JP3774211B2 - シールド掘進機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトンネルの掘削を行うシールド掘進機に係わり、特に分岐線トンネルを掘削する分岐シールド掘進機を内部に収納したシールド掘進機に関する。
【0002】
【従来の技術】
本線トンネルから分岐して分岐線トンネルを掘削する工法の1つに、分岐シールド工法がある。この分岐シールド工法は、本線トンネルを掘削するシールド掘進機にこれより一回り小さな分岐シールド掘進機を収納し、このシールド掘進機により本線トンネルを分岐地点まで掘進した際に、収納した分岐シールド掘進機を発進し、その後はシールド掘進機と分岐シールド掘進機とによって本線トンネルと分岐線トンネルとを並行して掘削するものである。
【0003】
従来、このような分岐シールド工法を行うシールド掘進機として、シールド本体の一部を二重筒構造とし、内筒(内胴)を外筒(スキンプレート)に対して周方向に旋回可能に設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。ここでは、内筒に分岐シールド掘進機及びその発進用ガイド(ガイド筒部)等を設け、外筒には分岐シールド掘進機の発進用開口(第一発進用窓穴)を設けており、通常時は上記外筒の発進用開口を内筒の発進用ガイド部分以外の外周面によって閉塞し、分岐シールド掘進機の発進時には駆動モータで内筒を分岐シールド掘進機と共に旋回させて外筒の発進用開口と内筒の発進用ガイドとを合わせることにより、分岐シールド掘進機の発進用開口を開放するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特許第2921825号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では以下のような課題が存在する。
すなわち、上記従来技術においては内筒が分岐シールド掘進機及びその発進用ガイド等を備えた大規模な構造であるため、旋回重量が大きく旋回駆動させるために大きな動力を必要とする。したがって、例えば周囲の地山から作用する外部荷重によって外筒に局部的な凹み等の変形が生じた場合には、この変形によって内筒が押さえられ、駆動モータでは旋回動力が不足して旋回駆動が困難となる恐れがある。特に、シールド掘進機が大型の場合には、内筒はさらに大規模構造となりその旋回重量が増大する上に、上記地山からの外部荷重に自重が加わることによって外筒の変形量が増加するため、旋回が困難となる可能性が一層増大する。すなわち上記従来技術によれば、このような内筒の旋回困難な状況が生じた場合には発進用開口が開放できないために分岐シールド掘進機の発進ができないといった事態を生じる恐れがあった。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、分岐シールド掘進機の発進用開口を確実に開閉させ、分岐シールド掘進機を確実に発進させることができるシールド掘進機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明のシールド掘進機は、分岐線トンネルを掘削する分岐シールド掘進機を内部に収納したシールド掘進機において、シールド本体と、このシールド本体に設けた前記分岐シールド掘進機の発進用開口と、前記シールド本体の内周面に沿って設置される前記発進用開口の開閉を行うプレート部材と、このプレート部材を前記シールド本体の内周面に沿ってスライドさせる駆動手段と、前記シールド本体の内部に設けられ、前記プレート部材のスライドによる可動範囲を包含する水密区画と、前記シールド本体の内周面に前記発進用開口の周囲を囲むように設けたシール部材とを備え、前記シールド掘進機の発進の際に、前記水密区画を加圧した状態で前記プレート部材をスライドさせるものとする。
【0008】
本発明においては、分岐シールド掘進機を収納した状態で本線トンネルを掘削し、分岐地点に到着したら、駆動手段でプレート部材をシールド本体の内周面に沿ってスライドさせて発進用開口を開放し、分岐シールド掘進機を発進する。
【0009】
ここで、例えばシールド本体の一部が二重筒構造となっており、内筒が周方向に旋回することによって分岐シールド掘進機の発進用開口を開放する前述の従来技術のような構造の場合には、内筒が分岐シールド掘進機及びその発進用ガイド等を備えた大規模な構造であるため、旋回重量が大きく旋回駆動させるために大きな動力が必要となる。したがって、例えば周囲の地山から作用する外部荷重によってシールド本体に局部的な凹み等の変形が生じた場合には、この変形によって内筒が押さえられ、旋回動力が不足して旋回駆動が困難となる恐れがある。特に、シールド掘進機が大型の場合にこの傾向は顕著となり、内筒はさらに大規模構造となるためその旋回重量が増大する上に、地山からの外部荷重に自重が加わることによってシールド本体の変形量が増加することも考えられ、旋回が困難となる可能性が一層増大する。このような内筒の旋回困難な状況が生じた場合には発進用開口が開放できないために分岐シールド掘進機の発進ができないといった事態を生じる恐れがあった。
【0010】
