JP4581423B2 - 薄膜トランジスタ素子、当該素子シート及びその作製方法 - Google Patents

薄膜トランジスタ素子、当該素子シート及びその作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、薄膜トランジスタ素子、当該素子シート及びその作製方法に関する。
近年、情報端末の普及に伴い、コンピュータ用のディスプレイとしてフラットパネルディスプレイに対するニーズが高まっている。またさらに情報化の進展に伴い、従来紙媒体で提供されていた情報が電子化されて提供される機会が増え、薄くて軽い、手軽に持ち運びが可能なモバイル用表示媒体として、電子ペーパーあるいはデジタルペーパーへのニーズも高まりつつある。
一般に平板型のディスプレイ装置においては液晶、有機EL、電気泳動などを利用した素子を用いて表示媒体を形成している。またこうした表示媒体では画面輝度の均一性や画面書き換え速度などを確保するために、画像駆動素子として薄膜トランジスタ(TFT)素子により構成されたアクティブ駆動素子を用いる技術が主流になっている。
ここでTFT素子は、通常、ガラス基板上に、主にa−Si(アモルファスシリコン)、p−Si(ポリシリコン)などの半導体薄膜や、ソース、ドレイン、ゲート電極などの金属薄膜を基板上に順次形成していくことで製造される。このTFTを用いるフラットパネルディスプレイの製造には通常、CVD、スパッタリングなどの真空系設備や高温処理工程を要する薄膜形成工程に加え、精度の高いフォトリソグラフ工程が必要とされ、設備コスト、ランニングコストの負荷が非常に大きい。さらに、近年のディスプレイの大画面化のニーズに伴い、それらのコストは非常に膨大なものとなっている。
近年、従来のTFT素子のデメリットを補う技術として、有機半導体材料を用いた有機TFT素子の研究開発が盛んに進められている(特許文献1、非特許文献1等参照)。この有機TFT素子は低温プロセスで製造可能であるため、軽く、割れにくい樹脂基板を用いることができ、更に樹脂フィルムを支持体として用いたフレキシブルなディスプレイが実現できると言われている(非特許文献2参照)。また、大気圧下で、印刷や塗布などのウェットプロセスで製造できる有機半導体材料を用いることで、生産性に優れ、非常に低コストのディスプレイの実現が期待できる。
特開平10−190001号公報 Advanced Material誌 2002年 第2号 99頁(レビュー) SID‘02 Digest p57
ところで、従来のTFTパネルの製造方法においては、ゲートバスラインやゲート電極の形成に、クロム、ニッケルやアルミなどの金属を、主にスパッタを用いて薄膜形成し、フォトリソグラフとエッチングを用いてパターニングしている。しかし電極表面の微細な凹凸や当該表面の平滑性を劣化させる隣接層などの凹凸(以下、ヒロック)や電極のエッジ部分に起因するゲートリークが発生しやすいという問題があった。
また樹脂フィルムを支持体としてTFTシートを形成すると、フィルム表面の凹凸がゲートバスラインやゲート電極の表面の平滑性を悪化させ、平滑な表面をもつガラス基板を用いる従来のTFTパネルに比べ、ゲートバスラインやゲート電極からのリークが大きくなる、或いはブレークダウン(放電破壊)が発生しやすい、という問題が有る。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、TFTパネルやTFTシートのヒロックや電極のエッジ部分に起因するゲートリークやブレークダウンを抑制することにあり、特に樹脂支持体を用いた時のゲートリークを抑制することにある。
本発明の上記目的は、
1) 支持体上に、ゲート電極、ゲート絶縁層、半導体層からなるチャネルで連結されたソース電極及びドレイン電極をこの順に有し、ゲート電極が流動性電極材料を受容する絶縁性層に浸透した流動性電極材料を含有する領域で構成される薄膜トランジスタ素子、
2) 支持体が樹脂からなる1)の薄膜トランジスタ素子、
3) 流動性電極材料が導電性ポリマーの溶液又は分散液である1)又は2)の薄膜トランジスタ素子、
4) ゲート電極が構成された絶縁性層のゲート電極の領域を除いた領域に、樹脂が浸透された1)〜3)の何れかの薄膜トランジスタ素子、
5) 半導体層が有機半導体材料からなる1)〜4)の何れかの薄膜トランジスタ素子、
6) ゲートバスラインが設けられた支持体シートの、ゲートバスライン側に流動性電極材料を受容する絶縁性層を形成し、該絶縁性層に流動性電極材料を浸透させて該電極材料を含有する領域でゲート電極を構成する薄膜トランジスタ素子シートの作製方法、
7) 支持体シートが樹脂からなる6)の薄膜トランジスタ素子シートの作製方法、
8) 流動性電極材料が導電性ポリマーの溶液又は分散液である6)又は7)の薄膜トランジスタ素子シートの作製方法、
9) 有機半導体材料からなる半導体層を形成する6)〜8)の何れかの薄膜トランジスタ素子シートの作製方法、
10) 流動性電極材料を受容する絶縁性層を形成し、該絶縁性層に流動性電極材料を浸透させてゲート電極を構成した後、樹脂溶液を前記絶縁性層上に供給して、当該樹脂をゲート電極の領域を除いた絶縁性層中に浸透せしめる工程を経る6)〜9)の何れかの薄膜トランジスタ素子シートの作製方法、
11) 流動性電極材料を受容する絶縁性層を形成し、該絶縁性層の、ゲート電極形成領域以外の領域に、樹脂溶液を供給し、当該樹脂をゲート電極形成領域以外の領域に浸透せしめる工程の後、前記絶縁性層に流動性電極材料を浸透させてゲート電極を構成する6)〜9)の何れかの薄膜トランジスタ素子シートの作製方法、
12) 連続した半導体層を複数のトランジスタ素子にわたり形成する6)〜11)の何れかの薄膜トランジスタ素子シートの作製方法、
13) 6)〜12)の何れかの方法にて作製された薄膜トランジスタ素子シート、
によって達成される。
即ち本発明者は、支持体等の凹凸がゲート電極の表面の平滑性を劣化させない様に、表面が平滑な層でゲート電極を形成する方法を検討して本発明に至った。
本発明によれば、TFT素子のヒロックや電極のエッジ部分に起因するゲートリーク及びブレークダウンを抑制できて、特に樹脂を支持体に用いたTFT素子シートの品位と機械的強度を向上することができる。
本発明の薄膜トランジスタ素子は、ゲート電極が流動性電極材料を受容する絶縁性層(以下、受容層とも言う。)に浸透した流動性電極材料で構成されることを特徴とする。
本発明において流動性電極材料は、導電性材料を含む溶液、液状分散物で、導電性材料としては、導電性ポリマーや金属微粒子などを好適に用いることができるが、導電性ポリマーであることが好ましい。
本発明で用いる導電性ポリマーは、後述する半導体層に用いる半導体材料、好ましくはπ共役系オリゴマーまたはπ共役系ポリマーに、ドーピング処理が施された材料を用いるのが好ましい。
具体的には、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)のポリスチレンスルホン酸錯体(PEDOT/PSS錯体)(バイエル社、Baytron P等)が挙げられる。
前記ドーピング処理に用いられるドーパントとしては、安定性の観点から、アニオンドーパント(p型ドープ)が好ましい。また、導電性ポリマーの導電率は0.01S/cm以上とすることが好ましく、1S/cm以上とすることが更に好ましい。
