JP4581932B2 - 分岐用シールド掘進機の発進方法およびテール部材 - Google Patents
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Description
主トンネルの掘削途中で分岐シールド掘進機を発進させて分岐トンネルを掘削する分岐発進用シールド掘進機において、主トンネルを掘削するカッタヘッドを有する本体胴部に、発進口を有する発進筒部を分離可能に接続するとともに、前記発進筒部に後部推進ジャッキおよびエレクタ装置を有する後尾胴部を接続し、掘削途中の分岐位置で、本体胴部を前記発進筒部と切り離して主トンネルの掘削を続行させるとともに、前記発進口から分岐シールド掘進機を発進して分岐トンネルを掘削するように構成したことを特徴とする分岐発進用シールド掘進機(特許文献1参照)。
さらに、前胴に球面継手部を介して後胴前部を取り付け、前胴部と後胴前部とを屈曲ジャッキにより固定するとともに、後尾胴部から取り外した兼用推進ジャッキを後胴前部に装着する。そして、発進口の反対側壁面に反力支持材を介して反力受部材を配置し、副カッタヘッドを駆動しつつ兼用推進ジャッキにより前胴部および後胴部前部を前進させ、発進口から前方に突出させる。さらに、後胴部前部に後胴後部を溶接により連結して後胴部を形成し、後胴部内に副エレクタ装置を据え付けて分岐シールド掘進機を完成させる。そして、副エレクタ装置により反力受部材との間に副セグメントを組み立てつつ、兼用推進ジャッキにより分岐シールド掘進機を前進させて分岐トンネルを掘削する(特許文献1の[0021]参照)。
推進ジャッキのジャッキシューは構築したセグメントに当接する位置にあることから、ジャッキシューは後胴後部の内周面近傍に配置される。このため、推進ジャッキと反力受部材との間に介装するスペーサ等は後装後部の内周面近傍に配置されることになる。
ところが、後胴後部の内面には組立てたセグメントと後胴後部のシールをするためテールブラシ等のシール部材が後胴後部から径方向内側に向けて突出している。
そのため、推進ジャッキと反力受部材の間に介装させるスペーサ等がシール部材に接触して邪魔になり、例えばシール部材を後胴後部の内面に押し付けながらスペーサ等を設置しなければならず、このような作業を現場で行なうのは難しく、作業に難渋するという問題がある。また、現場でスペーサを設置しようとすると、シール部材を損傷する危険もある。
また、シールド掘進機の発進方法に用いるテール部材を提供することを目的としている。
本発明におけるテール部とは、シールド掘進機の最後尾の部分であり、その内周面にセグメントリングとの間のシールをするシール部材を備えたものをいう。
また、セグメントリングとは、セグメントをリング状に組立てたものをいう。
本実施の形態に用いる分岐用シールド掘進機は、いわゆる中折れ式のシールド掘進機であり、先端に配置されるカッタヘッド5および該カッタヘッド5を駆動するカッタ駆動装置7が搭載された前胴前部1、該前胴前部1の後方に接続される前胴後部39、該前胴後部39と中折れジャッキを介して連結される中胴部43、該中胴部43の後方に接続されてエレクタによってセグメントの組立てを行う後胴部59、該後胴部59に連結されてテールブラシなどのシール部材を備えたテール部78を備えてなるものである。
以下、図1〜図32に基づいて既設トンネル13の途中で分岐用シールド掘進機を組み立てながら発進する分岐用シールド掘進機の発進方法を説明する。
図1、図2は分岐用シールド掘進機の前胴前部1搬入工程の説明図であり、図1(a)が前胴前部1の側面図、図1(b)がその平面図、図2(c)がその背面図である。
前胴前部1とは、円筒状のスキンプレート2の前方に配置されて前面にカッタビット3が装着されたカッタヘッド5、該カッタヘッド5を回転駆動させるカッタ駆動装置7を含むものである。カッタ駆動装置7は、カッタヘッド5の後方にチャンバ8および隔壁10を介して設けられており、複数の駆動モータ9と該駆動モータ9の回転をカッタヘッド5に伝達する減速装置11とを備えてなる。
また、隔壁10の下部にはチャンバ8内の掘削土砂を排出するための排土口12が設けられている。
分岐トンネル施工予定場所における既設トンネル13の側壁を構成するセグメント17はスキンプレートのない掘削可能なものが施工されている。そして、この部分にはエントランス19が取り付けられている。
エントランス19は、分岐用シールド掘進機の前胴前部1が挿通される円筒状のエントランス本体21を備えており、エントランス本体21の内周面には、分岐用シールド掘進機との隙間をシールするためのエントランスシール部材23が設けられている。
