使用される。
ホスフィンに基づく助触媒をさらに使用することが好ましい。このような助触媒の好ましい例には、二座ホスフィンリガンド、例えば、ラセミ体2,2'−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1'−ビナフチル、1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、1,1'−ビス(ジ−o−トリルホスフィノ)フェロセン、1,1'−ビス(ジ−p−メトキシフェニルホスフィノ)フェロセン、および2,2'−ビス(ジ−o−トリルホスフィノ)ジフェニルエーテルなど、そして、単座ホスフィンリガンドとして作用するホスフィン化合物、例えば、トリ−o−トリルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィンおよびトリフェニルホスフィンなどがある。
助触媒の好適な量は、II'に基づいて、一般には1モル%〜10モル%であり、好ましくは1モル%〜5モル%である。
特に好適な塩基は、アルカリ金属アミド、特に、アルカリ金属ジ(C〜C−アルキル)アミド、ならびに、アルカリ金属アルコキシド、特に、第二級および第三級の脂肪族(C〜C−)アルコールのアルカリ金属塩である。これらの塩基の好ましい例には、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミドおよびカリウムジイソプロピルアミド、そしてまた、リチウムイソプロポキシド、ナトリウムイソプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、およびカリウムtert−ブトキシドがあり、ナトリウムtert−ブトキシドおよびカリウムtert−ブトキシドが特に好ましい。
一般には、少なくとも等モル量の塩基、好ましくは、1モルのII'について1.1molの塩基が使用される。
リレン色素I'を調製する場合、1−アミノアントラキノンおよびリレン誘導体II'は、一般には、0.8:1〜1:1のモル量で使用される。対称リレン色素I''を調製する場合、1,5−ジアミノアントラキノン対リレン誘導体II'の特に好適なモル比は、一般には、0.4:1〜0.5:1である。
反応温度は典型的には50℃〜120℃であり、好ましくは70℃〜100℃である。
保護的なガス雰囲気のもとで処理することが推奨される。
リレン誘導体II'の反応性および使用された触媒の量に依存して、反応時間は一般には6時間〜40時間であり、特に18時間〜24時間である。
非対称リレン色素I'''の調製において、部分工程a1)および部分工程a2)における手順は、それぞれの場合、工程a)と類似している。工程a1)において、1,5−ジアミノアントラキノン対リレン誘導体II'のモル比のみが、好ましくは1:0.3〜1:0.8に調節され、そして、工程a)と同様に、工程a2)におけるアミノリレンアントラミンIIIa対リレン誘導体II''のモル比は0.8:1〜1:1である。
方法に関して、工程a)における手順は好都合には下記の通りである:
溶媒、触媒および助触媒が、最初に、保護的なガス雰囲気で仕込まれ、リレン誘導体II'またはリレン誘導体II''、1−アミノアントラキノンまたは1,5−ジアミノアントラキノンまたはアミノリレンアントラミンIIIa、および塩基が、撹拌とともに連続して加えられ、そして、混合物が、保護的なガス雰囲気のもとで6時間〜24時間、所望される反応温度に加熱される。室温に冷却した後、固体成分が反応混合物からろ過され、極性有機溶媒(例えば、エタノール)で洗浄され、続いて水で洗浄される。所望される場合、ろ過物はさらに、薄い鉱酸(例えば、硫酸)において撹拌され、最後に、中性になるまで水で洗浄され得る。
このようにして調製されたリレンアントラミンIIIの精製は、一般には、さらなる処理のためには十分である。場合により、粗生成物を、クロロホルム、塩化メチレン/石油エーテルまたはN−メチルピロリドンからの再沈殿によって、あるいは、塩化メチレン/テトラヒドロフランの混合物を溶出液として使用するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーによってさらに精製することができる。
本発明によるプロセスの工程b)は、リレン核が置換されていないリレン色素Iを得るためのリレンアントラミンIIIの環化であり、極性有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で行われる。
この目的のためには、特に、高沸点の酸素溶媒または窒素溶媒が好適であり、例えば、エーテル(例えば、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびジエチレングリコールジエチルエーテルなど)、多価アルコール(例えば、ジエチレングリコールなど)、アミノアルコール(例えば、アミノエタノールなど)、カルボキサミド(例えば、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなど)、N−メチルピロリドン、および第三級窒素塩基(例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−3−エンおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなど)が好適である。
一般には、10g〜50g(好ましくは20g〜30g)の溶媒が1グラムのIIIについて使用される。
好適な塩基は、無機塩基、特に、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムなど)、ならびに、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸セシウムなど)、そしてまた、有機塩基、特に、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のアルコキシド(ナトリウムアルコキシドおよびカリウムアルコキシド、例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、カリウムイソプロポキシドおよびカリウムtert−ブトキシドなどが好ましい)、ならびにアルカリ金属アミド(例えば、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムジイソプロピルアミドおよびカリウムジイソプロピルアミドであり、これらは、典型的には、無水形態で使用される。
一般には、IIIに基づいて、3モル当量〜30モル当量(特に8モル当量〜10モル当量)の塩基が使用される。
反応温度は典型的には50℃〜180℃であり、好ましくは90℃〜120℃である。
保護的なガス雰囲気のもとで処理することは好都合である。
リレンアントラミンIIIの反応性に依存して、反応時間は一般には2時間〜80時間である。
方法に関して、工程b)における手順は好都合には下記の通りである:
無水溶媒および触媒が、最初に、保護的なガス雰囲気で仕込まれ、混合物が所望の反応温度に加熱され、リレンアントラミンIIIが、所望される場合には非常に少量のさらなる溶媒における溶液または懸濁物の形態で加えられる。2時間〜80時間の反応時間の後、反応混合物は50℃〜60℃に冷却され、溶媒の体積に等しい量の低沸点アルコール(例えば、メタノールまたはエタノール)が加えられ、混合物が撹拌とともに冷却される。続いて、pHが、酸(例えば、50重量%の酢酸)を加えることによって6に調節され、そして、反応生成物がろ過され、熱水で洗浄され、約100℃で減圧乾燥される。
