JP4580687B2 - 熱収縮性ラベル - Google Patents

熱収縮性ラベル Download PDF

Info

Publication number
JP4580687B2
JP4580687B2 JP2004155250A JP2004155250A JP4580687B2 JP 4580687 B2 JP4580687 B2 JP 4580687B2 JP 2004155250 A JP2004155250 A JP 2004155250A JP 2004155250 A JP2004155250 A JP 2004155250A JP 4580687 B2 JP4580687 B2 JP 4580687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
shrinkable
film
label
nonwoven fabric
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004155250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005338304A (ja
Inventor
聡 早川
多保田  規
尚伸 小田
正一 岩崎
茂樹 田中
亨 阪本
将仁 鈴木
雅人 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Seal International Inc
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Fuji Seal International Inc
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Seal International Inc, Toyobo Co Ltd filed Critical Fuji Seal International Inc
Priority to JP2004155250A priority Critical patent/JP4580687B2/ja
Publication of JP2005338304A publication Critical patent/JP2005338304A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4580687B2 publication Critical patent/JP4580687B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は熱収縮性ラベルに関し、さらに詳しくは、収縮ラベル、キャップシール、収縮包装などの用途に好適な熱収縮性ラベルに関する。本発明の熱収縮性ラベルは、例えば、金属容器、ペットボトル、紙製やプラスチック製のコップ、即席麺用容器、アルコール飲料容器、氷菓用容器など、温度が約40℃以上の内容物あるいは約10℃以下の内容物を保持する容器の少なくとも一部に被覆装着すれば、内容物の保温や保冷が可能であり、また、熱湯や氷菓が入っていても容器を手で持つことができるなどの利点を有する。
従来、ペットボトルやアルミ缶などの容器の表示ラベルとして熱収縮性フィルムが用いられてきた。しかし、これらの熱収縮性フィルムは、商品名や内容物の表示の観点からは鮮明な印刷を提供するという機能を発揮するものの、断熱性をほとんど有しないため、内容物が高温の場合には、すぐに温度が下がってしまったり、容器を手で持った際にやけどをするなどの問題があった。また、内容物が室温より低温である場合には、すぐに室温に近づいてしまったり、雰囲気中の水分が容器に結露してしまうという問題があった。
熱収縮性を有する材料として、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などの熱収縮性フィルムは存在するものの、実用に適する断熱性を有する熱収縮性フィルムは存在しない。そこで、発泡性樹脂フィルムを熱収縮性フィルムに積層する、あるいは容器自体をポリスチレン発泡体などで形成するなどの工夫がなされてきた。しかし、発泡性樹脂フィルムは空孔が少ないので断熱性が不十分であり、また、コストの安いポリスチレン発泡体などはリサイクル性などの問題があった。
他方、断熱性を有する材料の代表例として、不織布が挙げられるが、不織布は収縮性を有しないので、平面や円柱などの単純な表面に貼り付けるなどの使用しかできなかった。また、不織布は表面が平滑でないので印刷の鮮明度が良くないという問題があった。さらに、不織布表面の気孔から空気が流入するので、保温性を高くするには、かなり径の細い繊維を用いる必要があった。
これらの問題を解決する方法として、不織布をフィルムと貼り合わせる試みが行われている。例えば、特許文献1には、不織布とフィルムを複合化した材料が開示されている。しかし、不織布が熱収縮性を有しないので、ボトルのネック部分など、曲率の異なる曲面を有する容器への追随性や貼り付けに手間がかかるという問題があった。
さらに、ラベルに熱収縮性を持たせるには、熱収縮性フィルムと不織布をラミネートし、それをラベル化することが考えられる。しかし、従来の不織布を用いた場合には、通常の熱収縮性フィルムをチューブ状に加工する際に行われる溶剤接着が不可能である。そのため、特別な接着剤を用いて貼り合わせる必要があるので、通常の溶剤接着加工工程では加工ができず、コストが高い上、接着剤の乾燥工程を必要とするなど、生産性が低くなるという問題が発生する。
特開平8−126663号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決するものであり、その目的とするところは、ボトルやカップなど様々な形態の容器にも熱収縮により被覆装着可能で、実用的な断熱効果があり、かつ通常の溶剤接着加工工程で生産可能な熱収縮性ラベルを提供することにある。
本発明は、少なくとも熱収縮性フィルムと不織布とを有する積層体を筒状にして、その一端における前記熱収縮性フィルム層の表面部分と、他端において対面する前記不織布層の表面部分とを互いに溶剤接着してなることを特徴とする熱収縮性ラベルを提供することにより、上記目的を達成したものである。
上記熱収縮性ラベルにおいて、熱収縮性フィルム層はラベルの外側に面し、不織布層はラベルの内側に面していることが好ましい。かかる構成を採用することにより、熱収縮性フィルム層の積層面に印刷を施して、ラベルの意匠性と断熱性を両立させることができる。
上記熱収縮性ラベルは、その溶剤接着部分の剥離強度が2(N/15mm)以上であることが好ましい。溶剤接着部分の剥離強度が2(N/15mm)以上であれば、ラベルを容器に熱収縮させて被覆装着する際に溶剤接着部分の剥離などの不良の発生を防止することができる。
上記熱収縮性ラベルは、95℃の温水中に10秒間浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒間浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が40%以上であることが好ましい。熱収縮率が40%以上であれば、ラベルを容器に熱収縮させて被覆装着する際にラベルの熱収縮量が不足してラベルが容器に密着せず、外観不良が発生するのを防止することができる。