エントランスシール部材23は、前方に設けられたゴム板25と、その後ろ側に設けられてゴム板25の反転を防止する鉄板からなるフラッパー27と、を備えている。
既設トンネルにおけるエントランス19を設置部の対向部には分岐用シールド掘進機の反力をとるための反力受29が設置されている。
なお、図1、図2は既設トンネル13内に前胴前部1が搬入された後の状態を示している。
発進架台上の前胴前部1を図示しないジャッキによって前方(分岐トンネル側)に押込み、カッタヘッド5の先端がセグメント17に当接する位置まで移動させる(図3参照)。図3においてはこの工程での移動距離を示すために、移動前の前胴前部の一部を一点鎖線で示してある。
なお、図3においてエントランスシール部材23が前胴前部に挿入されているように描かれているが、これは図が不明確になるのを防止するためであり、実際にはエントランスシール部材23は前胴前部に沿うように湾曲する。
なお、この工程で使用した押込み用のジャッキは撤去する。
前胴前部1の後端側に前胴前部1を前方に推進させるための推進ジャッキ31を4本取り付ける。このとき、推進ジャッキ31の後ろ側、すなわち推進ジャッキ31の後端が既設トンネル13の側壁に設置した反力受29に対向する。
掘進が開始するとチャンバ8内に土砂が溜まるので、この土砂を排出するための機構として排土口12に排土口12の開閉を行うための排土バルブ33を取り付ける。
以上の掘進準備が完了した状態が図4に示されている。
掘進準備が完了すると、カッタ駆動装置7を駆動してカッタヘッド5を回転させると共に推進ジャッキ31を伸長させて既設トンネル13の側壁(セグメント17)を掘削する。推進ジャッキ31を伸長して一定の距離だけ掘進すると、推進ジャッキ31の後端にスペーサ35を挿入してさらに掘進を行う。掘削中にチャンバ内に溜まった掘削土砂は排土バルブ33に図示しないホースなどを連結して吸い出すようにする。
なお、スペーサ35の挿入は、推進ジャッキ31を一本ずつ縮退させて順次行うようにする。
図5は、各推進ジャッキ31にスペーサ35を2個ずつ設置した状態であり、300mm掘進した状態を示している。
段取り換え1は、後述する前胴後部39を設置するためのスペースを確保するために推進ジャッキ31、排土バルブ33を撤去する工程であり、具体的には以下のように行う。
前胴前部1がカッタヘッド5に作用する土圧に抵抗するため、前胴前部1のスキンプレート2をエントランス19後端にバックリング防止金具37によって連結する。この状態で、推進ジャッキ31および排土バルブ33を撤去し、さらに発進架台15を撤去する。
図6に示す状態は段取り換え1が終了した状態を示しているが、参考のため撤去前の推進ジャッキ31および排土バルブ33を一点鎖線で示している。
前胴後部搬入工程は、発進架台15に載置した前胴後部39を既設トンネル13内に搬入して、前胴前部1の後方の位置まで搬送する工程である。このとき、前胴後部39内に次期工程で設置する推進ジャッキ31を搭載しておく。このように推進ジャッキ31を搭載して前胴後部39を搬入することで、機器搬入を効率的に行うことができる。
図7は、前胴後部39を前胴前部1の後方に搬入した状態を示している。
前胴組立工程は、前胴後部39を前胴前部1に接続して前胴部40を組立てる工程であり、具体的には以下のように行う。
4本の推進ジャッキ31を前胴前部1の後端側に設置する。このとき、推進ジャッキ31の後端にはスペーサ35を2個設置しておく。これによって、推進ジャッキ31を少し伸長しただけで反力受29にスペーサ35の後端が当接するようになる。この状態で、エントランス19と前胴前部1とを連結しているバックリング防止金具37を解体する。そして、前胴後部39と前胴前部1のそれぞれのスキンプレートを当接させ、両者を接合して、前胴部40とする。
下部の内周面側の70°の範囲に関しては、外周側には発進架台15があるので溶接が困難なことから、図9(c)に示すように、内周面側にのみスキンプレートの厚みの一部に開先を設けて溶接する。
なお、外周面の溶接と内周面の溶接はその端部で0.5°の範囲で重なりを生ずるが、この部分は図9(d)のようになる。
前胴後部39を前胴前部1に溶接した後、前胴後部39を搬送してきた発進架台15を前方に押し付ける。
図8は前胴組立完了後の状態を示している。
上記のようにして前胴組立が終了すると、前述の300mm掘進のときと同様に、カッタ駆動装置7を駆動してカッタヘッド5を回転させると共に推進ジャッキ31を伸長させて掘進する。推進ジャッキ31を伸長して一定の距離だけ掘進すると、推進ジャッキ31の後端にスペーサ35を挿入してさらに掘進を行う。掘削中にチャンバ内に溜まった掘削土砂は排土バルブ33に図示しないホースなどを連結して吸い出すようにする。
