JP4581284B2 - 通信システムおよび電子制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の電子制御装置が通信を行う通信システムおよび当該通信システムを構成する電子制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の車両制御全体をみると、エンジン制御、自動変速制御のほか、エアコン制御、ABS制御、メータ制御、ナビゲーションなど、多くの制御が行われており、それぞれの制御を実現するために多くの電子制御装置(以下単に「ECU」という)が自動車に搭載されている。そして制御内容が高度化、複雑化するに伴い、これら複数のECUを共通通信線(バス)で接続してネットワークを形成し、ECU間の通信により情報の共有化が図られている。また近年では、ナビゲーション装置のECUなど、オプションで搭載されるECUもあるが、こうしたECUにおいても低コストで高度な機能を実現するために、自動車に標準的に搭載されるECUのみでなく、オプションで搭載されるECUも含めてネットワークを構成することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうした通信システムにおいて、あるECUから他のECUにデータを伝達するに当たっては、送信先のECUを特定せずに送信データをグローバルデータとしてバスに送出する方法と、送信先のECUを特定して送信データを個別データとしてバスに送出する方法とが考えられる。なお本明細書で、グローバルデータとは、全ECUを送信先とする送信先IDが付されたデータ、即ち送信先のECUが特定されていないデータをいう。また、個別データとは、送信先のECUのIDが送信先IDとして付加されることにより送信先が特定されたデータをいう。
【0004】
前者の方法、即ちグローバルデータとして送信を行う場合には、送信元以外のECUはそのグローバルデータが自己に対して送られたものかどうかを、そのデータ内容で判断することが必要となるため、プログラムの処理負担が大きくなる可能性がある。一方、後者の方法、即ち個別データとして送信を行う場合には、一般的には、送信先以外のECUはハードウェア(通信ICなど)で自動的に不要データを捨てるので、プログラムの負荷は大きくならない。
【0005】
そこで従来の通信システムにおいては、各ECUを、自装置又は全ECUを送信先として示す送信先IDが付加されたデータを共通通信線から受信するように構成すると共に、複数のECUが送信対象である場合にはグローバルデータとして、送信対象のECUが1つだけである場合には個別データとして、データ送信が行われるように構成している。
【0006】
ただ、こうした設計を行う場合、標準的構成の通信システムにオプションとしてのECUを加える際に若干の不都合が生じる。即ち、オプションのECUに他のECUからのデータを取り込ませるにあたり、そのデータがグローバルデータであれば問題ないが、個別データであるときには、グローバルデータとして送信されるよう、送信元のECU自体の交換やECUを動作させるソフトウェアの書き換え等が必要となる。そのため、オプションのECUの追加によるコストが高くなってしまう。
【0007】
また、オプションのECUが必要とするデータがネットワーク上で送受信されていない場合には、そのデータが送信されるように当該データを有するECUの機能を変更する必要があった。そのため、やはりオプションのECUを追加する際には、そのコストが高くなるという問題が生じていた。
【0008】
本発明は、こうした課題を背景としており、複数のECUからなる通信システムにオプションのECUを組込むに当たり、その組込みによるコストアップを抑制しつつ、オプションのECUの高度な制御を可能とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた本発明(請求項1記載)の通信システムにおいては、第1のECUは、所定のデータ要求を、第2のECUに送信可能に構成され、第2のECUは、データ要求を受けると、要求にて指定されたデータを第1のECUに送信するよう構成されている。
【0010】
ここでデータ要求とは、他のECUが保持するデータであって当該自装置で必要なデータを指定し、その指定のデータを当該自装置に送信することを求めるものであり、第1のECUはこのデータ要求を、上記指定のデータを保持する第2のECUに送信するのである。
【0011】
即ち、請求項1に記載の通信システムにおいては、第1のECU(即ち、オプションのECU)が必要とするデータは、第1のECUからのデータ要求におうじて、第1のECUに送信されることになる。
つまり、この通信システムにおいては、オプションのECUを第1のECUとして機能させることにより、第2のECU自体の交換或いはソフトウェアの書き換えなどを行うことなく、簡単にオプションのECUの追加を行うことができる。従って、オプションのECUの組み込みに伴うコストアップを抑制できると共に、オプションのECUの高度な制御を可能とすることができる。
【0012】
ここで、本発明においては、通信システムを構成する各ECUが、共通通信線からは自装置又は全ECUを送信先として示す送信先IDが付加されたデータを受信できるように構成されており、第1のECUが必要とするデータが、当該第1のECU以外のECUを送信先として示す送信先IDが付加されて他のECU(第2のECU)から送信されるデータである。この場合には、以下のように第1および第2のECUを構成すればよい。