これに対し、本発明によれば、シールド本体の内周面に沿って設置されるプレート部材を駆動手段でシールド本体の内周面に沿ってスライドすることで、発進用開口の開閉を行う。このように、分岐シールド掘進機及びその発進用ガイド等とは独立したプレート部材を用いることで、上記従来技術のように分岐シールド掘進機及びその発進用ガイド等を備えた内筒を旋回する構造に比べて発進用開口の開閉構造の規模を大幅に減縮することができる。さらに、本発明のプレート部材は発進用開口を閉塞するために発進用開口面積より若干広い面積を有する大きさとすれば足り、このプレート部材のスライドの可動範囲はシールド本体の例えば周方向における一部の範囲に過ぎないため、上述したように外部荷重によりシールド本体に局部的な凹み等の変形が生じた場合でも、その変形がプレート部材の可動範囲内でなければ問題なく発進用開口の開閉を行うことが可能である。またさらに、シールド掘進機が大型である場合には、上記従来構造においてはたとえ分岐シールド掘進機が小型であっても内筒がシールド本体に合わせて大型化するため発進用開口の開閉構造は大規模となってしまうが、本発明のプレート部材の大きさは発進用開口の大きさ(すなわち分岐シールド掘進機の大きさ)に依存するものであるため、シールド掘進機が大型である場合であっても発進用開口の開閉構造は小規模な構造とすることができる。しかも、このようにシールド掘進機が大型である場合には増大した自重によってシールド本体が変形することも考えられるが、上記したようにプレート部材の可動範囲が小範囲であるため、変形がプレート部材のスライド駆動へ及ぼす影響を少なくすることができる。
【0011】
また、シールド本体の内部にプレート部材のスライドによる可動範囲を包含する水密区画を設けたことにより、分岐シールド掘進機発進の際に、例えば水密区画をシールド本体の外部圧と同等の圧力まで加圧した上で、プレート部材をスライドして発進用開口を開放することが可能となる。このようにすることで、外部圧によりプレート部材にかかる荷重を低減し、スライド駆動の際の駆動力を低減することができる。したがって、分岐シールド掘進機の発進用開口をさらに確実に開閉することができ、その結果、分岐シールド掘進機をさらに確実に発進させることができる。さらに加圧した水もしくは泥水等によって地山を支える効果があり、発進用開口を開くときに地山が崩れ流入してくることを防止することができる。
さらに、このように水密区画内でプレート部材をスライドさせる構造とすることで、スライド中におけるプレート部材とシールド本体との間の止水が不要となる。したがって、摺動シールが不要となるため、シール性を向上することができる。また、発進用開口の閉塞時に限りプレート部材とシールド本体内周面との間を止水すればよいので、例えばシールド本体の内周面に発進用開口の周囲を囲むようにシール部材を設ければ足り、単純なシール構造とすることができる。
以上説明したように、本発明によれば、分岐シールド掘進機の発進用開口の開閉構造を大幅に小規模化でき、且つシールド本体の変形が発進用開口の開閉駆動に及ぼす影響を少なくできるので、分岐シールド掘進機の発進用開口を確実に開閉させ、分岐シールド掘進機を確実に発進させることができる。
【0012】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記プレート部材は前記内周面に沿って彎曲しており、その周方向長さが少なくとも前記シールド本体の円周長さの半分より小さいものとする。
【0016】
(3)上記(1)又は(2)において、さらに好ましくは、前記水密区画内に外水圧を導入することで前記水密区画を加圧するものとする。
【0017】
(4)上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、また好ましくは、前記プレート部材のスライド開始時に前記プレート部材をスライド方向に押す補助ジャッキを備えるものとする。
通常、分岐シールド掘進機発進の際には、プレート部材をスライドさせて発進用開口を開放する前に、その開口周囲の地山に崩壊防止のために固化材等を注入する。このため、その固化材等によってプレート部材の地山側の外周面に土砂が固着してプレート部材のスライド駆動を阻害する恐れがある。本発明によれば、スライド開始時に補助ジャッキでプレート部材をスライド方向に押し、固着した土砂とプレート部材の縁を切る。これにより、その後は駆動手段によってプレート部材をスライドすることができる。
【0019】
(5)上記(1)乃至(4)のいずれかにおいて、さらに好ましくは、前記シールド本体内に前記分岐シールド掘進機を前記発進用開口にガイドする発進用ガイドをさらに備え、前記発進用開口の閉塞時に前記発進用ガイドで前記プレート部材を前記発進用開口側に向かって押し付けるものとする。
これにより、発進用開口の閉塞時のプレート部材によるシール性を向上することができる。
【0020】
(6)上記(1)乃至(5)のいずれかにおいて、また好ましくは、前記プレート部材の前記発進用開口側の外周面に前記発進用開口に嵌合する凸部を設けるものとする。