図10は、各推進ジャッキ31にスペーサ35を10個ずつ設置した状態であり、991mm掘進した状態を示している。
段取り換え2は、次に後述の中胴部43を設置するためのスペースを確保するために推進ジャッキ31、発進架台15を撤去する工程であり、具体的には以下のように行う。
前胴部40がカッタヘッド5に作用する土圧に抵抗するため、前胴部40のスキンプレートの後端(前胴後部のスキンプレートの後端)をエントランス19後端にバックリング防止金具37によって連結する。この状態で、推進ジャッキ31を撤去し、さらに発進架台15を撤去する。
図11は段取り換え2が終了した状態を示しているが、参考のため撤去前の推進ジャッキ31および排土バルブ33を一点鎖線で示している。
中折れジャッキ41を6本搬入して、前胴部40に設置する。その後、発進架台15に載置した中胴部43を既設トンネル13内に搬入して、前胴部40の後方の位置まで搬送する。このとき、中胴部43内に次期工程で設置するシールドジャッキ45を搭載しておく。このようにシールドジャッキ45を搭載して中胴部43を搬入することで、機器搬入を効率的に行うことができる。
図12に示す状態は、中折れジャッキ41を設置し、中胴部43を前胴部40の後方に搬入した状態を示している。
中胴部43を図示しないジャッキによって前胴部40側に押し込み、中胴部43の前端と前胴部40の後端とをボルト接合する。そして、中折れジャッキ41の後端を中胴部43側に連結する。次に、シールドジャッキ45を水平にしてその前端を前胴部40側に引き込み、前胴部40側に固定する。シールドジャッキ45の後端には、図13(a)の拡大図に示すように、偏心金具47およびジャッキシュー49を取り付ける。
反力受29に長スペーサ51の一端を固定する。シールドジャッキ45を伸長させてシールドジャッキ45のジャッキシュー49を長スペーサ51に当接させる。この状態で、バックリング防止金具37を解体する。
上記のようにして掘進準備が終了すると、前述の991mm掘進のときと同様に、カッタ駆動装置7を駆動してカッタヘッド5を回転させると共にシールドジャッキ45を伸長させて分岐トンネルを掘削する。掘削中にチャンバ内に溜まった掘削土砂は排土バルブ33に図示しないホースなどを連結して吸い出すようにする。
図15に示す状態は、シールドジャッキ45を760mm伸長した状態であり、690mm掘進した状態を示している。
段取り換え3は、次にスクリューコンベアを設置するためのスペースを確保するために長スペーサ51を解体し、シールドジャッキ45の縮退し、発進架台15、排土バルブ33を撤去する工程であり、具体的には以下のように行う。
シールド掘進機がカッタヘッド5に作用する土圧に抵抗するため、中胴部43のスキンプレートの後端をエントランス19後端にバックリング防止金具37によって連結する。この状態で、長スペーサ51を解体し、シールドジャッキ45を縮退させる。そして、発進架台15を撤去し、さらに排土バルブ33を撤去する。
図16に示す状態は段取り換え3が終了した状態を示しているが、参考のため撤去前の長スペーサ51、シールドジャッキ45および排土バルブ33を一点鎖線で示している。
スクリューコンベアの前ケーシング53を搬入して、その前端を排土口12に連結する(図17(a)、図17(b)参照)。その後、追加のシールドジャッキ45を4本搬入して、設置して後端部の組立を行う(図18(a)参照)。その後、スクリューコンベアの中ケーシング55とフライト57の一体化したものを搬入して、フライト57を前ケーシング53に挿入すると共に中ケーシング55と前ケーシング53をボルトで接合する(図18(b)参照)。
発進架台15に載置した後胴部59を既設トンネル13内に搬入して、中胴部の後方の位置まで搬送する。このとき、後胴部59内に受け台61を設置して、次期工程で設置するスクリューコンベアのゲート63およびモータ65を受け台61に載置して搬入する。このようにスクリューコンベアの部品を搭載して後胴部59を搬入することで、機器搬入を効率的に行うことができる。
図19に示す状態は、中折れジャッキ41を設置し、中胴部43を前胴部40の後方に搬入した状態を示している。
後胴部59に搭載して搬入したゲート63を、図示しないチェーンブロックなどで吊り上げて中ケーシング55の後端側に設置する。そして、設置したゲート63の後端側に駆動用のモータ65を設置してスクリューコンベア67を完成する。モータ65の設置後に後胴部59に設けた受け台61を撤去する。
