JP4582599B2 - ステープラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積載されたシート束を綴じ込むための針打ちユニットと折曲げユニットとを備えるステープラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から画像形成装置の後処理装置として、画像形成された後のシートを所定枚数毎のシート束にして綴じ込むステープラが知られている。このステープラはシート束に針を打込む針打ちユニットと、シート束に打込まれた針の先端を内方に折り曲げて綴じる折曲げユニットとを備え、その間に送り込まれたシート束を針打ちユニット及び折曲げユニットの双方又は一方を回動させて両者間でクランプしてから針打ちを行なう機構となっている。
【0003】
ところで、上記のクランプ手段ではシート束の厚みによって針打ちユニット又は折曲げユニットの回動量に差が出るためにクランプの位置ズレが生じ、ステープルが不完全になるおそれがある。そこで、従来にあっては、針打ちユニットの回動量に応じて折曲げユニットの位置を自動的に調整したり(実開平1−84981号公報参照)、針打ちユニットが取付けられている支持フレームを回動量に応じて移動させることで調整するようにしたもの(実公平5−40940号公報参照)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の調整手段では前者の場合には回動する側とは逆側のユニットを移動調整する機構であるために、回動量の微妙な差を移動量に変換しなければならず構造が複雑になってしまう。また、後者の場合には回動量に応じて支持フレーム全体を移動させているために、微調整が困難である他、前者と同様に支持構造が複雑になってしまうおそれがあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、シート束の厚みの違いによって起こる針打ちユニット又は押曲げユニットの回動量の差によるクランプの位置ズレを、簡易な手段で且つ確実に回避することのできるステープラを提供するものである。
【0006】
また、本発明の他の目的は、針打ちユニット及び押曲げユニットをシート幅方向にスライドさせてクランプする場合、シート幅方向で生じる角度変化などにも容易に対応できるステープラを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、シートガイド板上に搬送されたシートが積層されそのシート束に針を打込む針打ちユニットと、シート束に打込まれた針の両端を折り曲げる折曲げユニットと、装置機枠に回動自在に取付けられ上記針打ちユニット及び折曲げユニットの少なくとも一方を保持する可動部材と、この可動部材を回動する駆動手段とを備えたステープラにおいて、前記針打ちユニット及び折曲げユニットが左右方向に移動する前後一対のガイドシャフトと、その中間部に配置されて前記針打ちユニット及び折曲げユニットに左右方向の移動力を伝達する移動シャフトと、前記針打ちユニット又は折曲げユニットの左右両側にそれぞれ配置され、前後一対のガイドシャフト間に架け渡され、前記針打ちユニット又は折曲げユニットの移動に伴って前記ガイドシャフトの軸方向に移動可能にガイドシャフトに支持され、前記シートをシートガイド板との間でガイドするパスガイド部材と、このパスガイド部材と前記ガイドシャフトとの間に掛け渡したバネ部材とを備え、前記針打ちユニット又は折曲げユニットがガイドシャフトを移動する際、その移動方向側のパスガイド部材が前記バネ部材の伸縮により同じ方向に移動すると共に、前記針打ちユニット又は折曲げユニットに支持軸を設け、この支持軸を前記可動部材に設けた長穴に支持させることで、針打ちユニット又は折曲げユニットを前記可動部材に対してシート束の厚さに応じて揺動可能としたことを特徴とするステープラである。
【0008】
この発明によれば、上記針打ちユニット又は折曲げユニットがシート束の厚さに応じて揺動可能となっているので、シート束の厚みの違いによって起こる針打ちユニット又は押曲げユニットのクランプ時の位置ズレを修正することができる。
【0009】