このようにして、発進用開口の閉塞時にシールド本体の外周面の発進用開口部の段差を小さくすることができる。これにより、シールド掘進機の立坑からの発進時におけるエントランスシールによるシール性を向上することができると共に、掘進時に土砂が段差に引っかかることによる抵抗力を低減することができる。また、土砂の噛み込みによる発進用開口の変形等も防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のシールド掘進機の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のシールド掘進機の一実施の形態の全体構造を表す側断面図である。
【0022】
この図1において、1は略円筒形状のシールド本体であり、このシールド本体1は、中折れ(詳細は後述)を可能とするために掘進方向前方側(図1中左側)に位置する前胴1Aと、その後方側(図1中右側)に隣接し後述する分岐シールド掘進機を収納する分岐シールド収納胴1B及びこの分岐シールド収納胴1Bのさらに後方側に位置する後胴1Cとを折り曲げ可能に連結した構造となっている。2は隔壁であり、前胴1Aをさらにフード部1Aaとガータ部1Abに区分するように設けられ、ガータ部1Ab内部を掘削室P(後述)内の泥水から隔絶するようになっている。3は前面に複数のカッタビット3aを備えたカッタヘッドであり、前胴1Aの掘進方向前方側に設けられ地山の切羽を掘削して掘削室Pへ取り込むようになっている。4はカッタヘッド3を回転駆動するカッタ駆動装置(例えば油圧モータ、又は電動でもよい)であり、隔壁2に取り付けられている。また、5はカッタ駆動装置4からの駆動力を複数の支持部材6を介してカッタヘッド3に伝達する回転伝達機構、7は前胴1Aとカッタヘッド3との間に形成される掘削室P内に取り込まれた掘削土砂に対し注水を行うための送水管、8はその掘削室P内で注水され泥水の状態となった掘削土砂を吸い込み、後胴1Cの掘進方向後方側に搬送し排出する排泥管、9は後胴1C内に設けられ、トンネル(図示せず)の内壁面を覆工するセグメントリングSを順次組み立てるエレクタ装置、10はカッタヘッド3を隔壁2に対して回転自在に支持し、カッタヘッド3へ圧油と作泥材を供給するためのセンタジョイントである。
【0023】
11は前胴1Aと分岐シールド収納胴1Bとの間に設けられ、それらを互いに摺動可能に連結する中折れ機構である。この中折れ機構11は、分岐シールド収納胴1Bの前胴側端部に設けられ側面が所定の曲率を持った摺動部11aと、前胴1Aの分岐シールド収納胴側端部に設けられ上記摺動部11aに摺接しこの摺動部11aと前胴1A後胴側端部との間をシールして土砂、地下水の浸入を防止する略リング状のシール部材11bとで構成されている。また、12は分岐シールド収納胴1Bの最前部(詳細には摺動部11aの内周側)に設けられたリングガーダであり、このリングガーダ12にはその周方向に複数(例えば8つ)の中折れジャッキブラケット13が配設されている。また、14は前胴1Aの内周面の中折れジャッキブラケット13と対応する周方向位置に設けられた中折れジャッキブラケットであり、これら周方向位置が互いに対応する中折れジャッキブラケット13,14が複数本(例えば8本)中折れジャッキ(前胴推進ジャッキ)15により連結されている。この中折れジャッキ15が伸縮することにより、前記中折れ機構11を介して前胴1Aを分岐シールド収納胴1Bに対して進退させたり、前胴1Aと分岐シールド収納胴1Bとを折り曲げて掘進方向を変えたりできるようになっている。
【0024】
16は後胴1Cの最前部に設けられたリングガーダであり、17はこのリングガーダ16の周方向複数箇所(本実施の形態では16箇所。後述の図2参照)にシールドジャッキブラケット18を介してそれぞれ取り付けられたシールドジャッキである。これらのシールドジャッキ17は等間隔に環状に配置されており、それらが伸長すると掘進方向後方側に接続されたスプレッダ19が既設のセグメントリングSに対して突っ張り、その押し付け反力が上記リングガーダ16から分岐シールド収納胴1Bを介して前胴1Aに伝えられ、カッタヘッド3に前方の切羽への押付力を付与するようになっている。
【0025】
前記の掘削室P内の上部及び下部には、送水管7及び排泥管8の先端側がガータ部1Ab内部から隔壁2を貫通して突出しており、それぞれの先端部分には送水口7a及び吸込口8aが開口して設けられている。また、送水管7及び排泥管8の後方側は、前胴1Aと分岐シールド収納胴1Bとを隔絶する隔壁20及び分岐シールド収納胴1Bと後胴1Cとを隔絶する隔壁21を貫通し、その後端側は後胴1Cからさらに後方(すなわちシールド掘進機外)へと延設されており、送水管7の後端は所定箇所に設けた送水ポンプ(図示せず)に、排泥管8の後端は所定箇所に設けた排泥ポンプ(図示せず)に接続されている。すなわち、上記送水ポンプの吐き出し力によって送水管7及び送水口7aを介して掘削室P内に注水し、そこで攪拌される掘削土砂を泥水の状態として、上記排泥ポンプによって掘進方向と反対側に搬送するようになっている。この搬送される泥水は、最終的にトンネル坑外に設けられた泥水処理設備(図示せず)で所定の処理(泥水性状調整)をされた後、送水ポンプによって送水管7を介し再びシールド掘進機内へと送り込まれ、先端の前記送水口7aから掘削室P内へと還流されるようになっている。なお、22は図示しないバイパスバルブを備えたバイパス管であり、例えば掘進開始前等、掘削室P内への送水が必要ない場合には、このバイパス管22により送水ポンプから送水管7を介し導かれてきた水を送水口7aから掘削室P内に供給する前に排泥管8へとバイパスさせ、シールド本体1内で還流させるようになっている。