図20に示す状態は、モータ65を設置して、受け台61撤去前の状態を示している。
反力受29に長スペーサ51の一端を設置し、シールドジャッキ45を伸長させて長スペーサ51の先端にシールドジャッキ45の後端を当接させる。この状態でバックリング防止金具37を解体する。そして、後胴部59を載置している発進架台15を図示しない架設ジャッキで前方に押し出し、後胴部59の前端を中胴部43の後端に当接させる。そして、後胴部59の前端と中胴部43の後端を溶接によって接合する。
溶接の方法は、図22(a)に示すように、内面側及び外面側共に下部の70°を除く290°の範囲については内面側および外面側から溶接する(図22(b)参照)。しかし、下部の70°の範囲については発進架台15があるため外面側からの溶接ができないので、片開先として内面側のみから71°範囲について溶接する(図22(c)参照)。この71°の範囲の溶接の両端部では外面側の290°の範囲の溶接との重なりが生じ、図22(d)に示すような状態となる。
上記のようにして後胴組立が終了すると、前述の690mm掘進のときと同様に、カッタ駆動装置7を駆動してカッタヘッド5を回転させると共にシールドジャッキ45を伸長させて分岐トンネルを掘削する。シールドジャッキ45を伸長して一定の距離だけ掘進すると、シールドジャッキ45の後端に長スペーサ51を挿入してさらに掘進を行う。掘削中にチャンバ内に溜まった掘削土砂はスクリューコンベア67によって順次排出する。
図23に示す状態は、長スペーサ51を5個設置した状態であり、720mm掘進した状態を示している。
テール搬入準備は、テール部材69を設置するためのスペースを確保するために長スペーサ51の解体、スクリューコンベア67のモータ65の取外しを行う工程であり、具体的には以下のように行う。
シールド掘進機がカッタヘッド5に作用する土圧に抵抗するため、後胴部59のスキンプレートの後端をエントランス19後端にバックリング防止金具37によって連結する。この状態で、長スペーサ51を解体し、シールドジャッキ45を縮退させる。そして、モータ65を取外し、発進架台15を撤去する。
図24に示す状態はテール搬入準備において、長スペーサ51を解体してシールドジャッキ45を縮退させ、モータ65の取外しまで終えた状態を示しているが、参考のため撤去前の長スペーサ51、モータ65を一点鎖線で示している。
後胴部59の後端部に幅200mmのセグメント71をリング状に配置し、シールドジャッキ45のジャッキシュー49にブルマン等の固定治具で固定する。このセグメント71によりシールドジャッキ45のストロークの不足分を補うことができる。この実施例では200mmが不足分の補充量に相当するが、この値は工事環境に応じて変わる。従って、工事環境如何によっては、シールドジャッキ45のストロークの不足分を補充する必要がなく、セグメント71の設置は無用となる。
次に、発進架台15に載置したテール部材69を既設トンネル13内に搬入して、後胴部59の後方の位置まで搬送する(図25参照)。このとき、前工程で取り外したスクリューコンベア67のモータ65を搬入するテール部材69内に載置しておく。これは、テール部材69を後胴部59の後方に配置し、その後、モータ65を掘進機内に入れるとすると搬入スペースを確保するのが難しいからである。
テール部材69を後胴部59の後方まで搬送後、シールドジャッキ45を伸長して幅200mmのセグメント71を後方に押し出し、幅200mmのセグメント71とテール部材69のセグメント77を当接させ、これらのセグメント71、77が当接した状態でさらに後方に押し出し、テール部材69のセグメント77の後端を反力受29に当接させる。
なお、セグメント71を配置しない場合には、テール部材69のセグメント77のみを後方に押し出し、その後端を反力受29に当接させる。
このように、テール部材69内のセグメント77はシールドジャッキ45の反力受部材として機能する。この状態で、バックリング防止金具37を解体する(図26参照)。
鋼殻75と後胴部59の後端を溶接した後、スクリューコンベア67のモータ65を再び設置する。そして、幅500mmのセグメント77のうちの後方側のセグメントの一部を撤去し、開口部79を設ける。
図27はこのように開口部79を設けた状態を示している。