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセプター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該オリゴマー又はポリマーに導入することを意味する。本発明に用いるドーパントとしてアクセプター、ドナーのいずれも使用可能である。このアクセプターとしてCl2、Br2、I2、ICl、ICl3、IBr、IFなどのハロゲン、PF5、AsF5、SbF5、BF3、BC13、BBr3、SO3などのルイス酸、HF、HC1、HNO3、H2SO4、HClO4、FSO3H、ClSO3H、CF3SO3Hなどのプロトン酸、酢酸、蟻酸、アミノ酸などの有機酸、FeCl3、FeOCl、TiCl4、ZrCl4、HfCl4、NbF5、NbCl5、TaCl5、MoCl5、WF5、WCl6、UF6、LnCl3(Ln=La、Ce、Nd、Pr、などのランタノイドとY)などの遷移金属化合物、Cl-、Br-、I-、ClO4 -、PF6 -、AsF5 -、SbF6 -、BF4 -、スルホン酸アニオンなどの電解質アニオンなどを挙げることができる。またドナーとしては、Li、Na、K、Rb、Csなどのアルカリ金属、Ca、Sr、Baなどのアルカリ土類金属、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Ybなどの希土類金属、アンモニウムイオン、R4+、R4As+、R3+、アセチルコリンなどをあげることができる。これらのドーパントのドーピングの方法としては、従来用いられるどのような方法も制限無く用いることができる。例えば、予めオリゴマー又はポリマーの薄膜を作製しておき、ドーパントを後で導入する方法、有機半導体の薄膜作製時にドーパントを導入する方法のいずれも使用可能である。前者の方法のドーピングとして、ガス状態のドーパントを用いる気相ドーピング、溶液あるいは液体のドーパントを該薄膜に接触させてドーピングする液相ドーピング、個体状態のドーパントを該薄膜に接触させてドーパントを拡散ドーピングする固相ドーピングの方法をあげることができる。また液相ドーピングにおいては電解を施すことによってドーピングの効率を調整することができる。後者の方法では、有機半導体化合物とドーパントの混合溶液あるいは分散液、または、有機半導体化合物とドーパントの錯体を含む溶液または分散液を同時に塗布、乾燥してもよい。たとえば真空蒸着法を用いる場合、有機半導体化合物とともにドーパントを共蒸着することによりドーパントを導入することができる。またスパッタリング法で薄膜を作製する場合、有機半導体化合物とドーパントの二元ターゲットを用いてスパッタリングして薄膜中にドーパントを導入させることができる。さらに他の方法として、電気化学的ドーピング、光開始ドーピング等の化学的ドーピングおよび例えば刊行物{工業材料、34巻、第4号、55頁、1986年}に示されたイオン注入法等の物理的ドーピングの何れも使用可能である。
金属微粒子を含有する分散物としては、たとえば公知の導電性ペーストなどを用いても良いが、好ましくは、粒子径が1〜50nm、好ましくは1〜10nmの金属微粒子を含有する分散物である。
金属微粒子の材料としては白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、亜鉛等を用いることができる。
これらの金属からなる微粒子を、主に有機材料からなる分散安定剤を用いて、水や任意の有機溶剤である分散媒中に分散したものが好ましい。
このような金属微粒子の分散物の製造方法として、ガス中蒸発法、スパッタリング法、金属蒸気合成法などの物理的生成法や、コロイド法、共沈法などの、液相で金属イオンを還元して金属微粒子を生成する化学的生成法が挙げられるが、好ましくは、特開平11−76800号、同11−80647号、同11−319538号、特開2000−239853等に示されたコロイド法、特開2001−254185、同2001−53028、同2001−35255、同2000−124157、同2000−123634などに記載されたガス中蒸発法により製造された金属微粒子の分散物である。
本発明の流動性電極材料に用いる溶媒または分散媒としては、水や任意の有機溶剤を用いることができるが、後述する受容層との親和性の観点から、水を30%以上含有することが好ましい。有機溶剤を用いる場合は、水溶性有機溶媒が好ましい。
本発明で用いることのできる水溶性有機溶媒としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、セカンダリーブタノール、ターシャリーブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、アセトン等が挙げられる。好ましい水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類が挙げられる。さらに、多価アルコールと多価アルコールエーテルを併用することが、特に好ましい。
水溶性有機溶媒は、単独もしくは複数を併用しても良い。水溶性有機溶媒の添加量としては、総量で5〜70質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。
また、各種の界面活性剤を添加することができる。特にインクジェット法で導電性ポリマーの溶液または分散液を吐出する場合、界面活性剤を添加し、表面張力が30×10-3〜40×10-3N/mの範囲で用いることが好ましい。また界面活性剤はアニオンドープの導電性ポリマーを用いる場合は特にノニオン界面活性剤が好適である。さらにインクジェットを用いる場合は、導電性ポリマーの濃度を調整することにより、溶液または分散液の粘度を1〜15cpとするのが好ましい。
流動性電極材料を、それを受容する絶縁性層にゲート電極のパターンで浸透させる方法としては、直接インクジェット法で吐出してパターニングしてもよいし、凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
インクジェット法で用いることができるインクジェットプリンタのインクジェットヘッドは、ピエゾ方式、サーマル方式等の従来使われているインクジェットヘッドを適宜用いることができる。また、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。
本発明において、受容層は、導電性材料を含浸する層である。
受容層としては大きく別けて膨潤型と空隙型の受容層を用いることができる。
膨潤型としては、水溶性バインダーを用い、例えば、ゼラチン、ゼラチン以外の水溶性ポリマー、ラテックス類、ポリウレタン類を単独もしくは併用して塗布した層であり、高いインク吸収乾燥性から受容層にはゼラチンおよびゼラチン以外の水溶性ポリマーを含有することが好ましい。
ゼラチンとしては、動物のコラーゲンを原料としたゼラチンであれば何れでも使用できるが、豚皮、牛皮、牛骨を原料としたコラーゲンを原料としたゼラチンがより好ましい。更にゼラチンの種類としては特に制限はないが、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、誘導体ゼラチン(例えば特公昭38−4854号、同39−5514号、同40−12237号、同42−26345号、米国特許2,525,753号、同2,594,293号、同2,614,928号、同2,763,639号、同3,118,766号、同3,132,945号、同3,186,846号、同3,312,553号、英国特許861,414号、同103,189号等に記載の誘導体ゼラチン)を単独またはそれらを組み合わせて用いることができる。酸処理ゼラチンを用いると、耐水性の点で特に有利である。