【0026】
また、23は複数のテールパッキン23aを備え後胴1Cの最後端部に設けられたテールシール部であり、このテールシール部23によって、後胴1Cの後端部とセグメントリングSとの間がシールされ、シールド掘進機外からシールド本体1内へ水及び土砂が浸入するのを防止するようになっている。
【0027】
前記のエレクタ装置9は、後胴1Cの内周面に径方向中心に向かって配置され後胴1Cに装備された旋回用モータ(図示せず)により回転駆動される複数のガイドローラ24と、これらガイドローラにより外周から支持され回転するガイドローラに転動することによって回転するエレクタリング25と、このエレクタリング25から後方側に向けて突出した左・右1対のエレクタアーム26,26(但し図1には片方のみ図示)と、これらエレクタアーム26,26に設けられた押付ジャッキ27,27(但し図1には片方のみ図示)によって上記エレクタリング25の径方向に摺動させられる吊りビーム28と、この吊りビーム28に設けられエレクタアーム26,26をそれぞれ貫通する左・右1対のガイドロッド29,29(但し図1には片方のみ図示)と、吊りビーム28にスライダガイド(図示せず)を介して支持されたスライダ(図示せず)と、吊りビーム28に装備された前後摺動ジャッキ31と、上記スライダに設けられ前後摺動ジャッキ31によりエレクタリング25の軸線方向(図1中左右方向)に摺動させられるセグメント把持部32とを有する。
【0028】
上記構造により、エレクタ装置9は、セグメントリングSの分割ピースを構成するセグメントを1つずつ吊り上げ、所定の組立位置に搬送するようになっている。そして、このように所定の組立位置に搬送されたセグメントを軸線方向に隣接する既設セグメントリングS及び周方向に隣接する既設セグメントに順次ボルト締結して新たなセグメントリングSを組み立てるようになっている。
【0029】
図2は分岐シールド収納胴1Bの内部構造を表す図1中II−II断面による横断面図である。
この図2において、100は分岐シールド収納胴1B内に収納され、分岐線トンネルを掘削する分岐シールド掘進機、35はこの分岐シールド掘進機100の発進方向をガイドする略筒状の発進用ガイド、36はこの発進用ガイド35と分岐シールド掘進機100との間をシールするエントランスシール、37は分岐シールド収納胴1Bの側方(図2中左方向)に設けられ、分岐シールド掘進機100が発進するための発進用開口である(なお、理解を容易とするために図1にも発進用開口37を実線で示している)。
【0030】
分岐シールド掘進機100は、シールド本体1を有するシールド掘進機(以下、適宜本線シールド掘進機と記述する)とほぼ同様の構造であり、シールド本体101の前胴101Aと、この前胴101A内を掘削室P′とそれ以外の領域に隔絶する隔壁102と、複数のカッタビット103aを備えたカッタヘッド103と、このカッタヘッド103を回転駆動するカッタ駆動装置104と、カッタヘッド103を隔壁102に対して回転自在に支持し、上記カッタ駆動装置104からの駆動力を回転伝達機構105を介して伝えるセンタジョイント110と、掘削室P′内に注水を行うための送水管107と、掘削室P′内の泥水を吸い込み排出する排泥管108とを備えている。
【0031】
以上のような基本構成であるシールド掘進機において、本実施の形態の最も大きな特徴は、分岐シールド掘進機100の発進用開口37をゲートにより開閉するようにしたことである。以下、この詳細について説明する。
図2において、40は分岐シールド掘進機100の発進用開口37の開閉を行うゲートであり、分岐シールド収納胴1Bの内周面1Baに沿って彎曲した形状を有する彎曲プレート状部材である。このゲート40は、その周方向長さが分岐シールド収納胴1Bの円周長さの約1/4程度で発進用開口37よりもやや広い面積を有しており、図2に示すように発進用開口37を内周面1Ba側からすっぽりと覆って閉塞することができるようになっている(なお、理解を容易とするため図1にもこの閉塞時のゲート40を実線で示している)。このとき、分岐シールド収納胴内周面1Baには発進用開口37の周囲を囲むように2重にシール部材41,42が設けられており、内周面1Baとゲート40の外周面との間を止水して発進用開口37の閉塞時に外部から水や土砂が浸入しないようになっている。
【0032】
また、分岐シールド収納胴1Bの内部にはこの分岐シールド収納胴1Bより径が小さい同心円状の内筒壁1bが設けられており、この内筒壁1bの発進用開口37に対応する位置にはガイド部材43が設けられている。このガイド部材43は、前記の発進用ガイド35を分岐シールド掘進機100の軸心方向(図2中左右方向)に摺動可能に支持しており、発進用開口37の閉塞時には発進用ガイド35を分岐シールド掘進機100の進行方向(図2中左方向)に摺動させてゲート40の内周面の周方向両端に設けた受け部材38,38に当接させ、ゲート40を発進用開口37側へ押し付けてシール性を向上するようになっている。なお、39はガイド部材43の内周面に設けられ、上記発進用ガイド35とガイド部材43との間をシールするシール部材である。