この点、本実施の形態のように、テール部材69の鋼殻75内に予めリング状に成形したセグメント77を挿入しておき、このセグメント77を反力受部材として機能させるようにすれば、セグメント77は予め鋼殻75内に設置しておくのであるから現場でスペーサなどを設置するのに比較すると格段に作業性に優れる。しかも、反力受部材がセグメント77であることから、別途撤去の必要がないばかりか、この部分については別途セグメント組立作業が不要となるので、作業効率が格段に向上する。
上記のようにしてテール部の組立が終了すると、前述の720mm掘進のときと同様に、カッタ駆動装置7を駆動してカッタヘッド5を回転させると共にシールドジャッキ45を伸長させて分岐トンネルを掘削する。シールドジャッキ45を伸長して500mm掘進すると、幅200mmのセグメント71の前端側に幅500mmのセグメント81を組み立てる。セグメント81の各パーツは開口部79を介して分岐トンネル内に搬入する。
図28は幅500mmのセグメント81を組立終えた状態を示している。
上記のように幅500mmのセグメントの組立が終了した状態では、図29に示すように、テール部78よりも後方に幅500mmのセグメント77が2リング分あることになる。最後端のセグメント77の一部は撤去されて開口部79が設けられているが、この開口部79に隣接する最後端から2番目のセグメントの一部を撤去して開口部79と連通する大開口部83を形成する。大開口部83を形成した後、ここから幅750mmのセグメント85を搬入する(図30参照)。そして、シールドジャッキ45を縮退させて幅750mmのセグメントリング87を組み立てる(図31参照)。
図31は幅750mmのセグメントリング87を組立後の状態を示している。
前工程によって幅750mmのセグメントリング87を組み立てたことにより、シールド掘進機の後方に長サイズのスクリューコンベアを組み立てるのに必要なスペースが確保できたので、ここで長サイズのスクリューコンベアの組立を行う。
長サイズのスクリューコンベアの組立に際しては、前工程で組立てた短サイズのスクリューコンベア67を一部解体し、部品を追加して長サイズのスクリューコンベアとする。具体的には以下のような手順による。
中ケーシング55の蓋を外し、フライト57を固定してピンを外す。その後、モータ65を取り外し、ゲート63部を解体する(解体途中について図20を参照)。中間フライトを搬入して、中ケーシング55に挿入して設置する。そして、中間ケーシング89を搬入し、搬入した中間ケーシング89を中ケーシング55の後端側に設置する。中間ケーシング89の後端側にゲート63部を設置し、さらにモータ65を設置して長サイズのスクリューコンベア91の組立を完了する。
図32は長サイズのスクリューコンベア61の組立が完了した状態を示している。
シール部材73を有する円筒状の鋼殻75の内側にリング状に組み立てたセグメント77を予め挿入したテール部材69を用いてテール部78を組立てるようにしたので、現場においてテールブラシなどを後胴後部の内面に押し付けながらスペーサ等を設置する必要がなく、テール部の組立が容易になり、効率的な分岐用シールド掘進機の発進方法を実現できる。
また、本実施の形態で示したテール部材69は分岐用シールド掘進機の発進のみならず、狭い現場においてテール部を組立てるような場合には通常のシールド掘進機の発進に用いることもでき、この場合にも発進作業の効率化を図ることができる。
Claims (5)
- 既設トンネル内で後胴部の後方にテール部の接合を行う分岐用シールド掘進機の発進方法であって、
シール部材を有する鋼殻内に反力受部材を予め設置してなるテール部材を後胴部の後方に配置する工程と、前記テール部材内の反力受部材を介して反力をとり、前記鋼殻と前記後胴部を当接させる工程と、当接した前記鋼殻と前記後胴部を接合する工程と、を備えたことを特徴とする分岐用シールドの発進方法。 - 反力受部材はリング状に組み立てたセグメントであることを特徴とする請求項1に記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
- 鋼殻と後胴部を当接させる工程の前に、反力受部材と当接可能なセグメントを前記後胴部の後端部に配置する工程を有することを特徴とする請求項1または2に記載の分岐用シールド掘進機の発進方法。
- 既設トンネル内で後胴部の後方にテール部の接合を行うシールド掘進機の発進方法に用いるテール部材であって、シール部材を有する鋼殻内に反力受部材を予め設置してなることを特徴とするシールド掘進機のテール部材。
- 反力受部材はリング状に組み立てたセグメントであることを特徴とする請求項4に記載のシールド掘進機のテール部材。
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