膨潤型の受容層に好ましく用いられるゼラチン以外の水溶性ポリマーとしては例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリビニルピリジニウムハライド、各種変性ポリビニルアルコール等のビニルホルマールおよびその誘導体(特開昭60−145879号、同60−220750号、同61−143177号、同61−235182号、同61−235183号、同61−237681号、同61−261089号参照)、ポリアクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメチルアミノアクリレート、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタクリル酸共重合体塩、ポリメタクリル酸ソーダ、アクリル酸ビニルアルコール共重合体塩等のアクリル基を含むポリマー(特開昭60−168651号、同62−9988号等に記載)、澱粉、酸化澱粉、カルボキシル澱粉、ジアルデヒド澱粉、カチオン化澱粉、デキストリン、アルギン酸ソーダ、アラビアゴム、カゼイン、プルラン、デキストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の天然高分子材料またはその誘導体(特開昭59−174382号、同60−262685号、同61−143177号、同61−181679号、同61−193879号、同61−287782号等に記載)、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエーテル、ポリグリセリン、マレイン酸アルキルビニルエーテル共重合体、マレイン酸−N−ビニルピロール共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンイミン等の合成ポリマー(特開昭61−32787号、同61−237680号、同61−277483号等に記載)等を挙げることができる。これらのポリマーのうち好ましくはポリビニルピロリドン類、ポリビニルアルコール類、ポリアルキレンオキサイド類である。
空隙型としては、微粒子に、必要に応じて水溶性バインダーを混合して塗布したものが好ましい。
本発明で用いることのできる微粒子としては、無機粒子や有機粒子を用いることができるが、特には、微粒子が容易に得やすいことから無機粒子が好ましい。そのような無機粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を挙げることができる。上記無機粒子は、1次粒子のまま用いても、また、2次凝集粒子を形成した状態で使用することもできる。
本発明においては、無機粒子として、アルミナ、擬ベーマイト、コロイダルシリカもしくは気相法により合成された微粒子シリカが好ましく、気相法で合成された微粒子シリカが、特に好ましい。この気相法で合成されたシリカは、表面がAlで修飾されたものであっても良い。表面がAlで修飾された気相法シリカのAl含有率は、シリカに対して質量比で0.05〜5%のものが好ましい。
上記無機粒子の粒径は、いかなる粒径のものも用いることができるが、平均粒径が1μm以下であることが好ましい。特には、0.2μm以下が好ましく、0.1μm以下が最も好ましい。粒径の下限は特に限定されないが、無機粒子の製造上の観点から、概ね0.003μm以上、特に0.005μm以上が好ましい。
上記無機粒子の平均粒径は、多孔質層の断面や表面を電子顕微鏡で観察し、100個の任意の粒子の粒径を求めて、その単純平均値(個数平均)として求められる。ここで、個々の粒径は、その投影面積に等しい円を仮定した時の直径で表したものである。
上記微粒子は、1次粒子のままで、あるいは2次粒子もしくはそれ以上の高次凝集粒子で多孔質皮膜中に存在していても良いが、上記の平均粒径は、電子顕微鏡で観察したときに多孔質層中で独立の粒子を形成しているものの粒径を言う。
上記微粒子の水溶性塗布液における含有量は、5〜40質量%であり、特に7〜30質量%が好ましい。
空隙型の受容層に含有される親水性バインダーとしては、特に制限はなく、従来公知の親水性バインダーを用いることができ、例えば、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等を用いることができるが、ポリビニルアルコールが特に好ましい。
ポリビニルアルコールは、無機粒子との相互作用を有しており、無機粒子に対する保持力が特に高く、更に、吸湿性の湿度依存性が比較的小さなポリマーである。本発明で好ましく用いられるポリビリルアルコールとしては、ポリ酢酸ビニルを加水分解して得られる通常のポリビニルアルコールの他に、末端をカチオン変性したポリビニルアルコールやアニオン性基を有するアニオン変性ポリビニルアルコール等の変性ポリビニルアルコールも含まれる。
酢酸ビニルを加水分解して得られるポリビニルアルコールは、平均重合度が300以上のものが好ましく用いられ、特に平均重合度が1000〜5000のものが好ましく用いられる。ケン化度は、70〜100%のものが好ましく、80〜99.5%のものが特に好ましい。
カチオン変成ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開昭61−10483号に記載されているような、第1〜3級アミノ基や第4級アンモニウム基を上記ポリビニルアルコールの主鎖または側鎖中に有するポリビニルアルコールであり、これらはカチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体と酢酸ビニルとの共重合体をケン化することにより得られる。
カチオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリメチル−(2−アクリルアミド−2,2−ジメチルエチル)アンモニウムクロライド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピル)アンモニウムクロライド、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール、N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、ヒドロキシルエチルトリメチルアンモニウムクロライド、トリメチル−(3−メタクリルアミドプロピル)アンモニウムクロライド、N−(1,1−ジメチル−3−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド等が挙げられる。
カチオン変性ポリビニルアルコールのカチオン変性基含有単量体の比率は、酢酸ビニルに対して0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜5モル%である。
アニオン変性ポリビニルアルコールは、例えば、特開平1−206088号公報に記載されているアニオン性基を有するポリビニルアルコール、特開昭61−237681号、および同63−307979号公報に記載されているビニルアルコールと水溶性基を有するビニル化合物との共重合体、及び特開平7−285265号公報に記載されている水溶性基を有する変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
また、ノニオン変性ポリビニルアルコールとしては、例えば、特開平7−9758号公報に記載されているポリアルキレンオキサイド基をビニルアルコールの一部に付加したポリビニルアルコール誘導体、特開平8−25795号公報に記載されている疎水性基を有するビニル化合物とビニルアルコールとのブロック共重合体等が挙げられる。