請求項2の発明は、前記パスガイド部材が前記ガイドシャフトに巻装されたバネ部材に取り付けられ、針打ちユニット及び折曲げユニットがガイドシャフトに沿って移動するのに伴なって前記バネ部材が伸縮し、その伸縮によってガイドシャフトの軸方向に移動することを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明は、前記パスガイド部材が、針打ちユニット又は折曲げユニットに左右方向の移動力を伝達する移動シャフトの下方で、前記シートガイド板と対向するように配置されてなることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係るステープラの実施形態を詳細に説明する。図1は本発明に係るステープラの全体構成の概略図、図2は針打ちユニット及び該これに対向配置された折曲げユニットの構成図、図3は折曲げユニットの構成を示す分解斜視図である。
【0020】
この実施形態におけるステープラSは、図1に示したように、左右一対の側板1a,1bと、これら側板1a,1bの上部背面側を連結する背面板2とでフレーム構造を構成している。また、ステープラSは、上下に2分割された状態でヘッドユニット3とアンビルユニット4とを備えている。下側に位置するヘッドユニット3は、多数のステープル用針が帯状に連結されたステープル用針帯から1個のステープル用針を分離すると共に、この分離されたステープル用針をコの字状に成形し、これをアンビルユニット4との間に送り込まれたシート束に向けて厚さ方向に貫通して打込むように構成されている。一方、前記ヘッドユニット3に対向配置されたアンビルユニット4は、シート束に打込まれたステープル用針の両脚部を受け、両端を互いに内側に折り曲げるように成形して、シート束を最終的に綴じ込むように構成されている。
【0021】
前記ヘッドユニット3及びアンビルユニット4は、それぞれのガイド機構を介して互いに同期した状態で、シート束の送り込み方向と直交する方向に沿って移動自在に支持されている。また、前記ヘッドユニット3及びアンビルユニット4は、後述する移動機構によって互いに相対位置関係を一定に保持されたままの状態で、一体的に移動するように構成されている。
【0022】
上記ヘッドユニット3のガイド機構は、左右一対の側板1a,1b間に架け渡された円柱状のガイドシャフト6によって構成される。ヘッドユニット3の下部には筐体フレーム7と一体のガイドブロック8が設けられ、このガイドブロック8に開設されたガイド孔にガイドシャフト6を挿通し、ヘッドユニット3の移動をガイドする。
【0023】
一方、アンビルユニット4のガイド機構も、上記と同様、左右一対の側板1a,1b間に架け渡された円柱状のガイドシャフト10によって構成される。アンビルユニット4の上部には固定フレーム11と一体に取付けられたガイドブロック12が設けられ、このガイドブロック12に開設されたガイド孔にガイドシャフト10を挿通し、アンビルユニット4の摺動移動をガイドしている。
【0024】
上記ガイドシャフト6,10に沿ったヘッドユニット3及びアンビルユニット4の移動は、移動機構によって行われる。この移動機構は、前記左右の側板1a,1bに両端が回転可能に軸支され、且つガイドシャフト6,10と平行に配設された一対のスクリューロッド14,15と、このスクリューロッド14,15を駆動するモータ16とを備える。モータ16は一方の側板1aの外側において、ヘッドユニット3側のスクリューロッド14の軸上に取付けられ、スクリューロッド14を直接回転駆動すると共に、アンビルユニット4側のスクリューロッド15の突出端部に固着された従動ギヤ17にタイミングベルト18を介してモータ16の駆動力が伝達され、両方のスクリューロッド14,15を同方向に同一速度で回転するように構成している。なお、タイミングベルト18にはテンションローラ19が弾性的に当接している。また、上記一対のスクリューロッド14,15の外周面にはそれぞれボールねじ溝20,21が設けられ、このボールねじ溝20,21にヘッドユニット3及びアンビルユニット4から突設させた係合ピン(図示せず)がそれぞれ係合することで、スクリューロッド14,15の回転駆動に伴って各ユニット3,4の摺動移動が可能となる。
【0025】