上記熱収縮性ラベルにおいて、熱収縮性フィルムおよび不織布は共にポリエステル系樹脂で形成されていることが好ましい。熱収縮性フィルムをポリエステル系樹脂で形成することにより、優れた収縮仕上り性とラベル表面の耐熱性を与えることができる。また、不織布をポリエステル系樹脂で形成することにより、熱収縮性フィルム層と不織布層との良好な溶剤接着性を与えることができる。さらに好ましくは、ポリエステル系樹脂中のエチレンテレフタレートユニット量は95モル%以下である。このようなポリエステル系樹脂を用いれば、さらに優れた収縮仕上り性と溶剤接着性を与えることができる。
上記熱収縮性ラベルにおいて、不織布は、その繊維径が0.5〜20μm、目付けが5〜200g/m2の範囲内であることが好ましい。このような不織布を用いれば、ラベルの強度と良好な断熱性を与えることができる。
上記熱収縮性ラベルは、溶解度指数が8.0〜13.8の範囲内にある溶剤で接着することが好ましい。このような溶剤を用いれば、特にポリエステル系樹脂に対しては、優れた溶解作用または膨潤作用を発揮するので、より強固な接着性を得ることができる。
本発明によれば、ボトルやカップなど様々な形態の容器にも熱収縮により被覆装着可能で、実用的な断熱効果があり、かつ通常の溶剤接着加工工程で生産可能な熱収縮性ラベルが提供される。このラベルは、例えば、金属容器、ペットボトル、紙製やプラスチック製のコップ、即席麺用容器、アルコール飲料容器、氷菓用容器など、温度が約40℃以上の内容物あるいは約10℃以下の内容物を保持する容器の少なくとも一部に被覆装着すれば、内容物の保温や保冷が可能であり、また、熱湯や氷菓が入っていても容器を手で持つことができるなどの利点を有する。このため、本発明の熱収縮性ラベルは、収縮ラベル、キャップシール、収縮包装などの用途のうち、特に断熱性を必要とされる用途に有用である。しかし、かかる用途に限定されるものではなく、不織布の加飾性を利用して、断熱を必要としない用途にも幅広く適用できる。
本発明の熱収縮性ラベルは、少なくとも熱収縮性フィルムと不織布とを有する積層体を筒状にして、その一端における前記熱収縮性フィルム層の表面部分と、他端において対面する前記不織布層の表面部分とを互いに溶剤接着してなるラベル状体である。本発明の熱収縮性ラベルは、熱収縮性フィルムによってラベルの熱収縮性を発現し、不織布によってラベルの断熱性を発現する。ラベルを形成する積層体の構成は、溶剤接着が可能であれば、熱収縮性フィルム/不織布、熱収縮性フィルム/不織布/熱収縮性フィルム/不織布などのいずれの構成でもよいが、ラベルの外側に熱収縮性フィルム層が面し、内側に不織布層が面するようにして熱収縮性フィルム層と不織布層とを溶剤接着することが、コストおよび生産性の観点から好ましい。なお、熱収縮性フィルムに予め印刷を施してから不織布層と積層した後、溶剤接着でラベルを作成することにより、ラベルに意匠性を与えることもできる。
本発明の熱収縮性ラベルは、その溶剤接着部分の剥離強度が2(N/15mm)以上であることが好ましい。溶剤接着部分の剥離強度が2(N/15mm)以上であれば、ラベルを容器に熱収縮させて被覆装着する際に溶剤接着部分の剥離などの不良の発生を防止することができる。溶剤接着部分の剥離強度を2(N/15mm)以上とするには、後述の組成および製法による熱収縮性フィルムおよび不織布を用いることにより達成できる。溶剤接着部分の剥離強度は、好ましくは3(N/15mm)以上、さらに好ましくは4(N/15mm)以上である。
本発明の熱収縮性ラベルは、5cm×5cmの正方形に切り出した試料を、95℃の温水中に10秒間浸漬して引き上げ、次いで25℃の温水中に10秒間浸漬して引き上げたときの最大収縮方向(通常、周方向)の熱収縮率が40%以上であることが好ましい。熱収縮率が40%未満であると、ラベルを容器に熱収縮させて被覆装着する際にラベルの熱収縮量が不足してラベルが容器に密着せず、外観不良が発生するので好ましくない。ラベルの熱収縮率は、より好ましくは52%以上、さらに好ましくは55%以上である。ここで、最大収縮方向の熱収縮率とは、試料の最も大きく収縮した方向での熱収縮率の意味であり、最大収縮方向は正方形の縦方向または横方向(または斜め方向)の長さで決められる。また、熱収縮率(%)は、5cm×5cmの試料を、95℃±0.5℃の温水中に無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させた後、直ちに25℃±0.5℃の水中に無荷重状態で10秒間浸漬した後の、フィルムの縦方向および横方向(または斜め方向)の長さを測定し、下記式
熱収縮率=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
に従って求めた値である。
熱収縮性フィルムや不織布を形成する素材は、必要な熱収縮性と断熱性を与えることができ、かつ溶剤接着可能な素材であれば、特に限定されないが、熱収縮性の制御や、断熱性、溶剤接着性の観点から高分子材料、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などであることが好ましい。良好な溶剤接着性を示し、環境問題の観点でリサイクルが容易であることから、熱収縮性フィルムおよび不織布は共にポリエステル系樹脂で形成されていることが好ましい。なお、熱収縮性フィルムの熱収縮性や、熱収縮性フィルムと不織布との溶剤接着性などを両立させるために、2種以上の種類や組成の異なるポリマーをブレンドしたり、共重合モノマー成分を複数にするなどして、主たる構成ユニット以外に副次的構成ユニットを原料ポリマー中に導入して、得られる熱収縮性フィルムや不織布の特性を変化させる手法を採用することが好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、1種または2種以上のジカルボン酸と1種または2種以上の多価アルコールを重縮合させた公知の(共重合)ポリエステルを用いることができる。かかるポリエステルは、一般的に、ジカルボン酸成分と多価アルコール成分とから構成されている。ジカルボン酸成分を形成するジカルボン酸としては、芳香族ジカルボン酸、そのエステル形成誘導体、脂肪族ジカルボン酸などが利用可能である。芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−1,4−もしくは−2,6−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などが挙げられる。また、これらのエステル形成誘導体としては、ジアルキルエステル、ジアリールエステルなどの誘導体が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、ダイマー酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シュウ酸、コハク酸などが挙げられる。なお、ジカルボン酸に加えて、p−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸;無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの三価以上のカルボン酸を必要に応じて併用してもよい。