所望される場合には、得られる置換されていないリレン色素Iを、テトラヒドロフランなどの溶媒を用いた抽出によってさらに精製することができる。
リレン核が臭素化されているリレン色素I(I'、I''またはI''')が調製されるとき、本発明によるプロセスの工程c)の置換されていないリレン色素Iが元素状臭素と反応させられる。
好適な溶媒は、特に、1個〜4個の炭素原子を好ましくは有する脂肪族モノカルボン酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸および酪酸など、そしてまた、その混合物、ならびにハロゲン化脂肪族炭化水素またはハロゲン化芳香族炭化水素、例えば、塩化メチレン、クロロホルムおよびクロロベンゼンなどである。
典型的には、50g〜300g(好ましくは70g〜100g)の溶媒が、臭素化される1グラムのリレン色素Iについて使用される。
臭素対リレン色素Iのモル比は臭素化の所望される程度に依存する。一般には、導入されるそれぞれの臭素原子について、1.1mol〜3molのIが使用される。
一般には、ハロゲン化触媒の存在は必要とされない。しかしながら、臭素化反応の促進が(約1.5倍〜3倍)所望される場合、元素状ヨウ素を、Iに基づいて、好ましくは1モル%〜5モル%の量で添加することが推奨される。
反応温度は一般には0℃〜70℃であり、好ましくは10℃〜40℃である。
臭素化されるリレン色素Iの反応性およびヨウ素の存在の有無に依存して、臭素化は典型的には2時間〜24時間のうちに完了する。
方法に関して、工程c)における手順は好都合には下記の通りである:
溶媒およびリレン色素Iが最初に仕込まれ、混合物が15分〜30分のうちに撹拌とともに所望の反応温度に調節され、そして、何らかの触媒、続いて5分〜10分のうちに所望量の臭素が加えられ、混合物が、反応温度で2時間〜24時間、遮光しながら撹拌される。過剰な臭素が、激しい窒素流を使用して除かれた後、反応混合物がほぼ同じ量の脂肪族アルコール(例えば、メタノールなど)の中に導入され、一晩撹拌される。析出した生成物がろ過され、好ましくは同じアルコールで洗浄され、次いで水で洗浄されて、約120℃で減圧乾燥される。
典型的には、このようにして調製される臭素化されたリレン色素Iは、クロロホルムを溶出液として使用するシルカゲルでのカラムクロマトグラフィーによって、または、エタノールなどの溶媒を用いた抽出によって、その後の反応の前に精製される。
場合によりアルキルまたはアルコキシで置換されたアリールオキシ、アリールチオ、ヘタリールオキシまたはヘタリールチオによってリレン核が置換されているリレン色素Iを、臭素化されたリレン色素Iを不活性な窒素塩基性の有機溶媒および塩基の存在下で芳香族またはヘテロ芳香族のアルコールまたはチオアルコールIVと反応させることによって本発明によるプロセスの工程d1)において調製することができる。
この目的のための好適な不活性な窒素塩基性の溶媒は、とりわけ極性溶媒であり、特に、窒素複素環化合物、例えば、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリン、キナルジン、および、好ましくはN−メチルピロリドンなど、そしてまた、カルボキサミド、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドなどである。
臭素化されたリレン色素Iの溶解性に依存して、溶媒量は、1グラムの臭素化されたリレン色素Iについて、典型的には2g〜40gであり、好ましくは4g〜25gである。
好適な塩基は、特に、非求核性の化合物、または求核性がほんの弱い化合物である。そのような塩基の例には、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムなど)、アルカリ金属の炭酸塩(例えば、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムなど)、そしてまた、第三級アルコールのアルカリ金属アルコキシド(例えば、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシドおよびカリウムtert−ブトキシドなど)があり、これらは無水形態で使用される。
一般には、0.8モル当量〜1.5モル当量(好ましくは1モル当量〜1.2モル当量)の塩基が、置換される1モルの臭素原子について使用される。
臭素化されたリレン色素I対アルコールまたはチオアルコールIVのモル比も同様に、置換される臭素原子の数に依存する。一般には、1mol〜2mol(好ましくは1mol〜1.3mol)のIVが、交換される1モルの臭素原子について使用される。
反応温度は、典型的には50℃〜200℃の範囲にあり、好ましくは60℃〜140℃の範囲にある。
反応を保護的なガスのもとで行うことが推奨される。
臭素化されたリレン色素Iの反応性に依存して、反応時間は約2時間〜48時間である。
反応条件(すなわち、アルコールまたはチオアルコールIVおよび塩基の量、そしてまた、反応温度)の選択は、好都合には、臭素交換を制御するために使用することができ、その結果、すべての臭素原子が交換されたリレン色素Iだけでなく、臭素を依然として含有するリレン色素Iもまた、何ら問題を伴うことなく調製することができる。所望される場合には、その後、臭素をリレン色素Iから除くことができる。
方法に関して、工程d1)における手順は、好都合には、溶媒が最初に仕込まれ、臭素化されたリレン色素I、アルコールまたはチオアルコールIV、および塩基が加えられ、得られる溶液または懸濁物が、所望の反応温度に2時間〜48時間、保護的なガスのもとでの撹拌とともに加熱されることである。
反応生成物を、室温に冷却した後、析出した反応生成物を直接ろ過することによって、あるいは、3倍量〜4倍量の水または薄い無機酸(例えば、5重量%〜10重量%の塩酸)または脂肪族アルコール(例えば、メタノール)で希釈した後でろ過し、少量の溶媒で最初に洗浄し、続いて、洗浄液が中性になるまで水で洗浄して、減圧乾燥することによって単離することができる。
多くの場合、反応を2段階で行うことが、高い生成物純度を達成するためには好都合であり得る。この場合、臭素化されたリレン色素Iは、最初に、ほんの部分的な量(好都合には、最も反応活性な臭素置換基を交換するために要求される量)のアルコールまたはチオアルコールIVおよび塩基と反応させられ、部分的に変換された生成物が、ろ過によって反応混合物から除かれ、続いて、所望される生成物を得るために、残る量のIVおよび塩基と反応させられる。
リレン核がシアノによって置換されているリレン色素Iを、臭素化されたリレン色素Iを双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下でシアン化銅(I)と反応させることにより本発明によるプロセスの工程d2)によって調製することができる。
好適な双極性の非プロトン性溶媒は、特に、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、スルホン(例えば、スルホランなど)、N−メチルピロリドン、カルボキサミド(例えば、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなど)、および窒素複素環化合物(例えば、ピリジン、ピリミジン、キノリン、イソキノリンおよびキナルジンなど)である。