【0013】
請求項1に記載の通信システムにおいては、第1のECUは、上記データ要求として、指定のデータについて全ECUを送信先として示す送信先IDを付加して送信することを求めるグローバル変更要求を、第2のECUに送信するよう構成され、第2のECUは、このグローバル変更要求を受けると、その要求にて指定されたデータを、全ECUを送信先として示す送信先IDを付加して送信するよう構成されている。ここで、第1の電子制御装置(ECU)は、当該自装置で必要なデータに、送信先の電子制御装置、および要求の種別、が対応付けられており、しかも要求の種別において、当該自装置で必要なデータのうちの、第1の電子制御装置以外の電子制御装置を送信先として示す送信先IDが付加されて第2の電子制御装置から送信されるデータに、全電子制御装置を送信先として示す送信先IDを付加して送信することを求めるグローバル変更要求が対応付けられた対応データを保持している。
【0014】
このため請求項1記載の通信システムにおいては、第1のECUが必要とするデータが個別データとして送信されていて第1のECUが受信できない場合、第1のECUが所定のグローバル変更要求を送信することにより、グローバルデータとして送信されることになる。ここで、グローバル変更要求とは、自装置以外のECUを送信先として示す送信先IDが付加されて他のECUから送信されるデータを指定し、その指定のデータについて全ECUを送信先として示す送信先IDを付加して送信することを求める旨の要求である。
【0015】
従って、この通信システムによれば、オプションのECUの必要とするデータが、他のECUを送信先とする個別データとして送信されているものであっても、送信元のECUの変更を行うことなく、オプションのECUを、第1のECUとして機能させることにより簡単に組み込むことができる。そして、オプションのECUの組み込みに伴うコストアップを抑制できると共に、オプションのECUの高度な制御を可能とすることができる。
【0016】
次に、指定のデータが、第2のECUからの送信の対象とされていないデータである場合には、請求項2に記載の様に、第1のECUを構成すると良い。
即ち、請求項2に記載の通信システムにおいて、第1の電子制御装置が保持する対応データには、当該自装置で必要なデータに、第2の電子制御装置からの送信の対象とされているか否かを示す対象情報が対応付けられ、しかも前記要求の種別においては、第2の電子制御装置からの送信の対象とされていないデータに、このデータの送信を開始することを求めるデータ送信開始要求が対応付けられており、第1の電子制御装置は、データ送信開始要求が対応付けられたデータを指定し、該指定のデータについてデータ送信開始要求を、対応データにより送信先の電子制御装置として特定される第2の電子制御装置に送信するよう構成されており、第2の電子制御装置は、データ送信開始要求を受けると、該要求にて指定されたデータについて第1の電子制御装置を送信先として示す送信先IDを付加して送信するよう構成されている。ここで、データ送信開始要求とは、第2のECUからの送信の対象とされていないデータを指定して、その指定のデータについての送信を開始することを求める内容の要求である。
【0017】
この様に、請求項2記載の通信システムにおいては、第1のECUが必要とするデータが送信されていない場合、第1のECUが所定のデータ送信開始要求を送信することにより、送信が開始されることになる。
従って、この通信システムによれば、オプションのECUが必要とするデータが送信されていない場合であっても、そのデータを保持するECUの変更を行うことなく、オプションのECUを第1のECUとして機能させることにより簡単に組み込むことができる。そして、オプションのECUの組み込みに伴うコストアップを抑制できると共に、オプションのECUの高度な制御を可能とすることができる。
【0018】
次に請求項3に記載のECUにおいては、グローバル変更要求送信手段が、所定のグローバル変更要求を、その要求対象のデータの送信元であるECUに送信可能に構成されている。即ち、請求項3記載のECUは、請求項1に記載の通信システムにおける第1のECUとして用いることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施例を図面と共に説明する。
図1は、自動車に標準装備された複数のECUからなる通信システム1の構成を示す説明図である。この通信システム1は、当該車両に標準装備されたエンジンECU10、自動変速(A/T)ECU20、インパネECU30、メータECU40、エアコンECU50などから構成され、各ECUはLAN用のバスライン70で接続されている。こうした通信システムを構成するECUは、車両のグレードや仕向により異なる。
【0023】
各ECUは、CPU、ROM、RAM等からなるコンピュータであり、基本的に必要なデータは自分のECUで取り込んで制御を行う。しかし、ワイヤハーネス(電線束)を増やさず、より高度な制御を行うため、他のECUで取り込んでいるデータであって自分の制御に必要なものはバスライン70を介して取得する(図2参照)。なお図2は、標準装備されたECU10〜50の間で授受されるデータを示す図である。
【0024】