ポリビニルアルコールは、重合度や変性の種類違いなどの2種類以上を併用することもできる。特に、重合度が2000以上のポリビニルアルコールを使用する場合には、予め、無機粒子分散液に重合度が1000以下のポリビニルアルコールを無機粒子に対して0.05〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%添加してから、重合度が2000以上のポリビニルアルコールを添加すると、著しい増粘が無く好ましい。
空隙型の受容層の親水性バインダーに対する微粒子の比率は、質量比で2〜20倍であることが好ましい。質量比が2倍未満である場合には、多孔質層の空隙率が低下し、充分な空隙容量が得にくくなるだけでなく、過剰の親水性バインダーがインクジェット記録時に膨潤して空隙を塞ぎ、導電性材料の吸収速度を低下させる要因となる。一方、この比率が20倍を越える場合には、多孔質層を厚膜で塗布した際に、ひび割れが生じやすくなり好ましくない。特に好ましい親水性バインダーに対する微粒子の比率は、2.5〜12倍、最も好ましくは3〜10倍である。
本発明においては、受容層が空隙型の受容層であることが好ましい。空隙型の受容層を用いることで、導電性材料の溶液または分散液の含浸の速度が大きくなり、パターニングの精度を向上させることができる。また、膨潤型に比較し、含浸部の導電率が向上する。更に導電性材料の性質に応じて、微粒子、親水性バインダーを適宜選択することができ、導電性材料の含浸度の調整を容易にすることができる。
受容層の膜厚は、0.05μm〜50μmの範囲が好ましく、0.5μm〜20μmの範囲が更に好ましい。
本発明に係るTFT素子は、図6に示す様に、支持体1上にまずゲート電極2を有し、ゲート絶縁層3を介して半導体層4からなるチャネルで連結されたドレイン電極5及びソース電極6を有するボトムゲート型のもので、TFT素子シートはシート状支持体にそれらがゲートバスライン12及びソースバスライン13を介して連結され、例えば図1の様に配置されている。なおソース電極6は、出力電極に接続される。また12はソースバスライン、7は本発明に係る流動性電極材料を受容する絶縁性層である。
図2は、TFT素子が複数配置されるシートの1例の概略等価回路図である。
TFTシート11はマトリクス配置された多数のTFT素子14を有する。12は各TFT素子14のゲート電極のゲートバスラインであり、13は各TFT素子14のソースバスラインである。各TFT素子14のソース電極には、出力素子16が接続され、この出力素子16は例えば液晶、電気泳動素子等であり、表示装置における画素を構成する。図示の例では、出力素子16として液晶が、抵抗とコンデンサからなる等価回路で示されている。15は蓄積コンデンサ、17は垂直駆動回路、18は水平駆動回路である。また出力電極は、光センサーなどの入力電極としても用いることができる。
図3はゲートバスライン12が設けられた支持体シート1の、ゲートバスライン側に流動性電極材料を受容する絶縁性層7を形成し、該絶縁性層に浸透した流動性電極材料を含有する領域であるゲート電極2をゲートバスライン12に接合するように構成した状態を1画素分で示すモデル図である。ここに、8は下引き層である。
下引き層8は無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有するか、ポリマーを含むものが好ましい。
下引き層に含有される無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タン
タル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジル
コニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン
酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム,チタン酸ビスマス
、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニ
オブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウム等が挙げられる。また無機窒化物としては
窒化ケイ素、窒化アルミニウム等が挙げられる。
それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタ
ン、窒化ケイ素である。
無機酸化物及び無機窒化物から選ばれる化合物を含有する下引き層は後述する大気圧プラズマ法で形成されるのが好ましい。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
ポリマーを含む下引き層に用いるポリマーとしては、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、セルロース樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ノルボルネン樹脂、エポキシ樹脂
、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニルとビ
ニルアルコールの共重合体、部分加水分解した塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ塩化ビニル、エチレン−塩
化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体、ポリアミド樹脂
、エチレン−ブタジエン樹脂、ブタジエン−アクリロニトリル樹脂等のゴム系樹脂、シリ
コーン樹脂、フッ素系樹脂等を挙げることができる。
次いで、樹脂溶液を絶縁性層7上に塗工して、当該樹脂をゲート電極2の領域を除いた絶縁性層7中に浸透せしめることが好ましい。これによりTFTシートとしての機械的強度が増加し、且つTFT素子のキャリア移動度を高めることができる。
なお絶縁性層のゲート電極形成領域以外の領域に、樹脂溶液を供給してゲート電極形成領域以外の領域に浸透せしめる工程の後、絶縁性層に流動性電極材料を浸透させてゲート電極を構成することもできる。
ここで用いる樹脂としては、光(ここで光とは、紫外線、電子線、X線、中性子線等のエネルギ線を含む)により硬化可能な光硬化性樹脂であることが好ましい。光硬化性樹脂としては、紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なものとして挙げられ、中でも紫外線硬化性樹脂が好ましく用いられる。紫外線硬化性樹脂としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。
またポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、アクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、及びシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
なおゲート電極2の位置は図4(a)、(b)に示す様に、ゲートバスライン12に接合していれば、どのような形に設けてもよい。
図5(a)、(b)には1画素当たりのゲートバスライン12、ゲート電極2、半導体層4、ドレイン電極5、ソース電極6、ソースバスライン13の配置の例を示した。
この様に絶縁性層7を形成し、流動性電極材料を浸透させた領域でゲート電極2を構成することにより、絶縁性層7がレベリングされるためゲート電極2の半導体層側の表面を平滑にすることができるので、ヒロックなどの凹凸に起因するゲートリークやブレークダウンを防止可能で、また通常ゲートバスライン12及びそれと一体加工されることが多いゲート電極2のエッジ部分に起因してゲートリークやブレークダウンの問題が有るが、それも防止可能となる。