次に、上記ヘッドユニット3の構成および揺動機構を図1乃至図3に基づいて説明する。ヘッドユニット3は、上述した筐体フレーム7にヘッドハウジング24が取付けられたものであり、このヘッドハウジング24にヘッド25が昇降自在に支持されている。なお、ヘッド25にはステープル用針帯カートリッジが着脱自在に装着されている。ヘッドハウジング24の両側に設けられた長孔27にはヘッド25の軸ピン(図示せず)が摺動自在にガイドされ、この軸ピンにカム機構が係合している。カム機構は、前記軸ピンに係合する左右のアーム部29と、このアーム部29に揺動を伝達する伝達ギヤ30とで構成される。アーム部29は、略中央部が筐体フレーム7に回転可能に軸支され、後側に楕円形状のカム孔31が設けられたものである。伝達ギヤ30は、中心部が筐体フレーム7に回転可能に軸支されると共に、外周部にはピン32が突設してあり、このピン32が前記カム孔31に内接している。したがって、伝達ギヤ30が回転するとピン32がカム孔31の内周縁に沿って移動し、アーム部29を揺動させることでヘッド25が昇降動することになる。
【0026】
上記伝達ギヤ30は、前記ガイドシャフト6と平行に配設された駆動シャフト33からの駆動力を受けることで駆動する。断面四角形の駆動シャフト33には前記筐体フレーム7が遊嵌される一方、この筐体フレーム7の両側に駆動ギヤ34が嵌合されている。駆動ギヤ34は前記伝達ギヤ30と噛み合っており、駆動シャフト33が回転することで駆動力が伝達ギヤ30に伝達される。
【0027】
次に、上記アンビルユニット4の構成および揺動機構を説明する。図1乃至図3に示したように、前記ガイドシャフト10にはガイドブロック12に固定された固定フレーム11が摺動可能に取付けられ、この固定フレーム11にはコイルばね57で付勢された状態で可動フレーム40が揺動可能に軸支されている。アンビルユニット4は、この可動フレーム40に揺動可能に取付けられる。図4及び図5に示したように、上記固定フレーム11の後端には円筒状のカラー42が設けられ、このカラー42がガイドシャフト10と平行に配設された断面四角形の駆動シャフト43に遊嵌される。また、可動フレーム40の後端部にも前記駆動シャフト43に遊嵌されるカラー44が設けられ、前記固定フレーム11のカラー42の内側に嵌まっている。さらに、カラー44に嵌め込まれた駆動ギヤ70がガイドシャフト43に摺動可能に嵌合している。このように、可動フレーム40の回転中心がカラー42,44同士の嵌め合いによって構成されるために、固定フレーム11に対する可動フレーム40の回動姿勢が常に安定したものとなる。
【0028】
アンビルユニット4は、図3に示したように、ボックス構造のアンビル本体45と、左右一対のコイルスプリング46によってアンビル本体45側に押圧される当て板47とを備え、アンビル本体45内にはクリンチャ揺動部48およびクリンチャ支持枠49が収納されている。アンビル本体45の左右側面には一対の挿通孔50,51が前後に開設され、クリンチャ支持枠49の側面から突出した支持軸52が前側の挿通孔50を貫通して可動フレーム40の側面に設けられた長穴53に摺動可能に嵌まり込んでいる。また、クリンチャ揺動部48の側面から突出した支持軸54は、クリンチャ支持枠49及びアンビル本体45に開設された挿通孔55,51を同軸上で貫通して可動フレーム40の側面に設けられた逆三角形の支持孔56に支持されている。このように、支持軸52,54を可動部材40に支持させることで、アンビル本体45内にクリンチャ揺動部48及びクリンチャ支持枠49が組み込まれたアンビルユニット4が構成され、且つ可動フレーム40に対して上記長穴53及び支持孔56の範囲で上下移動を可能としている。なお、クリンチャ支持枠49の左右の枠材にも上方に延びる先細形状の突起部58が形成されており、可動フレーム40の上面に開設されたガイド孔59に挿入されている。このガイド孔59は、前記突起部58より幅が広く形成され、突起部58がガイド孔59内を動く範囲でアンビルユニット4の揺動を可能としている。
【0029】