溶媒量は、それ自体は重要ではなく、典型的には20g〜100g(好ましくは40g〜60g)の溶媒が1グラムの臭素化されたリレン色素Iについて使用される。
臭素化されたリレン色素I対シアン化銅(I)のモル比は、置換される臭素原子の数に依存する。一般には、1mol〜3mol(好ましくは1mol〜1.3mol)のシアン化銅(I)が、交換される1モルの臭素原子について使用される。
反応温度は、典型的には50℃〜280℃であり、特に100℃〜180℃である。
好都合には、反応は保護的なガスのもとで行われる。
反応時間は一般には約1時間〜48時間である。
方法に関して、工程d2)における手順は、好都合には、溶媒が最初に仕込まれ、臭素化されたリレン色素Iおよびシアン化銅(I)が加えられ、得られる溶液または懸濁物が、所望の反応温度に1時間〜48時間、保護的なガスのもとでの撹拌とともに加熱されることである。
反応生成物は工程d1)の場合のように単離することができる。
場合により置換されたC〜C18−1−アルキニルによってリレン核が置換されているリレン色素Iを、臭素化されたリレン色素Iを、非プロトン性溶媒の存在下、触媒としてのパラジウム錯体の存在下、助触媒としての銅塩の存在下、および塩基の存在下で、アルキンVと反応させることによって本発明によるプロセスの工程d3)において得ることができる。
好適な非プロトン性溶媒は、特に、10個までの炭素原子を有する直鎖脂肪族エーテルおよび環状脂肪族エーテルであり、例えば、ジエチルエーテル、ジ−n−プロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−エトキシエタン、ジオキサン、および特にテトラヒドロフランなどである。
一般には、20g〜100g(好ましくは40g〜60g)の溶媒が1グラムの臭素化されたリレン色素Iについて使用される。
添加される塩基は、同時に共溶媒として役立つ。この目的のためには、特に、エーテルとの混和性を有し、かつ、室温よりも低い融点および反応温度よりも高い沸点を有する有機窒素塩基が好適である。好ましい塩基は、15個までの炭素原子を有する脂肪族アミン(特に、第三級アミン、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミンおよびトリ−n−ブチルアミンなど)、および環状脂肪族アミン(特にピペリジン)である。
典型的には、0.2g〜1.5g(好ましくは0.8g〜1.2g)の塩基が1グラムの溶媒について使用される。
触媒として好適なパラジウム錯体の例には、テトラキス(トリス−o−トリルホスフィン)パラジウム(0)、[1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン]パラジウム(II)塩化物、[1,1'−ビス(ジフィルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)塩化物、ビス(トリエチルホスフィン)パラジウム(II)塩化物、ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)塩化物、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)酢酸塩、(2,2'−ビピリジル)パラジウム(II)塩化物、ならびに特に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ジパラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)塩化物、ビス(アセトニトリル)パラジウム(II)塩化物、およびビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)塩化物がある。
助触媒として特に好適な銅(I)塩の一例がヨウ化銅(I)である。
一般には2モル%〜15モル%(好ましくは5モル%〜10モル%)のパラジウム錯体が、そして、一般には2モル%〜20モル%(好ましくは7モル%〜12モル%)の銅塩が、それぞれの場合、臭素化されたリレン色素Iに基づいて、使用される。
次に、臭素化されたリレン色素I対アルキンのモル比は、置換される臭素原子の数に依存する。一般には、1mol〜2mol(好ましくは1mol〜1.5mol)のアルキンVが、交換される1モルの臭素原子について使用される。
反応温度は、典型的には20℃〜140℃であり、特に40℃〜90℃である。
使用されるアルキンに依存して、反応は、大気圧下で、または、典型的には50barまでの加圧下で行うことができる。加圧下での方法は、揮発性のアルキンが使用されるときに必要である。
反応時間は典型的には約3時間〜12時間である。
方法に関して、工程d3)における手順は、好都合には、実質的に無水の溶媒および実質的に無水の塩基が最初に仕込まれ、臭素化されたリレン色素Iが加えられ、次いで、繰り返される脱気および乾燥窒素による通気の後、銅塩、パラジウム錯体およびアルキン(揮発性のアルキンは、重量測定の後、密閉装置の中に注入される)が、得られた溶液または懸濁物に窒素下での撹拌とともに加えられ、所望の温度に3時間〜12時間加熱されることである。
反応生成物は工程d1)の場合のように単離することができる。
リレン核が−NR によって置換されているリレン色素Iを、臭素化されたリレン色素Iを双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下でアンモニアまたはアミンVIと反応させることによって本発明によるプロセスの工程d4)において調製することができる。
好適な双極性の非プロトン性溶媒は、工程d2)について例として既に言及された溶媒である。
溶媒量は、それ自体は重要ではなく、典型的には20g〜100g(好ましくは40g〜60g)の溶媒が1グラムの臭素化されたリレン色素Iについて使用される。
次に、臭素化されたリレン色素I対アンモニアまたはアミンVIのモル比は、置換される臭素原子の数に依存する。一般には、1mol〜4mol(好ましくは1mol〜1.5mol)のアンモニアまたはアミンVIが、交換される1モルの臭素原子について使用される。
反応温度は、典型的には50℃〜280℃であり、特に100℃〜160℃である。
使用されるアミンに依存して、反応は、大気圧下で、または、一般には50barまでの加圧下で行うことができる。加圧下での方法は、アンモニアまたは揮発性アミンVIが使用されるときに必要である。
一般に、本発明に従って得られる置換されたリレン色素Iは、さらなる精製を不要にし得るような高い純度(>95%)を既に有している。分析的に純粋な生成物を、芳香族溶媒(例えば、トルエンおよびキシレンなど)またはハロゲン化脂肪族炭化水素もしくはハロゲン化芳香族炭化水素(例えば、塩化メチレンおよびクロロホルム、もしくはクロロベンゼンおよび1,2−ジクロロベンゼンなど)からの再結晶によって、あるいは、これらの溶媒における生成物の溶液をシリカゲルに通してろ過し、続いて濃縮することによって得ることができる。
本発明によるリレン色素Iは、高分子量の有機材料および無機材料(特に、例えば、プラスチック(特に熱可塑性プラスチック)、塗料および印刷用インク、そしてまた、酸化物層システム)を均一に着色するための優れた好適性を有している。
本発明によるリレン色素Iはまた、分散剤として、有機顔料用の顔料添加物として、および、顔料添加物を調製するための中間体として好適であり、また、有色であるか、または、電磁スペクトルの近赤外領域において吸収する水性ポリマー分散物を製造するために好適であり、また、電子写真における光伝導体として好適である。
実施例
本発明による式I'、式I''および式I'''のリレン色素の調製
a1)リレンアントラミンIII'の調製
実施例1〜実施例5
g(9.0mmol)のperi−ブロモリレン−3,4−ジカルボキシミドII'、1.8g(8.0mmol)の1−アミノアントラキノン、60mg(0.27mmol)の酢酸パラジウム(II)、0.39g(0.71mmol)のビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、およびalの無水トルエンからなる混合物を、窒素下で、0.96g(10.0mmol)のナトリウムtert−ブトキシドと混合し、80℃に加熱した。t時間後、反応混合物を室温に冷却した。
反応生成物をろ過し、最初に250mlのトルエンで、次いで500mlのエタノールで、最後に熱水で洗浄して、80℃で減圧乾燥した。
実験に関するさらなる詳細およびその結果が第1表にまとめられている。
Figure 0004582636
実施例1についての分析データ:
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]ペリレン−3,4−ジカルボキシミド:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:82.0/81.9;H:4.9/4.9;N:4.0/3.9;O:9.1/9.0;
質量分析(FD、8kV):m/z=702.2(M、100%);
IR(KBr):ν(cm−1)=1697、1662、1629、1592、1563;
UV/VIS(CHCl):λmax(ε)=530(28400)nm。
実施例2についての分析データ:
N−ドデシル−9−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]ペリレン−3,4−ジカルボキシミド:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:81.1/81.0;H:6.0/5.9;N:3.9/4.0;O:9.0/9.1;
質量分析(FD、8kV):m/z=710.3(M、100%)。
実施例3についての分析データ:
N−(4−メトキシフェニル)−9−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]ペリレン−3,4−ジカルボキシミド:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:79.6/79.6;H:3.7/3.6;N:4.3/4.4;O:12.3/12.3;
質量分析(FD、8kV):m/z=648.2(M、100%)。
実施例4についての分析データ:
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]テリレン−3,4−ジカルボキシミド:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:84.2/84.0;H:4.6/4.8;N:3.4/3.6;O:7.7/7.5;
質量分析(FD、8kV):m/z=826.3(M、100%)。
実施例5についての分析データ:
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−13−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]クアテリレン−3,4−ジカルボキシミド:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:85.9/86.0;H:4.5/4.3;N:3.0/3.2;O:6.7/6.4;
質量分析(FD、8kV):m/z=950.3(M、100%)。
a2)リレンアントラミンIII''の調製
実施例6〜実施例11
g(9.0mmol)のperi−ブロモリレン−3,4−ジカルボキシミドII'、0.95g(4.0mmol)の1、5−ジアミノアントラキノン、60mg(0.27mmol)の酢酸パラジウム(II)、0.39g(0.71mmol)のビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、およびalの無水トルエンからなる混合物を、窒素下で、0.96g(10.0mmol)のナトリウムtert−ブトキシドと混合し、80℃に加熱した。t時間後、反応混合物を室温に冷却した。
反応生成物をろ過し、最初に250mlのトルエンで、次いで500mlのエタノールで、最後に熱水で洗浄して、80℃で減圧乾燥した。
実験に関するさらなる詳細およびその結果が第2表にまとめられている。収率はII''に基づいている。
Figure 0004582636
実施例6についての分析データ:
N,N'−ビス[4−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノン:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:78.5/78.7;H:5.5/5.3;N:5.9/5.8;O:10.1/10.0;
質量分析(FD、8kV):m/z=948.4(M、100%);
IR(KBr):ν(cm−1)=1706、1668、1629、1571;
UV/VIS(CHCl):λmax(ε)=426(18400)、531(13200)nm。
実施例7についての分析データ:
N,N'−ビス[9−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノン:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:82.3/82.0;H:5.1/5.3;N:4.7/4.7;O:8.0/8.0;
質量分析(FD、8kV):m/z=1196.5(M、100%);
IR(KBr):ν(cm−1)=1702、1662、1627、1594、1565;
UV/VIS(CHCl):λmax(ε)=556(27100)nm。
実施例8についての分析データ:
N,N'−ビス[9−(N''−ドデシルペリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノン:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:81.27/81.0;H:6.3/6.3;N:4.6/4.7;O:7.9/7.9;
質量分析(FD、8kV):m/z=1212.6(M、100%)。
実施例9についての分析データ:
N,N'−ビス[9−(N''−(4−メトキシフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノン:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:79.4/79.5;H:3.7/3.5;N:5.1/5.0;O:11.8/11.9;
質量分析(FD、8kV):m/z=1088.3(M、100%)。
実施例10についての分析データ:
N,N'−ビス[11−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)テリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノン:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:84.7/84.5;H:4.7/4.8;N:3.9/3.9;O:6.6/6.7;
質量分析(FD、8kV):m/z=1444.5(M、100%);
IR(KBr):ν(cm−1)=1700、1669、1635、1565。
実施例11についての分析データ:
N,N'−ビス[13−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)クアテリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノン:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:86.5/86.5;H:4.5/4.3;N:3.3/3.4;O:5.7/5.7;
質量分析(FD、8kV):m/z=1692.6(M、100%);
IR(KBr):ν(cm−1)=1708、1665、1627、1566。
a3)リレンアントラミンIII'''の調製
実施例12
工程a'):
3.3g(7.5mmol)のN−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−4−ブロモナフタレン−1,8−ジカルボキシミド(II')、2.4g(10.0mmol)の1,5−ジアミノアントラキノン、60mg(0.27mmol)の酢酸パラジウム(II)、0.39g(0.71mmol)のビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、および500mlの無水トルエンからなる混合物を、窒素下で、0.77g(8.0mmol)のナトリウムtert−ブトキシドと混合し、80℃に加熱した。20時間後、反応混合物を室温に冷却した。
粗生成物をろ過し、最初に100mlのトルエンで、次いで300mlのエタノールで、最後に熱水で洗浄して、80℃で減圧乾燥した。クロロホルムを溶出液として使用するシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより、純粋なN−[4−(N'−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノンが得られた。
工程a''):
5.0g(9.0mmol)の9−ブロモ−N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシミド(II''')、4.5g(7.5mmol)のN−[4−(N'−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノン、60mg(0.27mmol)の酢酸パラジウム(II)、0.39g(0.71mmol)のビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテル、および1lの無水トルエンからなる混合物を、窒素下で、0.96g(10.0mmol)のナトリウムtert−ブトキシドと混合し、80℃に加熱した。24時間後、反応混合物を室温に冷却した。
粗生成物をろ過し、最初に150mlのトルエンで、次いで500mlのエタノールで、最後に熱水で洗浄して、80℃で減圧乾燥した。
5.6gのリレンアントラミンIII'''が得られた。これは、1,5−ジアミノアントラキノンに基づいて、52%の収率に対応する。
実施例12についての分析データ:
N−[4−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド)イル]−N−[9−(N'''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノン:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:80.6/80.4;H:5.3/5.4;N:5.2/5.4;O:8.9/8.7;
質量分析(FD、8kV):m/z=1073.3(M、100%);
IR(KBr):ν(cm−1)=1704、1669、1631、1568;
UV/VIS(CHCl):λmax(ε)=433、561nm。
b)非置換リレン色素(I'、I''およびI''')の調製
実施例13〜実施例24
15.0g(133mmol)のカリウムtert−ブトキシド、20.0g(131mmol)の1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、および200mlのジエチレングリコールジエチルエーテルからなる混合物を、120℃で1時間、窒素下で撹拌した。xg(10.0mmol)のリレンアントラミン(III'、III''またはIII''')を100mlの無水N−メチルピロリドンに懸濁して加えた後、混合物をT℃に加熱し、この温度でt時間保った。
50℃に冷却し、300mlのメタノールを加えた後、反応混合物を室温に冷却した。その後、十分な50重量%の酢酸を加えて、pHを6にした。粗生成物をろ過し、洗浄液が中性になるまで熱水で洗浄して、100℃で減圧乾燥し、続いて、テトラヒドロフランを使用するソックスレー抽出によって精製した。
これらの実験に関するさらなる詳細およびその結果もまた第3表にまとめられている。
Figure 0004582636
実施例13についての分析データ:
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−9−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]ペリレン−3,4−ジカルボキシミドの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:82.3/82.1;H:4.6/4.8;N:4.0/4.0;O:9.1/9.0;
質量分析(FD、8kV):m/z=700.2(M、100%);
UV/VIS(1,2、4−トリクロロベンゼン):λmax(ε)=601(23200)、800(22000)nm。
実施例14についての分析データ:
N−ドデシル−9−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]ペリレン−3,4−ジカルボキシミドの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:81.3/81.3;H:5.7/5.8;N:4.0/3.9;O:9.0/8.9;
質量分析(FD、8kV):m/z=708.3(M、100%);
UV/VIS(1,2、4−トリクロロベンゼン):λmax(ε)=602(23100)、802(22000)nm。
実施例15についての分析データ:
N−(4−メトキシフフェニル)−9−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]ペリレン−3,4−ジカルボキシミドの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:79.9/79.8;H:3.4/3.4;N:4.3/4.4;O:12.4/12.3;
質量分析(FD、8kV):m/z=646.2(M、100%);
UV/VIS(1,2、4−トリクロロベンゼン):λmax(ε)=602(23100)、801(21900)nm。
実施例16についての分析データ:
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−11−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]テリレン−3,4−ジカルボキシミドの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:84.5/84.7;H:4.4/4.4;N:3.4/3.2;O:7.8/7.6;
質量分析(FD、8kV):m/z=824.9(M、100%)。
実施例17についての分析データ:
N−(2,6−ジイソプロピルフェニル)−13−[N'−1−(アミノアントラキノニル)]クアテリレン−3,4−ジカルボキシミドの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:86.1/86.0;H:4.3/4.4;N:3.0/3.2;O:6.7/6.4;
質量分析(FD、8kV):m/z=948.3(M、100%)。
実施例18についての分析データ:
N,N'−ビス[4−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノンの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:78.8/78.5;H:5.1/5.3;N:5.9/5.9;O:10.2/10.2;
質量分析(FD、8kV):m/z=944.4(M、100%);
IR(KBr):ν(cm−1)=1697、1654、1621;
UV/VIS(1,2、4−トリクロロベンゼン):λmax(ε)=440(15800)、735(16000)、778(15900)nm。
実施例19についての分析データ:
N,N'−ビス[9−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノンの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:82.5/82.2;H:4.7/4.8;N:4.7/4.7;O:8.0/7.8;
質量分析(FD、8kV):m/z=1192.4(M、100%)。
実施例20についての分析データ:
N,N'−ビス[9−(N''−ドデシルペリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノンの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:81.4/81.4;H:6.0/5.9;N:4.6/4.5;O:7.9/8.0;
質量分析(FD、8kV):m/z=1208.6(M、100%)。
実施例21についての分析データ:
N,N'−ビス[9−(N''−(4−メトキシフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノンの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:79.7/79.6;H:3.3/3.4;N:5.2/5.0;O:11.8/11.9;
質量分析(FD、8kV):m/z=1084.3(M、100%)。
実施例22についての分析データ:
N,N'−ビス[11−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)テリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノンの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:85.0/85.1;H:4.5/4.3;N:3.9/3.9;O:6.7/6.7;
質量分析(FD、8kV):m/z=1445.7(M、100%)。
実施例23についての分析データ:
N,N'−ビス[13−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)クアテリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノンの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:86.7/86.6;H:4.3/4.3;N:3.3/3.3;O:5.7/5.7;
質量分析(FD、8kV):m/z=1688.6(M、100%)。
実施例24についての分析データ:
N−[4−(N''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ナフタレン−1,8−ジカルボキシミド)イル]−N'−[9−(N'''−(2,6−ジイソプロピルフェニル)ペリレン−3,4−ジカルボキシミド)イル]−1,5−ジアミノアントラキノンの脱水素環化生成物:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:80.9/80.8;H:4.9/5.0;N:5.2/5.3;O:9.0/8.8;
質量分析(FD、8kV):m/z=1068.4(M、100%)。
c)臭素化されたリレン色素(I'およびI'')の調製
実施例25および実施例26
g(10mmol)の非置換リレン色素(I'またはI'')を0.5lのクロロベンゼンに30分間懸濁した。0.1g(0.44mmol)のヨウ素およびyg(bmol)の臭素を加えた後、混合物を、50℃で16時間、遮光しながら撹拌した。
反応が終了した後、過剰な臭素を、激しい窒素流を通じることによって反応混合物から除いた。混合物を1lのメタノールで希釈した後、混合物を室温で一晩撹拌した。析出した生成物をろ過し、最初に0.5lのメタノールで洗浄し、次いで、洗浄液が中性になるまで水で洗浄して、120℃で減圧乾燥した。粗生成物を、クロロホルムを溶出液として使用するシルカゲルでのカラムろ過によって精製した。
これらの実験に関するさらなる詳細、およびその結果もまた第4表にまとめられている。臭素化の程度は、1分子のリレン色素についての臭素原子の数mとして示される。
Figure 0004582636
実施例25についての分析データ:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:67.2/67.1;H:3.5/3.6;N:3.3/3.1;O:7.5/7.3;Br:18.6/18.9;
質量分析(FD、8kV):m/z=856.1(M、100%)。
実施例26についての分析データ:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:65.3/65.1;H:3.5/3.6;N:3.7/3.5;O:6.4/6.5;Br:21.2/21.5;
質量分析(FD、8kV):m/z=1504.1(M、100%)。
d1)ジシアノ置換リレン色素I'の調製
実施例27
実施例25から得られたジブロモ化リレン色素I'の8.58g(10mmol)、および3.00g(36mmol)のシアン化銅(I)を、30分間、窒素下で0.2lのスルホランに懸濁した。その後、混合物を285℃に2時間加熱した。
反応が終了し、0.5lのメタノールを加えた後、析出物を除いた。残渣を、15gの塩化鉄(III)六水和物、150mlの水および36mlの濃塩酸とともに、70℃に1時間加熱した。冷却後、析出物を除き、水で洗浄して、120℃で減圧乾燥した。
7.23gのリレン色素I'が紫色の粉末として得られた。この粗生成物を、クロロホルムを溶出液として使用するシルカゲルでのカラムろ過によって精製して、不溶性成分を除いた。