多価アルコール成分を形成する多価アルコールは、グリコールであっても、三価以上のアルコールであってもよい。グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールなどのアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ビスフェノール化合物またはその誘導体のアルキレンオキサイド付加物などのエーテルグリコール類;ダイマージオールなどが挙げられる。三価以上のアルコールとしては、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。また、多価アルコールではないが、ラクトン類(例えば、ε−カプロラクトンなど)も使用可能である。
熱収縮性フィルムおよび不織布を形成するポリエステル系樹脂は、単独でもよいし、2種以上を混合して用いてもよいが、前述のように熱収縮性と溶剤接着性などを両立させるために、2種以上の種類や組成の異なるポリマーをブレンドしたり、共重合モノマー成分を複数にするなどして、主たる構成ユニット以外に副次的構成ユニットを原料ポリマー中に導入して、得られる熱収縮性フィルムや不織布の特性を変化させる手法を採用することが好ましい。
熱収縮性フィルムの熱収縮性を制御するには、ガラス転移温度(Tg)の異なる2種以上のポリエステルをブレンドして用いることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートと共重合ポリエステル(2種以上であってもよい)を混合して用いることが好ましいが、共重合ポリエステル同士の組み合わせであってもよい。また、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチルテレフタレート、ポリエチレンナフタレート同士を組み合わせたり、これらと他の共重合ポリエステルを組み合わせて用いることもできる。熱収縮性と溶剤接着性の観点から最も好ましいのは、ポリエチレンテレフタレートと、エチレングリコールおよびネオペンチルグリコールの混合ジオールとテレフタル酸とからなる共重合ポリエステルとのブレンド、ならびに、ポリエチレンテレフタレートと、ポリブチレンテレフタレートと、エチレングリコールおよびネオペンチルグリコールの混合ジオールとテレフタル酸とからなる共重合ポリエステルとのブレンドの2種類のブレンドタイプである。具体的には、エチレンテレフタレートユニットを主成分として(ブチレンテレフタレートユニットを少量含む場合がある)ネオペンチルグリコール成分を共重合成分として含有し、エチレンテレフタレートユニット量が95モル%以下であるようなポリエステルである。エチレンテレフタレートユニット量は、より好ましくは90モル%以下、さらに好ましくは85モル%以下である。特に、熱収縮性フィルムは、それを形成するポリエステルのエチレンテレフタレートユニット量が85モル%以下であることが好ましい。なお、ポリエステルのエチレンテレフタレートユニット量は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは55モル%以上、さらに好ましくは60モル%以上である。
ポリエステルは常法により溶融重合することによって製造することができる。その製造法としては、ジカルボン酸と多価アルコールとを直接反応させて得られたオリゴマーを重縮合する、いわゆる直接重合法、ジカルボン酸のジメチルエステル体と多価アルコールとをエステル交換反応させた後に重縮合する、いわゆるエステル交換法などが挙げられるが、任意の製造法を適用することができる。また、その他の重合方法によって得られたポリエステルであってもよい。ポリエステルの重合度は、固有粘度にして0.3〜1.3dl/gのものが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、α−オレフィンの重合体の総称であって、ホモポリマーまたは共重合ポリマーのいずれであってもよい。ホモポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリブテン−1などが挙げられる。共重合ポリマーとしては、エチレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、ブチレン−α−オレフィンランダム共重合体などのランダム共重合体や、プロピレン−エチレンブロック共重合体、ポリプロピレンエラストマーなどのブロック共重合体などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂を形成するα−オレフィンとしては、一般的には、炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられ、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1などを用いることが好ましい。エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体などを用いることが特に好ましい。また、これらのポリマーの立体構造に関しては、特に制限されることはなく、イソタクチック、アタクチック、シンジオタクチック、あるいはこれらの混在した構造でもかまわない。共重合成分を導入することにより、本来結晶性が高いオレフィンポリマーを非結晶化させて、熱収縮性フィルムに必要な高い熱収縮率と溶剤接着性を与えることができる。
ポリオレフィン系樹脂には、他に環状オレフィン系樹脂および石油系樹脂が含まれる。環状オレフィン系樹脂とは、一般的な総称であり、具体的には、(1)環状オレフィンの開環(共)重合体を必要に応じて水素添加した重合体、(2)環状オレフィンの付加(共)重合体、(3)環状オレフィンと、エチレン、プロピレンなどのα−オレフィンとのランダム共重合体などが挙げられる。その他に、(4)前記(1)〜(3)を不飽和カルボン酸やその誘導体へ変性したグラフト変性体などが例示できる。環状オレフィン系樹脂を構成する環状オレフィンとしては、例えば、ビシクロヘプト−2−エン(2−ノルボルネン)およびその誘導体(例えば、ノルボルネン、6−メチルノルボルネン、6−エチルノルボルネン、5−プロピルノルボルネン、6−N−ブチルノルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノルボルネン、5,6−ジメチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン)、テトラシクロ−3−ドデセンおよびその誘導体(例えば、8−メチルテトラシクロ−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ−3−ドデセン)などが挙げられる。