加えてヒロックやエッジ部分に起因する有機半導体とゲート絶縁膜との界面の平滑性低下による素子の歩留まりや性能バラツキを抑制することができる。
また通常は、膜の表面平滑性、膜厚の安定性、薄膜化を重視し、スパッタ膜が使用されるが、本発明により、それらの特性が悪い、蒸着やスクリーン印刷、インクジェット、めっきなどで形成した低コストの導電膜をゲートバスラインに使用することができる。
更に絶縁性層7の厚みによりゲートバスライン12と、ソース電極、ドレイン電極、画素電極、ソースバスラインとの間に発生する寄生容量を低減し、TFT素子シートを駆動する際の、遅延を抑制することができる。この観点から、絶縁性層7の厚さは0.5〜10μm程度、好ましくは1〜5μmが好ましい。
本発明のTFT素子では、受容層中に浸透して形成されたゲート電極部分が、半導体層に電界効果を付与するため、実質的にバスラインからの電界効果の影響が無視できる。つまり、本発明のTFT素子を用いたTFT素子シートにおいては、同一のゲートバスラインを介して連結されたゲート電極が、実質的にバスラインからの電界効果の影響を受けずに、対応するTFT素子を駆動することができる。つまり半導体層のパターニングが実質的に不要となり、TFT素子シート上の複数のTFT素子に跨って、一面に半導体層を形成してもよい。これにより、半導体層のパターニング工程が省略でき、簡便に大幅に低コスト化されたTFTシートを製造することができる。
チャネルを構成する半導体材料としては、a−Si、p−Si、有機半導体材料等公知のものが用いられ、好ましくは有機半導体材料で、π共役系材料が用いられ、例えばポリピロール、ポリ(N−置換ピロール)、ポリ(3−置換ピロール)、ポリ(3,4−二置換ピロール)などのポリピロール類、ポリチオフェン、ポリ(3−置換チオフェン)、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、ポリベンゾチオフェンなどのポリチオフェン類、ポリイソチアナフテンなどのポリイソチアナフテン類、ポリチェニレンビニレンなどのポリチェニレンビニレン類、ポリ(p−フェニレンビニレン)などのポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリアニリン、ポリ(N−置換アニリン)、ポリ(3−置換アニリン)、ポリ(2,3−置換アニリン)などのポリアニリン類、ポリアセチレンなどのポリアセチレン類、ポリジアセチレンなどのポリジアセチレン類、ポリアズレンなどのポリアズレン類、ポリピレンなどのポリピレン類、ポリカルバゾール、ポリ(N−置換カルバゾール)などのポリカルバゾール類、ポリセレノフェンなどのポリセレノフェン類、ポリフラン、ポリベンゾフランなどのポリフラン類、ポリ(p−フェニレン)などのポリ(p−フェニレン)類、ポリインドールなどのポリインドール類、ポリピリダジンなどのポリピリダジン類、ナフタセン、ペンタセン、ヘキサセン、ヘプタセン、ジベンゾペンタセン、テトラベンゾペンタセン、ピレン、ジベンゾピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、テリレン、オバレン、クオテリレン、サーカムアントラセンなどのポリアセン類およびポリアセン類の炭素の一部をN、S、Oなどの原子、カルボニル基などの官能基に置換した誘導体(トリフェノジオキサジン、トリフェノジチアジン、ヘキサセン−6,15−キノンなど)、ポリビニルカルバゾール、ポリフエニレンスルフィド、ポリビニレンスルフィドなどのポリマーや特開平11−195790に記載された多環縮合体などを用いることができる。
また、これらのポリマーと同じ繰返し単位を有するたとえばチオフェン6量体であるα−セクシチオフェンα,ω−ジヘキシル−α−セクシチオフェン、α,ω−ジヘキシル−α−キンケチオフェン、α,ω−ビス(3−ブトキシプロピル)−α−セクシチオフェン、スチリルベンゼン誘導体などのオリゴマーも好適に用いることができる。
さらに銅フタロシアニンや特開平11−251601に記載のフッ素置換銅フタロシアニンなどの金属フタロシアニン類、ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド、N,N’−ビス(4−トリフルオロメチルベンジル)ナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミドとともに、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロオクチル)、N,N’−ビス(1H,1H−ペルフルオロブチル)及びN,N’−ジオクチルナフタレン1,4,5,8−テトラカルボン酸ジイミド誘導体、ナフタレン2,3,6,7テトラカルボン酸ジイミドなどのナフタレンテトラカルボン酸ジイミド類、及びアントラセン2,3,6,7−テトラカルボン酸ジイミドなどのアントラセンテトラカルボン酸ジイミド類などの縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、C60、C70、C76、C78、C84等フラーレン類、SWNTなどのカーボンナノチューブ、メロシアニン色素類、ヘミシアニン色素類などの色素などがあげられる。
これらのπ共役系材料のうちでも、チオフェン、ビニレン、チェニレンビニレン、フェニレンビニレン、p−フェニレン、これらの置換体またはこれらの2種以上を繰返し単位とし、かつ該繰返し単位の数nが4〜10であるオリゴマーもしくは該繰返し単位の数nが20以上であるポリマー、ペンタセンなどの縮合多環芳香族化合物、フラーレン類、縮合環テトラカルボン酸ジイミド類、金属フタロシアニンよりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましい。
また、その他の有機半導体材料としては、テトラチアフルバレン(TTF)−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体、ビスエチレンテトラチアフルバレン(BEDTTTF)−過塩素酸錯体、BEDTTTF−ヨウ素錯体、TCNQ−ヨウ素錯体、などの有機分子錯体も用いることができる。さらにポリシラン、ポリゲルマンなどのσ共役系ポリマーや特開2000−260999に記載の有機・無機混成材料も用いることができる。
本発明においては、有機半導体層に、たとえば、アクリル酸、アセトアミド、ジメチルアミノ基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基などの官能基を有する材料や、ベンゾキノン誘導体、テトラシアノエチレンおよびテトラシアノキノジメタンやそれらの誘導体などのように電子を受容するアクセプターとなる材料や、たとえばアミノ基、トリフェニル基、アルキル基、水酸基、アルコキシ基、フェニル基などの官能基を有する材料、フェニレンジアミンなどの置換アミン類、アントラセン、ベンゾアントラセン、置換ベンゾアントラセン類、ピレン、置換ピレン、カルバゾールおよびその誘導体、テトラチアフルバレンとその誘導体などのように電子の供与体であるドナーとなるような材料を含有させ、いわゆるドーピング処理を施してもよい。
前記ドーピングとは電子授与性分子(アクセプター)または電子供与性分子(ドナー)をドーパントとして該薄膜に導入することを意味する。従って,ドーピングが施された薄膜は、前記の縮合多環芳香族化合物とドーパントを含有する薄膜である。本発明に用いるドーパントとしては公知のものを採用することができる。