例えばエンジンECU10は、自身で“水温”、“吸気温”、“吸気量”、“エンジン回転数”などを取り込んでエンジン制御を行うが、A/CコンプレッサのON/OFFによリアイドル回転数を調整する必要があるため、LANを介して、エアコンECU50よリ、A/Cのコンプレッサの運転状態(ON/OFF)を取得する。
【0025】
本通信システムでは、CSMA/CD方式でLAN通信が行われる。そこで使用されるメッセージは、図3(a)に示す様に、「PRI」:メッセージのプライオリティ(優先度)、「ML」:送信データ長、「ID1」:送信先ID、「ID2」:メッセージID、「D0*」:送信データ(*=1,2,…)から構成される。
【0026】
まず「PRI」は、バスライン70上に送信するメッセージの優先度を示す情報が設定される部分であり、”$00”(優先度低)〜”$07”(優先度高)の値をとる。図3(b)に示す様に、例えば車速のメッセージ[1]については、「PRI」=”$04”となっている。
【0027】
次に「ML」は、メッセージに含まれる送信データ(D0*)のデータ長(バイト数)を示す情報が設定される部分であり、例えば、D01〜D03の3バイトのデータを送信するときは、「ML」=”$03”となる。
また「ID1」は、送信先(宛先)を示す情報(送信先ID)が設定される部分であり、当該メッセージの送り先であるECUのIDか、全ECUを送信先として示すID(=$FE)の何れかが格納される。
【0028】
各ECUにはIDが割り当てられており、図4に示す様に、エンジンECU10は”$01”、自動変速ECU20は”$02”、インパネECU30は”$03”、メータECU40は”$04”、エアコンECU50は”$05”となっている。
なお、図4は、標準装備されたECU間において送受される各メッセージについての、送信側のECUおよび受信側のECUを示す図である。
【0029】
メッセージの送信先のECUが1台である場合には、その送信先のECUのIDが「ID1」に設定される。例えば、送り先がエンジンECU10であれば、そのIDである”$01”が、「ID1」として設定される。一方、メッセージの送信先のECUが複数である場合には、グローパルデータを示す”$FE”が「ID1」に設定される。
【0030】
各ECUは、バス70上に送出されたメッセージを検出し、そのメッセージの「ID1」が、自己のIDと異なっており、かつ”$FE”でもない場合は、メッセージを受信しない。即ち、各ECUは、自己以外のECUを送信先として示すIDが付加されて送信されたデータは受信しない。一方、そのメッセージの「ID1」が、自己のIDであるか、”$FE”である場合には、そのメッセージに含まれるデータを取得する受信部(図示せず)を備えている。
【0031】
図3に戻り説明を続ける。
「ID2」は、当該メッセージの内容を識別するための情報である。図3(b)に示す様に「DO*」には、例えば車速、室内温度などの、送信すべき情報そのものが格納されるが、「ID2」には、「DO*」に格納された情報が何であるかを示すIDが設定される。例えば「D01」に車速が格納されている場合には、「ID2」=”$01”となる。なお、各メッセージの送信周期は、図3(b)に示す様に各々定められている。
【0032】
こうしたメッセージ[1]〜メッセージ[13]のうち、メッセージ[1]〜メッセージ[8]は、標準装備されたECU10〜50の間で周期的に送信されるメッセージである。また、メッセージ[9]〜メッセージ[11]は、常時通信されるわけではないが、後述の”データ送信開始要求メッセージ(メッセージ[13])があれば、その要求に応じて送信されるメッセージである。
【0033】
メッセージ[12](グローバル変更要求メッセージ)は、送信先が1つだけであるデータ(即ち、送信先が特定されているデータ。以下「個別データ」という)をグローバルデータとして送信するよう、送信元のECUに対して要求する旨のメッセージである。グローバル変更要求メッセージを受けたECUは、後述のフローチャートに示す様に、要求された個別データをグローバルデータとして送信することとなる。
【0034】
メッセージ[13](データ送信開始要求メッセージ)は、メッセージ[9]〜メッセージ[11]の送信を開始するよう、送信元のECUに対して要求する旨のメッセージである。データ送信開始要求メッセージをうけたECUは、後述のフローチャートで示す様に、要求されたデータを送信することとなる。
【0035】
こうしたグローバル変更要求メッセージや、データ送信開始要求メッセージは、標準装備されるECU以外のECUがオプションとしてLANに接続された場合などに、そのオプションのECUから出力される。これについて、図5に示す様に、ナビゲーションECU(以下「ナビECU」と略す)100がオプションとして追加された場合を例にとり説明する。本実施例では、ナビECU100が、請求項の「第1の電子制御装置」に相当する。
【0036】
ナビECU100は、車両のナビゲーション機能の他にも、燃費計算、走行可能距離算出、室内温度表示、室外温度表示などの機能を有し、これら各機能を実現するために表1に示すデータを必要とする。
【0037】
【表1】
ナビECU100は、他のECUからこれら各種データを受信するための受信部(図示せず。請求項の「受信手段」に相当する)を備えている。この受信部は、バスライン70上のメッセージに付された「ID1」が、自ECUのIDであるか、”$FE”である場合に、そのメッセージに含まれるデータを取得する。
【0038】