環状オレフィン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂の中では高い溶剤接着性を与え、また、高いガラス転移温度を有するので、他のポリオレフィン系樹脂に比べてフィルムや不織布の剛性を向上させる効果や、ポリオレフィン系樹脂の熱収縮性フィルム全般の欠点である自然収縮を低減させる効果を有する。特に環状オレフィン系樹脂の中でも、ガラス転移温度の高いものほど前述の効果は大きくなる。本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂は、そのガラス転移温度が好ましくは70℃〜140℃、より好ましくは90℃〜110℃である。ガラス転移温度が70℃以上であれば、環状オレフィン系樹脂の添加量を減らすことが可能であり、フィルム原料のコストダウンができるので好ましい。ガラス転移温度が140℃以上であると、製膜時の延伸性が悪化し、フィルムの厚みムラが生じやすくなり、外観も悪化する傾向がある。
石油系樹脂は、石油精製工業や石油化学工業の工程上で得られる特定留分(オレフィン、ジオレフィンなどの重合性化合物を含むもの)中の重合可能な物質を、特に単離精製することなく、そのまま重合させて得られた樹脂である。さらに詳しくは、芳香族系炭化水素樹脂や芳香族系石油樹脂を部分水素添加または完全水素添加することによって得られる脂環族飽和炭化水素樹脂である。石油系樹脂としては、例えば、荒川化学工業(株)製のアルコンまたはトーエネックス(株)製のエスコレッツなどの市販品が挙げられる。石油系樹脂を用いてポリマーを非結晶化させることにより、熱収縮性フィルムに必要な熱収縮率を与えることができ、また、フィルム製膜時の延伸性も向上させることができる。本発明に用いられる石油系樹脂は、その軟化温度が好ましくは110℃以上、より好ましくは125℃、さらに好ましくは140℃以上である。石油系樹脂の軟化温度が高いものほど、より高い熱収縮率を得ることができる。石油系樹脂の軟化温度が110℃未満であると、フィルムにベタツキが発生して印刷などの後加工で不具合を発生する場合や、経時変化により白濁するケースがある。
スチレン系樹脂は、1種または2種以上のスチレン系単量体と1種または2種以上の共役ジエン系単量体との共重合体であり、溶剤接着性を与えることができ、また、非結晶性ポリマーであるので、高い熱収縮性を得ることができる。スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなどが挙げられる。共役ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ブタジエンなどが挙げられる。本発明に用いられるスチレン系樹脂としては、これらのスチレン系単量体と、これらの共役ジエン系単量体とのブロック共重合体が例示できる。その中で最も好適に用いられるブロック共重合体は、スチレン系単量体がスチレンであり、共役ジエン系単量体がブタジエンであるスチレン−ブタジエンブロック共重合体である。このブロック共重合体中のスチレン成分の含有量は、一般的には10〜95質量%、好ましくは15〜90質量%、より好ましくは20〜85質量%である。スチレン成分の含有量が95質量%を上回ると、フィルムの対衝撃性が低下する。逆に、スチレン成分の含有量が10質量%を下回ると、溶剤接着性が低下する。共役ジエン系単量体は軟質であり、この比率が増加すると十分な剛性を得ることができなくなる。
熱収縮性フィルムは、例えば、以下のようにして製造される。ポリエステル系樹脂を例にとると、原料樹脂チップをホッパドライヤー、パドルドライヤーなどの乾燥機、または真空乾燥機を用いて乾燥し、押出機を用いて200〜300℃の温度でフィルム状に押し出す。あるいは、未乾燥の原料樹脂チップをベント式押出機内で水分を除去しながら同様にフィルム状に押し出す。なお、押出しに際しては、Tダイ法、チューブラ法など、既存のどの方法を採用しても構わない。押出した溶融状フィルムは、冷却ロール(例えば、キャスティングロール)で急冷して未延伸フィルムを得る。このとき、押出機と冷却ロールとの間に電極を配設し、電極と冷却ロールとの間に電圧を印加し、静電気的にフィルムをロールに密着させれば、フィルムの厚み斑を抑制することができる。なお、「未延伸フィルム」には、製造工程でのフィルム送りのために必要な張力が作用したフィルムも含まれる。
このようにして得られた未延伸フィルムに対して延伸処理を行う。延伸処理のタイミングは、特に限定されず、例えば、冷却用ロールによる冷却後、一旦、ロール状に巻き取り、このロールからフィルムを引き出して延伸処理してもよく、冷却後、ロール状に巻き取ることなく連続的に延伸処理してもよい。
延伸方向(フィルムの最大収縮方向)は、フィルムの横(幅)方向であってもよく、フィルムの縦方向(長手方向)であってもよいが、延伸方向をフィルムの横(幅)方向にすることが生産効率の点で実用的であるので、以下、延伸方向を横方向とする場合の延伸法を例にとって説明する。なお、延伸方向をフィルムの縦方向(長手方向)とする場合は、下記方法における延伸方向を90°変えるなど、通常の操作に準じて延伸すればよい。フィルムを横(幅)方向に延伸する場合には、テンターなどの慣用の延伸手段を用いて延伸することができる。
延伸処理に先立ってフィルムを予備加熱してもよい。予備加熱を行えば、フィルム厚みの均一性を高めることができる。予備加熱工程では、例えば、未延伸フィルムを、そのガラス転移温度(Tg)+0℃〜Tg+60℃の範囲内の所定温度になるまで加熱する。この加熱条件は、熱伝導係数で示すと、例えば、0.0054J/cm2・sec・℃(0.0013カロリー/cm2・sec・℃)以下である。
横方向の延伸工程では、例えば、未延伸フィルムを、そのガラス転移温度(Tg)−20℃〜Tg+40℃の範囲内の所定温度で、2.3〜7.3倍、好ましくは2.5〜6.0倍に延伸する。その後、50℃〜110℃の範囲内の所定温度で、0〜15%の伸張あるいは0〜15%の緩和をさせながら熱処理し、必要に応じて40℃〜100℃の範囲内の所定温度でさらに熱処理をして、熱収縮性フィルムを得る。
フィルムを延伸する際には、延伸前の予備加熱工程、延伸工程、延伸後の熱処理工程、緩和処理、再延伸処理工程などの種々の工程を経てフィルムを延伸するので、これらの工程の全部でフィルムの表面温度の変動幅を小さくするのが望ましいものの、特に、予備加熱工程、延伸工程および延伸後の熱処理工程において、フィルムの表面温度の変動幅を小さくできる設備を用いることが好ましい。フィルムの表面温度の変動幅は、任意のポイントにおいてフィルムの表面温度を測定したときの各ポイントの温度が、例えば、フィルムの平均温度±1℃以内であることが好ましく、平均温度±0.5℃以内であることがより好ましい。フィルムの表面温度の変動幅を小さくすると、フィルムの全長に亘って同一温度で延伸や熱処理することができる。そのため、フィルム厚みの均一性を高めることができ、さらには熱収縮挙動を均一にすることもできる。