これら有機薄膜の作製法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、プラズマ重合法、電解重合法、化学重合法、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法およびLB法等が挙げられ、材料に応じて使用できる。本発明においては、生産性の点で、有機半導体の溶液を用いて簡単かつ精密に薄膜が形成できるインクジェット法が好ましい。
なおAdvanced Material誌 1999年 第6号、p480〜483に記載の様に、ペンタセン等前駆体が溶媒に可溶であるものは、塗布により形成した前駆体の膜を熱処理して目的とする有機材料の薄膜を形成しても良い。
半導体層の膜厚としては、特に制限はないが、一般に1μm以下、特に10〜300nmが好ましい。
本発明おいて、ゲート電極2以外のドレイン電極5、ソース電極6、ソースバスライン13、ゲートバスライン12及び画素電極を形成する材料は導電性材料であれば特に限定されず、白金、金、銀、ニッケル、クロム、銅、鉄、錫、アンチモン鉛、タンタル、インジウム、パラジウム、テルル、レニウム、イリジウム、アルミニウム、ルテニウム、ゲルマニウム、モリブデン、タングステン、酸化スズ・アンチモン、酸化インジウム・スズ(ITO)、フッ素ドープ酸化亜鉛、亜鉛、炭素、グラファイト、グラッシーカーボン、銀ペーストおよびカーボンペースト、リチウム、ベリリウム、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、カルシウム、スカンジウム、チタン、マンガン、ジルコニウム、ガリウム、ニオブ、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム混合物、リチウム/アルミニウム混合物等が用いられるが、特に、白金、金、銀、銅、アルミニウム、インジウム、ITOおよび炭素が好ましい。あるいはドーピング等で導電率を向上させた公知の導電性ポリマー、例えば導電性ポリアニリン、導電性ポリピロール、導電性ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸の錯体なども好適に用いられる。中でも半導体層との接触面において電気抵抗が少ないものが好ましい。
電極の形成方法としては、上記を原料として蒸着やスパッタリング等の方法を用いて形成した導電性薄膜を、公知のフォトリソグラフ法やリフトオフ法を用いて電極形成する方法、アルミニウムや銅などの金属箔上に熱転写、インクジェット等によるレジストを用いてエッチングする方法がある。また導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子分散液を直接インクジェットによりパターニングしてもよいし、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。さらに導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペーストなどを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法も用いることができる。
ゲート絶縁層としては種々の絶縁膜を用いることができるが、特に、比誘電率の高い無機酸化物皮膜が好ましい。無機酸化物としては、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタン、酸化スズ、酸化バナジウム、チタン酸バリウムストロンチウム、ジルコニウム酸チタン酸バリウム、ジルコニウム酸チタン酸鉛、チタン酸鉛ランタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、フッ化バリウムマグネシウム、チタン酸ビスマス、チタン酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ストロンチウムビスマス、タンタル酸ニオブ酸ビスマス、トリオキサイドイットリウムなどが挙げられる。それらのうち好ましいのは、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化タンタル、酸化チタンである。窒化ケイ素、窒化アルミニウム等の無機窒化物も好適に用いることができる。
上記皮膜の形成方法としては、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、大気圧プラズマ法などのドライプロセスや、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、デイップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法などの塗布による方法、印刷やインクジェットなどのパターニングによる方法などのウェットプロセスが挙げられ、材料に応じて使用できる。
ウェットプロセスは、無機酸化物の微粒子を、任意の有機溶剤あるいは水に必要に応じて界面活性剤などの分散補助剤を用いて分散した液を塗布、乾燥する方法や、酸化物前駆体、例えばアルコキシド体の溶液を塗布、乾燥する、いわゆるゾルゲル法が用いられる。
これらのうち好ましいのは、大気圧プラズマ法である。
大気圧下でのプラズマ製膜処理による絶縁膜の形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電し、反応性ガスをプラズマ励起し、基材上に薄膜を形成する処理で、その方法については特開平11−61406、同11−133205、特開2000−121804、同2000−147209、同2000−185362等に記載されている(以下、大気圧プラズマ法とも称する)。これによって高機能性の薄膜を、生産性高く形成することができる。
ゲート絶縁層が陽極酸化膜又は該陽極酸化膜と絶縁膜とで構成されることも好ましい。陽極酸化膜は封孔処理されることが望ましい。陽極酸化膜は、陽極酸化が可能な金属を公知の方法により陽極酸化することにより形成される。
陽極酸化処理可能な金属としては、アルミニウム又はタンタルを挙げることができ、陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方法を用いることができる。陽極酸化処理を行なうことにより、酸化被膜が形成される。陽極酸化処理に用いられる電解液としては、多孔質酸化皮膜を形成することができるものならばいかなるものでも使用でき、一般には、硫酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、ホウ酸、スルファミン酸、ベンゼンスルホン酸等あるいはこれらを2種類以上組み合わせた混酸あるいそれらの塩が用いられる。陽極酸化の処理条件は使用する電解液により種々変化するので一概に特定し得ないが、一般的には、電解液の濃度が1〜80質量%、電解液の温度5〜70℃、電流密度0.01〜10mA/cm2、電圧1〜100ボルト、電解時間10秒〜5分の範囲が適当である。好ましい陽極酸化処理は、電解液として硫酸、リン酸又はホウ酸の水溶液を用い、直流電流で処理する方法であるが、交流電流を用いることもできる。これらの酸の濃度は5〜45質量%であることが好ましく、電解液の温度20〜50℃、電流密度0.05〜1mA/cm2で20〜250秒間電解処理するのが好ましい。
また有機化合物皮膜としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、光ラジカル重合系、光カチオン重合系の光硬化性樹脂、あるいはアクリロニトリル成分を含有する共重合体、ポリビニルフェノール、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、およびシアノエチルプルラン等を用いることもできる。