まず「車速」データは、ナビECU100が接続されない状態においても、自動変速ECU20からエンジンECU10およびメータECU40に送信されるグローバルデータである。従ってナビECU100は、LANに接続すれば「車速」データを受信可能であるから、自動変速ECU20に対して、グローバル変更要求メッセージは出力しない。
【0039】
「室内温度」データについては、ナビECU100が追加される前は、インパネECU30とエアコンECU50の間でしか通信が行われておらず、グローバルデータではない。しかし、ナビECU100の追加により、「室内温度」データを必要とするECUが2台に増えたため、この「室内温度」データは、全ECUが受信可能なグローバルデータとして送信される必要がある。
【0040】
ナビECU100は、インパネECU30に対してグローバル変更要求メッセージを送信することにより、「室内温度」データをグローバルデータで送信してもらうように依頼する機能(グローバル変更要求送信手段)を備えている。このグローバル変更要求メッセージは、LANに接続されたナビECU100に電源が投入された時から周期的(本実施例では60秒毎)に送信される。
【0041】
このグローバル変更要求メッセージの内容は、”PL=$02、ML=$02、ID1=$03、ID2=$F0、D01=$10、D02=$02”である。ここで、”ID1=$03”は要求先であるインパネECU30を示し、”ID2=$F0”は当該メッセージがグローバル変更要求メッセージであることを示している。そして、”D01=$10(ナビECU100のID)”は、要求元がナビECU100であることを示しており、”D02=$02”は、当該要求が「室内温度」データに関するものであることを示す。つまり、インパネECU30には、「室内温度」をグローバルデータとして送信すべき旨の要求が伝達されることになる。
【0042】
次に「外気温」データ、「燃料噴射量」データ、「ガソリン残量」データは、常時送信されているものではないので、ナビECU100は、それぞれ送信元のECUに対して、これらのデータについて、データ送信開始要求メッセージを出す。即ち、「燃料噴射量」データについてはエンジンECU10へ、「ガソリン残量」データについてはメータECU40へ、「外気温」データについてはエアコンECU50へ、データ送信開始要求メッセージを出す。
【0043】
「燃料噴射量」データについて説明すると、LANに接続されたナビECU100は、電源投入時から周期的(本実施例では60秒毎)に、エンジンECU10に対して、「燃料噴射量」データについてのデータ送信開始要求メッセージを送信する機能(データ送信開始要求送信手段)を備えている。
【0044】
このデータ送信開始要求メッセージの内容は、”PL=$02、ML=$03、ID1=$01、ID2=$F1、D01=$10、D02=$0A、D03=$02”である。このデータのうち、”ID1=$01”は、要求先のECUがエンジンECU10であることを示し、”ID2=$F1”は、当該メッセージがデータ送信開始要求メッセージであることを示している。また、”D01=$10”は、要求元がナビECU100であることを示し、”D02=$OA”は、当該要求が「燃料噴射量」データに関するものであることを示している。そして、”D03=$02“は、メッセージを131ms(65.5×2ms)毎に送信すべきことを示している。つまり、エンジンECU10には、ナビECU100に対して「燃料噴射量」データを有するメッセージを131ms毎に送信すべき旨の要求が伝達されることになる。
【0045】
この結果、インパネECU30は、「室内温度」データをグローバルデータとして送信を行うようになり、またエンジンECU10はナビECU100に対して、131ms毎に「燃料噴射量」データを送信するようになるが、こうしたエンジンECU10、インパネECU30の動作について、以下に、フローチャートを用いて説明する。
【0046】
まず、インパネECU30の動作について説明する。図6のフローチャートは、インパネECU30が、LAN上のメッセージを受信する毎に行うデータ受信処理を示している。
このデータ受信処理では、まずステップ(以下「S」と略す)10にて、受信メッセージがグローバル変更要求メッセージかどうかを判断する。この判断はメッセージの「ID2」を参照することにより行われる。
【0047】
その結果、グローバル変更要求メッセージである場合は(S10:YES)、グローバル変更要求対応処理(後述する)を実行した後(S20)、当該データ受信処理を終了する。
一方、S10にて、グローバル変更要求メッセージでないと判断された場合は(S10:NO)、上記受信メッセージが、データ送信開始要求メッセージかどうかを判断する(S30)。この判断もメッセージの「ID2」を参照することにより行われる。
【0048】
ここで、データ送信開始要求メッセージである場合には(S30:YES)、データ送信開始要求対応処理(後述する)を実行した後(S40)、当該データ受信処理を終了する。なお、S30で、データ送信開始要求メッセージでないと判断された場合は(S30:NO)、上記受信メッセージは、メッセージ[1]〜メッセージ[11]の何れかであるので、通常のデータ取り込み処理を行い(S50)、その後当該データ受信処理を終了する。
【0049】
図7は、インパネECU30が行うグローバル変更要求対応処理を示している。この処理では、まず、当該グローバル変更要求メッセージが、「室内温度」データに関するものかどうかを判断する(S110)。ここで、肯定判断された場合(YES)、「室内温度グローバル要求履歴」フラグをONし(S120)、その後、当該グローバル変更要求対応処理を終了する。