フィルムの表面温度の変動幅を小さくできる設備としては、例えば、フィルムを加熱する熱風の供給速度を制御するための風速制御手段(インバーター)を備えた設備、空気を安定的に加熱して熱風を調製するための加熱手段[500kPa以下(5kgf/cm2以下)の低圧蒸気を熱源とする加熱手段など]を備えた設備などが挙げられる。
なお、延伸は、最大収縮方向(この例では、フィルムの横方向)のみに延伸する1軸延伸に限定されず、最大収縮方向と異なる方向(例えば、直交方向;この例では、フィルムの縦方向)にも延伸する2軸延伸を行ってもよい。異方向(この例では、縦方向)への延伸倍率は、最大収縮方向(横方向)への延伸倍率以下であればよく、例えば、1倍〜4倍、好ましくは1.1倍〜2倍である。2軸延伸のタイミングは、特に限定されず、例えば、逐次2軸延伸、同時2軸延伸のいずれでもよく、必要に応じて再延伸を行ってもよい。また、逐次2軸延伸を行う場合、延伸の順序も特に限定されず、例えば、縦横、横縦、縦横縦、横縦横など、いずれの順序で延伸してもよい。これらの縦延伸または2軸延伸を採用する場合でも、横延伸の場合と同様に、予備加熱工程、延伸工程などにおけるフィルムの表面温度の変動幅をできるだけ小さくすることが好ましい。
ところで、延伸に伴ってフィルムの内部発熱が生じるが、この内部発熱を抑制すると、延伸方向(幅方向)のフィルム温度斑を小さくでき、延伸後のフィルム(熱収縮性フィルム)の厚みの均一性を高めることができる。内部発熱を抑制するためには、加熱条件を適宜制御してフィルムを加熱しやすくするのが望ましい。加熱不足の部分があると延伸配向に伴う内部発熱が生じるのに対して、フィルムが十分に加熱されていると延伸時に分子鎖が滑りやすくなるので、内部発熱が生じにくくなる。延伸工程の加熱条件は、熱伝達係数で示すと、例えば、0.0038J/cm2・sec・℃(0.0009カロリー/cm2・sec・℃)以上、好ましくは0.0054〜0.0084J/cm2・sec・℃(0.0013〜0.0020カロリー/cm2・sec・℃)である。
熱収縮性フィルムの厚みは、特に限定されず、好ましくは15〜300μm、より好ましくは20〜200μmである。
不織布は、例えば、以下のようにして製造される。ポリエステル系樹脂を例にとると、原料樹脂を溶融紡糸し、例えば、スパンボンド法により開繊して形成したウェブを、補集ネットコンベアー(ドラム)上で補集・搬送し、熱接着によりシート化する。スパンボンド法以外に、ヒートロールボンド法、エアースルーヒートボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法、メルトブローン法などの方法を用いて、構成繊維を不織布に加工してもよい。
本発明においては、例えば、ポリエステル系樹脂の長繊維を主体とする不織布が好適に用いられる。不織布は、その繊維径が0.5〜20μm、目付けが5〜200g/m2であることが好ましい。繊維径が0.5μmより細いと、不織布が磨耗などにより毛羽立ちやすく、その強度が低下する。逆に、繊維径が20μmより太いと、不織布の断熱性が低下する。不織布の繊維径は、3〜17μmの範囲内であることが特に好ましい。目付けが5g/m2より小さいと、不織布の断熱性や強度が低下し、熱収縮性フィルムと積層させるのが困難になるという問題が生じやすい。逆に、目付けが200g/m2より大きいと、ラベルを容器に被覆装着させたときに重量が重くなる上、積層したフィルムが熱収縮の際にシワなどを発生するという問題が生じやすい。不織布の目付けは、より好ましくは10〜50g/m2、特に好ましくは15〜30g/m2である。
不織布は、強力を高くするために、エンボス加工やカレンダー加工などにより部分的に繊維が接着されていてもよい。
不織布の形態としては、湿式不織布でも乾式不織布でもよいが、不織布の変形性に優れ、厚みを大きくして断熱性を高めることが容易な乾式不織布がより好ましい。特に長繊維不織布は、強伸度特性に優れ、表面が平滑であるので熱収縮性フィルムとの密着性が良好であるので、より好ましい。また、必要に応じて縦方向と横方向の収縮率を変更することが容易な点でも乾式不織布が好ましい。
また、不織布は、それ自体もある程度以上の熱収縮性を有することが、ラベルの収縮仕上り性を向上させることができるので好ましい。具体的には、95℃の温水中に10秒間浸漬して引き上げ、直ちに25℃の水中に10秒間浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が好ましくは10%以上、より好ましくは15%以上である。熱収縮性を有する不織布を得るには、前述の熱収縮性を与えるポリマー組成を用いることが好ましい。
熱収縮性フィルムと不織布は、互いの最大収縮方向を同一方向にして積層することにより一体化させる。その方法としては、通常の接着剤を用いて貼り付ける方法、ウエットラミネートやドライラミネート、加熱接着法など、公知のいかなる方法を用いてもよい。ただし、積層時に過剰に加熱すると、熱収縮性フィルムが収縮してシワなどが発生するので、通常、80℃以下の温度で加工することが好ましい。接着剤としては、例えば、ウエットラミネートの場合には、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸エステル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル−アクリル共重合体、アイオノマー樹脂などのエマルジョンタイプの接着剤や、天然ゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体などのラテックスタイプの接着剤などが用いられ、ドライラミネートの場合には、ビニル系、アクリル系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系、エポキシ系、ゴム系などの接着剤が用いられる。
本発明の熱収縮性ラベルは、少なくとも熱収縮性フィルムと不織布とを有する積層体を筒状にして、その一端における前記熱収縮性フィルム層の表面部分と、他端において対面する前記不織布層の表面部分とを互いに溶剤接着してなるラベル状体とすることにより得られる。溶剤接着は、溶解度指数が8.0〜13.8の範囲内にある溶剤を用いて行うことが好ましい。溶剤の溶解度指数がこの範囲内にあれば、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂などから形成される熱収縮性フィルムおよび不織布を容易に溶剤接着することができ、特にポリエステル系樹脂に対しては、優れた溶解作用または膨潤作用を発揮するので、より強固な接着性を得ることができる。特に推奨されるものは、例えば、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、二塩化アセチレン、ジクロロエチリデン、ジクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、トリクロロエチレン、ジクロロプロピレンなどのハロゲン化炭化水素や、o−ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類などであるが、特に有用なのはテトラヒドロフランおよび1,3−ジオキソランである。