前記クリンチャ揺動部48の前面には左右一対のクリンチャ部60が回転可能に支持されると共に、クリンチャ部60の外側端部には略L字形状の板ばね61の先端部が係止されている。この板ばね61は、図6に示したように、中央の屈曲部62が前記支持軸54に架け渡され、後端に設けたU字状のフック部63がローラ軸64に係合されることで、クリンチャ揺動部48の姿勢を保っている。また、ローラ軸64の中央に設けられたローラ部65にはクリンチャ駆動カム66の回転によってスライド移動する略U字形状の押圧部材67が当接している。この押圧部材67によってローラ部65を前方に押し出すと、板ばね61のバネ圧に抗してクリンチャ揺動部48が支持軸54を中心に揺動し、その先端部でクリンチャ部60を押し上げて回転させる。針の打込みによって、アンビル本体45及びクリンチャ支持枠49の各下面に設けられたスリット45a,49aからアンビル本体41内に差し込まれた針の先端は、上記回転するクリンチャ部60によって内方に折り曲げられる。なお、前記クリンチャ駆動カム66の回転軸69は可動フレーム40の側面に回転可能に支持されている。
【0030】
上記アンビルユニット4は、常時は可動フレーム40との間で圧縮されたコイルスプリング46によって下方側に付勢されるが、図7及び図8に示したように、クランプする際のシート束68の厚みに応じて回動量が異なり、ステープルする時のアンビルユニット4の押上量が異なってくる。即ち、図7に示したようにシート束68が薄いときにはクランプした時のアンビルユニット4の回動量が大きいために、ヘッドユニット3で針を打ち込んだ時のアンビルユニット4の押上量が小さくなり、アンビルユニット4の支持軸52,54が可動フレーム40の側面に開設された長穴53及び支持孔56の下端部近くまで下がった状態でシート束68をステープルするが、図8に示したようにシート束68が厚くなるとクランプ時におけるアンビルユニット4の回動量が先の場合より小さくなるため、ステープルする際には厚い分アンビル本体45の押上量が大きくなり、コイルスプリング46のばね力に抗してアンビル本体45が可動フレーム40側に移動し、支持軸52,54が長穴53及び支持孔56内を移動する。その際、支持軸54が支持孔56内で移動可能であり、また前記クリンチャ支持枠49の先端の突起部58も可動フレーム40の上面に設けられたガイド孔59内で移動可能であるため、アンビルユニット4が支持軸52を中心として揺動し、シート面にアンビル本体45の下面が追従するように姿勢を変えながら、打ち込まれた針の先端をアンビル本体45のスリット45aに導く。このように、前記支持軸54が支持孔56内である程度自由に動き、また支持部58とガイド孔59との間に隙間があるために、アンビル本体45が支持軸52を回転中心として揺動可能となり、シート束68の紙厚の違いによってクリンチ機構に差が生ずることはない。
【0031】
また、アンビルユニット4は左右一対のコイルスプリング46によって押圧支持されているため、左右方向での揺動も可能となっている。従って、ガイドシャフト6,10の平行度が両側の側板1a,1b間で得られていないために、シート幅方向におけるシート束68の高さがアンビルユニット4の左右で異なり、シート束68をクランプした時にヘッドユニット3とアンビルユニット4とが平行でない場合などでは、上記アンビルユニット4がシート幅方向で揺動することによってヘッドユニット3との間で平行度が保たれ、ステープル動作が確実に行われることになる。
【0032】
上記アンビルユニット4の回動は、前記ガイドシャフト10と平行に配設された駆動シャフト43からの駆動力を受けることによって行われる。図2、図9及び図10に示したように、断面四角形の駆動シャフト43には可動フレーム40の略中央部において駆動ギヤ70が嵌合される。この駆動ギヤ70は伝達ギヤ71を介して前記クリンチャ駆動カム66と同じ回転軸69上に設けられた従動ギヤ72と噛み合っている。また、回転軸69の両端には固定フレーム11と可動フレーム40との狭い空間にアンビルユニット4を揺動させるために半月状の偏心カム73が左右両側に配設されている。この偏心カム73は固定フレーム11をカムフォロアとしており、図10に示したように、偏心カム73が固定フレーム11の面上を回転することで、可動フレーム40を固定フレーム11に対して揺動させることができる。この実施例では偏心カム73がアンビルユニット4と一体に回動する可動ユニット40に取付けられ、且つ固定ユニット11との間に収納されているために、回動機構をコンパクト化することができる。
【0033】
図9及び図10は、上記偏心カム73によるアンビルユニット4の揺動を示したものである。図9はアンビルユニット4が待機している時の状態を示しており、可動フレーム40はコイルばね57によって固定フレーム11側に付勢されている。図10はシート束をクランプする時の状態を示しており、駆動シャフト43が回転するとそれに伴って駆動ギヤ70が回転し、この回転力が伝達ギヤ71を介して従動ギヤ72に伝達される。従動ギヤ72の回転により偏心カム73が回転し、固定フレーム11をカムフォロアとして可動フレーム40がコイルスプリング46のばね力に抗して揺動し押し下げられる。可動フレーム40と一緒にアンビルユニット4が押し下げられ、その下面でシート束をクランプする。一方、上記偏心カム73の回転と共にクリンチャ駆動カム66が回転し、押圧部材67を押し出すことでクリンチャ部60が揺動して針の折曲げ動作が完了する。
【0034】
上記左右の側板1a,1bに架け渡されたヘッドユニット3の駆動シャフト33は、一方の先端が側板1aの外方に突出しており、その突出端部に駆動伝達ギヤ35が取付けられる。そして、駆動モータ(図示せず)からの駆動力が駆動伝達ギヤ35を介して駆動シャフト33に伝えられる。また、前記駆動シャフト33の他端は、他方側の側板1bの外側に突出しており、その突出端部に伝達ギヤ75が取付けられる。一方、アンビルユニット4の駆動シャフト43も側板1bの外側に端部が突出しており、その突出端部に従動ギヤ76が取付けられている。伝達ギヤ75と従動ギヤ76との間にはエンドレスのギヤベルト77が掛け渡されており、ヘッドユニット3の駆動シャフト33の回転駆動をギヤベルト77を介してアンビルユニット4の駆動シャフト43に伝達することができる。
【0035】
次に、上記構成からなるステープラSのステープル動作を説明する。ヘッドユニット3とアンビルユニット4との間には左右の側板1a,1bに架け渡された平板状のシートガイド板78が配設され、またアンビルユニット4の両側ではガイドシャフト10と駆動シャフト43との間に棒状のパスガイド部材79が架け渡されている。このパスガイド部材79は、前記シートガイド板78と対向するように配置されており、先端がガイドシャフト10に巻かれた細いコイルスプリング80の一端に固定され、また後端が駆動シャフト43に遊嵌されているために、アンビルユニット4がガイドシャフト10に沿って摺動するのに伴って動き得る。ヘッドユニット3とアンビルユニット4との間に搬送されるシートは、前記シートガイド板78及びパスガイド部材79にガイドされながら所定位置に積層され、シート束を形成する。制御信号に基づいてモータ16を駆動することでスクリューロッド14,15が回転し、ヘッドユニット3及びアンビルユニット4を所定位置に導く。この時、ヘッドユニット3及びアンビルユニット4は同期して同方向へ一緒に移動し、同じ位置に停止する。次に、駆動シャフト33,43が回転することで、ヘッドユニット3及びアンビルユニット4は同期して揺動する。この時、ヘッドユニット3側ではカム孔31を有するアーム部29の動きによってヘッド25のみがアンビルユニット4側に揺動し、ヘッドハウジング24は揺動しないでそのままの状態を保つ。一方、アンビルユニット4側では偏心カム73の回転によって可動フレーム40が揺動し、ヘッド25との間でシート束をクランプすることでシート束にステープルが打ち込まれる。また、偏心カム73と一緒にクリンチャ駆動カム66が回転することによってクリンチャ部60が作動し、シート束を貫通したステープルの先端を内方に折り曲げてシート束を中綴じする。その際に、前述したように、シート束の厚さに応じてアンビルユニット4が揺動し、適正なアンビル位置で針の折曲げを行なう。前述のカムが一回転してヘッド25及びアンビルユニット4が元の位置に戻ると駆動シャフト33,43の回転が止まり、再びスクリューロッド14,15が回転してヘッドユニット3及びアンビルユニット4をシート幅方向に所定の位置まで移動させ、上記と同様の中綴じを行なう。
【0036】
なお、本発明では可動フレーム40の回動機構が上記実施形態の偏心カム73に限定されるものではなく、例えばヘッド25の昇降動に用いたような機構で回動させることもできる。また、上記の実施形態ではアンビルユニット4側を揺動させて所定位置にあるヘッドユニット3との間でシート束をクランプする場合について説明したが、ヘッドユニット3側を揺動させることができることは勿論のこと、ヘッドユニット3及びアンビルユニット4の相方を互いに揺動させることができるのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステープラの全体構成の概略図である。