【0050】
一方、S110で否定判断された場合(NO)は、次に上記グローバル変更要求メッセージが、「A/C要求情報(A/CスイッチのON/OFF状態、および要求室温)」データに関するものかどうかを判断する(S130)。そして、S130で肯定判断された場合(YES)、「A/C要求情報グローバル要求履歴」フラグをONし(S140)、その後、当該グローバル変更要求対応処理を終了する。また、S130で否定判断された場合(NO)は、速やかに当該グローバル変更要求対応処理を終了する。
【0051】
つまり、図7のグローバル変更要求対応処理では、グローバル変更要求メッセージがあった場合に、それがどのデータについての要求であるかを判断し、自ECUから送信している所定のデータについての要求で有れば、その旨を記憶するのである。例えば、上記の様に「室内温度」をグローバルデータとして送信すべき旨の要求があった場合には、「室内温度グローバル要求履歴」をONすることにより、それが記憶される。
【0052】
次にインパネECU30の送信処理について説明する。
インパネECU30は図8に示す送信処理を、2ms毎に実施する。この送信処理が起動されると、まず、前回のメッセージ送信が完了しているかどうかを判断する(S210)。なお、この判断は、後述する「メッセージ送信完了履歴」フラグのON(完了)/OFF(未完了)状態を参照することによって行う。
【0053】
メッセージの送信が完了していない時は(S210:NO)、残りのデータの送信を行う(S220〜S250)。
即ち、1つのメッセージはパケットに分割して送られるため、まず前回のパケットデータの送信が終了したかどうかを判断する(S220)。その送信が完了していないと判断された場合には(S220:NO)、一旦当該送信処理を終了する。一方、パケットデータの送信が完了したと判断された場合(S220:YES)、その送信完了したデータが、1つのメッセージのうちで最終の送信データであるのかどうかを判断する(S230)。そして、最終の送信データでない場合には(S230:NO)、次のパケットデータの送信を実行する(S240)。一方、送信完了したデータが、最終の送信データである場合には(S230:YES)、「メッセージ送信完了履歴」をONし(S250)、これにより、メッセージ送信が終了したことを記憶する。
【0054】
さて、S210において、メッセージ送信が完了していると判断された場合は(YES)、「室内温度」データについて送信要求が有るか無いかを判断する(S260)。「室内温度」データについては、所定時間毎(本実施例では、図3(b)に示すように500msである)にメッセージの送信要求が生成されることになっているので、S260では、この送信要求の有無を判断するのである。
【0055】
「室内温度」データの送信要求が無い場合には(S260:NO)、次に「A/C要求情報」データについての送信要求情報があるかどうかを判断し(S270)、これもない場合には(S270:NO)、一旦当該送信処理を終了する。
一方、「室内温度」データに対する送信要求が有る場合(S260:YES)、または「A/C要求情報」に対する送信要求が有る場合(S270:YES)には、S280に移行する。そして、メッセージデータセット処理(図9参照)を行うことにより、次に送信すべきメッセージの内容を設定し(S280)、「メッセージ送信完了履歴」フラグをOFFすると共に、そのメッセージの送信を開始する(S290)。
【0056】
図9に示すメッセージデータセット処理では、まず、「室内温度」データ、「A/C要求情報」の何れについての送信要求があったかを確認する(S310、S320)。
「室内温度」データの送信要求であるときには(S310:YES)、”PL=$02,ML=$01,ID1=$05,…”というように送信データをセットし(S320)、その後、「室内温度グローバル要求履歴」がONかどうかを判断する(S330)。「室内温度グローバル要求履歴」がONされていない場合は(S330:NO)当該メッセージデータセット処理を終了するが、「室内温度グローバル要求履歴」がONされている場合は(S330:YES)、「ID1」の送信データを”$FE”(グローバルデータ)に変更する(S340)。
【0057】
また「A/C要求情報」についての送信要求であるときには(S350:YES)、”PL=$02,ML=$02,ID1=$05,…”というように送信データをセットし(S360)、その後、「A/C要求情報グローバル要求履歴」がONかどうかを判断する(S370)。「A/C要求情報グローバル要求履歴」がONされていない場合は(S370:NO)メッセージデータセット処理を終了するが、ONされている場合は(S370:YES)、「ID1」の送信データを”$FE”に変更し(S380)、その後、メッセージデータセット処理を終了する。なお、「室内温度」データおよび「A/C要求情報」の何れの送信要求でもないときには(S350:NO)、送信メッセージデータセット処理を速やかに終了する。
【0058】
以上の様に、ナビECU100が必要とする「室内温度」データが個別データとして送信されていて、そのままでは受信できない場合であっても、ナビECU100が所定のグローバル変更要求メッセージを送信すると、図6〜図9に示す処理により「室内温度」データがグローバルデータとして送信され、その結果、ナビECU100は「室内温度」データを受信することができるようになる。そのため、ナビECU100をオプションとして追加する際、「室内温度」データの送信元であるインパネECU30の変更を行う必要がなく、コストアップを抑制しつつ、オプションのECUの高度な制御を可能とすることができる。