以下、本発明を実施例によってさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更実施する場合は、本発明に含まれる。なお、実施例で得られた熱収縮性フィルム、不織布および熱収縮性ラベルのエチレンテレフタレート量および物性値の測定方法は、以下の通りである。
(1)エチレンテレフタレート量
試料(フィルムまたは不織布)を、クロロホルムD(ユーリソップ社製)とトリフルオロ酢酸D1(ユーリソップ社製)を10:1(体積比)で混合した溶媒に溶解させて、試料溶液を調製し、NMR(「GEMINI−200」;Varian社製)を用いて、温度23℃、積算回数64回の測定条件で試料溶液のプロトンNMRを測定した。NMR測定によるプロトンのピーク強度に基づいて、試料を形成するポリエステル系樹脂のモノマー構成比率を算出して、エチレンテレフタレートユニット量を求めた。
(2)溶剤接着部分の剥離強度
ラベルの溶剤接着部分を最大収縮方向に幅15mmに切り取って試料とした。この試料を(株)ボールドウィン社製の万能引張試験機STM−50に装着し、180°ピール試験によって引張速度200mm/分で測定した。
(3)熱収縮率
ラベル、フィルムまたは不織布を5cm×5mの正方形に、その一辺が最大収縮方向と平行になるように切り出して試料とした。この試料を95℃±0.5℃の温水中に無荷重状態で10秒間浸漬して熱収縮させ、直ちに25℃±0.5℃の水中に10秒間浸漬した後、試料の縦方向および横方向の長さを測定し、下記式
熱収縮率(%)=100×(収縮前の長さ−収縮後の長さ)÷(収縮前の長さ)
に従って求めた値である。なお、最も収縮率の大きい方向を最大収縮方向とした。
(4)収縮仕上がり性
ラベルを容量275ccのアルミ製ボトルに装着した後、90℃のスチーム式熱収縮トンネル内を5秒間通過させて、ラベルを収縮させた。色斑および収縮斑の発生個数とラベルの溶剤接着部分の外観とを目視で判断し、収縮仕上がり性を5段階で評価した。基準は、5:仕上がり性最良、4:仕上がり性良、3:色斑または収縮斑が少し有り(2ヶ所以内)、2:色斑または収縮斑有り(3〜5ヶ所)、1:色斑または収縮斑多い(6ヶ所以上)として、4以上を合格レベル、3以下のものを不良とした。溶剤接着部分の外観は、2:収縮後の剥離なし、1:収縮後の剥離ありとして、2を合格レベル、1を不良とした。
(5)断熱性
ラベルを熱収縮させて被覆装着した容量275ccの空のアルミ製ボトルに、60℃の温水を入れ、温度23℃の雰囲気中に10秒間放置した後、ボトル胴部の表面温度を熱電式温度計で測定した。また、同様に10秒間放置した後に、ボトル胴部を手で触って、その熱さの程度を評価した。
実施例では、以下に示す原料ポリエステルから熱収縮性フィルムおよび不織布を作成した。
ポリエステルA:ポリエチレンテレフタレート(極限粘度0.75dl/g)
ポリエステルB:エチレングリコール70モル%およびネオペンチルグリコール30モル%とテレフタル酸100モル%とからなるポリエステル(極限粘度0.72dl/g)
ポリエステルC:ポリブチレンテレフタレート(極限粘度1.20dl/g)
実施例に用いた熱収縮性フィルムは以下の通りである。
(熱収縮性フィルムA)
ポリエステルA15質量%、ポリエステルB75質量%、ポリエステルC10質量%を予備乾燥して混合し、280℃で溶融後、Tダイより押出しし、表面温度20℃の冷却ロール上で急冷して、厚さ156μmの未延伸フィルム(ガラス転移温度=72℃)を得た。この未延伸フィルムをフィルム温度が90℃になるまで予備加熱した後、テンターを用いて、横方向に、75℃で4.5倍延伸し、次いで72℃で合計延伸倍率が5.2倍となるように延伸して、厚さ30μmの熱収縮性フィルムAを得た。このフィルムのエチレンテレフタレートユニット量と熱収縮率の値を表1に示す。
(熱収縮性フィルムB)
ポリエステルA88質量%、ポリエステルB12質量%を予備乾燥して混合し、280℃で溶融後、Tダイより押出しし、表面温度20℃の冷却ロール上で急冷して、厚さ156μmの未延伸フィルム(ガラス転移温度=76℃)を得た。この未延伸フィルムをフィルム温度が90℃になるまで予備加熱した後、テンターを用いて、横方向に、85℃で4.0倍延伸して、厚さ30μmの熱収縮性フィルムBを得た。このフィルムのエチレンテレフタレートユニット量と熱収縮率の値を表1に示す。
Figure 0004580687
実施例に用いた不織布は以下の通りである。
(不織布A)
ポリエステルA50質量%、ポリエステルB50質量%を予備乾燥して混合し、280℃で溶融後、速度2900m/分で紡糸し、スパンボンド法により開繊して形成したウエブを、補集ネットコンベアー上で補集・搬送し、熱接着により、不織布Aを得た。この不織布の繊維径は14μm、目付けは40g/m2であった。この不織布のエチレンテレフタレートユニット量と熱収縮率の値を表2に示す。
(不織布B)
ポリエステルA60質量%、ポリエステルB40質量%を予備乾燥して混合し、280℃で溶融後、速度3000m/分で紡糸し、スパンボンド法により開繊して形成したウエブを、補集ネットコンベアー上で補集・搬送し、熱接着により、不織布Bを得た。この不織布の繊維径は14μm、目付けは40g/m2であった。この不織布のエチレンテレフタレートユニット量と熱収縮率の値を表2に示す。
(不織布C)
ポリエステルA40質量%、ポリエステルB60質量%を予備乾燥して混合し、280℃で溶融後、速度3000m/分で紡糸し、スパンボンド法により開繊して形成したウエブを、補集ネットコンベアー上で補集・搬送し、熱接着により、不織布Cを得た。この不織布の繊維径は14μm、目付けは30g/m2であった。この不織布のエチレンテレフタレートユニット量と熱収縮率の値を表2に示す。
(不織布D)
ポリエステルA100質量%を予備乾燥し、280℃で溶融後、速度2900m/分で紡糸し、スパンボンド法により開繊して形成したウエブを、補集ネットコンベアー上で補集・搬送し、熱接着により、不織布Dを得た。この不織布の繊維径は14μm、目付けは40g/m2であった。この不織布のエチレンテレフタレートユニット量と熱収縮率の値を表2に示す。
(不織布E)
ポリエステルA50質量%、ポリエステルB50質量%を予備乾燥して混合し、280℃で溶融後、速度2900m/分で紡糸し、スパンボンド法により開繊して形成したウエブを、補集ネットコンベアー上で補集・搬送し、熱接着により、不織布Eを得た。この不織布の繊維径は25μm、目付けは230g/m2であった。この不織布のエチレンテレフタレートユニット量と熱収縮率の値を表2に示す。
Figure 0004580687
このようにして得られた熱収縮性フィルムおよび不織布を用いて、以下の熱収縮性ラベルを調製した。
(熱収縮性ラベルA)