有機化合物皮膜の形成法としては、前記ウェットプロセスが好ましい。
無機酸化物皮膜と有機酸化物皮膜は積層して併用することができる。またこれら絶縁膜の膜厚としては、一般に50nm〜3μm、好ましくは、100nm〜1μmである。
ゲート絶縁層と半導体チャネル4の間に、任意の配向処理を施してもよい。シランカップリング剤、たとえばオクタデシルトリクロロシラン、トリクロロメチルシラザンや、アルカン燐酸、アルカンスルホン酸、アルカンカルボン酸などの自己組織化配向膜が好適に用いられる。
本発明において支持体1は樹脂からなるのが好ましく、例えばプラスチックフィルムシートを用いることができる。前記プラスチックフィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ボリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。このように、プラスチックフィルムを用いることで、ガラス基板を用いる場合に比べて軽量化を図ることができ、可搬性を高めることができるとともに、衝撃に対する耐性を向上できる。
以下、実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されない。
先ず、図7に以下の実施例及び比較例で形成するTFT素子シートの配置を示す。有機TFTとしてはアディショナルキャパシタタイプで、支持体1上にまずゲート電極2を有し、ゲート絶縁層3を介して半導体層からなるチャネルで連結されたソース電極6及びドレイン電極5を有し、シート状支持体上にそれらがゲートバスライン12及びソースバスライン13を介して連結されている。9は出力電極、10はアディショナルキャパシタである。ここでは半導体層は全面に塗布して形成した。また10のアディショナルキャパシタ部分にゲート電極と同様にして、受容層内部に電極8を形成した。
実施例1
まず、基板として厚さ200μmのPESフィルムを用い、該フィルム上に市販の銀ペーストを用いて、スクリーン印刷法で厚さ3μm、L/S=50μmのゲートバスラインを設け、加熱処理により銀ペーストを硬化させた。ここに、L/Sはラインアンドスペースで、L/S=50μmは、50μmおきに電極部と非電極部が交互にパターン化されていることを示し、以後この様に表記する。
次いでゲートバスライン上に、スノーテックス−PSM(日産化学社製、固形分20質量%)を塗布、乾燥し、厚さ3μmの受容層を形成した。
次に、導電性ポリマー溶液として、PEDOT/PSS錯体の水分散液(バイエル製、Baytron P)に、ノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)を0.05質量%添加し、調製した。この導電性ポリマー溶液を、ピエゾ方式のインクジェットヘッドを用いて、図7に示す位置に吐出し、受容層に含浸させ、乾燥させることで、ゲート電極2を形成した。また、このとき、アディショナルキャパシタ用の電極8を設けた。
さらにゲート絶縁層3として厚さ200nmの酸化珪素被膜を、下記条件の大気圧プラズマ法にて形成した。なお、このときフィルムの温度は180℃とした。
(使用ガス)
不活性ガス:ヘリウム 98.25体積%
反応性ガス:酸素ガス 1.5体積%
反応性ガス:テトラエトキシシラン蒸気 0.25体積%
(ヘリウムガスにてバブリング)
(放電条件)
放電出力:10W/cm2
さらに、酸化珪素皮膜上に、反応性ガスにトリメトキシプロピルシランのみを用いて、大気圧プラズマ処理を行い、撥水処理を施した。
さらに、ゲート絶縁層上に、半導体層として昇華精製したペンタセンを、厚さ50nmとなるように加熱蒸着により成膜した。このとき、ペンタセンはゲート電極上にマスクを通してパターン化してもよいし、複数のゲート電極にわたり、一面に成膜してもよい。
この有機半導体層の上に、十分に精製を行ったポリビニルアルコールを超純水製造装置で精製された水に溶解した水溶液を用いて塗設し、窒素ガス雰囲気中100℃にて、よく乾燥させ、厚さ1μmのポリビニルアルコールの有機半導体保護層を形成した。
下記の組成物をサンドミルを用いて別々に混練分散してA液、B液とし、次いで前記A液、B液及びポリイソシアネート化合物〔同前〕を質量比で100:2.39:0.37に混合し、ディゾルバーで撹拌して塗工液を調製した。
該塗工液を、超音波分散後、エクストルージョン方式の押し出しコーターで塗布し、乾燥し、窒素ガス雰囲気中100℃5分で熱処理し、厚さ0.3μmの感光層を形成した。
A液組成物
Fe−Al系強磁性金属粉末 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8200〕
10.0部
ポリエステル樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロン280〕 5.0部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 105.0部
トルエン 105.0部
シクロヘキサノン 90.0部
B液組成物
α−アルミナ(平均粒子径:0.18μm)
〔住友化学(株)製、高純度アルミナHIT60G〕 100部
ポリウレタン樹脂〔東洋紡績(株)製、バイロンUR−8700〕15部
リン酸エステル 3.0部
メチルエチルケトン 41.3部
トルエン 41.3部
シクロヘキサノン 35.4部
感光層上に下記組成物をアイソパーE”(イソパラフィン系炭化水素、エクソン化学(株)製)単独溶媒で固形分濃度10.3質量%に希釈した液体を塗設し、厚さ0.4μmのシリコーンゴム層の電極材料反発層を形成した。
組成物
α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(分子量約60,000)
100部
HMS−501(両末端メチル(メチルハイドロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体、SiH基数/分子量=0.69mol/g、チッソ(株)製) 7部
ビニルトリス(メチルエチルケトキシイミノ)シラン 3部
SRX−212(白金触媒、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)
5部
発振波長830nm、出力100mWの半導体レーザーで300mJ/cm2のエネルギー密度でソース電極、ドレイン電極(画素電極)の電極パターンを露光した後、露光部のシリコーンゴム層をブラシ処理で除去した。
さらに水でよく洗浄すると、露光部の感光層及びポリビニルアルコールの保護層が除去された。
電極パターンが形成された面に、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)の水分散液(バイエル製 Baytron P)をロールコーターで供給すると、シリコーンゴム層が除去された電極パターン部分のみに分散液が付着した。これを100℃で乾燥させた。
さらに、特開平11−80647号公報に示された方法で作製した平均粒子径8nmの銀微粒子の分散物を、基板上にロールコーターで供給すると、シリコーンゴム層が除去された電極パターン部分のみに分散物が付着した。これを乾燥し、200℃で15分加熱処理したところ、良好なソース電極及びドレイン電極の電極パターンが形成された。なお、電極は、ポリスチレンスルホン酸とポリ(エチレンジオキシチオフェン)から成る厚さ20nmの層の上に、厚さ300nmのAg微粒子の融着層が積層されたものであった。
得られたTFT素子は、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作し、飽和領域のキャリア移動度は、0.4cm2/V・sであった。
一方、受容層を設けないで、他は同様にしてTFT素子を作製したが、このTFT素子はFET特性を測定する際、ゲートバスラインとソースバスラインの間で、ブレークダウン(絶縁層の放電破壊)が発生し、素子として駆動不能であった。
実施例2
マスクを介してアルミニウムを蒸着し、厚さ300nm、L/S=50μmのゲートバスラインを設けた以外は、実施例1と同様にしてTFT素子を作製したところ、得られたTFT素子は、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作し、飽和領域のキャリア移動度は、0.4cm2/V・sであった。
一方、受容層を設けないで、他は同様にしてTFT素子を作製したが、このTFT素子はFET特性を測定する際、ゲートバスラインとソースバスラインの間で、ブレークダウン(絶縁層の放電破壊)が発生し、素子として駆動不能であった。
実施例3
ゲート電極を形成した後、ゲート絶縁膜を設ける前に、下記組成の塗布液を塗布し、受容層内に満たし、90℃で1分間乾燥した後、60W/cmの高圧水銀灯下10cmの距離から4秒間硬化させた以外は、実施例1と同様にしてTFT素子を作製した。この構成により、受容層の機械的強度を向上させ、ゲート絶縁層と受容層との接着性を向上させることができる。
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20g
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分 20g
ジエトキシベンゾフェノンUV開始剤 2g
シリコーン系界面活性剤 1g
メチルエチルケトン 75g
メチルプロピレングリコール 75g
得られたTFT素子は、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作し、飽和領域のキャリア移動度は、0.4cm2/V・sであった。
実施例4
実施例1のTFT素子の作製において、半導体層を以下に変更した。
良く精製した、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)のregioregular体(アルドリッチ社製)のクロロホルム溶液を調製し、N2ガスでバブリングすることで、溶液中の溶存酸素を除去し、N2ガス雰囲気中で前記酸化ケイ素皮膜の表面にアプリケーターを用いて塗布し、室温で乾燥させた後、N2ガス雰囲気中50℃で、30分間の熱処理を施した。このときポリ(3−ヘキシルチオフェン)の膜厚は50nmであった。
さらに、ポリビニルアルコール保護層を形成せずに、他は実施例1と同様にして、感光層とシリコーンゴム層を形成し、ソース電極とドレイン電極を形成した。
得られたTFT素子は、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作し、飽和領域のキャリア移動度は、0.04cm2/V・sであった。
実施例5
実施例1のTFT素子の作製において、受容層、ゲート電極の形成の後、シアノエチルプルラン(信越化学工業製)のアセトン溶液を塗布し、90℃で乾燥し、厚さ300nmのゲート絶縁膜を形成した以外は、実施例1と同様にして、TFT素子を作製した。
得られたTFT素子は、pチャネルエンハンスメント型FETとして良好に動作し、飽和領域のキャリア移動度は、0.3cm2/V・sであった。
本発明に係るTFT素子シートの配列の1例を示す図である。 本発明に係るTFT素子シートの1例の概略の等価回路図である。 ゲートバスライン上に形成された流動性電極材料を受容する絶縁性層に流動性電極材料を浸透させてゲート電極を構成した状態を1画素分で示すモデル図である。 ゲートバスラインとゲート電極の位置関係を示す図である。 本発明に係るTFT素子の1画素当たりの配置の例を示す図である。 本発明に係るTFT素子の構成の例を示す図である。 実施例及び比較例で形成するTFT素子シートの配置を示す図である。
符号の説明
1 支持体
2 ゲート電極
3 ゲート絶縁層
4 半導体層
5 ドレイン電極
6 ソース電極
7 流動性電極材料を受容する絶縁性層
9 出力電極
10 アディショナルキャパシタ
11 TFTシート
12 ゲートバスライン
13 ソースバスライン
14 TFT素子
15 蓄積コンデンサ
16 出力素子
17 垂直駆動回路
18 水平駆動回路

Claims (13)

  1. 支持体上に、ゲート電極、ゲート絶縁層、半導体層からなるチャネルで連結されたソース電極及びドレイン電極をこの順に有し、ゲート電極が流動性電極材料を受容する絶縁性層に浸透した流動性電極材料を含有する領域で構成されることを特徴とする薄膜トランジスタ素子。
  2. 支持体が樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタ素子。
  3. 流動性電極材料が導電性ポリマーの溶液又は分散液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜トランジスタ素子。
  4. ゲート電極が構成された絶縁性層のゲート電極の領域を除いた領域に、樹脂が浸透されたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の薄膜トランジスタ素子。
  5. 半導体層が有機半導体材料からなることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の薄膜トランジスタ素子。
  6. ゲートバスラインが設けられた支持体シートの、ゲートバスライン側に流動性電極材料を受容する絶縁性層を形成し、該絶縁性層に流動性電極材料を浸透させて該電極材料を含有する領域でゲート電極を構成することを特徴とする薄膜トランジスタ素子シートの作製方法。
  7. 支持体シートが樹脂からなることを特徴とする請求項6に記載の薄膜トランジスタ素子シートの作製方法。
  8. 流動性電極材料が導電性ポリマーの溶液又は分散液であることを特徴とする請求項6又は7に記載の薄膜トランジスタ素子シートの作製方法。
  9. 有機半導体材料からなる半導体層を形成することを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の薄膜トランジスタ素子シートの作製方法。
  10. 流動性電極材料を受容する絶縁性層を形成し、該絶縁性層に流動性電極材料を浸透させてゲート電極を構成した後、樹脂溶液を前記絶縁性層上に供給して、当該樹脂をゲート電極の領域を除いた絶縁性層中に浸透せしめる工程を経ることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の薄膜トランジスタ素子シートの作製方法。
  11. 流動性電極材料を受容する絶縁性層を形成し、該絶縁性層の、ゲート電極形成領域以外の領域に、樹脂溶液を供給し、当該樹脂をゲート電極形成領域以外の領域に浸透せしめる工程の後、前記絶縁性層に流動性電極材料を浸透させてゲート電極を構成することを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の薄膜トランジスタ素子シートの作製方法。
  12. 連続した半導体層を複数のトランジスタ素子にわたり形成することを特徴とする請求項6乃至11の何れか1項に記載の薄膜トランジスタ素子シートの作製方法。
  13. 請求項6乃至12の何れか1項に記載の方法にて作製されたことを特徴とする薄膜トランジスタ素子シート。
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