【0059】
次にエンジンECU10の動作について説明する。
図6のフローチャートで示したデータ受信処理は、エンジンECU10においても、データLAN上のメッセージを受信する毎に行われるが、その内容は上述の通りであるので説明を省略する。なお、データ受信処理は、標準装備された各ECU10〜50で夫々実行される。
【0060】
なお、データ受信処理におけるS20の処理に対応して、エンジンECU10においては「エンジン回転数」データをグローバルデータ化するための、グローバル変更要求対応処理が行われる。この処理は、「エンジン回転数」データに対するグローバル変更要求があったかどうかを判断し、当該要求があった場合に、「エンジン回転数」についての「グローバルデータ要求履歴」をONするものである。
【0061】
そして、データ受信処理におけるS40の処理に対応して、エンジンECU10では、図10に示すデータ送信開始要求対応処理が行われる。
このデータ送信開始要求対応処理では、図10に示す様に、まずデータ送信開始要求メッセージが、「燃料噴射量」データについてのものであるかどうかを判断する(S410)。この判断は、メッセージの「D02」を参照することにより行われる。
【0062】
ここで、「燃料噴射量」データについてのデータ送信開始要求メッセージであると判断された場合は(S410:YES)、当該メッセージの内容を読みとり、▲1▼要求元のECUのID(「D01」)のセーブ、▲2▼送信周期(「D03」)のセーブ、▲3▼「噴射量LAN送信要求履歴」フラグのONを行い(S420)、データ送信開始要求対応処理を終了する。一方、「燃料噴射量」データについての送信開始要求メッセージでない場合は(S410:NO)、速やかにデータ送信開始要求対応処理を終了する。
【0063】
こうして、「噴射量LAN送信要求履歴」フラグのONが行われると、これ以降、所定の送信周期で、「燃料噴射量」データの送信が行われるので、これについて以下に説明する。
まず、図11は、「燃料噴射量」データを含むメッセージの送信タイミングを検出(判定)するための燃料噴射量送信タイミング判定処理を示すフローチャートである。
【0064】
この燃料噴射量送信タイミング判定処理は、所定時間毎(本実施例では16ms毎)に実行されるものであり、まず「噴射量LAN送信要求履歴」フラグがONかどうかを判断する(S510)。このフラグがOFFである場合には(S510:NO)、「燃料噴射量送信要求」フラグをリセットする(S520)。この「燃料噴射量送信要求」フラグは、「燃料噴射量」データを含むメッセージの送信タイミングであることを記憶するためのものである。
【0065】
一方、「噴射量LAN送信要求履歴」フラグがONである場合は(S510:YES)、S420で記憶した「送信周期」データを使用して、「燃料噴射量」データの送信タイミングを制御する(S530,S540)。
即ち、まず「燃料噴射量」データを送信するためのメッセージを送信した前回のタイミングからの経過時間が、「送信周期」以上であるかどうかを判断する(S530)。この結果、前回の送信タイミングからの経過時間が「送信周期」以上であるとき(S530:YES)、「燃料噴射量送信要求」フラグをセットする(S540)。一方、前回の送信タイミングからの経過時間が「送信周期」以上と判断されなかった場合(S530:NO)、当該燃料噴射量送信タイミング判定処理を速やかに終了する。
【0066】
「燃料噴射量送信要求」フラグがセットされると、次に説明する送信処理(図12)において、「燃料噴射量」データの送信が行われることになる。
この送信処理は、所定時間毎(本実施例では2ms毎)に実行される処理であり、図12に示す様に、まず、前回のメッセージ送信が完了しているかどうかを判断する(S610)。なお、この判断は「メッセージ送信完了履歴」フラグ(インパネECU30のものとは独立である)のON/OFF状態を参照することによって行う。
【0067】
この判断の結果、メッセージの送信が完了していない時は(S610:NO)、残りのデータの送信を行う(S620〜S650)。なお、S620〜S650の処理は、前述のS220〜S250の処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0068】
一方、S610において、メッセージ送信が完了していると判断された場合は(YES)、「噴射量LAN送信要求履歴」がONであるかどうかを判断し(S660)、ONである場合(S660:YES)、「燃料噴射量送信要求」がセットされているかどうか(即ち燃料噴射量送信要求があるかどうか)を判断する(S670)。
【0069】
「噴射量LAN送信要求履歴」がONでない場合(S660:NO)、或いは燃料噴射量送信要求が無い場合(S670:NO)は、「水温」データについての送信要求が有るかどうかを判断する(S680)。ここで否定判断されると(S680:NO)、「エンジン回転数」データについての送信要求が有るかどうかを判断し(S690)、更に否定判断されると(S690:NO)、「STA状態」データについての送信要求が有るかどうかを判断する(S700)。そして、「STA状態」データについての送信要求も無い場合には(S700:NO)、当該送信処理を終了する。