熱収縮性フィルムAに草色、金色、白色のインキ(東洋インキ製造社製)をこの順に印刷した。これと不織布Aを、互いの最大収縮方向を同一方向にして、また、フィルム印刷面を不織布Aに対面させ、ドライラミネート法により市販のポリエステル系接着剤(東洋紡績株式会社製「バイロン」(登録商標))を用いて積層した。この積層体を、その最大収縮方向が周方向となるように、筒状にして、その一端における熱収縮性フィルム層の表面部分と、他端において対面する不織布層の表面部分とを、1,3−ジオキソラン(溶解度指数10.5)を用いて互いに溶剤接着して、周長220mmの熱収縮性ラベルAを得た。このラベルの周長は、市販の容量275ccのアルミ製ボトルの胴部の周長より5%長かった。このラベルの物性値を表3に示す。
(熱収縮性ラベルB)
熱収縮性フィルムAと不織布Bを用いたこと以外は熱収縮性ラベルAと同様にして、熱収縮性ラベルBを得た。このラベルの物性値を表3に示す。
(熱収縮性ラベルC)
熱収縮性フィルムAと不織布Cを用いたこと以外は熱収縮性ラベルAと同様にして、熱収縮性ラベルCを得た。このラベルの物性値を表3に示す。
(熱収縮性ラベルD)
熱収縮性フィルムBと不織布Aを用いたこと以外は熱収縮性ラベルAと同様にして、熱収縮性ラベルDを得た。このラベルの物性値を表3に示す。
(熱収縮性ラベルE)
熱収縮性フィルムAと不織布Dを用いたこと以外は熱収縮性ラベルAと同様にして、熱収縮性ラベルEを作成しようと試みたが、熱収縮性フィルム層と不織布層が溶剤接着しなかった。
(熱収縮性ラベルF)
熱収縮性フィルムAと不織布Eを用いたこと以外は熱収縮性ラベルAと同様にして、熱収縮性ラベルFを得た。このラベルの物性値を表3に示す。
(熱収縮性ラベルG)
この例では、不織布を用いなかった。熱収縮性フィルムAに草色、金色、白色のインキ(東洋インキ製造社製)をこの順に印刷した。これを、その最大収縮方向が周方向となるように、筒状にして、その一端におけるフィルムの表面部分と、他端において対面するフィルムの表面部分とを、1,3−ジオキソラン(溶解度指数10.5)を用いて溶剤接着して、周長220mmの熱収縮性ラベルGを得た。このラベルの物性値を表3に示す。
Figure 0004580687
本発明の熱収縮性ラベルは、ボトルやカップなど様々な形態の容器にも熱収縮により被覆装着可能で、実用的な断熱効果があり、かつ通常の溶剤接着加工工程で生産可能であるので、収縮ラベル、キャップシール、収縮包装などの用途に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも熱収縮性フィルムと不織布とを有する積層体を筒状にして、その一端における前記熱収縮性フィルム層の表面部分と、他端において対面する前記不織布層の表面部分とを互いに溶剤接着してなり、前記熱収縮性フィルムおよび前記不織布が共にエチレンテレフタレートユニット量95モル%以下のポリエステル系樹脂で形成されていることを特徴とする熱収縮性ラベル。
  2. 熱収縮性フィルム層がラベルの外側に面し、不織布層がラベルの内側に面している請求項1記載の熱収縮性ラベル。
  3. 溶剤接着部分の剥離強度が2(N/15mm)以上である請求項1または2記載の熱収縮性ラベル。
  4. 95℃の温水中に10秒間浸漬して引き上げ、次いで25℃の水中に10秒間浸漬して引き上げたときの最大収縮方向の熱収縮率が40%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の熱収縮性ラベル。
  5. 不織布の繊維径が0.5〜20μm、目付けが5〜200g/mの範囲内である請求項1〜のいずれかに記載の熱収縮性ラベル。
  6. 溶解度指数が8.0〜13.8の範囲内にある溶剤で接着してな請求項1〜のいずれかに記載の熱収縮性ラベル。
JP2004155250A 2004-05-25 2004-05-25 熱収縮性ラベル Expired - Fee Related JP4580687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004155250A JP4580687B2 (ja) 2004-05-25 2004-05-25 熱収縮性ラベル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004155250A JP4580687B2 (ja) 2004-05-25 2004-05-25 熱収縮性ラベル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005338304A JP2005338304A (ja) 2005-12-08
JP4580687B2 true JP4580687B2 (ja) 2010-11-17

Family

ID=35491972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004155250A Expired - Fee Related JP4580687B2 (ja) 2004-05-25 2004-05-25 熱収縮性ラベル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4580687B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006030668A (ja) * 2004-07-16 2006-02-02 Dainippon Printing Co Ltd 断熱性シュリンクラベル、およびラベル付き容器
US8932706B2 (en) 2005-10-27 2015-01-13 Multi-Color Corporation Laminate with a heat-activatable expandable layer
US8282754B2 (en) 2007-04-05 2012-10-09 Avery Dennison Corporation Pressure sensitive shrink label
AU2008237210B2 (en) 2007-04-05 2012-08-16 Avery Dennison Corporation Pressure sensitive shrink label
US8895138B2 (en) * 2009-11-17 2014-11-25 E I Du Pont De Nemours And Company Impact resistant composite article
US9221573B2 (en) 2010-01-28 2015-12-29 Avery Dennison Corporation Label applicator belt system
JP6511299B6 (ja) * 2015-03-12 2019-07-17 大和製罐株式会社 金属缶溶接部の補修用ポリエステルフィルム
US20200087500A1 (en) * 2017-03-24 2020-03-19 Toyobo Co., Ltd. Heat-shrinkable label, package, and manufacturing method for heat-shrinkable label