【0033】
図1に戻り、44,44は分岐シールド収納胴1Bの両端に位置する前記の隔壁20,21にそれぞれ設けられた1対のゲート駆動モータ(油圧モータ、又は電動でもよい)である。図3はこのゲート駆動モータ44の詳細構造を一部破断断面で表す、図1中A部拡大図である。
この図3に示すように、ゲート駆動モータ44は隔壁21の外部(すなわち分岐シールド収納部1Bの外部)に設けられ、このゲート駆動モータ44の回転駆動力が隔壁21を貫通して設けられた軸45を介してピニオン46に伝えられるようになっている。また、この図3には図示しないが、反対側の隔壁20側に設けたゲート駆動モータ44も同様の構造となっている。一方、ゲート40の幅方向(図2中紙面に垂直な方向)両側にはラック47,47が設けられている。すなわち、上記ピニオン46,46がゲート40のラック47,47と噛み合うことにより、ゲート駆動モータ44が回転駆動してピニオン46が回転すると、ゲート40が分岐シールド収納胴1Bの内周面1Baに沿ってその周方向にスライドされるようになっている。
【0034】
48,48はゲート40の幅方向(図3中左右方向)両側位置にそれぞれ2列のボルト49,49(図3参照)によって分岐シールド収納胴内周面1Baに締結して設けられ、ゲート40の上記スライド駆動をガイドするためのガイド部材である。このガイド部材48はシールド本体径方向内側がゲート40側に向かってそれぞれ折れ曲がった形状をしており、上記ゲート40のラック47から幅方向外側に向けてそれぞれ突出して設けられた凸部47a,47a(図3参照)と係合することで、ゲート40を径方向外側(すなわちシールド本体1の外側)に向かって押さえ込みつつスライド方向を周方向にガイドする役目を果たしている。このガイド部材48により、ゲート40と分岐シールド収納胴1Bの内周面1Baとのクリアランスが一定に調整されるようになっている。
【0035】
また、50はゲート駆動モータ44でゲート40のスライドを開始するときに、ゲート40をスライド方向に押す補助ジャッキである。この補助ジャッキ50によりスライド開始時にゲート40をスライド方向に一旦押すことで、固化材等によって土砂がゲート50の外周面に固着した場合であっても、固着した土砂とゲート40の縁を切ってその後はゲート駆動モータ44によってスライド駆動することができるようになっている。
【0036】
このように、ゲート40はスライドすることによって分岐シールド収納胴1Bと前記内筒壁1bとの間の領域を周方向に移動するが、本実施の形態では、このゲート40の可動する領域は内筒壁1b内の領域(すなわち大気領域)と区画されている。図4はこの区画領域を示す図である。
この図4において、発進用開口37の開閉に伴うゲート40のスライドによる可動範囲は矢印アの範囲で表される。このゲート40の可動範囲は、分岐シールド収納胴1B、内筒壁1b、前記の隔壁20,21(図1参照)、隔壁55,56、及び分岐シールド掘進機100のカッタヘッド103(発進用開口37の閉塞時にはさらにゲート40自身)によって形成される区画M(図4中斜線部)内に包含されるようになっており、この区画は水密区画となっている。これにより、ゲート40がスライドする際にゲート40の外周面と分岐シールド収納胴内周面1Baとの間を摺動シールによって止水する必要がなくなり、前述した内周面1Baの発進用開口37の周囲に設けたシール部材41,42によって発進用開口37の閉塞時に止水すれば足りるようになっている。
【0037】
以上において、ゲート40は特許請求の範囲各項記載の発進用開口の開閉を行うプレート部材を構成し、ゲート駆動モータ44はプレート部材をシールド本体の内周面に沿ってスライドさせる駆動手段を構成する。
【0038】
次に、上記構成の本発明のシールド掘進機の一実施の形態の動作を図5乃至図9を用いて以下に説明する。
分岐シールド掘進機100を収納した本線シールド掘進機により本線トンネルを掘進する。分岐地点に到着したら、シールド本体1およびセグメントリングSを固定し、シールド掘進機の後方にある運転台車、トランス台車等の台車を解体し搬出する。続いて、エレクタ装置9、送水管7、排泥管8、及び後方作業台を撤去して搬出すると共に、周方向16箇所に配置されたシールドジャッキ17を全数隔壁21及びリングガーダ16から引き抜き、搬出する。また、分岐シールド掘進機100の仮推進用の元押しジャッキ59を設置する(図5参照)。
【0039】
次に、図6に示すように、シールドジャッキ17を引き抜くことにより現出した隔壁21のシールドジャッキ孔60のうち、前述した水密区画M内にあるシールドジャッキ孔60に蓋板61を取り付けて閉塞する。そして、元押しジャッキ59を伸長させて分岐シールド掘進機100を発進方向(図6中左方向)に移動し、固定ブラケット62により分岐シールド掘進機100と発進用ガイド35とを固定する。その後、元押しジャッキ59を縮短させて固定した分岐シールド掘進機100と発進用ガイド35とを共に発進方向と反対側に若干移動し、発進用ガイド35を受け部材38から離す。さらに、補助ジャッキ50を設置する。
【0040】
この状態で、水密区画M内に外水圧を導入して加圧し、シールド本体1の外部圧とほぼ同圧にする。そして、最初に補助ジャッキ50でゲート40を押してゲート40と土砂との縁を切った後、ゲート駆動モータ44によりゲート40を分岐シールド収納胴1Bの周方向上方にスライドさせて、図7に示すように発進用開口37を開放する。なお、ゲート40は可動範囲一杯までスライドさせた状態で固定し、また補助ジャッキ50は撤去する。
【0041】
その後、図8に示すように、仮推進用の元押しジャッキ59を増設し固定ブラケット62を撤去して、分岐シールド掘進機100を発進用ガイド35に沿って発進方向に推進する。そして、前述した中折れ機構を有する中胴101Bを搬入し、推進した前胴101Aの後方に取り付ける。これら前胴101A及び中胴101Bをさらに推進させ、エレクタ装置109を有する後胴101Cを搬入して、中胴101Bの後方にその後胴101Cを取り付ける。また、シールドジャッキ117を設置する。なおこのとき、送水管107及び排泥管108、電線その他必要な接続についても行う。
【0042】
そして、図9に示すように、分岐シールド掘進機100は、カッタヘッド103で掘削しつつ後方のエレクタ装置109でセグメントリングsを組み立て、この組み立てたセグメントリングsに対してシールドジャッキ117を伸長させて反力を得ながら、分岐線トンネルの掘進を行う。
【0043】
以上のような動作を行う本発明のシールド掘進機の一実施の形態によれば、次のような作用が得られる。以下、作用項目ごとに順に説明する。
(1)発進用開口の開閉確実性の向上
本実施の形態においては、分岐シールド収納胴1Bの内周面1Baに沿って彎曲したプレート形状のゲート40をゲート駆動モータ44で内周面1Baに沿ってスライドさせて、発進用開口37の開閉を行う。
【0044】
ここで、例えば分岐シールド収納胴1Bが二重筒構造となっており、内筒が周方向に旋回することによって分岐シールド掘進機100の発進用開口37を開放する前述の従来技術のような構造の場合には、内筒が分岐シールド掘進機100及びその発進用ガイド35等を備えた大規模な構造であるため、旋回重量が大きく旋回駆動させるために大きな動力が必要となる。したがって、例えば周囲の地山から作用する外部荷重によって分岐シールド収納胴1Bに局部的な凹み等の変形が生じた場合には、この変形によって内筒が押さえられ、旋回動力が不足して内筒の旋回駆動が困難となる恐れがある。特に、シールド掘進機が大型の場合にこの傾向は顕著となり、内筒はさらに大規模構造となるためその旋回重量が増大する上に、地山からの外部荷重に自重が加わることによって分岐シールド収納胴1Bの変形量が増加することも考えられ、旋回が困難となる可能性が一層増大する。このような内筒の旋回困難な状況が例えば分岐シールド掘進機100の発進前に生じた場合には、発進用開口37が開放できないために分岐シールド掘進機100の発進ができないといった事態を生じる恐れがあった。
【0045】
これに対し、本実施の形態によれば、ゲート40を用いた開閉構造とすることで、上記従来構造のように分岐シールド掘進機100及びその発進用ガイド35等を備えた内筒を旋回する構造に比べて発進用開口37の開閉構造の規模を大幅に減縮することができる。この結果、ゲート40をスライドするゲート駆動モータ44には大動力を要さず、開閉駆動に必要な動力を大幅に低減できる効果もある。さらに、ゲート40は前述したようにその周方向長さが分岐シールド収納胴1Bの円周長さの約1/4程度で発進用開口37の面積よりやや広い面積を有する程度の大きさであり、その可動範囲は図4に示したように分岐シールド収納胴1Bの周方向半分にも満たない領域に過ぎないため、外部荷重により分岐シールド収納胴1Bに局部的な凹み等の変形が生じた場合でも、その変形が上記可動範囲外であれば問題なく発進用開口37の開閉を行うことが可能となる。すなわち、本実施の形態のような構造の場合、ゲート40の周方向長さが少なくとも分岐シールド収納胴1Bの円周長さの半分より大きくなることはなく、ゲート40の可動範囲は少なくとも分岐シールド収納胴1Bの円周長さより小さくなるため、円周方向全てに渡り可動範囲となる従来の2重筒構造に比べて、分岐シールド収納胴1Bの変形が発進用開口37の開閉駆動に及ぼす影響を少なくすることができる。またさらに、シールド掘進機が大型である場合には、たとえ分岐シールド掘進機100が小型であっても、上記従来構造においては内筒が分岐シールド収納胴1Bに合わせて大型化するため発進用開口37の開閉構造は大規模となってしまうが、本実施の形態のゲート40の大きさは発進用開口37(すなわち分岐シールド掘進機100)の大きさに依存するものであるため、シールド掘進機が大型である場合であっても発進用開口37の開閉構造は小規模な構造とすることができる。しかも、このようにシールド掘進機が大型である場合には増大した自重によって分岐シールド収納胴1Bが変形することも考えられるが、上記したようにゲート40の可動範囲が小範囲であるため変形がゲート40のスライド駆動に及ぼす影響を少なくできる。
【0046】
以上説明したように、本実施の形態によれば、分岐シールド掘進機100の発進用開口37の開閉構造を大幅に小規模化でき、且つ分岐シールド収納胴1Bの変形が発進用開口37の開閉に及ぼす影響を少なくできるので、分岐シールド掘進機100の発進用開口37を確実に開閉することができ、その結果、分岐シールド掘進機100を確実に発進することができる。また、発進後は本線シールド掘進機で本線トンネルの掘進を確実に行うことができる。
【0047】
また、本実施の形態においては、分岐シールド掘進機100発進の際に、外水圧を導入して水密区画M内をシールド本体1の外部圧と同等の圧力まで加圧した上で、ゲート40をスライドさせて発進用開口37を開放する。これにより、スライド駆動時に外部圧によりゲート40に作用する荷重を大幅に低減できるので、これによっても発進用開口37の開閉確実性の向上効果を得ることができる。また、ゲート駆動モータ44の動力をさらに低減することができる。さらに、加圧した水又は泥水等によって地山を支える効果があり、発進用開口37を開くときに地山が崩れ流入してくることを防止することができる。
【0048】
またさらに、本実施の形態においては、発進用開口37を開放する際に、最初に補助ジャッキ50によりゲート40を押した上でゲート駆動モータ44によってゲート40をスライドさせる。すなわち、通常、分岐シールド掘進機100発進の際には、発進用開口37を開放する前にその周囲の地山に崩壊防止のための固化材等を注入するものであるが、この固化材により、ゲート40の外周面に土砂が固着してゲート40のスライド駆動を阻害する場合がある。本実施の形態によれば、このような場合でも、スライド開始時に補助ジャッキ50でゲート40をスライド方向に押すことで、固着した土砂とゲート40の縁を切ることができる。これにより、その後はゲート駆動モータ44によってスライド駆動することが可能となる。したがって、これによっても発進用開口37の開閉確実性の向上効果を得ることができる。
【0049】
(2)シール性の向上
本実施の形態においては、水密区画M内でゲート40をスライドさせる構造とするので、スライド駆動中におけるゲート40の外周面と分岐シールド収納胴内周面1Baとの間の止水が不要である。したがって、摺動シールを必要としないため、シール性を向上することができる。またこれにより、発進用開口37の閉塞時にゲート40と分岐シールド収納胴内周面1Baとの間を止水すれば足りるので、内周面1Baに発進用開口37の周囲を囲むようにシール部材41,42を設けるといった単純なシール構造とすることができる。
【0050】
さらに、本実施の形態においては、前述したように発進用開口37の閉塞時に発進用ガイド35をゲート40の内周面に設けた受け部材38に当接させ、ゲート40を発進用開口37側へ押し付ける。これにより、発進用開口37周囲に設けたシール部材41,42によるシール性を向上することができる。
【0051】
(3)現地加工性の向上
一般に、シールド掘進機はトンネルを施工する施工現場まで分割して輸送され、現地で組み立てが行われる。この際、シールド本体は周方向に分割されて輸送されてくるため、現地においてそれら分割されたシールド本体を機械的な接合及び溶接によって円筒形状に組み上げることとなるが、このような現地組み立てでは真円を得ることは困難である。したがって、前述したシールド本体を2重筒構造とする従来構造においては、外筒と内筒とのクリアランスが不均一となったり、加工精度によっては組み立て自体が困難となる可能性がある。また、2重筒構造であるため軸線を鉛直にした状態で外筒に内筒を挿入する必要があり、組立作業が大掛かりとなる。さらに、シール性の点では、従来構造においては外筒と内筒との間を周方向全域に渡ってシールする必要があるためシール材をシールド本体を1周するように設ける必要があるが、上記のようにシールド本体が分割されて輸送されてくるためにシール材も分割されることとなり、シール性は低下する。
【0052】
これに対し、本実施の形態によれば、ゲート40で発進用開口37を開閉する構成とするため、シールド本体が真円形状でなくとも上記従来構造のように組み立てが困難となるようなことはなく、またシールド本体を鉛直にして組み上げる必要もないため組立作業の手間も軽減できる。さらに、シール性の点では、シールド本体1を発進用開口37を含む部分が1ピースとなるように分割することで、発進用開口37の周囲に設けたシール部材41,42が分割されることなく輸送することが可能であるため、シール性の低下を防止できる。
【0053】
なお、ゲート40の形状は、上記本発明の一実施の形態において記載した分岐シールド収納胴1Bの内周面1Baに沿って彎曲した彎曲プレート形状に限るものではなく、例えば図10に示すように、外周面に発進用開口37に嵌合可能な凸部40aを設けた形状のゲート40′を用いてもよい。このような形状とすることで、発進用開口37の閉塞時にシールド収納胴1Bの外周面の発進用開口部37における段差を小さくすることができる。これにより、シールド掘進機が初めに立坑から地山中に発進する際にエントランスシールによるシール性を向上することができると共に、掘進時に土砂が段差に引っかかることにより生じる抵抗力を低減することができる。また、土砂の噛み込みによる発進用開口37の変形等も防止することができる。なお、このゲート40′をスライドする際には、ゲート40′を分岐シールド掘進機100の軸線方向に移動可能な構造としておき、図11(a)に示すように一旦発進用開口37と反対方向(図11(a)中右方向)に引き込んだ上で、図11(b)に示すように周方向にスライドするようにすれば足りる。
【0054】
また、上記本発明の一実施の形態においてはシールド本体1を略円筒形状としたが、これに限らず、断面形状が例えば楕円又は矩形等の円形以外の形状であってもよい。
【0055】
またさらに、本発明は、シールド掘進機より分岐する場合について述べているが、覆工体からの分岐、又は立坑からの発進方法にも適用することが可能である。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、シールド本体の内周面に沿って設置されるプレート部材を駆動手段でシールド本体の内周面に沿ってスライドすることで、発進用開口の開閉を行う。これにより、発進用開口の開閉構造の規模を大幅に減縮することができ、且つ、シールド本体の変形が発進用開口の開閉駆動に及ぼす影響を少なくできる。したがって、分岐シールド掘進機の発進用開口を確実に開閉させ、分岐シールド掘進機を確実に発進させることができる。
その際、シールド本体の内部にプレート部材のスライドによる可動範囲を包含する水密区画を設け、水密区画をシールド本体の外部圧と同等の圧力まで加圧した上でプレート部材をスライドさせることで、外部圧によりプレート部材にかかる荷重を低減し、発進用開口をより確実に開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシールド掘進機の一実施の形態の全体構造を表す側断面図である。
【図2】本発明のシールド掘進機の一実施の形態を構成する分岐シールド収納胴の内部構造を表す図1中II−II断面による横断面図である。
【図3】本発明のシールド掘進機の一実施の形態を構成するゲート駆動モータの詳細構造を一部破断断面で表す、図1中A部拡大図である。
【図4】本発明のシールド掘進機の一実施の形態を構成する水密区画を示す、分岐シールド収納胴の横断面図である。
【図5】本発明のシールド掘進機の一実施の形態の分岐シールド発進時における動作を表す、分岐シールド収納胴の横断面図である。
【図6】本発明のシールド掘進機の一実施の形態の分岐シールド発進時における動作を表す、分岐シールド収納胴の横断面図である。
【図7】本発明のシールド掘進機の一実施の形態の分岐シールド発進時における動作を表す、分岐シールド収納胴の横断面図である。
【図8】本発明のシールド掘進機の一実施の形態の分岐シールド発進時における動作を表す、分岐シールド収納胴の横断面図である。
【図9】本発明のシールド掘進機の一実施の形態の分岐シールド発進時における動作を表す、分岐シールド収納胴の横断面図である。
【図10】本発明のシールド掘進機の一実施の形態を構成するゲートの変形例を表す、分岐シールド収納胴の横断面図である。
【図11】本発明のシールド掘進機の一実施の形態の変形例のゲートスライド動作を表す、分岐シールド収納胴の横断面図である。
【符号の説明】
1 シールド本体
1Ba 内周面
35 発進用ガイド
37 発進用開口
40 ゲート(プレート部材)
40′ ゲート(プレート部材)
40a 凸部
41,42 シール部材
44 ゲート駆動モータ(駆動手段)
50 補助ジャッキ
100 分岐シールド掘進機
Claims (6)
- 分岐線トンネルを掘削する分岐シールド掘進機を内部に収納したシールド掘進機において、
シールド本体と、
このシールド本体に設けた前記分岐シールド掘進機の発進用開口と、
前記シールド本体の内周面に沿って設置される前記発進用開口の開閉を行うプレート部材と、
このプレート部材を前記シールド本体の内周面に沿ってスライドさせる駆動手段と、
前記シールド本体の内部に設けられ、前記プレート部材のスライドによる可動範囲を包含する水密区画と、
前記シールド本体の内周面に前記発進用開口の周囲を囲むように設けたシール部材とを備え、
前記シールド掘進機の発進の際に、前記水密区画を加圧した状態で前記プレート部材をスライドさせることを特徴とするシールド掘進機。 - 請求項1記載のシールド掘進機において、前記プレート部材は前記内周面に沿って彎曲しており、その周方向長さが少なくとも前記シールド本体の円周長さの半分より小さいことを特徴とするシールド掘進機。
- 請求項1又は2記載のシールド掘進機において、前記水密区画内に外水圧を導入することで前記水密区画を加圧することを特徴とするシールド掘進機。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載のシールド掘進機において、前記プレート部材のスライド開始時に前記プレート部材をスライド方向に押す補助ジャッキを備えたことを特徴とするシールド掘進機。
- 請求項1乃至4のいずれか1項記載のシールド掘進機において、前記シールド本体内に前記分岐シールド掘進機を前記発進用開口にガイドする発進用ガイドをさらに備え、前記発進用開口の閉塞時に前記発進用ガイドで前記プレート部材を前記発進用開口側に向かって押し付けることを特徴とするシールド掘進機。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載のシールド掘進機において、前記プレート部材の前記発進用開口側の外周面に前記発進用開口に嵌合する凸部を設けたことを特徴とするシールド掘進機。
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