【0070】
一方、「燃料噴射量」データに対する送信要求が有る場合(S670:YES)、「水温」データに対する送信要求が有る場合(S680:YES)、「エンジン回転数」データに対する送信要求が有る場合(S690:YES)、または「STA状態」データに対する送信要求が有る場合(S700:YES)には、S710に移行する。そして、メッセージデータセット処理(図13参照)を行うことにより、次に送信すべきメッセージの内容を設定し(S710)、「メッセージ送信完了履歴」フラグをOFFすると共に、そのメッセージの送信を開始する(S720)。
【0071】
なお、「水温」データ、「エンジン回転数」データ及び「STA状態」データについては、所定時間毎(本実施例では、図3(b)に示すように、夫々500ms、131ms、1sである)にメッセージの送信要求が生成されることになっている。
【0072】
図13に示すメッセージデータセット処理では、「水温」データ、「エンジン回転数」データ、「STA状態」データおよび「燃料噴射量」データの中で、何れのメッセージについての送信要求があったかを確認する(S810〜S840)。
【0073】
「水温」データについての送信要求であるときには(S810:YES)、”PL=$02,ML=$02,ID1=$FE,…”というように送信データをセットし(S850)、当該メッセージデータセット処理を終了する。
また「エンジン回転数」データについての送信要求であるときには(S820:YES)、”PL=$04,ML=$02,ID1=$04,…”というように送信データをセットし(S860)、その後、「エンジン回転数グローバル要求履歴」フラグがONかどうかを判断する(S890)。「エンジン回転数グローバル要求履歴」がONされていない場合は(S890:NO)、直ちにメッセージデータセット処理を終了するが、ONされている場合は(S890:YES)、「ID1」の送信データを”$FE”に変更する(S900)。
【0074】
また「STA状態」データについての送信要求であるときには(S830:YES)、”PL=$01,ML=$01,ID1=$FE,…”というように送信データをセットし(S870)、当該メッセージデータセット処理を終了する。
そして、「燃料噴射量」データについての送信要求であるときには(S840:YES)、”PL=$02,ML=$02,ID1=要求元のECUのID(本実施例ではナビECU100のID),…”というように送信データをセットし(S880)、当該メッセージデータセット処理を終了する。
【0075】
なお、「水温」データ、「エンジン回転数」データ、「STA状態」データおよび「燃料噴射量」データの何れの送信要求でもないときには(S840:NO)、送信メッセージデータセット処理を速やかに終了する。
以上の図6、図9〜図13に示す処理により、データ送信開始要求の対象となった「燃料噴射量」データがエンジンECU10から送信され、ナビECU100は「燃料噴射量」データを受信できることとなる。
【0076】
また、「外気温」データについては、ナビECU100はエアコンECU50に対し、データ送信開始要求メッセージとして“PL=$02、ML=$03、ID1=$05、ID2=$F1、D01=$10、D02=$09、D03=$10(送信周期1.048s)”を送信する。これにより、ナビECU100は、「燃料噴射量」データと同様に「外気温」データを得ることができる。
【0077】
また、「ガソリン残量」データについても、ナビECU100はメータECU40に対し、データ送信開始要求メッセージとして”PL=$02、ML”=$03、ID1=$04、ID2=$F1、D01=$10、D02=$OB、D03=$08(送信周期524ms)”を送信する。これにより、ナビECU100は、「燃料噴射量」データと同様に「ガソリン残量」データを得ることができる。
【0078】
以上の様に、ナビECU100に必要な「燃料噴射量」データ等が常時送信されているものではない場合であっても、ナビECU100が所定のデータ送信開始要求を送信すると、図6、図9〜図13の処理により「燃料噴射量」データ等の周期的な送信が開始され、その結果、ナビECU100は「燃料噴射量」データ等を受信することができるようになる。そのため、ナビECU100をオプションとして追加する際、「燃料噴射量」データ等の送信元である、エンジンECU10、エアコンECU50、メータECU40の変更を行う必要がなく、コストアップを抑制しつつ、オプションのECUの高度な制御を可能とすることができる。
【0079】
なお、S10の処理が請求項の「グローバル変更要求判断手段」に相当し、グローバル変更要求対応処理が請求項の「グローバル変更手段」に相当し、図8、図9に示す処理が請求項6の「送信手段」に相当する。また、S30の処理が請求項の「データ送信開始要求判断手段」に相当し、データ送信開始要求対応処理が請求項の「送信開始手段」に相当し、図11〜図13に示す処理が請求項7の「送信手段」として機能する。
【0080】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様をとることができる。