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000301609A (ja) * 1999-04-23 2000-10-31 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP2003170496A (ja) * 2001-08-03 2003-06-17 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールおよびその製造方法
JP2003246354A (ja) * 2001-12-17 2003-09-02 Noriyoshi Nakayama 容器包装用収縮フィルムの製造方法
WO2004018205A1 (ja) * 2002-08-23 2004-03-04 Teijin Dupont Films Japan Limited 包装用熱収縮多層ポリエステルフィルム
JP2004067189A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Fuji Seal Inc 飲料充填容器用断熱性シュリンクチューブ
JP2004142785A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Noriyoshi Nakayama 容器包装用収縮断熱フィルム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11240965A (ja) * 1998-11-04 1999-09-07 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルム

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000301609A (ja) * 1999-04-23 2000-10-31 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP2003170496A (ja) * 2001-08-03 2003-06-17 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルムロールおよびその製造方法
JP2003246354A (ja) * 2001-12-17 2003-09-02 Noriyoshi Nakayama 容器包装用収縮フィルムの製造方法
JP2004067189A (ja) * 2002-08-07 2004-03-04 Fuji Seal Inc 飲料充填容器用断熱性シュリンクチューブ
WO2004018205A1 (ja) * 2002-08-23 2004-03-04 Teijin Dupont Films Japan Limited 包装用熱収縮多層ポリエステルフィルム
JP2004142785A (ja) * 2002-10-24 2004-05-20 Noriyoshi Nakayama 容器包装用収縮断熱フィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005338304A (ja) 2005-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5036706B2 (ja) シュリンクフィルム
WO2006121118A1 (ja) 熱収縮性フィルム、並びにこの熱収縮性フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル、及びこの成形品を用いた、又はこのラベルを装着した容器
WO2006075634A1 (ja) 熱収縮性積層フィルム、該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベルおよび容器
KR20090023679A (ko) 열 수축성 적층 필름 및 상기 필름을 이용한 성형품, 열 수축성 라벨 및 용기
JP4580687B2 (ja) 熱収縮性ラベル
US20140151258A1 (en) Polymeric Films Comprising Biodegradable Polyester or Copolymer Thereof
JPH11262981A (ja) 熱収縮性ラベル用フィルム及びそれからなるラベルが装着されたpetボトル
US5273811A (en) Stretched, laminated film
CN112166032A (zh) 热收缩性多层膜
US20200254724A1 (en) Use of high barrier and peelable polyester film for tray lidding, dual ovenable packaging applications and tray lidding dual ovenable packages obtained therefrom
JP2006044179A (ja) 熱収縮性積層フィルム及びそれからなるラベルを装着した容器
TWI805796B (zh) 熱收縮性多層膜及熱收縮性標籤
JP2007062084A (ja) 容器成形用積層体
JP2001219522A (ja) ポリ乳酸系積層2軸延伸フィルム
JP2022062054A (ja) 熱収縮性ラベル用溶剤組成物、および熱収縮性ラベルの製造方法
JP6600174B2 (ja) 包装体、およびその製造方法、包装緩衝材用積層シート、梱包体
JP6058949B2 (ja) インモールド成型用二軸延伸ポリエステルフィルム
JP5865171B2 (ja) シュリンクフィルムおよびシュリンクラベル
JP4284899B2 (ja) 熱収縮性フィルム、これを用いたラベル、及び容器
WO2012132632A1 (ja) シュリンクフィルムおよびシュリンクラベル
JP2009160788A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルムおよびその製造方法
JP7512014B2 (ja) 熱収縮性ラベル、包装体、および熱収縮性ラベルの製造方法
JP5037250B2 (ja) 熱収縮性積層フィルム、並びに該フィルムを用いた成形品、熱収縮性ラベル及び該成形品又は熱収縮性ラベルを装着した容器
WO2022071046A1 (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
WO2023013690A1 (ja) 熱収縮性フィルム及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070417

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100317

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100830

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4580687

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees