JP4580120B2 - 不飽和カルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不飽和カルボン酸と脂肪族アルコール類とから不飽和カルボン酸エステルを製造する方法に関し、より詳細には、加熱手段から供給される熱源温度と反応溶液温度とを所定範囲にすることで、原料化合物による重合物の発生を防止できる不飽和カルボン酸エステルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
不飽和カルボン酸類とアルコールとからエステル化物を製造するには、反応液を加熱することで反応が促進されるため、反応槽には加熱手段が配備されることが一般的である。また、不飽和カルボン酸とアルコール類とからエステル化物を製造する方法では、水が副生するためにエステル化が十分に進まず転化率が低下する原因となる。このため反応溶液に含まれる副生水を除去する必要があり、該副生水を反応槽に蒸留塔を設置することにより留出分離し、平衡を反応側にずらして転化率を高める方法がある。このような場合には、反応液を沸騰状態に維持するために加熱する必要があり、反応槽には加熱手段が配備される。
【0003】
一般的にはこの加熱温度が高いことは伝熱面積を小さくでき、または昇温時間を短縮できるなどの点で設備費用や労務費用を削減できるために有利である。従って、加熱ジャケットなどのような反応槽の外周部を被覆できる加熱手段によって反応溶液の達成温度よりも高い温度の加熱媒体を供給して、反応槽内の反応溶液を所定温度に加熱する方法が多用されている。
【0004】
また、エステル化反応には反応触媒としてイオン交換樹脂を使用する場合があり、特に反応液中に均一に該樹脂を分散させてエステル化反応を促進する場合には、反応槽内に配設した撹拌翼を用いてイオン交換樹脂を撹拌しつつエステル化反応を進行させている。このような場合に製品を回収するには、反応液中に含まれるイオン交換樹脂を分離する必要があり、樹脂分離槽を隣接させてイオン交換樹脂を含む反応液を静置し、エステル化物を含む反応液を導入し、一方、イオン交換樹脂を含むスラリーを反応槽に循環して連続的なエステル化物の製造に供している。このような方法として、例えば特開平10−231275号公報には、触媒として強酸性陽イオン交換樹脂の懸濁液中でカルボン酸類とアルコール類とを反応させる方法であって、該イオン交換樹脂を含むスラリー状の反応溶液を反応器から樹脂分離槽に導入し、該スラリー状の反応溶液を該樹脂分離槽中で清澄液部とスラリー状濃厚液部とに分離し、次いで該樹脂分離槽の上部から清澄液を取り出す一方、該樹脂分離槽の下部からスラリー状濃厚液を取り出して反応器に循環する方法が開示されている。樹脂分離槽の断面積基準の清澄液の上昇速度を特定速度以下とすると、イオン交換樹脂を実質的に含まないかまたはその含有量が著しく低減された清澄液を得ることができ、加えて、反応槽から樹脂分離槽に向かう配管を分離槽の下半部に水平線に対して20〜70°の角度で接続することで、導入部付近の流れが乱れずイオン交換樹脂の浮遊を防ぎ、スラリー状の反応溶液をスラリー状濃厚液と清澄液とに簡便に分離できるという。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、不飽和カルボン酸がアクリル酸などの重合性不飽和二重結合を有する化合物である場合には、反応槽の外周部に配設された加熱手段によって反応槽外壁が過度に加熱され、この結果、反応槽内壁に重合物が発生する場合がある。特に、イオン交換樹脂を反応触媒として使用する場合には、該樹脂を反応溶液内に均一に混合するために撹拌することにより、沸騰状態にある反応溶液の液面からの飛沫が反応槽内壁に付着し重合物を発生する場合がある。このような重合物の付着は、原料化合物や目的物を損失する原因ともなる。従って、エステル化物を連続的に生産する場合には、製品収率の大幅な低下を招く結果となる。また、重合物によって配管内の流体の流れが悪くなり、閉塞を招き、定期的に運転を止めて反応槽や配管内部を洗浄し重合物を取り除く必要も生じる。
【0006】
加えて、イオン交換樹脂の分離方法として樹脂分離槽を設置する場合には、該分離槽の底部と反応槽とを連結する配管を設けて、分離した樹脂を反応槽に循環させ、反応槽内の樹脂量を一定に保つことが好ましいが、該配管内に樹脂が残留し、反応槽への循環量の低下あるいは該配管の閉塞等の問題を引き起こし、更には、次工程への樹脂の留出を招く場合がある。
【0007】
したがって、本発明の目的は、反応生成水を分離除去する際に生ずる技術的課題を解決してなるエステル化物の製造方法を提供するものである。より詳しくはこうした技術的課題を生じさせる元凶ともいえる重合物の発生そのものを防止し、高品質のエステル化物を効率よく製造することのできる不飽和脂肪酸エステルの製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、高品質の不飽和カルボン酸エステルを効率よく製造することのできる方法につき鋭意検討した結果、反応溶液温度と加熱手段によって供給される熱源温度とを所定範囲に調整すること、反応時間を所定時間内に制限すること等によって反応槽内壁の重合物の発生を防止でき、かつ均一に触媒が反応溶液中に撹拌される結果、エステル転化率にも優れることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、外周部に加熱手段を有する反応槽に不飽和カルボン酸と脂肪族アルコール類とを供給する不飽和カルボン酸エステルの製造方法において、該反応槽の胴部の高さと反応槽内径との比を反応槽の胴部の高さを1とした場合に、該反応槽内径を0.7〜1.4である反応槽を用い、該加熱手段によって該反応槽内の反応液が静置時の液面位置を基準として該加熱手段の上端よりも100〜400mm高い液面に保たれ、かつ該加熱手段によって該反応液が50〜150℃に加熱され、かつ加熱される反応槽外周部の温度は反応槽内の反応液よりも高温であって、該加熱される反応槽外周部の温度と、反応槽内の反応液の平均温度との温度差が10〜75℃であることを特徴とする、不飽和カルボン酸エステルの製造方法である。
以下、本発明の好ましい態様を図1を用いて説明する。なお、図1において、Fは原料供給口、Gは分子状酸素含有ガス、1は反応槽、2は撹拌翼、3は分子状酸素含有ガス供給ノズル、4は加熱用ジャケット、4’は熱媒供給ライン、6は清澄液スプレー用ノズル、10は樹脂分離槽、11はポンプ、20は蒸留塔、21は蒸留物、30は次工程を示す。
【0010】
本発明の方法で不飽和カルボン酸エステルを製造するには、まずFから原料となる不飽和カルボン酸と炭素数1〜12の脂肪族アルコール類とを反応槽1に供給する。また、エステル化反応にイオン交換樹脂等の触媒を使用する場合には、予め反応槽1内に該触媒を投入しておけばよい。エステル化反応を至適に行うために温度を制御する場合には、反応槽1の外周に被覆させた加熱用ジャケット4に熱媒を熱媒供給ライン4’から供給して調整する。撹拌翼2によって反応槽に仕込まれた溶液を触媒と共に撹拌する。攪拌により供給原料を均一に混合し、加熱用ジャケットからの熱を溶液中に均一に配分し、かつ触媒として混在させたイオン交換樹脂を均一に分散させることができる。反応槽内の溶液に含まれるエステル化物と触媒とを分離するために、該触媒を含む反応溶液を樹脂分離槽10に供給し、樹脂を含むスラリーと清澄液に分離する。連続的に反応槽1の溶液を樹脂分離槽10に移送すると反応槽内の触媒が漸減する。従って、触媒を反応槽1に循環使用するために樹脂分離槽10の底部より樹脂を含む濃厚スラリー液を、ポンプ11を介して反応槽底部に循環させる。また、樹脂分離槽10の清澄液の一部は、次工程30でエステル化物の分離を行う一方、清澄液の一部を反応槽の上部に循環する。この清澄液は反応槽の気相部内壁にスプレーさせると、反応槽内壁を反応溶液で被覆することができる。なお、反応槽1ではエステル化の進行によって水が副生し、副生水の存在によってエステル化反応の進行が阻害される。この副生水を蒸留により反応槽から除去するため、反応槽1の上部に蒸留塔20を設置し、該副生水を留出分離する。
【0011】
このような本発明の不飽和カルボン酸エステルの製造方法の対象とすることのできる不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、安息香酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等がある。これらの中でも特にアクリル酸、メタクリル酸を原料化合物として脂肪族アルコール類とのエステル体を使用する場合に好ましく適用できる。アクリル酸やメタクリル酸はそれ自体、および脂肪族アルコール類とのエステル体が重合性を有するため、本発明による重合物の発生防止効果が優れるからである。
【0012】
本発明で使用できる脂肪族アルコール類としては、炭素数1〜12の直鎖または分岐を有していてもよい1価、または2価以上の多価アルコールがある。1価のアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、n−ブタノール、t−ブタノール、イソブタノール、ペンタノ−ル、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソオクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、2−エチルヘキシルアルコールなどがある。また、2価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、多価アルコールとしては、グリセロールがある。
【0013】
また、本発明の方法において原料として使用される不飽和カルボン酸に関しても、上記した不飽和カルボン酸の1種を単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用してもよく、その混合比率に関しても任意の範囲を採用することができる。
【0014】
本発明の方法において使用される上記原料の混合比率は、化学量論的には1:1(モル比)であるが、実際には、脂肪族アルコール類と不飽和カルボン酸とのエステル化反応が効率良く進行する範囲であれば特に制限されるものではないが、通常、一方の原料を過剰に使用してエステル化反応を速めたり、目的のエステル化物の精製面からは、蒸留・留去し易いより低沸点の原料を過剰に使用してもよい。
【0015】
本発明の特徴は、外周部に加熱手段を有する反応槽を用い、かつ該加熱手段によって供給する熱源温度(反応槽外周部の温度)と、加熱される反応槽内の該溶液の平均液温との温度差10〜75℃とすることである。熱源供給温度は高いほうが伝熱面積の縮小化を可能とし昇温時間を短縮できるなどの利点があるが、反応槽内壁で重合物が発生しやすくこのため最終的には生産効率が低下する。特に、溶液温度を確保するために反応槽外周部に設けた加熱手段から、該溶液の平均温度よりも高温であって該平均温度より75℃を超える熱源温度を供給すると、反応槽内壁が反応溶液の平均温度よりも75℃を超えて高温となるため、内壁に付着した易重合性物質が内壁温度によって固着し重合が急速に進行する。従って、反応溶液温度と加熱手段から供給される熱源とのバランスが重要となる。しかしながら、従来は反応槽内の溶液の加熱に関して溶液と加熱源の温度との差が全く考慮されていなかった。このため、原料と生成物の双方において易重合性の化合物を扱う場合には、生産効率を犠牲にして加熱手段からの供給温度を低下するか、高温を維持したままで反応槽内の定期的な洗浄を行うなどの必要があった。本発明では、反応溶液と加熱手段によって加熱される反応槽外周部の温度との温度差を10〜75℃とすることで、従来から反応槽内壁に付着した大量の重合物を極めて効果的に減少することができる。しかも不飽和カルボン酸エステルの製造効率を極めて効率的に向上させることができるのである。好ましくは、反応溶液の平均温度よりも高温であって、該平均温度と加熱手段によって加温される反応槽外周部の温度との差が10〜75℃、より好ましくは15〜70℃とする。該温度差が10℃を下回ると、反応液を加熱するために必要な伝熱面積の増大を招くため非経済的である。
【0016】
なお、反応溶液の平均温度はエステル化に適する温度を確保して行われ、例えば、上記不飽和カルボン酸と脂肪族アルコール類とのエステル化反応であれば、通常50〜150℃の溶液温度を確保しつつエステル化反応を行う。また、エステル化反応では水が副生するために、反応溶液を加熱して副生水を除去する場合には、一般に、反応槽内の溶液を温度20〜150℃、より好ましくは60〜140℃、特に好ましくは70〜120℃とすることが好ましい。なお、本発明では該加熱手段によって加熱される反応槽外周部の温度と、反応槽内の反応液の平均温度との温度差が80℃以下とすればよく、反応溶液自体の温度を問うものではない。従って、原料の種類や濃度、更に使用する触媒や、共沸溶剤の添加の有無などに最も適合した反応溶液温度を選択することができる。
【0017】
本発明における加熱手段としては従来公知のいずれの方法によってもよいが、本発明では反応槽内の溶液の均一混合という観点より加熱用ジャケットを使用することが好ましい。また、加熱ジャケットの加熱方法としても、特に制限はなく、蒸気を供給して所定温度に加熱することができる。
【0018】
加えて、本発明は反応槽の外周部に設けた加熱手段に帰因する重合物の発生を効率的に防止するために、反応溶液の平均温度と加熱手段との温度差を問題とするのであり、該反応槽に原料化合物である不飽和カルボン酸や脂肪族アルコール類、更に反応溶液に使用される溶媒などを予め加温するための予熱器を併設してもよい。
【0019】
なお、加熱手段として反応槽の外周部に設けた加熱用ジャケットを使用する場合には、反応槽に供給する原料化合物である不飽和カルボン酸と脂肪族アルコール類との合計量は、反応槽の満液状態でエステル化反応を行う場合でもよく、反応槽の上部に気相部が形成できる程度の反応溶液量でエステル化反応を行う場合でもよい。その一方、加熱用ジャケットが反応槽全体を覆うことは好ましくない。特に上記のように、反応槽の内部に気相部が形成される場合には、反応槽内の気相部内壁に付着した反応溶液が反応槽外部からの熱で容易に重合しやすいからである。このため、該加熱用ジャケットは反応槽の底部を覆い、かつ該ジャケットの上部は、反応槽の胴部の高さの65〜95%までの高さとすることが好ましい。より好ましくは70〜90%であり、特に好ましくは75〜85%である。
65%を下回ると、溶液を加熱するために供給する熱源量を過大なものとする必要があり、その一方95%を超えると次に記載するように、反応溶液の液面を反応に好ましい位置に調整することが困難となるからである。
【0020】
また、本発明では反応槽の上部に気相部を形成する場合においては、運転時における該反応溶液の液面を加熱用ジャケットの上端部よりも高くすることが好ましい。反応槽内壁に付着した液の重合を効果的に防止することができるからである。この際、反応槽内の溶液は、静置時の液面位置を基準として、加熱用ジャケットの上端部よりも100〜400mm高いことが好ましく、特に好ましくは200〜300mmである。該液面位置を500cmよりも高くすると、結果的に伝熱液面の縮小、すなわち、反応槽内の反応液の温度と加熱用ジャケット内温の温度差の拡大を招くため不利である。
【0021】
また、本発明ではエステル化反応の触媒を添加してもよく、該触媒がイオン交換樹脂である場合には、触媒を溶液中に均一に分散させるために溶液を混合攪拌する必要があり、混合撹拌という物理的操作によって溶液の上部から飛沫が発生する。特に、上記のようにエステル化反応で副生する水を除去するために沸騰状態を維持する場合には特に、反応槽内の反応溶液液面から飛沫が発生する。しかしながら、反応槽の胴部の高さと反応槽内径との比を反応槽の胴部の高さを1とした場合に、反応槽内径を0.7〜1.4の反応槽を用いると、沸騰条件でも反応溶液表面からの溶液の飛散を効果的に抑制し、反応槽内壁における重合物の発生を防止することができることが判明した。しかも、副生水の除去も十分効果的であり、エステル化率を低下させないこともわかった。
【0022】
反応槽の胴部の高さと内径の比が、大きくとも小さくとも槽内の溶液の混合は不十分となり、高さと内径の比が小さい場合には、槽断面積、つまり、蒸発面積が小さくなるため、溶液が飛散しやすくなり、逆に大きい場合には、気相部に接する内壁部の面積が大きくなるため、この個所において重合を起こす可能性が高くなる。より好ましくは反応槽の胴部の高さと反応槽内径との比が反応槽の胴部の高さを1とした場合に、反応槽内径が0.8〜1.3であり、特に好ましくは0.9〜1.2である。反応槽の胴部の高さと反応槽内径との比がこの範囲であれば、従来公知の混合手段、例えば撹拌機による撹拌混合や底部からのガス吹き込み等による場合であっても、反応層内壁における重合物の発生を効果的に抑制することができる。
【0023】
また、該反応槽には、底部に分子状酸素含有ガス供給ノズルを配設し、分子状酸素含有ガスによる重合防止を併用してもよい。反応槽の内壁に重合物が付着する場合に、該内壁に向けて分子状酸素含有ガスを供給するとその部位の重合物の発生を防止することができるが、内壁全体の重合物の発生を防止するには内壁に複数のノズルを配設する必要が生ずる。この際、ノズルは、反応槽の底部からのみ分子状酸素含有ガスを供給することが好ましい。分子状酸素含有ガスを均一に気相部に供給するためである。なお、反応槽の溶液に供給される分子状酸素含有ガスとしては、純粋な酸素ガスのほかに空気がある。なお、該分子状酸素含有ガスは反応槽の底部から供給すれば、供給場所や数は問わない。但し底部中央に1箇所から導入すれば十分である。
【0024】
本発明は特定の反応槽を使用する不飽和カルボン酸エステルの製造方法であるが、これを連続式に行うこともバッチ式に行うこともできる。連続式で行う場合には、連続的に原料化合物である不飽和カルボン酸と脂肪族アルコール類、および必要に応じて添加される触媒を連続的に反応槽に供給し、反応槽の外部に設けた加熱手段から熱源を得て反応溶液を所定温度に加熱し、エステル化反応を進行させる。
【0025】
また、本発明の不飽和カルボン酸エステルの製造方法をバッチ式で行う場合には、反応槽に上記した不飽和カルボン酸と脂肪族アルコール類とを導入し、これに必要に応じて触媒を添加し、反応槽外周部に設けた加熱手段によって溶液の温度を所定温度に上昇および維持して、エステル化反応を進行させる。エステル化の進行に伴い副生水が発生するため、エステル化反応が平衡に達した後に反応槽内の液を抜き出して副生水を分離しても、あるいは連続式の場合と同様に、反応槽に併設した蒸留塔により反応の進行と同時に副生水を分離除去してもよい。なお、バッチ式の製造方法の場合においても、反応槽の溶液の上端部が加熱手段の上端部より高い位置となるため、反応槽の内壁への重合物の発生を防止しつつ不飽和カルボン酸エステルを製造できる点で好ましい。
【0026】
本発明では、連続式やバッチ式等の反応容器にかかわらず、原料化合物を導入した溶液には、必要に応じて重合禁止剤を反応系に加えてもよい。重合禁止剤を用いることにより、原料としての脂肪族アルコール類、不飽和カルボン酸またはこれらのエステル化物の重合を効果的に防止することできるからである。本発明において使用できる重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤が使用でき特に制限されるものではないが、特には、フェノチアジン、ハイドロキノンモノメチルエーテル等が好ましく使用される。これらの重合禁止剤は、単独で使用してもよいほか、2種以上を混合して使用することもできる。
【0027】
上記重合禁止剤の使用量は、原料としての不飽和カルボン酸の仕込量に対して、0.001〜1質量%、好ましくは0.001〜0.1質量%の範囲内である。重合禁止剤の使用量が0.001質量%未満であると、重合禁止能の発現が十分でなく、原料としての不飽和カルボン酸、生成物としてのエステル化物またはこれらの混合物の重合を有効に防止しにくくなるため好ましくなく、重合禁止剤の使用量が1質量%を超えると、生成物であるエステル化物中に残留する重合禁止剤量が増えるため、品質及び性能面から好ましくなく、また、過剰に添加することに見合うさらなる効果も得られず、経済的な観点からも好ましくない。
【0028】
本発明のエステル化反応においては、必要に応じて反応系に触媒を添加することができる。使用する触媒については特に制限されるものではなく、生産するエステルの種類、反応条件等により目的に応じて適宜選択することができる。このような触媒としては不均一触媒と均一触媒がある。
【0029】
不均一触媒としては、ロームアンドハース社製の商品名「アンバーライト IR−116」、「アンバーライト IR−120」、「デュオライト DX900」、「デュオライト DX2001」、三菱化学社製の商品名「ダイヤイオンPK−208」、「ダイヤイオン PK−228」、「ダイヤイオン SK−1」、ダウケミカル社製の商品名「ダウエックス HCR−W2」、住友化学社製の商品名「デュオライト C−26」等のイオン交換樹脂を好ましく使用することができる。
【0030】
また、均一触媒として、硫酸、メタスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、リン酸等を使用することができる。
【0031】
エステル化の反応時間は、0.5〜3時間とすることが好ましい。また、反応時間は、該反応溶液の滞留時間を0.5〜3時間とする。より好ましくは0.6〜2.5時間であり、特に好ましくは0.8〜2.0時間である。0.5時間を下回ると所定の反応率を保持するために反応温度を上昇させる必要があり、このため、副生成物の生成量が増加し、製品収率の低下を招く。その一方、3時間を超えると、不飽和カルボン酸およびそのエステルの2量化等が進行しやすくなり、結果的に製品収率の低下を招くことになるからである。これらは反応槽内の原料化合物を含む溶液の温度や使用する触媒、副生水の除去方法などによって適宜上記範囲内で選択すればよい。
【0032】
本発明において、イオン交換樹脂を触媒として反応槽に添加する場合には、目的物である不飽和カルボン酸エステルと共にイオン交換樹脂も溶液中に混在し、目的物の取り出しと共に該イオン交換樹脂も反応槽から取り出される。従って、触媒を含む溶液を樹脂分離槽に導入し、樹脂を含むスラリーと清澄液とに分離することが好ましい。そしてイオン交換樹脂を含むスラリーを反応槽に循環させればイオン交換樹脂を簡便に再利用することができる。
【0033】
このようなイオン交換樹脂を含むスラリーの反応槽への循環において、配管曲部の曲率半径内径を該配管の3倍以上の配管として該反応槽に循環させることが好ましい。このような配管曲率を確保すると、配管内で反応溶液が滞留することなく反応槽に循環できるため、配管内の重合を効率的に防止することができるからである。一般に流体の流動性は、粘弾性、応力緩和、クリープ、弾性余効、塑性流動、チキソトロピー等の現象が関与し、かつ同一流体であっても流体の温度や流速によって流動性が変化する。本発明において、樹脂分離槽から取り出される樹脂を含むスラリーとしては、不飽和カルボン酸、脂肪族アルコール類、不飽和カルボン酸エステル、必要に応じて添加される溶媒や重合禁止剤やイオン交換樹脂が含まれている。ポンプの動力によってスラリーを反応槽に循環させる場合に、該配管曲部の曲率半径を該配管内径の3倍以上とすることで配管内のスラリーの滞留および破砕を防止することができる。該配管曲部の曲率半径は、これが小さい場合は曲がり部において樹脂等が滞留あるいは配管に付着しやすくなるためスラリー液の流速を速くする必要が生じ、このため該樹脂が破砕しやすくなり、粉砕した樹脂によって反応収率が低下する。これに対し、該曲率半径を3倍以上とすると液体抵抗が小さくなり、また、流れの滞りも解消されるため、上記の問題が解決できることが判明したのである。特に、スラリー液中の樹脂濃度が、20〜70体積%、より好ましくは25〜65体積%、特に好ましくは30〜60体積%の場合にその効果に優れる。また、この際のスラリー液の流速は、0.5〜3.0m/secであることが好ましく、より好ましくは0.8〜2.5m/sec、特に好ましくは1.0〜2.0m/secである。スラリー液粘度については特に制限はないが、好ましくは20cP以下、より好ましくは15cP、特に好ましくは10cP以下である。
【0034】
一方、該樹脂分離槽で樹脂を沈殿させた後にできる清澄液は、少なくともその一部を反応槽の気相内壁へ循環させることが好ましい。この循環方法としては、特に反応槽の気相部内壁に噴霧する方法がよい。これによって、気相部に付着する反応溶液の飛沫を簡便に溶液中に流下させることができ、気相部に発生する重合を防止することができるからである。特に、反応槽に原料化合物や溶媒などを連続的に供給し、連続的に反応溶液を樹脂分離槽に供給する場合には、前記したように反応槽内に気相部が発生しやすく、このため気相部内壁に重合物が付着しやすい。この場合、内壁に外部から液を噴霧するとエステル化反応速度を低下させる場合があるが、本発明のように不飽和カルボン酸エステルに原料化合物を含む溶液である清澄液を噴霧することによって、エステル化反応速度を遅延することなく、かつ重合物の付着を防止しつつ不飽和カルボン酸のエステル体を製造することができるのである。このような噴霧には、樹脂分離槽とエステル化反応槽とを配管で連結し、該配管内に清澄液を導入させ、かつ反応槽の内壁に向けて清澄液が噴霧できるようにその先端をスプレー状にする。このようなスプレー状の先端部は、反応槽の内壁の気相部に清澄液がかかるように設置すればよく、その数も1箇所に限られず複数個所に設置することができる。また、気相部であれば特に制限はなく、反応槽の側壁に限られず、反応槽の上部から噴霧することもできる。なお、樹脂分離槽の清澄液には微細なイオン交換樹脂が浮遊している場合もある。このため、樹脂分離槽の清澄液の出口部には、該浮遊物の瀘別機構を備えることが好ましい。
【0035】
【実施例】
以下、本発明の実施例により具体的に説明する。
【0036】
(実施例1)
アクリル酸とn−ブタノールとのエステル化反応を、内径3100mm、直胴部長さ3100mmの円筒型反応槽にて、翼径1900mmのファウドラー翼で40rpmの撹拌速度で反応溶液を撹拌しながら行った。該反応の触媒には、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製、商品名「ダイアイオン PK208」)を15.5m3(水湿潤状態)使用しており、反応温度(反応液温)80℃、反応圧力20kPa(絶対圧力)の条件にて反応を行った。また、反応溶液の加熱には蒸気を使用し、反応槽直胴部高さの90%までを被覆する付属ジャケットに供給した。なお、ジャケット内圧は、0.2MPa(ゲージ圧)で反応槽外周部の温度は約133℃であった。更に、反応溶液の液面はジャケットよりも100mm高くなる液量とし、反応溶液の反応槽内滞留時間は1.5時間とした。
また、反応槽での蒸発蒸気量に対して0.2体積%の空気を反応槽底部中心に配設されたノズルより供給した。
【0037】
運転開始から5ヶ月後、装置を停止し、反応槽内部を点検したが、重合物の発生は殆どなかった。
【0038】
(比較例1)
反応槽付属ジャケット内の蒸気圧力を0.5MPa(ゲージ圧)で反応槽外周部の温度を約159℃にした以外は、実施例1と同じ条件で運転を行った。
【0039】
その結果、運転開始から約2ヶ月後、反応溶液の液面より上部の内壁での重合物の発生により装置を停止した。
【0040】
(実施例2)
実施例1に記載の反応槽において、内径1700mm、長さ2000mmの樹脂分離槽を併設し、樹脂を含むスラリー液と清澄液とに反応溶液を分離しながら反応を行った。なお、反応槽から樹脂分離槽へ供給される反応溶液の流量は、112m3/hであり、18m3/hの清澄液が抜き出され、1.5m/secのスラリー液が反応槽に循環した。また、樹脂分離槽から出るスラリー液中のスラリー濃度は25体積%であった。
【0041】
該樹脂分離槽から反応槽へ循環されるスラリー液の流路配管に、内径150mmφのステンレス鋼管を使用し、該配管の曲部の曲率半径を600mmとした結果、該配管内にて閉塞などのトラブルは生じなかった。
【0042】
(実施例3)
アクリル酸と2−エチルヘキシルアルコールとのエステル反応を、強酸性陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製、商品名「ダイアイオン PK208」)を10m3(水湿潤状態)使用し、反応温度(反応液温)85℃、反応圧力10kPa(絶対圧力)の条件にて反応を行った。反応槽へのフィード液は、予熱器により80℃に昇温し、また、反応溶液も温度は槽付属ジャケットに供給される蒸気により行った。なお、ジャケット内圧は、0.35MPa(ゲージ圧)で反応槽外周部の温度は約148℃であった。更に、反応槽から樹脂分離槽へ2m/secの反応溶液を供給した。
【0043】
樹脂分離槽からは、清澄液を7m3/hで排出される一方、樹脂を含むスラリー液を50m3/hで抜き出し、反応槽へ循環させた。また、清澄液の内、1m3/hは反応槽内壁のスプレーとして循環使用し、残りは次工程に供給した。
【0044】
本条件にて運転を行った結果、運転開始から4ヶ月後も反応槽に重合物は発生しなかった。
【0045】
(比較例2)
実施例3においてフィード予熱器を使用せず、40℃にてフィード液を供給しながら運転を行った結果、槽付属のジャケットの内圧が0.55MPa(ゲージ圧)で反応槽外周部の温度は約162℃まで上昇し、運転開始から2ヶ月後、反応溶液の液面より上部の内壁における重合物の発生により装置を停止した。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、反応溶液の温度と加熱手段によって加熱される反応槽外周部源温度とを特定範囲に調整することで、反応槽の内壁への重合物の発生を防止することができ、原料化合物の損失を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の不飽和カルボン酸エステルの製造方法に用いられる装置構成の概略図である。
【符号の説明】
F・・・原料供給口、G・・・分子状酸素含有ガス、1・・・反応槽、2・・・撹拌翼、3・・・分子状酸素含有ガス供給ノズル、4・・・加熱用ジャケット、4’・・・熱媒供給ライン、6・・・清澄液スプレー用ノズル、10・・・樹脂分離槽、11・・・ポンプ、20・・・蒸留塔、21・・・蒸留物、30・・・次工程。
Claims (9)
- 外周部に加熱手段を有する反応槽に不飽和カルボン酸と脂肪族アルコール類とを供給する不飽和カルボン酸エステルの製造方法において、該反応槽の胴部の高さと反応槽内径との比を反応槽の胴部の高さを1とした場合に、該反応槽内径を0.7〜1.4である反応槽を用い、該加熱手段によって該反応槽内の反応液が静置時の液面位置を基準として該加熱手段の上端よりも100〜400mm高い液面に保たれ、かつ該加熱手段によって該反応液が50〜150℃に加熱され、かつ加熱される反応槽外周部の温度は反応槽内の反応液よりも高温であって、該加熱される反応槽外周部の温度と、反応槽内の反応液の平均温度との温度差が10〜75℃であることを特徴とする、不飽和カルボン酸エステルの製造方法。
- 該反応槽の底部から分子状酸素含有ガスを供給することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 更に、該反応槽内にイオン交換樹脂を触媒として存在させることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- 該反応槽内のイオン交換樹脂を反応液と共に樹脂分離槽に導入し、該分離槽でイオン交換樹脂を含むスラリーと不飽和カルボン酸エステルを含む清澄液とに分離し、該スラリーを配管曲部の曲率半径が該配管内径の3倍以上の配管を用いて該反応槽に循環することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
- 該樹脂分離槽の清澄液の少なくとも一部を反応槽の気相内壁へ循環させることを特徴とする、請求項4記載の方法。
- 該反応槽への循環が、清澄液を反応槽の気相内壁に噴霧することである、請求項5記載の方法。
- 該スラリーは0.5〜3.0m/secの流速で循環されてなる、請求項3〜6のいずれか一つに記載の方法。
- 該外用部の加熱手段は、反応槽の底部を覆うジャケットであり、かつ該ジャケットの上部は該反応槽の胴部の高さの65〜95%の高さまである、請求項1〜7のいずれか一つに記載の方法。
- 該スラリー液中のイオン交換樹脂濃度が、20〜70体積%である請求項3〜8のいずれか一つに記載の方法。
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