実施例27についての分析データ:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:78.0/77.9;H:4.0/4.1;N:7.5/7.4;O:8.5/8.5;
質量分析(FD、8kV):m/z=750.2(M、100%)。
d2)ジヘキシニル置換リレン色素I'の調製
実施例28
実施例25から得られたジブロモ化リレン色素I'の4.29g(5mmol)を、撹拌下、200mlの新たに蒸留されたピペリジンおよび200mlのテトラヒドロフランの混合物に、窒素流に逆らって導入した。90mg(0.46mmol)のヨウ化銅(I)、450mg(0.38mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、そして1.016g(12mmol)の1−ヘキシンを続けて加えた後、混合物を窒素下で80℃に10時間加熱した。
室温に冷却した後、得られた黒色の反応混合物を、撹拌下、1.2lの半濃塩酸に導入した。析出した反応生成物を最初に0.5lの半濃塩酸で洗浄し、次いで、中性になるまで水で洗浄して、100℃で減圧乾燥した。粗生成物を、クロロホルムを溶出液として使用してシルカゲルでクロマトグラフィー的に精製した。
黒紫色の粉末の形態での2.19gのリレン色素I'が得られた。これは51%の収率に対応する。
実施例28についての分析データ:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:83.7/83.4;H:5.62/5.75;N:3.25/3.33;O:7.43/7.52;
質量分析(FD、8kV):m/z=860.4(M、100%)。
d3)フェノキシ置換リレン色素(I'、I''およびI''')の調製
実施例29および実施例30
g(10mmol)の臭素化リレン色素I、yg(bmmol)のtert−オクチルフェノール、zg(cmmol)の炭酸カリウム、および300mlのN−メチルピロリドンからなる混合物を、窒素下で撹拌しながら、85℃にt時間加熱した。
室温に冷却し、500mlのメタノールを加えた後、反応生成物をろ過して、洗浄液が中性になるまで水で洗浄し、続いて80℃で減圧乾燥した。不溶性成分を除くために、カラムろ過を、ジクロロメタンを溶出液として使用してシリカゲルで行った。
これらの実験に関するさらなる詳細、およびその結果もまた第5表にまとめられている。mは、1分子のリレン色素についてのフェノキシ置換基の数である。
Figure 0004582636
実施例30についての分析データ:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:67.2/67.1;H:3.5/3.6;N:3.3/3.1;O:7.5/7.3;Br:18.6/18.9;
質量分析(FD、8kV):m/z=856.1(M、100%)。
実施例31についての分析データ:
元素分析(重量%、計算値/実測値):
C:65.3/65.1;H:3.5/3.5;N:3.7/3.5;O:6.4/6.5;Br:21.2/21.5;
質量分析(FD、8kV):m/z=1504.1(M、100%)。

Claims (9)

  1. 下記の一般式Iのリレン色素:
    (I)
    Figure 0004582636
    式中、各変数は下記のように定義される:
    Rは、水素;
    〜C30−アルキル;
    〜C−シクロアルキル;
    アリール(アリールはそれぞれが、C〜C18−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲンおよび/またはヒドロキシルにより一置換または多置換されることがある)
    である;
    R'は、臭素;シアノ;
    アリールオキシ(アリール基のそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキシにより一置換または多置換されることがある
    である
    X、Yは、ともに水素である;
    nは、2、3、4である
    mは〜6である。
  2. 下記の一般式I'のリレン色素:
    (I')
    Figure 0004582636
    (式中、各変数は下記のように定義される:
    Rは、水素;
    〜C30−アルキル;
    〜C−シクロアルキル;
    アリール(アリールはそれぞれが、C〜C18−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲンおよび/またはヒドロキシルにより一置換または多置換されることがある)
    である;
    R'は、臭素;シアノ
    アリールオキシ(アリール基のそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキにより一置換または多置換されることがある
    である
    nは、2、3または4である;
    mは〜6である)
    を製造する方法において、
    a)ペリ位がモノブロモ化された下記の一般式II'のリレン誘導体:
    (II')
    Figure 0004582636
    を、1−アミノアントラキノンと、非プロトン性有機溶媒の存在下、遷移金属触媒系の存在下、および塩基の存在下で、クロスカップリング反応において反応させ、
    b)工程a)で形成された下記の一般式III'のリレンアントラミン:
    (III')
    Figure 0004582636
    を、極性有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で環化して、式I'のリレン色素(ただし、式中、リレン核は非置換であり、mは0である)を得、ならびに
    )リレン核が非置換であり、工程b)において得られたリレン色素I'を元素状臭素と反応させることによって、リレン核が臭素化された式I'のリレン色素(式中、R'は臭素であり、mは1〜6である)に変換し、かつ
    d)所望される場合には、リレン核が臭素化され、工程c)において得られたリレン色素I'を、
    d1)下記の一般式IVの化合物:
    (IV)
    Figure 0004582636
    (式中、Zは酸素であり、環Aはアリール基(アリール基はそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキシにより一置換または多置換されることがある)である)と、不活性な窒素塩基性の有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で、反応させることによって、リレン核が置換され、かつ、R'が、アリールオキシ(アリール基はそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキシにより一置換または多置換されることがある)であり、mが1〜6である式I'のリレン色素に変換するか;
    d2)双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下でシアン化銅(I)と反応させることによって、リレン核が置換され、R'がシアノであり、mが1〜6である式I'のリレン色素に変換す
    ことを特徴とする、一般式I'のリレン色素を製造する方法。
  3. 下記の一般式I''の対称リレン色素:
    (I'')
    Figure 0004582636
    (式中、各変数は下記のように定義される:
    Rは、水素;
    〜C30−アルキル;
    〜C−シクロアルキル;
    アリール(アリールはそれぞれが、C〜C18−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲンおよび/またはヒドロキシルにより一置換または多置換されることがある)
    である;
    R'は、臭素;シアノ
    アリールオキアリール基のそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキシより一置換または多置換されることがある
    である;
    nは、1、2、3または4である;
    mは〜6である)
    を製造する方法において、
    a)ペリ位がモノブロモ化された下記の一般式II'のリレン誘導体:
    (II')
    Figure 0004582636
    を、1,5−ジアミノアントラキノンと、非プロトン性有機溶媒の存在下、遷移金属触媒系の存在下、および塩基の存在下で、二重のクロスカップリング反応において反応させ、
    b)工程a)で形成された下記の一般式III''のリレンアントラミン:
    (III'')
    Figure 0004582636
    を、極性有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で環化して、式I''のリレン色素(ただし、式中、リレン環は非置換であり、mは0である)を得、ならびに
    )リレン核が非置換であり、工程b)において得られたリレン色素I''を元素状臭素と反応させることによって、リレン核が臭素化された式I''のリレン色素(式中、R'は臭素であり、mは1〜6である)に変換し、かつ
    d)所望される場合には、リレン核が臭素化され、工程c)において得られたリレン色素I''を、
    d1)下記の一般式IVの化合物:
    (IV)
    Figure 0004582636
    (式中、Zは酸素であり、環Aはアリール基(アリール基はそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキシにより一置換または多置換されることがある)である)と、不活性な窒素塩基性の有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で反応させることによって、リレン核が置換され、かつ、R'が、アリールオキシ(アリール基はそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキシにより一置換または多置換されることがある)であり、mが1〜6である式I''のリレン色素に変換するか;
    d2)双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下でシアン化銅(I)と反応させることによって、リレン核が置換され、R'がシアノであり、mが1〜6である式I''のリレン色素に変換す
    ことを特徴とする、一般式I''の対称リレン色素を製造する方法。
  4. 下記の一般式I'''の非対称リレン色素:
    (I''')
    Figure 0004582636
    (式中、各変数は下記のように定義される:
    Rは、水素;
    〜C30−アルキル;
    〜C−シクロアルキル;
    アリール(アリールはそれぞれが、C〜C18−アルキル、C〜C−アルコキシ、ハロゲンおよび/またはヒドロキシルにより一置換または多置換されることがある)
    である;
    R'は、臭素;シアノ;
    アリールオキシ(アリール基のそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキシにより一置換または多置換されることがある
    である
    n、n'はそれぞれが、1、2、3または4であり、かつ、n≠n'である;
    mは〜6である)
    を製造する方法において、
    a1)ペリ位がモノブロモ化された下記の一般式II'のリレン誘導体:
    (II')
    Figure 0004582636
    を、最初に過剰な1,5−ジアミノアントラキノンと、非プロトン性有機溶媒の存在下、遷移金属触媒系の存在下、および塩基の存在下で、第1のクロスカップリング反応において反応させ、
    a2)工程a)において得られた下記の一般式IIIaのアミノリレンアントラミン:
    (IIIa)
    Figure 0004582636
    を、ペリ位がモノブロモ化された下記の一般式II''のリレン誘導体:
    (II'')
    Figure 0004582636
    と、非プロトン性有機溶媒の存在下、遷移金属触媒系の存在下、および塩基の存在下で、第2のクロスカップリング反応において反応させ、
    b)工程a)で形成された下記の一般式III'''のリレンアントラミン:
    (III''')
    Figure 0004582636
    を、極性有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で環化して、式I'''のリレン色素(ただし、式中、リレン核は非置換であり、mは0である)を得、ならびに
    )リレン核が非置換であり、工程b)において得られたリレン色素I'''を元素状臭素と反応させることによって、リレン核が臭素化された式I'''のリレン色素(式中、R'は臭素であり、mは1〜6である)に変換し、かつ
    d)所望される場合には、リレン核が臭素化され、工程c)において得られたリレン色素I'''を、
    d1)下記の一般式IVの化合物:
    (IV)
    Figure 0004582636
    (式中、Zは酸素であり、環Aはアリール基(アリール基はそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキシにより一置換または多置換されることがある)である)と、不活性な窒素塩基性の有機溶媒の存在下、および塩基の存在下で反応させることによって、リレン核が置換され、かつ、R'が、アリールオキシ(アリール基はそれぞれが、C〜C12−アルキルおよび/または〜C12−アルコキシにより一置換または多置換されることがある)であり、mが1〜6である式I'''のリレン色素に変換するか;
    d2)双極性の非プロトン性有機溶媒の存在下でシアン化銅(I)と反応させることによって、リレン核が置換され、R'がシアノであり、mが1〜6である式I'''のリレン色素に変換す
    ことを特徴とする、一般式I'''の非対称リレン色素を製造する方法。
  5. 高分子量の有機材料または無機材料を着色するための、請求項に記載される一般式Iのリレン色素の使用。
  6. プラスチック、塗料、印刷用インクまたは酸化物層系が着色される、請求項に記載の使用。
  7. 分散助剤、有機顔料用の顔料添加物、または、顔料添加物を調製するための中間体としての、請求項に記載される一般式Iのリレン色素の使用。
  8. 有色であるか、または電磁スペクトルの近赤外領域において吸収する水性ポリマー分散物を製造するための、請求項に記載される一般式Iのリレン色素の使用。
  9. 電子写真における光伝導体としての、請求項に記載される一般式Iのリレン色素の使用。
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