例えば、上記実施例では、請求項にいう「第1のECU」として、ナビゲーションECU100を例にとって説明したが、これに限られるものではない。また請求項にいう「第2のECU」として、エンジンECU10等を例にとったが、これに限られるものではない。また、本実施例では、車両に搭載された複数のECUからなる通信システムについて説明したが、「車両」に限定されるものでもない。また、「第1のECU」に送信すべきデータとして、「室内温度」データ、「燃料噴射量」データ等を例にとったが、これに限られるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車に標準装備された複数のECUからなる通信システムの構成例を示す説明図である。
【図2】標準装備されたECU間で送受されるデータを示す説明図である。
【図3】通信システムにおける通信用のメッセージフォーマットおよびその内容を示す説明図である。
【図4】標準装備されたECU間で送受される各メッセージについての、送信側のECUおよび受信側のECUを示す図である。
【図5】ナビゲーションECUがオプション装備された通信システムを示す説明図である。
【図6】標準装備された各ECUで実行されるデータ受信処理を示すフローチャートである。
【図7】インパネECUで実行されるグローバル変更要求対応処理を示すフローチャートである。
【図8】インパネECUで実行される送信処理を示すフローチャートである。
【図9】インパネECUで実行されるメッセージデータセット処理を示すフローチャートである。
【図10】エンジンECUで実行されるデータ送信開始要求対応処理を示すフローチャートである。
【図11】エンジンECUで実行される燃料噴射量送信タイミング判定処理を示すフローチャートである。
【図12】エンジンECUで実行される送信処理を示すフローチャートである。
【図13】エンジンECUで実行されるメッセージデータセット処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…通信システム 10…エンジンECU
20…自動変速ECU 30…インパネECU
40…メータECU 50…エアコンECU
70…バスライン
100…ナビゲーションECU
Claims (3)
- 共通通信線を介して互いに送受信可能に接続され、前記共通通信線からは、自装置又は全電子制御装置を送信先として示す送信先IDが付加されたデータを受信可能に構成された複数の電子制御装置からなる通信システムにおいて、
前記複数の電子制御装置のうちの第1の電子制御装置は、
当該第1の電子制御装置で必要なデータに、送信先の電子制御装置、および要求の種別、が対応付けられており、しかも前記要求の種別において、当該第1の電子制御装置で必要なデータのうちの、前記第1の電子制御装置以外の電子制御装置を送信先として示す送信先IDが付加されて第2の電子制御装置から送信されるデータに、全電子制御装置を送信先として示す送信先IDを付加して送信することを求めるグローバル変更要求が対応付けられた対応データを保持しており、
前記グローバル変更要求が対応付けられたデータを指定し、該指定のデータについてグローバル変更要求を、前記対応データにより送信先の電子制御装置として特定される前記第2の電子制御装置に送信可能に構成されると共に、
前記第2の電子制御装置は、前記グローバル変更要求を受けると、該要求にて指定されたデータについて全電子制御装置を送信先として示す送信先IDを付加して送信するよう構成されたこと
を特徴とする通信システム。 - 請求項1記載の通信システムにおいて、
前記第1の電子制御装置が保持する対応データには、当該自装置で必要なデータに、前記第2の電子制御装置からの送信の対象とされているか否かを示す対象情報が対応付けられ、しかも前記要求の種別においては、前記第2の電子制御装置からの送信の対象とされていないデータに、このデータの送信を開始することを求めるデータ送信開始要求が対応付けられており、
前記第1の電子制御装置は、前記データ送信開始要求が対応付けられたデータを指定し、該指定のデータについて前記データ送信開始要求を、前記対応データにより送信先の電子制御装置として特定される第2の電子制御装置に送信するよう構成されており、
前記第2の電子制御装置は、前記データ送信開始要求を受けると、該要求にて指定されたデータについて前記第1の電子制御装置を送信先として示す送信先IDを付加して送信するよう構成されたこと
を特徴とする通信システム。 - 共通通信線を介して互いに接続された複数の電子制御装置からなる通信システムを構成するための電子制御装置であって、
当該自装置である第1の電子制御装置で必要なデータに、送信先の電子制御装置、および要求の種別、が対応付けられており、しかも前記要求の種別において、当該第1の電子制御装置で必要なデータのうちの、前記第1の電子制御装置以外の電子制御装置を送信先として示す送信先IDが付加されて第2の電子制御装置から送信されるデータに、全電子制御装置を送信先として示す送信先IDを付加して送信することを求めるグローバル変更要求が対応付けられた対応データを保持する保持手段と、
前記共通通信線から、前記第1の電子制御装置又は全電子制御装置を送信先として示す送信先IDが付加されたデータを受信する受信手段と、
前記グローバル変更要求が対応付けられたデータを指定し、該指定のデータについてグローバル変更要求を、前記対応データにより送信先の電子制御装置として特定される前記第2の電子制御装置に送信するグローバル変更要求送信手段と、
を備えたことを特徴とする電子制御装置。
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