【図2】ヘッドユニット及び該ユニットに対向配置されたアンビルユニットの構成図である。
【図3】アンビルユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図4】アンビルユニットの回転中心部分の構造を示す斜視図である。
【図5】上記図4のA−A線断面図である。
【図6】クリンチャ部の揺動機構を示す斜視図である。
【図7】薄いシート束をクランプした時の可動フレームに対するアンビル本体の高さ位置を示すアンビルユニット側面図である。
【図8】厚いシート束をクランプした時の可動フレームに対するアンビル本体の高さ位置を示すアンビルユニット側面図である。
【図9】アンビルユニットの揺動前の姿勢を示す側面図である。
【図10】アンビルユニットが揺動してシート束をクランプした時の姿勢を示す側面図である。
【図11】駆動シャフトの駆動力伝達手段を示すステープラの側面図である。
【符号の説明】
3 ヘッドユニット(針打ちユニット)
4 アンビルユニット(折曲げユニット)
40 可動フレーム(可動部材)
43 駆動シャフト
46 コイルスプリング(圧縮ばね)
52,54 支持軸(係合部)
53 長穴(ガイド部)
56 支持孔(ガイド部)
Claims (3)
- シートガイド板上に搬送されたシートが積層されそのシート束に針を打込む針打ちユニットと、シート束に打込まれた針の両端を折り曲げる折曲げユニットと、装置機枠に回動自在に取付けられ上記針打ちユニット及び折曲げユニットの少なくとも一方を保持する可動部材と、この可動部材を回動する駆動手段とを備えたステープラにおいて、
前記針打ちユニット及び折曲げユニットが左右方向に移動する前後一対のガイドシャフトと、
その中間部に配置されて前記針打ちユニット及び折曲げユニットに左右方向の移動力を伝達する移動シャフトと、
前記針打ちユニット又は折曲げユニットの左右両側にそれぞれ配置され、前後一対のガイドシャフト間に架け渡され、前記針打ちユニット又は折曲げユニットの移動に伴って前記ガイドシャフトの軸方向に移動可能にガイドシャフトに支持され、前記シートをシートガイド板との間でガイドするパスガイド部材と、
このパスガイド部材と前記ガイドシャフトとの間に掛け渡したバネ部材とを備え、
前記針打ちユニット又は折曲げユニットがガイドシャフトを移動する際、その移動方向側のパスガイド部材が前記バネ部材の伸縮により同じ方向に移動すると共に、
前記針打ちユニット又は折曲げユニットに支持軸を設け、この支持軸を前記可動部材に設けた長穴に支持させることで、針打ちユニット又は折曲げユニットを前記可動部材に対してシート束の厚さに応じて揺動可能としたことを特徴とするステープラ。 - 前記パスガイド部材は前記ガイドシャフトに巻装されたバネ部材に取り付けられ、針打ちユニット及び折曲げユニットがガイドシャフトに沿って移動するのに伴なって前記バネ部材が伸縮し、その伸縮によってガイドシャフトの軸方向に移動する請求項1に記載のステープラ。
- 前記パスガイド部材は、針打ちユニット又は折曲げユニットに左右方向の移動力を伝達する移動シャフトの下方で、前記シートガイド板と対向するように配置されてなる請求項1又は2に記載のステープラ。
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JPH09136303A (ja) * | 1995-11-16 | 1997-05-27 | Nisca Corp | ステープラ |
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JPH0551577U (ja) * | 1991-12-21 | 1993-07-09 | マックス株式会社 | 電動ホッチキス |
JPH09136303A (ja) * | 1995-11-16 | 1997-05-27 | Nisca Corp | ステープラ |
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